JPH0633578B2 - 皮革様シート状物の製造法 - Google Patents

皮革様シート状物の製造法

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JPH0633578B2
JPH0633578B2 JP1064680A JP6468089A JPH0633578B2 JP H0633578 B2 JPH0633578 B2 JP H0633578B2 JP 1064680 A JP1064680 A JP 1064680A JP 6468089 A JP6468089 A JP 6468089A JP H0633578 B2 JPH0633578 B2 JP H0633578B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は反発性が小さく、柔軟で、手に触れた感覚がぬ
めり感を感ずる表面を有し、透気性、透湿性、表面強
さ、多孔構造の破壊に対する抵抗性の良好な皮革様シー
ト状物の製造法に関するものである。
<従来の技術> 従来、ポリウレタンを主体とする重合体の多孔質表面層
を有する皮革様シート状物において、表面の物性を改良
することについては多くの提案がある。とりわけ、表面
の折れ皺形態、透気性、透湿性、反発性などの改良につ
いて、皮革様シート状物の構造と構成を主体に使用原
料、製造条件などを検討して来た。例えば、皮革様シー
ト状物の構造と構成の面からは、平均直径約20〜20
0μmの蜂窩状多孔構造の多孔質表面を研削し、表皮
(スキン層)を除去して露出表面の大部分の気泡直径が
10μm以上になるようにし、その気泡露出表面に重合
体被膜層を形成していわゆる銀面に仕上げた皮革様シー
ト状物が特公昭40−20273号公報、特公昭47−
38623号公報、特公昭54−963号公報に提案さ
れている。更に、本出願人は表面に孔の大きさが3〜1
00μmのミクロホールを多数有する多孔質構造の表面
層の表面にポリウレタン溶液を塗布し、ミクロホールを
整形して微細孔に仕上げた表面にミクロホールを有する
皮革様シート状物を特公昭56−10345号公報、特
公昭56−10346号公報に提案している。
<発明が解決しようとする課題> 従来の皮革様シート状物が外観性能の改良、例えば、折
れ皺形態を天然皮革に類似させるとか、ドレープ性を改
良して見た目の重厚感を得るとか、また、性能的には透
気性、透湿性を高めることに検討の方向があつた。しか
し、従来の皮革様シート状物は柔軟性であるが感触的に
はかさかさした乾いた手触りであつた。そこで、ぬめり
感を持った柔軟な風合い、触感の皮革様シート状物とす
るために、柔軟剤や可塑剤あるいは風合い改良のための
油剤で処理することも行われているが、これらの処理剤
だけで処理した場合には処理剤特有のべとつきが生じた
り、長時間経過すると処理剤のブリードやポリウレタン
に好ましくない作用を及ぼすとかで、処理剤だけで触感
を改良することは好ましくない。
一方、従来の多孔質層あるいは非多孔質層を有する皮革
様シート状物の表面に、例えば、スキン層を除去せずに
柔軟な重合体あるいは柔軟な重合体と油脂などの処理剤
との組成物を塗布した場合には、表面の摩擦抵抗が大き
くなり、耐摩耗性が悪くなつたり、あるいは耐熱性が低
下したりして好ましくないものとなる。更に、表面の型
押しによる賦型性が悪くなるなどの問題が生起する。
本発明は反発感が小さく、柔軟で、手で触れた感覚がタ
ツクのないぬめり感のある表面であつて、表面の引っ掻
き強さ、摩耗強さ、表面層の破壊強さ、透気性、透湿性
などに優れ、更に、天然皮革に類似の表面および折れ皺
形態を有しており、見た目の重厚感、柔軟さを感ずる視
覚的性能を併せもつた皮革様シート状物を提供するにあ
る。
<課題を解決するための手段> 本発明は、繊維集合体に弾性重合体を主体とした重合体
を含有した基体層と弾性重合体を主体とした重合体の多
孔質層とからなる皮革様シート状物において、該皮革様
シート状物の多孔質層内部の微細多孔質部分を露出させ
た表面とした後、ポリウレタンおよび/またはアクリル
系樹脂の水系分散液、油脂、乳化剤、カゼイン水系分散
液あるいは水溶液からなる水系樹脂組成液〔I〕を塗布
し、乾燥することを特徴とする皮革様シート状物の製造
法である。
また、本発明は、繊維集合体に弾性重合体を主体とした
重合体を含有した基体層と弾性重合体を主体とした重合
体の多孔質層とからなる皮革様シート状物において、該
皮革様シート状物の多孔質層内部の微細多孔質部分を露
出させた表面とした後、ポリウレタンおよび/またはア
クリル系樹脂の水系分散液、油脂、乳化剤、カゼイン水
系分散液あるいは水溶液からなる水系樹脂組成液〔I〕
を塗布した後、アクリル系樹脂エマルジヨンまたはポリ
ウレタンエマルジヨンと硝化綿ラツカーの溶液との樹脂
組成液および油脂、乳化剤とからなる有機溶剤を含む樹
脂組成液〔II〕を塗布し、乾燥して塗膜層を形成させる
ことを特徴とする皮革様シート状物の製造法である。
すなわち、本発明は、普通繊維、極細繊維および/また
はその束状繊維、特殊多孔繊維などのいずれかの繊維で
作られた織布、編布あるいは繊維絡合不織布などの繊維
集合体に、ポリウレタン、アクリル系重合体、アクリロ
ニトリル・ブタジエン共重合体、スチレン・ブタジエン
共重合体などの合成ゴムなどの弾性重合体の群から選ば
れた少なくとも1種類の弾性重合体を主体とした重合体
を含有させて得た、弾性重合体を主体とした重合体と繊
維集合体とからなる基体層。その基体層の一面にポリウ
レタン、可塑化ポリ塩化ビニルなど弾性重合体を主体と
した重合体の多孔質層を表面層としたシート状物を形成
し、皮革様シート状物の基材とし、この基材シート状物
の多孔質層表面のスキン層をサンドペーパーなどで研削
して、多孔質層内部の微細多孔質部分を露出させた表面
とする。しかる後、その露出した微細多孔質表面にポリ
ウレタンおよび/またはアクリル系樹脂の水系分散液、
油脂、乳化剤、カゼイン水系分散液あるいは水溶液から
なる樹脂組成液〔I〕を塗布し、乾燥して多孔質部分の
気孔壁面を主体に樹脂組成物処理剤を付与して皮革様シ
ート状物を製造するものである。
更に、上記のシート状物の多孔質層表面の多孔質部分の
気孔壁面を主体に樹脂組成物処理剤を付与した面に、ア
クリル系樹脂エマルジョンまたはポリウレタンエマルジ
ョンと硝化綿ラツカーの溶液との樹脂組成物および油
脂、乳化剤とからなる有機溶剤を含む樹脂組成物〔II〕
を塗布し、乾燥して塗膜層を形成させることによつて皮
革様シート状物を製造するものである。
本発明で、仕上げ処理に使用するポリウレタンは、平均
分子量500〜2500のポリマージオール、例えば、
ポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリエ
ステルエーテルジオール、ポリカプロラクトンジオー
ル、ポリカーボネートジオールなどの群から選ばれた少
なくとも1種類のポリマージオールと、有機ポリイソシ
アネート、例えば、芳香族ジイソシアネート、芳香族ト
リイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、環状基を
有する脂肪族ジイソシアネート、トリフエニルメタン4,
4′,4″−トリイソシアネートなどの群から選ばれた
少なくとも1種類の有機ポリイソシアネートと、活性水
素原子を少なくとも2個有する低分子化合物を鎖伸長剤
として反応させて得たポリウレタンであり、このポリウ
レタンは最終的に水系分散液として使用する。また、ア
クリル系樹脂は、例えば、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸ブチル、メチルメタアクリル酸エ
ステルなどのアクリル系モノマーの少なくとも1種類を
重合して得たアクリル系樹脂、あるいはアクリル系モノ
マーと他のビニルモノマーとの共重合体であるアクリル
系樹脂である。このアクリル系樹脂は最終的には水系分
散液として使用する。また、重合体の配合剤として配合
する油脂としては、例えば、ひまし油、あまに油、綿実
油、けし油、桐油、ひまし油などの硬化油などの天然油
脂、リシノール酸、クノレイン酸などの不飽和高級脂肪
酸などから選ばれた1種類の油脂であり、乳化剤として
は、例えば、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活
性剤などから選ばれた樹脂、樹脂組成物および油脂等を
乳化させ得る活性剤からなる乳化剤である。それにカゼ
インの水溶液あるいは水系分散液を配合して水系樹脂組
成液〔I〕とする。更に、水系樹脂組成液〔I〕には着
色剤、例えば、無機顔料、有機顔料、金属錯塩染料、酸
性染料などから選ばれた着色剤を添加しておくことも好
ましい。そして、水系樹脂組成液〔I〕の好ましい樹脂
組成物は樹脂100重量部に対して、油脂10〜40重
量部、乳化剤1〜10重量部、カゼイン10〜50重量
部、着色剤1〜20重量部の範囲で配合した樹脂組成物
である。また、必要に応じて、例えば、光安定剤、酸化
防止剤、発水剤、発油剤等の添加剤から選ばれた添加剤
を添加しておくことも良い。この樹脂組成物は見かけ上
水系分散液として使用するが、分散液には液の安定を損
なわない範囲で少量の有機溶剤、例えば、エーテル類、
アルコール類、ケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなど
のエステル類、トルエン、ベンゼン、キシレンなどの芳
香族炭化水素類などの群から選ばれた有機溶剤を添加し
ておくことも良い。水系分散液中の樹脂組成物の濃度は
5〜30重量%の範囲であり、樹脂組成物の濃度が小さ
いと塗布回数を多くしないと目的の効果が得られない。
また、樹脂組成物の濃度が高いと十分に微細気孔内に浸
透しないので目的とする効果が十分に得られない。この
水系樹脂組成液〔I〕を多孔質表面に塗布する方法は、
例えば、刻目を有するロール、平滑面ロールなどのロー
ルを用いて塗布するロール塗布法、スプレー塗布法、表
面接触法などの方法により塗布する。好ましい塗布方法
は、塗布の均一性や微細気孔内に浸透させ易いことなど
からロール塗布法である。塗布量は樹脂組成物として2
0〜100g/m2の範囲である。塗布量が少ないと十分に
目的が達せられないが、塗布量が多すぎると多孔質の気
孔が塞がってしまい透気性、透湿性等を低下させるほ
か、外観を損なうものとなる。
また、本発明の多孔質部分の気孔壁面を主体に樹脂組成
物を付与したシート状物の多孔質層表面には、更に表面
に塗膜層を付与してもよい。塗膜層を形成する樹脂組成
物は、アクリル系樹脂またはポリウレタンのエマルジヨ
ンと硝化綿ラツカーの溶液との樹脂組成液を使用する。
アクリル系樹脂またはポリウレタン(R)と硝化綿ラツカ
ー(N)との樹脂混合比は重量比で(R)/(N)=40/60
〜20/80の範囲であり、この範囲を越えて硝化綿ラ
ツカーの量が少ないと、表面摩擦抵抗が大きくなる。一
方、硝化綿ラツカーの量が多くなると表面の触感が乾い
た状態のものになつたり、塗布層の接着強力が弱くなる
などして好ましくない。そして、この樹脂組成物に配合
する油脂、乳化剤の配合比は上記の多孔質部分の気孔に
付与した水系樹脂組成液〔I〕の組成物と同じ組成でよ
い。また、この樹脂組成物は見かけ上、水系樹脂組成液
〔II〕として使用しても良いし、あるいは樹脂組成液の
安定化を損なわず、かつ多孔質構造を損なわない有機溶
剤、例えば、シンナー、エーテル類、アルコール類、酢
酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、トルエン、ベ
ンゼン、キシレン、シクロヘキサン、シクロヘキサノ
ン、ケトン類などの群から選ばれた少なくとも1種類の
有機溶剤を添加した樹脂組成液〔II〕としておくことも
良い。この、樹脂組成液〔II〕中の樹脂組成物の濃度は
5〜30重量%であり、この濃度範囲以外では十分に良
好な塗膜量を形成することが難しいとか、透気性、透湿
性などが損なわれて好ましくないものとなる。この樹脂
組成液〔II〕の塗膜層を形成させるために塗布する方法
は、例えば、刻目を有するロール、平滑面ロールなどの
ロールを用いて塗布するロール塗布法、スプレー塗布
法、表面接触法などの方法で塗布する。好ましい塗布方
法は塗布の均一性や塗膜の透気性、透湿性の高さの点か
らロール塗布法である。樹脂組成液〔II〕の塗布量は樹
脂組成物として20〜50g/m2の範囲である。樹脂組成
物の塗布量が少ないと、柔軟性を損なわずにより光沢の
ある平滑面に仕上げることが難しい。一方、塗布量が多
くなると透気性、透湿性が損なわれ、外観性能としての
折れ皺形態が悪いものとなる。また、この樹脂組成物の
塗布によつて表面塗膜層を形成する場合、多孔質層表面
に内部気孔を露出させずに、あるいは多孔質層内部気孔
に十分な樹脂組成物〔I〕を付与しない状態で、表面に
樹脂組成物〔II〕の塗膜層を形成すると、後で行う仕上
げ処理で塗膜層が剥離するとか、十分なエンボシングが
掛けられないとか、揉み皺が付かないとかの好ましくな
いものとなる。
樹脂組成物〔I〕あるいは樹脂組成物〔I〕および〔I
I〕を付与して得たシート状物は、乾燥し、皮革様シー
ト状物としての仕上げ処理、例えば、エンボシング、揉
み柔軟化処理、表面の色調あるいは光沢調整などを行っ
て皮革様シート状物の製品を得る。
本発明で得た皮革様シート状物は、表面がタツクのない
ぬめり感を有する触感であつて、折れ皺形態およびドレ
ープ性が天然皮革に類似し、見た目の重厚感と色の深み
があり、かつ色調が濃く見えるものとなり、透気性、透
湿性で、表面層の圧縮抵抗、摩耗強度、引っ掻き抵抗な
どの表面性能に優れた皮革様シート状物となる。
本発明の皮革様シート状物は、スポーツシユーズ、紳士
靴などの靴甲革、鞄、袋物、衣料、手袋などに使用する
のに適している。
<実施例> 次に、本発明の実施態様を具体的な実施例で説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。なお、実施例中の部および%はことわりのない限
り、重量に関するものである。
実施例1 ポリエチレンテレフタレート極細繊維束状繊維の絡合不
織布に、青系着色剤を含むポリエステル系ポリウレタン
が多孔質状態で含有してなる基体層の一面に、ポリエス
テル/ポリエーテル系ポリウレタン組成溶液から湿式凝
固して得た平均厚さ0.35mmの多孔質表面層を形成した基
材シートを得た。この基材シートの多孔質表面層の気泡
構造は平均直径が120〜210μmの範囲にあり、表
面に対してほぼ垂直方向に伸びた気泡が支配的に存在し
てる見かけ密度約0.28g/cm2の表面層である。
この基材シートの多孔質層表面をサンドペーパーでバフ
イングしてスキン層を約0.08mmの厚さを除去して多孔質
層内部の気泡が露出した面とした。この気泡の露出した
表面に塗布する水系樹脂組成液〔I〕とし、アクリル系
樹脂エマルジョン(樹脂濃度45%)160部、黒色顔
料配合カゼイン水系分散液(カゼイン濃度30%)10
0部、ひまし油を主体とした植物油乳化液(植物油濃度
50%)30部、および水200部からなる水系樹脂組
成系〔I〕を調整した。この水系樹脂組成液〔I〕を多
孔質層の内部気泡の露出した表面に、樹脂組成物量(乾
燥後の残留成分量)として80g/m2になる水系樹脂組成
液量を刻目ロールを用いたロール塗布法により塗布し、
乾燥して樹脂を付与したシート状物Aを得た。このシー
ト状物Aは樹脂組成物の大部分が多孔質層内部の気泡面
に付与されていた。次いで、樹脂組成物を付与した多孔
質層表面を梨地模様のエンボスロールを用い、温度15
0℃で加熱エンボスを行って皮革様シート状物に仕上げ
た。
得られた皮革様シート状物は表面がしっとりした触感で
あつて、深みのある黒度を有し、透気度65秒/100c
c、透湿度1495g/m2・24hr.であつた。
比較例1 実施例1の基材シートの多孔質層のスキン層を除去せず
に、実施例1で使用した水系樹脂組成液〔I〕を同様に
塗布して乾燥し、表面がアクリル系樹脂組成物の塗膜層
を形成したシート状物Bとし、同じ条件で加熱エンボス
を行ったが、実施例1の条件では温度が高くて表面塗膜
層が剥離してしまい。エンボスが掛けられない。そのた
めに、エンボス温度110℃に下げて加熱エンボスを行
い、皮革様シート状物に仕上げた。得られた皮革様シー
ト状物は十分なエンボスが掛けられないために、外観が
悪く、透気度10分以上、透湿度375g/m2・24hr.と性
能的には良くないものであつた。
この皮革様シート状物でサツカーシユーズを作り、サツ
カーボールの蹴り状態を調べた。その結果、実施例1の
皮革様シート状物で作った靴はボールの蹴り性(目標方
向に飛球する)がよく、しかも靴の耐摩耗性が良いもの
であり、長期にわたって使用できた。一方、比較例の皮
革様シート状物で作った靴は10回程度まではボールの
蹴り性が良いが、それ以上は表面の多孔質層が損傷して
しまつた。
実施例2 実施例1の水系樹脂組成物〔I〕を付与したシート状物
Aの多孔質層表面に塗膜層を形成させる樹脂組成液〔I
I〕として、アクリル系樹脂エマルジヨン(樹脂濃度4
5%)40部、硝化綿ラツカー溶液(樹脂濃度30%)
100部、ひまし油を主体とした植物油乳化液(植物油
濃度50%)30部、有機溶剤150部からなる樹脂組
成液〔II〕を調整した。この樹脂組成液〔II〕を多孔質
層表面に樹脂組成物量(乾燥後の残留組成分量)として
50g/m2になる樹脂組成液〔II〕を刻目ロールを用いた
ロール塗布法で塗布し、乾燥して塗膜層を形成した。次
いで、多孔質層表面塗膜層面にカーフ調模様のエンボス
ロールで加熱エンボスを行ってカーフ調の皮革様シート
状物を得た。この皮革様シート状物は更に揉み処理して
仕上げた。
得られた皮革様シート状物は柔軟な風合と、天然皮革様
の表面の折れ皺形態と触感であり、深みのある色相と見
た目の重厚感のあるものであつた。また、透気度335
秒/100cc、透湿度975g/m2・24hr.と良好である。
実施例3 ナイロン−6繊維絡合不織布に黒顔料で着色したポリエ
チレンアジペート・ポリオキシテトラメチレン混合ソフ
トセグメントでなるポリウレタンが多孔質状態で含有し
てなる基体層の一面にポリカプロラクトン・ポリオキシ
テトラメチレン混合ソフトセグメントでなるポリウレタ
ンの微多孔質表面層を付与した基材シートを用い、微多
孔質層の表面スキン層をサンドペーパーでバフイングし
て内部の気泡を露出した面とした。この気泡の露出した
面に塗布する水系樹脂組成液〔I〕として、ポリカーボ
ネート系ポリウレタンエマルジョン(樹脂濃度40%)
180部、黒色顔料配合カゼイン水系分散液(カゼイン
濃度30%)100部、植物油乳化液(植物油濃度50
%)30部、ヒンダードアミン系光安定剤1部および水
200部からなる水系樹脂組成液〔I〕を調整した。こ
の水系樹脂分散液〔I〕を気泡の露出した表面層表面に
樹脂組成物量(乾燥後の残留成分量)として65g/m2
なる水系樹脂組成液量をロール塗布法で塗布し、乾燥し
てシート状物Cを得た。このシート状物Cの表面をカー
フ調模様のエンボスロールを用い、温度150℃で加熱
エンボスを行って皮革様シート状物に仕上げた。
得られた皮革様シート状物は、表面がしっとりしたぬめ
り感と、深みのある黒度を有し、透気度80秒/100c
c、透湿度1675g/m2・24hr.と良好な性能であつた。
実施例4 実施例3で得たシート状物Cの表面に塗膜層を形成させ
る樹脂組成液〔II〕として、ポリカーボネート系ポリウ
レタン85部、ポリオキシエチレン系ポリウレタン15
部のポリウレタン混合エマルジョン(樹脂濃度40%)
50部、硝化綿ラツカー溶液(樹脂濃度30%)100
部、黒系顔料2.5部、植物油乳化液(植物油濃度50
%)30部、ヒンダードアミン系安定剤1.5部および有
機溶剤150部からなる樹脂組成液〔II〕を調整し、こ
の樹脂組成液〔II〕をシート状物Cの表面に樹脂組成物
量として(乾燥後の残留組成分量)として40g/m2にな
る樹脂組成液〔II〕をロール塗布法で塗布し、乾燥して
塗膜層を形成した。次いで、表面塗膜層面に梨地模様の
エンボスロールで加熱エンボスを行って皮革様シート状
物を得た。この皮革様シート状物は更に揉み処理して仕
上げた。
得られた皮革様シート状物は黒度があり、透湿度129
0g/m2・24hr.であり、学振型平面摩耗試験器による荷重
500g、回数1000回の摩耗試験結果は1級(異状
無し)である。
この皮革様シート状物はスポーツシユーズ用として好適
の素材であつた。
<発明の効果> 本発明の皮革様シートは、多孔質層表面がタツクのない
ぬめり感を有する触感で、折れ皺形態およびドレープ性
が天然皮革に類似し、見た目の重厚感と色の深みがあ
り、かつ色調が濃く見えるものとなり、透気性、透湿性
が高く、表面の圧縮抵抗、摩耗強度、引っ掻き抵抗など
の表面性能に優れたものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維集合体に弾性重合体を主体とした重合
    体を含有した基体層と弾性重合体を主体とした重合体の
    多孔質層とからなる皮革様シート状物において、該皮革
    様シート状物の多孔質層内部の微細多孔質部分を露出さ
    せた表面とした後、ポリウレタンおよび/またはアクリ
    ル系樹脂の水系分散液、油脂、乳化剤、カゼイン水系分
    散液あるいは水溶液からなる水系樹脂組成液〔I〕を塗
    布し、乾燥することを特徴とする皮革様シート状物の製
    造法。
  2. 【請求項2】繊維集合体に弾性重合体を主体とした重合
    体を含有した基体層と弾性重合体を主体とした重合体の
    多孔質層とからなる皮革様シート状物において、該皮革
    様シート状物の多孔質層内部の微細多孔質部分を露出さ
    せた表面とした後、ポリウレタンおよび/またはアクリ
    ル系樹脂の水系分散液、油脂、乳化剤、カゼイン水系分
    散液あるいは水溶液からなる水系樹脂組成液〔I〕を塗
    布した後、アクリル系樹脂エマルジヨンまたはポリウレ
    タンエマルジヨンと硝化綿ラツカーの溶液との樹脂組成
    液および油脂、乳化剤とからなる有機溶剤を含む樹脂組
    成液〔II〕を塗布し、乾燥して塗膜層を形成させること
    を特徴とする皮革様シート状物の製造法。
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