JPH0561479A - 能動型騒音制御装置 - Google Patents

能動型騒音制御装置

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JPH0561479A
JPH0561479A JP3220662A JP22066291A JPH0561479A JP H0561479 A JPH0561479 A JP H0561479A JP 3220662 A JP3220662 A JP 3220662A JP 22066291 A JP22066291 A JP 22066291A JP H0561479 A JPH0561479 A JP H0561479A
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英樹 兵頭
Kenji Sato
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Abstract

(57)【要約】 【目的】閉空間における騒音の定在波成分エネルギーを
効率良く減衰させる。 【構成】車両1の閉空間としての車室2内に、制御音源
としてのラウドスピーカ5a,5bを配置すると共に、
残留騒音検出手段としての複数のマイクロフォン6a〜
6hを配置し、コントローラ15で、騒音源としてのエ
ンジン3のクランク角信号Xに基づいて騒音周波数fを
算出すると共に、温度センサ9の室温検出値θに基づい
て音速Cを算出し、算出した騒音周波数f及び音速Cか
ら騒音の波長λを算出し、この波長λから騒音の定在波
成分の腹位置xL を算出し、マイクロフォン6a〜6h
中の腹位置xL に対応するマイクロフォンを選択してそ
の残留騒音検出値ej,j+4 に基づいてラウドスピーカ
5a,5bを駆動する駆動信号を出力して、騒音定在波
成分の減衰効果を発揮させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、騒音源からの騒音が伝
達される閉空間に、制御音源から制御音を発生させて、
両者を干渉させることで騒音エネルギーを減衰させる能
動型騒音制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の能動型騒音制御装置としては、例
えば特表平1−501344号公報や英国公開特許公報
2149614号記載の装置が知られている。これらの
装置は、航空機の客室やこれに類する閉空間に適用され
るもので、閉空間内に配設された複数のラウドスピーカ
(制御音源)及びマイクロフォン(残留騒音検出手段)
と、閉空間の外部に位置するエンジン等の単一の騒音源
の周波数を検出する周波数検出手段と、前記複数のマイ
クロフォンからの検出信号,及び前記周波数検出手段か
らの検出信号に基づき前記複数のラウドスピーカの駆動
を制御する信号出力器とを備えた構造であって、前記信
号出力器により、例えば複数のマイクロフォンの検出信
号(音圧)の二乗和を評価関数として、この評価関数を
最小にするように適応制御を行っている。これによっ
て、前記信号出力器によって制御されているラウドスピ
ーカから放射される制御音と、騒音源から伝達した騒音
とが干渉して該騒音の振動エネルギが減衰し、もって観
測位置における残留騒音を低減している。
【0003】前記構成においてラウドスピーカは、通
常、例えば車両のドアや側壁部等に左右対称に配設され
て、これらドアや側壁部等から制御音を放射していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の能動型騒音制御装置にあっては、エンジンからの騒
音は、前置エンジンの場合、閉空間の前方から入力され
後方に向けて伝達されるが、閉空間であるため、エンジ
ンからの進行波とこれが壁面で反射した逆進行波とが合
成されて定在波が生じた共鳴状態では、騒音の波長に応
じた音圧レベルが最大となる腹部と音圧レベルが略零と
なる節部とが生じ、このうち節部では騒音の音圧レベル
が略零であることから、この節部に相当する位置の残留
騒音検出手段では音圧を検出することができず、この残
留騒音検出手段の検出信号に基づいて制御音源の制御音
を制御した場合には、騒音のエネルギを減衰させること
はできないという未解決の課題がある。
【0005】本発明は、上記従来例の未解決の課題に着
目してなされたものであり、閉空間内に生じる騒音の定
在波の腹位置を検出し、この腹位置に対応する残留騒音
検出手段の残留騒音検出値に基づいて制御音源を制御す
ることにより、騒音エネルギを効率良く減衰させること
ができる能動型騒音制御装置を提供することを目的とし
ている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の能動型騒音制御装置は、図1に示すよう
に、騒音源から騒音が伝達される閉空間に、前記騒音に
干渉する制御音を発生可能な制御音源を設け、該制御音
源からの制御音と前記騒音とを干渉させて騒音を減衰さ
せる能動型騒音制御装置において、前記閉空間の残留騒
音を検出する複数の残留騒音検出手段と、前記騒音源の
騒音周波数を検出する周波数検出手段と、前記閉空間内
の音速を検出する音速検出手段と、前記周波数検出手段
及び音速検出手段の各検出値に基づいて騒音定在波成分
の腹位置を検出し、当該腹位置に対応する残留騒音検出
手段を選択する選択手段と、該選択手段で選択された残
留騒音検出手段の残留騒音検出値に基づいて前記制御音
源を制御する制御手段とを備えたことを特徴としてい
る。
【0007】
【作用】本発明においては、周波数検出手段及び音速検
出手段の各検出値から騒音の波長を算出し、この波長か
ら騒音の定在波成分の腹位置を求め、この腹位置に対応
する残留騒音検出手段を選択することにより、定在波成
分を効果的に減衰させて最適な消音効果を発揮する。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図2は、本発明を4気筒エンジンを搭載した車両
に適用した場合の一実施例を示す概略構成図である。図
2において、1は車体であって、車室2の前方に第1の
振動源としての4気筒エンジン3が配置されている。車
室2内には、前部座席8a,8b及び後部座席8c,8
dが配設されていると共に、例えば左側フロントドア4
FL及び右側フロントドア4FRに夫々オーディオ信号
を出力する制御音源を兼ねるラウドスピーカ5a及び5
bが左右非対称に配設され、さらに天井の左右位置に夫
々所要間隔を保って4個の計8個の残留騒音検出手段と
してのマイクロフォン6a〜6hが配設されている。
【0009】ここで、両ラウドスピーカ5a,5bの設
置位置は、何れか一方がエンジン3からの騒音に基づく
定在波の節位置から外れるように設定されていると共
に、マイクロフォン6a〜6hの設置位置も少なくとも
左右1組が定在波の腹位置に位置するように設定されて
いる。すなわち、自動車の場合、対象とする周波数が5
0Hz〜250Hz程度と比較的低いため、定在波の節は車
室内に対し車両の左右対称位置に存在する。この定在波
の節は、直方体閉空間における定在波による共鳴周波数
f(Hz)及び波長λ(m)は、 f=C{(Nx /Lx )2+(Ny /Ly )2+(Nz /Lz )21/2 /2……(1) 但し、C=331.5 +0.6 θ …………(1)a C:音速,θ:温度 Nx,y,z :音響モード(正の整数) Lx,y,z :三次空間寸法(m) λ=C/f …………(2) で表すことができる。
【0010】ここで、エンジン3から伝達される騒音を
進行波とし、この進行波が壁面で反射された反射騒音を
逆進行波とし、夫々の音圧をP1,2 とすると、これら
音圧P1,2 は下記(3)式及び(4) 式で表すことができ
る。 P1 =Asin(ωt−ωx/C) …………(3) P2 =Asin(ωt+ωx/C) …………(4) 但し、ω:角周波数(rad/s) x:壁面からの座標(m) t:時間(sec) したがって、進行波と逆進行波と干渉して定在波が生じ
た共鳴状態における音圧Pは、 P=P1 +P2 =2Asin ωt・cos(ωx/C) …………(5) となる。
【0011】ここで、位置による変化を表す関数はcos
(ωx/C) であるから、音圧Pは、図4に示すよう
に、腹部ωx/C=2πx/λ=−nπのとき、すなわ
ちx=−n(λ/2)(n=0,1,2,……)のとき
最大となり、節部ωx/C=2πx/λ=−(2n+
1)π/2のとき、すなわちx=−(2n+1)λ/4
のとき音圧Pが零となる。
【0012】このように定在波の腹及び節の位置が波長
λによって変化し、この波長λは前記(2) 式から室温に
よって一意に決まる音速Cと騒音の周波数fとによって
変化することになる。ここで、自動車の場合、前述した
ように騒音の周波数fが50〜200Hz程度であるの
で、ラウドスピーカ5a,5b間の前後方向の間隔Lを
例えば温度θが0℃で、周波数fが200Hzであるとき
の波長λ=1.658(m)の1/4即ち0.414 mより短い0.
3 m程度に選定することにより、定在波の節部と一方の
ラウドスピーカ5aとが一致したときに、他方のラウド
スピーカ5bが定在波の腹部近傍位置となる。
【0013】一方、マイクロフォン6a〜6hの間隔に
ついては、各マイクロフォンの隣接するマイクロフォン
との間隔を異ならして、定在波の腹位置に一致するマイ
クロフォンが少なくとも1組存在するように配置する。
また、エンジン3には、クランク角センサ7が取付けら
れ、このクランク角センサ7から例えばクランク軸が1
80度回転する毎に1サイクルの正弦波状信号でなる基
準信号としてのクランク角検出信号Xが出力される。さ
らに、車室2内には室温を検出し、温度に応じたディジ
タル検出値θを出力する温度センサ9が設けられてい
る。
【0014】そして、マイクロフォン6a〜6hから出
力される残留騒音検出信号e1 〜e 8 がコントローラ1
5に入力されると共に、クランク角センサ7のクランク
角検出信号X及び温度センサ9の温度検出値θもコント
ローラ15に入力される。コントローラ15は、図3に
示すように、クランク角検出信号XをA/D変換して出
力するA/D変換回路21と、マイクロフォン6a〜6
hの残留騒音検出信号e1 〜e8 を増幅する増幅器22
a〜22hと、これら増幅器22a〜22hの増幅出力
をA/D変換して出力するA/D変換回路23a〜23
hと、各A/D変換回路21,23a〜23hの変換出
力及び温度センサ9の温度検出値θが入力されるマイク
ロコンピュータ26と、このマイクロコンピュータ26
から出力されるラウドスピーカ5a,5bの駆動信号y
1,2 をD/A変換して出力するD/A変換回路27
a,27bと、これらD/A変換回路27a,27bか
ら出力されるアナログ信号を増幅してラウドスピーカ5
a,5bに供給する増幅器29a,29bとを備えてい
る。
【0015】ここで、マイクロコンピュータ26は、常
時、順次更新されるフィルタ係数W miに基づいて基準信
号としてのクランク角検出信号Xのたたみ込み演算を行
ってラウドスピーカ5a,5bに対する駆動信号y1,
2 を算出する適応ディジタルフィルタ処理と、クランク
角検出信号Xに基づきマイクロフォン及びスピーカ間の
空間伝達関数の組合せ数に応じて、モデル化したモデル
空間伝達関数に対応するフィルタ係数でフィルタ処理さ
れた基準信号rkm(後述する(10),(11) 式参照)を生成
するディジタルフィルタ処理と、クランク角検出信号X
及び温度検出値θとから騒音の波長λを算出し、この波
長λから騒音の定在波の腹位置を推定し、推定した腹位
置に対応するマイクロフォン6a〜6hを選択するマイ
クロフォン選択処理と、フィルタ処理された基準信号r
kmと選択された残留騒音検出信号e1 〜e8 とに基づき
適応ディジタルフィルタ処理におけるフィルタ係数Wmi
をLMS(Least Mean Square) アルゴリズムを用いて更
新するフィルタ係数更新処理とを実行する。
【0016】ここで、マイクロコンピュータ26の消音
制御原理を一般式を用いて説明する。今、第k番目のマ
イクロフォン6a〜6hが検出した残留騒音検出信号を
k (n) 、ラウドスピーカ5a及び5bからの制御音
(二次音)が無いときの第k番目のマイクロフォン6a
〜6hが検出した残留騒音検出信号をept(n) 、第m番
目のラウドスピーカ5a及び5bと第k番目のマイクロ
フォン6a〜6hとの間の伝達関数HkmをFIR(有限
インパルス応答)関数で表したときの第j番目(j=
0,1,2,──Ic - 1 )の項に対応するフィルタ係
数をCkmj ′、クランク角検出信号をX(n) 、このクラ
ンク角検出信号X(n) を入力しm番目のラウドスピーカ
5a及び5bを駆動する適応ディジタルフィルタの第i
番目(i=0,1,2,─IF -1)の係数をWmiとする
と、下記(6) 式が成立する。
【0017】 ここで、(n)が付く項は、いずれもサンプリング時刻
nのサンプル値であり、また、Kはマイクロフォン6a
〜6hの数(本実施例では8個)、Mはラウドスピーカ
5a及び5bの数(本実施例では2個)、IC はFIR
ディジタルフィルタで表現されたフィルタ係数Ckm′の
タップ数(フィルタ次数)、IF は適応ディジタルフィ
ルタで表現されたフィルタ係数Wmiのタップ数(フィル
タ次数)である。
【0018】上記(6) 式中の右辺の「{ΣWmi・X(n-j
-i) }」(=ym )の項は、クランク角検出信号Xを適
応ディジタルフィルタ処理したときの出力を表し、「Σ
km j ・{ΣWmi・X(n-j-i) }」の項は第m番目のス
ピーカ5a及び5bに入力された信号エネルギがこれら
スピーカ5a及び5bから音響エネルギとして出力さ
れ、車室内の空間伝達関数Ckmを経て第k番目のマイク
ロフォン6a〜6hに到達したときの信号を表し、さら
に「ΣΣCkmj ・{ΣWmi・X(n-j-i) }」の右辺第2
項全体は、第k番目のマイクロフォン6a〜6hへの到
達信号を全スピーカについて足し合わせているから、第
k番目のマイクロフォン6a〜6hに到達する二次音の
総和を表す。
【0019】次いで、評価関数Jを下記(7) 式のように
置く。 そして、本実施例では、LMSアルゴリズムを採用し、
評価関数Jを最小とするフィルタ係数Wmiを求め、適応
ディジタルフィルタ処理の各フィルタ係数Wmiを更新す
る。最急降下法であるLMSアルゴリズムは、適応ディ
ジタルフィルタ処理のフィルタ係数としてn番目の値W
mi(n)を用い、平均自乗誤差の勾配∂J/∂Wmiを算出
し、これをα倍して(n+1)番目の値Wmi(n+1)を求
め、評価関数Jの値を小さくするように演算を実行す
る。
【0020】この勾配∂J/∂Wmiの計算式は、(7) 式
より、 そして、前記 (6)式より、 となるので、 ここで、(9) 式の右辺を、 とおくと、フィルタ係数に対する評価関数の勾配∂J/
∂Wmiは、 で表すことができる。
【0021】したがって、フィルタ係数の更新式は、重
み係数γk も含めた形で下記(13)式で与えられる。 ここで、αは収束係数であり、適応ディジタルフィルタ
処理が最適に収束する速度や、その際の安定性に関与す
る。
【0022】このように、適応ディジタルフィルタ処理
におけるフィルタ係数Wmi(n+1) を、マイクロフォン6
a〜6hから出力される残留騒音検出信号e1(n)〜e
8(n)とクランク角センサ7からのクランク角検出信号X
(n) とに基づいてLMSアルゴリズムに従って順次更新
することにより、入力される残留騒音検出信号e1(n)〜
8(n)を最小とする駆動信号y1 (n) 及びy2 (n) が形
成され、これらがラウドスピーカ5a及び5bに供給さ
れて、これらから出力される制御音によって車室2内の
騒音が相殺される。
【0023】次に、上記実施例の動作をマイクロコンピ
ュータ26の処理手順を示す図5のフローチャートを伴
って説明する。なお、全体のシステムはキースイッチが
オン状態となったときに、電源が投入され、マイクロコ
ンピュータ26で図5に示すタイマ割込処理を所定時間
(例えば1msec)毎に実行する。先ず、ステップS1
で、クランク角検出信号X(n) 及び室温検出値θを読込
み、次いでステップS2に移行して、クランク角検出信
号X(n) の単位時間当たりのサイクル数又はサイクル間
の時間を計測することにより、エンジン3から発生する
騒音の騒音周波数fを算出し、次いでステップS3に移
行して、室温検出値θをもとに前述した(1)a式の演算を
行って音速Cを算出する。
【0024】次いで、ステップS4に移行して、ステッ
プS2で算出した騒音の周波数fと、ステップS3で算
出した音速Cとをもとに前述した(2) 式の演算を行って
騒音の波長λを算出し、次いでステップS5に移行し
て、算出した波長λに基づいてxL =−nλ/2の演算
を行って定在波の腹位置を算出する。次いで、ステップ
S6に移行して、予めマイクロフォン6a〜6hの設置
位置を記憶した記憶テーブルを参照して、前記ステップ
S5で算出した定在波の各腹位置xL 近傍に存在するマ
イクロフォン6a〜6hを選択する。
【0025】次いで、ステップS7に移行して、マイク
ロフォン6a〜6hの残留騒音検出信号e1 〜e8 中の
選択された残留騒音検出信号ej,j+4 及び基準信号X
(n)を読込み、次いでステップS8に移行して、前記(1
1)式に対応するディジタルフィルタ処理を行ってフィル
タ処理された基準信号rkmを算出し、次いでステップS
9に移行して算出されたフィルタ処理された基準信号r
kmと残留騒音検出信号e1 〜e3 とに基づいて前記(13)
式に従ったフィルタ係数更新処理を行ってフィルタ係数
mi(n+1)を算出し、次いでステップS10に移行して
算出されたフィルタ係数Wmi(n+1) をもとに適応ディジ
タルフィルタ処理を実行してラウドスピーカ5a,5b
に対する駆動信号y1,2 を算出し、次いでステップS
11に移行して算出した駆動信号y1,2 をD/A変換
回路27a,27bに出力してからタイマ割込処理を終
了して所定のメインプログラムに復帰する。
【0026】ここで、ステップS1及びS2の処理が周
波数検出手段に対応し、ステップS1及びS3の処理が
音速検出手段に対応し、ステップS4〜S6の処理が選
択手段に対応し、ステップS7〜S11の処理が制御手
段に対応している。したがって、今、キースイッチがオ
ン状態で車両が走行中であるものとし、図5のステップ
S1で読込んだ温度センサ9の室温検出値θが例えば2
0℃であり、ステップS2でクランク角検出信号Xに基
づいて算出される騒音の周波数fが100Hzであるとす
ると、ステップS3で室温検出値θに基づいて算出され
る音速Cは342.5m/sとなるので、ステップS4
で算出される騒音の波長λは3.425mとなり、ステ
ップS5で算出される定在波の腹位置xL は、0,−
1.713,−3.425,−5.138,……となる
と共に、定在波の節位置xN は、−0.856,−2.
569,−4.281,……となり、定在波は図6に示
すようになる。
【0027】したがって、この状態では、マイクロフォ
ン6a,6e及び6c,6gが定在波の腹位置xL の近
傍となるため、これらマイクロフォン6a,6c,6e
及び6gが選択されて、これらから出力される残留騒音
検出信号e1,3,5 及びe 7 がステップS7で読込ま
れ、これらとクランク角検出信号Xとに基づいてマイク
ロコンピュータ26でLMSアルゴリズムに従って適応
デジタルフィルタ処理におけるフィルタ係数を順次更新
して、評価関数Jが最小となるようにラウドスピーカ5
a,5bに対する駆動信号y1,2 が算出され、これが
D/A変換回路27a,27bを介してラウドスピーカ
5a,5bに供給される。このため、ラウドスピーカ5
a,5bから駆動信号y1,2に応じた制御音が発せら
れ、これが騒音と干渉することにより、マイクロフォン
6a,6c,6e及び6gの残留騒音検出信号e1,3,
5 及びe7 が最小となるように消音制御され、騒音に
よる定在波成分に対して大きな騒音減衰効果を発揮する
ことができる。
【0028】また、室温変化や、騒音周波数fの変動に
よって定在波の腹位置xL が変動しても、絶えずマイク
ロフォン6a〜6h中の定在波の腹位置xL 近傍に対応
したマイクロフォンが選択されて、選択されたマイクロ
フォンで検出する残留騒音検出信号ej,j+4 に基づい
てラウドスピーカ5a,5bに対する駆動信号y1, 2
が算出されことになるので、騒音の定在波成分に対して
良好な騒音減衰効果を発揮することができる。
【0029】なお、上記実施例では、ラウドスピーカ5
a,5bを左右のドア位置に配置した場合について説明
したが、これに限定されるものではなく、床面又は天井
面に配置するようにしてもよく、さらに車室の左右に配
置する場合に限らず、前後方向に延長する線上に配置す
るようにしてもよく、同様に、マイクロフォン6a〜6
hも天井に限らず座席8a〜8dのヘッドレスト等の乗
員の耳部近傍に配置するようにしてもよい。
【0030】また、上記実施例では、制御音源としてラ
ウドスピーカを適用した場合について説明したが、これ
に限定されるものではなく、振動子を適用することもで
き、また残留騒音を検出するマイクロフォンに代えて加
速度振動センサを適用することもできる。また、ラウド
スピーカ及びマイクロフォンの設置数は上記各実施例に
限定されるものではなく、2以上の任意数とすることが
できる。
【0031】さらに、上記実施例ではエンジン騒音を抑
制する場合について説明したが、これに限定されるもの
ではなく、車輪に対する路面からの振動入力を検出して
ロードノイズを抑制したり、窓ガラスの振動を検出して
風切り音を抑制したりすることができ、これらの複合音
を抑制することもできる。さらにまた、上記各実施例で
は、マイクロコンピュータ26で、適応ディジタルフィ
ルタ処理、ラウドスピーカ及びマイクロフォン間の空間
伝達関数に応じたフィルタ係数のディジタルフィルタ処
理を行う場合について説明したが、これらに代えて独立
した適応ディジタルフィルタ及びディジタルフィルタを
適用することもでき、さらに適応フィルタのフィルタ係
数はLMSアルゴリズム以外の他のアルゴリズムを適用
して更新するようにしてもよい。
【0032】なおさらに、上記実施例では本発明を車両
に適用した場合について説明したが、これに限定される
ものではなく、航空機等の閉空間内の騒音を減衰させる
場合にも適用できる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る能動
型騒音制御装置によれば、騒音の周波数を検出する周波
数検出手段と、閉空間での音速を検出する音速検出手段
と、両検出手段の検出値に基づいて騒音の波長を算出
し、定在波成分の腹位置に対応する残留騒音検出手段を
選択する選択手段と、この選択手段で選択した残留騒音
検出手段の残留騒音検出信号に基づいて制御音源からの
制御音を制御する制御手段とを設けた構成としたので、
閉空間に生じる騒音の定在波成分の音圧が高い腹位置の
残留騒音を正確に検出して、これに応じた音圧の制御音
を制御音源から出力することができ、騒音の定在波成分
に対して良好な騒音減衰効果を発揮することができる効
果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概要を示す基本構成図である。
【図2】本発明の一実施例の概略構成図である。
【図3】コントローラの一例を示すブロック図である。
【図4】エンジン騒音による定在波の説明に供する波形
図である。
【図5】マイクロコンピュータの処理手順の一例を示す
フローチャートである。
【図6】定在波とマイクロフォン位置との関係を示す模
式図である。
【符号の説明】
2 車室 3 エンジン 5a,5b ラウドスピーカ 6a〜6h マイクロフォン 7 クランク角センサ 9 温度センサ 15 コントローラ 26 マイクロコンピュータ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 騒音源から騒音が伝達される閉空間に、
    前記騒音に干渉する制御音を発生可能な制御音源を設
    け、該制御音源からの制御音と前記騒音とを干渉させて
    騒音を減衰させる能動型騒音制御装置において、前記閉
    空間の残留騒音を検出する複数の残留騒音検出手段と、
    前記騒音源の騒音周波数を検出する周波数検出手段と、
    前記閉空間内の音速を検出する音速検出手段と、前記周
    波数検出手段及び音速検出手段の各検出値に基づいて騒
    音定在波成分の腹位置を検出し、当該腹位置に対応する
    残留騒音検出手段を選択する選択手段と、該選択手段で
    選択された残留騒音検出手段の残留騒音検出値に基づい
    て前記制御音源を制御する制御手段とを備えたことを特
    徴とする能動型騒音制御装置。
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