JPH07171379A - マイクロカプセルの製造方法 - Google Patents

マイクロカプセルの製造方法

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JPH07171379A
JPH07171379A JP34405693A JP34405693A JPH07171379A JP H07171379 A JPH07171379 A JP H07171379A JP 34405693 A JP34405693 A JP 34405693A JP 34405693 A JP34405693 A JP 34405693A JP H07171379 A JPH07171379 A JP H07171379A
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JP
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maleic anhydride
microcapsules
anhydride copolymer
melamine
substance
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Masahiro Hata
昌宏 畑
Toshitsugu Hosokawa
敏嗣 細川
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Nitto Denko Corp
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Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 疎水性物質からなる芯物質にアルキロールプ
ロパンとジイソシアネートとの付加物からなる多官能イ
ソシアネート化合物を添加し、これを重量平均分子量が
100000以上であるイソブチレン−無水マレイン酸
共重合体又はメチルビニルエーテル−無水マレイン酸共
重合体のpHが3.0〜5.0である酸性水溶液中に乳
化、分散させて、前記疎水性物質の不連続な微粒子を形
成し、次いでこの乳化、分散液中にメラミン〜ホルムア
ルデヒド初期縮合物を添加し、加熱下で反応させて前記
微粒子表面に皮膜を形成させてなる。 【効果】良好な耐溶剤性、耐熱性を備え、芯物質の保持
能力に優れたマイクロカプセルを簡便に製造することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】この発明はマイクロカプセルの製造方法に
係り、その目的は耐溶剤性、耐熱性に優れた壁膜を有
し、芯物質の保持能力が極めて良好なマイクロカプセル
を、簡便に製造することができ、工業的製造法として汎
用することのできるマイクロカプセルの製造方法を提供
することにある。
【0002】
【従来の技術】現在、化合物のマイクロカプセル化は多
種多様な分野で行なわれている。このマイクロカプセル
化は、生理活性物質、農薬をはじめ、発泡剤、難燃剤、
光重合開始剤等で行なわれ、医療、農業、塗料、プラス
チック、印刷等の分野で幅広く使用されている。このよ
うなマイクロカプセルの製法としては、従来より物理的
方法、界面重合法、コアセルベーション法、in−si
tu重合法などが存在しているが、カプセル化できる芯
物質の適用範囲が広く、比較的簡便な方法で、しかも低
コストでマイクロカプセルを製造することができるとい
う点から、現在ではin−situ重合法が注目されて
いる。
【0003】一方、マイクロカプセル化技術が盛んに用
いられるようになるに従って、その性能についての要求
が高度化されてくるようになってきている。例えば、近
年、火災に対する安全性や環境問題への関心の高まりか
ら、家電製品や建材等のプラスチックに対する難燃性の
向上が要望されている。ところが、プラスチック等の樹
脂成形品中に難燃剤を添加することにより、樹脂成形品
の機械的強度等の諸特性が低下したり、或いは紫外線の
照射により樹脂の劣化が生じるなど、好ましくない現象
も生じてしまうなどの問題も存在していた。そこで、こ
のような問題を解決するために、難燃剤のマイクロカプ
セル化が検討されてくるようになり、樹脂成形時の熱に
は比較的安定で耐熱性に優れ、且つ紫外線の照射などに
より生じるハロゲンラジカルにより劣化しにくい壁膜を
備えたマイクロカプセル化技術が望まれてくるようにな
ってきている。
【0004】そのような要望を満たす技術として、特開
昭53−84881号公報において、エチレン−無水マ
レイン酸共重合体、メチルビニルエーテル−無水マレイ
ン酸共重合体、ポリアクリル酸、プロピレン−無水マレ
イン酸共重合体、ブタジエン−無水マレイン酸共重合
体、ビニルアセテート−無水マレイン酸共重合体の中か
ら選択される変性物質の存在下で、メラミン−ホルムア
ルデヒド樹脂からなる壁膜をin−situ重合法によ
って形成させる「微小カプセルの製造法」が開示されて
いた。一方、特公平2−57985号公報においては、
スチレン無水マレイン酸共重合体の酸性水溶液中に、メ
ラミン〜ホルマリン初期縮合物のポリメチロールメラミ
ンを加えてマイクロカプセルを製造する「微小カプセル
製造法」が開示されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記特開昭53−84
881号公報及び特公平2−57985号公報開示の製
造方法においては、いずれも芯物質の周囲に被覆させる
マイクロカプセルの壁膜として、メラミン〜ホルムアル
デヒド樹脂が使用されている。しかしながら、このメラ
ミン〜ホルムアルデヒド樹脂の皮膜からなる壁膜は、耐
熱性、耐衝撃性には優れているものの、緻密性に欠け、
内部に内包されている芯物質が、マイクロカプセルから
容易に溶出したり、或いはこのマイクロカプセルを溶剤
中に添加した場合では、溶剤が壁膜を通過してカプセル
内に浸透しやすいなどの課題が存在した。そこで、業界
では、耐熱性、耐衝撃性が良好で、しかも緻密性が高
く、内部の芯物質に対する保持性能に優れた壁膜を備
え、医薬品、農薬、染料、塗料、電気絶縁材料、家電製
品、建材、或いはその他、エンジニアリング分野で広く
配合されることのできる優れたマイクロカプセルを簡便
に製造し、工業的製造法として汎用することのできる優
れた製造技術の創出が望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明では、疎水性物
質からなる芯物質にアルキロールプロパンとジイソシア
ネートとの付加物からなる多官能イソシアネート化合物
を添加し、これを重量平均分子量が100000以上で
あるイソブチレン−無水マレイン酸共重合体又はメチル
ビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体のpHが3.
0〜5.0である酸性水溶液中に乳化、分散させて、前
記疎水性物質の不連続な微粒子を形成し、次いでこの乳
化、分散液中にメラミン〜ホルムアルデヒド初期縮合物
を添加し、加熱下で反応させて前記微粒子表面に皮膜を
形成させてなることを特徴とするマイクロカプセルの製
造方法を提供することにより、前記従来の課題を悉く解
消する。
【0007】
【発明の構成】以下、この発明に係るマイクロカプセル
の製造方法の構成について詳述する。この発明において
は、マイクロカプセルの芯物質として、疎水性物質が使
用される。疎水性物質としては、医薬、農薬、香料、染
料、接着剤、プラスチック等目的とするマイクロカプセ
ルの使用対象等により適宜なものを選択して使用すれば
よく、後述する多官能イソシアネート化合物と反応しな
いものであればいずれのものでも好適に使用でき、特に
限定はされない。また、この疎水性物質は、その性状が
液状の場合そのまま用いることができるが、固体のもの
を使用する場合では、可溶溶剤等に溶解して液状にして
から用いるのが、水溶液中に分散、乳化させた際の安定
性が良くなるため好ましい。この際、使用される溶剤と
しては、用いる疎水性物質の種類により適宜選択して使
用されればよいが、トルエン、酢酸エチル、ヘプタン、
シクロヘキサン、メチルエチルケトン、アセトン等が好
適に例示されるが、特に限定はされない。
【0008】この発明では、まず、疎水性物質からなる
芯物質に多官能イソシアネート化合物を添加し、混合す
る。ここで、多官能イソシアネート化合物としては、ア
ルキロールプロパンとジイソシアネートとの付加物が使
用される。この理由は、アルキロールプロパンとジイソ
シアネートとの付加物からなる多官能イソシアネート化
合物は、加熱下で三次元構造化されて、疎水性物質の微
粒子表面に薄膜を形成し、後述するメラミン樹脂の微粒
子への吸着を促進する効果があるとの、この発明者らの
鋭意研究による実験的知得に基づくからである。すなわ
ち、アルキロールプロパンとジイソシアネートとの付加
物以外の多官能イソシアネート化合物を使用した場合で
は、このような三次元構造化がなされず、疎水性物質の
微粒子表面に良好な皮膜を形成させることができないた
め、この発明では、特にアルキロールプロパンとジイソ
シアネートとの付加物からなる多官能イソシアネート化
合物を使用する。
【0009】ここで、芯物質に添加する多官能イソシア
ネート化合物の使用量としては、芯物質100重量部に
対して2〜20重量部程度の範囲とされるのが好まし
い。この理由は、多官能イソシアネート化合物の使用量
が芯物質100重量部に対して2重量部未満であると、
前述したような三次元構造化による薄膜を、芯物質の微
粒子表面に良好に形成させることができず、一方、20
重量部を超えて使用されると、未反応のイソシアネート
基が反応液中に残存してしまい、後述するメラミン樹脂
による皮膜を良好に形成させることができないため、い
ずれの場合も好ましくないからである。
【0010】前記した疎水性物質からなる芯物質に多官
能イソシアネート化合物を添加した後、次いでこの液状
体を、重量平均分子量が100000以上であるイソブ
チレン−無水マレイン酸共重合体又はメチルビニルエー
テル−無水マレイン酸共重合体のpHが3.0〜5.0
である酸性水溶液中に乳化、分散させて、疎水性物質の
不連続な微粒子を形成させる。ここで、特にイソブチレ
ン−無水マレイン酸共重合体又はメチルビニルエーテル
−無水マレイン酸共重合体溶液を使用するのは、これら
イソブチレン−無水マレイン酸共重合体又はメチルビニ
ルエーテル−無水マレイン酸共重合体溶液が、後述する
メラミン〜ホルムアルデヒド樹脂の疎水性物質の微粒子
表面への吸着を促進させる効果があるため、この発明の
マイクロカプセルの製造方法において、好ましく用いら
れるからである。また、使用するイソブチレン−無水マ
レイン酸共重合体又はメチルビニルエーテル−無水マレ
イン酸共重合体の重量平均分子量(MW)を特に100
000以上としたのは、重量平均分子量(MW)が10
0000未満であると、前記疎水性物質の安定なエマル
ジョンを得ることができず、好ましくないからである。
【0011】さらに、このイソブチレン−無水マレイン
酸共重合体又はメチルビニルエーテル−無水マレイン酸
共重合体は、そのpHが3.0〜5.0、好ましくは
3.5〜4.5に調製されて使用される。このようにp
Hを調製する理由は、イソブチレン−無水マレイン酸共
重合体又はメチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重
合体溶液のpHが3.0未満、或いは5.0を超えた場
合では、次に添加するメラミン〜ホルムアルデヒド樹脂
の初期縮合物による皮膜が、芯物質の周囲に均一に形成
されず、この発明の目的とする緻密性の高い壁膜を備え
たマイクロカプセルを製造することができず、好ましく
ないからである。
【0012】このようにして疎水性物質の不連続な微粒
子を形成させた芯物質の乳化、分散液中に、メラミン〜
ホルムアルデヒド初期縮合物を添加し、加熱下で前記メ
ラミン〜ホルムアルデヒド初期縮合物を反応させて、芯
物質の微粒子表面にメラミン樹脂からなる皮膜を形成さ
せ、マイクロカプセルを得る。ここで、メラミン〜ホル
ムアルデヒド初期縮合物としては、メラミン1モルに対
してホルムアルデヒド1.5〜4.0モル程度をpH8
〜9のアルカリ溶液中で加熱して得られるメチロールメ
ラミンが、いずれのものでも特に限定されることなく好
ましく使用され、例えば市販のユーラミンP−6300
〔商品名、三井東圧化学(株)製〕、Resimene
814〔商品名、モンサント(株)製〕等のメラミン樹
脂縮合物も好適に使用される。
【0013】このメラミン〜ホルムアルデヒド初期縮合
物を添加する際の反応温度は、50〜90℃とされ、少
なくとも2時間以上反応させる。この理由は、反応温度
が50℃未満であると、芯物質の周囲にメラミン樹脂に
よる充分な皮膜を形成させることができず、一方90℃
を超えた温度で反応を行なうと反応が激しすぎるため
か、液がゲル化してしまうことがあるため、いずれの場
合も好ましくないからである。さらに、反応時間が2時
間未満であると、メラミン〜ホルムアルデヒド初期縮合
物の反応が充分に行なわれず、芯物質の周囲に良好な皮
膜が形成されず、好ましくないからである。
【0014】以上のように、疎水性物質からなる芯物質
の周囲にメラミン樹脂からなる皮膜を形成させて得られ
たマイクロカプセルは、通常公知の手法、例えばマイク
ロカプセル微粒子の沈殿を濾別し、沈殿を洗浄するか、
又は洗浄することなく、100〜160℃程度で乾燥硬
化させ、最終生成物であるマイクロカプセルを得る、或
いは公知の噴霧乾燥装置により乾燥硬化させてマイクロ
カプセルを得る、或いは遠心分離、凍結乾燥等、適宜任
意の方法で分散液中より取り出される。
【0015】以上のように、この発明では芯物質の周囲
に、まずアルキロールプロパンとジイソシアネートとの
付加物からなる多官能イソシアネート化合物の三次元構
造化による薄膜を形成させ、次いでこの薄膜の周囲にメ
ラミン〜ホルムアルデヒド樹脂の初期縮合物の反応によ
り皮膜を形成させる工程からマイクロカプセルを製造す
るため、緻密性が高く、耐溶剤性、耐熱性に優れたマイ
クロカプセルを得ることができる。
【0016】
【実施例】以下、この発明に係るマイクロカプセルの製
造方法の効果を実施例を挙げることにより、一層明確に
説明する。但し、この発明は以下の実施例により何ら限
定はされない。
【0017】(実施例1)重量平均分子量が16500
0であるイソブチレン−無水マレイン酸共重合体〔クラ
レ(株)製、商品名:イソバン10〕100gと水酸化
ナトリウム0.58モルを水中で加熱し、イソブチレン
−無水マレイン酸共重合体の部分加水分解物の10wt
%水溶液を調製した。次いで、この水溶液中にクエン酸
水溶液及び蒸留水を加え、最終的にpH3.6で4wt
%の酸性水溶液を調製した。この酸性水溶液100gに
トリレンジイソシアネート−トリメチロールプロパン付
加物〔日本ポリウレタン社製、商品名:コロネートL〕
3.6gと、塩素化パラフィン〔味の素(株)製、商品
名:塩パラL−50〕60gの混合物を乳化機を用いて
乳化、分散させて平均粒径10〜30μmの微粒子を含
むエマルジョンを調製した。次いでこのエマルジョンに
メラミン〜ホルムアルデヒド初期縮合物〔三井東圧化学
(株)製、商品名:ユーラミンP−6300〕15gを
加え、70℃にて約180分間加熱してメチロール化メ
ラミンの反応生成物からなる皮膜を、前記微粒子の表面
に壁膜として形成させ、実施例1のマイクロカプセルを
得た。
【0018】(実施例2)イソブチレン−無水マレイン
酸共重合体の酸性水溶液のpHを、最終的に3.2に調
製した以外は前記実施例1と同様にマイクロカプセルを
得た。 (実施例3)イソブチレン−無水マレイン酸共重合体の
酸性水溶液のpHを最終的に4.2に調製した以外は前
記実施例1と同様にマイクロカプセルを得た。 (実施例4)重量平均分子量が750000であるメチ
ル化ビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体〔G.
A.F(株)製、商品名:AN−139〕を水に加えて
加熱溶解して10wt%水溶液(pH2.5)を調製し
た。この水溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加え、最終
的にpH3.6で4wt%の酸性水溶液を調製し、この
酸性水溶液に前記実施例1と同様にトリレンジイソシア
ネート−トリメチロールプロパン付加物と塩素化パラフ
ィンの混合物を乳化、分散させて実施例4のマイクロカ
プセルを得た。
【0019】(実施例5)メチル化ビニルエーテル−無
水マレイン酸共重合体の酸性水溶液のpHを最終的に
3.2とした以外は前記実施例4と同様の方法で実施例
5のマイクロカプセルを得た。 (実施例6)メチル化ビニルエーテル−無水マレイン酸
共重合体の酸性水溶液のpHを最終的に4.5とした以
外は前記実施例4と同様の方法で実施例6のマイクロカ
プセルを得た。
【0020】(比較例1)実施例1におけるイソブチレ
ン−無水マレイン酸水溶液のpHを最終的に2.8に調
製した以外は実施例1と同様の方法で比較例1のマイク
ロカプセルを得た。 (比較例2)実施例1におけるイソブチレン−無水マレ
イン酸水溶液のpHを最終的に5.0に調製した以外は
実施例1と同様の方法で比較例2のマイクロカプセルを
得た。 (比較例3)実施例4におけるメチルビニルエーテル−
無水マレイン酸水溶液のpHを最終的に2.5に調製し
た以外は実施例4と同様の方法で比較例3のマイクロカ
プセルを得た。 (比較例4)実施例4におけるメチルビニルエーテル−
無水マレイン酸水溶液のpHを最終的に5.5に調製し
た以外は実施例4と同様の方法で比較例4のマイクロカ
プセルを得た。
【0021】(比較例5)実施例1における、トリレン
ジイソシアネート−トリメチロールプロパン付加物〔日
本ポリウレタン(株)製、商品名:コロネートL〕と、
塩素化パラフィン〔味の素(株)製、商品名:塩パラL
−50〕との混合物に代えて、塩素化パラフィン〔味の
素(株)製、商品名:塩パラL−50〕のみ60gを用
いた以外は前記実施例1と同様に比較例5のマイクロカ
プセルを得た。
【0022】(比較例6)実施例1におけるイソブチレ
ン−無水マレイン酸共重合体の代わりに重量平均分子量
350000のスチレン−無水マレイン酸共重合体〔モ
ンサント(株)製、商品名:スクリプセット520〕を
用いた以外は実施例1と同様の方法で比較例6のマイク
ロカプセルを得た。 (比較例7)重量平均分子量が250000であるポリ
アクリル酸を水酸化ナトリウム水溶液でpHを調製し
て、最終的にpH3.5で4wt%の酸性水溶液を調製
した。この酸性水溶液中に前記実施例1と同様にトリレ
ンジイソシアネート−トリメチロールプロパン付加物と
塩素化パラフィンとの混合物を乳化、分散させて、比較
例7のマイクロカプセルを得た。 (比較例8)重量平均分子量が165000のイソブチ
レン−無水マレイン酸共重合体の代わりに重量平均分子
量60000のイソブチレン−無水マレイン酸共重合体
〔クラレ(株)製、商品名:イソバンチ〕を用いた以外
は前記実施例1と同様の方法で比較例8のマイクロカプ
セルを得た。
【0023】
【試験例】前記実施例1〜6及び比較例1〜8で得られ
たマイクロカプセルについて、それぞれ以下に示す方法
で、耐溶剤性、耐熱性の各項目について試験した。
この結果を表1に示す。
【表1】
【0024】耐溶剤性 前記実施例及び比較例で得られた乾燥した状態のマイク
ロカプセル0.1gに溶剤20cc(トルエン、酢酸エ
チル、シクロヘキサン)をそれぞれ加え、超音波洗浄機
で50℃にて60分間処理した後の芯物質の溶出%を液
体クロマトグラフィーにより定量して、この値を耐溶剤
性の指標とした。
【0025】耐熱性 前記実施例及び比較例で得られた乾燥した状態のマイク
ロカプセルを150℃にて2時間加熱し、その前後の重
量から減量%を求めて耐熱性の指標とした。
【0026】表1に示した結果から明らかな如く、実施
例の製造方法により得られたマイクロカプセルでは、溶
剤中に使用した場合であっても、芯物質の溶出が殆ど認
められず、芯物質の保持能力に優れたマイクロカプセル
であることが判る。さらに、150℃の加熱に対しても
優れた安定性を示すことが判る。一方、比較例の製造方
法により得られたマイクロカプセルでは、特にトルエ
ン、酢酸エチル溶剤中に使用すると、芯物質の溶出が著
しいことが判る。
【0027】
【発明の効果】以上詳述した如く、この発明は疎水性物
質からなる芯物質にアルキロールプロパンとジイソシア
ネートとの付加物からなる多官能イソシアネート化合物
を添加し、これを重量平均分子量が100000以上で
あるイソブチレン−無水マレイン酸共重合体又はメチル
ビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体のpHが3.
0〜5.0である酸性水溶液中に乳化、分散させて、前
記疎水性物質の不連続な微粒子を形成し、次いでこの乳
化、分散液中にメラミン〜ホルムアルデヒド初期縮合物
を添加し、加熱下で反応させて前記微粒子表面に皮膜を
形成させてなることを特徴とするマイクロカプセルの製
造方法であるから、前記試験例の結果からも明らかな如
く、良好な耐溶剤性、耐熱性を備え、芯物質の保持能力
に優れたマイクロカプセルを簡便に製造することがで
き、医薬薬、農薬、染料、塗料、接着剤、電気絶縁材
料、電化製品、建材、プラスチックなどの幅広い分野に
使用されるマイクロカプセルを工業的に汎用して製造す
ることができるという優れた効果を奏する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 疎水性物質からなる芯物質にアルキロー
    ルプロパンとジイソシアネートとの付加物からなる多官
    能イソシアネート化合物を添加し、これを重量平均分子
    量が100000以上であるイソブチレン−無水マレイ
    ン酸共重合体又はメチルビニルエーテル−無水マレイン
    酸共重合体のpHが3.0〜5.0である酸性水溶液中
    に乳化、分散させて、前記疎水性物質の不連続な微粒子
    を形成し、次いでこの乳化、分散液中にメラミン〜ホル
    ムアルデヒド初期縮合物を添加し、加熱下で反応させて
    前記微粒子表面に皮膜を形成させてなることを特徴とす
    るマイクロカプセルの製造方法。
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