JP4316766B2 - 揺動式籾摺選別機の仕上玄米取出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、籾の摺落部と、混合米を選別する揺動選別部と、摺落物を風選する吸引風選部を機体内に配置して一体的に構成した揺動式籾摺選別機の、揺動選別部により選別された玄米中の粉塵を除去して取出すところの仕上玄米取出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、揺動式籾摺選別機において、揺動選別部により選別された玄米中の粉塵を除去して仕上玄米として取出すようにしたものは、例えば、特公昭60−38974号公報、同公昭61−34863号公報等によって公告されている。また、特開2000−15119号公報には摺落米が案内板を流下し、該案内板の終端部に設けた羽根車によって垂直状の主風路に跳出して風選する選別装置にし、揺動選別部の選別盤の玄米ゾーンから流出するものを受ける玄米樋を設け、その下方に配置した玄米室から仕上げ米昇降機に流入して機外に搬出する揺動式籾摺機の玄米取出し装置が記載されている。更に、揺動選別部の下方に玄米風選室を設け、摺落物を風選する吸引風選部の風選路と玄米風選室とを連通させて、外気吸引風路を形成した仕上玄米取出装置が特開昭61−42379号公報に記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前項に記載するこれらの公報に記載された技術によれば、玄米中の粉塵を除去するため専用の選別風起風装置を備えているもので、構造が複雑化して重量は増加し、部品点数も多く、コスト高になるなどの欠点を有しているのである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
機体の前部がわに摺落部を後部がわに揺動選別部を設け、摺落部と揺動選別部の間に摺落物を風選する吸引風選部を配置し、該吸引風選部は摺落部における流下樋の途中に形成した穀粒滞留部に対し、前記摺落物が流下する上手がわと下手がわに1次風選路と2次風選路を立設させるとともに、揺動選別部から流出する玄米を風選する玄米風選室を取出口の上方に形成した揺動式籾摺選別機の仕上玄米取出装置において、 揺動選別部の玄米ゾーンから流出する玄米を受けて混合米流穀板に接続する玄米樋を設置し、該玄米樋に開口した落下口に玄米の流下方向を横切る支点軸を設け、この支点軸に切替板の中間部を軸着して起伏可能にし、起立操作により落下口が開口することにより支点軸より上手がわの落下口部から切替板上を流下させて玄米風選室内に落下させ、玄米風選室内を通過する外気吸引風路は切替板の下側から支点軸の下手がわの落下口部を吹き上げて2次風選路に向かう構成にし、籾摺作業の開始時に選別作用が安定しないときは切替板によって玄米ゾ−ンから流出するものを機内循環に切替え、選別作用の安定にともない落下口を開口し、玄米は切替板上を流下して玄米風選室に落下し、これに外気吸引風路を吹流する吸引風が作用して粉塵の除去を効果的にするのである。
【0005】
【発明の実施の形態】
【実施例】
以下、この発明による仕上玄米取出装置に関して実施例図を参照し具体的に説明すると、この揺動式籾摺選別機は、機体(1)の前部がわに籾の摺落部(A)を後部がわに混合米を選別する揺動選別部(B)を設け、摺落部(A)と揺動選別部(B)の間に摺落部(A)からの摺落物を風選する吸引風選部(C)を配置して組成している。
【0006】
摺落部(A)は籾タンク(18)と一対の脱ぷロ−ル(19)等を備えて籾タンク(18)内から落下する籾を摺落し、その摺落物を脱ぷロ−ル(19)の下方に斜設した流下樋(2)で受けて吸引風選部(C)がわに流下させ、流下樋(2)の途中に底部を湾曲面にした穀粒滞留部(3)を形成し、この穀粒滞留部(3)内に摺落物の流下方向と直交する回転軸(20)に軸着する跳出羽根(6)が設けられて跳出路(21)から後述する吸引風選部(C)の2次風選路(5)に斜め上方に向けて跳出すようにしている。
【0007】
吸引風選部(C)は上部に吸引排塵ファン(22)を設置し、この吸引排塵ファン(22)に前記穀粒滞留部(3)をはさんで流下樋(2)の上手がわと下手がわとから背中合わせにし、稍々後傾状態に立設するところの1次風選路(4)と2次風選路(5)を連通し、流下樋(2)の流下終端部は横設する混合米横送樋(23)に接続するとともに、2次風選部(5)上部の後側には粃取出路(24)を設け、その粃取出路(24)の下側に粃横送樋(25)を横設している。なお、(26)(27)は網目で形成した吸風口である。
【0008】
したがって、流下樋(2)を流下する摺落物は吸風口(26)から1次風選路(4)内を上昇する吸引風によりその摺落物中の籾殻が吸引排出されて除去されたあと玄米と籾および粃等が穀粒滞留部(3)に入り跳出羽根(6)によって2次風選路(5)に跳出され、吸風口(27)から上昇する吸引風によって選別されて玄米と籾の混合米は混合米横送樋(23)に流入し粃は粃取出路(24)から粃横送樋(25)に落下して粃排出樋(28)から機外に取出される。
【0009】
揺動選別部(B)は混合米タンク(29)内の混合米を数段に積み重ねリンクにより支承し揺動する選別盤(7)・・によって手前がわに徐々に流動させる間に玄米を揺上がわに籾を揺下がわに玄米と籾の混合米を揺上がわと揺下がわの中間部に偏流させて選別するのである。
【0010】
即ち、前記混合米横送樋(23)内を横送され混合米スロワ−(30)により混合米タンク(29)に揚上された混合米を各選別盤(7)・・・の揺動運動により選別し、玄米仕切板(31)から揺上がわの玄米ゾ−ン(a)からは玄米を、籾仕切板(32)から揺下がわの籾ゾ−ン(b)からは籾を、また、玄米仕切板(31)と籾仕切板(32)の間の混合米ゾ−ン(c)からは混合米がそれぞれ流出して選別されるのである。
【0011】
(8)は前記の玄米ゾ−ン(a)から流出するものを受ける玄米樋、(33)は混合米横送樋(23)の前記流下樋(2)が接続するがわと反対がわに接続する混合米流穀板で、混合米ゾ−ン(c)から出るものを受けて混合米横送樋(23)に返し混合米スロワ−(30)により揚上して再選別し、籾ゾ−ン(b)から流出するものは籾受(34)から籾還元スロワ−(35)により籾タンク(18)に返して再脱ぷするのである。
【0012】
前記の玄米樋(8)は混合米流穀板(33)に連結して接続するとともに、その玄米樋(8)の接続部近くに落下口(11)を開口し、また、玄米樋(8)の下方にはV形をした小形の玄米風選室(10)を形成してこの玄米風選室(10)と玄米樋(8)内とを落下口(11)を介して連通している。
【0013】
そして、前記落下口(11)には玄米の流下方向を横切る支点軸(13)を設け、この支点軸(13)に切替板(14)の中間部を軸着して起伏可能にし、起立操作により落下口(11)が開き倒伏により閉じるようにしてある。
【0014】
また、機体(1)の後壁(36)には吸気口(37)を開口して切替板(14)を開くことにより、矢印(イ)で示すように吸気口(37)から玄米風選室(10)内を通過し支点軸(13)の下手がわの落下口(11)部を通って吹き上げ混合米流穀板(33)上を経て前記2次風選路(5)の始端がわに向かう外気吸引風路(12)を形成し、前記切替板(14)の起伏操作は籾タンク(18)脇に装着した切替レバ−(38)を前後に操作することによりワイヤ−と戻しバネを介して行わせている。なお、(39)は籾タンク(18)のシャッタ−開閉用のシャッタ−レバ−である。
【0015】
これにより、籾摺作業の開始時、または、終了近くにおいては、切替レバ−(38)を操作し切替板(14)を倒伏して落下口(11)を閉にすると、玄米ゾ−ン(a)から流出するものは玄米樋(8)を流下して混合米流穀板(33)に引き継がれ混合米横送樋(23)に流入して機内を循環し、選別盤(7)による選別が安定すれば切替レバ−(38)により切替板(14)を起立させるのである。
【0016】
そうすると、落下口(11)は開口し玄米樋(8)を流下する玄米は支点軸(13)から上手がわの落下口(11)部から切替板(14)上を流下して玄米風選室(10)内に幕状に落下する。この幕状に落下する玄米に外気吸引風路(12)を吹流する吸引風が作用して玄米中に含まれる粉塵は支点軸(13)より下手がわの落下口(11)部を吸引風と共に吹き抜けて吸引風選部(C)の2次風選路(5)に吸引され吸引排塵ファン(22)から機外に排出され、玄米風選室(10)の底部に開口する取出口(9)から粉塵が除去された仕上玄米が取出される。
【0017】
その場合、(15)は取出口(9)から取出される仕上玄米を揚上して適所に取出すために附設した玄米スロワ−で、この玄米スロワ−(15)のスロワ−胴(16)の取出口(9)に連結して仕上玄米が流入するがわと反対がわの外側面には特に防塵網付きの空気吸入口(17)を開口するようにしている。
【0018】
これによって、取出口(9)からスロワ−胴(16)内に流入する仕上玄米は回転するスロワ−羽根の跳上げ作用と吹き上げ風力により揚上されるのであるが、その吹き上げ風力は空気吸入口(17)からの吸入によって起風し仕上玄米の揚上を助長するのである。
【0019】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、次に記載するような効果を奏する。
【0020】
即ち、機体の前部がわに摺落部を後部がわに揺動選別部を設け、摺落部と揺動選別部の間に摺落物を風選する吸引風選部を配置し、該吸引風選部は摺落部における流下樋の途中に形成した穀粒滞留部に対し、前記摺落物が流下する上手がわと下手がわに1次風選路と2次風選路を立設させるとともに、揺動選別部から流出する玄米を風選する玄米風選室を取出口の上方に形成した揺動式籾摺選別機の仕上玄米取出装置において、 揺動選別部の玄米ゾーンから流出する玄米を受けて混合米流穀板に接続する玄米樋を設置し、該玄米樋に開口した落下口に玄米の流下方向を横切る支点軸を設け、この支点軸に切替板の中間部を軸着して起伏可能にし、起立操作により落下口が開口することにより支点軸より上手がわの落下口部から切替板上を流下させて玄米風選室内に落下させ、玄米風選室内を通過する外気吸引風路は切替板の下側から支点軸の下手がわの落下口部を吹き上げて2次風選路に向かう構成にし、籾摺作業の開始時に選別作用が安定しないときは切替板によって玄米ゾ−ンから流出するものを機内循環に切替え、選別作用の安定にともない落下口を開口し、玄米は切替板上を流下して玄米風選室に落下し、これに外気吸引風路を吹流する吸引風が作用して玄米中の粉塵が2次風選路に吸引され玄米中から除去されて仕上玄米は取出口から取出されるから、構造が簡単になって重量は軽減し、部品点数も少なくコスト安になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 揺動式籾摺選別機の内部を示す側面図である。
【図2】 同籾摺選別機の作用説明図である。
【図3】 同じく籾摺選別機の外観側面図である。
【図4】 同平面図である。
【図5】 同後面図である。
【符号の説明】
A 摺落部
B 揺動選別部
C 吸引風選部
1 機体
2 流下樋
3 穀粒滞留部
4 1次風選路
5 2次風選路
6 跳出羽根
7 選別盤
a 玄米ゾ−ン
8 玄米樋
9 取出口
10 玄米風選室
11 落下口
12 外気吸引風路
13 支点軸
14 切替板
15 玄米スロワ−
16 スロワ−胴
17 空気吸入口
33 混合米流穀板
Claims (1)
- 機体の前部がわに摺落部を後部がわに揺動選別部を設け、摺落部と揺動選別部の間に摺落物を風選する吸引風選部を配置し、該吸引風選部は摺落部における流下樋の途中に形成した穀粒滞留部に対し、前記摺落物が流下する上手がわと下手がわに1次風選路と2次風選路を立設させるとともに、揺動選別部から流出する玄米を風選する玄米風選室を取出口の上方に形成した揺動式籾摺選別機の仕上玄米取出装置において、 揺動選別部(B)の玄米ゾーン(a)から流出する玄米を受けて混合米流穀板(33)に接続する玄米樋(8)を設置し、該玄米樋(8)に開口した落下口(11)に玄米の流下方向を横切る支点軸(13)を設け、この支点軸(13)に切替板(14)の中間部を軸着して起伏可能にし、起立操作により落下口(11)が開口することにより支点軸(13)より上手がわの落下口(11)部から切替板(14)上を流下させて玄米風選室(10)内に落下させ、玄米風選室(10)内を通過する外気吸引風路(12)は切替板(14)の下側から支点軸(13)の下手がわの落下口(11)部を吹き上げて2次風選路(5)に向かう構成にしたことを特徴とする揺動式籾摺選別機の仕上玄米取出装置。
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