JPH0634712B2 - 肝炎bウイルスに対する単クローン性抗体産生ハイブリツドマ細胞系 - Google Patents

肝炎bウイルスに対する単クローン性抗体産生ハイブリツドマ細胞系

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JPH0634712B2
JPH0634712B2 JP7358690A JP7358690A JPH0634712B2 JP H0634712 B2 JPH0634712 B2 JP H0634712B2 JP 7358690 A JP7358690 A JP 7358690A JP 7358690 A JP7358690 A JP 7358690A JP H0634712 B2 JPH0634712 B2 JP H0634712B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、肝炎B表面ウイルス(HBsAg)に対する
単クローン性(monoclonal)抗体を分泌する
新規なハイブリツドマ細胞系に関する。
連続的に二次培養できる新規な細胞系の開発は、近年に
おいて研究の重要な領域である。このような細胞系の1
つの特定の用途は抗体の製造にあり、そして体細胞交雑
(すなわち、細胞融合)の導入は純粋な単クローン性抗
体を製造できる研究器具を提供した。抗体分泌細胞を骨
髄腫細胞と融合し、そして生ずる抗体分泌性ハイブリツ
ドに組織培養でクローンを発生させることによって、特
定の抗体を分泌できる安定なハイブリツド単クローン性
細胞系を生成し、選択できることが発見された。こうし
て、単クローン性細胞系において、純粋な単特異性抗体
が1つのもとの抗体分泌細胞から生ずるので、前記特異
性抗体の製造を確保することができる。
純粋な単特異性抗体を製造する能力は抗原の精確なスク
リーニング、精製に、そして治療/予防の用途に、明ら
かに大きい実用性があり、そして本発明はこれらの技術
を肝炎Bウイルスの感染に関連して使用することに関す
る。
急性および慢性の肝炎B感染の診断は、患者の血液中の
HBs抗原の検出に依存する。これは、一般に、ポリス
チレンビーズ上へ吸収されたウサギまたはウマの抗HB
s血清を利用する放射線免疫検定により行われてきた。
患者の血清中のHBs抗原は固相の抗体へ結合し、次い
で放射線標識した抗HBsをさらに使用することにより
検出できる。肝臓中のHBs−Agを検出する他の技術
は、二重層免疫蛍光を用いる。しかしながら、この技術
はウサギにおいて抗血清を増大する一次手順を含み、そ
して抗体は高価な、時間を要するアフイニテイクロマト
グラフイーにより精製する。
HBs抗原を検出するための放射線検定技術の使用は、
輸血サービスに関連してよく確立されているが、病院の
患者のスクリーニングに一般に広く実施されてきていな
い。病院内の感染の危険を防ぐためにこれが明らかに望
ましいということは別にして、とくに肝炎ウイルスの保
菌者である産科の患者の同定はきわめて重要である。な
ぜなら、保菌者の母親の同定により、出産直後の乳児に
超免疫グロブリンを投与し、こうして肝炎の発現および
慢性保菌者の危険をかなり減少できるからである。
肝炎Bウイルスの感染のためのスクリーニングおよびこ
の疾患の可能な処置の増加は、大量の入手容易な高品質
の抗HBs血清を必要とする。新規なハイブリツド単ク
ローン性細胞系が今回見出され、これらをRF−HBs
−1と表示する。これらは培養において安定であること
が示され、肝炎B表面抗原に対する単クローン性抗体を
分泌する。その上、この細胞系は液体窒素中に貯蔵し、
それから回収することができ、こうして純粋な肝炎B表
面抗原に対する純粋な抗原の入手容易な供給物を提供す
る。
したがって、本発明は、肝炎B表面抗原に対する単クロ
ーン性抗体を分泌するハイブリツドマ細胞系RF−HB
s−1を提供する。この単クローン性抗体は、他の免疫
材料を含まない実質的に純粋な形態である。
本発明の上記単クローン、それゆえ単特異性(mono
specific)抗体は、培養上澄液から、あるい
は、以後示すように、マウスの腹水症の流体または血清
から回収できる。それらの各々はHBs−Agに対する
活性を示し、マウスのIgG1高分子量鎖(heavy
chain)およびマウスのK低分子鎖(light
chain)に対して増大したウサギの抗血清により
沈殿するが、マウスのIgG2a、IgG2b、IgMま
たはIgAあるいはマウスのλ低分子鎖に対するウサギ
の抗血清により沈殿しない。こうして、単クローン性抗
体は、HBsAg(adおよびay)の主要なサブタイ
プと反応するIgG1(K)マウス免疫グロブリンであり、
そして細胞系RF−HBs−1、を培養することによっ
て製造できる。
また、本明細書では、さらに2つの単クローン性抗体I
およびIIを産生し得るさらに2つのハイブリドーマ細胞
系IおよびIIが説明される。これら抗体は特にアツセイ
系において、RF−HBs−1抗体と結合して用いるこ
とができるHBs−Agに対する単クローン性抗体を示
している。
細胞系RF−HBs−1、IおよびIIは、ハイブリツド
マ(hybridoma)細胞系である。これらの細胞
系は、KohlerおよびMilstein(Eur.
J.Immunol.,292(1976)の方法に
従い、濃縮した肝炎B表面抗原(HBsAg)およびH
AT感作マウス骨髄腫(myeloma)細胞系(P3
−NS1/1−Ag4−1)で前もって免疫した、Ba
1b/cマウスからの脾細胞を融合することによって製
造されたものである。これらの融合した細胞系の3種を
用いるクローン発生することにより、それぞれRF−H
Bs−1、IおよびIIと表示するハイブリツドマ単クロ
ーン性細胞系が単離された。
細胞系RF−HBs−1、IおよびIIの各々は、大きさ
および形状の両方が親NS1骨髄腫と形態学的に類似
し、平均大きさが13μmである細胞のかなり均一な個
体群として現われる。それらの各々は、培養において球
形で現われ、中央に位置する核を有し、そして核体積に
等しいか、それより大きい、大きな細胞質領域をもつ。
RF−HBs−1は親系統(parental lin
e)と異なる。RF−HBs−1は、親系統に似て固体
の基層、たとえば、ガラスまたはプラスチツクへ部分的
に結合するが、この表面から激しい攪拌により分離され
ることができ、トリプリシン化またはEGTAによる処
理を必要としない。それはまた攪拌培養容器内で懸濁培
養物として生長する。Iは生長して部分的に基層へ結合
し、二次培養のためにトリプシン化を必要とするが、II
は静止懸濁培養物として生長し、培養物を希釈し、たと
えば、1:10に希釈することにより通過を行う。細胞
はそれぞれ14.6時間、10.7時間および9.2時間の2倍時
間を有し、RPMI−FCS培地(下を参照)中で生長
し、各々の2〜3日の間隔の養分供給を必要とし、RF
−HBs−1について2〜3日、Iについて3〜4日、
そしてIIについて2〜3日の間隔の二次培養を必要とす
る。
ハイブリツドマ細胞系RF−HBs−1、IおよびIIの
各々は、抗体を分泌し、そして連続培養において少なく
とも3カ月間抗体を分泌し続ける。
したがって、また、本発明はRF−HBs−1と表示す
るハイブリツドマ細胞系を提供し、それらは肝炎B表面
抗原に対する単クローン性抗体を分泌し、細胞系は好ま
しくは他の細胞物質を含まない、実質的に純粋な形態で
存在し、そして、さらに、本発明は、この細胞系と前記
細胞系を維持できる栄養培地とを含有する組成物を提供
する。RF−HBs−1、IおよびIIに適当な培地は炭
素源、窒素源、必要に応じて、ビタミン類および/また
は無機塩類を含有し、このような培地の一例は胎児の子
牛血清を補充したRPMI−1640、たとえば、RP
MI−FCS(下を参照)である。
ハイブリツドマ細胞系RF−HBs−1の製造におい
て、Balb/cマウスを、最終抗原濃度0.7mg/mlにお
いて、完全フロイントのアジユバント(CFA)で1:
1に希釈した精製HBsの0.2mlの腹腔内注射により免
疫する。(使用したHBs抗原(サブタイプ adw)
はHBs抗原陽性血清から、塩化セシウム密度勾配遠心
分離により精製した)。4週間後、マウスをHBs抗原
/CFA混合物の0.2mlをさらに注射して増強した。6
週間後、固相放射免疫により決定して、HBs抗原に対
する抗体の最高の力価を与えたマウスを、CFA中のH
Bs抗原の0.2mlI.P.注射でさらに増強し、この最後の
増強後5日で殺し、脾を切除した。
脾を、10%V/Vの胎児子牛血清、2ミリモルのグル
タミンおよび各100IUのペニシリンおよびストレプ
トマイシンを補充したRPMI−1640培地(RPM
I−FCS)中で37℃、pH7.2および2g/の重炭
酸ナトリウム濃度において、細片にくだき、そして生ず
る懸濁液を滅菌した10mlの注射器に数回おだやかに出
し入れした。単一細胞懸濁液を未分離の数個の残留塊り
からデカントし、そして細胞を血清不含RPMI−16
40中で2回洗い、1500gで5分間遠心分離した。
洗浄した細胞ペレツトをRPMI−1640中に再懸濁
した。
マウスの骨髄腫の半合流培養物P3−NS1/1−Ag
4−1(すなわち、10%V/Vの胎児子牛血清、2ミ
リモルのグルタミン、100IUのペニシリン、100
μgのストレプトマイシンおよび2×10-5モルの8−
チオグアニンを補充し、重炭酸塩/CO2で緩衝したR
PMI−1640培地中で37℃において連続培養状態
に維持した、生長の活性段階の細胞の培養物)を、それ
らの培養容器から、おだやかなトリプシン化により分離
し、そして400gの遠心分離により血清不含RPMI
−1640中で2回洗浄した。洗浄した細胞をRPMI
−1640中に再懸濁し、デカンテーシヨンした。
交雑を行うために、全脾細胞個体群を骨髄腫細胞と、丸
底の滅菌した10mlの遠心分離器の管中で、10対1の
脾細胞対骨髄腫細胞の比で、混合し、1500gの遠心
分離により共ペレツト化した。上澄液を除去後、RPM
I−1640中のポリエチレングリコール(PEG)1
500の40%(W/W)の37℃に予備加温した溶液
の1mlを細胞ペレツトに加え、細胞とおだやかに混合し
た。細胞−PEG混合物を37℃で正確に7分間保温
し、次いでPEG溶液を、PEG濃度が0.5%(W/
W)以下になるまで、等体積のRPMI−1640の反
復添加により、徐々に希釈して細胞を分離した。この懸
濁液を1500gで遠心分離し、細胞ペレツトをおだや
かに再懸濁し、血清不含RPMI−1640中で2回洗
浄し、1000gで再懸濁した。洗浄した細胞ペレツト
を1mlのRPMI−FCS中におだやかに再懸濁し、3
7℃で2時間培養し、次いで細胞をRPMI−FCS中
1×106細胞/mlで、24×2mlの多数のくぼみの組
織培養平板中に分配し、37℃で5%CO2/95%空
気雰囲気中で培養した。
融合後24時間において、各フラスコ中の培地の半分を
HAT培地(1×10-4モルのハイポキサンチン、4×
10-7モルのアミノプテリンおよび1.6〜10-5モルの
サイミジンを補充したRPMI−FCS)で置換した。
これらの培養物を、新しいHAT倍地で、このように、
最初の3日間毎日、その後2〜3日の間隔で、補充して
HAT培地中で生長する能力をもつ雑種細胞を確実に選
択した。
HAT培地をHT培地(RPMI−FCS+ハイポキサ
ンチンおよびサイミジン)で段階的に置換し、これは融
合後第40日において開始し、次いで融合後第52日に
おいてRPMI−FCS中の生長に適合した。
雑種培養からの上澄液を、くぼみが100個の細胞より
多い生長を示すとすぐに、HBs抗原に対する抗体につ
いて評価した。ただ1つの培養くぼみが抗体産生細胞を
含有したが、他の培養くぼみは事実生きているハイブリ
ツド細胞を含有していた。
次いで、この1つの培養くぼみからの抗体産生雑種細胞
を、免疫しないBalb/cマウスからの脾細胞の供給
(feeder)層上へもとの培養物を限界希釈し、R
PMI−FCS中の96×0.2mlの複合皿中で雑種を生
長させることによって、初めクローン発生させた。生長
はクローン発生計画の開始時にハイブリツド細胞を含有
することが確認された16のくぼみにおいて行われ、そ
してこれらから細胞系RF−HBs−1を、HBs抗原
に対する単クローン抗体を分泌する安定なハイブリツド
細胞系を提供するものとして、選択した。この細胞のク
ローンを引き続いて2回再クローン発生を行い、その結
果100%の抗体産生クローンが得られた。
Iと表わされるハイブリツドマ細胞系の製造において、
生まれてから6週間の雄のBalb/cマウスを、アフ
イニテイ精製HBsAg(サブタイプay)で、完全フ
ロイントのアジユバント(CFA;0.2ml/マウス)中
の20μgのHBsAgの腹腔内注射により、免疫し
た。2週間後、CFA中の5μgのHBsAgのI.P.注
射をさらに行ってマウスを増強し、血清抗HBsAgの
最高の力価を与えるマウスを、さらに2週間後生理的食
塩水中の5μgのHBsAgのI.P.注射により増強し
た。最後の増強後3日において、マウスを殺し、脾を切
除した。この時間において、マウスは1:1000の血
清抗HBs−Ag力価を有した。(すべての抗HBsA
g測定値を“AUSAB”比−免疫測定(アボツト・ラ
ボラトリーズ)により決定し、そしてこの規格における
抗体の力価を最大結合の50%を与える希釈として与え
る)。
免疫したマウスからの脾細胞を、RPMI−FCS中で
37℃、pH7.2および2.0g/の重炭酸ナトリウム濃度
において解離した。全脾細胞個体群を血清不含培地(R
PMI−1640)で2回洗い、P3−NS1/1−A
g4−1マウス骨髄腫細胞と10:1(脾細胞:骨髄腫
細胞)の比で混合し、ペレツトにし、RPMI−164
0中の40%(W/W)ポリエチレングリコール(PE
G)1500の1ml中に懸濁した。7分間の保温後、P
EGを細胞からRPMI−1640の徐々の添加により
おだやかに希釈した。細胞懸濁液をRPMI−1640
中で1回洗い、1500gで遠心分離し、次いで3mlの
RPMI−FCS中で2時間保温し、次いで細胞を2×
106細胞/くぼみで2mlの培養くぼみ中にプレート(p
late)した。すべての作業は37℃で実施した。
細胞を37℃でRPMI−FCS中で5%CO2/95
%空気雰囲気で一夜培養し、次いで各培養くぼみ中の培
地の半分をHAT培地で置換した。培養物に新らしいH
AT培地を、このようにして、最初の3日間1日の間隔
で、次いで2〜3日の間隔で供給して、HAT感作骨髄
腫細胞からハイブリツド細胞を選択した。融合後ほぼ3
週間で、ハイブリツド細胞をRPMI−FCS培地へ導
入した。
はじめプレートした168のくぼみのうちで、148は
ハイブリツド細胞を生長させ、それらのうちで4つは抗
HBsAg活性の生成を示した。これらの4つのうち
で、融合後20日で現われた1つのハイブリツド培養物
はHBsAgに対する抗体を産生しつづけた。この細胞
系を3回クローン発生させ、生ずる抗体分泌クローンの
1つはIと表示する細胞系である。
IIと表わされるハイブリツドマ細胞系の製造において、
生まれてから6週間の雄のBalb/cマウスを、アフ
イニテイ精製HBsAg(サブタイプad)で、完全フ
ロイントのアジユバント(CFA;0.2ml/マウス)中
の20μg HBs−Agの腹腔内注射により免疫し
た。3週間後、マウスをCFA中の5μgのHBsAg
の追加のI.P.腹腔内注射により増強し、血清抗HBsA
gの最高の力値を与えたマウスをさらに10日間後生理
的食塩水中の5μgのHBsAgのI.P.注射により増強
した。最後増強後5日において、マウスを殺し、脾臓を
切除した。この時間において、マウスは1:7000の
血清抗HBsAg力価を有した。
次いで、手順は免疫マウスからの脾細部の解離から、交
雑細胞の2×106細胞/くぼみにおける2mlの培養く
ぼみ中への37℃におけるプレイテイング(plati
ng)まで、ハイブリツドマ細胞系Iの製造において用
いた手順と同一であった。また、培養および選択の条件
はその手順と同一であり、そして初めプレートした14
4のくぼみのうちで、129はハイブリツド細胞を生長
させ、それらのうち5つは抗HBsAg活性を生成し
た。これらの5つのうちで、融合後15日で現われた1
つのハイブリツド培養物はHBsAgに対する抗体を生
成した。この細胞系は3回クローン発生させ、生ずる抗
体分泌クローンの1つをIIと表示する細胞系である。
本発明のほかの面は、ハイブリツドマ細胞系RF−HB
s−1、を栄養培地中で培養することからなる、前記細
胞系の増殖法にある。また、この増殖法は、培地から分
離できる本発明の抗体を製造する1つの手段を表わす。
本発明の細胞および細胞IおよびIIのための適当な栄養
培地は炭素源、窒素源、必要に応じて、ビタミン類およ
び/または無機塩類を含有し、たとえば、胎児子牛血清
を、たとえば、培地に基づいて約10重量%の量で補充
した、RPMI−1640である。前述のRPMI−F
CSはとくに適する。細胞を生長させるとき、適当な初
期濃度はRF−HBs−1について1×105細胞/m
l、細胞系Iについて1×105細胞/ml、そして細胞系
IIについて2×105細胞/mlである。これらの濃度
は、望ましくは、それぞれ1×106細胞/ml、2×1
6細胞/mlおよび3×106細胞/mlを超えてはならな
い。
本発明の細胞系または細胞系Iまたは細胞系IIを栄養培
地中で培養することに加えて、細胞系の各1つをマウス
中に移植して腹水腫瘍を定着させることもできる。これ
は、一般に、たとえば、4×105〜1×106細胞/マ
ウスをプリスタン(2,6,10,14−テトラメチル
ペンタデカン)で初回抗原刺激を受けた(prime
d)Balb/cマウスに腹腔内注射することによって
実施する。また、腹水腫瘍の定着は、プリスタンの初回
抗原刺激を受けないマウスにおいても達成することがで
き、この場合、RF−HBs−1細胞を増殖するとき、
1×106〜2×106細胞/マウスを注射すべきである
が、細胞系Iおよび細胞系IIについての細胞/マウスの
最小値は4〜5×105である。また、細胞系は皮下注
射により固形腫瘍として生長させることができる。
次いで、ハイブリツドマにより分泌された単クローン性
抗体は、腹水症の流体またはマウスの血清から回収する
ことができ、そして細胞系を増殖しかつRF−HBs−
1から抗体を製造するこの方法は本発明のさらにほかの
面を表わす。単クローン性抗体を得るこの手段は、抗体
の収量が、たとえば、細胞の塊状培養から得られる収量
よりも10倍程度に多くあることができるという利点を
提供する。マウス中で細胞を生長させるのに通常約2〜
3週間を要する。
本発明の抗体は、前述のような源から精製しないで使用
できるが、好ましくは使用前に精製する。たとえば、ア
フイニテイクロマトグラフイーにおいて使用するセフア
ロースへ結合すべき抗体は一般に硫酸アンモニウム沈殿
により精製するが、ヨード化すべき抗体またはビオチン
接合すべき抗体は一般に蛋白質A精製を行う。
本発明のハイブリツドマ細胞または細胞系IまたはII
は、たとえば、20%のFCSを含有するFCS補充R
PMI−1640培地中に、たとえば、5×106細胞
/ml以上において、凍害防御物質として10%のジメチ
ルスルホキシドを用いて、液体窒素中で凍結することに
より貯蔵できる。凍結速度は好ましくは+40℃〜−1
00℃の間で1〜2℃/分に制御し、そして凍結した細
胞は液体窒素の冷蔵庫内で−100℃以下、たとえば、
−170℃で貯蔵できる。
細胞系RF−HBs−1、により産生される単特異性抗
体は、肝炎Bウイルスに感染された患者の精確なスクリ
ーニング試験を提供することにおいて、とくに価値があ
る。これらの抗体は、細胞物質または血清の中のHBs
Agの存在を検出するとき、たとえば、免疫蛍光顕微鏡
法または免疫電子顕微鏡法を用いる、測定系において使
用できる。定量的測定は固相放射測定法により実施する
ことができ、そしてRF−HBs−1抗体はHBsAg
分子上に比較的高い頻度で現われる抗原キピトープ(e
pitope)を認識するので、これに関して有用であ
る。しかしながら、本発明によるとくに有用な固相放射
測定系は他の単クローン性抗体とRF−HBs−1との
組み合わせを用いる。
HBs−Agを認識する他の抗体は、HBs−Ag上に
低い頻度で存在するエピトープに対して高い親和性をも
ち、一緒に固相として、後の実施例において説明するよ
うに、HBs−Agを検出する放射測定法に、RF−H
Bs−1抗体と組み合わせて、使用できる。IおよびII
抗体からなる固相はHBsAgの一工程放射測定法に応
用できる(下の実施例7はこれらの2種類の抗体がそれ
らの間ですべてのHBs−Ag分子をいかにして認識す
るかを明らかにする)が、この固相にRF−HBs−1
抗体を加えると、それは二工程測定法において使用する
とき保護物質として作用する。なぜなら、RF−HBs
−1抗体は、他の2つの単クローン抗体よりもHBsA
gに対して親和性が低いが、それ自体すべてのHBsA
g分子を認識し、こうして抗原の固相への定着を確実に
するからである。これらの単クローン性抗体を用いる固
相放射測定系において、RF−HBs−1抗体はすべて
のHBsAg分子を認識するばかりでなく、また分子上
に高い頻度で存在するHBsAgのエピトープを認識す
るという事実のため、測定において他の2つの抗体より
も高い計数値を、単独で、あるいは組み合わせで、与え
るので、放射標識したトレーサーとして使用することが
好ましい。放射測定においてすべての3種の単クローン
性抗体を使用するときの支持は、競争結合の研究(下の
実施例4参照)により提供され、これらの研究はIまた
はII抗体のいずれもがRF−HBs−1抗体のHBsA
gへの結合を妨害しないことを証明している。
こうして、本発明のRF−HBs−1より得られた単ク
ローン性抗体を使用することによる好ましい診断法は、
ヒトまたは動物から採取した血清試料を、二工程におい
て固相の形態でRF−HBs−1、IおよびII抗体と一
緒に培養し、固相を洗浄し、そしてそれをトレーサーと
して放射標識したRF−HBs−1抗体とともに培養す
るか、あるいは一工程測定において固相の形態でIおよ
びII抗体、およびトレーサーとして放射標識RF−HB
s−1抗体とともに培養することからなる。これらの測
定系の各々において、固相は好ましくは抗体を被覆した
プラスチツクまたはガスの支持体からなる。この支持体
は、たとえば、ポリスチレンの、ビーズ、棒または管の
形であることがとくに好ましい。また、本発明は、これ
らの被覆した支持体、たとえば、ビーズを提供し、さら
に、RF−HBs−1抗体、IおよびII抗体で被覆した
またはIおよびII抗体単独で被覆したプラスチツクまた
はガラスの支持体、たとえば、ビーズ、棒または管を含
有する第1容器と、放射標識物質を結合したRF−HB
s−1抗体を含有する第2容器とかなる診断キツトを提
供する。(これらの測定系において、RF−HBs−1
抗体を2つの単クローン性抗体IおよびIIと一緒に使用
する代わりに、RF−HBs−1抗体を抗体Iおよび抗
体II以外のHBs−Agを認識する1種または2種以上
の他の単クローン性抗体と一緒に使用できる。) 別の測定法は、放射標識物質を使用する代わりに、一般
にRF−HBs−1抗体に結合する、たとえば、酵素標
識物質またはビオチン標識物質を用いることができる。
さらに、HBs−Agに対する赤血球凝集測定に、RF
−HBs−1抗体の1種またはそれ以上を使用できる。
また、固相、たとえば、臭化シアノゲン活性化セフアロ
ーズ(Sepharose)4B(CnBr−S4B;
スウエーデン国ウツプサラ所在の、フアーマシア・フア
イン・ケミカルズ)へ結合した本発明の細胞系から得ら
れた単クローン性抗体を、ワクチンの製造に使用するた
めに精製された形態でHBs−Agを製造する目的で、
あるいは患者に与えるべき物質からHBs−Agを除去
する目的で、HBs−Agを、たとえば、ヒトまたは動
物の物質から除去するために使用できる。こうして、ま
た、本発明の細胞系からの単クローン性抗体は、生物学
的試料をRF−HBs−1抗体と固相において接触させ
て抗原を抗体に結合させ、引き続いて所望の精製された
物質を固相から分離することからなる、生物学的試料か
ら肝炎B表面抗原を単離する方法に利用することができ
る。
また、本発明の細胞系からのRF−HBs−1抗体は、
抗体を患者へ直接に投与する抗ウイルス剤としての臨床
的応用において、価値がある。単クローン性抗体は患者
の処置において肝炎Bウイルスを担持する役割をもつこ
とができ、そして細胞上の受容体部位へのウイルスの結
合を阻止することによりウイルスの感染性を中和するこ
とができ、またウイルスの食作用および細胞内消化を促
進することができる。潜在的には、超免疫ガンマグロブ
リンのための基質として、これに関連して、これらの単
クローン性抗体を使用すると、従来の血清を用いる場合
における、大量の非特異性免疫グロブリンと少量の特異
性抗体の生成を、回避することができる。RF−HBs
−1抗体は、HBV担体における耐性を、HBs−Ag
への結合およびそれをより免疫原性とすることにより、
破壊する作用をすることもできる。
こうして、本発明のほかの面は、RF−HBs−1単ク
ローン性抗体と、製薬学的に許容しうる不活性担体また
は希釈剤とからなる製薬学的組成物である。治療的およ
び/または予防的使用のため、この組成物は固体または
液体の形態であることができ、そして常法により非経口
的または経口的に投与できる。こうして、この組成物
は、注射可能な溶液あるいは錠剤、カプセル剤、溶液ま
たは懸濁液の形態であることができる。
単クローン性細胞系RF−HBs−1は、C.N.C.M.(Co
llection Nationale de Culture de Microorganisms、
パリ市パスツール研究所)に、それぞれ、1980年3
月26日に寄託され、受入れ番号I−117が付され
た。
本発明を、次の実施例によりさらに説明する。
実施例1 細胞系RF−HBs−1の試験管内培養 RF−HBs−1細胞を、5〜20%(V/V)の胎児
子牛血清を補充したRPMI−1640培地に、1×1
5細胞/mlで種づけした。細胞の生長速度はすべての
培地において本質的に同一であった(14.6時間±2.5の
倍加時間)が、生長時間は15%および20%の胎児子
牛血清において長くした。
1×105細胞/mlの種まき密度は最適な生長に対して
好ましいが、これより低い密度を用いることができ、そ
の場合生長時間は長くなる。二次培養は2〜3日ごとに
行うべきである。
実施例2 細胞系の生体内培養 2A:RF−HBs−1 生まれてから6週間のBalb/cマウスの20匹に、
0.5MLのプリスタン(2,6,10,14−テトラメ
チル−ペンタデカン)の腹腔内注射により第1日目と第
7日目に初回覆原刺激を与えた。第14日目において、
各マウスに1×106の生きている雑種種RF−HBs
−1細胞を腹腔内に移植した。移植後10日において、
すべてのマウスは多量腫瘍生長の徴候を示した。これら
を殺し、腹水症の流体を19ゲージの針で集めた。腹水
症の流体を2000gで遠心分離し、RF−HBs−1
抗体を含有する透明な上澄液を集め、−20℃で貯蔵し
た。
2B:細胞系I Balb/cマウスに、I型の細胞の移植前に、1週間
で2回の0.5mlのプリスタンの腹腔内注射により、初回
抗原刺激を与えた。次いで、各マウスに4×105の生
きているI型の細胞を移植し、腹水腫瘍を生成させた。
20〜25日後、マウスが腹水流体の最大収量を生じた
とき、マウスを殺し、腹水流体はほぼ20mg/mlの蛋白
質を含有し、それらのうち150μg/mlは純粋なI抗
体であることがわかった。
2C:細胞系II Balb/cマウスに、II型の細胞の移植前に、1週間
で2回の0.5mlのプリスタンの腹腔内注射により、初回
抗原刺激を与えた。次いで、各マウスに5×105の生
きているII型の細胞を移植し、腹水腫瘍を生成させた。
15〜20日後、マウスは腹水流体の最大の収量を与
え、この流体は180μg/mlのII抗体を含有すること
がわかった。
実施例3 ポリスチレンビーズのRF−HBs−1単ク
ローン性抗体および単クローン性抗体IおよびIIによる
被覆 ポリスチレンビーズを単クローン性抗体で、腹水流体の
形態において、種々に希釈度でpH9.6の重炭酸塩緩衝液
(0.015モルのNa2CO3:0.035モルのNaHCO3
中で、攪拌しながら20℃において1時間保温し、次い
で同じ抗体−緩衝液混合物中で4℃において16時間保
温することにより、被覆した。次いでビーズを洗浄し、
室温において、200μの125I−HBs−Ag(ア
ボツト・ラボラトリーズ)とともに4時間保温して、最
適の被覆条件を決定した(下表1参照)。
この実施例において使用した被覆緩衝液のpHは9.6が最
適であることがわかった。さらに、ビーズをRF−HB
s−1を含有する単クローン性抗体の組み合わせで被覆
するとき、抗体を通常ビーズへ一緒に加える。なぜな
ら、ビーズへ単クロン抗体を順番に加えると改良が得ら
れないからである。
ビーズを、抗体でいったん被覆すると、蒸留水で3回洗
い、吸収パツド上で遠心分離により乾燥できる。これら
のビーズは−20℃において少なくとも3カ月間安定で
ある。
実施例4 HBs−Agの認識 細胞系RF−HBs−1により産生された単クローン性
抗体は、HBsAgのadおよびayサブタイプに対し
て共通であり、かつ次の競争結合の研究により証明され
るように、I抗体およびII抗体が認識するHBsAgの
エピトープと異なる、エピトープを認識する。
混合したサブタイプのHBsAg(AUSAB:アボツ
ト・ラボラトリーズ)で被覆したポリスチレンビーズ
を、50μg/mlの蛋白質A精製したRF−HBs−1
抗体またはI抗体或いはII抗体と一緒に、あるいは等し
い力価のHBs−Agに対するウマの抗血清と一緒に、
室温で一夜保温し、次いで実施例5におけるようにヨウ
素化した(1000,000cpm)125I−RF−H
Bs−1または125Iで標識されたI抗体と一緒に、室
温でさらに4時間保温した。結果を下表2に記載する。
これらの結果が示すように、RF−HBs−1抗体およ
びI抗体の抗体はそれら自体の結合を抑制するが、他の
抗体による結合の抑制は存在しない。他方において、ウ
マの抗血清は、事実、RF−HBs−1抗体の結合を抑
制した。
実施例5 放射測定法における細胞系抗体の使用 RF−HBs−1抗体を、ProwseおよびJenkin(Immu
nochemistry15 429−436,1978)の方法
に従い、蛋白質A−セフアロース(Sepharose)カラム
(フアーマシア・フアイン・ケミカル・スウエーデン国
アツプサラ)からのpH5.5における溶離により、RF−
HBs−1細胞系を移植したマウスからの腹水流体から
精製した。このようにして精製したRF−HBs−1抗
体の5μgを、15μの合計反応体積の2.5μgのク
ロラミン(Chloramine)Tを用い、4℃で30秒間保温
して、125I対抗体の等モル比を得ることによって、0.5
mCiの125Iでヨウ素化した。(I抗体およびII抗体
を同様にして精製し、ヨウ素化した。) RF−HBs−1抗体、I抗体、II抗体またはこれらの
単クローン性抗体で被覆したポリスチレンビーズ、ある
いはAusriaIIビーズを、200μのHBsAg−V
eヒト血清と一緒に、あるいは20ng/mlのHBsA
gを含有する20μのヒト血清と一緒に、45℃で2
時間保温し、洗浄し、そして125I−RF−HBs−1
抗体、125I−抗体または125I−II抗体(ほぼ100
0,000cpm/測定)と一緒に45℃においてさら
に1時間保温し、洗浄し、計数した。結果を、cpm
(少なくとも2つの試料の平均)として、あるいはHB
sAg+ve試料およびHBsAg−ve試料(+/
−)を用いて得られた計数値の間の比として、表わす。
この表が示すように、最高の+/−比、それゆえ最高の
感度の測定値は、すべての3種類の単クローン性抗体を
固相において使用し、トレーサーとして125I−RF−
HBs−1を使用したとき、得られた。
実施例6 HBsAgの検知の限界 RF−HBs−1、RF−HBs−2またはRF−HB
s−4単クローン性抗体、またはそれらの抗体の組み合
わせで、最適濃度で被覆したポリスチレンビーズを、2
00μのHBsAg−veヒト血清または既知量のH
BsAgを含有する200μのヒト血清と一緒に45
℃で2時間保温し、洗浄し、300μの125I−RF
−HBs−1(200,000cpm/測定)と一緒に
45℃でさらに1時間保温した。
結果を下表4に記載する。また、この表4に、AUSR
IA II RIAを用いる同様な滴定値のHBsAgの
結果を記載する。結果はcpm(少なくとも2回の実験
の平均)または+/−比として表わす。
実施例7 HBsAg陽性試料の検出 AUSRIA II RIAまたはヘパテスト(Hepa
test)(253+ve;47−ve)によりHBs
Ag+veまたはHBsAg−veであることが示され
た、300のヒトの血清の試料の200μlのアリコー
トを、I抗体またはII抗体で、あるいはRF−HBs−
1、I抗体およびII抗体の混合物で被覆したポリスチレ
ンビーズと一緒に、45℃で2時間保温した。洗浄後、
ビーズを125I−RF−HBs−1(200,000c
pm/測定)と一緒に45℃でさらに1時間保温し、洗
浄し、計数した。
下表5に示すように、253のHBs−Ag陽性の試料
のうちで、219はI抗体で陽性であったが、34は陰
性であった。しかしながら、HBsAg陽性であるが、
I抗体と非反応性であることが示された34試料のすべ
ては、固相としてII抗体を用いて測定したとき、陽性の
値を与えた。同様に、試験した253のHBsAg+v
e試料のうちで、10は固相として単独で使用したII抗
体で検出されなかったが、これらの10の試料のすべて
は、固相としてI抗体を用いて測定したとき、陽性の値
を与えた。
実施例8 HBsAgについての2工程放射測定 RF−HBs−1、I抗体およびII抗体で被覆したポリ
スチレンビーズを、55μg/mlのHBsAgを含有す
る200μのヒト血清と一緒に、あるいは200μ
のHBsAg−veヒト血清と一緒に、20℃、37℃
または45℃において種々な時間保温した。これらのビ
ーズを洗浄し、そして125I−RF−HBs−1トレー
サーと一緒に20℃、37℃または45℃において追加
の時間保温し、洗浄し、計数した。
HBsAgについての2工程RF−HBs単クローン抗
体の測定についての好適な保温時間は、こうして次のと
おりである。
単クローン性抗体被覆ビーズを用いる血清の第1保温: 室温において4時間または 室温において16時間 RF−HBs−1トレーサーを用いる洗浄ビーズの第2
保温: 室温において2時間 実施例9 HBsAgについての一工程放射測定法 I抗体およびII抗体[腹水流体(ascitic fluid)の1:
200希釈]で被覆したポリスチレンビーズを、200
μのHBsAg−veヒト血清または20ng/mlの
HBsAgおよび10μの125I−RF−HBs−1
(100,000cpm/測定)と一緒に、20℃で種
々な時間保温し、洗浄し、計数した。結果をcpm(2
回の別々の実験の平均)として、あるいはHBsAg+
veおよびHBsAg−veの試料を用いて得られた計
数値の間の比として、表わす。
この実施例におけるようにビーズ、試料およびトレーサ
ーと一緒に保温すると、ビーズと試料を予備保温した場
合よりもすぐれた結果が得られ、そしてこれらの結果は
トレーサーと試料を予備保温した場合得られる結果とほ
とんど異ならない。
この一工程の測定は、抗体が単クローンであり、従来の
抗血清に似ず、抗原性結合部位について完全ではないの
で、可能であり、そして二工程の測定法よりも作業の数
が少ないので、HBs−Agについて非常に急速なスク
リーニング法を要する場合、たとえば、輸血センターお
よび血液製品研究所において、使用するのに魅力的な系
である。この測定は2時間以内で実施することができ、
感度の明らかな損失はない。
実施例10 HBsAgのアフイニテイクロマトグラフイーにおける
RF−HBs−1抗体の使用 RF−HBs−1抗体、とくに硫酸アンモニウム沈殿に
より腹水流体から精製したこの抗体を、製造業者の示唆
に従いCnBr−S4B(スウエーデン国アツプサラ所
在のフアーマシア・フアイン・ケミカルズ社)へ結合し
た。HBsAgを含有する100mlのヒト血清をこのカ
ラムに下向きに通し、この血清からHBsAgの98.7%
を除去した。さらに、除去された抗原の100%は3モ
ルのKIを用いてカラムから溶離できる。この抗原はマ
ウスおよびウサギにおいて免疫原性であり、そして全血
清についてのウサギの抗血清に対する免疫電気泳動法に
より、他のヒト血清汚染物質を除去できることが示され
た。
実施例11 細胞物質中のHBsAgの局在化におけるRF−HBs
−1抗体の使用 RF−HBs−1細胞の培養物からの上澄液中のRF−
HBs−1抗体を用いて、HBV含有ヒトまたはチンパ
ンジーからの肝バイオプシーの凍結部分中、あるいはウ
イルスを含有する細胞中のHBsAgを同定した。抗原
−抗体錯体を、蛍光分子へ結合したマウスの免疫グロブ
リンに対するヤギの抗血清で可視化した。さらに、蛋白
質A精製RF−HBs−1抗体をピオチンへ接合した。
この接合は、1mlのpH8.3の重炭酸塩−生理的食塩水緩
衝液(0.1モルのNaHCO3:0.5モルのNaCl)中
の1mgのRF−HBs−1抗体を1mg/mlでDMSO中
に溶けた90μgのビオチンスクシンイミドと一緒に2
0℃で4時間保温することによって、行った。4℃でリ
ン酸塩緩衝生理的食塩水に対して一夜透析した後、RF
−HBs−1抗体−ビオチン接合体を、アビジン−フル
オロクローム(avidin-fluorochrome)またはアビジン−
フエリチン(avidin-ferritin)と組み合わせて使用し
て、HBsAgをそれぞれ免疫蛍光顕微鏡法および免疫
電子顕微鏡法により可視化した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジヨージ・ジヤノシイ イギリス国ミドルセツクス・ハロウ・トウ イフオードロード24 (72)発明者 ホワード・クリストフアー・トマス イギリス国ロンドン・エヌダブリユー11・ オークウツドロード103 (56)参考文献 特開 昭56−73029(JP,A) 特開 昭53−44620(JP,A) Nature,Vol.256,495〜497 P(1975) The Lancet,Vol.I, 1242〜1243P(1977)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パスツール研究所に受託番号CNCM−I
    −117として寄託された肝炎B表面抗原に対する単ク
    ローン性抗体を分泌するハイブリツドマ細胞系RF−H
    Bs−1。
  2. 【請求項2】パスツール研究所に受託番号CNCM−I
    −117として寄託された肝炎B表面抗原に対する単ク
    ローン性抗体を分泌するハイブリツドマ細胞系RF−H
    Bs−1を、その栄養培地中で培養することを特徴とす
    る前記細胞系の試験管内増殖方法。
  3. 【請求項3】パスツール研究所に受託番号CNCM−I
    −117として寄託された肝炎B表面抗原に対する単ク
    ローン性抗体を分泌するハイブリツドマ細胞系RF−H
    Bs−1をマウスに移植して腹水腫瘍を定着させること
    を特徴とする前記細胞系の生体内増殖方法。
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