JPH0633979A - 車両の振動低減装置 - Google Patents

車両の振動低減装置

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JPH0633979A
JPH0633979A JP18358392A JP18358392A JPH0633979A JP H0633979 A JPH0633979 A JP H0633979A JP 18358392 A JP18358392 A JP 18358392A JP 18358392 A JP18358392 A JP 18358392A JP H0633979 A JPH0633979 A JP H0633979A
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vibration
vehicle
signal
convergence coefficient
engine
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Application number
JP18358392A
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English (en)
Inventor
Shin Takehara
伸 竹原
Naoki Ikeda
直樹 池田
Hiroshi Seni
浩史 仙井
Norihiko Nakao
憲彦 中尾
Chiaki Mitsufuji
千明 三藤
Yutaka Tsukahara
裕 塚原
Shingo Harada
真悟 原田
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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  • Combined Devices Of Dampers And Springs (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両振動とは逆位相で同振幅の振動を車両の
特定の振動要素に与えて車両振動を低減する際、外乱と
しての路面振動やドア等の開閉振動の影響を無視して制
御の乱れを防止し、本来の振動低減動作を正確に行わせ
る。 【構成】 エンジン振動以外の車両振動を加速度センサ
12やスイッチ26〜28で検出して、この振動が所定
値よりも大きいときに、制御における収束係数αを小さ
くする。このことで、エンジン振動以外の車両振動が外
乱として大きく発生しても、その影響を無視するように
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の振動低減装置に
関し、特に、車両の特定の振動要素を別途備えたアクチ
ュエータにより車両振動とは逆位相で同振幅に加振して
車両振動を低減するようにしたものの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の車両の振動低減装置
として、例えば特開平1−501344号公報に開示さ
れるように、車体に取り付けられて該車体を加振する加
振機を備え、車両振動の位相に対して逆位相の振動を車
両に付与するように加振機を制御するとともに、車両振
動の振幅が大きい場合には、加振機に出力する加振信号
のゲインを大に設定し、加振機により付加する振動の振
幅を車両振動と略同振幅として車両振動を有効に低減す
るようにしたものが知られている。
【0003】そして、特に、上記公報には、エンジンで
発生する振動に対応したリファレンス信号に基づいて車
両振動とは逆位相かつ同振幅で車両を加振するような駆
動信号を生成しておき、振動センサによって車体振動を
検知して、この振動を小さくするように上記駆動信号を
フィードバック補正するようにしたいわゆる最適化手法
による振動低減装置が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、車両の振動
は、上記車載エンジンから発せられる振動以外に例えば
路面からの振動やドア等の開閉に伴う振動等、各種のも
のがあり、これらの振動が外乱として上記振動低減装置
の振動センサで検出されると、その影響を少なからず受
ける。そして、外乱の大きさがエンジン振動に対し小さ
い場合には、さほど影響はなく、そのまま制御を続けて
も良好に振動を低減することができる。しかし、外乱が
大きいときには、その影響も大きく、制御の乱れを招く
こととなり、振動低減を正確に行えないという問題があ
る。
【0005】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、車載エンジンからの振動以外の振動
が外乱として入力されても、その影響を受けないように
し、正確な振動低減の制御を確保できるようにすること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1の発明では、エンジン振動以外の車両振動
を検出し、この振動の大きさが所定以上のときには、ア
クチェータを駆動制御するための駆動信号を生成する収
束係数を小さく補正するようにした。
【0007】具体的には、この発明では、図1に示すよ
うに、車両における車体、エンジンや車室内の空気等の
特定の振動要素を加振するアクチュエータ3と、車両の
振動を検出する第1振動検出手段11と、車載エンジン
2で発生する振動に基づくリファレンス信号を受け、該
リファレンス信号に基づいて車両振動とは逆位相かつ同
振幅で車両を加振する駆動信号を生成する制御手段22
とを備え、該制御手段22は、上記第1振動検出手段1
1から出力される振動信号を小さくするように収束係数
を設定して、該収束係数に基づいて上記駆動信号をフィ
ードバック補正する収束係数設定手段32を有してお
り、この収束係数設定手段32によってフィードバック
補正された駆動信号を上記アクチュエータ3に出力して
アクチュエータ3の加振により車両の振動を低減するよ
うにした車両の振動低減装置が前提である。
【0008】そして、上記エンジン2から発せられる振
動以外の車両振動を検出する第2振動検出手段12と、
この第2振動検出手段12の出力信号を受け、第2振動
検出手段12で検出された振動が所定値よりも大きいと
きに上記収束係数設定手段32による収束係数を小さく
するように補正する補正手段36とを設けた構成として
いる。
【0009】請求項2記載の発明では、上記第2振動検
出手段12は、車両の路面からの振動を受ける部分に設
置されていて、路面からの車両振動を検出するものとす
る。
【0010】請求項3の発明では、第2振動検出手段1
2は、車両のドアやトランクリッド等の開閉部材が開閉
されたことを検出するものとする。
【0011】
【作用】以上の構成により、請求項1の発明では、エン
ジン2で発生する振動に基づくリファレンス信号と、車
両の振動を検出する第1振動検出手段11の振動信号と
を制御手段22が受け、該制御手段22は、上記リファ
レンス信号に基づいて車両振動とは逆位相かつ同振幅で
車両の特定の振動要素を加振する駆動信号を生成する。
また、上記第1振動検出手段11から出力される振動信
号を小さくするように収束係数設定手段32による収束
係数が設定され、この設定された収束係数に基づき上記
駆動信号がフィードバック補正され、この補正された駆
動信号がアクチュエータ3に出力されて該アクチュエー
タ3が駆動制御される。
【0012】そして、この場合、上記エンジン2から発
せられる振動以外の車両振動が外乱として第2振動検出
手段12により検出され、この第2振動検出手段12の
出力信号を受けた補正手段36により、第2振動検出手
段12で検出された振動が所定値よりも大きいときに上
記収束係数設定手段32による収束係数が小さく補正さ
れる。この収束係数の補正により制御数値の更新が小さ
い幅で行われて、振動低減の制御が実質的に行われず、
このことで外乱の大きさが大きくても、その影響を無視
して制御の乱れを防止でき、振動低減の制御を正確に行
うことができる。
【0013】請求項2の発明では、第2振動検出手段1
2が車両の路面からの車両振動を検出するものであるの
で、外乱としての路面振動の影響を確実に無視すること
ができる。
【0014】また、請求項3の発明では、第2振動検出
手段12は車両の開閉部材が開閉されたことを検出する
ものであるので、ドアやトランクリッド等の開閉部材が
閉じられたときに生じる大きな車両振動が外乱として発
生しても、その振動の影響を無視することができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図2以下の図面に基
づいて説明する。
【0016】(実施例1)図2において、1は車両の車
体で、その前部にはエンジンルーム1aが、また前後中
央部には車室1bが、さらに後部にはトランクルーム1
cがそれぞれ設けられている。2は上記車体1前部のエ
ンジンルーム1a内に配置されたエンジンであって、該
エンジン2はその下部を弾性支持するマウント3及び支
持ブラケット4を介して車体1に弾性支持されている。
図2中、9は車室1b内に位置するステアリングホイー
ル、10F は前席、10R は後席である。
【0017】上記マウント3は、振動源としてのエンジ
ン2(車両における特定の振動要素)を加振するアクチ
ュエータとしての機能を有する。すなわち、図3に拡大
詳示するように、同マウント3は、エンジン2の下端部
に挿入されて固定される挿入ボルト3aが上端部に形成
されたケーシング3bと、該ケーシング3bの下端部内
周に外周端が固定された中空錐形状の支持ゴム3cと、
該支持ゴム3cの内周端が固定された支持部3dとを有
する基本構成であり、支持部3d下端には車体1に挿入
されて締結固定される挿入ボルト3eが設けられてい
る。
【0018】上記ケーシング3b内上部には主液室3f
が形成され、支持ゴム3cの下方にはダイアフラム3g
にて区画した副液室3hが形成されている。上記主液室
3fと副液室3gとの間には、支持ゴム3cの側方に形
成した小径のオリフィス3iが設けられており、主液室
3fと副液室3hとの間で流体をオリフィス3iを介し
て相互に流通させる。さらに、ケーシング3b内には、
主液室3fの上壁面を形成する加振板3jがラバー3k
を介してケーシング3b内周面を上下に摺動可能に配置
され、該加振板3jの上方には、加振板3jを上下に摺
動させる永久磁石3m及び電磁コイル3nが配置されて
おり、この電磁コイル3nへの信号入力により永久磁石
3mとの間の電磁力で加振板3jを上下に振動させて主
液室3fの容積を増減させることにより、主液室3fと
副液室3gとの間で流体をオリフィス3iを通じて流通
させることを繰り返して支持ゴム3cを上下に振動さ
せ、その結果、加振力を発生させる構成とされている。
【0019】また、図2に示すように、車両1の前輪近
傍の位置には、車体1の上下加速度により車両の振動を
検出する第1振動検出手段としての第1加速度センサ1
1が配設されている。また、車体1において左右の後輪
を支持するサスペンション5,5の各々が取り付けられ
る部分、つまり車両の路面からの振動を受ける部分に
は、該部分の車体1の上下加速度により、上記エンジン
2から発せられる振動以外の車両の振動としての路面振
動を検出する第2振動検出手段としての第2加速度セン
サ12が配設されている。これら加速度センサ11,1
2の検出信号はそれぞれコントローラ13に入力されて
おり、コントローラ13により、基本的に、上記第1加
速度センサ11で検出される上下加速度信号に基づき上
記エンジンマウント3を加振制御してエンジン2に上下
方向の加振力を与え、車両の振動を低減するように構成
されている。
【0020】上記コントローラ13の構成を図4に示
す。同図において、14はエンジン2での混合気の点火
信号に基づいてエンジン回転の周期を測定するエンジン
回転周期測定回路、15は該周期測定回路14にて測定
されたエンジン回転の周期に基づいてエンジン2の振動
に関連するリファレンス信号rを発生するリファレンス
信号発生器である。また、16は上記第1加速度センサ
11からの振動信号としての加速度信号を設定ゲインで
増幅する増幅器、17は該増幅器16で増幅された加速
度信号の低周波成分を濾波するローパスフィルタ、18
は該ローパスフィルタ17で濾波されたアナログ値の加
速度信号をデジタル値の信号g1 に変換するA/D変換
器である。さらに、19は上記第2加速度センサ12か
らの振動信号としての加速度信号を設定ゲインで増幅す
る増幅器、20は該増幅器19で増幅された加速度信号
の低周波成分を濾波するローパスフィルタ、21は該ロ
ーパスフィルタ20で濾波されたアナログ値の加速度信
号をデジタル値の信号g2 に変換するA/D変換器であ
る。22は上記A/D変換器18,21からの加速度信
号g1 ,g2 を入力し、該加速度信号g1 ,g2 に基づ
いて上記エンジンマウント3を加振制御する駆動信号と
しての加振信号aを生成する加振信号生成器である。ま
た、23は上記加振信号生成器22にて生成される加振
信号aをデジタル値からアナログ値に変換するD/A変
換器、24は該D/A変換器23からの加振信号の低周
波成分を濾波するローパスフィルタ、25は該ローパス
フィルタ24で濾波された加振信号を設定ゲインで増幅
する増幅器であって、該増幅器25で増幅された加振信
号は上記エンジンマウント3(電磁コイル3n)に出力
される。
【0021】上記加振信号生成器22は、その加振信号
の生成のアルゴリズムとして、最小二乗法(Least Mean
Square Method(=LMS))の適応アルゴリズムが用
いられる。この最小二乗法の適応アルゴリズムを用いた
加振信号生成器22の内部構成を図5に示す。同図にお
いて、31はデジタルフィルタで、このデジタルフィル
タ31は、加振信号生成器22から加振信号aを出力し
た後に該加振信号aによりマウント3が加振制御されて
車両振動に変化があり、この車両振動の変化が第1加速
度センサ11で検出されてその加速度信号g1 が加振信
号生成器22に入力されるまでの伝達関数Hをモデル化
したものである。32は第1加速度センサ11からの加
速度信号g1 に応じてフィルタ係数を書き換えるための
収束係数αを算出する収束係数算出回路、33は上記リ
ファレンス信号rに伝達関数H及び収束係数αを乗算す
る乗算器、34は適応フィルタで、上記乗算器33の出
力毎にその出力値に基づいてフィルタ係数を逐次更新
し、その更新後のフィルタ係数に基づいてリファレンス
信号rとは逆位相で同振幅の加振信号aを出力する。こ
の実施例では、加振信号生成器22により、第1加速度
センサ11からの加速度信号g1 を受け、該加速度信号
g1 及び収束係数αに基づいて適応フィルタ23のフィ
ルタ係数を更新して加振信号aを適宜調整し、該加振信
号aでエンジンマウント3を駆動制御して、その車両に
付加する振動の位相及び振幅をエンジン2の振動と逆位
相で同振幅として車両の振動を低減するようにした制御
手段が構成されている。
【0022】そして、本発明の特徴として、35は上記
第2加速度センサ12から出力されてA/D変換器21
でデジタル変換された加速度信号g2 が入力される調整
部で、この調整部35の信号は上記収束係数算出回路3
2に入力されており、第2加速度センサ12からの加速
度信号g2 に基づいて調整部35が収束係数算出回路3
2の収束係数αを変更するようになっている。つまり、
本実施例では上記収束係数算出回路32が本発明でいう
収束係数設定手段とされている。
【0023】次に、上記コントローラ13における収束
係数算出回路32の収束係数αを変更する手順について
図6のフローチャートに基づいて説明する。まず、スタ
ート後のステップS1 において、第2加速度センサ12
から出力される加速度信号g2 を読み込み、次のステッ
プS2 でその加速度信号g2 が上限閾値としての振動検
出値gp よりも大きいかどうか判定する。この判定がg
2 ≦gp のNOのときには、ステップS3 において今度
は加速度信号g2 が下限閾値としての振動検出値−gp
よりも小さいかどうか判定する。上記ステップS1 の判
定がg2 >gpのYESのとき、及びステップS2 の判
定がg2 <−gp のYESのときにはいずれもステップ
S4 に進み、収束係数αを初期値α0 よりも小さい所定
の変更値α1 に変更した後、ステップS5 でカウンタi
を任意の時間tに設定する。
【0024】上記ステップS3 でg2 ≧−gp のNOと
判定されると、ステップS6 に進んで上記カウンタiが
i>0かどうかを判定する。この判定がi>0のYES
のとき、つまり未だ時間tが経過していないときにはス
テップS7 に進み、収束係数αを上記変更値α1 に変更
した後、ステップS8 においてカウンタiから「1」を
引いて新たなカウンタi=i−1を設定する。
【0025】また、上記ステップS6 の判定がi=0の
NOのときには、ステップS9 に進み、収束係数αを初
期値α0 に設定する。
【0026】この実施例では、上記ステップS2 〜S9
により、上記第2加速度センサ12の出力信号g2 を受
け、第2加速度センサ12で検出された加速度信号g2
(路面からの振動)が所定値|gp |よりも大きいとき
に、その時点から加速度信号g2 が所定値|gp |以下
に戻った後、一定時間tが経過するまでの間、上記収束
係数算出回路32による収束係数αをそれよりも小さい
変更値α1 に補正するようにした補正手段36が構成さ
れている。
【0027】したがって、この実施例では、エンジン2
から発せられる振動以外の車両振動として路面からの振
動が車体1の上下加速度として第2加速度センサ12に
より検出され、図7に示す如く、この加速度センサ12
で検出された加速度g2 が所定値|gp |以下のときに
は、収束係数算出回路32による収束係数αは初期値α
0 に設定されるが、検出された加速度g2 が所定値|g
p |よりも大きいときには、収束係数αが上記初期値α
0 よりも小さい変更値α1 に補正される。その後、加速
度g2 が所定値|gp |以下に戻った時点から一定時間
tが経過すると、収束係数αが元の初期値α0 に戻され
る。こうした収束係数αの初期値α0 よりも小さい変更
値α1 への補正により制御数値の更新が小さい幅で行わ
れ、振動低減の制御が実質的に行われないこととなり、
その結果、路面振動としての外乱の大きさが大きくて
も、その影響を無視して制御の乱れを防止でき、振動低
減の制御を正確に行うことができる。
【0028】尚、上記第2加速度センサ12は車体1に
おける後輪用サスペンション5,5の取付部分に設置し
ているが、図8に示すように、同サスペンション5,5
の車輪側部分(いわゆるばね下部分)に設置してもよ
い。こうすることで、車体1側に設ける場合に比べ、路
面振動を素早く正確に検出でき、応答性を高めることが
できる利点がある。
【0029】(実施例2)図9〜図13は本発明の実施
例2を示し(尚、図2〜図7と同じ部分については同じ
符号を付してその詳細な説明は省略する)、上記実施例
1では路面からの車両振動の影響を無視するようにして
いるのに対し、車両のドアやトランクリッド等の開閉部
材の開閉に伴う振動の影響を排除するようにしたもので
ある。
【0030】すなわち、この実施例では、図9に示すよ
うに、車両の左右のフロントドア6,6の各々が開閉さ
れたことを検出するフロントドアスイッチ26,26
と、左右のリヤドア7,7の各々が開閉されたことを検
出するリヤドアスイッチ27,27と、トランクルーム
1cを開閉するトランクリッド8が開閉されたことを検
出するトランクリッドスイッチ28とが設けられてお
り、これらスイッチ26〜28の各々は第2振動検出手
段を構成するもので、その出力信号はコントローラ13
に入力されている。
【0031】図10に示す如く、上記各スイッチ26〜
28はインタフェース29を介して加振信号生成器22
に入力されており、上記インタフェース29はドア6,
7又はトランクリッド8が閉じられたときに開閉信号と
してd=0の信号を、また開かれたときにd=1の信号
をそれぞれ出力する。
【0032】加振信号生成器22の内部構成は図11に
示すとおりであり、上記実施例1と同様に、収束係数算
出回路32の収束係数αを変更する調整部35が設けら
れ、この調整部35に上記インタフェース29からの出
力信号が入力されており、ドアスイッチ26,27及び
トランクリッドスイッチ28からの開閉信号に基づいて
調整部35が収束係数算出回路32の収束係数αを変更
するようになっている。
【0033】上記収束係数算出回路32の収束係数αを
変更する手順について図12のフローチャートに基づい
て説明するに、まず、スタート後のステップS11におい
て、ドア6,7及びトランクリッド8の開閉信号dを入
力し、次のステップS12で該開閉信号dがd=1かどう
か、つまりドア6,7又はトランクリッド8が開いてい
るかどうかを判定する。ドア6,7等が開いていて判定
がd=1のYESのときには、ステップS13に進み、収
束係数算出回路32の収束係数αを初期値α0よりも小
さい変更値α1 に変更し、ステップS14でカウンタiを
任意の時間tに設定する。
【0034】上記ステップS12でd=0のNOと判定さ
れると、ステップS15に進んで上記カウンタiがi>0
かどうかを判定する。この判定がi>0のYESのとき
(時間tが経過していないとき)にはステップS16に進
み、収束係数αを上記変更値α1 に変更した後、ステッ
プS17においてカウンタiから「1」を引いて新たなカ
ウンタi=i−1を設定する。
【0035】また、上記ステップS15の判定がi=0の
NOのときには、ステップS18に進み、収束係数αを初
期値α0 に設定する。
【0036】この実施例では、ステップS12〜S18によ
り、ドアスイッチ26,27及びトランクリッドスイッ
チ28の出力信号を受けて収束係数αを小さくするよう
に補正する補正手段36が構成されており、この補正手
段36により、ドア6,7又はトランクリッド8の開閉
されたことがスイッチ26〜28で検出されたときに
は、その開閉動作で所定レベル以上の振動が生じたと見
做し、ドア6,7等が開いたときから閉じ時点後に一定
時間tが経過するまでの間、収束係数算出回路32によ
る収束係数αを初期値α0 よりも小さい変更値α1 に補
正するようにしている。
【0037】したがって、この実施例の場合、図13に
示す如く、スイッチ26〜28の出力信号を基にドア
6,7又はトランクリッド8の開閉が検出され、ドア
6,7又はトランクリッド8が開かれた後に閉じられた
ときには、その開閉振動がエンジン2から発せられる振
動以外の外乱振動と見做されて、収束係数算出回路32
による収束係数αが初期値α0 よりも小さい変更値α1
に補正される。そして、上記ドア6,7等が閉じられた
時点でカウンタiのカウントが開始され、そのカウンタ
iのカウント終了までの一定時間tの間、上記収束係数
αの小さい変更値α1 への補正が継続され、一定時間t
が経過した後は、収束係数αは元の初期値α0 に戻され
る。このような収束係数αの変更値α1 への補正により
制御数値の更新が小さい幅で行われて、振動低減の制御
が実質的に行われなくなる。その結果、ドア6,7等の
開閉に伴う振動の大きさが大きくても、その影響を無視
して制御の乱れを防止でき、本来の車両振動低減の制御
を正確に行うことができる。
【0038】尚、上記実施例1,2においては、路面振
動の大きさが大きいとき、及びドア6,7等が開閉され
たときには、収束係数αの変更により振動低減の制御が
実質的に行われないが、路面振動が大きくなった現象及
びドア6,7等が開閉されたことは車両の乗員に十分に
認識されるので、乗員の不審感はさほどない。
【0039】(実施例3)図14は実施例3を示し、上
記実施例1,2では加振制御するアクチュエータをエン
ジンマウント3で、また振動検出手段を加速度センサ1
1でそれぞれ構成したのに代え、アクチュエータを車室
1b内に配置されてその内部の空気に加振力を与えるス
ピーカで、また振動検出手段を車室1b内のマイクロフ
ォンでそれぞれ構成したものである。
【0040】すなわち、この実施例3においては、車室
1b内という所定空間での振動を低減すべく、車室1b
内の複数位置にM個のマイクロフォン40-1,40 -2
,…,40-M(図2、図8及び図9に仮想線で示す前
席10F のヘッドレスト部や後席10R 側方等に配置さ
れる)と、L個のスピーカ41-1,41-2,…,41-L
とがそれぞれ配置されている。さらに、上記各スピーカ
41-1,41-2,…と各マイクロフォン40-1,40 -
2 ,…との間の伝達特性H11〜HLMをモデル化した複数
個のデジタルフィルタ31,31,…と、上記スピーカ
41-1,41-2,…の数に等しいL個の適応フィルタ3
4,34,…と、L個のD/A変換器23,23,……
と、L個の出力側の増幅器25,25,…と、M個のA
/D変換器18,18,…と、M個の入力側の増幅器1
6,16,…とが備えられている。その他の構成は図4
及び図5と同じであるので、同じ部分に同じ符号を付し
てその説明を省略する。
【0041】尚、以上の各実施例の説明では、第1振動
検出手段として加速度センサ11や複数個のマイクロフ
ォン40-1〜40-Mを使用したが、本発明は他のセンサ
で構成することもできる。また、第1加速度センサ11
の配設位置としてはフロアパネル、ドアインナパネル、
ステアリングホイール、シフトノブ等、種々の振動発生
部に配設することが望ましい。
【0042】また、上記実施例1,2の構成を共存させ
て、車両の路面からの振動及びドア等の開閉振動の双方
に応じて収束係数αを減少変更するように構成してもよ
い。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、アクチュエータにより車両の特定の振動要素を
加振して車両振動を低減するようにした振動低減装置に
おいて、エンジン振動以外の車両振動を検出し、この振
動が所定値よりも大きいときには、制御における収束係
数を小さくするようにしたことにより、エンジン振動以
外の車両振動が外乱として大きく発生しても、その影響
を無視して本来の振動低減のための制御の乱れを防止で
き、車両の振動低減を正確に行うことができる。
【0044】請求項2の発明によれば、車両の路面から
の車両振動を外乱として検出するようにしたことによ
り、路面振動の影響を確実に無視して、振動低減の制御
が正確に行える。
【0045】また、請求項3の発明によると、車両のド
アやトランクリッド等の開閉部材が開閉されたことを外
乱として検出するようにしたことにより、これら開閉部
材の開閉時に生じる車両振動の影響を無視して、振動低
減の制御を正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示すブロック図である。
【図2】実施例1における車両の全体概略構成を示す図
である。
【図3】加振制御用アクチュエータを兼用するエンジン
マウントの具体的構成を示す拡大断面図である。
【図4】加振制御システムの構成を示すブロック図であ
る。
【図5】LMSの適応アルゴリズムを用いた加振信号生
成器の構成を示す図である。
【図6】収束係数の変更動作を示すフローチャート図で
ある。
【図7】外乱振動に応じた収束係数の変化を示す特性図
である。
【図8】第2加速度センサの設置位置の変形例を示す図
2相当図である。
【図9】実施例2を示す図2相当図である。
【図10】実施例2を示す図4相当図である。
【図11】実施例2を示す図5相当図である。
【図12】実施例2における収束係数の変更動作を示す
フローチャート図である。
【図13】外乱振動に応じた収束係数の変化を示す特性
図である。
【図14】加振制御用アクチュエータを複数個のスピー
カで構成した実施例3のLMSの適応アルゴリズムのブ
ロック構成図である。
【符号の説明】
1 車体 2 エンジン 3 エンジンマウント(アクチュエータ) 11 第1加速度センサ(第1振動検出手段) 12 第2加速度センサ(第2振動検出手段) 13 コントローラ 22 加振信号生成器(制御手段) 26,27 ドアスイッチ(第2振動検出手段) 28 トランクリッドスイッチ(第2振動検出手段) 31 デジタルフィルタ 32 収束係数算出回路(収束係数設定手段) 34 適応フィルタ 36 補正手段 40 マイクロフォン(第1振動検出手段) 41 スピーカ(アクチュエータ) H 伝達関数 α,α0 ,α1 収束係数
フロントページの続き (72)発明者 中尾 憲彦 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 三藤 千明 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 塚原 裕 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 原田 真悟 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の特定の振動要素を加振するアクチ
    ュエータと、車両の振動を検出する第1振動検出手段
    と、車載エンジンで発生する振動に基づくリファレンス
    信号を受け、該リファレンス信号に基づいて車両振動と
    は逆位相かつ同振幅で車両を加振する駆動信号を生成す
    る制御手段とを備え、 上記制御手段には、上記第1振動検出手段から出力され
    る振動信号を小さくするように収束係数を設定して、該
    収束係数に基づいて上記駆動信号をフィードバック補正
    する収束係数設定手段が設けられており、 上記収束係数設定手段によってフィードバック補正され
    た駆動信号を上記アクチュエータに出力してアクチュエ
    ータの加振により車両の振動を低減するようにした車両
    の振動低減装置において、 上記エンジンから発せられる振動以外の車両振動を検出
    する第2振動検出手段と、 上記第2振動検出手段の出力信号を受け、第2振動検出
    手段で検出された振動が所定値よりも大きいときに上記
    収束係数設定手段による収束係数を小さくするように補
    正する補正手段とを設けたことを特徴とする車両の振動
    低減装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の車両の振動低減装置にお
    いて、 第2振動検出手段は、車両の路面からの振動を受ける部
    分に設置されていて、路面からの車両振動を検出するも
    のであることを特徴とする車両の振動低減装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の車両の振動低減装置にお
    いて、 第2振動検出手段は、車両の開閉部材が開閉されたこと
    を検出するものであることを特徴とする車両の振動低減
    装置。
JP18358392A 1992-07-10 1992-07-10 車両の振動低減装置 Pending JPH0633979A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2016021485A1 (ja) * 2014-08-07 2016-02-11 Ntn株式会社 自動車向け車輪部品の状態監視装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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