JP2000509269A - B型肝炎モノクローナル抗体 - Google Patents

B型肝炎モノクローナル抗体

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Abstract

(57)【要約】 野生型HBsAg及び少なくとも2つの突然変異型HBsAgに対して特異的に結合し得るモノクローナル抗体は、両方のエスケープ変異体及び野生型HBsAgを検出するための改良イムノアッセイに使用され得、HBVに対する受動免疫化のために使用され得る。

Description

【発明の詳細な説明】 B型肝炎モノクローナル抗体 世界的規模で、B型肝炎ウイルス(HBV)は、慢性的に感染しているヒトの 数及び感染の合併症の重篤度の点で最も重要な肝親和性ウイルスである。 B型肝炎は、非経口治療、集団予防接種運動及び広範囲にわたる血液及びプー ルされた血液製剤(blood product)の輸血が導入された後に重要な問題として持 ち上がった。潜伏期間が長いこと、無症候感染が高頻度で発生すること及び感染 性保菌状態が存在することが、HBVをより血液伝播し易いようにしている。多 くの研究者がHBVの性的感染の証拠を発表し、B型ウイルスの感染は周産期中 に保菌者の母親から乳児へ起こり得る。 DNAウイルスであるHBVはヘパドナウイルス群の1員である。電子顕微鏡 検査は、HBVが「デーン粒子」と称される直径42nmの二重シェル構造の球 形粒子であることを示す。これらのウイルス粒子は、約22〜25nmの直径を 有する高電子密度の球形内部コアと7nmの厚さを有する外部コートを 有する。ウイルスの外部コートは、ウイルス中和抗体に対する表面抗原(本明細 書では“HBs”または“HBsAg”と称される)を有している。直径20n mの球形の内部コア粒子は、ウイルスコア抗原(HBcAg)及びe抗原(HB eAg)、ウイルスDNA、DNAポリメラーゼ活性及びタンパク質キナーゼ活 性を有する。 HBsAgは、アミノ酸124〜147に亘り且つすべてのHBV単離物に共 通である、“a”抗原決定基と称されるHBVの主要な中和エピトープを含む。 例えば、Pughら(1986)を参照されたい。急性または慢性HBV感染後 の抗−HBsの発生は、通常回復及び良好な予後を伴っている。抗−HBsは予 防接種による中和抗体の産生にも関連している。回復期及び予防接種後の血清中 に認められる抗−HBsの大部分は、まだ特定されていない構造を有する“a” 抗原決定基の領域において結合している。“a”抗原決定基が非常に立体配座的 であることは明らかである。なぜならば、前記領域がアルキル化または還元によ り変性されるとHBsAg粒子の抗原性が非常に低下するからである。システィ ン残基問のジスルフィド架橋が正しい立体構造に関与していると考えられる。“ a”抗原決 定基の1つの考えられる構造は、アミノ酸124と137の間に第1ループを形 成するジスルフィド架橋及びアミノ酸139と147の間に第2ループを形成す る別のジスルフィド架橋を含んでいる。 抗−HBsは、主として第2ループに結合すると考えられるが、エピトープは 1つのループのみに限定されないと考えられる。“a”抗原決定基の配列の全体 が多分抗原構造に関与している。“a”抗原決定基は、HBVの標準単離物にお いてある程度のアミノ酸の変動があるが保存されている。推定エピトープの第1 ループにより大きな変動があることから、この領域は中和エピトープに余り関与 していないことが暗示される。“a”抗原決定基はHBVのすべてのサブタイプ で認められ、“a”抗原決定基の内部及び周りのアミノ酸の変動によりサブタイ プが生ずる。HBsAgはadw、ayw、adr及びayrの4つの主要な免 疫学的サブタイプに分類され得、各々は関連した地理学的分布を有する。d/y サブタイプ及びw/rサブタイプはそれぞれ、アミノ酸122及び160のリシ ンをアルギニンで置換することにより決定される。 最近、HBsAgの存在が或る患者の抗−HBs血清サンプ ルにおいて認められた。これらの患者のHBsAgは存在する抗−HBsにより 中和され得ないことから、HBsAg変異体の存在が暗示される。重要な変異体 (突然変異体)が、予防接種、モノクローナル抗体治療、ポリクローナル抗体治 療、臨床検査で診断するのが困難なHBV感染の症例に関連づけられている。例 えば、Carmenら(1992,1993)、Harrisonら(1993 )、Hawkinsら(1994)、Howardら(1993)、McMah onら(1992)、Okamotoら(1992)及びWallaceら(1 994)参照。 分析すると、突然変異体は混合集団から選択され、“a”抗原決定基において アミノ酸置換を引き起こす点突然変異を有するようである。突然変異体は、遺伝 子型のプールを生ずる遺伝子内のランダム突然変異により生ずると考えられる。 今までに記載された突然変異体の場合、免疫応答が突然変異体を選択する際の主 要要因であると考えられる。 通常、インビトロでウイルス感染細胞にモノクローナル抗体を添加すると、該 抗体で中和されない単離物が選択される。従って、活性ウイルス複製を有する患 者にモノクローナル抗体を 与えるといわゆる「エスケープ」突然変異体か選択され得ることは驚くことでは ない。 臨床的に重要ないくつかの別個のエスケープ突然変異体が予防接種された個体 で見つけられた。3例では、HBsAgの“a”抗原決定基のアミノ酸145の コドンが点突然変異され、グリシンからアルギニンへのアミノ酸変化が生じるこ とが知見された。前記突然変異型ウイルスを1つ含む血清をチンパンジーに投与 して、前記物質が伝播性であることが判明した。 予防接種された集団における大規模感染に関係する突然変異型ウイルスでは、 “a”抗原決定基のアミノ酸141のリシンからグルタミン酸への突然変異が認 められた。それ以来、“a”抗原決定基において1個以上のアミノ酸置換を生ず る前記及び他の点突然変異が子防接種した個体で報告された。 エスケープ突然変異体は、幾つかの理由で心配の種である。まず、前記突然変 異体はイムノアッセイで検出できない。高選択性及び特異性を得るために診断用 アッセイが設計されている。HBsAgに対するアッセイは、被検サンプル中の 抗−HBs試薬とHBsAgの相互反応に基づいている。次いで、生じた抗−H Bs/HBsAg複合体を検出する。HBsAgエピト ープが明らかに突然変異されており、抗−HBsで認識されないときには、HB sAgは検出されないか、または前記アッセイが極めて非感応性である。エスケ ープ突然変異体が検出され得ないと、前記突然変異体を有するヒトに悪影響を及 ぼすだけでなく、供血された血液、血液製剤または臓器を介して感染が伝播され 得る。あらかじめ免疫付与され抗−HBs応答を有する個体であっても、突然変 異型HBsAgを有するHBVは個体を冒し得る。 122位でのエスケープ突然変異体に対するモノクローナル抗体はWO94/ 26904に記載されている。前記抗体は、野生型HBsAgと突然変異型とを 区別することができ、よって突然変異体を同定することができる。 本発明は、野生型HBsAg及び少なくとも2つ、好ましくは3つ以上の突然 変異型HbsAgに対して特異的に結合し得るモノクローナル抗体を提供する。 本発明のモノクローナル抗体の野生型及び突然変異型HBsAgに特異的に結 合する能力から、該抗体は野生型タンパク質と突然変異型の間で保存される表面 抗原の領域に結合することが示唆される。保存領域、よって抗原決定基(エピト ープ)は “a”抗原決定基内、“a”抗原決定基の領域内または非−“a”領域内にも存 在し得る。 本発明のモノクローナル抗体は、突然変異型HBsAg及び野生型タンパク質 の両方に対して特異的に結合する能力を有しているために、HBsAgの検出、 HBV感染の臨床診断及び血液スクリーニングのためのイムノアッセイの有効性 を改善する際に特に有用である。血液の供給及び血液製剤の供給の安全性が、H BsAgアッセイにおいて本発明のモノクローナル抗体を単独で、すなわち単一 の抗−HBs抗体として使用するか、或いは特に1つ以上の他の抗−HBs抗体 と一緒に使用することにより改善され得る。 添付図面の図1a及び図1bは、“a”抗原決定基を包含するHBV表面領域 の部分のアミノ酸及び核酸配列を示す。図1bは図1aをタイプ清書したもので ある。図1a及び図1bの各々において、レーン1はサブタイプadywの認識 されたアミノ酸変異型を示し、レーン2はサブタイプadywの共通アミノ酸配 列を示し、レーン3はサブタイプadywの共通核酸配列を示し、レーン4は認 識された核酸変異型を示し、レーン5は突然変異型HBsAg II(MAM H BsAg)をコー ドする核酸変異を示し、レーン6は突然変異型HBsAg I(NP HBsA g)をコードする核酸変異型を示す。 143位での別の認識されたヌクレオチド変異型では、TCGがACGに置換 され、その結果当該位置でセリンがスレオニンに置換されている。 本発明の推定モノクローナル抗体は、3つ以上の参照抗原、すなわち野生型H BsAg及び2つ以上の突然変異型HBsAgに対して特異的に結合する能力に ついてスクリーニングされ得る。当業者は、抗体と抗原間の特異的結合と非特異 的結合を容易に区別することができる。3つ以上の前記した参照抗原に対して特 異的に結合し得る抗体が本発明のモノクローナル抗体である。前記したスクリー ニング方法自体も本発明の一部をなす。本明細書中、用語「結合」は特異的結合 を指すことに留意されたい。 本発明のハイブリドーマ及びモノクローナル抗体の作製においてスクリーニン グするために及び/または抗原として使用されるHBsAgは、完全長タンパク 質であるか、または野生型または突然変異型HBsAgの適当な抗原断片もしく は誘導体であり得る。 本発明のモノクローナル抗体は、任意の免疫グロブリンクラス、例えばIgG 、IgMまたはIgA及び任意のイソタイプを有し得る。 突然変異型HBsAgは、いわゆる「エスケープ突然変異体」中に存在するよ うな、野生型HBsAgに比して少なくとも1個のアミノ酸置換を誘起する突然 変異をもつ突然変異型ウイルス中に存在し得る。突然変異型HBsAgは、“a ”抗原決定基内または“a”抗原決定基の領域内に置換が生じているものでもよ く、例えば突然変異は点突然変異であってもよい。突然変異、例えば点突然変異 は、HBsAgのアミノ酸133〜145をコードする配列内で起こり得る。突 然変異により、133位及び/または145位でアミノ酸置換が生じ得る。追加 の及び/または別の置換が、例えば134、141、142、143及び144 の1個以上の位置に存在していてもよい。突然変異型HBsAgは、例えば14 3、144及び145の1個以上の位置で野生型に比してアミノ酸置換を有し得 る。前記突然変異は、他の突然変異に加えて“a”抗原決定基内または別の領域 内に存在し得る。 本発明のモノクローナル抗体は、例えば野生型HBsAg及 び上記した2つ以上の別個の突然変異型HBsAg(例えば、133、134、 141、142、143、144及び145の1個以上の位置で突然変異が生じ ているもの)に対して特異的に結合し得る。或いは、上記した1つの突然変異型 HbsAg及び異なる領域において突然変異を有している突然変異型HBsAg に対して結合することも可能である。 突然変異型HBsAgの例は、“a”抗原決定基の領域において野生型に比し て以下の置換を有するものである: 突然変異型HBsAg I(“NP”HBsAg) アミノ酸133がmetからileに、アミノ酸134がpheからhisに 、アミノ酸144がaspからvalに置換されているもの; 突然変異型HBsAg II(“MAM”HBsAg) アミノ酸133がmetからileに、アミノ酸134がpheからasnに 、アミノ酸142がproからserに、アミノ酸143がserからleuに 、アミノ酸145がglyからlysに置換されているもの; 突然変異型HBsAg III(“SZ”HBsAg) アミノ酸145がglyからargに置換されているもの; 突然変異型HBsAg IV(“SP”HBsAg) アミノ酸143がserからmetに置換されているもの。 推定抗体を、例えば野生型HBsAg及び上記した2つ以上の突然変異型に対 してスクリーニングし得る。例えば、本発明の推定モノクローナル抗体を、野生 型HBsAg及び133、134、141、142、143、144及び145 、特に143、144及び145の1個以上の位置で突然変異を有している2つ 以上の別個の突然変異型HBsAgに対してスクリーニングする。或いは、前記 した1つの突然変異体を別の領域に突然変異を有する突然変異型HBsAgと一 緒に使用し得る。上記した突然変異型I及びIVをスリーニングのために使用する ことができる。 本発明は、野生型HBsAg及びアミノ酸143、144及び145をコード するコドンの1個以上で点突然変異を有する配列によりコードされ得る“a”抗 原決定基を有する少なくとも1つの突然変異型HBsAgに対して特異的に結合 し得るモノクローナル抗体を提供する。前記モノクローナル抗体は、2つ以上の 突然変異型HBsAg及び別の異なる突然変異型HBsAgに結合し得る。 本発明のモノクローナル抗体の例は、P2D3、M3A10及びM4F5と称 されるハイブリドーマより産生される抗体である。前記ハイブリドーマは、特許 手続き上の微生物寄託の国際承認に関するブダペスト条約の下に、英国、ウィル トシャー州SP4 0JG、ソールズベリー、ポートンダウンに所在のthe European Collection of Cell Structur es(ECACC),Virus Research and Product ion Laboratory,Public Health Laborat ory Service,Culture for Applied Micr obiology & Researchに寄託されている。ハイブリドーマ寄 託の受託番号及び受託日は次の通りである。 ハイブリドーマ 受託番号 受託日 P2D3 ECACC 97042331 1997/04/23 M3A10 ECACC 97042330 1997/04/23 M4F5 ECACC 97042519 1997/04/25 本明細書において、モノクローナル抗体は、該抗体を産生するハイブリドーマ と同じ呼称で呼ばれ得る。例えば。P2D3 と称されるモノクローナル抗体はハイブリドーマP2D3(ECACC 970 42331)より産生される抗体である。ハイブリドーマP2D3(ECACC 97042331)、ハイブリドーマM3A10(ECACC 970423 30)及びハイブリドーマM4F5(ECACC 97042519)及びこれ らハイブリドーマから産生されるモノクローナル抗体の詳細は、以下の実施例に 記載されている。 モノクローナル抗体P2D3、M3A10及びM4F5の各々は、(i)野生型 HBsAg、(ii)突然変異型HBsAg I(NP HBsAg)及び(iii)突 然変異型HBsAg II(MAM HBsAg)に特異的に結合し得る。また、各 モノクローナル抗体は、突然変異型HBsAg III(SZ HBsAg)及び突 然変異型HBsAg IV(SP HBsAg)にも特異的に結合し得る。モノク ローナル抗体P2D3及びM4F5はIgG抗体である。モノクローナル抗体M 3A10はIgA抗体である。 野生型HBsAgが多数の血清型を有していることは公知であり、例えばPu ghら(1980)に記載されているように複数の認識された突然変異体が存在 することも公知である。本 明細書において用語「野生型HBsAg」には、当業界で野生型として認識され ているHBsAgまたは野生型であると一般に認知されているHBsAgのすべ てが含まれる。従って、この用語にはすべての血清型及びすべての認識された変 異体を有する野生型HBsAgが含まれる。本明細書で使用する用語「突然変異 型HBsAg」には認識された野生型変異体は含まれない。 適当なスクリーニング試験は当業者には公知であり、交差競合アッセイ及び例 えば結合特異性を調べるために放射性標識モノクローナル抗体を用いるアッセイ が含まれる。 上記したように、本発明のモノクローナル抗体の野生型及び突然変異型HBs Agに結合する能力から、該抗体は野生型タンパク質及び突然変異型の間で保存 されている表面抗原の領域に結合することが示唆される(下記の総括参照)。前 記した保存領域及びよって保存エピトープの位置及び配列は、公知の方法により 、例えば適宜本発明のモノクローナル抗体を使用するエピトープマッピングによ り決定され得る。その後、エピトープペプチド及びポリペプチドは、例えば組換 え技術により、化学合成により、または異種方法の組合せにより作製され得る。 生じた抗原ペプチドまたはポリペプチドも免疫原性であり得る。本発明のモノク ローナル抗体に対するエピトープも本発明の一部をなす。 本発明には、本発明のモノクローナル抗体の断片及び誘導体、例えばFab及 びFab2断片並びに結合体が包含される。誘導体はヒト化誘導体を含む。断片 及び(ヒト化誘導体を含めた)誘導体の作製方法は公知である。例えば、断片及 び誘導体は組換え技術により作製され得る。抗体の断片及び誘導体並びにその使 用は当業者に公知である。本明細書で使用される用語「モノクローナル抗体」は 該抗体の断片及び誘導体を含む。 本発明は、本発明のモノクローナル抗体に対する抗−イディオタイプ抗体をも 提供する。本来のエピトープの「内部イメージ」を含む前記抗体は、エピトープ 代替物として使用され得、立体配座依存エピトープの場合には特に有用である。 なぜならば、前記エピトープをマッピングすることは困難であり、立体配座依存 エピトープの場合には合成エピトープペプチドを作製することが不可能であり得 るからである。 本発明のモノクローナル抗体は、HBsAgを検出するための、よってB型肝 炎感染を検出するためのイムノアッセイにお いて、HBVアッセイにおいて現在使用されている抗−HBs抗体の代替物とし て、或いは現在使用されている抗−HBs抗体に加えて使用され得る。前記アッ セイは、臨床診断のためまたは血液スクリーニングのために使用され得、本発明 には本発明のモノクローナル抗体を含むイムノアッセイを用いて診断する方法及 び血液をスクリーニングする方法が包含される。 本発明のモノクローナル抗体は、受動免疫のための抗血清として治療もしくは 予防目的で使用され得、及び/または能動免疫におけるワクチンとして使用する ためのエピトープを規定するためにも使用され得る。本発明には、前記した抗血 清及び免疫方法、並びに前記抗血清により規定されるエピトープも包含される。 本発明のモノクローナル抗体は、野生型または突然変異型HBsAg、その抗 原断片、抗原ペプチドまたは抗−イディオタイプ抗体を精製するためのアフィニ ティークロマトグラフィーにおいても使用される。 従って、本発明はHBsAgを検出するためのイムノアッセイを提供し、該イ ムノアッセイは被検サンプルを本発明のモノクローナル抗体、その断片もしくは 誘導体、またはその2つ以 上の組合せと接触させ、生じた抗原−抗体複合体を検出することからなる。 本明細書中で使用される用語「検出」は検出及び/または測定を指し、定性、 定量及び半定量方法を含む。 本発明のモノクローナル抗体、その断片もしくは誘導体、またはそれらの組合 せを、ポリクローナル抗−HBs抗体及び他のモノクローナル抗−HBs抗体か ら選択される1つ以上の抗体と一緒に使用され得る。 本発明のイムノアッセイは、均一系または不均一系フォーマットであり得る。 前記フォーマットは捕獲または競合フォーマットであり得る。 B型肝炎コア抗原に対する抗体(抗−HBc)を検出するためのイムノアッセ イは、HBsAgに対するアッセイと同時に行ってもよい。組合せHBV抗−コ ア/表面抗原アッセイは公知であり、使用されている。 本発明は更に、本発明のモノクローナル抗体、その断片もしくは誘導体、また はその2つ以上の組合せ、HBsAgに対するイムノアッセイを実施するために 必要な試薬、及び任意に抗−HBc抗体を検出するための試薬を含むイムノアッ セイキッ トを提供する。ポリクローナル抗−HBs抗体及び他のモノクローナル抗−HB s抗体から選択される他の抗−HBs抗体を1つ以上存在させてもよく、他の試 薬は洗浄液、希釈剤、標準溶液、コントロール試薬及び標識抗−HBs抗体から 選択され得る。 本発明は更に、イムノアッセイで使用するために好適な固相をも提供し、該固 相上には本発明のモノクローナル抗体、その断片もしくは誘導体、またはその2 つ以上の組合せが固定化されている。ポリクローナル抗−HBs抗体及び他のモ ノクローナル抗−HBs抗体から選択される別の抗−HBs抗体を1つ以上前記 固相に固定化させてもよい。更に、抗−HBc抗体を捕獲し得る物質を抗−HB s抗体に加えて前記固相に固定化させてもよい。 本発明は更に、受動免疫のために治療または予防目的で使用するのに好適な、 本発明のモノクローナル抗体、その断片もしくは誘導体、またはその2つ以上の 組合せを含む抗血清をも提供する。 本発明は、本発明のモノクローナル抗体、その断片もしくは誘導体、またはそ の2つ以上の組合せを医薬的に適当な抗体と 混合して含む、HBVに対する受動免疫のために治療または予防目的で使用する のに好適な組成物を提供する。 本発明の抗血清及び組成物は、ポリクローナル抗−HBs抗体及び他のモノク ローナル抗−HBs抗体から選択される他の抗体を1つ以上含み得る。 本発明は更に、本発明のモノクローナル抗体、その断片もしくは誘導体、また はその2つ以上の組合せを治療または予防有効量ヒトに投与することからなる、 治療または予防目的のHBVに対する受動免疫化方法を提供する。モノクローナ ル及びポリクローナル抗−HBs抗体から選択される他の抗体を1つ以上投与し 得る。 本発明は更に、単離した突然変異型HBsAg I、突然変異型HBsAg II、突然変異型HBsAg III及び突然変異型HBsAg IVを提供する。本 発明は、本発明のモノクローナル抗体、またはその断片もしくは誘導体に特異的 に結合し得る突然変異型HBsAgの断片もしくは誘導体をも提供する。突然変 異型HBsAgの断片もしくは誘導体も免疫原性であり得る。突然変異型HBs Ag、またはその断片もしくは誘導体は、天然ソースからまたは組換え技術によ り獲得することがで きる。例えば免疫原として使用するためには、突然変異型HBsAg、またはそ の断片もしくは誘導体が部分的にまたは完全にグリコシル化された形態にあるこ とが好ましい。本発明は、化学的に合成された抗原性であり任意に免疫原性のエ ピトープペプチドをも提供する。 本発明は、本発明の突然変異型HBsAg、その免疫原性断片もしくは誘導体 、またはその2つ以上の組合せ及び医薬的に好適な担体を含むワクチン組成物を 提供する。ワクチン組成物が更に1つ以上の免疫原性ペプチドまたはポリペプチ ド、例えば他の免疫原性HBsAgペプチドまたはポリペプチドを含んでいても よい。 本発明は、治療有効量の本発明の突然変異型HBsAg、その免疫原性断片も しくは誘導体、またはその2つ以上の組合せを任意に他の免疫原性HBsAgペ プチドまたはポリペプチドの1つ以上と組み合わせてヒトに投与することからな る、ヒトに対するHBVの予防接種方法を提供する。 本発明は、上記した突然変異型HBsAg I、突然変異型HBsAg II、 突然変異型HBsAg IIIまたは突然変異型HBsAg IV、または本発明の モノクローナル抗体またはそ の断片もしくは誘導体に対して特異的に結合し得る前記突然変異型HBsAgの 断片または誘導体をコードする単離された核酸をも提供する。突然変異型HBs Agの断片または誘導体が免疫原性であることが好ましい。 本発明は本発明の核酸を含む組成物を提供し、特に哺乳動物に投与したときに コードされるアミノ酸配列を発現させるのに適した形態で本発明の核酸を含むワ クチン組成物を提供する。 本発明の用途及び使用に際し、本発明のモノクローナル抗体はモノクローナル 抗体P2D3、モノクローナル抗体M3A10、モノクローナル抗体M4F5ま たはその2つ以上の組合せであり得る。モノクローナル抗体P2D3、M3A1 0及びM4F5の1つ以上を本発明の他のモノクローナル抗体及び/または他の 抗−HBV抗体、特に抗−HBS抗体と一緒に投与してもよい。本発明のモノク ローナル抗体の断片もしくは誘導体を使用することもできる。 本発明は、本発明のモノクローナル抗体を産生し得るハイブリドーマ、例えば ハイブリドーマP2D3(受託番号ECACC 97042331)、ハイブリ ドーマM3A10(受託番号ECACC 97042330)及びハイブリドー マM4F 5(受託番号ECACC 97042519)をも提供する。 本発明は、本発明のモノクローナル抗体を作製し得るハイブリドーマを産生す る方法を提供し、該方法は野生型HBsAgまたは突然変異型HBsAgを用い て動物を免疫化し、抗体産生細胞を不死化してハイブリドーマを形成し、生じた ハイブリドーマ培養物を野生型HBsAg及び2つ以上の突然変異型HBsAg についてスクリーニングし、野生型HBsAg及び2つ以上の突然変異型HBs Agに特異的に結合し得るモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを選択 することからなる。 本発明のモノクローナル抗体は、本発明のハイブリドーマをインビトロもしく はインビボで培養し、培地からモノクローナル抗体を獲得することにより得られ 得る。インビボで作製する場合、培地は腹水であり得る。 ハイブリドーマ及びモノクローナル抗体を作製及びスクリーニングする方法は 当業者に公知である。一般的な方法はKohler & Milstein(1 975)に記載されており、その後この主題に関しては多くの刊行物が存在する 。本発明の方法に従ってハイブリドーマ及びモノクローナル抗体を作製及びスク リーニングするために、前記した任意の方法が利用され 得る。抗体を作製するために使用される抗原は、野生型HBsAgまたは上記し たような突然変異型HBsAg、例えば上記した突然変異型I〜IVの1つ以上で あり得る。生じたハイブリドーマ及びモノクローナル抗体は、野生型HBsAg 及び選択した突然変異型を使用する慣用の方法により各種型のHBsAgに対し て特異的に結合する能力についてスクリーニングされ得る。上記したように、ス クリーニングは、参照抗原として野生型HBsAg及び2つ以上の上記したよう な突然変異型HBsAg、例えば突然変異型I〜IVの2つ以上を用いて実施され 得る。 スクリーニングのためには、非常に低いバックグラウンド及び大きな動的レン ジであり得且つ簡単に設定されるという利点をも有するIgG逆捕獲ラジオイム ノアッセイを使用するのが特に簡便である。 当該抗体に対するIgG逆捕獲アッセイでは、適切な抗−スピーシスIgGを 固相、例えばミクロウェルに固定化する。例えば被検抗体をマウスで作製したと きには、固相を抗−マウスIgGでコートする。次いで、被検サンプルを固定化 抗−スピーシスIgGとインキュベートすると、サンプル中に存在する 総IgGに相当する量が捕獲される。次いで、固相を適当に標識された抗原と一 緒にインキュベートすると、前記抗原は当該捕獲抗体のみと複合体を形成する。 次いで、形成された複合体を検出し得る。 本発明の場合、被検サンプル、例えばハイブリドーマ培養由来の組織培養上清 または腹水を固定化抗−IgGと一緒にインキュベートする。捕獲された抗体を 、標識野生型HBsAg及び上記したような標識突然変異型HBsAg、例えば 突然変異型I〜IVから選択される2つ以上と別々にインキュベートする。野生型 HBsAg及び2つ以上の突然変異型表面抗原に対して特異的に結合し得るサン プルは、本発明の範囲内のモノクローナル抗体を含む。 IgMまたはIgAモノクローナル抗体を獲得するために逆相IgMまたはI gAアッセイを同様に使用することもできる。 HBsAgのための市販イムノアッセイは、通常、抗−HBsが固相、一般に はミクロウェル、微細粒子またはビーズに固定化されている不均一相、すなわち 「捕獲」アッセイである。被検サンプル、通常血清を固定化抗−HBsと接触さ せるとき、サンプル中に存在するHBsAgは固定化抗体に結合しなけれ ばならない。次いで、捕獲された抗原を、通常標識抗−HBsを用いて検出する 。慣用のアッセイの場合、捕獲または検出のために使用される抗体はモノクロー ナルでもポリクローナルであってもよい。 その特性から、ポリクローナル抗体は広範囲の特異性及び選択性を有する。H BVの場合、これによりエスケープ突然変異体に結合し得る抗体は抗血清中に存 在し得る。しかしながら、このことは保証され得ず、バッチ毎に生成物の均一性 を得ることに固有の問題が存在する。モノクローナル抗体は特定の特異性及び選 択性を有し、従ってエスケープ突然変異体を検出することはできない。 野生型HBsAg及び突然変異型HBsAgに対して特異的に結合し得る本発 明のモノクローナル抗体、その断片もしくは誘導体を含めた前記抗体の組み合わ せをHBsAgに対するイムノアッセイに使用すると、アッセイの性能が改良さ れ、突然変異型HBsAgが検出される可能性が高くなる。本発明のモノクロー ナル抗体またはその2つ以上の組み合わせは、抗原捕獲のために及び/または生 じた抗体−抗原複合体の検出のために抗−HBs抗体単独として使用され、また は好ましくはポリ クローナル抗−HBsまたは他のモノクローナル抗−HBsに加えて使用され得 る。本発明のモノクローナル抗体またはその2つ以上の組み合わせは、HBsA gに対する均一相アッセイにおける従来の抗−HBsと同様に使用され得る。従 って、本発明はHBsAgを検出するためのイムノアッセイを提供し、該方法は HBsAgを含んでいると疑われるサンプルを本発明のモノクローナル抗体、そ の断片もしくは誘導体、その2つ以上の組み合わせを接触させ、生じた抗原−抗 体複合体を検出することからなる。前記モノクローナル抗体、断片、誘導体また はその組み合わせは、単独の抗−HBs試薬として使用され得、またはポリクロ ーナル抗−HBs及び他の抗−HBsモノクローナル抗体から選択される1つ以 上の他の抗−HBs抗体と一緒に使用され得る。 各種異なるフォーマットを有するイムノアッセイ、それを実施するための方法 及び適当な試薬は公知であり、いろいろな書物及び論文、例えばKemeny & Challacome(1988)及びTsu & Herzenberg (1980)に記載されている。任意の抗原検出方法が本発明で使用され得る。 本発明のアッセイは、いわゆる「サンドイッチ」アッセイ、競合アッセイまた は直接反応であり得る。モノクローナル抗体、断片、誘導体またはその組み合わ せは、それ自体を、またはポリクローナル抗−HBs抗血清及び/または1つ以 上の他の抗−HBsモノクローナル抗体と混合して固体表面に固定化させること ができる。或いは、本発明のモノクローナル抗体またはその組み合わせ及び任意 の別の抗体は均一相にあり得る。生じた抗原−抗体複合体は標識抗−HBsを用 いて検出され得る。不均一相アッセイの場合、検出のために使用される抗−HB sは固体表面をコーティングするために使用したものと同じであっても異なって いてもよい。 その上に抗−HBsが固定化され得る適当な固体表面は公知であり、微量滴定 プレートのウェルの内側ウェル、ビーズ、パーティクル及びいわゆるラテックス を含む。例えばニトロセルロースまたはペーパーの膜及びストリップが使用され 得る。膜またはストリップはアッセイデバイスに組み込まれ得る。前記アッセイ デバイスも公知である。本発明は、その上に本発明のモノクローナル抗体、その 断片もしくは誘導体、またはその2つ以上の組み合わせが固定化されている固相 も包含する。 抗原−抗体複合体を検出するために使用される抗−HBsは、直接または間接 的にシグナルを発生し得る任意の物質を用いて標識し得る。前記物質は公知であ る。直接シグナルを発生し得る物質には放射性標識、色素原標識及び蛍光標識が 含まれる。間接的にシグナルを発生し得る物質には、色の変化を生じる反応を触 媒し得る酵素が含まれる。 本発明は、本発明のイムノアッセイを実施するのに必要な成分を含むキットを も提供する。前記キットは、例えば固体表面に固定化させた本発明のモノクロー ナル抗体またはその2つ以上の組み合わせ、及び例えば洗浄液、希釈剤、標準溶 液、コントロール試薬、標識抗−HBs抗体及び酵素標識抗−HBsの場合には 着色試薬から選択される他の必要な試薬を含む容器と一緒に含む。 B型肝炎コアタンパク質(HBc)に対する抗体のためのイムノアッセイは、 しばしば、例えば同じミクロウェルにおいてHBsに対するアッセイと同時に実 施される。本発明は、前記アッセイにおける本発明のモノクローナル抗体の使用 、キット及び該アッセイに使用されるコートされた固相を包含する。 上記したように、本発明のモノクローナル抗体は、受動免疫 のために、例えばHBV感染患者に対する肝移植中に使用され得る。受動免疫の ために、抗体は非経口投与のための抗血清として使用するのに適した形態、例え ばヒト化を含めた誘導体化し得る形態とする。使用される抗体の用量は、各患者 の特定環境に依存し、ケースバイケースで決定される。 2つ以上の組み合わせ、断片もしくは誘導体を含めた本発明のモノクローナル 抗体は、単独で、または他の抗−HBsポリクローナルまたはモノクローナル抗 体に加えて使用され得る。他の抗−HBV抗体をも含めることができる。 本発明のモノクローナル抗体が結合する突然変異型HBsAgは、抗原、例え ばワクチンとして、モノクローナル抗体の作成に際し、及び本発明の推定抗体を スクリーニングするために使用され得る。前記突然変異型HBsAgは、HBV エスケープ突然変異体を有していると認められる被験者から獲得され得る。前記 した被験者は通常抗−HBsポジティブであり且つHBsAgポジティブである 。適当な被験者は、HBV感染のためにモノクローナル抗体治療を受けた患者か ら、予防接種を受けた患者(特に防御突破感染が認められる患者)から、現在の 標準試験を用いる臨床検査では診断が困難なHBV感染の場合 に見つけられる。 上記した突然変異型のひとつ、例えば突然変異型I〜IVの突然変異型HBsA gは、組換えDNA技術により作製され得る。突然変異体をコードする天然DN Aは、突然変異型HBsAgの発現用の適切な宿主に組み込まれ得る。或いは、 野生型DNAは、例えば位置指定突然変異により修飾され、その後突然変異型の 発現を得るために使用され得る。 天然ソース、通常特定の被験者の血液から得られたHBsAgは天然グリコシ ル化を有し、一般に前記HBsAgを抗原として使用するのが通常好ましい。血 液からHBsAgを精製する方法は公知であり、例えばCameronら(19 80)を参照されたい。部分的にもしくは完全にグリコシル化された組換え突然 変異型HBsAgを作製することが好ましいこともある。 HBsAgは完全長を有していても、適当な抗原断片を使用することもできる 。前記断片は組換え技術により得られ得る。或いは、例えば化学合成により作製 される抗原ペプチドである断片を使用することもできる。ワクチンとして使用す る場合、抗原は免疫原性、すなわち保護応答を生じ得なければならない。 ワクチンとして使用する場合、(完全長、断片またはペプチドであっても、組 換え技術により、合成によりまたは天然ソースから得られたものであっても)所 望の抗原は精製され、例えば慣用の担体及び適切な場合には添加剤を使用して適 当な形態に加工されなければならない。 ワクチン化のための抗原として使用する代替物として、前記抗原をコードする 核酸を使用することができる。インビボで発現し得る形態の核酸を作製する方法 は公知である。本発明は核酸ワクチンを包含する。 抗−イディオタイプ抗体を作製する方法は公知である。本発明の場合、本発明 のモノクローナル抗体は、抗−イディオタイプ抗体を作製する際に抗原として使 用され、生じた抗体は本発明のモノクローナル抗体に対してスクリーニングされ 得る。本発明の抗−イディオタイプ抗体は公知の方法でワクチンとして使用され 得る。 本発明を非限定的実施例により説明する。 実施例 I.材料及び方法 1:患者 以下のモノクローナル抗体は、2人の患者の突然変異型HBsAgに対して作 製した。前記患者は、相反する血清マーカーの結果として同定された。 患者MAMはHBV保菌者であった。血清は、最初1986年、ポリクローナ ルを用いる逆受身赤血球凝集反応アッセイ(RPH)でHBsAg陽性であった がモノクローナルエンザイムイムノアッセイ(EIA)では陰性であった。19 88年に患者は腎移植を受けた。再び調べたところ、HBsAgはポリクローナ ル及びモノクローナル抗体を用いるアッセイで検出され得るようになったが、ポ リクローナル抗体アッセイのみで検出可能な状態に戻った。この患者の血清は、 フォローアップ期問中抗−HBc及びHBsAg陽性であった。 患者NPは1985年に腎移植を受けた。1990年、患者は抗−HBc血清 陽性であったが、HBsAg及び抗−HBsは検出されなかった。1993年か ら血液透析を始め、その年の後にはHBsAgがポリクローナルを用いるアッセ イのみで検出された。 いずれの患者に対してもワクチン接種は今まで行っていなかった。 “a”抗原決定基の周りのHBsAg抗原の配列を、Hawkinsら(19 94)に記載されているPCR産物に対して直接実施した一本鎖配列決定により 決定した。 2:モノクローナル抗体の作製 2.1 動物 雌Balb/cマウスを使用した。 2.2 HBsA の精製 マウスの免疫化に必要なHBsAgの精製は、Cameronら(1980) に記載されている方法に基づいた。 高力価HBsAg陽性血清は、20ml容量ずつTrisで緩衝し且つ0.1 %アジ化ナトリウムを含む0.9% NaCl pH7.6(Tris/Sal /AZ)で平衡化したセファロース6B(Pharmacia Ltd)のカラ ム(100×5cm直径)に流して分画化した。アルブミン及びIgGを含まな い富HBsAg分画を、XM 100Aメンブラン(Amicon Ltd.) を取り付けた撹拌式200ml限外濾過セルを用いて限外濾過することにより9 ml容量まで濃縮した。これに固体CsCl(2.69g)を添加し、容量を1 0mlに調節して密度1.2g/cm3とした。次いで、材料を20℃ において、SW50−Lスイングバケットローター(Beckman RIIC Ltd)において2本の5mlチューブを用いて124000gで3日間超遠 心すると、自己形成密度勾配で等密度バンドが形成された。 22nm小粒子を含む主HBsAgバンドを両チューブから取り出し、プール し、Tris/Sal/AZ中にCsClを含む溶液(2.885g+10ml )で5mlとし、最終密度を1.2g/cm3とした。材料を1本の5mlチュ ーブを用いて前記と同じ条件下で超遠心すると、第2の等密度バンドが形成され た。最終HBsAgバンドを取り出し、PBS中で透析してCsClを除去した 。 3:動物の免疫化 等容量のTitemaxアジュバント(Vaxcel,Inc)中に混合した 精製NP HBsAg(50μl)を、雌Balb/Cマウスに皮下注射した。 約2ヶ月後、30μl用量を腹腔内(i.p.)投与し、3ヶ月後75μl用量 をi.p.投与した。最後に、融合の3日前にサリン中25μlのHBsAgを 静脈投与した。 マウスにMAM HBsAgを用いて免疫化するときに同じ プロトコルを用いた。 4:ミエローマ細胞の培養 P3−X63−Ag8653(Kearneyら、1979)由来のJK細胞を 、37℃、空気中5%CO2の雰囲気、100%湿度で完全培地(試薬参照)に おいて培養した。 細胞を1週間に約3回1:2にスプリットし、2×105〜2×106細胞/m lの濃度で維持した。指数的成長相にある細胞のみを脾細胞への融合のために使 用した。 融合のために、ミエローマ細胞を1,500gで10分間スピンし、同容量の 不完全培地(試薬参照)で3回洗浄した。再懸濁させたJK細胞を不完全培地中 に1:10希釈し、細胞の生存能力及び濃度をNeubauerチャンバーにて 細胞を計数することにより測定した。JK細胞の濃度は約5.87×107細胞 /mlであることが判明した。 4.1:支持細胞の作製 マウス腹腔滲出細胞をハイブリッド細胞に対する支持細胞層として使用した。 これらの細胞を融合を行う前の日に作製した。ヒポキサンチン、アミノプテリン 及びチミジンを含有する低温完全培地(HAT培地、試薬参照)を、支持細胞の 作製のため に使用した。培地5mlを殺したばかりのBalb/cマウスの腹腔に注入し、 緩やかに撹拌した後、滲出細胞を含有する培地に無菌的に取り出した。細胞10 0μlを、無菌の96ウェルプレートの各ウェルに加えた(融合される脾臓につ き4〜5枚のプレートが必要であった)。融合日に、プレートが細菌もしくは真 菌で目に見える程度汚染されていないことを確認するために全てのプレートを試 験した。 4.2:脾臓細胞の作製 MAM HBsAgで免疫化されたマウス及びNP HBsAgで免疫化され たマウス由来の脾臓細胞を同様にして作製した。 脾臓を殺したばかりのマウスから注意深く取り出し、低温完全培地5mlを含 むペトリ皿に入れた。脾臓を小刀の尖っていない面を用いて注意深くばらばらに することにより、脾臓結合組織から細胞をそぎ離した。次いで、細胞懸濁液を無 菌の万能容器に移し、破片を底に沈降せしめた。上清を注意深く取り出し、細胞 を150gで10分間ペレット化した。細胞を不完全培地10mlで3回洗浄し 、最終細胞ペレットを不完全培地10mlに再懸濁させた。脾臓細胞の収量及び 生存能力を Neubauerチャンバーを用いて測定した。NP脾臓からは約7×107個 の細胞が収集され、一方第1のMAM脾臓からは10×107個の細胞、第2の MAM脾臓からは2.5×107個の細胞が収集された。 4.3:細胞融合 脾細胞をミエローマ細胞と4:1の比率で混合し、混合物を1500gで10 分間遠心した。上清を取り出すと、容器の底に細胞のドライペレットが残った。 容器を37℃の湯浴に入れた。予めオートクレーブ滅菌したポリエチレングリコ ール1540(PEG)も37℃の湯浴で加温した。細胞ペレットは容器の底で ほぐれ、容器を緩やかに撹拌しながらPEG溶液1mlを滴下した。細胞/PE G混合物を37℃で1分間放置した後、加温した不完全培地2mlを添加した。 更に、不完全培地25mlが添加されるまで不完全培地を1分ごとに容量が2倍 になるようにゆっくり添加した。次いで、融合細胞を1500gで10分間遠心 し、ペレットをHAT培地10mlに再懸濁させた。細胞懸濁液を5枚の支持細 胞プレート上に均等に分配し、次いでCO2インキュベーターに入れた。 4.4:ハイブリッド細胞の培養 約1週間後に増殖融合細胞のクラスターが現れた。この段階で、古い培地10 0μlを新鮮なHAT培地で交換することにより細胞を再供給した。融合から約 14日後、融合に成功した細胞クラスターが認められた各ウェルから上清液10 0μlを取り出し、抗−HBsの存在についてアッセイした。上清をヒポキサン チン及びチミジンを含む完全培地(HT培地、試薬参照)で置換した。 4.5:抗−HBs分泌型ハイブリドーマを検出するための逆捕獲RIA 生存ハイブリドーマ培養物からの上清を逆捕獲アッセイに基づいて抗−HBs について試験した。 丸底Nuncミクロウェルを、家兎抗−マウスIgGのIgG分画のTris 緩衝液中1:1000希釈物100μlでコートした。室温で2日後、ウェルを ツイーンサリンで洗浄し、トリス緩衝液中0.5%ウシ血清アルブミン(Tri s BSA緩衝液、試薬参照)を用いて1時間クエンチした。次いで、ウェルを シールし、湿気を含んだ4℃で保存した。洗浄はすべてツイーンサリンで行った 。 アッセイを行う前に、Tris BSA緩衝液を除去した。融合に成功した細 胞クラスターが認められた各ウェルからの上清のリン酸緩衝液中1:10希釈物 100μlをアッセイウェルに加え、37℃で1時間インキュベートした。洗浄 後、精製125I−野生型HBsAg100μlを添加し、湿ったボックス中に室 温で一晩放置した。次いで、アッセイウェルを洗浄し、結合放射能を16チャン ネルガンマカウンターを用いて測定した。抗−HBsを含む上清は、標識の高い 結合を示した。次いで、ハイブリドーマを、125I−野生型HBsAgの代わり に125I−MAM標識及び125I−標識を用いて同じアッセイで再試験した。実施 した各アッセイにはポジティブコントロール及びネガティブコントロールを含め た。使用したポジティブコントロールは野生型HBsAgに対するモノクローナ ルD2H5及びH3F5であった。抗−HIV gagモノクローナル抗体3D 3F2及びリン酸緩衝食塩液をネガティブコントロールとして使用した。 アッセイの結果から、抗−HBsを分泌するコロニーを含有する親ウェルを更 なるスクリーニング及びクローニングのために選択した。 細胞が十分増殖したら、細胞をガラスパスツールピペットを用いて吸引し、H T培地中にマウス腹腔滲出細胞(PEC)の層を含む24ウェル無菌プレートに 無菌的に移した。 4.6:限界希釈法によるクローニング 抗−HBs陽性と同定されたハイブリドーマを限界希釈法によりクローニング した。これは、分泌された抗体が均質であり単一特異性であることを確認するた めに実施する。各ハイブリッド培養物について、100個の細胞を含有する細胞 懸濁液の容量を計算し、この容量を完全培地10mlに添加した。この細胞懸濁 液100μlを、完全培地中に支持細胞を含む96ウェルプレートの48ウェル の各ウェルに添加した。100個以上の細胞を完全培地の残り5mlに添加し、 このより濃厚な細胞懸濁液100μlをプレートの24ウェルに添加した。最後 に、更に100個の細胞を残りの細胞懸濁液に添加し、これを最後の24ウェル に分配した。幾つかの培養物の不正確な細胞数及び低生存能力を考慮して、各プ レートに対して細胞濃度に変化を付けた。選択した親ハイブリドーマのそれぞれ についてこの手順を繰り返した。 クローニングから約5日後、単一コロニーのみが生存してい るウェルについてプレートを調べた。これらのウェルから上清100μlを取り 出し、上記した逆捕獲アッセイを用いて抗−HBsについて再試験した。 次いで、抗−HBsを分泌するクローンを上記したように増殖させ、必要によ り組織培養上清100μlを除去し、新鮮な完全培地で置換することにより再供 給した。 4.7:ハイブリッドクローンの培養 コロニーがウェルを十分に覆うほど大きくなったら、コロニーを支持細胞を含 む12cm2組織培養フラスコで増殖させ、さらに25cm2フラスコ及び75c m2フラスコで増殖させた。細胞をほぼ2〜3日毎に新鮮な完全培地で1:2に スプリットした。 良好な増殖が確立されたら、数個の細胞を凍結し、10%ジメチルスルホキシ ド及び50%ウシ胎仔血清を補充した不完全培地において液体窒素下で保存した 。 4.8:腹水の作製 12〜20週令の雌Balb/cマウスをプリスタン0.5mlでプライムし た。プライムから1〜4週間後、不完全培地に再懸濁させたクローン化ハイブリ ドーマ細胞1mlを腹腔内 注射した。それから1〜3週間後腹水を吸引し、3000gで10分間遠心する ことにより細胞から腹水を分離した。その後腹水を−20℃で保存した。 II.野生型及び突然変異型HBsAgに対するモノクローナル抗体のキャラクタ リゼーション 1:モノクローナル抗体のイソタイビング モノクローナル抗体のイソタイピングを、組織培養上清中のモノクローナル抗 体のクラス及びサブクラスを同定すべく特別に設計されたSerotec(Se rotech Limaited,22 Bankside Station Approach,Kidlington,Oxfords OX5 1BR) のキットを用いて実施した。製造業者の推奨に従って使用すると、マウスモノク ローナル抗体の特性が容易に決定づけられる。 2:血清タンパク質電気泳動 血清タンパク質電気泳動(SPE,Paragon電気泳動システム,Bec kman Ltd.)によりモノクローナルタンパク質バンドの存在について各 クローンからの腹水を調べた。提供されているプロトコルに従って、キットによ って前記 腹水が高レベルでモノクローナル免疫グロブリンを含むことが簡便に同定された 。 Paragon血清タンパク質電気泳動キットは、緩衝アガロースゲルにてタ ンパク質を電気泳動により分離するものである。電気泳動後、ゲル中のタンパク 質を固定液で固定し、ゲルをフィルムになるまで乾燥した。タンパク質パターン を、フィルムをタンパク質特異的染色剤で染色して可視化し、パターンを目視で 分析した。 3:免疫グロブリンG調製 免疫グロブリンGを各種腹水からイオン交換クロマトグラフィーにより調製し た。 予め膨潤状態で供給されるDE52ゲル(Whaman Ltd)を0.2M リン酸緩衝液(pH8.0)に再懸濁させた。その後、ゲルを蒸留水に分散させ て10mM緩衝液濃度とした。 DE52ゲルを、ゲル対サンプルの容量比が5:1となるようにK9カラム( Pharmacia)に充填した。全てのカラムを等容量の10mMリン酸緩衝 液(PB、試薬参照)で平衡化した。10mM PBを用いて4℃で一晩透析さ せた後、 サンプルをカラムの上部に重層し、30分間にわたり吸収させた。 腹水からの免疫グロブリンGを、10mM、30mM及び60mM PBを用 いて段階溶出させて回収した。各緩衝液をカラムに流し、溶離液の光学密度を2 80nmでモニターし、記録した(紫外線分光光度計,LKB Ltd.)。3 種の溶離液を別個に集め、逆捕獲RIAを用いて抗−HBs活性についてアッセ イした。大量の抗−HBs反応性を含む溶離液を同定できた。 腹水IgGのタンパク質濃度を、分光光度計にて1.4のE1% 1cm値を 用いて280nmの吸光度を測定することにより計算した。 4:免疫グロブリンA調製 IgGと同様に、IgAをイオン交換クロマトグラフィーを用いて調製した。 しかしながら、分離にはSephacryゲルを用いた。DE52と同様に、ゲ ルを10mMリン酸緩衝液で平衡化した。サンプルをカラムの上部に重層し、3 0分間にわたり吸収させた。前記したように、腹水を段階溶出により分離した。 溶離液をモニターし、抗−HBs反応性について試験 した。 5:放射性標識方法 免疫グロブリン分画をヨードゲン法(Salacinskiら、1979)によ り標識した。 清潔な7.5×10cmガラス管をまずクロロホルム5μgでコートした。ヨ ードゲン管に、PBS中タンパク質15μgを添加した。最後にNa125I(0 .5miCi,Amersham International Plc)を添 加し、管中での反応を氷上で10分間進行させた。ヨードゲンはNa125Iに対 する穏和な酸化剤として作用し、タンパク質上のチロシン残基に結合する。 次いで、K9カラムにSephadex G−25を充填し、Tris BS A緩衝液で平衡化した。PBS中の非放射性ヨウ素(KI/NaI)は遊離125 Iがカラムに粘着する傾向を減ずるので、KI/NaIをG25カラムに添加し た。次いで、反応混合物をヨードゲン管から取り出し、カラムに移した。このB SA緩衝液を溶出のために使用し、溶離液をモニターした。第1のピークから12 5 I標識タンパク質分画を集め、ピークが先細りし始めたら中止した。その後、 標識タンパク質を5% BSA含有トリス食塩緩衝液中で4℃で保存した。 遊離125Iが完全に溶出されるまで(第2ピーク)溶出を続けた。このピーク の高さと第1ピークの高さとの比較から結合125Iのパーセンテージを概算した 。 III.結果 1:患者 MAM患者及びNP患者からの血清を、HBsAgに対する一連のアッセイで 試験した。モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体を用いる方法を比較した 結果を下表1に示す。 表1:HBsAgアッセイ検出:比較 (注) アッセイ1 逆受身赤血球凝集反応アッセイ アッセイ2 モノクローナル抗体を用いるアッセイ アッセイ3 混合モノクローナル/ポリクローナル抗体を用いるるアッセイ アッセイ4 混合モノクローナル/ポリクローナル抗体を用いるアッセイ アッセイ5 モノクローナル抗体を用いるアッセイ 配列決定の結果から、両患者の“a”抗原決定基中に幾つかの点突然変異があ ることが判った。突然変異は、患者NP由来の増幅されたHBV DNA(サブ タイプayw)において、表面抗原のアミノ酸133、134及び144をコー ドするコドンで認められた。突然変異は、患者MAM由来の増幅されたHBV DNA(サブタイプayw)においてアミノ酸133、134、142、144 及び145をコードするコドンでも認められた。上記した突然変異は、移植前も 移植後でも検出された。HBsAgがモノクローナル及びポリクローナルの両抗 体を使用するアッセイで検出可能なときに比べて、HBsAgがポリクローナル 抗体を用いるアッセイのみで検出可能な間には、配列に違いはなかった。突然変 異を表2に示す。 MAM HBsAgは突然変異型HBsAg Iであり、NP HBsAgは 突然変異型HBsAg IIである。HBsAgの完全アミノ酸配列及びHBsA gをコードするヌクレオチド配列はValenzuelaら(1979)に記載 されている。 表2:患者MAM及びNPのHBsAg“a”抗原決定基中で 検出された突然変異2:抗−HBs分泌型モノクローナル抗体の同定及び分布 抗−HBsを分泌するハイブリドーマは最初逆捕獲アッセイを用いて同定され た(セクションII,4.5参照)。融合から約1週間後、増殖細胞のクラスター を含むウェルすべてについて抗−HBs活性を試験した。実施したアッセイには すべてネガティブコントロール及びポジティブコントロールを含めた。 MAM融合から生じた細胞をまず125I MAM HBsAgを用いてRIA で試験し、NP融合から生じた細胞を125INP HBsAgを用いて試験した 。アッセイの結果は、クローンがそれぞれの表面抗原に対する抗体を産生するこ とを示し た。750cpmを越えるカウントを与えるハイブリドーマをポジティブと見做 した。試験した320個のMAMクローンのうち10%がポジティブであり、試 験した200個のNPクローンのうち8%がポジティブであることが判明した。 野生型(WT)HBsAgに対する反応性を調べるために、前アッセイでポジ ティブを示したかに関わらず、NP融合及びMAM融合由来のクローンを125I WT HBsAg標識を用いて逆捕獲RIAで試験した。上記したように、標 識の結合が増加したら結果はポジティブとする。650cpmを越えるカウント を与えるハイブリドーマはポジティブと見做された。試験した320個のMAM クローンのうち6%がポジティブな結果を示し、NPクローンのうち4%が125 I WT HBsAgに結合することが判明した。 これまでに得られた結果から、MAMNNPまたはWT B型肝炎表面抗原を 特異的に認識し、よって該抗原に結合する抗−HBsを分泌するクローンを同定 することが可能であった。 上記したハイブリドーマ間に交差反応性があるかを調べるために、NPクロー ンは125I MAM HBsAgを用いて、MAMクローンは125I NP HB sAgを用いて試験し た。MAMクローンのうち4個がNP標識を認識し、NPクローンのうち5個が MAM標識により認識されることが判った。 そこで、クローンをすべての標識の組合せを用いて試験した。こうして、125 I MAM、125I NPまたは125I WTHBsAgを用いて常に強ポジティ ブな結果を与えるハイブリドーマを同定することが可能であった。モノクローナ ル抗体は以下のカテゴリーに分類され得る。すなわち、1)MAM特異的;2) NP特異的;3)MAM/NP特異的;4)MAM/WT特異的;5)NP/W T特異的;6)NP/WT/MAM特異的。 上記したカテゴリーのひとつに属する8個のNP親ハイブリドーマ及び10個 のMAM親ハイブリドーマを選択した。これらのハイブリドーマは、良好な細胞 増殖を示し、また抗−HBs活性について試験したときに繰り返しポジティブで あったことから選択された。 次いで、選択された18個のハイブリドーマを限界希釈法によりクローン化し た。クローニングから約14日後、単一のコロニーを含むウェルを3個すべての 標識を用いて逆捕獲アッセイで試験した。8個のNPハイブリドーマのうち6個 はクロー ン化に成功し、抗−HBs活性は依然としてポジティブであることが判明した。 しかしながら、MAMクローンの場合、選択した10個のハイブリドーマのう ち6個のみがクローン化された。それぞれの親クローンからハイブリドーマを再 クローニングする試みは、各プレートに添加する細胞の濃度を増加させたにも関 わらず不成功に終わった。単一コロニーを含むうまくクローン化した6個のハイ ブリドーマについて抗−HBs活性を試験した。6個のうち、M3C9及びM3 A10の2つのハイブリドーマ(これらは3方向に交差反応する)は抗−HBs に関して依然としてポジティブであることが判明した。MAM融合に由来するハ イブリドーマは、継代させると非常に不安定であることが判明した。 増殖のために少なくとも3個のポジティブクローンを各ハイブリドーマから選 択した。クローンを培養中で増殖させ、2週間後に再試験した。NPクローンは すべて抗−HBs分泌に関して依然ポジティブであった。しかしながら、MAM クローンのうちM3C9は非常に不安定であり、RIAでネガティブな結果を示 すことが判明した。 各融合からの最終的ポジティブ分泌型ハイブリドーマを下表3に示す。表には 、モノクローナル抗体特異性及び最も近い500cpmに概算したRIA値をも 示す。 表3:NP融合及びMAM融合に由来するクローン、その特異 性及びRIA値PはNP融合に由来するハイブリドーマ、MはMAM融合に由来するハイブリド ーマを示す。 * 3方向交差反応性を示す。 第2のMAM融合を試みた。融合は上記したように実施した。 しかしながら、脾臓細胞の収量は、第1のMAM融合で記録した収量の25%に すぎなかった。それから1週間後、増殖細胞のクラスターを含むウェルすべてに ついて、逆捕獲RIAを用いて抗−HBs活性を試験した。上記したように、各 アッセイにはネガティブコントロール及びポジティブコントロールを含めた。融 合により生じたすべての細胞について125I MAMHBsAg、125I NP HBsAg及び125I WT HBsAgの各標識を用いて試験した。 試験した68個のクローンのうち、3個のみがポジティブな結果を示した、1 個のクローンはMAM特異性であり、M4H2及びM4F5の他の2個のクロー ンはWT/NP/MAM交差反応性であることが判明した(表4)。しかし、以 下により詳細に記載するように、M4H2は、第1のMAM融合に由来する幾つ かのハイブリドーマと同様に不安定であることが判った。このクローンは最終的 にはMAM特異性クローンとして安定化された。 表4:第2のMAM融合に由来するクローン、その特異性及び RIA値 * 3方向交差反応性を示す。 ** 最初3方向交差反応性であることが判ったが、後に不安定でありMAM特異 性クローンに変化することが判った(以下参照)。 3個のハイブリドーマはすべて良好な細胞増殖を示し、限界希釈法によりクロ ーン化された。この時点でのクローニングは成功したことが判明し、単一コロニ ーを含むウェルすべてについて3種の標識を用いて逆捕獲RIAで試験した。ク ローンは抗−HBs活性に関して依然としてポジティブであることが判った。 増殖のために、5個のポジティブクローンを選択した。培養で更に増殖させた 後、クローンをスクリーニングし、抗−HBs産生に関して依然としてポジティ ブであることが判った。 NP融合及び2回のMAM融合により得られたポジティブ親ハイブリドーマの 最終数、その抗体特異性及び交差反応性を表5に示す。 表5:クローンの最終数、その特異性及びRIA値 * 3方向交差反応性を示す。 ** 最初3方向交差反応性であることが判ったが、後に不安定でありMAM特異 性クローンに変化することが判った(以下参照)。 更に、抗体P2D3、M4F5及びM3A10とWT、NP及びMAM HB sAgを用いて交差競合試験を行った。これらの各抗体は相互に交差競合したが 、生じた他のモノクローナル抗体とは交差競合しなかった。この段階でM2H4 は依然として3通り交差反応性であるようであった。 上記した結果は、本発明のモノクローナル抗体が別個のエピトープに結合する ことをも示す。 各親ハイブリドーマから1個のポジティブクローンを選択し、このクローンを 予めプリスタンを投与したBalb/cマウスに注入した。腹腔内接種から1〜 3週間後、マウスから腹水を採取した。すべてのクローンによりマウスにおいて 明らかに腹水腫瘍が生じた。各マウスから採取した腹水の量は1〜5mlであっ た。 各種抗体のそれぞれとWT、MAM及びNP HBsAgを用いてより詳細な 交差競合試験を行った。この試験は、上記し た逆捕獲RIAプロトコルに従って、ただしミクロウェルをヤギポリクローナル 抗−HBs抗体をコートして実施した。各試験で、抗原100μlを加え、一晩 インキュベート後、125I標識及び非標識モノクローナルを各50μlを加え、 結合を調べた。下表6a、6b及び6cには、標識抗体を横欄に、非標識抗体を 縦欄にリストした。 表6a、6b及び6cに示す結果から、3方向交差反応性の抗体M4F5及び P2D3は共通のエピトープに結合することが確認される。 M3A10は、すでに3方向交差反応性抗体であることが判明している(表4 参照)。M3A10がIgA抗体であるという事実(以下のセクションIII.4 参照)から、この種の抗体(IgA)は精製しにくいので表6aに示す結合が乏 しいという結果が説明づけられ得る。 上記したように、第2のMAM融合で産生されたハイブリドーマM4H2は最 初3方向交差反応性であることが判明した(表4参照)。しかしながら、培養で 更に増殖させると前記ハイブリドーマの125I WT HBsAg及び125I N P HBsAgに対する結合が低くなることが判明した。WT及びNP HBs Agに対する抗−HBs活性を或る期間再試験したところ、ネガティブな結果が 得られた。しかしながら、M4H2は125I MAM HBsAgを認識し、強 く結合し続けた。従って、クローンの特異性は最初不安定であったが、経時的に MAM特異性抗体を分泌するハイブリドーマになったと考えられる。125I標識抗体の各種HBsAgに対する結合を、固相(ミクロウェル)上に コートしたポリクローナルヤギ抗−HBsを介してHBsAgをミクロウェルに 固定化させたRIAを用いて調べた。使用したHBsAgは、上記したWT、M AM及びNP HBsAg、SP HBsAg並びにSZ HBsAgであった 。血清型adwであるSP HBsAgでは、アミノ酸143のコドンが突然変 異されており、serがmetで置換されている。血清型adrであるSZ H BsAgでは、145のglyがargで置換されてなる突然変異を示す。(S P HBsAgは突然変異型HBsAg IVであり、SZHBsAgは突然変異 体HBsAg IIIである。)予め試験してB型肝炎マーカーフリー(NHS) であることが判明している正常ヒト血清のプールをコントロールとして使用した 。これは本発明のイムノアッセイの例である。結果を下表7に示す。nt=試験せず 上記した結果は、3方向交差反応性抗体は、野生型HBsAgのみならず、抗 体のスクリーニングに用いたものとは異なる突然変異型HBsAgを含めた各種 突然変異体に由来するHBsAgをも検出することを示す。これらの結果から、 3方向交差反応性抗体が野生型タンパク質及び突然変異型タンパク質に共通のエ ピトープに結合することも確認され、HBsAgアッセイにおける抗体の有用性 が証明された。上記した抗体を用いるとエスケープ突然変異体の存在を検出する ことが可能である。 3:モノクローナル抗体のイソタイビング モノクローナル抗体のイソタイピングをSetotecのキットを用いて実施 した。各イソタイピング試薬は、免疫グルブリンの単一クラス−サブクラスに対 して特異的な精製ラットモ ノクローナル抗体を羊赤血球細胞に結合させたものを含んだ。結合させたラット 抗体は、マウス免疫グロブリンの重鎖部分を認識した。試験系の原理は、高特異 性抗体が該抗体に対する特定のイソタイプを認識し結合するときにポジティブな 凝集結果が生ずる赤血球凝集に基づいていた。結合は、微量滴定プレートウェル の底に格子を形成した。試薬細胞が認識しない抗体のクラスを含む上清に該試薬 細胞を入れたときにはネガティブな結果が生じた。試薬細胞はウェルの底に落ち 、小さな“ボタン”が形成された。 モノクローナル抗体のイソタイプを表8に示す。 表8:モノクローナル抗体の免疫グロブリンクラス * 3方向交差反応性を示す。 ** 最初3方向交差反応性であることが判つたが、後に不安定でありMAM 特異性クローンに変化することが判った(以下参照)。 4:腹水からの抗−HBsのSPE分析及び精製 モノクローナルタンパク質は、血清タンパク質電気泳動によりすべてのクロー ンの腹水中に認められた。モノクローナルタンパン質バンドの電気泳動移動度は モノクローナル腹水毎に僅かに異なったが、同一クローンから得られた腹水の各 種バッチでは同一であった。クローン間の泳動距離の違いはモノクローナルタン パク質のイオン電荷が違うためであった。SPEモノクローナルバンドで見られ る染色強度は、存在するモノクローナルタンパク質の量の指標を与えた。異なる クローンから得た腹水では染色強度に違いが生じた。しかしながら、SPEバン ドは、MAM特異性モノクローナル抗体のM4B12では見られなかった。回収 した腹水の抗−HBs活性をRIAで試験したところ、ネガティブな結果が生じ た。他のすべての腹水については予測されたようにポジティブな結果が生じた。 上記したように、MAM特異性モノクローナル抗体は不安定であり、ポジティブ 分泌型ハイブリドーマからネガティブハイブリドーマに変化することが明らかと なった。(その後M4B12親ハイブリドーマを再度クローン化し、再試験する 。) 腹水からの免疫グロブリンは上記したセクションIII,3及び III,4に記載されているように作製した。免疫グロブリンGはDE52を用い るイオン交換クロマトグラフィーにより作製し、IgAはSephacrylカ ラムを用いて分離した。各モノクローナル腹水につきイオン強度を10mMから 30mMに上昇させ、最後に60mM PBとすると3個の別々のタンパク質ピ ークが得られた。ピークの大きさはモノクローナル抗体により異なった。各ピー クの溶離液を集めた。次いで、緩衝液濃度を変えて抗−HBs IgG/IgA を125I MAMHBsAg、125I NP HBsAg及び125I WT HB sAgを用いる逆捕獲アッセイで測定した。このアッセイにより、異なる緩衝液 分画を直接比較することができた。このアッセイから、最高の抗−HBs活性を 示す分画を選択することができた。選択した分画のタンパク質濃度を測定した( 表9)。各モノクローナル抗体から得たIgG/IgAの量は集めた腹水のバッ チ毎に異なった。 表9:各モノクローナル腹水1mlから集めたIgG/IgAの量 * 3方向交差反応性を示す。 ** 最初3方向交差反応性であることが判ったが、後に不安定でありMAM特異 性クローンに変化することが判った(以下参照)。 SPEにおけるモノクローナルバンドの染色強度は、表7に示すタンパク質濃 度と強いポジティブな相関関係を示した。例えば、P4C11はSPEにおいて 非常に暗く染色されたバンドを示し且つ高いタンパク質濃度を有していたが、P 2H9はかすかに染色されたバンドを示し且つ低いタンパク質濃度を有していた 。 総括 HBsAg検出アッセイの結果から、突然変異の結果として、 血清中のHBsAgは幾つかのモノクローナル抗体を用いるシステムにより検出 され得ないことが確認された。前記突然変異により、捕獲抗体または結合検出抗 体の結合が生じなくなり得る。これらの結果から、HBV感染が疑われる症例に おいてHBsAgに関する初期スクリーニング試験かネガティブであるとき第2 マーカーを試験することが重要であることが判る。NP及びMAMは、モノクロ ーナル抗体を用いるアッセイでHBsAgについて試験したときには抗−HBc 単独プロフィールを示した。サンプル中のHBsAgの存在は、ポリクローナル 抗体を用いるシステムにより試験したとき明らかになった。 アミノ酸145での突然変異(グリシンからリシン)が患者MAMで検出され た。この突然変異はワクチンエスケープ突然変異体で既に記載されている突然変 異(グリシンからアルギニン)とは異なっていたが、アミノ酸置換は抗原構造に 対する予期される効果が類似であるようなものであった。 患者NPの場合、コドン145は突然変異していなかったが、患者MAMの場 合のように複数の突然変異が見られた。いずれの突然変異が検出可能性の喪失に 関与しているかは不明であった。興味深いことに、患者MAMではHBsAg検 出アッセイ におけるHBsAg特異性の変化によってヌクレオチド配列は変化しなかった。 これは、存在する野生型ウイルスの発生率が直接配列分析による検出限界である 総ウイルス負荷の15〜25%未満であるためであった。 突然変異型B型肝炎抗原に対するモノクローナル抗体の作製は成功した。NP および第1MAM融合で産生されたクローン数及び生じた抗体の特異性の相対分 布は良好であった。抗−HBs分泌型ハイブリドーマを同定するために、感受性 であり迅速なスクリーニングアッセイが要求された。IgG逆捕獲ラジオイムノ アッセイが選択された。このアッセイは簡単にセットされるが、非常に低いバッ クグラウンド及び大きな動的レンジを有し得る。標識された野生型及び突然変異 型HBsAgのポジティブクローンによる相対結合は、明白に高く且つ一定であ って、信頼できる結果か得られた。 ハイブリドーマのスクリーニングは、最初、MAM融合に由来するMAMクロ ーンを125I MAM HBsAgを用いて、NPクローンを125I NP HB sAgを用いて実施した。このアッセイの結果は、これらのクローンはMAM HBsAgまたはNP HBsAgを認識し、これに結合する抗− HBsを特異的に産生することを示した。次いで、2つの融合の結果として産生 されたクローンすべてを125I WT HBsAgで試験した。WT HBsA gのみにポジティブな反応を示す単一クローンはなかった。MAM/WT交差反 応性もNP/WT交差反応性も見られなかった。 従って、MAM HBsAgまたはNP HBsAgを認識するクローンを同 定することが可能であった。NP及びWTHBsAgにも結合するクローンも同 定された。ハイブリドーマ間の交差反応性を試験するために、MAM融合により 産生されたクローンを125I NP HBsAgを用いて、或いはその逆で試験 した。スクリーニングアッセイの結果、結果のセクションにリストしたようにク ローンを分類することができた。 上記アッセイに含めたポジティブコントロールは2つの公知のWT HBsA gモノクローナル抗体、すなわちH3F5及びD2H5であり、ネガティブコン トロールは抗−HBVgagモノクローナル抗体であるPBS及び3D3F2で あった。125I WT HBsAg RIAで使用したときに予測されたように 、H3F5及びD2H5は強いポジティブ結果を示した。しかしながら、125I MAM HBsAgに対して 試験したときH3F5のみがポジティブリーディングを示し125I NP HB sAgを用いて試験したときにはネガティブであった。D2H5は125I NP HBsAgを用いたときポジティブシグナルを生じたが、125I MAM H BsAgに対して試験したときには非常に弱かった。MAM HBsAgにおけ る突然変異によりD2H5に対するエピトープが排除され、NP HBsAgに おける突然変異によりH3F5エピトープが排除された。 SP及びSZ突然変異型HBsAgを用いた試験で得た結果から、3方向交差 反応性抗体はスクリーニング過程で使用した突然変異型HBsAgに加えて他の 突然変異形態のHBsAgを検出できることが判明した。このことから、抗体が 野生型タンパン質及び突然変異体の間で保存されるエピトープに結合することが 確認され、よってHBsAgアッセイにおいて前記抗体を含める重要性が確認さ れた。 MAM融合に由来するハイブリドーマの幾つかは不安定であることが判明した が、3方向交差反応性がMAM融合及びNP融合から容易に得られた。MAM及 びNP形態以外の突然変異体型のHBsAgは、上記したプロトコルに従ってモ ノクロー ナル抗体を産生及び/またはスクリーニングするために使用され得る。 注:図1bは図1aをタイプ清書したものである。図1aと図1bとの間に何ら かの不一致がある場合には図1aを真正図面と見做す。試薬 完全培地 Hepes緩衝液5mM、L−グルタミン2mM、2−メルカプトエタノール 0.05M、ウシ胎仔血清20%v/v、フンジゾン25μg/ml、ペニシリ ン102単位/ml及びストレプトマイシン100μg/mlを補充したRPM I。不完全培地 Hepes緩衝液5mM及びL−グルタミン2nMを補充したRPMA。HAT培地 ヒポキサンチン5×10-5M、アミノプテリン2×10-3M及びチミジン8× 10-4Mを加えた完全培地。HT培地 ヒポキサンチン5×10-5M及びチミジン8×10-4Mを 加えた完全培地。0.02M トリス緩衝液、pH7.6(Tris緩衝液) アジ化ナトリウム1.00g、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン2. 42g及び蒸留水900ml。 濃HClでpHを7.6に調節し、前記緩衝液で1Lとする。0.02M Tris BSA緩衝液 0.02M トリス緩衝液(pH7.6)に0.5% BSAを添加する。0.2Mリン酸緩衝液(PB) 溶液A=0.2M KH2PO4 溶液B=0.2M Na2HPO4 溶液Bを200ml取り、溶液AでpH8.0に調節する。10、20、30及び60mM PB 10mM PBの場合、0.2M PBを蒸留水で1:20に希釈する。 30mM PBの場合、0.2M PBを蒸留水で1:6.6に希釈する。 60mM PBの場合、0.2M PBを蒸留水で1:3.3に希釈する。
【手続補正書】 【提出日】平成10年11月5日(1998.11.5) 【補正内容】 請求の範囲 1. 野生型HBsAg及び少なくとも2つの突然変異型HBsAgに特異的に 結合し得るモノクローナル抗体、またはその断片もしくは誘導体。 2. 野生型HBsAg及び少なくとも2つの突然変異型HBsAgに特異的に 結合し得るモノクローナル抗体であって、それぞれの突然変異型HBsAgは1 33、134、141、142、143、144及び145の1個もしくはそれ 以上の位置で野生型HBsAgに比して少なくとも1個のアミノ酸置換を有する 請求の範囲第1項に記載のモノクローナル抗体、またはその断片もしくは誘導体 。 3. 野生型HBsAg及び以下の突然変異型HBsAgの少なくとも2つ、す なわち 突然変異型HBsAg I(“NP”HBsAg):アミノ酸133のmetが ileに、アミノ酸134のpheがhisに、且つアミノ酸144のaspが valに置換されているもの、 突然変異型HBsAg II(“MAM”HBsAg):アミノ酸133のmet がileに、アミノ酸134のpheがasnに、アミノ酸142のproがs erに、アミノ酸143のserがleuに且つアミノ酸145のglyがly sに置換されているもの、 突然変異型HBsAg III(“SZ”HBsAg):アミノ酸145のgly がargに置換されているもの、及び 突然変異型HBsAg IV(“SP”HBsAg):アミノ酸143のserが metに置換されているもの、 に特異的に結合し得る請求の範囲第1項に記載のモノクローナル抗体、またはそ の断片もしくは誘導体。 4. ECACCに受託番号ECACC 97042331で寄託されている、 P2D3と称されるハイブリドーマにより産生されるモノクローナル抗体P2D 3、またはその断片もしくは誘導体。 5. ECACCに受託番号ECACC 97042330で寄託されている、 M3A10と称されるハイブリドーマにより産生されるモノクローナル抗体M3 A10、またはその断片もしくは誘導体。 6. ECACCに受託番号ECACC 97042519で寄託されている、 M4F5と称されるハイブリドーマにより産生されるモノクローナル抗体M4F 5、またはその断片もしくは誘導体。 7. HBsAgを検出するためのイムノアッセイであつて、被検サンプルを請 求の範囲第1項ないし第6項のいずれか1項に記載のモノクローナル抗体、また はその断片もしくは誘導体と接触させ、生じた抗原−抗体複合体を検出すること からなる前記イムノアッセイ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 16/08 C07K 16/08 16/42 16/42 C12N 5/10 C12P 21/08 C12P 21/08 21/02 C // C12P 21/02 C12N 5/00 B (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU ,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH, CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,G B,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE,KG ,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT, LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,N O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG ,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG, US,UZ,VN,YU (72)発明者 イジヤズ,サムリーン イギリス国、ロンドン・ダブリユ・1・ピ ー・6・デイー・ビー、クリーブランド・ ストリート・46、デパートメント・オブ・ バイアロロジー、ウインダイアー・ビルデ イング、ユー・シー・エル・メデイカル・ スクール (72)発明者 フアーンズ,ルース・ブリジエツト イギリス国、ロンドン・ダブリユ・1・ピ ー・6・デイー・ビー、クリーブランド・ ストリート・46、デパートメント・オブ・ バイアロロジー、ウインダイアー・ビルデ イング、ユー・シー・エル・メデイカル・ スクール

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 野生型HBsAg及び少なくとも2つの突然変異型HBsAgに対して特 異的に結合し得るモノクローナル抗体。 2. 突然変異型HBsAgが野生型HBsAgに比して少なくとも1個のアミ ノ酸置換を有する請求の範囲第1項に記載のモノクローナル抗体。 3. 突然変異型HBsAgがHBVエスケープ突然変異体中に存在するHBs Ag配列を有する請求の範囲第1項または第2項に記載のモノクローナル抗体。 4. 突然変異型HBsAgが“a”抗原決定基または“a”抗原決定基の領域 に少なくとも1個のアミノ酸置換を有する請求の範囲第1項〜第3項のいずれか 1項に記載のモノクローナル抗体。 5. アミノ酸置換が点突然変異に起因する請求の範囲第2項〜第4項のいずれ か1項に記載のモノクローナル抗体。 6. 突然変異型HBsAgがHBsAgのアミノ酸133〜145をコードす る配列内にアミノ酸置換を有する請求の範囲第1項〜第5項のいずれか1項に記 載のモノクローナル抗体。 7. 突然変異型HBsAgが133、134、141、142、143、14 4及び145の1個もしくはそれ以上の位置で野生型HBsAgに比して少なく とも1個のアミノ酸置換を有する請求の範囲第1項〜第6項のいずれか1項に記 載のモノクローナル抗体。 8. 143、144及び145の1個もしくはそれ以上の位置が置換されてい る請求の範囲第7項に記載のモノクローナル抗体。 9. 更に、置換が“a”抗原決定基または他の領域における1個もしくはそれ 以上の他の置換である請求の範囲第7項に記載のモノクローナル抗体。 10. 野生型HBsAg及び以下の突然変異型HBsAg、すなわち 突然変異型HBsAg I(“NP”HBsAg):アミノ酸133のmetが ileに、アミノ酸134のpheがShisに、且つアミノ酸144のasp がvalに置換されているもの、 突然変異型HBsAg II(“MAM”HBsAg):アミノ酸133のmet がileに、アミノ酸134のpheがasn に、アミノ酸142のproがserに、アミノ酸143のserがleuに且 つアミノ酸145のglyがlysに置換されているもの、 突然変異型HBsAg III(“SZ”HBsAg):アミノ酸145のgly がargに置換されているもの、及び 突然変異型HBsAg IV(“SP”HBsAg):アミノ酸143のserが metに置換されているもの、 の少なくとも1つに特異的に結合し得る請求の範囲第1項に記載のモノクローナ ル抗体。 11. 野生型HBsAg、及びアミノ酸143、144及び145をコードす る1つ以上のコドンに点突然変異を有する配列によりコードされる“a”抗原決 定基を有する少なくとも1つの突然変異型HBsAgに対して特異的に結合し得 るモノクローナル抗体。 12. IgG、IgMまたはIgA免疫グロブリンである請求の範囲第1項〜 第11項のいずれか1項に記載のモノクローナル抗体。 13. ECACCに受託番号ECACC 97042331で寄託されている 、P2D3と称されるハイブリドーマにより 産生されるモノクローナル抗体P2D3。 14. ECACCに受託番号ECACC 97042330で寄託されている 、M3A10と称されるハイブリドーマにより産生されるモノクローナル抗体M 3A10。 15. ECACCに受託番号ECACC 97042519で寄託されている 、M4F5と称されるハイブリドーマにより産生されるモノクローナル抗体M4 F5。 16. ヒト化形態である請求の範囲第1項〜第15項のいずれか1項に記載の モノクローナル抗体。 17. 請求の範囲第1項〜第16項のいずれか1項に記載のモノクローナル抗 体の断片または誘導体。 18. 請求の範囲第1項に記載のモノクローナル抗体を産生し得るハイブリド ーマの作製方法であって、動物に、任意に適当な抗原断片または誘導体の形態を 有する野生型HBsAgまたは突然変異型HBsAg抗原を投与し、抗体産生細 胞を不死化してハイブリドーマを形成し、任意に適当な抗原断片または誘導体の 形態を有する野生型HBsAg及び2つ以上の突然変異型HBsAgについてハ イブリドーマ培養物をスクリーニングし、野生型HBsAg及び2つ以上の突然 変異型HBsAg に結合する抗体を産生するハイブリドーマを選択するからなる前記方法。 19. 突然変異型HBsAgが請求の範囲第2項〜第11項のいずれか1項に 定義されている請求の範囲第18項に記載の方法。 20. 請求の範囲第1項〜第11項のいずれか1項に記載のモノクローナル抗 体を産生し得るハイブリドーマ。 21. ECACCに受託番号ECACC 97042331で寄託されている 、P2D3と称されるハイブリドーマ。 22. ECACCに受託番号ECACC 97042330で寄託されている 、M3A10と称されるハイブリドーマ。 23. ECACCに受託番号ECACC 97042519で寄託されている 、M4F5と称されるハイブリドーマ。 24. 請求の範囲第1項に記載のモノクローナル抗体を作製する方法であって 、請求の範囲第20項〜第23項のいずれか1項に記載のハイブリドーマまたは 請求の範囲第18項または第19項に記載の方法により得られ得るハイブリドー マをインビトロまたはインビボで培養し、培地からモノクローナル抗体を獲得す ることからなる前記方法。 25. 請求の範囲第24項に記載の方法により獲得し得るモノクローナル抗体 。 26. HBsAgを検出するためのイムノアッセイであって、被検サンプルを 請求の範囲第1項〜第16項のいずれか1項に記載のモノクローナル抗体、請求 の範囲第17項に記載の前記モノクローナル抗体の断片もしくは誘導体、または それらの2つ以上の組合せと接触させ、生じた抗原−抗体複合体を検出すること からなる前記イムノアッセイ。 27. 前記モノクローナル抗体、その断片、誘導体または組合せを、ポリクロ ーナル抗−HBs抗体及び他のモノクローナル抗−HBs抗体から選択される1 つ以上の他の抗体と組合せて使用する請求の範囲第26項に記載のイムノアッセ イ。 28. 均一系または不均一系フォーマットである請求の範囲第26項または第 27項に記載のイムノアッセイ。 29. 捕獲もしくは競合フォーマットである請求の範囲第28項に記載のイム ノアッセイ。 30. B型肝炎コアタンパク質(HBc)に対する抗体を検出するためのイム ノアッセイをHBsAgに対するアッセイと同時に実施する請求の範囲第26項 〜第29項のいずれか1項 に記載のイムノアッセイ。 31. 請求の範囲第1項〜第16項のいずれか1項または請求の範囲第25項 に記載のモノクローナル抗体、請求の範囲第17項に記載の前記モノクローナル 抗体の断片もしくは誘導体またはこれらの2つ以上の組合せと、HBsAgに対 するイムノアッセイを実施するために必要な他の試薬と、任意に抗−HBc抗体 を検出するための試薬とを含むイムノアッセイキット。 32. ポリクローナル抗−HBs抗体及び他のモノクローナル抗−HBs抗体 から選択される1つ以上の他の抗−HBs抗体をも含む請求の範囲第31項に記 載のイムノアッセイキット。 33. 他の試薬が洗浄溶液、希釈剤、標準溶液、コントロール試薬及び標識抗 −HBs抗体から選択される請求の範囲第31項または第32項に記載のイムノ アッセイキット。 34. 請求の範囲第1項〜第16項のいずれか1項または請求の範囲第25項 に記載のモノクローナル抗体、請求の範囲第17項に記載の前記モノクローナル 抗体の断片もしくは誘導体またはこれらの2つ以上の組合せが固定化されている イムノアッセイに使用するのに適した固相。 35. ポリクローナル抗−HBs抗体及び他のモノクローナ ル抗−HBs抗体から選択される1つ以上の更なる抗−HBs抗体が前記固相に 固定化されている請求の範囲第34項に記載の固相。 36. 抗−HBs抗体を捕捉し得る物質も固定化されている請求の範囲第34 項または第35項に記載の固相。 37. 請求の範囲第1項〜第16項のいずれか1項または請求の範囲第25項 に記載のモノクローナル抗体、請求の範囲第17項に記載の前記モノクローナル 抗体の断片もしくは誘導体、またはこれらの2つ以上の組合せを含む、受動免疫 のために治療または予防目的で使用するのに適した抗血清。 38. 請求の範囲第1項〜第16項のいずれか1項または請求の範囲第25項 に記載のモノクローナル抗体、請求の範囲第17項に記載の前記モノクローナル 抗体の断片もしくは誘導体またはこれらの2つ以上の組合せを医薬的に適当な担 体と混合して含む、HBVに対する受動免疫のために治療または予防目的で使用 するのに適した組成物。 39. ポリクローナル抗−HBs抗体及び他のモノクローナル抗−HBs抗体 から選択される1つ以上の他の抗体をも含む請求の範囲第37項に記載の抗血清 または請求の範囲第38項 に記載の組成物。 40. 治療または予防有効量の、請求の範囲第1項〜第16項のいずれか1項 または請求の範囲第25項に記載のモノクローナル抗体、請求の範囲第17項に 記載の前記モノクローナル抗体の断片もしくは誘導体、またはこれらの2つ以上 の組合せを被検者に投与することからなる治療または予防目的のHBV感染に対 する受動免疫化方法。 41. モノクローナル及びポリクローナル抗−HBs抗体から選択される1つ 以上の他の抗体をも投与することからなる請求の範囲第40項に記載の方法。 42. 請求の範囲第1項〜第16項のいずれか1項または請求の範囲第25項 に記載のモノクローナル抗体、請求の範囲第17項に記載の前記モノクローナル 抗体の断片もしくは誘導体に対する抗−イディオタイプ抗体。 43. 請求の範囲第10項に記載の単離された突然変異型HBsAg I、突 然変異型HBsAg II、突然変異型HBsAg IIIまたは突然変異型HBs Ag IV。 44. 天然ソースから得られ得る請求の範囲第43項に記載の突然変異型HB sAg。 45. 組換え技術により得られ得る請求の範囲第43項に記載の突然変異型H BsAg。 46. グリコシル化されている請求の範囲第45項に記載の突然変異型HBs Ag。 47. 請求の範囲第43項〜第46項のいずれか1項に記載のモノクローナル 抗体、または請求の範囲第17項に記載の前記モノクローナル抗体の断片もしく は誘導体に特異的に結合し得る、請求の範囲第43項〜第46項にいずれか1項 に記載の突然変異型HBsAgの断片もしくは誘導体。 48. 免疫原性である請求の範囲第47項に記載の断片もしくは誘導体。 49. 請求の範囲第43項〜第46項のいずれか1項に記載の突然変異型HB sAg、請求の範囲第48項に記載の前記突然変異型HBsAgの断片もしくは 誘導体、またこれらの2つ以上の組合せ及び医薬的に適当な担体を含むワクチン 組成物。 50. 更に1つ以上の他の免疫原性ペプチドまたはポリペプチドをも含む請求 の範囲第49項に記載のワクチン組成物。 51. 免疫原性ペプチドまたはポリペプチドが免疫原性HBsAgペプチドま たはポリペプチドである請求の範囲第50項 に記載のワクチン組成物。 52.被検者に対してHBVに対する予防接種をする方法であって、被検者に対 して、治療または予防有効量の請求の範囲第43項〜第46項のいずれかに1項 記載の突然変異型HBsAg、請求の範囲第48項に記載の前記突然変異型HB sAgの断片もしくは誘導体、またはこれらの2つ以上の組合せを任意に1つ以 上の他の免疫原性HBsAgペプチドまたはポリペプチドと一緒に投与すること からなる前記方法。 53. 請求の範囲第10項に記載の突然変異型HBsAgI、突然変異型HB sAg II、突然変異型HBsAg IIIまたは突然変異型HBsAg IVをコ ードする単離された核酸。 54. 請求の範囲第10項に記載された突然変異型HBsAgの断片もしくは 誘導体をコードする核酸であって、前記断片もしくは誘導体が請求の範囲第1項 〜第16項のいずれか1項または請求の範囲第25項に記載のモノクローナル抗 体に対して、または請求の範囲第17項に記載の前記モノクローナル抗体の断片 もしくは誘導体に対して特異的に結合し得る前記核酸。 55. 突然変異型HBsAgの断片もしくは誘導体が免疫原性である請求の範 囲第54項に記載の核酸。 56. 請求の範囲第53項〜第55項のいずれか1項に記載の核酸を含む組成 物。 57. 哺乳動物に投与したときにコードされているアミノ酸を発現させるのに 適した形態で、請求の範囲第53項または第55項に記載の核酸を含むワクチン 組成物。 58. 被検者に対して、請求の範囲第53項または第57項に記載の核酸、ま たは請求の範囲第57項に記載のワクチン組成物を治療または予防有効量投与す ることからなるHBVに対する予防接種方法。
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