JPH06339624A - 耐熱性マイクロカプセルおよびその生成方法 - Google Patents

耐熱性マイクロカプセルおよびその生成方法

Info

Publication number
JPH06339624A
JPH06339624A JP5168299A JP16829993A JPH06339624A JP H06339624 A JPH06339624 A JP H06339624A JP 5168299 A JP5168299 A JP 5168299A JP 16829993 A JP16829993 A JP 16829993A JP H06339624 A JPH06339624 A JP H06339624A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
microcapsule
melamine
formaldehyde
wall film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP5168299A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Hirasawa
朗 平澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Edge Inc
Original Assignee
Toppan Moore Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Moore Co Ltd filed Critical Toppan Moore Co Ltd
Priority to JP5168299A priority Critical patent/JPH06339624A/ja
Publication of JPH06339624A publication Critical patent/JPH06339624A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacturing Of Micro-Capsules (AREA)
  • Color Printing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、メラミン樹脂を壁膜とするマイク
ロカプセル生成において、そのメラミンとホルムアルデ
ヒドの初期縮合物の形成時、これら反応成分のモル比を
従来の1:4から1:2.5乃至1:3.5に調整する
ことにより、マイクロカプセル分散液あるいは粉体中の
残留ホルマリン濃度を低減させる。さらに、該マイクロ
カプセル壁膜表面を、耐熱性微粒子とシリコーンオイル
から形成される耐熱層で被覆させることにより、該マイ
クロカプセルの機能を何ら損なうことなく、従来のもの
と実質的に固等の緻密性および耐性を確保し、さらに、
該マイクロカプセルに耐熱性を付写することを目的とす
る。 【構成】 芯物質と、この芯物質の周囲に壁膜を形成し
てなるマイクロカプセルにおいて、壁膜がメラミンとホ
ルムアルデヒドとの初期縮合物の反応モル比で、1:
2.5〜1:3.5であるメラミン樹脂からなると共
に、前記壁膜の表面に耐熱性微粒子とシリコーンイオイ
ルからなる耐熱層を被覆してなる耐熱性マイクロカプセ
ルを生成することにより目的を達成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、メラミンとホルムアル
デヒドから生成されるメラミン樹脂を壁膜とするマイク
ロカプセルに関するもので、メラミンとホルムアルデヒ
ドとの初期縮合物の反応モル比を特定の範囲に調整する
ことで、生成カプセル分散液中あるいはカプセル粉体中
に残存する未反応ホルムアルデヒドの低減に寄与するも
のである。
【0002】また、回時に、壁膜を耐熱層で被覆してな
る耐熱性を有するマイクロカプセルを提供するものであ
る。すなわち、メラミン樹脂膜で形成されたマイクロカ
プセルの樹脂中への溶融練り込み、あるいは焼付け塗装
などの高熱処理によっても封入された芯物質やカプセル
壁膜が劣化せず、目的とする機能を発揮させるマイクロ
カプセルを提供するものである。
【0003】
【従来の技術】近年、マイクロカプセルは、感圧複写紙
の複写剤、香料、農薬、接着剤等の多方面に亙って実用
化されている。中でも、アミノプラストをカプセル壁膜
とするカプセル化技術は、最も一般的に行なわれている
手法の一つであり、このようなマイクロカプセル化技術
としては、コアセルベーション法、界面重合法、インー
サイチュ重合法などの各種の方法が利用されている。
【0004】そして、このようなアミノプラストの中で
も、ホルムアルデヒドとメラミンを必須成分とし、酸触
媒の存在下で形成されるメラミン樹脂膜を壁膜とするマ
イクロカプセルは、耐水性、耐溶剤性等に優れ、且つ、
緻密性に優れている。このようなものとして従来より、
エチレン無水マレイン酸共重合体の存在下でメラミン/
ホルムアルデヒド樹脂の壁膜を形成させる方法(特開昭
53−84881号)、スチレン無水マレイン酸の酸性
水溶液中においてメラミン/ホルムアルデヒド樹脂を形
成させる方法(特公昭60−2100号)等の他、数多
くの提案がなされている。
【0005】しかしながら、ホルムアルデヒドを必須成
分とした場合、その生成カプセル分散液中に、ホルムア
ルデヒドが残留することは避けられず、この結果、目や
鼻などの粘膜に強い刺激を写えるといった問題が生じ、
この問題を解決するために、様々な方法が提案されてき
たが、カプセル分散液の増粘、壁材、芯物質の劣化、変
色、あるいは、操作が煩雑といった問題が残っていた。
【0006】また、従来においては、壁膜材となるメラ
ミン/ホルムアルデヒドの初期縮合物の生成において、
最も安定なカプセル壁膜が形成でき、また、脱ホルマリ
ン処理をし、壁膜に劣化が生じても緻密性を維持できる
ことから、この比率を1:4前後に調製していた。した
がって、徐放性を必要としないカプセルの場合、あるい
は、耐性を要求されるカプセルを生成させる場合、この
比率を1:4前後で初期縮合物を調製するのが、このよ
うなカプセル形成には適していた。
【0007】そして、このようなメラミン/ホルムアル
デヒド樹脂の分子構造においては、モノからヘキサまで
の6種類のメチロール化メラミンが、ある分布をもって
存在していると考えられ、トリメチルロール化メラミン
までの生成と、テトラメチロール化メラミン以上の生成
とでは相違があると考えらる。すなわち、モノからトリ
まではメラミン3つのアミノ基には、それぞれ1つのホ
ルムアルデヒドと反応するのである。しかし、テトラメ
チロール化メラミン以上では、アミノ基には2つ以上の
ホルムアルデヒドが反応することが必要となり、この場
合、最初のホルムアルデヒドとの反応と次のホルムアル
デヒドの反応とは、その反応の進み方が異なり、そのた
め、反応モル比が1:3を越えた場合、それまでとは異
なる反応が起こるのである。すなわち、ホルムアルデヒ
ドの構成モル比が高ければ高いほど未反応のホルムアル
デドの存在する可能性も高くなるのである。
【0008】さらに、これらのマイクロカプセルを樹
脂、塗料などに練り込んで使用する場合、すなわち、高
温の加熱処理工程がある場合には、カプセル壁膜や芯物
質が熱劣化するといった欠点があり、特に、メラミンを
必須成分とする壁膜では、壁膜の黄変といった問題も生
じていた。したがって、従来では、この問題を解決する
ために、芯物質の回りを一旦高分子化合物で被覆した
後、さらに、その回りに別の高分子で被覆した2重構造
のカプセル壁とする方法(特開昭62−206082
号)が提案されているが、生産性が悪いものであった。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記問題に鑑み鋭意検討
した結果、本発明者は、先ず、残留ホルマリンの低減に
ついては、メラミン/ホルムアルデヒドの初期縮合物の
生成時において、これらの反応成分の反応比率を従来の
1:4から1:3前後に下げることにより、この目的を
達しようと試みた。
【0010】しかしながら、このように反応モル比を下
げると、カプセル壁膜自体の粗密度は、従来のものより
も粗となってしまい、結果、カプセルの緻密性および耐
性が劣ってしまうのである。然して、本発明者は、この
問題については、マイクロカプセル壁膜表面を耐熱層で
覆うことで解決するに至った。すなわち、生成したカプ
セル分散液に耐熱性微粒子とシリコーンオイルを添加・
溶解させ、さらに、該分散液を乾燥させ、該マイクロカ
プセル壁膜表面に耐熱性微粒子とシリコーンオイルから
なる耐熱層を被覆形成するのである。この被覆によっ
て、カプセルの機能を何ら損なうことなく、従来のもの
と実質的に同等の緻密性および耐性を確保することがで
きた。また、同時に、高温の加熱処理時の熱劣化問題に
ついても、この耐熱層により、該カプセルが高熱に曝さ
れても、その機能を阻害されることなく、すなわち、カ
プセル壁膜および芯物質が高温によりダメージを受ける
ことなく保護されることとなった。
【0011】次に、本発明の耐熱性マイクロカプセルの
生成手順を具体的に説明する。
【0012】(1)分散剤または孔化剤機能を有する酸
触媒のpHを調整し、これを芯物質に吸着させる工程:
芯物質の回りにポリマーを形成させるために、該芯物質
に対して分散剤機能あるいは孔化機能を有する酸触媒を
吸着させる。この酸触媒は、触媒作用を行なうと共に、
壁材であるメチロール化メラミンと反応する機能も有す
るものである。そして、この酸触媒水溶液pH値は、芯
物質の被膜形成に影響を写えるため、pH調製が必要と
なる。すなわち、pH4以下では系全体が凝集し、ま
た、pH7以上では壁材を形成する初期縮合物と反応し
ない。したがって、pH2〜7に調製するのが適当で、
好ましくは、pH3〜6程度であり、さらに好ましく
は、pH4〜5とするのが良い。
【0013】(2)メラミンとホルムアルデヒドとの反
応モル比を1:2.5乃至1:3.5として初期縮合物
を生成させる工程:壁膜を形成する初期縮合物の調製工
程においては、メラミンとホルムアルデヒドの反応モル
比を1:2.5乃至1:3.5とし、さらに好ましく
は、1:2.9〜1:3.2とするのが良い。そして、
この工程にはモル比の調製以外には、特に限定されるも
のではないが、この反応系の温度は、初期縮合物形成に
影響を与えるため、すなわち、50℃以下ではメチロー
ル化反応が進まず、メラミンが溶解しない。一方、あま
り高いと初期縮合物の寿命が短くなって取り扱いが困難
となるため、反応系の温度範囲は50℃〜90℃が適当
である。
【0014】(3)前記酸触媒を吸着させた芯物質の周
囲に、前記初期縮合物のメラミン樹脂で被膜を形成する
工程:酸触媒を吸着させた芯物質を初期縮合物をもって
被膜する工程についても、特に限定されるものではな
く、例えば、メラミンが溶解し、初期縮合物が透明にな
った時点で、この溶液を、酸触媒を吸着させた芯物質分
散液に強撹拌しながら投入し、芯物質の回りを初期縮合
物で被膜する。さらに、この被膜の硬化は、メチロール
化メラミンと酸触媒との反応を促進・成就させるもので
あり、反応系の温度と反応時間が影響するので、カプセ
ルの種類、用途により最適条件を適宜選定するが、好ま
しくは、硬化温度では50℃〜90℃であり、反応温度
では1時間〜5時間である。
【0015】(4)前記(3)で得たマイクロカプセル
壁膜表面を、耐熱性微粒子およびシリコンオイルからな
る耐熱層で被覆する工程:上記の工程を経て生成したマ
イクロカプセル分散液に耐熱性微粒子とシリコーンオイ
ルを添加、撹拌・溶解させる。この時の耐熱性微粒子と
シリコーンオイルの添加割合は、カプセル固形分に対し
て、重量部比でそれぞれ15%〜40%と5%〜20%
であり、好ましくは、20%〜35%と7%〜15%、
さらに好ましくは、25%〜30%と10%〜15%で
ある。そして、このようにして得られたカプセル分散液
は、スプレードライヤーにて噴霧乾燥され、最終的にマ
イクロカプセル粉体を得るのである。また、この時に使
用される耐熱性微粒子は、主に、シリカ微粒子、酸化チ
タン微粒子、アルミナ微粉末、マグネシウム微粉末等の
無機物質であるが、有機物質あるいは無機・有機の混合
物でもよい。そして、この耐熱微粒子の粒径、粒径分布
は、特に限定されないが、その粒径はカプセル本体の粒
径、使用目的、使用状況等により適宜選択され、カプセ
ル粒径が5μm前後であるならば、好ましくは、10n
m〜100nmの範囲のものが良く、また、粒径分布は
できるだけ狭い方が好ましい。一方、シリコーンオイル
は耐熱性微粒子間の隙間を埋める目的で使用され、本実
施例では水溶性シリコーンオイルが使用されるが、用途
により適宜選択されるもので、水溶性に限定されるもの
ではない。
【0016】
【作用】本発明によれば、メラミン樹脂マイクロカプセ
ル壁膜を形成する初期縮合物の生成時のメラミンとホル
ムアルデヒドとの反応モル比を従来の1:4から1:
2.5乃至1:3.5とすることにより、未反応の残留
ホルムアルデヒド濃度を低減させることができた。さら
に、該カプセル壁膜表面に、耐熱性微粒子およびシリコ
ーンオイルからなる耐熱層を被覆することで、該カプセ
ル壁膜自体の粗密度は従来のものよりも粗であるにも拘
らず、この被覆によって、カプセルの機能を何ら損なう
ことなく、従来のものと実質的に同等の緻密性および耐
性を確保することができた。また、同時に、従来のモル
比のカプセルには有し得ない耐熱性を付与することがで
きた。
【0017】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳述する
が、本発明の主旨を逸脱しない限り、本発明はこれらの
実施例に限定されるものではない。
【0018】[実施例1]スチレン無水マレイン酸共重
合体(スクリプセット520/モンサント社)を少量の
水酸化ナトリウムと共に溶解し、これを5WT%、pH
4.1に調整し、50℃に昇温した300部中に、クリ
スタルバイオレットラクトン(CVL)7.5部とビス
フェノールA7.5部、それにミリスチルアルコール1
85部を加熱溶解して50℃にした示温材200部を平
均粒径4μmになるように乳化・分散させ、孔化物を得
た。次に、得られた孔化物に38.6部の37%ホルム
アルデヒド水溶液(ホルマリン)を水酸化ナトリウムで
pH9.5に調整した後、20部のメラミンを加え、1
5分で80℃まで加熱溶解したメラミン/ホルムアルデ
ヒド初期縮合物溶液を撹拌しながら添加し、系の温度を
80℃まで加温し、2時間保温した後、撹拌しながら冷
却し、マイクロカプセル分散液を得た。この分散液をワ
イヤーバーにて、上質紙に7g/mになるように塗工
した用紙は、20℃の雰囲気中では完全な青色に発色し
ており、40℃では青色は消失し、示温剤マイクロカプ
セルであることが確認された。この分散液の固形分10
0部に対し、シリカ(SiO)微粒子(CAB−O−
SPERSE/CABOT社)を固形分として25部お
よびシリコーンオイル(SH3746/東レ・ダウコー
ニングシリコーン)10部を加え、全分散液の固形分率
を30%に調整した後、スプレードライヤーにて噴霧乾
燥させ、二次粒子20μmの示温材マイクロカプセル粉
体を得た。ここで得られた示温材マイクロカプセル粉体
については、噴霧乾燥では機能が損なわれていないこと
が確認され、一方、アセチルアセトン法による残留ホル
ムアルデヒド濃度値は990ppmであった。また、こ
の粉体100部をポリプロピレン生レジン900部へ2
30℃で3分間、混練・分散させ、厚さ3mmの板状成
形品を得た。この成形品は20℃の雰囲気中では完全に
青色発色しており、40℃の雰囲気中では完全に白色に
消色し、示温材マイクロカプセルであることが確認され
た。
【0019】[比較例1][実施例1]と回様にして得
られた孔化物に51.5部の37%ホルムアルデヒド水
溶液(ホルマリン)を水酸化ナトリウムでpH9.5に
調整した後、20部のメラミンを加え、15分で80℃
まで加熱溶解したメラミン/ホルムアルデヒド初期縮合
物溶液を撹拌しながら添加し、系の温度を80℃まで加
温し、2時間保温した後、撹拌しながら冷却し、マイク
ロカプセル分散液を得た。この分散液をワイヤーバーに
て、上質紙に7g/mになるように塗工した用紙は、
20℃の雰囲気中では完全な青色に発色しており、40
℃では青色は消失し、示温材マイクロカプセルであるこ
とが確認された。そして、このマイクロカプセル分散液
の固形重量分率を20%に調製し、スプレードライヤー
にて噴霧乾燥させ、示温材マイクロカプセル粉体を得
た。ここで得られた示温材マイクロカプセル粉体につい
ては、噴霧乾燥では機能が損なわれていないことが確認
されたものの、ホルムアルデヒドの刺激臭があり、アセ
チルアセトン法による残留ホルムアルデヒド濃度値は4
650ppmであった。また、この粉体100部をポリ
プロピレン生レジン900部へ230℃で3分間、混練
・分散させ、厚さ3mmの板状成形品を得た。この成形
品は20℃の雰囲気中では青色に発色しているものの退
色が起こっており、40℃の雰囲気中では完全に青色が
消えず、すなわち、示温材マイクロカプセルの機能を有
するものではなかった。
【0020】[実施例2]スチレン無水マレイン酸共重
合体(スクリプセット520/モンサント社)を少量の
水酸化ナトリウムと共に溶解し、これを5WT%、pH
4.5に調整した水溶液300部中に、レモン合成香料
(高砂香料社)200部を乳化・分散し、平均粒径6μ
mの孔化物を得た。次に、得られた孔化物に、42.5
部の37%ホルムアルデヒド水溶液(ホルマリン)に2
0部のメラミンを加え、水酸化ナトリウムでpH9.5
に調製した後、15分で80℃まで加熱溶解したメラミ
ン/ホルムアルデヒド初期縮合物溶液を撹拌しながら添
加し、温度65℃にて2時間係温した後、80℃まで昇
温させ、さらに30℃分保温した後、冷却水にて急冷し
てマイクロカプセル分散液を得た。このマイクロカプセ
ル分散液をワイヤーバーにて上質紙に5g/mになる
ように塗工した用紙は、塗工表面を強く擦るとレモンの
香りが発生し、香料マイクロカプセルであることが確認
された。さらに、この香料マイクロカプセル分散液の固
形分100部に対し、シリカ(SiO)微粒子(CA
B−O−SPERSE/CABOT社)を、固形分とし
て25部およびシリコーンオイル(SH3746/東レ
・ダウコーニングシリコーン)5部を加え、全分散液の
固形分率を20%に調製した後、スプレードライヤーに
て噴霧乾燥させ、2次粒子20μmの香料マイクロカプ
セル粉体を得た。ここで得られた香料マイクロカプセル
粉体については、噴霧乾燥では機能が損なわれていない
ことが確認され、一方、アセチルアセトン法による残留
ホルムアルデヒド濃度値は870ppmであった。そし
て、この粉体50部をホットメルト接着剤(エイスダン
8512DZ/積水化学工業)950部中に180℃に
て加熱分散させた後、カプセルを擦り破壊したところ、
元と同じ香料の香りがした。すなわち、ホットメルト接
着剤保温中の高熱によっても芯物質が影響を受けていな
いことが確認された。
【0021】[比較例2][実施例2]と回様にして得
られた孔化物に、51.5部の37%ホルムアルデヒド
水溶液(ホルマリン)に20部のメラミンを加え、水酸
化ナトリウムでpH9.5に調製した後、15分で80
℃まで加熱溶解したメラミン/ホルムアルデヒド初期縮
合物溶液を撹拌しながら添加し、温度65℃にて2時間
保温した後、80℃まで昇温させ、さらに30℃分保温
した後、冷却水にて急冷してマイクロカプセル分散液を
得た。このマイクロカプセルをワイヤーバーにて上質紙
に5g/mになるように塗工した用紙は、塗工表面を
強く擦るとレモンの香りが発生し、香料マイクロカプセ
ルであることが確認された。さらに、この香料マイクロ
カプセル分散液の固形重量分率を20%に調製し、スプ
レードライヤーにて噴霧乾燥させ、2次粒子20μmの
香料マイクロカプセル粉体を得た。ここで得られた香料
マイクロカプセル粉体については、噴霧乾燥では機能が
損なわれていないことが確認されたものの、ホルムアル
デヒドの刺激臭があり、アセチルアセトン法による残留
ホルムアルデヒド濃度値は4300ppmであった。そ
して、この粉体50部をホットメルト接着剤(エイスダ
ン8512DZ/積水化学工業)950部中に180℃
にて加熱分散させた後、カプセルを擦り破壊したとこ
ろ、元と同じ香料とは明らかに異なる香りがした。すな
わち、香料成分が変質してしまい、実用に耐えるもので
はなかった。
【0022】[実施例3]スチレン無水マレイン酸共重
合体(スクリプセット520/モンサント社)を少量の
水酸化ナトリウムと共に溶解し、5WT%、pH4.1
に調整した水溶液300部中に、アルキルフタレイン
(KMC−113/呉羽化学)194部にクリスタルバ
イオレットラクトン(CVL)6部を溶解し、これを乳
化・分散させて平均粒径6μmの孔化物を得た。次に、
得られた乳化物に37.3部の37%ホルムアルデヒド
水溶液(ホルマリン)を水酸化ナトリウム水溶液でpH
9.5に調整した後、20部のメラミンを加え、15分
で80℃まで加熱溶解したメラミン/ホルムアルデヒド
初期縮合物溶液を撹拌しながら添加し、系の温度を80
℃まで加温し、2時間保温した後、撹拌しながら冷却
し、染料マイクロカプセル分散液を得た。さらに、この
マイクロカプセル分散液の固形分100部に対し、シリ
カ(SiO)微粒子(CAB−O−SPERSE/C
ABOT社)を、固形分として15部およびシリコーン
オイル(SH3746/東レ・ダウコーニングシリコー
ン)5部を加え、染料マイクロカプセル分散液を得た。
ここで得られた、染料マイクロカプセル分散液におけ
る、アセチルアセトン法による残留ホルムアルデヒド濃
度値は2600ppmであった。さらに、得られたマイ
クロカプセル分散液の固形分40部に対し、完全ケン化
のPVA1.2部(固形分)、小麦デンプン粉末8部を
加え、55g/mの用紙上に、4g/mになるよう
にワイヤーバーにて塗布乾燥し、感圧複写紙用上葉紙を
作成した。
【0023】[比較例3][実施例3]と同様にして得
られた乳化物に、51.5部の37%ホルムアルデヒド
水溶液(ホルマリン)を水酸化ナトリウム水溶液でpH
9.5に調整した後、20部のメラミンを加え、15分
で80℃まで加熱溶解したメラミン/ホルムアルデヒド
初期縮合物溶液を撹拌しながら添加し、系の温度を80
℃まで加温し、2時間保温した後、撹拌しながら冷却
し、染料マイクロカプセル分散液を得た。ここで得られ
た、染料マイクロカプセル分散液にはホルムアルデヒド
特有の刺激臭があり、アセチルアセトン法による残留ホ
ルムアルデヒド漉度値は7600ppmであった。さら
に、[実施例3]と同様な方法で感圧複写紙用上葉紙を
作成した。
【0024】実施例1〜3および比較例1〜3で得られ
たマイクロカプセルの耐熱性および分散液あるいは粉体
中の残留ホルムアルデヒド濃度を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】さらに、[実施例3]および[比較例3]
で得た上葉紙について、次に示す耐熱性、耐溶剤性、耐
湿性テストを行なったところ。耐溶剤性、耐湿性におい
ては、双方共に感圧複写紙用マイクロカプセルとしての
機能は損なわれず、品質は同等であるといえる。しかし
ながら、耐熱性においては、[比較例3]のものは芯物
質が劣化したため、発色濃度の低下が見られたものの、
[実施例3]については性能の低下は見られなかった。
【0027】[感圧複写紙用上葉紙の耐熱性、耐溶剤
性、耐湿性のテスト方法] 1.耐熱性 上葉紙を135℃のオーブン(乾燥機)中に2時間放置
し、放置後この上葉紙に下葉紙と重ね、全発色テスト
(カレンダテスタ)及び擦り汚れテスト(スカッフテス
タ)にて、発色濃度の比較を行なう。 2.耐溶剤性 上葉紙を1インチ×10インチの短冊状に切り、これを
20mlのTHF(テトラヒドロフラン)に浸し、超音
波洗浄器で1時間処理し、芯物質(アルキルフタレイ
ン)の溶出%(溶出率)を液体クロマトグラフィーによ
り定量分析を行い、耐溶剤性の比較テストを行なう。 3.耐湿性 上葉紙を相対湿度98%のデシケーター中に3日間放置
し、放置後この上葉紙を下葉紙と重ね、全発色テスト
(カレンダテスタ)にて、発色濃度の比較を行なう。
【0028】以上の[実施例3]、[比較例3]におけ
る感圧複写用紙の各種耐性比較テストの結果を表2に示
す。
【0029】
【表2】
【0030】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、メラミン樹脂マイクロカプセル壁膜を形成する初期
縮合物の生成時のメラミンとホルムアルデヒドとの反応
モル比を従来の1:4から1:2.5乃至1:3.5と
することにより、カプセル分散液あるいは粉体中の残留
ホルマリン濃度を従来の1/3〜1/6程度に低減する
ことができた。さらに、該カプセル壁膜表面に、耐熱性
微粒子およびシリコーンオイルからなる耐熱層で被覆す
ることにより、該カプセル壁膜自体の粗密度は従来のも
のよりも粗であるにも拘らず、この被覆によって、カプ
セルの機能を何ら損なうことなく、従来のものと実質的
に固等の緻密性および耐性を確保することができた。ま
た、回時に、従来のモル比のカプセルには有し得ない耐
熱性を付与することができ、該カプセルが高温に曝され
た場合のメラミン樹脂壁膜の黄変、劣化および芯物質の
変質等を防止することができた。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯物質と、この芯物質の周囲に壁膜を形
    成してなるマイクロカプセルにおいて、壁膜がメラミン
    とホルムアルデヒドとの初期縮合物の反応モル比で、
    1:2.5乃至1:3.5であるメラミン樹脂からなる
    と共に、前記壁膜の表面に耐熱性微粒子とシリコーンオ
    イルからなる耐熱層を被覆してなる耐熱性マイクロカプ
    セル。
  2. 【請求項2】 下記に示す(1)〜(4)の工程からな
    る耐熱性マイクロカプセルの生成方法。 (1)分散剤または乳化剤機能を有する酸触媒のpHを
    調整し、これを芯物質に吸着させる工程、(2)メラミ
    ンとホルムアルデヒドとの反応モル比を1:2.5乃至
    1:3.5として初期縮合物を生成させる工程、(3)
    前記(1)の工程で得た芯物質の周囲に、前記(2)の
    工程で得た初期縮合物のメラミン樹脂で壁膜を形成する
    工程、(4)前記(3)で得たマイクロカプセル壁膜表
    面を、耐熱性微粒子およびシリコーンオイルからなる耐
    熱層で被覆する工程。
JP5168299A 1993-05-31 1993-05-31 耐熱性マイクロカプセルおよびその生成方法 Withdrawn JPH06339624A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5168299A JPH06339624A (ja) 1993-05-31 1993-05-31 耐熱性マイクロカプセルおよびその生成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5168299A JPH06339624A (ja) 1993-05-31 1993-05-31 耐熱性マイクロカプセルおよびその生成方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06339624A true JPH06339624A (ja) 1994-12-13

Family

ID=15865448

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5168299A Withdrawn JPH06339624A (ja) 1993-05-31 1993-05-31 耐熱性マイクロカプセルおよびその生成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06339624A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1288248A2 (en) * 2001-08-29 2003-03-05 Nippon Shokubai Co., Ltd. Amino resin composite particle and method of producing same
JP2003519724A (ja) * 2000-01-10 2003-06-24 ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト ホルムアルデヒドが低減したメラミン−ホルムアルデヒド樹脂からなるマイクロカプセルの低粘度分散液
US7025912B2 (en) 2003-04-25 2006-04-11 Fuji Photo Film Co., Ltd. Microcapsule and manufacturing method thereof
JP2012526188A (ja) * 2010-04-06 2012-10-25 ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー カプセル

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003519724A (ja) * 2000-01-10 2003-06-24 ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト ホルムアルデヒドが低減したメラミン−ホルムアルデヒド樹脂からなるマイクロカプセルの低粘度分散液
EP1288248A2 (en) * 2001-08-29 2003-03-05 Nippon Shokubai Co., Ltd. Amino resin composite particle and method of producing same
EP1288248A3 (en) * 2001-08-29 2004-03-24 Nippon Shokubai Co., Ltd. Amino resin composite particle and method of producing same
KR100580271B1 (ko) * 2001-08-29 2006-05-16 니폰 쇼쿠바이 컴파니 리미티드 아미노수지복합입자 및 그 제조방법
US7378153B2 (en) 2001-08-29 2008-05-27 Nippon Shokubai Co., Ltd. Amino resin composite particle and method of producing same
US7025912B2 (en) 2003-04-25 2006-04-11 Fuji Photo Film Co., Ltd. Microcapsule and manufacturing method thereof
JP2012526188A (ja) * 2010-04-06 2012-10-25 ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー カプセル

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS6023859B2 (ja) マイクロカプセルの製造方法
AU2002316861B2 (en) Colourants encapsulated in a polymer matrix
JP4593916B2 (ja) ポリマー粒子の製造方法
EP0570209A1 (en) Production method of microcapsules
US5709340A (en) Article having microencapsulated adhesive thereon
JPH0620535B2 (ja) マイクロカプセルの製造方法
CA2050544C (en) Melamine formaldehyde microencapsulation in aqueous solutions containing high concentrations of organic solvent
JPS63178840A (ja) 徐放性マイクロカプセル
JP3503138B2 (ja) マイクロカプセル壁材料、その形成方法およびこのマイクロカプセル壁材料を有するマイクロカプセル
JPH06339624A (ja) 耐熱性マイクロカプセルおよびその生成方法
TW200416228A (en) Moisture barrier resins
EP1438126B1 (en) Process for the preparation of microcapsules
JPH06312128A (ja) マイクロカプセル及びその製造方法
JP3401029B2 (ja) 改良されたマイクロカプセル
JPS6139846B2 (ja)
JP2005272563A (ja) オーバープリントニス
JPS6029293B2 (ja) 微小カプセル分散液中のホルムアルデヒド除去方法
JPH05214283A (ja) 香料インキ組成物
JPH02280828A (ja) 乾燥粉末状マイクロカプセル微粒子、それを付着した搬体及びその製造方法
JPH0375213B2 (ja)
JP4896410B2 (ja) マイクロカプセルの製造法ならびにマイクロカプセル及びそれを用いた表示媒体
JPH07171379A (ja) マイクロカプセルの製造方法
JPH0435735A (ja) マイクロカプセル分散液中のホルムアルデヒドの除去方法
JPH06226083A (ja) マイクロカプセル分散液中のホルムアルデヒド除去方法
JPS6355977B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20000801