JP2002242082A - 皮革様シート - Google Patents

皮革様シート

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JP2002242082A
JP2002242082A JP2001035648A JP2001035648A JP2002242082A JP 2002242082 A JP2002242082 A JP 2002242082A JP 2001035648 A JP2001035648 A JP 2001035648A JP 2001035648 A JP2001035648 A JP 2001035648A JP 2002242082 A JP2002242082 A JP 2002242082A
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JP2001035648A
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Norio Makiyama
法生 牧山
Yukio Goto
幸生 後藤
Yoshio Kimura
喜雄 木村
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外気温の急激な変化の影響を緩和し、安定的
な使用感を有する皮革様シートを提供する。 【解決手段】 固−液相変化物質を含有する被覆層を、
0.5デシテックス以下の極細繊維を主体とする繊維構
造物およびそれに充填された弾性重合体からなるシート
基体の少なくとも片面に形成した皮革様シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固−液相変化物質
を含有する被覆層により、外気温の急激な変化による皮
革様シートの温度変化、とりわけ人肌に接触する表面の
温度変化を緩和することで、使用感に優れた皮革様シー
トに関するものであり、特に靴、手袋、衣料、インテリ
ア等の用途に適するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、皮革様シートは、その柔軟性、高
級感などの感性、イージーケア性などの機能性等によ
り、紳士・婦人靴やスポーツシューズ、サンダルなどの
履物、ジャケットやスカート、コートなどの衣料、ゴル
フに代表されるスポーツ用などの各種手袋、カーシート
やソファなどの各種インテリア等、広範囲の用途に使用
されている。近年の消費者ニーズの多様化に伴い、商品
デザインや構造のみならず、使用する素材に対する機能
性や感性への要求は年々高まっており、人肌に触れる部
分の素材などのような感性が高いウェイトで要求される
用途であっても、機能性を併せ持つことが必要になって
きた。
【0003】靴や衣料、手袋などの素材に要求される代
表的な機能の一つとして、外気温の変化を遮断して体温
を安定させる機能、即ち断熱性が挙げられる。断熱性を
向上させる方法としては、熱伝導性が小さく、かつ軽
量、安価な物質、即ち空気などの気体を断熱層として設
ける方法が極めて一般的である。しかしながら、素材の
断熱効果は、基本的には断熱層の厚み、即ち素材の厚み
に依存するため、薄い素材では断熱効果はそれなりに小
さいものしか望めない。また、空気は体積当たりの熱容
量が小さいため、僅かな時間で断熱層自体が外気温の影
響を受けてしまう。従って、暑い時期に冷房の効いた屋
内から屋外に出ると断熱効果の小さい薄い素材の衣料や
靴などは、すぐに外気温の影響で暑くなってしまうし、
寒い時期の衣料や手袋などは素材が比較的厚く断熱効果
は大きいものの、素材自体が暖かいのではなく、まして
一旦脱ぐとすぐに再び着用しても既に冷たくなってしま
っている。
【0004】このような欠点に鑑みて、パラフィン系炭
化水素を内包するマイクロカプセルを使用し、炭化水素
の融点における相変化に伴う吸放熱現象を利用した保温
性能により、外気温の変化を緩和することを目的とした
保温性能をシート状構造物に付与する方法が、従来から
種々提案されている。マイクロカプセルに内包すること
の利点は、周囲の温度が融点以上になって液相に変化し
た相変化物質が素材構造内あるいは表面に流出・拡散す
ることをカプセルに内包することで防止するとともに、
カプセル自体を微小化、好ましくはμmオーダーの大き
さに微小化することによって素材に影響を与えることな
く種々の形態で使用可能であり、また、相変化物質の表
面積を大きくとることにより相変化現象のレスポンスを
向上させることにある。
【0005】上記従来技術の具体例として、特開平1−
85374号公報には、パラフィン系炭化水素を含有す
るマイクロカプセルを合成樹脂中に分散させた繊維が提
案され、また特開平5−156570号公報には樹脂バ
インダーによりn−パラフィン封入マイクロカプセルを
繊維表面に固着させた繊維構造物が提案されている。こ
れらの方法は、何れも繊維中あるいは繊維表面に保温物
質を付与するため、シート素材としてみると温度制御性
能が厚み方向に分散した状態であり、また繊維に沿って
伝熱するために伝熱距離が長くなる傾向にあるので、保
温物質をより多く含有させる傾向にあり、また保温性能
のレスポンスも優れているとは言えない。
【0006】また、樹脂発泡体シートに保温性能を付与
する方法として、特開平10−305507号公報には
パラフィン族炭化水素を内包するマイクロスフェアをポ
リマーバインダー中に分散させたものを樹脂発泡体シー
トの厚さ方向に浸透させる方法が提案されているが、本
発明のような皮革様シートにこの方法を応用すると、繊
維結合成分として必須の量のバインダー樹脂が既に含有
された基体、あるいは層形成に必須の量の樹脂からなる
被覆層にさらに樹脂成分を追加付与する形となるため、
皮革様シートとしては樹脂成分比率が過剰となり、皮革
様シートの風合いがどうしても悪化してしまう傾向にあ
る。
【0007】さらには、繊維構造物の表面に温度制御を
目的とした被覆層を形成させる方法として、特開平10
−502137号公報にはパラフィン系炭化水素を含む
ミクロスフェアを分散させた結合剤を布にコーティング
する方法が提案されているが、コーティングにより形成
された被覆層の構造自体には工夫が全くないので、皮革
様シートにそのまま応用すると、基体と被覆層とのバラ
ンスが崩れてしまう上に、前記した繊維中に保温物質を
分散させた場合と同様に保温性能が被覆層の厚み方向に
分散した状態にあるため保温性能のレスポンスにも劣る
ものとなる。ここで、保温性能のレスポンスに優れた状
態とは、急激な外気温変化を迅速かつ直接的に緩和・抑
制することにより、体感温度の変化を抑制する効果とし
て十分な性能を発揮した状態であり、素材を着用した人
にとっては着用感が安定しており快適な状態である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、保温性能のレ
スポンスに優れ、かつ天然皮革のような外観、タッチと
柔軟な風合いおよび適度なコシを有する皮革様シートを
提供することを目的とするものであり、すなわち、0.
5デシテックス以下の極細繊維からなる三次元絡合不織
布を主体とする繊維構造物およびそれに充填された弾性
重合体からなるシート基体の少なくとも片面に、弾性重
合体を主体とする被覆層が形成され、かつ融点が−10
〜80℃の範囲にある相変化物質を封入したマイクロカ
プセルが含有されている皮革様シートにおいて、該マイ
クロカプセルの80重量%以上が選択的に該被覆層中に
含有されていることを特徴とする保温性を有する銀面層
付き皮革様シートに関するものである。
【0009】本発明の皮革様シートは、例えば、以下の
各工程、 極細繊維束に変成し得る極細繊維発生型繊維を製造す
る工程、 極細繊維発生型繊維から不織布で代表される繊維構造
物を製造する工程、 繊維構造物中の繊維を仮固定する工程、 繊維構造体中に弾性重合体を充填させる工程、 極細繊維発生型繊維を極細繊維束に変成する工程、 繊維構造物と弾性重合体とからなるシート基体の少な
くとも片面を研削により平滑化する工程、 前記マイクロカプセルを含有する弾性重合体からなる
被覆層を、シート基体の少なくとも片面に形成する工
程、 を順次実施することにより得ることができる。なお、
の工程は皮革様シートの目標とする風合いや物性などの
設計によっては、上記の工程あるいはの工程の前に
実施してもよいし、上記の工程あるいはの工程の後
に実施してもよい。また、上記やの工程は皮革様シ
ートの風合い調節や工程通過性向上を目的として実施す
るため、本発明において必須の工程ではなく好適工程で
あり、また、上記の工程は極細繊維発生型繊維の1成
分(例えば海成分)として弾性重合体を組み込み、この
成分を繊維構造物から除去することなく繊維構造物中に
充填されたような状態で残すことにより上記の工程を
省略することが可能である。
【0010】本発明では、繊維軸に直角な方向での繊維
断面が複数成分による海島構造あるいは花弁型構造、積
層型構造などの構造となっている繊維から、少なくとも
海成分を除去あるいは成分間を分割することにより得ら
れる繊維を極細繊維束と称している。そして海成分を除
去あるいは成分間を分割する前の繊維を極細繊維発生型
繊維と称している。
【0011】本発明の海島構造タイプの極細繊維発生型
繊維の島成分を構成するポリマーとしては、例えば、ナ
イロン−6、ナイロン−66、ナイロン−610、ナイ
ロン−12で代表されるナイロン類またはそれらを主体
とする共重合体などの可紡性のポリアミド類、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレートで代表される脂肪族ポリエ
ステル類またはそれらを主体とする共重合体などの可紡
性のポリエステル類、あるいはポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリブチレンなどのポリオレフィン類、等の溶
融紡糸可能なポリマー類から選ばれた、少なくとも1種
類のポリマーが挙げられる。
【0012】また、海成分を構成するポリマーとして
は、島成分と溶剤または分解剤に対する溶解性または分
解性を異にし、島成分との親和性の小さいポリマーであ
って、かつ紡糸条件下で島成分ポリマーの溶融粘度より
小さい溶融粘度であるか、あるいは表面張力の小さいポ
リマーであり、かつ島成分ポリマーよりも容易に繊維か
ら除去できるポリマーである。例えば、上記のポリアミ
ド類、ポリエステル類、ポリオレフィン類などの他に、
ポリスチレン、エチレンプロピレン共重合体、エチレン
酢酸ビニル共重合体、スチレンエチレン共重合体、スチ
レンアクリル共重合体などのポリマーから選ばれた少な
くとも1種類のポリマーが挙げられる。これらのポリマ
ーの中から、容易に除去できないポリマーを島成分、容
易に除去できるポリマーを海成分として選び、それを組
み合わせて紡糸することにより、容易に極細繊維発生型
繊維が得られる。
【0013】また、花弁型構造タイプあるいは積層型構
造タイプなどの極細繊維発生型繊維を構成するポリマー
としては、必ずしも1成分を除去する必要がないことか
ら、上記の海島構造タイプに挙げた可紡性ポリマーであ
れば島成分構成ポリマー、海成分構成ポリマーを問わず
何れでも使用でき、さらには異なる成分間の接着力制御
などの目的で同種のポリマー同士を組み合わせて使用す
ることもできる。
【0014】ポリマーには必要に応じて着色剤、劣化防
止剤、分散剤等の添加剤を配合することが可能である
が、本発明においては、皮革様シートとしたときの被覆
層表面あるいは立毛表面、シート基体部分の色の設計に
よっては、通常はポリマーに対して1〜20重量%程度
の物性に支障のない範囲で、カーボンブラックあるいは
酸化チタンなどの顔料を添加すると、より一層製品の品
位が向上するので好ましい。
【0015】極細繊維発生型繊維が海島構造繊維である
場合には、該繊維中に占める極細繊維成分(島成分)の
比率は、25〜85重量%、好ましくは40〜75重量
%が紡糸安定性や経済性などの点で採用される。溶融紡
糸により製造された極細繊維発生型繊維は、乾熱法ある
いは湿熱法などの従来公知の方法にて延伸し、工程通過
性制御を目的とした油剤の付与、機械捲縮、熱固定、さ
らには10〜100mm程度の繊維長にカットし、開繊
するなどの処理工程を経て、繊度2〜12デシテックス
程度のステープルとする。
【0016】本発明のシート基体を構成する繊維として
は、極細繊維を主体とする繊維が使用可能であり、使用
する極細繊維発生型繊維から発生する極細繊維の平均単
繊維繊度としては、シート基体と被覆層とからなる皮革
様シートのトータルでの柔軟性を重視すると、0.5デ
シテックス以下であることが必要である。極細繊維の平
均単繊維繊度が0.5デシテックスを超えると、シート
基体部分を主体として構成する個々の繊維が太すぎるた
め、トータルでの柔軟性が得られないこととなる。特に
0.1デシテックス以下の場合には、表面に付与するマ
イクロカプセル含有弾性重合体層との関係で表面平滑性
に優れた皮革様シートが得られることから好ましい。
【0017】また、皮革様シートの片面に立毛を形成す
る場合には、立毛の品位の点から、シート基体の少なく
とも立毛形成側を構成する繊維は、平均単繊維繊度が
0.5デシテックス以下が必要で、好ましくは0.1デ
シテックス以下、より好ましくは0.05デシテックス
以下、さらに好ましくは0.01デシテックス以下であ
る。しかしながら、柔軟性や立毛品位を損なわない範囲
の混用比率や混用状態であれば、平均繊度が0.5デシ
テックスを超える繊維、例えば2〜12デシテックス程
度のレギュラー繊維をシート基体を構成する繊維として
混綿使用することは可能であり、例えば、シート基体の
引き裂き強力、クッション性、被覆層とシート基体の接
着力などの物性変更や、製造コスト低減などを主目的と
して、このような混綿が好ましく実施される。また、当
然ながら、平均単繊維繊度やポリマー種類の異なる極細
繊維を発生しうる極細繊維発生型繊維をシート基体製造
時に混綿使用することや、さらにはステープルあるいは
フィラメントからなる編織布をシート基体を、表面には
実質的に影響を及ぼさない内部層或いは裏面層として構
成する1層として使用することも、前記同様の物性変更
やコスト低減を目的として、あるいはその他の皮革様シ
ートの品位変更の目的などで好ましく実施される。本発
明の皮革様シートを構成する繊維としては、上記したよ
うに、極細繊維以外の繊維が混用されていてもよいが、
好ましくは大部分を極細繊維により構成することで、特
に柔軟性に優れた皮革様シートとなる。
【0018】極細繊維発生型繊維は、カード法などの従
来公知の方法により開繊され、ウェバーを通して所望の
重さのランダムウェブまたはクロスラップウェブなどの
繊維ウェブを形成する。得られた繊維ウェブは所望の重
さに積層され、ニードルパンチ法あるいは水流絡合法な
どの従来公知の方法により絡合不織布とする。上記した
ように、開繊、繊維ウェブ形成、繊維ウェブ積層の何れ
かの段階で、異なる繊維を混綿使用あるいは積層使用し
てもよいし、さらには編織布を積層使用してもよい。ニ
ードルパンチや水流絡合の条件は、使用設備や処理対象
の状態により異なるが、絡合条件が強すぎる場合には、
繊維の絡合効果よりもむしろ繊維の切断によって引裂強
力等の物性が低下したり、ニードルあるいは水流による
孔が顕在化するなど、絡合不織布の物性や品位などの状
態悪化を招くことになる。しかしながら、逆にニードル
パンチや水流絡合の条件が弱すぎる場合には、絡合力が
弱く絡合不織布、即ち最終的には皮革様シートの物性低
下を招くことになる。好適な絡合条件としては、絡合不
織布の層間剥離強力が1.0kg/2.5cm以上、よ
り好ましくは2〜8kg/2.5cmとなるような絡合
条件であり、例えばニードルパンチであれば300〜2
500パンチ/cm2程度の絡合条件である。また、得
られる絡合不織布の好適な目付けとしては、繊維種類に
よっても異なるが、極細繊維発生型繊維を極細化した後
の目付けで、100〜1500g/m 2である。
【0019】上記により製造した絡合不織布は、必要に
応じて、ポリビニルアルコールなどの糊剤による糊付け
や、極細繊維発生型繊維の1成分を溶融させるといった
方法により、繊維絡合構造を仮固定する工程を追加する
ことによって、最終的な皮革様シートの物性や品位をさ
らに向上させることができる。
【0020】次に上記により製造した絡合不織布に、従
来公知の方法により弾性重合体の溶液あるいは分散液を
含浸し、乾熱法あるいは湿熱法、湿式凝固法などの方法
により凝固する。繊維絡合不織布に含有させる弾性重合
体は、例えば、平均分子量500〜3000のポリエス
テルジオール、ポリエーテルジオール、ポリカーボネー
トジオールなどから選ばれた少なくとも1種類のポリマ
ージオールと、4,4’−ジフェニルメタンジイソシア
ネート、イソホロジイソシアネート、ヘキサメチレンジ
イソシアネートなどの、芳香族系、脂環族系、脂肪族系
のジイソシアネート化合物などから選ばれた少なくとも
1種のジイソシアネート化合物と、エチレングリコー
ル、エチレンジアミン、ブチレングリコールなどの、2
個以上の活性水素原子を有する、少なくとも1種の低分
子化合物とを所定のモル比で反応させて得たポリウレタ
ンを主体とする弾性重合体である。必要に応じて、ポリ
ウレタンに、合成ゴム、ポリエステルエラストマーなど
の弾性重合体等を添加した重合体組成物として使用して
もよい。
【0021】上記の弾性重合体あるいは重合体組成物を
溶剤に溶解あるいは分散剤に分散させて得た、溶剤系、
水系あるいは水/溶剤混合系の弾性重合体液を、強制含
浸法あるいは自然含浸法などの従来公知の方法により繊
維絡合不織布に含浸し、あるいは必要に応じて塗布した
後、弾性重合体の非溶剤の吹き付けあるいは非溶剤浴中
への浸漬などの方法で処理して弾性重合体を凝固する湿
式凝固法や、熱風などにより溶剤、分散剤を除去するこ
とにより弾性重合体を凝固する乾式凝固法、さらには熱
により弾性重合体をゲル化する感熱凝固法などの方法に
より繊維と弾性重合体の複合体とする。
【0022】使用する弾性重合体液には、上記した凝固
法における必要性、あるいは皮革様シートとしたときの
物性や品位などの必要性に応じて、凝固調節剤、酸化防
止剤、着色剤等の添加剤を配合することができる。本発
明においては、シート基体中に充填される弾性重合体を
多孔質状態とすることにより、シート基体部分の柔軟性
や軽量化、断熱効果の点でより好ましいことから、特に
湿式凝固法や感熱凝固法を採用する場合には凝固調節剤
が好ましく添加される。シート基体中に占める弾性重合
体の比率は、固形分として15〜70重量%、特に30
〜55重量%の範囲が皮革様シートの風合いや物性の点
から好ましく採用される。この範囲を外れると、シート
基体を構成する繊維構造物と弾性重合体とのバランス
や、さらには被覆層を形成した皮革様シートにおける被
覆層とシート基体とのバランスが悪くなり、皮革様シー
トがペーパーライクでふくらみ感のない風合いになった
り、あるいはゴム板のような硬く腰がありすぎる風合い
になったりする。
【0023】上記により製造した繊維と弾性重合体の複
合体は、最終的に皮革様シートを構成させる極細繊維な
どの繊維を構成するポリマー、および弾性重合体にとっ
ては非溶剤であり、かつ極細繊維発生型繊維の海成分構
成ポリマー、もしくは花弁型あるいは積層型などの極細
繊維発生型繊維を構成する少なくとも1成分のポリマー
にとっては溶剤または分解剤である処理剤で処理するこ
とにより、極細繊維発生型繊維を極細繊維束とする。ま
た花弁型あるいは積層型などの極細繊維発生型繊維を使
用した場合には、機械的な揉み処理によっても、極細繊
維発生型繊維を極細繊維束とすることができる。これら
から選ばれた少なくとも1つの処理工程は、前記した弾
性重合体の含有工程に先立って実施してもよい。さら
に、前記繊維仮固定工程を採用し、かつ仮固定に糊剤が
使用された場合には、その溶剤、例えば糊剤がポリビニ
ルアルコールの場合には水により処理することで糊剤を
除去する工程が追加される。もちろんこの除去工程は、
弾性重合体を含有させる工程の後であれば何れの段階で
実施してもよく、例えば極細繊維発生型繊維から溶剤に
より海成分構成ポリマーを抽出除去した後で溶剤を水で
置換する際に同時に糊剤を除去する方法、被覆層を付与
した後で実施する柔軟剤処理や染色処理などの浴中処理
の際に同時に糊剤を除去するなどの方法も好ましく実施
される。
【0024】上記のような極細繊維化処理を施された後
のシート基体は、必要に応じて厚み方向に複数枚に分割
する処理工程や、サンドペーパーやブラシなどにより少
なくとも片面を研削処理あるいは起毛処理する工程が追
加実施される。特に、平均単繊維繊度0.5デシテック
ス以下の極細繊維により少なくとも片面が覆われたシー
ト基体は、起毛処理により天然皮革のスエードやヌバッ
クのような外観やタッチなどの品位を付与することがで
きるので好ましく実施され、また、極細繊維以外の繊維
からなる表面や、あるいは後工程として被覆層を付与す
る表面であっても、上記のような研削処理や起毛処理
は、面平滑性向上や、分割処理により切断され短くなっ
た繊維や絡合不足の繊維などの脱落しうる繊維を除去す
るなどの目的により好ましく実施される。
【0025】次に、このシート基体の少なくとも片面
に、相変化物質を封入したマイクロカプセルを含有す
る、弾性重合体を主体とする被覆層を形成する。本発明
でいう、相変化物質を封入したマイクロカプセルとは、
融点が−10〜80℃の温度範囲にあるような任意の相
変化物質を、平均粒径が好ましくは100μm以下、よ
り好ましくは平均粒径が1〜30μm程度の大きさで、
1層あるいは複数層の壁材により構成されるマイクロカ
プセル中に、熱膨張を考慮した容積率で封入したもので
ある。
【0026】本発明において使用可能なマイクロカプセ
ルの製造法は公知の方法が適用可能であり、また、マイ
クロカプセルの壁材組成等は特に限定されないが、例え
ばマイクロカプセルの機械的強度や耐溶剤性を重視した
場合にはメラミン系樹脂や尿素系樹脂などが好ましく選
ばれ、皮革様シートの風合いやマイクロカプセルの脱落
防止性を重視した場合には含有させる被覆層を構成する
弾性重合体との接着性に優れた樹脂、例えばポリウレタ
ン系樹脂が好ましく選ばれる。
【0027】相変化物質を封入したマイクロカプセルに
より発揮される保温性能とは、封入された相変化物質が
呈する融点における相変化(固相→液相、あるいは液相
→固相)に伴う熱エネルギーの吸放出を利用したもので
ある。従って、保温性能を発揮させたい温度領域に融点
を呈するような特定の相変化物質を封入したマイクロカ
プセルを使用することで、例えば暖かい屋内に居る間に
相変化物質の液化により吸収した熱エネルギーを、寒い
屋外へ出たときには固化する際に放出することによっ
て、融点近傍の暖かい温度を維持することができる。ま
た、逆に涼しい屋内に居る間に相変化物質が固相であれ
ば、暑い屋外へ出たときには液化することで熱エネルギ
ーを吸収することによって、融点近傍の涼しい温度を維
持することができる。
【0028】本発明において好適に用いられる相変化物
質としては、融点が−10℃〜80℃の範囲にあるよう
なパラフィン系炭化水素が挙げられ、例えば、炭素数1
5で融点が10℃のn−ペンタデカンや炭素数17で融
点が22.5℃のn−ヘプタデカン、炭素数19で融点
が32℃のn−ノナデカン、炭素数20で融点が36.
5℃のn−エイコサンなどのn−パラフィン系化合物、
あるいはそれらを主体として融点を調節したn−パラフ
ィン混合物が具体例として挙げられる。
【0029】相変化物質を封入したマイクロカプセルの
選択には、皮革様シートの使用状況、即ち前記したよう
な保温性能が発揮されるべき温度領域の設計が重要であ
るが、人間が快適と感じる体表温度には個人差があり、
性別や体の部位によっても、また、その日の外気温や体
調によっても異なっていて、20〜45℃程度の範囲で
一様ではない。従って、皮革様シートの用途、使用環
境、使用者の好みなどにより適宜選択できるように、種
々の温度設計のマイクロカプセルを使用した皮革様シー
トを取り揃えるのが好ましい。
【0030】上記したような、特定の温度において保温
性能を発揮する1種類のマイクロカプセルを使用する形
態の他にも、保温性能を発揮する設計温度が7℃以上、
より好ましくは10℃以上異なる2種類、あるいは3種
類以上のマイクロカプセルを併用すると、保温性能が発
揮される温度領域を2箇所、あるいは3箇所以上に設け
ることができ、保温性能が発揮される温度領域を見かけ
上拡げることができるので、皮革様シートの風合いや製
造コストなどによっては好ましく採用可能な形態であ
る。このような形態としては、例えば、融点が22.5
℃のn−ヘプタデカンを主体として封入した保温設計温
度24℃のマイクロカプセルと、融点が36.5℃のn
−エイコサンを主体として封入した保温設計温度36℃
のマイクロカプセルの併用などが挙げられる。但し、保
温設計温度が7℃未満の異なる種類のマイクロカプセル
を併用しても、それぞれの温度域における保温効果が明
確には体感できず、また本発明で目的とするようなレス
ポンスに優れた保温効果も体感できないので、好ましい
形態ではない。
【0031】マイクロカプセルを含有する被覆層を主体
として構成する弾性重合体としては、例えばポリエステ
ル系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレタン、ポリ
カーボネート系ポリウレタン、およびこれらの混合系、
シリコン変性ポリウレタン、ポリアミノ酸変性ポリウレ
タン等の変性ポリウレタンなどのポリウレタン系弾性重
合体、あるいはスチレン系弾性重合体、ポリエステル系
弾性重合体、オレフィン系弾性重合体、ポリアミド系弾
性重合体などの公知の弾性重合体が何れも使用可能であ
り、皮革様シートの用途等に応じて選択され、単独ある
いは混合して使用されるが、風合いと物性とのバランス
からポリウレタン系弾性重合体が主体成分として好まし
く使用される。
【0032】また、弾性重合体の硬さの指標である10
0%モジュラスも、皮革様シートの用途やシート基体と
のバランスに応じて適宜選択すればよいが、マイクロカ
プセルを含有する被覆層が最表層となるような場合であ
れば、皮革様シートとして好まれるような風合いや表面
感の点から、20〜100kg/cm2程度の範囲が好
ましく採用される。100%モジュラスが20kg/c
2未満では、表面の粘着感が高くなるとともに、表面
強度が弱くなる。100%モジュラスが100kg/c
2を越えると、風合いが硬くなり、耐屈曲性が悪化す
る。但し、マイクロカプセルを含有する被覆層を中間層
としたり、あるいは極薄層とする場合には、更に広い1
0〜150kg/cm2程度の範囲の弾性重合体が使用
可能となる。
【0033】マイクロカプセルにより付与する保温機能
を損なわない範囲において、必要に応じて弾性重合体中
に、難燃剤、抗菌剤、消臭剤、抗酸化剤、紫外線吸収
剤、滑性付与剤、充填剤等の添加剤や、有機系や無機系
の通常の顔料、あるいはパール光沢や金属光沢などの特
殊な意匠を有する顔料、または酸性染料や分散染料、反
応染料などの通常の染料等の着色剤を配合することも好
ましく採用される。配合割合は、皮革様シートの風合い
や被覆層の物性を損なわない範囲、例えば顔料であれば
弾性重合体の固形分に対して0.1〜50重量%程度の
範囲が一般に採用される。
【0034】相変化物質を封入したマイクロカプセルを
含有し、弾性重合体を主体とする被覆層は、皮革様シー
トの用途に応じて多孔質構造とすることが好ましい。多
孔質状態としては、任意の断面において被覆層に0.1
〜500μm2の大きさの微細空隙が多数存在するよう
な状態が、マイクロカプセルを含有する被覆層の保温性
能のレスポンス向上効果が期待でき、かつ皮革様シート
に適度な断熱性を付与するのみならず、皮革様シートの
外観や風合い、被覆層表面の強度などの商品価値をも兼
ね備える点で好ましい。但し、注意すべきは、多孔質化
した被覆層からのマイクロカプセルの脱落であり、マイ
クロカプセルを形成する樹脂と被覆層を形成する弾性重
合体との接着性や、マイクロカプセルの平均粒径と被覆
層の微細空隙の大きさとの関係を適宜調節する必要があ
る。
【0035】また、弾性重合体を主体とする被覆層の厚
さは、シート基体とのバランスや、皮革様シートの用途
により必要な表面物性など種々の要因により決定される
が、通常は非多孔質構造であれば平均厚さで3〜350
μm程度の範囲が、また、多孔質構造であれば平均厚さ
で10〜500μm程度の範囲が適当である。さらに
は、非多孔質、多孔質を問わず、衣料や手袋などの薄物
用途では、柔軟性の要求から200μm以下が好ましく
採用され、また、靴資材やインテリアなどの比較的厚物
用途では、表面強度などの物性および表面の張り感など
の要求から50〜400μm程度が好ましく採用され
る。なお、ここでいう被覆層の厚みとは、マイクロカプ
セルを含有する弾性重合体層のみならず、シート基体と
の間に隠蔽層あるいは接着層などの中間層が設けられた
場合にはその中間層を含めた厚さであり、最表面に着色
層あるいは保護層などの表皮層が設けられた場合にはそ
の表皮層を含めた厚さである。
【0036】被覆層に含有するマイクロカプセルの量
は、皮革様シートの単位面積当たりに含有する重量、特
に相変化物質の重量が重要であり、素材として期待する
保温状態の持続性と、皮革様シートとしての風合いや物
性とのバランス、さらには商品としての製造コストによ
り決定される。すなわち、相変化物質の含有量が大きく
なると当然ながら保温性能は高くなるものの、皮革様シ
ートの風合いは硬く、被覆層物性は弱く、さらには製造
コストは高くなるので、それらのバランスにより適宜決
定されるべきであり、含有量自体を規定することが本発
明の本質ではないが、一般的な場合として、皮革様シー
トの単位面積当たりに含有する相変化物質重量は、例え
ばパラフィン系炭化水素であれば、好ましくは5g/m
2以上、より好ましくは10g/m2以上である。5g/
2未満の場合には、含有しない場合と比較したときの
保温性能に差が明確には感じられにくいので、含有量と
しては基本的には不充分であるといえる。
【0037】但し、本発明の形態を採ることで保温性能
のレスポンスを従来に比して向上させることができるの
で、例えば瞬間的な保温性能のみを付与したいような場
合や、他の保温性素材との併用により保温性能を発揮さ
せたいような場合であれば、含有量が5g/m2未満で
あっても皮革様シートとしての商品価値を有すると言え
る。また、皮革様シートの用途や風合いの設計によって
も異なるが、含有量の上限の好適値は、被覆層を主とし
て構成する弾性重合体の樹脂量の50重量%である。樹
脂量に対して50重量%を越える場合には、被覆層がハ
ードで脆いものとなり皮革様シートとしての物性や風合
いに劣るものとなる。
【0038】皮革様シートに含有されているマイクロカ
プセルの存在状態としては、シート基体内に大部分を存
在させた状態ではなく、皮革様シートに含有するマイク
ロカプセルの80重量%以上が被覆層内に選択的に含有
されているような状態であることが必要であり、好まし
くは90重量%以上が被覆層内に選択的に含有されてい
る場合である。
【0039】このような状態の皮革様シートをマクロに
見ると、断熱効果を有するシート基体と保温効果を有す
る被覆層とが層状に積層された二層構造をとっており、
それぞれの層が阻害し合うことなく効果を効率よく発揮
しうる構造である。皮革様シート内のマイクロカプセル
の20重量%を越える量がシート基体内に含有されてい
る場合には、断熱層内に保温層が取り込まれた状態であ
り、本来の保温性能の20%を越える部分が効率的に発
揮されないため好ましくない。
【0040】さらには、被覆層に含有されているマイク
ロカプセルの存在状態としては、被覆層内に均一に分散
しているよりも層状に偏在させることにより、保温性能
の発揮状態を制御することができ、また、保温性能のレ
スポンス向上効果が見込めることから、素材として期待
する保温性能の設計によっては好ましく採用される。被
覆層内で層状に偏在した状態とは、前記したように表皮
層や中間層などを含めた被覆層の厚みにおいて表面側、
シート基体側、あるいは中央部分に偏在した状態を言
い、複数層からなる被覆層であれば何れかの層に選択的
に含有させた状態であり、また、1層のみからなる被覆
層であれば表面側あるいはシート基体側に選択的に含有
させた状態である。即ち、マイクロカプセルを偏在させ
ることにより、マイクロカプセル同士が近接し、周囲の
温度変化に対する相変化のレスポンスが最大限に発揮さ
れ、偏在状態を層状とすることにより被覆層全体に渡っ
て効率よく保温効果を付与することができる。マイクロ
カプセルを含有する被覆層を形成するシート基体面が、
着用あるいは使用している人(以下、着用者)に接する
面である場合には、被覆層表面にマイクロカプセルが層
状に偏在、さらには一部が表面に露出した状態とするこ
とにより、マイクロカプセルによる保温効果をタイムラ
グなくダイレクトに着用者に作用させることができる利
点があり、着用者は相変化物質の融点に相当する温度で
の保温効果を体感できるが、効果の持続性に劣ることと
なり、また、マイクロカプセルを被覆層表面から離れて
層状に偏在させることは、マイクロカプセルによる保温
効果が被覆層樹脂層を経ることにより温度差をもって体
感されるが、効果の持続性に優れる利点がある。
【0041】これらとは逆に、マイクロカプセルを含有
する被覆層を形成するシート基体面が、着用者に接しな
い面である場合には、被覆層のシート基体側にマイクロ
カプセルが層状に偏在し、好ましくは被覆層の表面側に
は多孔質層を形成させた状態とすることにより、マイク
ロカプセルの保温効果の持続性に優れ、かつ着用者側に
位置するシート基体に到達する温度変化を緩和する作用
が期待できるが、それらの保温効果を体感するためには
シート基体の厚さとしては1.0mm以下とすることが
好ましく、より好ましくは0.2〜0.6mm程度であ
る。
【0042】皮革様シートの使用形態は様々であり、本
発明の皮革様シートを銀付き調皮革様シートとして使用
しても、スエード調皮革様シートとして使用してもよ
い。銀付き調皮革様シートとして使用する場合には、マ
イクロカプセルを含有する被覆層が形成された面を表、
つまり銀面層としても、その反対側の面に銀面層を形成
して表として使用してもよく、また、スエード調皮革様
シートとして使用する場合にはマイクロカプセルを含有
する被覆層が形成されていない面を起毛処理して使用す
る。本発明でいうスエード調とは、シート基体の表面に
バフィングなどの起毛処理により繊維立毛を形成するこ
とによって得られる表面状態であり、多孔質被覆層の表
面を研削して得られる多孔露出面をスエード調と呼ぶこ
ともあるが、このような表面状態は本発明では銀付き調
に含まれる。
【0043】このような状態の被覆層をシート基体の少
なくとも片面に形成させる方法としては、多数層からな
る被覆層であればマイクロカプセルを含有させた層を何
れかの層として形成させればよく、例えば、シート基体
の片面に200μm程度の厚さの多孔質中間層を形成さ
せ、さらにその中間層表面に粘度調節剤の併用によって
粘度を調整するなどの方法を利用してマイクロカプセル
を均一に安定的に分散させた弾性重合体液を塗布するこ
とで、マイクロカプセルが均一に分散した15μm程度
の厚さの表皮層を形成させる方法や、あるいは同様にし
てマイクロカプセルが均一に分散した50μm程度の厚
さの弾性重合体多孔質層を中間層としてシート基体の片
面に積層し、さらにその中間層表面に30μm程度の厚
さの表皮層を形成させる方法などが挙げられる。また、
1層のみからなる被覆層であればマイクロカプセルを表
面側あるいはシート基体側に偏在させた層を形成させれ
ばよく、例えば、シート基体の片面にマイクロカプセル
を均一に分散した弾性重合体液を乾燥後の厚さで200
μm以上になるような量で塗布する際、弾性重合体液の
粘度および弾性重合体とマイクロカプセルとの親和性の
制御などにより、塗布した弾性重合体液の乾燥過程にお
いて弾性重合体液中でのマイクロカプセルの沈降あるい
は弾性重合体エマルジョン粒子のマイグレーションなど
を利用して表面側あるいはシート基体側にマイクロカプ
セルを偏在させることにより150μm程度の厚さの多
孔質被覆層を形成させる方法が挙げられる。
【0044】被覆層をシート基体の少なくとも片面に形
成する方法としては、前記の弾性重合体を溶液あるいは
分散液として、ナイフコートやバーコート、コンマコー
ト等のクリアランスにより弾性重合体液をコートする一
般的なコート方法、グラビア印刷法やオフセット印刷法
などの転写ロールにより弾性重合体液をプリントする一
般的なプリント方法、シボなどの意匠を有する離型性シ
ート上に被覆層を形成した後でシート基体と接着して離
型性シートを剥離する方法、溶融した弾性重合体をシー
ト基体上に直接塗布して冷却固化させて被覆層を形成す
る方法など、従来公知の方法が何れも採用可能である。
また、被覆層形成に先立って、着色剤や柔軟剤、撥水剤
などの付与、あるいは機械的な柔軟化を目的とした前処
理をシート基体に施すことは、本発明の目的、効果を何
ら阻害するものではないので、何れも実施可能である。
【0045】なお、被覆層を多孔質状態に形成する方法
としては、例えばポリウレタン系弾性重合体であれば、
弾性重合体を溶液とした場合には非溶剤あるいは非溶剤
と溶剤との混合液に浸漬する、いわゆる湿式凝固法が挙
げられ、弾性重合体液に添加する凝固調節剤や凝固条件
を調節することにより、種々の多孔質状態を形成するこ
とが可能である。また、弾性重合体をo/wタイプの分
散液とした場合には分散状態を維持しつつ非溶剤の蒸発
により乾燥凝固させる方法が、また、w/oタイプの分
散液とした場合には溶剤と非溶剤との蒸発温度差を利用
して非溶剤により多孔質化しつつ乾燥凝固させる方法等
が挙げられる。その他にも、従来公知の多孔質化方法、
例えば水溶性樹脂からなる微粒子を添加した弾性重合体
液により被覆層を形成した後、水洗等により微粒子を除
去する方法のような抽出除去タイプの多孔質化方法や、
熱膨張物質を内包するマイクロカプセルを添加した弾性
重合体液により被覆層を形成する過程で、熱膨張を利用
して気孔を形成する方法のような発泡剤タイプの多孔質
化方法なども使用可能な方法として挙げられる。
【0046】本発明の皮革様シートの効果的な使用例と
しては、人肌に直接的に、あるいは布帛を1〜2枚程度
介して間接的に接触するような部分の素材、例えば、紳
士靴、婦人靴、スポーツシューズ、アウトドアシュー
ズ、ブーツ、サンダルなどの履物類の素材であり、少な
くともライニング材の一部、あるいはゴルフ手袋、バッ
ティング手袋、スキー手袋、マリンスポーツ用手袋など
のスポーツ用手袋や一般的な防寒手袋などの手袋類の素
材であり、少なくとも甲側あるいは指先用素材の一部、
コート、ジャケット、シャツ、マフラー、帽子などの上
衣や、スラックス、スパッツ、スカート、パンツ、ソッ
クスなどの下衣などの衣類の素材であり、少なくとも表
地あるいは裏地の一部、さらには自動車や列車、船舶、
飛行機などの車両用シートや一般的なソファーなどの座
席に代表されるインテリア類の素材であり、少なくとも
座面あるいは肘掛け、背もたれなどの表皮材の一部など
の用途が挙げられる。さらに、上記の使用例において、
皮革様シートと断熱材とを組み合わせて使用することに
よる相乗効果として、より効果的な保温効果が期待でき
るので、本発明の皮革様シートのより好ましい使用形態
である。
【0047】本発明の皮革様シートは、人肌に直接的あ
るいは間接的に接触する素材に使用すると、外気温の急
激な変化に対する素材自体の温度変化を抑制し、素材の
着用者が体感する不快な温度変化を緩和することによっ
て、着用感を安定させることができる素材であり、上記
のような部位の素材として使用することで、その効果が
より効果的に体感しうるものとなる。前記したように着
用者が快適と感じる温度は種々の要因によって異なるの
で、使用するマイクロカプセルの好ましい保温設計温度
は一概には言えないが、着用者にとって快適な温度範囲
に保温設計温度を有するマイクロカプセルを使用した皮
革様シートの具体例を以下に用途別に数例挙げる。
【0048】(1)寒い時期に履くことの多いブーツな
どの履物類のライニング材として、保温設計温度が暖か
いと感じる室温〜通常の体温程度のマイクロカプセルを
含有する多孔質被覆層をシート基体側に層状に偏在させ
た銀付き調皮革様シートを使用し、甲材あるいは芯材と
して断熱効果のある素材を組み合わせて使用すると、暖
かい屋内から寒い屋外へ出た際にも皮革様シートと断熱
材との相乗効果でブーツの内側は暖かく感じる温度範囲
に暫く保たれるため、従来はブーツの中まですぐに冷え
てしまって外気温に慣れるまで体感された不快さが緩和
され、安定的に快適な履き心地が体感できる。逆に、暑
い時期に履くことの多いサンダルなどの履物類のライニ
ング材として、保温設計温度が涼しく感じる室温程度の
マイクロカプセルを含有する多孔質被覆層を最表層とし
て偏在させた銀付き調皮革様シートを使用し、甲材ある
いは芯材として断熱効果のある素材を組み合わせて使用
すると、涼しい屋内から暑い屋外へ出た際にも皮革様シ
ートと断熱材との相乗効果でサンダルの内側は涼しく感
じる温度範囲に暫く保たれるため、従来はサンダルの中
まですぐに暑くなってしまって外気温に慣れるまで体感
された不快さが緩和され、安定的に快適な履き心地が体
感できる。
【0049】(2)手袋類、特にゴルフ手袋などの1枚
の薄地素材のみから縫製されるような用途の場合には、
例えば本発明の皮革様シートがスエード調素材であれば
甲側あるいは指先の素材として、保温設計温度が涼しく
感じる室温〜暖かく感じる室温程度、即ち一般に快適と
感じられる温度範囲のマイクロカプセルを含有する被覆
層をシート基体側に偏在させた状態として使用すると、
暖かい屋内から寒い屋外でのラウンドでも皮革様シート
による保温効果で手袋の甲や指先は快適な温度範囲に暫
く保たれるため、従来はショットに影響していた手や指
先に体感される寒さが緩和され、安定的な着用感が得ら
れる。
【0050】(3)暑い時期あるいは寒い時期を問わず
着用機会の多いジャケットなどの衣類の裏地素材とし
て、保温設計温度が上記(2)同様に一般に快適と感じ
られる温度範囲のマイクロカプセルを含有する多孔質被
覆層を最表層として偏在させた銀付き調皮革様シートを
使用すると、表地あるいは芯材として一般的にジャケッ
トに使用されるような織物素材を使用した場合であって
も、快適な外気温の状態から不快な外気温の屋外へ出た
際にも皮革様シートの保温効果により着用者の体感温度
は暫くは快適な温度に保たれるため、従来は急激な外気
温の変化によって受けていた不快感が緩和される。
【0051】(4)列車内のシートの座面や背もたれな
どのインテリア類の表皮材として、保温設計温度が上記
(2)同様に一般に快適と感じられる温度範囲のマイク
ロカプセルを含有する被覆層をシート基体側に偏在させ
た銀付き調皮革様シートの裏側に伸び止め用編織布など
を貼り合わせた素材を使用すると、空調設備により快適
温度に保たれた列車内の座席表面は快適温度に保たれる
ため、寒い時期に座席が冷たいとか、暑い時期に座席が
熱いなどの不快さが緩和され、特に車両外との連絡用出
入り口近くの外気温の影響を受けやすいシートにおいて
顕著に保温効果が体感される
【0052】なお、本発明の皮革様シートの本質は、皮
革様シートとしての風合いを損なうことなく、被覆層と
して保温効果のあるマイクロカプセルを含有する層を効
果的な状態で付与することによって、急激に変化する環
境温度の下でも着用者が快適に感じる温度状態を暫く維
持することができる機能を表面層として付加することに
ある。従って、本発明の皮革様シートの形態および使用
例は上記のような具体例に限定されず、種々の形態を採
りうるものである。
【0053】
【実施例】以下に本発明の実施を具体的に実施例で説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。なお、実施例中の部および%は、断わりのない限
り、重量に関するものである。
【0054】[シート基体製造例1]ナイロン−6とポ
リエチレンを1:1の重量比率で混合紡糸して得られる
10デシテックスの海島繊維(ナイロン−6が島成分、
ポリエチレンが海成分)を、油剤を添加した温水中で2
倍に延伸し、乾燥による水分率調整や機械捲縮を行った
後、平均繊維長70mmにカットして、ステープルAを
得た。このステープルAを用いて、カード及びクロスラ
ップウェバーで作製したウェブを4枚重ねた後、両面か
ら合計1000パンチ/cm2のニードルパンチングに
より絡合処理を行い、さらに金属ロールによる熱プレス
を行うことで、平滑な表面を有する目付け550g/m
2の不織シートを作製した。この不織シート中に、平均
分子量2000のポリエチレンプロピレングリコールと
平均分子量2000のポリヘキサメチレンカーボネート
ジオールの混合ジオール、4,4’−ジフェニルメタン
ジイソシアネート、エチレングリコールから重合したポ
リウレタンの12%ジメチルホルムアミド(以下、DM
Fと略す)溶液に凝固調節剤を添加した含浸液を自然含
浸及び強制含浸により気泡が残らないように充填した
後、水/DMF混合液浴中に浸漬することでポリウレタ
ンを多孔質状態で凝固させ、温水浴中でDMFを水と置
換することで、不織シートとポリウレタンとからなる複
合シートを得た。次いで、この複合シートを85℃のト
ルエン浴中でDip−nipすることで海島繊維中のポ
リエチレン成分の99%以上を溶解除去して、90℃の
水浴中でトルエンを水と置換し、さらに脂肪酸アミド系
柔軟剤を付与した後、乾燥することで、厚さが1.1m
m、ナイロン−6成分とポリウレタン成分との重量比が
約65:35であり、ナイロン−6極細繊維の平均繊度
が0.008デシテックスのシート基体1を得た。
【0055】[シート基体製造例2]シート基体製造例
1により製造した厚さ1.1mmのシート基体1を厚み
方向に均等に二分割した後、両面に150メッシュのグ
ラビアロールによりDMF/シクロヘキサノン混合液を
1回塗布し、乾燥することで、厚さが0.5mmのシー
ト基体2を得た。
【0056】[シート基体製造例3]ナイロン−6とポ
リエチレンを1:1の重量比率で複合紡糸して得られる
10デシテックスの海島繊維(ナイロン−6が島成分、
ポリエチレンが海成分)を、シート基体製造例1と同様
に処理してステープルBを得た。このステープルBを使
用してつくった不織シートの目付けを600g/m2
し、ポリウレタンの濃度を17%とする以外はシート基
体製造例1と同様にして、厚さが1.5mm、ナイロン
−6成分とポリウレタン成分との重量比が約60:40
であり、ナイロン−6極細繊維の平均繊度が0.08デ
シテックスのシート基体を得た。得られたシート基体を
厚さ方向に均等に二分割し、分割後に形成された面に1
50メッシュのグラビアロールによりDMF/シクロヘ
キサノン混合液を1回塗布した後、乾燥することで、厚
さが0.7mmのシート基体3を得た。
【0057】[シート基体製造例4]ナイロン−6を溶
融紡糸して得られる10デシテックスのレギュラー繊維
を、シート基体製造例1の海島繊維と同様に処理して、
ステープルCを得た。このステープルCとシート基体製
造例1で得られたステープルAとを1:3の重量比で混
綿した混合ステープルを用いて、シート基体製造例1と
同様に処理して目付け500g/m2の不織シートをつ
くった。この不織シート中に、平均分子量2000のポ
リエチレンプロピレングリコール、4,4’−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート、エチレングリコールから重
合したポリウレタンの21%DMF溶液に凝固調節剤を
添加した含浸液を充填した後、シート基体製造例1と同
様に処理して複合シートを得た。次いで、この複合シー
トを85℃のトルエン浴中でDip−nipすることで
ステープルA中のポリエチレン成分の99%以上を溶解
除去して、90℃の水浴中でトルエンを水と置換し、さ
らに脂肪酸アミド系柔軟剤を付与した後、乾燥すること
で、厚さが1.3mm、ナイロン−6成分とポリウレタ
ン成分との重量比が約60:40であり、平均繊度が
0.008デシテックスのナイロン−6極細繊維と繊度
が5.0デシテックスのナイロン−6レギュラー繊維と
が混在するシート基体を得た。得られたシート基体を厚
さ方向に均等に二分割し、分割後に形成された面に15
0メッシュのグラビアロールによりDMF/シクロヘキ
サノン混合液を1回塗布した後、乾燥することで、厚さ
が0.6mmのシート基体4を得た。
【0058】[処理液製造例1]ポリウレタン系水性エ
マルジョン[ハイムレンX−3040(大日精化工業株
式会社製)]を100部、レモン色に調色した着色剤1
5部、相変化物質として保温設計温度25℃のn−パラ
フィンを封入したマイクロカプセル(壁材:ポリウレタ
ン−尿素系樹脂、平均粒子径:8μm、容積率80%)
の65%水分散スラリーを10部、メチルエチルケトン
(以下、MEK)を25部、トルエンを25部、水を4
5部、およびマイクロカプセルを均一に分散させる目的
で粘度調節剤を雰囲気の温度・湿度により適量の割合で
十分に撹拌混合して、ポリウレタン処理液1を得た。
【0059】[処理液製造例2]易染タイプのポリウレ
タン系水性エマルジョン[ハイムレンX−3041(大
日精化工業株式会社製)]を100部、処理液製造例1
で使用したマイクロカプセルの水分散スラリーを18
部、MEKを20部、トルエンを20部、水を12部、
およびマイクロカプセルを均一に分散させる目的で粘度
調節剤を雰囲気の温度・湿度により適量の割合で十分に
撹拌混合して、ポリウレタン処理液2を得た。
【0060】[処理液製造例3]ポリウレタン系水性エ
マルジョン[ハイムレンX−3041]を100部、相
変化物質として保温設計温度35℃のn−パラフィンを
封入したマイクロカプセル(壁材:メラミン系樹脂、平
均粒子径:3μm、容積率70%)の70%水分散スラ
リーを15部、DMFを25部、トルエンを25部、水
を10部、およびマイクロカプセルを均一に分散させる
目的で粘度調節剤を雰囲気の温度・湿度により適量の割
合で十分に撹拌混合して、ポリウレタン処理液3を得
た。
【0061】[処理液製造例4]ポリウレタン系水性エ
マルジョン[ハイムレンX−3040]を100部、ベ
ージュ色に調色した着色剤15部、処理液製造例3で使
用したマイクロカプセルの水分散スラリーを18部、M
EKを25部、トルエンを25部、水を40部、および
マイクロカプセルを均一に分散させる目的で粘度調節剤
を雰囲気の温度・湿度により適量の割合で十分に撹拌混
合して、ポリウレタン処理液4を得た。
【0062】[処理液製造例5]処理液製造例1で使用
したマイクロカプセルの水分散スラリーを使用せずに、
水の使用量を45部から50部に変更する以外は処理液
製造例1と同様の組成割合にて、マイクロカプセルを含
有しないポリウレタン処理液5を得た。
【0063】[処理液製造例6]処理液製造例2で使用
したマイクロカプセルの水分散スラリーの使用量を18
部から10部に変更し、水の使用量を12部から15部
に変更する以外は処理液製造例2と同様の組成割合に
て、ポリウレタン処理液6を得た。
【0064】[処理液製造例7]処理液製造例2で使用
したマイクロカプセルの水分散スラリーを使用せずに、
水の使用量を12部から20部に変更する以外は処理液
製造例2と同様の組成割合にて、マイクロカプセルを含
有しないポリウレタン処理液7を得た。
【0065】[処理液製造例8]薄茶色に調色した染料
を2部追加する以外は処理液製造例3と同様の組成割合
にて、ポリウレタン処理液8を得た。
【0066】[処理液製造例9]処理液製造例4で使用
したマイクロカプセルの水分散スラリーを使用せずに水
の使用量を40部から45部に変更する以外は処理液製
造例4と同様の組成割合にて、マイクロカプセルを含有
しないポリウレタン処理液9を得た。
【0067】実施例1シボを有する離型性シート上にポ
リウレタン処理液1をコンマコーターを使用して塗布
し、115℃で3分間乾燥させることで、厚さ方向に平
行な断面において5〜80μm2程度の大きさの微細空
隙が多数存在し、部分的には150〜350μm2程度
の大きめの微細空隙が点在する、平均厚さが35μmの
多孔質ポリウレタン被覆層を得た。シート基体1の片面
を180番のサンドペーパーでバフィングにより0.2
mm程度研削除去し、150メッシュのグラビアロール
によりDMF/シクロヘキサノン混合液を1回塗布して
乾燥した後、さらに白色着色剤を含有する二液型ポリウ
レタン系接着剤を乾燥後の厚さが70μmになるように
塗布し、50℃で3分間乾燥させた後、大きな気泡が入
らないように配慮しながら、離型性シート上に形成した
多孔質ポリウレタン被覆層を接着剤塗布面に貼り合わせ
て80℃で1分間乾燥させた。離型性シートを貼り合わ
せたままのシート基体を50℃にて30時間保持して接
着剤の架橋反応を十分に進行させた後で離型性シートを
剥離し、さらに多孔質ポリウレタン被覆層の表面に、ポ
リアミノ酸ポリウレタン溶液をグラビアロールを使用し
て塗布、乾燥した後、液流染色機により80℃の温水中
で揉み処理を行った。得られた厚さ1.0mmの銀面層
付き皮革様シートは、天然皮革のような外観、タッチと
柔軟な風合いおよび適度なコシを有しており、ソファー
の表皮用素材として好適な素材であった。
【0068】比較例1 ポリウレタン処理液1を使用せずに、ポリウレタン処理
液5を使用する以外は実施例1と同様にして得られた銀
面層付き皮革様シートは、実施例1で得られた銀面層付
き皮革様シートと同様に、天然皮革のような外観、タッ
チと柔軟な風合いおよび適度なコシを有しており、ソフ
ァーの表皮用素材として好適な素材であった。
【0069】比較例2 シート基体1の片面を180番のサンドペーパーでバフ
ィングにより0.2mm程度研削除去した後、ポリウレ
タン処理液1をコンマコーターを使用してポリウレタン
固形分で30g/m2になるように強制含浸して120
℃で5分間乾燥し、さらにポリアミノ酸ポリウレタン溶
液をグラビアロールを使用して塗布、乾燥し、熱エンボ
ス処理によるシボ付け、および液流染色機による揉み処
理を行った。得られた銀面層付き皮革様シートは、実施
例1で得られた銀面層付き皮革様シートと同様に天然皮
革のような外観、タッチを有しているが、ポリウレタン
の大部分がマイクロカプセルとともにシート基体内に浸
透しており、被覆層は厚さ5〜10μm程度で多孔質状
態とはいえない状態であり、皮革様シートの風合いとし
ては,シート基体に比べて被覆層が相対的に非常に硬い
ためバランスが崩れて柔軟性が不足しており、ソファー
の表皮用素材としては好適とは言えない素材であった。
【0070】実施例1および比較例1、比較例2で得ら
れた銀面層付き皮革様シートの被覆層側を表面とし、裏
面に織布を貼り合わせたものを座面および背もたれ部分
の表皮材として使用して、それぞれ別のソファーを製造
した。得られた3種類のソファーを気温23℃の屋内に
設置し、皮革様シートの種類は非告知で5名により30
分間着席した後、30分間を気温12℃の屋外へ出るこ
とを交互に繰り返したときの着用感をアンケート調査し
たところ、実施例1および比較例1の皮革様シートを使
用したソファーは共にクッション性があってソフトな座
り心地であったが、比較例2の皮革様シートを使用した
ソファーはクッション性が不足して座り心地が硬く感じ
られるので長時間はくつろげないものであった。また、
比較例1の皮革様シートを使用したソファーに着席した
ときには、着用者が屋外へ出る際に気温5℃の外気によ
り屋内の気温が18℃程度まで下がるため座面および背
もたれに冷たさが感じられたが、実施例1の皮革様シー
トを使用したソファーでは僅かに暖かく、よりソフトな
座り心地が体感されたため、総合的に実施例1の皮革様
シートを使用したソファーがより快適な着用感であると
いう調査結果が得られた。
【0071】実施例2 シート基体2の片面を180番のサンドペーパーでバフ
ィングにより0.15mm研削除去した後、さらに60
0番のサンドペーパーでバフィングすることにより面全
体に渡って均一な立毛長を有する極細繊維立毛を形成し
た。次に、立毛を形成していない面に75メッシュのグ
ラビアロールによりポリウレタン処理液2を2回、およ
び110メッシュのグラビアロールによりポリウレタン
処理液7を1回塗布、乾燥し、さらにポリアミノ酸ポリ
ウレタン溶液をグラビアロールを使用して塗布、乾燥し
た後、液流染色機によりアイボリー色への染色処理およ
び揉み処理を同時に行い、乾燥した。得られた厚さ0.
4mmのスエード調皮革様シートは、表面は極細繊維立
毛により天然皮革スエードのような外観、タッチを有
し、裏面には20μm程度の半銀付き調の被覆層による
ドライなタッチを有していて、皮革様シートとしては非
常に柔軟な風合いの素材であり、ゴルフ手袋用の素材と
して好適な素材であった。
【0072】実施例3 ポリウレタン処理液2およびポリウレタン処理液7を使
用せずに、ポリウレタン処理液6のみを使用して75メ
ッシュのグラビアロールで3回塗布、乾燥する以外は実
施例2と同様にして得られたスエード調皮革様シート
は、実施例2で得られたスエード調皮革様シートと同様
に、表面は天然皮革スエードのような外観、タッチを有
し、裏面には25μm程度の半銀付き調の被覆層による
ドライなタッチを有していて、皮革様シートとしては非
常に柔軟な風合いの素材であり、ゴルフ手袋用の素材と
して好適な素材であった。
【0073】実施例2および実施例3で得られたスエー
ド調皮革様シートの被覆層面を内側にして指先を含む甲
側全面に使用し、それぞれ別のゴルフ手袋を縫製した。
得られた2種類のゴルフ手袋を皮革様シートの種類は非
告知で4名により着用し、気温21℃の屋内での休憩お
よび気温10℃の屋外コースでのラウンドを交互に繰り
返したときの着用感をアンケート調査したところ、2種
類のゴルフ手袋は共に薄くてソフトであり、ラウンド中
の使用感としては何れも好ましく、また屋外へ出た直後
のラウンドにおいて従来のゴルフ手袋着用時には冷たく
感じられた甲部が冷たくないのでショットが安定してお
り、さらに実施例3に比べて実施例2の皮革様シートを
使用したゴルフ手袋の方がより明確に保温効果が感じら
れたため、総合的な着用感としてはより安定していると
いう調査結果が得られた。
【0074】実施例4 シート基体1を厚さ方向に7:3で二分割して、厚い方
のシート基体の両面にDMF/シクロヘキサノン混合液
を150メッシュのグラビアロールで1回塗布、乾燥し
た後、両面を180番のサンドペーパーでバフィングに
よりそれぞれ0.15mm研削除去し、さらに片面のみ
600番のサンドペーパーでバフィングすることにより
面全体に渡って均一な立毛長を有する極細繊維立毛を形
成した。次に、立毛を形成していない面にポリウレタン
処理液7を75メッシュのグラビアロールで1回、ポリ
ウレタン処理液2を75メッシュのグラビアロールで2
回、ポリウレタン処理液3を110メッシュのグラビア
ロールで3回塗布、乾燥し、熱エンボス処理した後、液
流染色機による茶色への染色処理および揉み処理を同時
に行い、さらにシリコン系柔軟剤を付与して乾燥した。
得られた厚さ0.8mmのスエード調皮革様シートは、
表面は極細繊維立毛により天然皮革スエードのような外
観、タッチを有し、裏面には厚さ45μm程度の半銀付
き調の被覆層によるしっとりとしたタッチを有してい
て、皮革様シートとしては非常に柔軟な風合いの素材で
あり、衣料の表地用素材として好適な素材であった。
【0075】実施例5 ポリウレタン処理液3を使用しない以外は実施例4と同
様にして得られたスエード調皮革様シートは、表面は実
施例4と同様の天然皮革スエードのような外観、タッチ
を有し、裏面には25μm程度の半銀付き調の被覆層に
よるしっとりとしたタッチを有していて、皮革様シート
としては実施例4よりもさらに柔軟な風合いの素材であ
り、衣料の表地用素材として好適な素材であった。
【0076】比較例3 ポリウレタン処理液2を使用せずポリウレタン処理液7
のみを使用して75メッシュのグラビアロールで3回塗
布、乾燥する以外は実施例5と同様にして得られたスエ
ード調皮革様シートは、実施例5で得られたスエード調
皮革様シートと同様に、表面は天然皮革スエードのよう
な外観、タッチを有し、裏面には半銀付き調の被覆層を
有していて、皮革様シートとしては非常に柔軟な風合い
の素材であり、衣料の表地用素材として好適な素材であ
った。
【0077】実施例4および実施例5、比較例3で得ら
れたスエード調皮革様シートを表地用素材として使用
し、裏材用素材として織物を使用して、それぞれ別のジ
ャケットを縫製した。得られた3種類のジャケットを皮
革様シートの種類は非告知で5名により着用し、気温2
7℃の屋内と気温8℃の屋外を30分毎に往復したとき
の着用感をアンケート調査したところ、3種類共に風合
いはソフトで動作を妨げるような硬さはないので着用感
としては何れも好ましいものであったが、屋外へ出た際
に実施例4および実施例5の皮革様シートを使用したジ
ャケットに比べて比較例3の皮革様シートを使用したジ
ャケットは肌寒さが感じられたので、総合的な着用感と
しては実施例4および実施例5の皮革様シートを使用し
たジャケットがより安定しているという調査結果が得ら
れた。
【0078】次に、実施例4、実施例5および比較例3
で得られたスエード調皮革様シートを使用したジャケッ
トを、やはり非告知で前記とは別の4名により着用し、
気温22℃の屋内と気温38℃の屋外を30分毎に往復
したときの着用感をアンケート調査したところ、風合い
による着用感は前記と同様に何れも好ましいものであっ
たが、屋外へ出た際に実施例5および比較例3の皮革様
シートを使用したジャケットに比べて実施例4の皮革様
シートを使用したジャケットは体感温度が上昇しにくか
ったので、総合的な着用感としては実施例4の皮革様シ
ートを使用したジャケットがより好ましいという調査結
果が得られた。
【0079】実施例6 シボを有する離型性シート上にポリウレタン処理液8を
コンマコーターを使用して塗布し、120℃で2分間乾
燥させることで平均厚さが10μの無孔質ポリウレタン
層を形成し、さらにその上にポリウレタン処理液4をコ
ンマコーターを使用して塗布し、118℃で3分間乾燥
させることで、厚さ方向に平行な断面において1〜50
μm2程度の大きさの微細空隙が多数存在し、部分的に
は100〜250μm2程度の大きめの微細空隙が存在
する多孔質ポリウレタン層を形成することにより、合わ
せて40μmの平均厚さのポリウレタン被覆層を得た。
シート基体3の混合液塗布面に白色着色剤を含有する二
液型ポリウレタン系接着剤を乾燥後の厚さが50μmに
なるように塗布し、50℃で3分間乾燥させた後、大き
な気泡が入らないように配慮しながら、離型性シート上
に形成した多孔質ポリウレタン被覆層を接着剤塗布面に
貼り合わせて80℃で1分間乾燥させた。離型性シート
を貼り合わせたままのシート基体を50℃にて30時間
保持して接着剤の架橋反応を十分に進行させた後で離型
性シートを剥離し、さらに多孔質ポリウレタン被覆層の
表面に、ポリアミノ酸ポリウレタン溶液をグラビアロー
ルを使用して塗布、乾燥した後、機械的な揉み処理を行
った。得られた厚さ0.8mmの銀面層付き皮革様シー
トは、天然皮革のような二色感のある外観、ドライなタ
ッチと柔軟な風合いおよび適度なコシを有しており、ブ
ーツのライニング材として好適な素材であった。
【0080】比較例4 ポリウレタン処理液4を使用せずに、ポリウレタン処理
液9を使用し、さらにポリウレタン処理液8においてマ
イクロカプセル液を添加していないポリウレタン処理液
を使用する以外は実施例6と同様にして得られた銀面層
付き皮革様シートは、実施例6で得られた銀面層付き皮
革様シートと同様に、天然皮革のような二色感のある外
観、ドライなタッチと柔軟な風合いおよび適度なコシを
有しており、ブーツのライニング材として好適な素材で
あった。
【0081】実施例6および比較例4で得られた銀面層
付き皮革様シートを銀付き調ライニング材として使用
し、甲材として羊革調銀付き皮革様シートを使用して、
それぞれ別のブーツを製靴した。得られた2種類のブー
ツを皮革様シートの種類は非告知で4名により着用し
て、気温27℃の屋内と気温8℃の屋外を30分毎に往
復したときの着用感をアンケート調査したところ、2種
類のブーツは共に歩行性に問題はないが、比較例4の皮
革様シートを使用したブーツで体感されたブーツ内の急
激な温度変化が、実施例6の皮革様シートを使用したブ
ーツでは殆ど体感されなかったことにより、実施例6の
皮革様シートを使用したブーツの方は屋内外を問わず総
合的に快適な着用感であるという調査結果が得られた。
【0082】実施例7 シート基体3を使用せずに、シート基体4を使用する以
外は実施例6と同様にして得られた銀面層付き皮革様シ
ートは、実施例6で得られた銀面層付き皮革様シートと
同様に、天然皮革のような二色感のある外観、ドライな
タッチを有し、実施例6で得られた皮革様シートよりも
充実感のある風合いを有しており、紳士靴や婦人靴など
のライニング材として好適な素材であった。ただレギュ
ラー繊維によると思われる筋状の表面模様がところどこ
ろ見られ、高級感の点で若干劣るものであったが、ライ
ニングとして用いる範囲内では欠点とはならなかった。
【0083】
【発明の効果】本発明の銀面層付き皮革様シートは、相
変化物質の含有量に対する保温性能の発揮効率、および
発揮される保温性能のレスポンスに優れていながら、相
変化物質の含有が風合いに影響することなく皮革様シー
トとして柔軟性に優れた風合いを有するものであり、特
に靴、手袋、衣料、インテリア等の素材として使用感に
優れたものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A41D 31/00 502 A41D 31/00 502Q 503 503E 31/02 31/02 D D06M 13/02 D06M 13/02 15/564 15/564 23/12 23/12 Fターム(参考) 3B030 AB01 AB05 3B033 AA27 AB03 AC06 AC07 4F055 AA03 BA12 CA18 DA20 EA05 EA12 EA14 EA24 FA15 FA20 FA21 GA02 GA33 HA05 4L031 AA20 AB34 BA32 4L033 AA08 AB07 AC15 BA01 CA50

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 0.5デシテックス以下の極細繊維から
    なる三次元絡合不織布を主体とする繊維構造物およびそ
    れに充填された弾性重合体からなるシート基体の少なく
    とも片面に、弾性重合体を主体とする被覆層が形成さ
    れ、かつ融点が−10〜80℃の範囲にある相変化物質
    を封入したマイクロカプセルが含有されている皮革様シ
    ートにおいて、該マイクロカプセルの80重量%以上が
    該被覆層中に含有されていることを特徴とする皮革様シ
    ート。
  2. 【請求項2】 マイクロカプセルが被覆層の表面側、シ
    ート基体側、あるいは中央部分に層状に偏在している請
    求項1に記載の皮革様シート。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の皮革様シート
    を少なくともライニング材の一部に使用した靴。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載の皮革様シート
    を少なくとも甲側、あるいは指先の一部に使用した手
    袋。
  5. 【請求項5】 請求項1または2に記載の皮革様シート
    を表地あるいは裏地の一部に使用した衣料。
  6. 【請求項6】 請求項1または2に記載の皮革様シート
    を表皮材の少なくとも一部に使用した座席。
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