JPH0633352U - 角形電池用電槽 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 角形電池用電槽に、極板群を絶縁シートを介
して密嵌挿入作業を容易且つ円滑に行うようにし、角形
電池の製造を円滑且つ高能率に行うことにある。 【構成】 金属製電槽１の対向する一対の側壁１ａ，１
ａの上端の内側エッジをカット面２，２に夫々形成して
成る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、角形電池用電槽に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の角形電池として、金属製電槽内に極板群をその対向する一対の両側壁と の間に絶縁シートを介在させて密嵌挿入し、該電槽の上端開放面に蓋を施し、該 蓋と該電槽の口縁とを溶接で気密に接合して可及的に小形に組立てた式のものが ある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

このように従来の角型電池では、小形化のためには、極板群と該電槽間に介在 させる絶縁シートの占める容積をできるだけ減ずる必要があるため、電極寸法精 度を向上させ、電槽内寸法に間隙なく挿入する必要があるので、上記のように、 該極板群の両面と該電槽の対向両側壁との間に絶縁シートを隙間なく介在させ、 該極板群を該電槽内に密嵌収納する必要があるが、該金属製角型電槽の口縁は、 即ち、四周側壁の上端の内縁は角型エッジであるため、又、そのエッジには加工 時に生ずるバリなどの突起物が付随しているため、かゝる電槽内に該極板群を該 絶縁シートを介して密嵌挿入する過程で、その角型エッジにより該絶縁シートが 破れることがしばしばであり、従って又、角型電池の組立てが困難となり、製造 ロスを生じる等の不都合をもたらした。 本考案は、かゝる課題を解決し、該角型電池の製造を円滑且つ良好になし得る 角型電池用電槽を提供するにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、前記の課題を解決し、上記の目的を達成した角型電池用電槽に係り 、金属製電槽から成り、極板群を該電槽の対向する一対の両側壁との間に絶縁シ ートを介在させて密嵌挿入する式の角型電池用電槽において、該両側壁の上端の 内側エッジを夫々カット面に形成して成る。

【０００５】

【作用】

極板群をその両外面に絶縁シートを介在させて、該電槽内に密嵌挿入するとき 、該電槽の絶縁シートに対面する両側壁の上端の両側エッジは、カット面に形成 されているので、絶縁シートは破れることなく円滑且つ良好に該電槽内に密嵌挿 入でき、角型電池の組立てを円滑容易にする。

【０００６】

【実施例】

次に本考案の実施例を添付図面に基づいて説明する。 図１及び図２は、本考案実施の１例の角型電池用電槽１を示す。該電槽１は、 対向する一対の長側壁１ａ，１ａと対向する一対の短側壁１ｂ，１ｂと長矩形の 底壁１ｃとから成る直方形の金属製角型電槽から成る。この点は従来と変りがな いが、本考案によれば、該角型電槽１内に極板群を挿入する際、その極板群の両 端の極板面と対向する一対の両側壁、即ち、図示の例では、該長側壁１ａ，１ａ の上端の内側エッジをカット面２，２に形成したことを特徴とする。かくして、 カット面２と該側壁１ａの垂直の内壁面とのなす角は鈍角となり、通常略１３５ ゜乃至それ以上の鈍角とすることが好ましい。又、例えば、該電槽１の肉厚が５ 〜７ｍｍ程度の場合、カット面２の幅は、該側壁の垂直内壁面から１〜１．５ｍ ｍにとゞめることが好ましい。 該垂直内壁面から２ｍｍ以上の広幅のカット面とした場合は、該電槽１の口縁 に施された蓋との間に大きいギャップが生じ、相互の溶接作業に時間がかゝり、 又均一良好な溶接ができなくなり、品質を低下させる嫌いがある。

【０００７】 極板群の幅方向の寸法に対し、該電槽１の対向する短側壁１ｂ，１ｂ間のスペ ース寸法にいくらか余裕がある場合は、該カント面２は上記のように該長側壁１ ａ，１ａのみに形成すれば足りるが、該スペース寸法に余裕がない場合は、該短 側壁１ｂ，１ｂの上端の内側エッジもカット面に形成することが好ましい。かく することにより、該電槽内への極板群の挿入時、介在せしめた絶縁シートの両側 縁並に極板群のセパレーターの両側縁が、その短測壁１ｂ，１ｂの上端の内側縁 との摺接時に発生する破れが未然に防止される。

【０００８】 このように構成した本考案の上記の金属製角型電槽１内に、図３に示す如く、 極板群３を、例えばその底面から両端面にかけてコ字状に折り曲げて被包したテ フロンなどの絶縁シート４を介して密嵌挿入するときは、該電槽１の対向する該 長側壁１ａ，１ａの上端の内側はカット面２，２となっているので、換言すれば 、該カット面２とその両側壁１ａの垂直内壁面とのなす角は鈍角となっているの で、該極板群３と該電槽１との間に介在されるコ字状の絶縁シート４の該長側壁 １ａ，１ａの上端内縁によって損傷せしめられることなく、該極板群３の該電槽 １内への円滑な密嵌挿入が得られ、角型電池の組立てを円滑、迅速に遂行するこ とができる。 このように、該極板群３を該電槽１内に該絶縁シート４を介して密嵌収容後、 該電槽１の上面開口部に、金属製蓋５を施し、該蓋５と該電槽１の口縁とを気密 に溶接することにより、図４に示すシール形角型電池が得られる。図面で６は溶 接部、７は陰極柱、８は陽極柱、９は液口栓を示す。

【０００９】

【考案の効果】

このように本考案によるときは、金属製角型電槽の少なくとも一対の対向する 両側壁の上端の内側エッジをカット面に形成したので、極板群を絶縁シートを介 して該電槽内に密嵌挿入するに当たり、角型電池の製造の円滑良好にもたらす効 果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案実施の１例の角形電池用電槽の斜面図で
ある。

【図２】図１のＩＩ−ＩＩ線裁断面図である。

【図３】本考案の該電槽に極板群を密嵌挿入する状態を
示す一部裁断側面図である。

【図４】本考案の該電槽を具備した角形電池の斜面図で
ある。

【符号の説明】

１ 本考案の角形電池用電槽 １ａ 長側壁 １ｂ 短側壁 ２ カット面 ３ 極板群 ４ 絶縁シート

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 金属製電槽から成り、極板群を該電槽の
   対向する一対の両側壁との間に絶縁シートを介在させて
   密嵌挿入する式の角型電池用電槽において、該両側壁の
   上端の内側エッジを夫々カット面に形成して成る角形電
   池用電槽。