JPH06109066A - 車両用振動低減装置 - Google Patents

車両用振動低減装置

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JPH06109066A
JPH06109066A JP4254475A JP25447592A JPH06109066A JP H06109066 A JPH06109066 A JP H06109066A JP 4254475 A JP4254475 A JP 4254475A JP 25447592 A JP25447592 A JP 25447592A JP H06109066 A JPH06109066 A JP H06109066A
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JP
Japan
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vibration
vehicle
signal
control
vibrations
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JP4254475A
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English (en)
Inventor
Norihiko Nakao
憲彦 中尾
Yuji Ota
雄二 大田
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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  • Fittings On The Vehicle Exterior For Carrying Loads, And Devices For Holding Or Mounting Articles (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)
  • Soundproofing, Sound Blocking, And Sound Damping (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両振動とは逆位相で同振幅の振動を発生さ
せて車両振動を低減する際、車両振動が複数あるとき、
これらの振動を演算量を増やすことなく効果的に低減す
る。 【構成】 車両振動を基に生成した制御信号をスピーカ
11に出力して振動を発生させ元の車両振動を低減する
場合において、複数の車両振動の各々に対応する制御信
号を生成するための演算を各振動について所定期間毎に
順に繰り返し演算するようにする。また、複数の振動源
に対する制御信号の各々の演算期間を車両の走行状態に
応じて変更することで、振動レベルが大きい振動につい
ては長い期間に亘り重点的に低減し、振動低減効果のよ
り一層の向上を図る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用振動低減装置に
関し、特に、車両の特定の振動要素を別途備えたアクチ
ュエータにより車両振動とは逆位相で同振幅に加振して
車両振動を低減するようにしたものの改良に関する。
尚、この発明では、振動とは車体の純然たる振動のみな
らず騒音をも含むものとする。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種能動型の車両用振動低
減装置として、例えば特表平1−501344号公報に
開示されるように、車載エンジンで発生する振動に対応
したリファレンス信号を発生させるリファレンス信号発
生器と、このリファレンス発生器で発生したリファレン
ス信号に対し逆位相でかつ同振幅の加振信号を生成する
適応型フィルタと、この適応型フィルタで生成された加
振信号を受けて車体を加振するスピーカ等の振動発生手
段と、車体や車室内空気の振動を検出するマイクロフォ
ン等の振動検出手段と、この振動検出手段により検出さ
れる振動が低減されるよう上記適応型フィルタのフィル
タ係数を逐次更新するLMS(Least MeanSquare Metho
d(=最小二乗法))アルゴリズム演算手段とを備えた
ものが知られている。
【0003】すなわち、上記リファレンス信号発生器に
おいて、エンジン振動に対応するイグニッションパルス
信号を検出し、このイグニッションパルス信号からデジ
タル信号としてのリファレンス信号を発生させる。この
リファレンス信号は適応型フィルタに入力され、この適
応型フィルタにおいてリファレンス信号のゲインや位相
等が調整されて、振動検出手段の配置位置でエンジン振
動と振動発生手段で発生した振動とが互いに打ち消しあ
うような加振信号が生成され、この加振信号は振動発生
手段に出力されて該振動発生手段から上記振動が出力さ
れる。
【0004】また、上記リファレンス信号はLMSアル
ゴリズム演算手段にも入力され、この演算手段におい
て、振動検出手段から出力される信号のレベルが低くな
るように上記適応型フィルタのフィルタ係数を逐次更新
して最適化するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、車両の振動
は、上記車載エンジンから発せられる振動以外に例えば
路面からの振動や排気管から出る排気振動等、各種のも
のがあり、車両全体の振動を低減する狙いからみれば、
これらの振動をエンジン振動と併せて低減することが要
求される。
【0006】しかし、これら複数の振動を上記したLM
Sアルゴリズム演算等による最適化手法により低減しよ
うとすると、その各振動について適応型フィルタのフィ
ルタ係数の更新等の演算を同時に行うこととなり、演算
量が大幅に増加して制御系の負担が増大するという問題
がある。
【0007】本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、制御系の構成を改良
することにより、エンジン振動やそれ以外の各種振動を
含む複数の車両振動を、信号処理の演算量をさほど増や
すことなく効果的に低減するようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1の発明では、複数の車両振動の各々の低減
のための信号処理を所定期間毎に順番に繰り返して行う
ようにした。
【0009】具体的には、この発明では、図1に示すよ
うに、車両における複数の振動源の各々の振動情報を検
出する複数の第1振動検出手段13,18と、車室内の
所定位置での振動を検出する第2振動検出手段10と、
これら第1及び第2振動検出手段13,18,10の出
力信号を受け、第2振動検出手段10により検出される
振動を低減させるための制御信号を生成する制御手段2
5と、この制御手段25の出力に基づいて振動を発生す
る振動発生手段11とを設け、上記制御手段25は、複
数の振動源に対する制御信号を所定期間毎に順に繰り返
し演算するように構成する。
【0010】請求項2の発明では、上記制御手段25
は、複数の振動源に対する制御信号の各々の演算期間を
車両の走行状態に応じて変更するように構成する。
【0011】
【作用】以上の構成により、請求項1の発明では、第1
振動検出手段13,18の各々により車両における複数
の振動源の振動情報が検出され、また第2振動検出手段
10により車室内の所定位置での振動が検出される。こ
れら第1及び第2振動検出手段13,18,10の出力
信号は制御手段25に入力され、ここで第2振動検出手
段10により検出される振動を低減させるための制御信
号が生成される。この制御手段25の制御信号は振動発
生手段11に入力されて該振動発生手段11により振動
が発生し、この振動と第1振動検出手段13,18の各
々により検出される車両の振動源の振動とが互いに打ち
消し合い、このことで第2振動検出手段10により検出
される車室内の所定位置での振動が低減され、車両振動
の低減効果が得られる。
【0012】このとき、上記制御手段25は、複数の振
動源の各々に対する制御信号を所定期間毎に順に繰り返
し演算する。すなわち、複数の振動があってもその各々
の制御信号を1つずつ順番に演算するので、演算量とし
ては1つの振動を低減するのと同等の演算量で済み、よ
って演算量を低減することができる。しかも、各振動の
制御信号を順番に繰り返し演算するので、全ての振動に
ついて振動低減効果を確保でき、効果的な振動低減を達
成することができる。
【0013】請求項2の発明では、制御手段25で複数
の振動源に対する制御信号の各々について行われる演算
の期間が車両の走行状態に応じて変更されるので、車両
の走行状態に応じて変わる各振動レベルの変化に応じて
演算期間を変えて、振動レベルが大きい振動については
長い期間に亘り重点的に低減することができ、振動低減
効果のより一層の向上を図ることができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図2以下の図面に基
づいて説明する。図2において、1は車両の車体で、そ
の前部にはエンジンルーム2が、また前後中央部には車
室3がそれぞれ設けられている。4は上記エンジンルー
ム2内に配置されたエンジンであって、該エンジン4は
その下部を弾性支持するマウント(図示せず)を介して
車体1に弾性支持されている。図2中、5は車室3内前
部に位置するステアリングホイール、6は前席、7は後
席である。
【0015】上記車室3前端のインストルメントパネル
8内にはエンジン4の運転を制御するためのエンジンコ
ントロールユニット9が配置されている。また、車室3
内の所定位置には、複数のマイクロフォン10,10,
…及び複数のスピーカ11,11,…がそれぞれ配置さ
れている(尚、以下の説明では、簡単のためにマイクロ
フォン10及びスピーカ11をそれぞれ1つとした場合
について説明する)。上記各マイクロフォン10は車室
3内の所定位置での振動を検出する第2振動検出手段を
構成するもので、例えば前席6のヘッドレスト部や後席
7側方等、乗員の体感上や聴感上重要な位置に配置され
る。一方、各スピーカ11は車室3内に振動を発生する
振動発生手段を構成するもので、車室3内の空気を加振
する。
【0016】また、車体1において左右の後輪を支持す
るサスペンション12,12の各々が取り付けられる部
分、つまり車両の路面からの振動を受ける部分には、該
部分の上下加速度により、上記エンジン4から発せられ
る振動とは別の車両振動としての路面振動を検出する加
速度センサ13が配設されている。この加速度センサ1
3の出力信号は上記各マイクロフォン10の出力信号と
共にそれぞれコントローラ16に入力されており、コン
トローラ16により、基本的に、後述するリファレンス
信号及び上記加速度センサ13で検出される上下加速度
信号に基づき上記各スピーカ11を制御して車両の振動
を低減するように構成されている。
【0017】上記コントローラ16の構成を図3に示
す。同図において、17はエンジン4での混合気の点火
信号に基づいてエンジン回転の周期を測定するエンジン
回転周期測定回路、18は該周期測定回路17にて測定
されたエンジン回転の周期に基づいてエンジン4の振動
に関連するリファレンス信号reを発生するリファレン
ス信号発生器である。この実施例では、このリファレン
ス信号発生器18及び上記加速度センサ13がそれぞれ
第1振動検出手段を構成していて、車両における振動源
たるエンジン4及びサスペンション12の各々の振動情
報を検出する。また、19は上記加速度センサ13から
の振動信号としての加速度信号を設定ゲインで増幅する
増幅器、20は該増幅器19で増幅された加速度信号の
低周波成分を濾波するローパスフィルタ、21は該ロー
パスフィルタ20で濾波されたアナログ値の加速度信号
をデジタル値の信号rrに変換するA/D変換器であ
る。さらに、22は上記各マイクロフォン10からの振
動信号を設定ゲインで増幅する増幅器、23は該増幅器
22で増幅された振動信号の低周波成分を濾波するロー
パスフィルタ、24は該ローパスフィルタ23で濾波さ
れたアナログ値の振動信号をデジタル値の信号mに変換
するA/D変換器である。25は上記リファレンス信号
発生器18からのリファレンス信号re、A/D変換器
21からの加速度信号rr及びA/D変換器24からの
信号mが入力される制御演算部で、この制御演算部25
は、各マイクロフォン10により検出される振動を低減
させるように上記スピーカ11を駆動制御する制御信号
sを生成する制御手段を構成している。
【0018】また、26は上記制御演算部25にて生成
される制御信号sをデジタル値からアナログ値に変換す
るD/A変換器、27は該D/A変換器26からの制御
信号の低周波成分を濾波するローパスフィルタ、28は
該ローパスフィルタ27で濾波された制御信号を設定ゲ
インで増幅する増幅器であって、該増幅器28で増幅さ
れた制御信号はスピーカ11に出力される。
【0019】さらに、29は上記エンジンコントロール
ユニット9での所定信号に基づいてアクセル開度aを測
定するアクセル開度測定回路、30は同様に車速bを測
定する車速測定回路であり、これら測定回路29,30
の各々の出力信号は制御演算部25に入力されている。
31は所定の周波数のクロック信号tを発生するサンプ
リングクロック発生器で、このクロック信号tは上記各
A/D変換器21,24、D/A変換器26及び制御演
算部25に出力されている。
【0020】上記制御演算部25は、その制御信号sの
生成のアルゴリズムとして、LMSの適応アルゴリズム
が用いられる。このLMSの適応アルゴリズムを用いた
制御演算部25の内部構成を図4に示す。
【0021】図4において、36は第1デジタルフィル
タ、37は第2デジタルフィルタで、この各デジタルフ
ィルタ36,37は、制御演算部25から制御信号sを
出力した後に該制御信号sによりスピーカ11が駆動制
御されて車両振動に変化があり、この車両振動の変化が
マイクロフォン10で検出されてその検出信号が制御演
算部25に入力されるまでの伝達関数Hをモデル化した
ものである。38は第1収束係数乗算回路、39は第2
収束係数乗算回路で、該収束係数乗算回路38,39は
それぞれ所定の収束係数α1 ,α2 に基づいて各マイク
ロフォン10からの信号mに収束係数を掛算する。40
は上記第1デジタルフィルタ36の伝達関数Hの出力と
第1収束係数乗算回路38の出力とを乗算する第1乗算
器、41は第2デジタルフィルタ37の伝達関数Hの出
力と第2収束係数乗算回路39の出力とを乗算する第2
乗算器、42は第1適応フィルタで、上記第1乗算器4
0の出力毎にその出力値に基づいてフィルタ係数を逐次
更新し、その更新後のフィルタ係数に基づいてリファレ
ンス信号reを加工し、騒音(エンジン騒音)とは逆位
相で同振幅の制御信号を出力する。43は第2適応フィ
ルタで、上記第1適応フィルタ42と同様に第2乗算器
41の出力毎にその出力値に基づいてフィルタ係数を逐
次更新し、その更新後のフィルタ係数に基づいて加速度
信号rrを加工し、騒音(ロードノイズ)とは逆位相で
同振幅の制御信号を出力する。44は上記第1及び第2
適応フィルタ42,43の制御信号を加え合わせるミキ
サ回路で、このミキサ回路44の出力信号が各スピーカ
11に出力される。さらに、45は上記アクセル開度測
定回路29からのアクセル開度信号a、車速測定回路3
0からの車速信号b及びサンプリングクロック発生器3
1からのクロック信号tに基づいて車両の運転条件を判
定する条件判定回路、46は該条件判定回路45からの
出力信号を基に上記各マイクロフォン10からの信号m
を第1又は第2収束係数乗算回路38,39に択一的に
切り換えるスイッチ回路で、SW=1の状態でマイクロ
フォン10を第1収束係数乗算回路38に、またSW=
2のときマイクロフォン10を第2収束係数乗算回路3
9にそれぞれ接続する。
【0022】ここで、スピーカ11及びマイクロフォン
10間の伝達特性モデルのベクトルHを、 ベクトルH=[h0 ,h1 ,h2 ,…,hI ]T エンジン振動制御用の第1適応フィルタ42のベクトル
Fを、 ベクトルF=[f0 ,f1 ,f2 ,…,fJ ]T 路面振動制御用の第2適応フィルタ43のベクトルG
を、 ベクトルG=[g0 ,g1 ,g2 ,…,gK ]T エンジン振動制御用リファレンス信号のベクトルXe
を、その時刻nでの瞬時値をxe(n)として、 ベクトルXe(n)=[xe(n),xe(n-1),xe(n-2),…,
xe(n-J)] 路面振動制御用リファレンス信号のベクトルXr を、そ
の時刻nでの瞬時値をxr(n)として、 ベクトルXr(n)=[xr(n),xr(n-1),xr(n-2),…,
xr(n-K)] マイクロフォン10からの入力信号つまり時刻nでのエ
ラー信号をe(n) 、時刻nで第1適応フィルタ42から
出力されるエンジン振動制御用の出力信号をye(n)、時
刻nで第2適応フィルタ43から出力される路面振動制
御用の出力信号をyr(n)、ミキサ回路44からスピーカ
11への出力信号をyo(n)とするとき、
【数1】 が得られる。そして、これら〜式で各サンプリング
時期における出力信号yo を演算してスピーカ11に出
力する。
【0023】また、各適応フィルタ42,43のフィル
タ係数の更新(最適化)は、スイッチ回路46の切換状
態によって切り換わり、スイッチ回路46がマイクロフ
ォン10と第1収束係数乗算回路38とを接続している
ときには、
【数2】 で更新される。一方、スイッチ回路46がマイクロフォ
ン10と第2収束係数算出回路39とを接続していると
きには、
【数3】 で更新される。
【0024】次に、上記コントローラ16において行わ
れる信号処理動作のうちスイッチ回路46の切換えのた
めの動作について図5のフローチャートに基づいて説明
する。まず、スタート後のステップS1 において、カウ
ンタmに「1」を加えてm=m+1とする。このカウン
タmの初期値はm=0である。次のステップS2 では、
上記スイッチ回路46がマイクロフォン10を第1収束
係数乗算回路38に接続しているSW=1の状態か否か
を判定し、この判定がSW=1のYESのときにはステ
ップS3 に進み、上記カウンタmがエンジン振動制御用
基準回数Nを越えたかどうかを判定する。この判定がm
≦NのNOのときにはリターンに移るが、m>NのYE
SのときにはステップS4 に進み、スイッチ回路46を
マイクロフォン10が第2収束係数乗算回路39に接続
されているSW=2の状態に切り換えた後、ステップS
7 に進む。
【0025】一方、上記ステップS2 でSW=2のNO
と判定されたときにはステップS5に進み、上記カウン
タmが路面振動制御用基準回数Mを越えたか否かを判定
する。この判定がm≦MのNOのときにはリターンに移
るが、m>MのYESのときにはステップS6 に進み、
スイッチ回路46をマイクロフォン10が第1収束係数
乗算回路38に接続されているSW=1の状態に切り換
えた後、上記ステップS7 に進む。このステップS7 で
は上記カウンタmをm=0にリセットし、しかる後、リ
ターンに移る。
【0026】上記基準回数N,Mは予め設定した変更マ
ップにより選定されるもので、図6(a)に示す如く、
アクセル開度aが小さいときには、エンジン振動制御用
基準回数Nは標準値よりも小さく、路面振動制御用基準
回数Mは標準値よりも大きいが、アクセル開度aが大き
くなると、基準回数Nは標準値よりも増大し、基準回数
Mは逆に標準値よりも小さくなるように設定されてい
る。
【0027】また、車速bについては上記アクセル開度
aとは逆の特性であり、図6(b)に示すように、車速
bが低いときには、エンジン振動制御用基準回数Nは標
準値よりも大きく、路面振動制御用基準回数Mは標準値
よりも小さいが、高車速になると、基準回数Nは標準値
よりも減少し、基準回数Mは逆に標準値よりも大きくな
るように設定されている。
【0028】よって、この実施例では、制御手段として
の制御演算部25により、エンジン4及びサスペンショ
ン12の2つの振動源に対する制御信号を所定期間毎に
順に繰り返し演算するとともに、この2つの振動源に対
する制御信号の各々の演算期間を車両の走行状態に応じ
て変更し、アクセル開度aが高いとき及び車速bが低い
ときには、エンジン振動低減のための制御信号の演算期
間をサスペンション12から路面振動低減のための演算
期間よりも長くするように構成されている。
【0029】したがって、この実施例においては、エン
ジン4の点火信号がコントローラ16に入力されると、
そのリファレンス信号発生器18でエンジン振動に対応
するリファレンス信号reが発生する。また、加速度セ
ンサ13により路面から車体1に入力される振動が検出
され、この加速度センサ13の出力信号は上記リファレ
ンス信号reと共に制御演算部25に入力される。さら
に、車室3内の各マイクロフォン10により車室3の所
定位置での振動が検出され、この各マイクロフォン10
の出力信号も制御演算部25に入力される。この制御演
算部25では、各マイクロフォン10により検出される
振動を低減させるための制御信号sが生成され、この制
御信号sは各スピーカ11に出力されて該スピーカ11
により振動が発生され、このスピーカ11からの振動と
上記エンジン振動又は路面振動とが互いに打ち消し合
い、このことで車室3内の所定位置で各マイクロフォン
10により検出される振動が低減される。
【0030】そして、上記制御演算部25では、エンジ
ン振動及び路面振動に対する制御信号はそれぞれカウン
タmが基準回数N,Mになる所定期間毎に順に繰り返し
演算される。すなわち、カウンタmはサンプリングクロ
ック発生器31からのサンプリング時期毎にカウントさ
れ、例えばこのカウンタmが基準回数Nに達するまで
は、条件判定回路45によりスイッチ回路46は各マイ
クロフォン10を第1収束係数乗算回路38に接続する
ように切り換えられ、このことで、エンジン振動を低減
するための第1適応フィルタの係数の更新が行われる。
このとき、路面振動を低減するための第2適応フィルタ
の係数の更新は行われないが、前回の演算の終りに更新
されたフィルタ係数が使用されて、ミキサ回路44にて
スピーカ11への出力信号にミックスされる。
【0031】この後、カウンタmが上記基準値Nを越え
ると、スイッチ回路46が各マイクロフォン10を第2
収束係数乗算回路39に接続するように切り換えられ、
このことで路面振動を低減するための第2適応フィルタ
の係数の更新が行われる。このときにも、エンジン振動
を低減するための第1適応フィルタの係数の更新は停止
するが、前回の演算で最終に更新されたフィルタ係数が
使用されて、スピーカ11への出力信号にミックスされ
る。また、このスイッチ回路46の切換えと同時にカウ
ンタmがm=0にリセットされて0からのカウントを開
始し、このカウンタmが基準回数Mに達するまでは、ス
イッチ回路46の切換えは行われない。カウンタmが上
記基準値Mを越えると、スイッチ回路46が再び各マイ
クロフォン10を第1収束係数乗算回路38に接続する
ように切り換えられ、このことでエンジン振動を低減す
るための制御信号の演算が再開される。以後、同様の制
御が交互に繰り返される。このようにして、車体1に対
しエンジン振動及び路面振動の2つの振動があってもそ
の各々の制御信号を1つずつ順番に演算するので、演算
量としては1つの振動を低減するのと同等の演算量で済
むこととなり、よって演算量を低減することができる。
また、2つの振動の各々の制御信号を順番に繰り返し演
算するので、両振動について振動低減効果を良好に確保
でき、全体として効果的な振動低減を達成することがで
きる。
【0032】さらに、制御演算部25で2つの振動に対
する制御信号の各々について行われる演算の期間が車両
の走行状態に応じて変更され、アクセル開度aが小さく
てエンジン振動のレベルが低いときには、上記変更マッ
プのエンジン振動についてのカウンタmの基準回数Nが
小さくなって演算期間が短くなり、逆に路面振動につい
てのカウンタmの基準回数Mは大きくなって演算期間が
長くなる。一方、アクセル開度aが大きくなってエンジ
ン振動のレベルが大きくなると、変更マップの基準回数
Nが大きくなって演算期間が長くなり、基準回数Mは反
対に小さくなって演算期間が短くなる。
【0033】また、車速bが低くて路面振動のレベルが
小さいときには、上記変更マップのエンジン振動につい
てのカウンタmの基準回数Nが大きくなって演算期間が
長くなり、路面振動についてのカウンタmの基準回数M
は小さくなって演算期間が短くなる一方、車速bの上昇
に伴って路面振動のレベルが大きくなると、変更マップ
の基準回数Nが小さくなって演算期間が短くなり、逆に
基準回数Mは大きくなって演算期間が長くなる。こうし
て車両の走行状態に応じて変わる各振動レベルの変化に
応じて演算期間を変えることで、振動レベルが大きい振
動については長い期間に亘り重点的に低減することがで
き、振動低減効果のより一層の向上を図ることができ
る。
【0034】尚、上記加速度センサ13は車体1におけ
る後輪用サスペンション12,12の取付部分に設置し
ているが、同サスペンション12,12の車輪側部分
(いわゆるばね下部分)に設置してもよい。こうするこ
とで、車体1側に設ける場合に比べ、路面振動を素早く
正確に検出でき、応答性を高めることができる利点があ
る。
【0035】また、上記実施例では、制御信号sの演算
期間の基準回数N,Mを変更する変更マップをアクセル
開度a及び車速bで設定しているが、この他、図6
(c)に示す如く、車体1の上下加速度により設定して
もよい。この場合、加速度が小さいときには、エンジン
振動制御用基準回数Nを標準値よりも大きく、路面振動
制御用基準回数Mは標準値よりも小さいが、加速度が増
大したときには、基準回数Nは標準値よりも減少し、基
準回数Mは逆に標準値よりも大きくなるように設定すれ
ばよい。
【0036】さらに、上記実施例では、車両の振動をエ
ンジン振動及び路面振動としているが、その他の振動、
例えば排気振動を加えるか或いは置き換えるかしてもよ
い。
【0037】さらにまた、上記実施例では、振動発生手
段をスピーカ11としているが、これ以外に、例えばエ
ンジンマウントを積極的に加振することで、車両振動を
低減するようにすることもできる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、車両振動を基に制御信号を生成し、この制御信
号を振動発生手段に出力して振動を発生させ元の車両振
動を低減するようにした振動低減装置において、エンジ
ン振動を含む複数の車両振動があるとき、その各振動に
対応する制御信号を生成するための演算を各振動につい
て所定期間毎に順に繰り返し演算するようにしたことに
より、演算量の低減を図りつつ、複数の振動を低減して
効果的な騒音低減効果を得ることができる。
【0039】請求項2の発明によると、上記複数の振動
源に対する制御信号の各々の演算期間を車両の走行状態
に応じて変更するようにしたことにより、振動レベルが
大きい振動については長い期間に亘り重点的に低減で
き、振動低減効果のより一層の向上を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示すブロック図である。
【図2】実施例における車両用振動低減装置の全体構成
を示す概略図である。
【図3】コントローラの構成を示すブロック図である。
【図4】LMSの適応アルゴリズムを用いた制御演算部
の構成を示す図である。
【図5】スイッチ回路の切換えのための動作を示すフロ
ーチャート図である。
【図6】演算期間の変更のための変更マップの特性図で
ある。
【符号の説明】
1 車体 3 車室 4 エンジン(振動源) 10 マイクロフォン(第2振動検出手段) 11 スピーカ(振動発生手段) 12 サスペンション(振動源) 13 加速度センサ(第1振動検出手段) 16 コントローラ 18 リファレンス信号発生器(第1振動検出手段) 25 制御演算部(制御手段) 36,37 デジタルフィルタ 38,39 収束係数乗算回路 42,43 適応フィルタ s 制御信号

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両における複数の振動源の各々の振動
    情報を検出する複数の第1振動検出手段と、 車室内の所定位置での振動を検出する第2振動検出手段
    と、 上記第1及び第2振動検出手段の出力信号を受け、第2
    振動検出手段により検出される振動を低減させるための
    制御信号を生成する制御手段と、 上記制御手段の出力に基づいて振動を発生する振動発生
    手段とを備え、 上記制御手段は、複数の振動源に対する制御信号を所定
    期間毎に順に繰り返し演算するように構成されているこ
    とを特徴とする車両用振動低減装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の車両用振動低減装置にお
    いて、 制御手段は、複数の振動源に対する制御信号の各々の演
    算期間を車両の走行状態に応じて変更するように構成さ
    れていることを特徴とする車両用振動低減装置。
JP4254475A 1992-09-24 1992-09-24 車両用振動低減装置 Withdrawn JPH06109066A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08115086A (ja) * 1994-10-14 1996-05-07 Nkk Corp アクティブ防振方法及びその装置
US8098837B2 (en) 2007-03-30 2012-01-17 Honda Motor Co., Ltd. Active noise control apparatus
US8111835B2 (en) 2007-03-30 2012-02-07 Honda Motor Co., Ltd. Active noise control apparatus

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8098837B2 (en) 2007-03-30 2012-01-17 Honda Motor Co., Ltd. Active noise control apparatus
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