JPH06344220A

JPH06344220A - ブレ−ドソ−

Info

Publication number: JPH06344220A
Application number: JP13725693A
Authority: JP
Inventors: Hiroaki Kozai; 博明香西
Original assignee: Sekisui Chemical Co Ltd
Current assignee: Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date: 1993-06-08
Filing date: 1993-06-08
Publication date: 1994-12-20

Abstract

(57)【要約】【目的】FRPのような弾性変形が顕著なワ−クを、切断
面の台金への圧接にもかかわらず、スム−ズに、低切断
抵抗で、しかも平滑な切断面で切断加工できるブレ−ド
ソ−を提供する。【構成】ソ−の円形台金１の外周にチップ２を固着し、
同台金１の両側面に砥粒３を電着した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は硬度が高く、しかも弾性
を有するプラスチック材、特に、繊維強化プラスチック
材の切断加工に使用されるブレ−ドソ−に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】ブレ−ドソ−には、鋼製の円形台金の外
周にダイヤモンド焼結チップまたは超硬合金チップを固
着したタイプと、同上円形台金の外周に砥粒をボンド材
でボンド（レジンボンド、メタルボンド、ビトリファイ
ボンド）または電着ボンドしたタイプとが存在し、前者
による切断は切削加工に属し（以下、前者を切削ブレ−
ドソ−と称する）、後者による切断は研削加工に属する
（以下、後者を研削ブレ−ドソ−と称する）。

【０００３】従来、切断加工には、上記両タイプのブレ
−ドソ−が、材料に応じて選択使用されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ガラス
繊維や炭素繊維等で強化したプラスチック（以下、FRP
と称する）材のような弾性を有するワ−クを、切削ブレ
−ドソ−により切断すると、チップクリアランス（チッ
プ側面と台金側面との間隔）が小さい場合、ワ−クの弾
性のために切断面が弾性回復して台金側面に圧接され、
大きな摩擦抵抗が発生し、ブレ−ドソ−の回転停止、ブ
レによる切断面の粗面化、切断面の焼け等が惹起され
る。

【０００５】かかる不具合を排除するために、チップク
リアランスを大きくすると、チップが厚くなり、切削抵
抗の増大が避けられない。一方、研削ブレ−ドソ−にお
いては、微細な切れ刃（砥粒）を無数に多くしたものと
理解でき、その微細切れ刃による切削量が極く僅かであ
り、切断加工面の弾性回復による台金との圧接を極く軽
度にとどめることができるので、上記切削ブレ−ドソ−
の不利がなく、ブレ−ドソ−のスム−ズな回転、平滑な
ワ−ク切断面を保障できるが、加工速度が遅く、加工に
長時間を必要とする。

【０００６】このように、従来の研削ブレ−ドソ−、切
削ブレ−ドソ−には一長、一短がある。従来、円形台金
の外周刃面に超硬チップを取り付けた超硬チップソ−に
おいて、台金の中間部分に透孔を設け、この透孔に超硬
チップを取付け、更に前記外周刃面の内側に別の超硬チ
ップを取り付けることが提案されており（実開昭５６−
３８７２６号公報））、円形台金の半径方向のチップ間
の間隔を短くすれば、切断面を平滑にできるが、透孔形
成による台金の機械的強度の低下を勘案して台金厚みを
厚くする必要があり、超硬刃の厚みが厚くなる、製作が
困難である等の不具合がある。

【０００７】また、円形台金の外周にダイヤモンド砥粒
と結合用金属粉末（メタルボンド）とからなる焼結刃部
を固着し、この焼結刃部の表裏両側面の縁部に開口部を
有する溝を設け、溝の角部に切刃の作用を営ませ、研削
ブレ−ドソ−の加工速度の増大を図ることが提案されて
いるが（実開昭６１−８９４６６号公報、実開昭５８−
１０２６７７号公報）、FRPのような弾性変形する材料
に対しては、溝の角部程度では切刃の作用が期待でき
ず、有効とは言い難い。

【０００８】本発明の目的は、FRPのような弾性変形が
顕著なワ−クを、切断面の台金への圧接にもかかわら
ず、スム−ズに、低切断抵抗で、しかも平滑な切断面で
切断加工できるブレ−ドソ−を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明のブレ−ドソ−
は、ソ−の円形台金の外周にチップを固着し、同台金の
両側面に砥粒を電着したことを特徴とする構成である。

【００１０】

【作用】ワ−クの切断において、ワ−クの弾性のため
に、切断面が弾性回復して砥粒電着ボンド面に圧接され
ても、研削加工においては、研削速度方向抵抗が小であ
るために、ブレ−ドソ−の円滑な回転を保障できる。ま
た、砥粒の電着ボンド厚さは、ボンド材使用のものに較
べて薄く（その電着ボンド厚さをｔ₂とする）、切断上
許容される切断面の弾性回復量下限をｋとし〔ｋ＝（ｔ
₁−ｔ₂）、従って、ｔ₁＝ｋ＋ｔ₂〕、台金の厚みをｔ₃
とすると、チップの厚みｔは、ｔ＝（ｋ＋ｔ₂＋ｔ₃）で
与えられ、電着ボンド厚さｔ₂が小であるためにこのチ
ップの厚みｔを、薄くでき、切削抵抗を低く抑えること
ができる。

【００１１】更に、砥粒を電着ボンドした砥石において
は、ボンド材使用のものよりも、砥粒の配列が緻密で安
定であり、切味がよく、ワ−ク切断面を著しく滑らかに
できる。

【００１２】

【実施例】図１は本発明の実施例を示す側面図である。
図１において、１は鋼製の円形台金であり、外周が波状
に形成され、チップ取付面１１、切りくず隙間１２並び
にランド１３等が設けられている。２は焼結ダイヤモン
ドチップであり、超硬合金のチップ座金２１にろう接さ
れ、座金２１がチップ取付面１１にピン等により固定さ
れている。３は円形台金１の外周部両側面に所定の巾で
（ワ−クの切断深さ）電着ボンドされたダイヤモンド砥
粒である。

【００１３】図２は本発明の別実施例を示し、円形台金
１の外周に一定間隔ごとにスロットの形成によりチップ
取付面１１が設けられ、超硬合金チップ２がチップ取付
面１１にピン等により固定され、円形台金１の外周部両
側面に所定の巾でダイヤモンド砥粒３が電着ボンドされ
ている。

【００１４】図３は上記ブレ−ドソ−によるFRP等の弾
性を有するワ−クａの切断状態を示し、ワ−クａがブレ
−ドソ−の回転によりチップ２で切断されつつあり、切
断面が弾性回復のために、電着ボンド砥粒３に圧接され
ている。

【００１５】この場合、砥石による研削抵抗について
は、研削速度方向の接線分力ｆtと加工面並びにｆtに垂
直な法線分力ｆnとの比(ｆt/ｆn)が、切削加工に較べて
極めて小さく(1/5〜1/10)、特に、電着ボンド砥石にお
いては、レジンボンド砥石等に較べ、砥粒の配列が緻
密、安定であるために、比(ｆt/ｆn)が極めて小さいの
で、弾性回復した切断面を低抵抗で滑らかな面に研削で
き、チップ側面と電着ボンド砥粒面との間の間隔ｋを小
としても、ブレ−ドソ−の円滑な回転を保障できる。

【００１６】この間隔ｋは、切断面の弾性回復を許容す
るものであり、或る一定値よりも小となると圧縮反力が
大となって、ブレ−ドソ−の回転が停止されてしまい、
ワ−クの弾性率に応じて許容される下限値がある。

【００１７】従って、電着ボンド砥粒の厚みをｔ₂、チ
ップクリアランスをｔ₁とすれば、（ｔ₁−ｔ₂）＝ｋ、
而して、ｔ₁＝ｋ＋ｔ₂となり、砥粒の電着ボンドにおい
ては、砥粒の配列が一層であり、ボンド材使用のものに
較べ、その厚みｔ₂をかなり薄くでき、しかも、ｋも上
記したように小にでき、チップクリアランスｔ₁、従っ
て、チップの厚みｔ（台金の厚みをｔ₃とすると、ｔ＝
２ｔ₁＋ｔ₃）を薄くできる結果、チップの切削抵抗を充
分に低くできる。

【００１８】従来のダイヤモンドブレ−ドソ−（砥粒が
両側面にボンドされていない）では、FRP材の切断に対
し、チップクリアランスを０．４ｍｍ程度に設定してお
り、台金の厚みを１．５ｍｍとすれば、チップの厚みが
２．３ｍｍとなる。これに対し、本発明のブレ−ドソ−
において、電着ボンド砥粒に粒度100/125(JIS表示法)の
ダイヤモンド砥粒を使用すると、ｋを０．１ｍｍ程度に
でき、このダイヤモンド砥粒の電着ボンド厚さが０．１
５ｍｍであるから、チップクリアランスを０．２５ｍｍ
程度にでき、チップの厚さを２．０ｍｍに抑えることが
でき、チップの切削抵抗の効果的な低減を図ることがで
きる。

【００１９】本発明のブレ−ドソ−によれば、FRP材を
高速度で、滑らかな切断面にて低い切断抵抗のもとで切
断でき、このことは次の実施例と比較例とについての試
験結果からも明らかである。

【００２０】試験例１使用したワ−クは、裏面側から、厚み３ｍｍの断熱層、
厚み１０ｍｍのFRP層、厚み６ｍｍの木材、厚み７ｍｍ
のFRP層並びに厚み０．７ｍｍのゲルコ−ト層を有する
複合材である。

【００２１】ブレ−ドソ−には、図１において、円形台
金が厚み１．５ｍｍ、外径１５０ｍｍであり、チップが
すくい角５度、厚み２．０ｍｍの焼結ダイヤモンドチッ
プで、個数が１２個であり、砥粒が粒度100/125のダイ
ヤモンド砥粒であり、その電着ボンド厚みが０．１５ｍ
ｍ、巾が２０ｍｍであるものを使用した。

【００２２】この実施例品を使用し、回転速度１０００
０ｒｐｍでワ−クを切断したところ、滑らかな切断面で
スム−ズに切断できた。これに対し、砥粒をボンドしな
いブレ−ドソ−では、回転速度が不安定であり、切断面
の悪化が顕著であった。

【００２３】試験例２ブレ−ドソ−には、図２において、円形台金が厚み１．
５ｍｍ、外径１５０ｍｍであり、チップがすくい角７
度、厚み２．０ｍｍの焼結ダイヤモンドチップで、個数
が３２個であり、砥粒が粒度100/125のダイヤモンド砥
粒であり、その電着ボンド厚みが０．１５ｍｍ、巾が２
０ｍｍであるものを使用した。

【００２４】この実施例品を使用し、試験例１で使用し
たワ−クを、試験例１と同じ電動機を使用して切断した
ところ、試験例１と同様に、滑らかな切断面でスム−ズ
に切断できた。

【００２５】これに対し、砥粒をボンドしないブレ−ド
ソ−では、回転速度が不安定であり、切断面の凹凸が著
しかった。

【００２６】

【発明の効果】本発明のブレ−ドソ−は上述した通りの
構成であり、チップの切削でワ−クを切断していくか
ら、高速で切断でき、電着ボンド砥粒のために切断面を
滑らかに研削でき、切断面が弾性回復のためにブレ−ド
面に圧接されても電着ボンド砥粒の低切削抵抗のブレ−
ドソ−の円滑な回転を保障し得、従ってチップクリアラ
ンスを充分に小さくし、チップ厚さを薄くしてチップ切
削抵抗の低減を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す側面図である。

【図２】本発明の実施例を示す側面図である。

【図３】本発明のブレ−ドソ−によるワ−クの切断状態
を示す説明図である。

【符号の説明】

１円形台金２チップ３電着ボンドされた砥粒ａワ−ク

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ソ−の円形台金の外周にチップを固着し、
同台金の両側面に砥粒を電着したことを特徴とするブレ
−ドソ−。