JP2883126B2 - 多孔質構造物の製造方法 - Google Patents

多孔質構造物の製造方法

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JP2883126B2 JP27867689A JP27867689A JP2883126B2 JP 2883126 B2 JP2883126 B2 JP 2883126B2 JP 27867689 A JP27867689 A JP 27867689A JP 27867689 A JP27867689 A JP 27867689A JP 2883126 B2 JP2883126 B2 JP 2883126B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、分子鎖中に、ポリアミノ酸成分とシリコー
ンセグメント含有ポリウレタン成分を含む樹脂から得ら
れる多孔質構造物に関し、特に合成皮革、人工皮革、天
然皮革などの皮革類の表面形成膜、各種セパレータ膜、
医療分野などに用いられる連通孔を有する高透湿性・高
通気性の微多孔性膜に関する。
〔従来の技術〕
高透湿性膜の製造方法は、従来から多く提案され、実
用化されている。その方法を列挙すると、ポリオキシエ
チレンセグメントを含有する親水性ポリウレタン被膜、
シリコーンセグメントおよびポリオキシエチレンセグメ
ントを含有するポリウレタンなどの乾式被膜、ポリアミ
ノ酸ウレタン(PAU)の乾式および湿式被膜、フッ素化
合物の延伸被膜、ポリウレタン−メチルエチルケトンス
ラリーのW/O型エマルジョンの選択蒸発による乾式法な
どがある。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、これらの従来の方法で得られるポリウ
レタン系被膜は、そのポリウレタン系材質の特性より透
湿度には限界があり、通気性も無く不満足なものであ
り、その他のものも、通気度、透湿度のバランスは実用
要求レベルからみると不満足なものであった。また、衣
料、家具シート、車両シート、靴甲革、靴裏材などに用
いられる合成皮革、人工皮革、天然皮革などの皮革類の
表面仕上膜には、ポリアミノ酸成分を含有する樹脂の特
性を生かした高透湿・高通気性被膜が快適さの面から望
まれているが、未だに満足すべき方法がなく、実施され
ていない。
本発明は、前記従来技術の課題を背景になされたもの
で、合成皮革、人工皮革、天然皮革などの皮革類の表面
形成膜、各種セパレータ膜、医療分野などに用いられ
る、連通孔を有する高透湿性・高通気性の微多孔性膜を
具備した多孔質構造物の製造方法を提供することを目的
とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、分子鎖中に、ポリアミノ酸成分とシリコー
ンセグメント含有ポリウレタン成分を含む樹脂(以下
「シリコーンセグメント含有PAU」あるいは単に「樹
脂」という)および相分離凝固核剤を含む有機溶剤溶液
を支持体上に処理したのち、乾燥させて相分離させるこ
とを特徴とする多孔質構造物の製造方法を提供するもの
である。
一般に、ポリ−γ−メチル−L−グルタメートのよう
なポリアミノ酸は、硬く伸度が小さいために本発明の目
的とする多孔質構造物、特に皮革類の表面形成膜、各種
セパレータ膜には強度的に不適当であるが、ポリウレタ
ン成分をその分子構造中に含有するポリアミノ酸(PA
U)は、柔らかく伸度も大きいため強度の優れた微多孔
質膜を得ることができる。
しかしながら、ポリウレタン成分をその分子構造中に
含有するポリアミノ酸は、ポリアミノ酸成分のみから構
成される重合体に比較して透湿性、吸湿性、放湿性など
の特性に劣る。
また、ポリウレタン成分をその分子構造中に含有する
ポリアミノ酸は、ゴム弾性を有していることから、ポリ
アミノ酸成分のみから構成される重合体に比較し、多孔
質構造物とした場合、大きな圧力が加えられたときに孔
が融着して潰れるという問題がある。さらに、皮革類の
表面形成膜としてポリウレタン成分をその分子構造中に
含有するポリアミノ酸は、ポリアミノ酸成分のみから構
成される重合体に比較して、ポリウレタン成分の特性が
若干あるため、表面触感がやや粘着性を帯びている。
本発明は、前記ポリウレタン成分をその分子構造中に
含有するポリアミノ酸の短所を、該ポリウレタン成分中
にシリコーンセグメントを含有させることによって、大
幅に改良した多孔質構造物の製造方法を提供するもので
ある。
そして、本発明により得られる多孔質構造物は、ポリ
ウレタン成分中にシリコーンセグメントを含んでいるた
め、透湿性、放湿性が改良され、また多孔質構造物に大
きい圧力を加えても孔壁が融着せず変形した孔は回復し
て傷とならず、さらに表面触感もポリウレタン特有の粘
着性が無くなるという特徴を有している。
ここで、本発明に係る前記シリコーンセグメント含有
PAUとは、前記のように分子鎖中にアミノ酸がポリペプ
チド結合してなるポリアミノ酸成分と、シリコーンジオ
ールおよび必要に応じて該シリコーンジオール以外の通
常のポリウレタン生成用に使用されるジオールと有機ジ
イソシアネートから構成される、シリコーンセグメント
含有ポリウレタン成分とのブロック共重合体を主成分と
するものである。なお、前記シリコーンジオールは、シ
リコーンジアミンと置換したり、あるいは該ジアミンと
併用することもできる。
すなわち、本発明に使用されるシリコーンセグメント
含有PAUは、例えばシリコーンセグメントを構成するシ
リコーンジオールおよび/またはシリコーンジアミン
(必要に応じてさらに通常のジオール成分)と有機ジイ
ソシアネートとを反応させて、まずシリコーンセグメン
ト含有ポリウレタン成分を製造し、これにアミノ酸を添
加してポリアミノ酸成分を付加することによって、ポリ
アミノ酸とシリコーンセグメント含有ポリウレタン成分
とがブロック状に共重合してなるものである。
なお、本発明に使用されるシリコーンセグメント含有
PAUは、ポリアミノ酸成分とシリコーンセグメント含有
ポリウレタンとを主成分とするものであれば、前記の樹
脂の定義および製造方法に限定されるものではない。
ここで、前記ポリアミノ酸成分としては、ポリ−γ−
メチル−L−グルタメート、ポリロイシンなどが挙げら
れ、特にポリ−γ−メチル−L−グルタメートが好まし
い。ポリアミノ成分の前記樹脂中における割合は、ポリ
アミノ酸の特性を得られる多孔性構造物に反映させる目
的から5重量%以上、好ましくは20重量%以上、さらに
好ましくは20〜70重量%である。
ポリアミノ酸の含有量が5重量%未満では、得られる
多孔質構造物の透湿性、吸湿性、放湿性などの特性が劣
ることになる。
また、シリコーンセグメントを構成するシリコーンジ
オールとしては、両末端カルビノール基のジメチルポリ
シロキサン/アルキルジオール、ジメチルポリシロキサ
ン/エーテルジオール、ジメチルポリシロキサン/エス
テルジオールなどが挙げられる、一方シリコーンジアミ
ンとしては両末端プロピルアミン変性ジメチルポリシロ
キサンなどが挙げられ、好ましくは両末端カルビノール
基のジメチルポリシロキサン/エーテルジオールであ
る。
シリコーンセグメントの樹脂中における割合は、通
常、2〜50重量%、好ましくは4〜20重量%である。2
重量%未満ではポリウレタンの本来の欠点となっている
透湿性、放湿性が改良されず、また得られる多孔質構造
物に大きな圧力を加えると孔壁が融着して変形し回復し
ない場合があり、一方50重量%を超えると得られる多孔
構造物の強度が低下し、またシリコーンの特性が強く表
われるため接着性、滑性過剰などの問題が発生するので
好ましくない。
さらに、本発明により得られる多孔質構造物を構成す
るシリコーンセグメント以外のポリウレタン成分として
は、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート
あるいは芳香族ジイソシアネートなどの有機ジイソシア
ネートと、前記シリコーンジオールおよび/またはシリ
コーンジアミン以外のポリエステルジオール、ポリエー
テルジオール、ポリカーボネートジオールなどの長鎖ジ
オールと、低分子ジオールおよび/または低分子ジアミ
ンなどの鎖伸長剤とからなるものを挙げることができ
る。
本発明に使用されるシリコーンセグメント含有PAU
は、有機溶剤に溶解あるいは分散された溶液あるいは分
散液として、相分離凝固核剤によって多孔質構造物に成
形される。
この場合、他の高分子重合体を混合してもよい。
混合溶解される高分子重合体としては、通常のポリウ
レタン、ポリ塩化ビニル、スチレン−ブタジエンゴム、
アクリル酸エステル重合体などの従来公知のものが使用
できる。また、シリコーンセグメント含有PAUの有機溶
剤溶液には溶解しない高分子重合体粉末、あるいは有機
物、無機物の粉末を分散混合することもできる。これら
のなかには、乾燥によって相分離を生じさせた後の多孔
性効果を発揮されるものもあるので、本発明では有用で
ある。これらの例としては、ベンゾグアナミン樹脂粉
末、ポリアクリル酸樹脂粉末、シリコーン粉末、ポリア
ミノ酸粉末、皮革粉末などである。
前記有機溶剤としては、シリコーンセグメント含有PA
Uに対して溶解あるいは分散させうる溶剤を意味し、例
えばエチレンジクロライド、メチルエチルケトン、チト
ラヒドロフラン、N,N′−ジメチルホルムアミド、ジオ
キサンなどが挙げられる。また、蒸発乾燥速度の調整、
あるいは相分離凝固核剤の相分離性の調整の意味から、
前記有機溶剤の2種以上の混合溶剤を選択使用すること
も可能である。
シリコーンセグメント含有PAUの有機溶剤溶液あるい
は有機溶剤分散液の濃度は、任意に決定できるが、高沸
点有機溶剤を用いる場合には、乾燥を速めるために高濃
度で使用することが好ましい。なお、希釈する場合に
は、低沸点有機溶剤を用いる方がよい。
また、有機溶剤の濃度は、使用する相分離凝固核剤の
種類および有機溶剤の種類によって、相分離を生じさせ
ない適正な濃度範囲があるので、これらを考慮したうえ
で決定すべきである。あまりにも低濃度で使用すると、
乾燥が遅くなるばかりか、場合によっては得られる多孔
質の強度が小さくなり好ましくない。一方、あまにも高
濃度で使用すると、溶液あるいは分散液の安定性が得ら
れ難いので避けた方がよい。以上のことから、シリコー
ンセグメント含有PAUの有機溶剤濃度は、5〜50重量
%、好ましくは7〜25重量%である。
本発明に使用される前記相分離凝固核剤とは、シリコ
ーンセグメント含有PAUの有機溶剤溶液あるいは有機溶
剤分散液において、有機溶剤に一定範囲で可溶であり、
かつこのシリコーンセグメント含有PAUとは相溶性が小
さく、かつ結晶性が大きく、該有機溶剤の蒸発時にこの
シリコーンセグメント含有PAUよりも速く粒子状に析出
する物質を意味するものである。このような相分離凝固
核剤としては、例えばマレイン酸、マレイン酸ナトリウ
ム、尿素、硫酸ナトリウム、ヒドロキノン、セルロース
アセテート・ブチレートエステル、セルロースアセテー
ト・プロピオネートエステル、ウレタン変性ポリ塩化ビ
ニルなどが挙げられる。これらの相分離凝固核剤の選択
は、使用するシリコーンセグメント含有PAUの種類とこ
れを溶解あるいは分散する有機溶剤の種類によって適宜
選択される。例えば、ポリアミノ酸成分を35重量%、シ
リコーンセグメントを15重量%含有するポリテトラメチ
レン系芳香族ポリウレタン65重量%からなる、シリコー
ンセグメント含有PAUのジメチルホルムアミド溶液で
は、このシリコーンセグメント含有PAUとは相溶性がな
く、ジメチルホルムアミドへの溶解度が32%であり、か
つ結晶性が大きく、ジメチルホルムアミドの蒸発時にシ
リコーンセグメント含有PAUよりも速く粒子状に析出す
る尿素が好ましい。
このような相分離凝固核剤を用いることによって、乾
燥するだけで多孔質構造物が得られるが、相分離凝固剤
が水に対して易溶性である場合には、乾燥多孔質に残存
する相分離凝固核剤を水あるいは温水で抽出除去して、
より多孔密度を低下させることができる。
前述と例として挙げた尿素は、水に対して溶解性が高
いことから、成形乾燥後、温水によって成形品(多孔質
構造物)から尿素を抽出除去することができ、より密度
の低い多孔質構造物を得ることができる。
この相分離凝固核剤の使用量は、基本的には使用され
るシリコーンセグメント含有PAU、有機溶剤、相分離凝
固核剤の種類によって決定されるが、樹脂100重量部に
対して、通常、2〜200重量部が好ましい。2重量部未
満では、相分離を生じても多孔質が得られ難く、一方20
0重量部を超えると得られる多孔質構造物は、本発明の
目的とするポリアミノ酸の特性を有するものが得られ難
く、相分離凝固核剤を抽出除去すると多孔密度が低すぎ
て強度が得られず好ましくない。
この相分離凝固核剤をシリコーンセグメント含有PAU
の有機溶剤溶液あるいは有機溶剤分散液に混合する方法
としては、直接添加してかき混ぜるのもよいが、一般的
に溶解し難いため、希釈用として用いる有機溶剤にあら
かじめ溶解した溶液を混合する方法が好ましい。
この混合された配合液に、着色剤、安定剤、医薬品、
そのほか機能剤などを添加混合することも可能であり、
用途によってはこのシリコーンセグメント含有PAUの多
孔質の特性をさらに特徴付けることができる。
以上で得られた配合液は、支持体に被覆されて乾燥す
ることによって多孔質構造物となる。
この支持体としては、目的とする用途によって選択さ
れる。例えば、フィルムとして得ようとするならば、離
型紙、ポリエチレンテレフタレートなどのプラスチック
フィルム、剥離処理のなされた織布などが支持体(基
体)として使用でき、合成皮革、人工皮革、天然皮革の
表面意匠膜として使用する場合には、上記で得られた着
色多孔フィルムを貼り合わせるか、あるいは直接これら
の皮革類の表面に配合液を被覆、乾燥して着色多孔膜を
形成することによって達成できる。
また、織布、編布、不織布などの繊維集合基布など
に、直接、被覆、乾燥した多孔質を表面に有する繊維集
合体も、医療分野、衣料分野、家具シート、靴材料など
広い分野に利用することができる。支持体に被覆する方
法としては、ナイフコーティング、ロールコーティン
グ、グラビアコーティングなどの通常の被覆方法が採用
できる。
前記の支持体に配合液を被覆した後の乾燥は、一般的
は方法で実施できるが、乾燥時の温度と風速条件は、相
分離凝固核剤の相分離速度、分離粒子径などに影響を与
えるため、一定に制御することが好ましい。乾燥温度
は、使用される有機溶剤、シリコーンセグメント含有PA
Uの種類、相分離凝固核剤の種類、目標とする多孔構造
などによって決定されるが、一般的には50〜150℃であ
る。乾燥温度が使用されるシリコーンセグメント含有PA
Uの軟化温度および相分離凝固核剤の融点よりも高い場
合は、相分離によって形成された多孔質が、有機溶剤の
蒸発が進むにつれて再融着を生じ、結果的には目標とす
る多孔質が得られ難いので注意する必要がある。乾燥温
度が40℃に満たない低い温度では、乾燥温度が遅すぎて
生産性が悪くなるので好ましくない。
以上の乾燥により、シリコーンセグメント含有PAUは
多孔質化されるが、使用した相分離凝固剤が水易溶性で
ある場合は、水によって抽出除去することができ、より
多孔質化をすすめることができる。抽出方法、抽出時間
は、被覆量によって異なるが、一般的にはラミネート方
式で得られた被膜の場合は、ジッカー、工業用洗濯機な
どで5〜20分程度、グラビア塗布機などで得られた被膜
の場合は、1〜5分の水浸漬で抽出できる。
この場合の洗浄水の温度は、使用された相分離凝固核
剤の種類によって決定すればよい。
以上の方法で得られたシリコーンセグメント含有PAU
の多孔質は、その特徴を生かして皮革類の表面化粧膜、
医療分野に利用できる呼吸膜、各種セパレータなどの広
い分野に利用できる有効なものである。
〔実施例〕
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明す
る。なお、実施例中の部および%は、重量基準であり、
また特性測定値は、下記の方法で得られたものである。
通気度; JIS P8117の方法に準じ、ガーレのデンソメータを使
用して測定した値で、50mlの空気が通過するのに要する
時間(秒)で表す。
透湿度; JIS L1099 A−1法の方法に準じ、透湿度(g/m2・da
y)で表す。
耐水度; JIS L1092 A法の方法に準じ、耐水圧(水中、mm)で
表す。
耐光性; JIS L0842の方法に準じ、一定の照射時間(100時間)
により、グレースケール判定で表す。
ベトツキ感; ポリエチレン製の袋の中に手を入れて、10分間密閉し
て手を発汗させ、袋から手を出した直後に手のひらでサ
ンプルの表面を軽く押さえて手のひらへの付着感を判定
した。
参考例1(配合液1の作製) 分子量2,000の両末端カルビノール基のプロピルエチ
ルエーテルアルコール変性ジメチルポリシロキサン14
%、分子量2,000のポリテトラメチレングリコール58
%、テトラメチレングリコール5%およびN,N′−ジフ
ェニルメタンジイソシアネート23%を重縮合して得られ
たシリコーンセグメント含有ポリウレタン65%とポリ−
γ−メチル−L−グルタメート35%からなるPAUの、濃
度24%ジメチルホルムアミド溶液100部に、18部の尿素
を60部のジメチルホルムアミドに溶解した溶液を加えて
かき混ぜ、均一な溶液を作製した。この溶液を配合液1
と称する。
参考例2(配合液2の作製) 分子量2,000の両末端カルビノール基のプロピルエチ
ルエーテルアルコール変性ジメチルポリシロキサン15
%、分子量2,000のポリカーボネートジオール40%、分
子量2,000のポリテトラメチレングリコール23%、エチ
レンジアミン2%およびp,p′−ジシクロヘキシルメタ
ンジイソシアネート20%を重縮合して得られたシリコー
ンセグメント含有ポリウレタン65%とポリ−γ−メチル
−L−グルタメート35%からなるPAUの、濃度24%ジメ
チルホルムアミド溶液100部に、25%の尿素−ジメチル
ホルムアミド溶液75部を加えてかき混ぜ、均一な溶液を
作製した。
この配合液を配合液2と称する。
参考例3(配合液3の作製) 参考例2で使用したシリコーンセグメント含有PAUの2
4%ジメチルホルムアミド溶液100部に、12部の尿素と2
部のベンゾグアナミン樹脂粉末(日本触媒(株)製、エ
ポスター)を100部のジメチルホルムアミド/メチルエ
チルケトン(6/4)にそれぞれ溶解、分散させた液を加
えてかき混ぜ、分散液を作製した。この分散液を配合液
3と称する。
参考例4(配合液4の作製) 参考例1で使用したシリコーンセグメント含有PAUの2
4%ジメチルホルムアミド溶液100部に、20%塩化亜鉛−
ジメチルホルムアミド溶液100部を加えてかき混ぜ、均
一な溶液とした。
さらに、この溶液の中に、シリコーン粉末(東芝シリ
コーン(株)製、トスパール108)3部を加えてかき混
ぜ、分散液とした。この分散液を配合液4と称する。
実施例1 ポリエチレンテレフタレートのフィルム上に、参考例
1で得られた配合液1を約150g/m2の目付量でコート
し、110℃の温風で乾燥した。
得られた多孔質の特性を第1表に示す。
さらに、この多孔質を、70℃の温水中に2分間浸漬し
たのち、100℃で乾燥した。
得られた多孔質の特性を第1表に示す。
実施例2 実施例1と同様の操作で、参考例2で得られた配合液
2から多孔質を得た。温水浸漬前と温水浸漬後の多孔質
の性能を、第1表に示す。
実施例3 実施例1と同様の操作で、参考例3で得られた配合液
3から多孔質を得た。温水浸漬前と温水浸漬後の多孔質
の性能を、第1表に示す。
実施例4 実施例1と同様の操作で、参考例4で得られた配合液
4から多孔質を得た。温水浸漬前と温水浸漬後の多孔質
の性能を、第1表に示す。
実施例5 ポリエステル繊維からなる目付量200g/m2の不織布
を、10%ポリウレタン−ジメチルホルムアミド溶液で含
浸させ、その表面に20%ポリウレタン−ジメチルホルム
アミド溶液を750g/m2の目付量でコーティングし、水で
浸漬することにより湿式凝固させ、乾燥させ、人工皮革
ベースを得た。
次いで、参考例1で得られた配合液1の100部中に、
顔料(大日精化工業(株)製、セイカセブンBS9010 15
部、BS9780B 4部、BS9991 1部)を混合して着色し、こ
の液を型押し離型紙上に130g/m2の目付量でコーティン
グして、110℃の温風で1分間乾燥させて相分離を生ぜ
しめ、この表面に先に得た人工皮革ベースの表面側を貼
り合わせてさらに110℃の温風で5分間乾燥させた。
次いで、離型紙を剥離してシリコーンセグメント含有
PAUの多孔質膜を表面に有する着色人工皮革を得た。
得られた人工皮革の外観は、多孔質を表面に有するた
め、落ち着いた艶感があり、またポリアミノ酸成分を含
有する樹脂で形成されているため、肌に触れたときのベ
トツキ感がなく、さらには高い通気性、高い透湿性を有
していた。この特性を第1表に示す。
実施例6 実施例5で得られた人工皮革ベースの表面に、参考例
2で得られた配合液2の100部中にフッ素系の撥水剤
(大日本インキ化学工業(株)製、クリスボンアシスタ
ーFX3D)2部、および顔料(大日精化工業(株)製、セ
イカセブンBS9010 15部、BS9780B 4部、BS9991 1部)を
添加混合したものを、110メッシュのグラビアロールで
目付量20g/m2で塗布して110℃の温風で2分間乾燥させ
た。
次いで、70℃の温水の中に、1分間浸漬したのち、11
0℃の温風で乾燥させた。
得られた人工皮革は、表面が肌に触れたときにベタツ
キ感がなく、さらには高い通気性、高い透湿性、高い防
水性を有するものであり、かつ耐加水分解性、耐微生物
劣化性、耐変色性にも優れたものであり、靴アッパー用
材料、家具シート材料などとして有用なものであった。
この特性を第1表に示す。
実施例7 参考例4で得られた配合液4の100部中に、顔料(実
施例5で使用したもの)を実施例5と同量添加して着色
し、この液を型押し離型紙上に130g/m2の目付量でコー
ティングし、110℃の温風で1分間乾燥させて相分離を
生じさせ、この表面に単糸繊度が0.4デニールのポリエ
ステル繊維からなる編物を貼り合わせてさらに110℃の
温風で5分間乾燥させた。
次いで、離型紙を剥離したのち、80℃の温水中に5分
間浸漬して乾燥させ、シリコーンセグメント含有PAUの
多孔質膜を表面に有する着色人工皮革が得られた。
得られた人工皮革の外観は、多孔質を表面に有するた
め、落ち着いた艶感があり、またポリアミノ酸成分を含
有する樹脂で表面が形成されていることと、ポリウレタ
ン成分にはシリコーンセグメントを含んでいることと、
さらにシリコーン微粉末が表面に出ているために、肌に
触れたときにベトツキ感が無いものであり、さらには高
い通気性、高い透湿性を有し、衣料用素材、家具・車両
用シートとして有用なものであった。
この特性を第1表に示す。
比較例1 参考例1で使用したシリコーンセグメント含有PAUの2
4%ジメチルホルムアミド溶液100部に、メチルエチルケ
トン70部および顔料(実施例5と同じもの)を実施例5
と同量加えてかき混ぜ、均一着色溶液を作製し、実施例
7で使用した編物に、実施例7と同様の操作で着色人工
皮革を得た。
得られた人工皮革は、表面のシリコーンセグメント含
有PAUが多孔質ではなく無孔であり、通気性はなく、透
湿度も小さく、肌に触れたときにベトツキ感があり、本
発明の目的とするものとは大きく異なる従来の人工皮革
の性格であった。
〔発明の効果〕 本発明により得られる多孔質構造物は、従来にはみら
れない透湿性、通気性、放湿性を有し、かつ従来にはみ
られない高強度、表面触感を有するものであり、皮革類
の表面化粧膜、医療分野に利用できる呼吸膜、各種セパ
レータなどの広い分野に利用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 75:04 (56)参考文献 特開 昭58−163402(JP,A) 特開 昭57−156005(JP,A) 特開 昭57−156004(JP,A) 特開 昭54−46295(JP,A) 特公 昭53−11036(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 18/60 - 18/61

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子鎖中にポリアミノ酸成分とシリコーン
    セグメント含有ポリウレタン成分とを含む樹脂および相
    分離凝固核剤を含む有機溶剤溶液または有機溶剤分散液
    を支持体上に処理したのち、乾燥させて相分離させるこ
    とを特徴とする多孔質構造物の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1によって得られる多孔質構造物
    を、さらに水洗および乾燥する多孔質構造物の製造方
    法。
  3. 【請求項3】相分離凝固核剤が水易溶性である請求項1
    または2記載の多孔質構造物の製造方法。
  4. 【請求項4】相分離凝固核剤が尿素である請求項1〜3
    のいずれか1項記載の多孔質構造物の製造方法。
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