JP2812790B2 - 高透湿性合成皮革 - Google Patents

高透湿性合成皮革

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JP2812790B2 JP19485590A JP19485590A JP2812790B2 JP 2812790 B2 JP2812790 B2 JP 2812790B2 JP 19485590 A JP19485590 A JP 19485590A JP 19485590 A JP19485590 A JP 19485590A JP 2812790 B2 JP2812790 B2 JP 2812790B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、高透湿性合成皮革に関し、さらに詳しくは
表面が天然皮膚感に富んだ感触を有し、且つ、透湿性、
吸湿性、放湿性などの機能性を有する合成皮革に関する
ものである。
[従来技術] 合成皮革は天然皮革の代替物として登場して以来、数
多くの改良提案がなされ、現在では靴、ボール、衣料な
どの用途では無くてはならない材料にまで成長してき
た。しかし、これらの用途では、人が皮膚に直接、接触
して使用することが多く、皮膚と接触した場合に違和感
の無い表面触感を有し、汗によるベトツキ感がなく、且
つ、高透湿性、高吸湿性、高放湿性を有する合成皮革が
望まれてきている。現在のところ、これらの要求を全て
満たすものは無いが、最近の方策として、親水基を導入
したポリウレタン、あるいは皮革粉末を分散させたポリ
ウレタン、あるいはシリコーン変性ポリウレタン、ある
いはポリアミノ酸ウレタンなどを表面膜として形成させ
た合成皮革が提案されている。しかし、これらの方法で
は、実用上で満足されるものにはなっていないのが現状
である。例えば、親水基を導入したポリウレタンやシリ
コーン変性ポリウレタンを表面膜として形成させた合成
皮革では、透湿性は高まるものの、ポリウレタン特有の
ベトツキ感があり、特に汗をかいた肌で接触した場合の
ベトツキ感が大きいため好ましいものになっていない。
これを改良するために、ポリウレタンに皮革粉末を分散
させた表面膜を有する合成皮革が提案されているが、皮
革粉末が金属を含有しているために白塗料の場合は着色
が大きくて不適であることや、皮革粉末の含有量が多す
ぎると表面触感や透湿性などの機能性は満足されるもの
の、膜強度が小さく、揉むと皮革粉末が表面膜から脱落
するなどの欠点があり、満足されるものになっていな
い。このように現状では未だ、満足されるものは無く、
各用途分野からこれらの機能を有する新素材としての合
成皮革の要求が高まってきている。
[発明の目的] 本発明の目的は、これらの従来方法では満足されてい
ない問題を解決し、人の皮膚と違和感の無い表面触感を
有し、透湿性、吸湿性、放湿性などの機能性に優れた合
成皮革を提案することにある。
[発明の構成と効果] 即ち、本発明は、繊維質として合成樹脂とからなる合
成皮革基体の表面に、ポリアミノ酸ウレタン樹脂を主体
とした合成樹脂に天然コラーゲンからなる粒子を分散せ
しめた被膜を形成せしめたことを特徴とする合成皮革で
ある。本発明に使用する合成皮革基体は繊維質により構
成され、該繊維は、従来公知の合成繊維、再生繊維、天
然繊維からなる不織布、編布、織布などであり、これら
の繊維質は合成皮革の用途に応じて、その特性面から選
択がなされる。次に、これらの繊維質と複合されて合成
皮革基体を構成する合成樹脂とは、従来公知の重合体が
使用でき、例えば、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹
脂、塩化ビニル−ポリウレタン共重合体、SBR樹脂、NBR
樹脂などがあげられる。これらの繊維質と合成樹脂とか
ら合成皮革基体が形成されるが、該合成皮革基体として
は繊維質に合成樹脂を含侵させたタイプ、この含侵基体
の表面にさらに合成樹脂を形成させたタイプ、繊維質の
表面に合成樹脂を形成させたタイプなどが使用できる。
これらの合成樹脂は、従来公知の成形方法で繊維質と複
合化される。すなわち、従来公知のN,N−ジメチルホル
ムアミドなどの溶液からの湿式法、メチルエチルケトン
溶液からの乾式法、水系エマルジョンからの湿式法、乾
式法などによる多孔質として複合化される。当然、無孔
質での複合化も採用することができる。
この様な合成皮革基体の表面に形成される本発明のポ
リアミノ酸ウレタンとは、ポリウレタンとポリアミノ酸
との共重合体であり、従来公知のポリアミノ酸ウレタン
を使用することが出来る。ポリアミノ酸ウレタンの一般
的な製法としては、ポリウレタンにN−カルボキシ−α
−アミノ酸無水物を付加重合させる方法がある。ここで
使用されるポリウレタンとしては、従来公知のポリウレ
タンはすべて使用することができる。例えば、有機ジイ
ソシアネートと長鎖ジオール、及び鎖伸長剤との反応で
得られるポリウレタンが代表的であり、有機ジイソシア
ネートとしては、脂環族有機ジイソシアネート、脂肪族
有機ジイソシアネート、芳香族有機ジイソシアネートな
どが使用でき、長鎖ジオールとしては、ポリエステル系
ジオール、ポリエーテル系ジオール、ポリアミドエステ
ル系ジオール、ポリカーボネート系ジオールなどが使用
でき、鎖伸長剤としては、低分子グリコール、低分子ジ
アミン、低分子アミノアルコールなどの活性水素を2個
含有した化合物が使用でき、これらの混合から構成され
るポリウレタンであっても構わない。用途によって、こ
れらの原料を選定すべきであり、例えば、耐加水分解性
が要求され、且つ耐変色性が要求される用途では、有機
ジイソシアネートとしては、脂環族ジイソシアネート、
あるいは、脂肪族ジイソシアネートを用い、長鎖ジオー
ルとしては、ポリカーボネート系ジオール、あるいは、
ポリエーテル系ジオールを用いればよい。上記のポリウ
レタンに付加反応されるN−カルボキシ−α−アミノ酸
無水物としては、γ−メチル−L−グルタメートの当無
水物、あるいはγ位のカルボン酸のエチル、プロピル、
ブチルエステルなどの当無水物、あるいはロイシンの当
無水物などがある。これらの反応で絵られるポリアミノ
酸ウレタン中のポリアミノ酸セグメント比率は3重量%
〜85重量%であり、好ましくは、10重量%〜60重量%で
ある。該ポリアミノ酸セグメント比率が、3重量%に満
たない場合は、天然コラーゲンからなる粒子が塗膜から
脱落する、あるいは透湿性などの機能特性が満足出来な
いなどの欠点が生じ、本発明を満足することができない
ので好ましくない。また、該ポリアミノ酸セグメント比
率が、85重量%を越える場合は、得られる塗膜の伸度が
小さく、屈曲、揉みなどに対する機械的強度が低下する
ため好ましくない。このようにして得られたポリアミノ
酸ウレタンは、有機溶剤溶液として使用される。ポリア
ミノ酸ウレタンを溶解させる有機溶剤としては、塩化メ
チレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどの塩
素系脂肪族炭化水素があるが、ポリアミノ酸ウレタン中
のポリアミノ酸セグメント比率が高い場合には溶解しに
くく、また、衛生面を考慮した取り扱い上からは、なる
べく避けた方が良い。好ましい有機溶剤としては、ジオ
キサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルア
セトアミド、N−メキルピロリドン、メチルエチルケト
ン、テトラヒドロフランなどの極性有機溶剤がある。使
用する有機溶剤が、このような極性有機溶剤である場合
は、ポリアミノ酸ウレタンのアミノ酸セグメントの比率
が40%以上になると、一般的に溶解せずに半透明のゲル
状物になる傾向があるので、該アミノ酸セグメント比率
は使用する有機溶剤の種類、使用濃度等を考慮した上で
設計すべきである。本発明では、このようにして得られ
たポリアミノ酸ウレタンの有機溶剤溶液の中に、得られ
る表面膜の特性を改質するために、他の合成樹脂、ある
いは天然樹脂を混合溶解して使用することができる。こ
の場合も当然、混合樹脂中のポリアミノ酸セグメント比
率は3重量%〜85重量%であることが好ましい。以上の
ポリアミノ酸ウレタンを主体とした合成樹脂に分散使用
される天然コラーゲンからなる粒子とは、動物の皮、
毛、骨などから種々の処理によって得られた粒子状のも
のである。例えば、現在、工業的に生産されているもの
として、クロム鞣し処理が施された、いわゆる皮革類を
低温度下などで粉砕された皮革粉末、または、クロム鞣
し処理が施されていない、いわゆる皮、毛、骨などを酵
素分解反応で、脂肪分などのコラーゲン以外の余分な成
分を除去して精製した粒子状コラーゲンがある。本発明
では、上記のいずれも使用できるが、粒子の着色、変色
などの面から、クロム鞣しの施されていない皮、毛、骨
などから精製された後者の粒子を使用することが好まし
い。すなわち、前者のクロム鞣し処理が施された皮革類
から粉砕された粒子は、クロム色に着色しているため、
白などの淡色系統の色には使用できにくく、また、使用
した場合には脂肪分などの不純物のため光などによる変
色し易い傾向にあることである。一方、クロム鞣しの施
されていない生化学反応処理で精製されたコラーゲン粒
子は、無色(白色)粒子であるため、白色などにも充分
使用でき、且つ、脂肪分などの不純物が存在しないた
め、光などによる変色もほとんど無く好ましい。しか
し、このように生化学反応処理で精製されたコラーゲン
は、水に対する膨潤性が大きいこと、アミラーゼなどの
蛋白質分解酵素によって分解され易いことなどの理由に
より、化学反応により分子架橋がなされたものであるこ
とが好ましい。以上のような天然コラーゲンからなる粒
子は、場合によっては、さらに細かい粒子とするため粉
砕などの処理が施される。粒子系が小さくなる程、単位
重量当たりの粒子面積が大きくなり、得られる塗膜の透
湿性、吸湿性、放湿性などの機能特性が得られ易くな
り、さらには塗膜の表面触感が滑らかとなり好ましい。
該粒子の平均粒径は20μm以下が好ましく、更に好まし
くは、10μm以下である。このようにして得られた天然
コラーゲンからなる粒子は、先に説明したポリアミノ酸
ウレタンの有機溶剤溶液の中に添加分散されて、本発明
の目的とする合成皮革基体の表面形成膜として使用され
る。
ポリアミノ酸ウレタンを主体とした樹脂と天然コラー
ゲンからなる粒子から得られた表面形成膜は、屈曲、揉
みなどの機械的な力が加られても、伸度の大きい機械的
強度の優れたアミノ酸ウレタンのポリアミノ酸セグメン
トと天然コラーゲン粒子が同じ蛋白質分子構造から親和
性を有しているため、白化したり、天然コラーゲンから
なる粒子が脱落したりすることはない。従って、ポリア
ミノ酸ウレタン(固形)に対する天然コラーゲンからな
る粒子の添加量は、巾広く選択することができる。全体
の固形分の中のポリアミノ酸ウレタンとポリアミノ酸で
ある天然コラーゲからなる粒子のポリアミノ酸セグメン
トの量が、得られる表面形成膜の表面触感や機能特性に
大きく関与してくるので、天然コラーゲンからなる粒子
の添加量を多くすることにより、ポリアミノ酸セグメン
トの量の多い機能特性に富んだ表面形成膜が得られるこ
とになる。即ち、ポリアミノ酸ウレタンを用いず、ポリ
ウレタンなどの他の合成樹脂に天然コラーゲンからなる
粒子を併用した場合には、該粒子の脱落防止の意味から
該粒子の添加量に制限が生じ、本発明に対し相対的に表
面膜中のポリアミノ酸セグメントの量が少なくなるた
め、本発明の目的とする機能特性に富んだ表面膜が得ら
れ難い。また、ポリアミノ酸ウレタンのみからなる表面
膜は、ポリアミノ酸セグメント比率が多い場合には、本
発明の目的とする機能性に富んだ塗膜が得られるもの
の、伸度の小さい塗膜となるため、屈曲などの機械的耐
久性が劣り、本発明の目的を達成することはできない。
以上のように、本発明の特徴は、分子状のポリアミノ酸
セグメントと粒子状のポリアミノ酸セグメントからなる
ポリアミノ酸セグメント比率の大きい機能性に富んだ表
面膜を有する合成皮革であり、且つ、屈曲などの機構的
強度にも優れていることである。本発明の表面膜を構成
するポリアミノ酸ウレタン中のポリアミノ酸セグメント
とポリアミノ酸である天然コラーゲンからなる粒子とを
合計したポリアミノ酸セグメントの重量が全固形分に対
して、20重量%以上が好ましく、さらに好ましくは、40
重量%以上である。しかし、これらの数値は本発明を限
定するものではない。
このようにして得られる表面膜の中に、場合によって
は、顔料、染料などの着色剤を添加することによって得
られる塗膜の化粧性を高めることができる。また、酸化
防止剤、耐NOxガス変色防止剤、各種劣化防止剤なども
良好な表面膜を得るために添加することができる。
以上のようにして得られる表面膜は、合成皮革基体の
表面に形成される。表面形成方法として、スプレー塗
布、グラビア塗布、ナイフコーティング、ロールコーテ
ィング、離型紙使いのラミネートなどの従来公知の方法
が採用できる。これらの塗布方法に応じて、最適な粘度
になるように濃度調整すればよい。1回での塗布では、
塗膜厚さが不十分な場合には、塗布と乾燥を繰り返し
て、目標の塗膜厚さに調整すればよい。かくして得られ
る合成皮革は、人が皮膚に直接、接触した場合に違和感
の無い表面触感を有し、汗によるベトツキ感がなく、且
つ、高透湿性、高吸湿性、高放湿性を有し、揉みに対し
ても粉末が脱落しない強度の大きいものである。さら
に、これら機能効果を高めるために、例えば靴用のアッ
パー材として設計する場合、合成皮革基体を構成する繊
維質として吸湿性の大きいレーヨンや綿などの基布を用
い、合成樹脂として本発明の表面膜を形成するポリアミ
ノ酸ウレタンと天然コラーゲンからなる粒子を用いれば
よい。すなわち、足から発散する汗を吸湿性の大きい裏
面から吸湿して、透湿性と放湿性に優れた表面膜から外
に発散させることにより、足の蒸れ感の少ない靴となす
ことができる。このように、本発明は、使用される用途
に応じ、本発明を構成する材料を適切に選択することに
より、さらに大きな効果をもたらすものである。
[実施例] 以下、具体的に実施例によって本発明を詳細に説明す
る。なお、実施例中「部」「%」とあるのは、いずれも
重量基準であり、特性測定置は下記の方法で得られたも
のである。
(イ)透湿度 JIS L1099 A−1法の方法に準じ、透湿度(g/m2
day)で表す。
(ロ)吸湿度 温度23℃、相対湿度30%の雰囲気中に1時間放置した
後、温度23℃、相対温度80%の雰囲気中に30分間放置し
た時の水分吸収量(g/m2)で表す。
(ハ)放湿度 温度23℃、相対温度80%の雰囲気中に1時間放置した
後、温度23℃、相対湿度30%の雰囲気中に30分間放置し
た時の水分放出量(g/m2)で表す。
(ニ)耐屈曲性 JIS K6545法の方法に準じ、1〜5等級で表す。
実施例−1 (合成皮革ベース−1の作成) 重量280g/m2、厚さ1.0mmのポリエステル繊維からなる
不織布に、13%濃度のポリエステル系ポリウレタン−ジ
メチルホルムアミド溶液を含侵させた含浸基材の表面
に、18%濃度のポリエステル系ポリウレタン−ジメチル
ポルムアミド溶液を600g/m2の目付でコーティングした
後、水浸凝固、水洗、乾燥して合成皮革ベースを作成し
た。
(塗料−1の作成) 下記の組成で塗料−1を作成した。
クリスボンNY320 100部 (大日本インキ化学工業(株)製) ハウラックA1004 白 80部 (大日本インキ化学工業(株)製) ハウラックA1008 マット 30部 (大日本インキ化学工業(株)製) イソプロピルアルコール 50部 メチルエチルケトン 40部 N,N−ジメチルホルムアミド 10部 (塗料−2の作成) ポリアミノ酸ウレタン(無黄変タイプウレタン使用:
セイコー化成(株)製 LUCKSKIN−UA−3295A;ポリアミ
ノ酸セグメント35%)のN,N−ジメチルホルムアミド溶
液(固形分10%)100部の中に、クロムを含まない天然
コラーゲンからなる粒子(昭和電工(株)製;CX−260;
平均粒径7μm)5部を添加混合分散して安定な分散液
を作成した。この中に、マット剤(大日本インキ化学工
業(株)製;ハウラックB1356)15部を添加均一混合し
て分散液塗料を得た。
(合成皮革表面への塗布) 先に作成した合成皮革ベース−1の表面に、塗料−1
をグラビア塗布機(110メッシュのロール使用)で、塗
布−乾燥を3回繰り返し、次に加熱エンボスロールで柄
付けした後、塗料−2をグラビア塗布機(110メッシュ
のロール使用)で、塗布−乾燥を3回繰り返し、白色表
面を有する合成皮革を得た。得られた合成皮革の表面
は、肌に触れた場合、冷たさを感じさせず、暖かさを感
じさせ、汗をかいた肌でもベトツキがなく触感のすぐれ
ているものであり、バレーボール、ハンドボール用とし
て優れたものであった。なお、透湿性も従来の合成皮革
に比較して大きく、スポーツシューズのアッパー材とし
ても優れたものであった。得られた特性値を第1表に示
す。
実施例−2 (塗料−3の作成) 下記の組成で塗料−3を作成した。
LUCKSKIN−UA3295A 100部 (セイコー化成(株)製)(18%) 天然コラーゲン粒子 CX−260 10部 (昭和電工(株)製) ダイラックSL−3440 赤 5部 (大日本インキ化学工業(株)製) N,N−ジメチルポルムアミド 40部 メチルエチルケトン 40部 (合成皮革表面への塗布) 塗料−3を実施例−1で作成した合成皮革ベース−1
の表面にグラビア塗布機(110メッシュのロール使用)
で、塗布−乾燥を3回繰り返し、次に加熱エンボスロー
ルで柄付けして、表面に赤色の塗膜を有する合成皮革を
得た。得られた合成皮革の表面は、肌に触れた場合、冷
さたさを感じさせず、暖かさを感じさせ、汗をかいた肌
でもベトツキがなく触感のすぐれているものであり、バ
スケットボール用、ラグビーボール用として優れたもの
であって、得られた特性値を第1表に示す。
実施例−3 (塗料−4の作成、及び塗布) ポリアミノ酸ウレタン(難黄変タイプウレタン使用:
三菱化成(株)製 PAU−300:ポリアミノ酸セグメント3
5%)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(固形分15%)
100部の中に、天然コラーゲンからなる粒子(昭和電工
(株)製;CX−260;平均粒径7μm)8部を添加混合分
散して安定な分散液を作成した。この中に、着色材とし
て黒顔料(大日本インキ化学工業(株)製;ダイラック
SL−3430)8部、及び黒塗料(日本化薬(株)カヤセッ
トBLACK−KR)3部を添加均一混合して黒色塗料を得
た。この黒色塗料を、柄付きの離型紙上に目付70g/m2
なるように塗布して乾燥させた後、接着剤を目付50g/m2
となるように塗布して実施例−1で作成した合成皮革ベ
ース−1の表面を貼り合わせて、充分に接着させた。離
型紙から分離された合成皮革の表面は、肌に触れた場
合、冷たさを感じさせず、暖かさを感じさせ、汗をかい
た肌でもベトツキがなく触感の優れているものであり、
テニスラケットのグリップ材、グローブの平裏などに適
しているものであった。得られた特性値を第1表に示
す。
実施例−4 (合成皮革ベース−2の作成) 重量280g/m2、厚さ1.0mmのポリエステル繊維からなる
不織布に、ポリカーボネート系ポリウレタンとポリアミ
ノ酸ウレタンの混合重合体(混合比60:40)のN,N−ジメ
チルホルムアミド溶液(濃度10%)に天然コラーゲンか
らなる粒子(昭和電工(株)製;CX−260;平均粒径7μ
m)5部を添加混合分散した安定な分散液を含浸させた
含浸基材の表面に、ポリカーボネート系ポリウレタンと
ポリアミノ酸ウレタンの混合重合体(混合比60:40)の
N,N−ジメチルホルムアミド溶液(濃度18%)に天然コ
ラーゲンらなる粒子(昭和電工(株)製;CX−260;平均
粒径7μm)10部を添加混合分散して安定な分散液を60
0g/m2の目付でコーティングした後、水浸凝固、水洗、
乾燥して合成皮革ベースを作成した。
(合成皮革表面への塗布) 合成皮革ベース−2の表面に、実施例−1で作成した
塗料−1をクラビア塗布機(110メッシュのロール使
用)で、塗布−乾燥を3回繰り返し、次に加熱エンボス
ロールで柄付けした後、塗料−2をグラビア塗布機(11
0メッシュのロール使用)で、塗布−乾燥を3回繰り返
し、白色表面を有する合成皮革を得た。得られた合成皮
革の表面は、実施例−1と同様に表面触感のすぐれてい
るものであったが、透湿性、吸湿性、放射性はさらに特
徴あるものとなり、スポーツシューズのアッパー材とし
て、着用時のムレ感がない優れたものであった。得られ
た特性値を第1表に示す。
実施例−5 (合成皮革ベース−3の作成) 重量280g/m2、厚さ1.0mmのポリエステル繊維とレーヨ
ン繊維(混合比30:70)からなる不織布を用いて、実施
例−4の合成皮革ベースの作成と同様の合成樹脂を用
い、同様の方法で合成皮革ベース−3を作成した。
(合成皮革表面への塗布) 合成皮革ベース−3の表面に、実施例−2で作成した
塗料−3をクラビア塗布機(110メッシュのロール使用
で)、塗布−乾燥を3回繰り返し、さらに加熱エンボス
ロールで柄付けして表面に赤色の塗膜を有する合成皮革
を得た。得られた合成皮革の表面は、実施例−2と同様
に表面触感の優れているものであっが、透湿性、吸湿
性、放湿性はさらに特徴あるものとなり、靴、アッパー
材として最適なものであった。得られた特性値を第1表
に示す。
実施例−6 ナイロンタフタの表面に実施例−3で作成した塗料−
4を目付70g/m2となるように塗布し乾燥した。得られた
ものは、透湿性が大きく、肌触りが良く、スポーツ衣料
として最適なものであった。得られた特性値を第1表に
示す。
比較例−1 (塗料−5の作成) 下記の組成で塗料−5を作成した。
ハウラックA3454(20%) 100部 (大日本インキ化学工業(株)製) 天然コラーゲン粒子 CX−260 10部 (昭和電工(株)製) ハウラックA1008 マット 30部 (大日本インキ化学工業(株)製) イソプロピルアルコール 50部 メチルエチルケトン 50部 (合成皮革表面への塗布) 塗料−1をグラビアロール(110メッシュ)にて、実
施例−1で作成した人口皮革ベース−1の表面に塗布−
乾燥を3回繰り返した後、加熱エンボスロールで柄付け
をし、さらにその表面に塗料−5をグラビアロール(11
0メッシュ)で塗布−乾燥を3回繰り返して、白色の表
面を有する合成皮革を得た。得られた合成皮皮は透湿度
が不満足であり、また、屈曲テストした際、天然コラー
ゲンからなる粒子CX−260らしき粉末が脱落した。得ら
れた特性値を第1表に示す。
比較例−2 (塗料−6の作成) 下記の組成で塗料−6を作成した。
LUCKSKIN−UA3295A 100部 (セイコー化成(株)製)(18%) ハウラックB1356 マット 20部 (大日本インキ化学工業(株)製) N,N−ジメチルホルムアミド 40部 メチルエチルケトン 40部 (合成皮革表面への塗布) 塗料−1をグラビアロール(110メッシュ)にて、実
施例−1で作成した人口皮革ベース−1の表面に塗布−
乾燥を3回繰り返した後、加熱エンボスロールで柄付け
をし、さらにその表面に塗料−6をグラビアロール(11
0メッシュ)で塗布−乾燥を3回繰り返して、白色の表
面を有する合成皮革を得た。得られた合成皮革は透湿度
が不満足であり、また、表面の触感もややベトツキ感の
あるものであった。得られた特性値を第1表に示す。
比較例−3 (塗料−7の作成) 下記の組成で塗料−7を作成した。
ハウラックA3454(20%) 100部 (大日本インキ化学工業(株)製) ハウラックA1008 マット 30部 (大日本インキ化学工業(株)製) イソプロピルアルコール 50部 メチルエチルケトン 50部 (合成皮革表面への塗布) 塗料−1をグラブアロール(110メッシュ)にて、実
施例−1で作成した合成皮革ベース−1の表面に塗布−
乾燥を3回繰り返した後、加熱エンボスロールで柄付け
をし、さらにその表面に塗料−7をグラビアロール(11
0メッシュ)で塗布−乾燥を3回繰り返して、白色の表
面を有する合成皮革を得た。得られた合成皮革は透湿度
が不満足であり、また、表面の触感も従来の合成皮革の
ポリウレタン特有のベトツキ感のあるものであり、汗を
かいた肌で触れた場合は特にベトツキを感じるものでっ
た。得られた特性値を第1表に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D06N 3/18 D06N 3/14 B32B 27/40

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維質と合成樹脂とからなる合成皮革基体
    の表面に、ポリアミノ酸ウレタン樹脂を主体とした合成
    樹脂に天然コラーゲンからなる粒子を分散せしめた被膜
    を形成せしめたことを特徴とする高透湿性合成皮革。
  2. 【請求項2】ポリアミノ酸ウレタン樹脂が、ポリ−γ−
    メチル−L−グルタメートを主成分としたポリアミノ酸
    セグメントであり、その含有量が、ポリアミノ酸ウレタ
    ン樹脂重量に対し、3重量%〜85重量%である請求項
    (1)の合成皮革。
  3. 【請求項3】天然コラーゲンからなる粒子が、動物の皮
    などから生化学処理で精製されたものであり、加熱化学
    架橋された粒子である請求項(1)又は請求項(2)の
    合成皮革。
  4. 【請求項4】合成皮革基体を構成する合成樹脂が、ポリ
    アミノ酸ウレタン樹脂を主体とした合成樹脂である請求
    項(1)〜(3)のうちいずれか1項の合成皮革。
  5. 【請求項5】合成皮革基体を構成する合成樹脂が、ポリ
    アミノ酸ウレタン樹脂を主体とした合成樹脂に天然コラ
    ーゲンからなる粒子を分散せしめたものである請求項
    (1)〜(4)のうちいずれか1項の合成皮革。
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