JP2008311193A - 電池およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】かじりの発生を未然に防止し且つ高い耐圧強度を実現する封口板及びケースならびにそれらを備える電池とその製法を提供すること。
【解決手段】本発明により提供される電池は、開口部の周縁が長軸と短軸とを有する形状であるケースと、該ケース開口部に装着されて該開口部を塞ぐ封口板20とを備え、該封口板20の裏面側にはケース開口部の内方に入り込む嵌合凸部24が形成されている。この凸部24は、封口板20がケース開口部の所定位置に装着された際に、該ケース開口部の長手方向の少なくとも両端部分では凸部24と該ケース開口部周縁との間にクリアランスが確保される一方で、上記長手方向における上記両端部分の間に位置する部分であって少なくとも該両端部分に隣接する一部分においては凸部24と上記ケース開口部周縁とが密接するように形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、電池ケースとして電極体ユニットを収容する開口部が長軸と短軸とを有する形状(すなわち細長い開口形状)であるケースを備える電池に関する。詳しくは、封口板によるケース開口部の封口(シール)構造に関する。
種々の電池、例えばリチウムイオン電池等のリチウム二次電池、ニッケル水素二次電池のような化学電池或いは電気二重層キャパシタのような物理電池が、電気を駆動源とする車両、パソコンその他の電気製品等に搭載される電源として利用される。かかる電池の典型的な一形態として、所定の電極体ユニット及び電解質が典型的には金属製であるケース(筐体)の内部に密閉された形式の電池が挙げられる。
この種の電池に用いられる電池ケースとしては種々の形状があり得るが、例えば車載用の電池としては限られたスペースに効率よく多数の電池を整然と配列させ得る形状が好ましく、その典型例として電池ケースの開口部の周囲(側壁)が矩形の枠状であるいわゆる角形ケース(典型的には直方体形状のケース)が挙げられる。
この種の電池では、所定の電極体ユニットを角形ケース(ケース本体)に収容した後、該ケースの開口部(即ち電極体ユニットを収容するための収容口をいう。以下同じ。)に所定の封口板(即ち当該ケース開口部を塞ぐ部材をいう。以下同じ。)を装着し、次いで該開口部の周縁に封口板を溶接して該ケース開口部を封口(シール)することによって構築される。同様の構造は、電極体ユニットを収容するケースの開口形状が長軸と短軸とを有する種々の形状(すなわち細長い形状)である電池に適用され得る。
関連従来技術として、特許文献1には、角形ケース本体のケース開口部周縁に封口板を効率よく溶接する技術が記載されている。また、特許文献2には、ケース開口部周縁に封口板を溶接する際の溶接不良を防止するために封口板の周側面をテーパー面としたことを特徴とする角形電池が記載されている。また、特許文献3及び4には、電極体とケース本体との間に隙間が発生することを防止することを目的として角形ケース本体の開口部周縁における長辺部の厚みを短辺部の厚みよりも厚くしたことを特徴とする角形電池が記載されている。
特開2004−195490号公報 特開平9−7557号公報 特開2002−50322号公報 特開2000−182573号公報
ところで、電池(例えばリチウム二次電池)に用いられる上記封口板の裏面側(ケース開口部に装着された際にケース内側を向く面側をいう。以下同じ。)は、一般にケース開口部の内方に入り込む部分(以下「嵌合凸部」ともいう。)を有する(例えば特許文献1及び2に図示される封口板参照)。
従来、溶接不良の防止ならびに封口板装着時における封口板の位置ずれ防止という観点から、かかる封口板の嵌合凸部は、該封口板をケース開口部に装着した際に該ケース開口部周縁と全周に亘って密接するような形状、換言すれば嵌合凸部とケース開口部周縁との間に隙間(クリアランス)が全く存在しない形状に形成されていた。典型的には、かかる嵌合凸部のサイズ及び形状は、対応するケース開口部の開口サイズ・形状と同じか或いはやや大きめ(この場合は封口板の嵌合凸部をケース開口部に圧入する必要がある。)に形成されていた。
しかしながら、このような全周にわたって密接するタイプの嵌合凸部を有する従来の封口板は、ケース開口部に装着する際に開口部周縁部と嵌合凸部表面(側面)とが強く擦れ合い、所謂「かじり」が発生する虞がある。かじりの発生は、電極体ユニット及び電解質を収容したケース内に当該かじりに由来する脱落粉(即ちかじり粉)を混入させる可能性がある。かかるかじり粉(例えば金属製ケース由来の金属粉)の電池内部への混入は内部短絡等の原因ともなるため好ましくない。
そこで本発明は、ケース(例えば角形ケース)に封口板を装着してケース開口部を封口する際に生じ得る従来の問題点を解決すべく創出されたものであり、溶接不良や位置ずれを生じさせることなく、且つ、かじりの発生を未然に防止し得る封口板及びケースとそれらを備える電池の提供を目的とする。また、そのような電池の製造方法の提供を他の目的とする。
本発明によって提供される電池は、電極体ユニットを収容する開口部の周縁が長軸と短軸とを有する形状であるケース(すなわち、該開口部の開口形状が長軸と短軸とを有する細長形状であるケース)と、該ケース開口部に装着されて該開口部を塞ぐ封口板と、を備える電池である。
本発明によって提供される電池では、前記封口板の裏面側に、該封口板が前記ケース開口部の所定位置に装着された際に前記ケース開口部の内方に入り込む嵌合凸部が形成されている。そして前記嵌合凸部は、前記封口板が前記ケース開口部の所定位置に装着された際に、該ケース開口部の長手方向の少なくとも両端部分では該凸部と該ケース開口部周縁との間にクリアランスが確保される一方で、前記長手方向における前記両端部分の間に位置する部分では少なくとも該両端部分に隣接する一部分においては該凸部と該ケース開口部周縁とが密接するように形成されていることを特徴とする。
本発明によって提供される電池の一好適例は、電極体ユニット及び電解質を収容する開口部の周縁が一対のケース長辺部と一対のケース短辺部とから構成された矩形状である角形ケースと、該角形ケース開口部に装着されて該開口部を塞ぐ封口板とを備える電池(即ち角形電池)である。
本発明によって提供される角形電池では、前記封口板の裏面側に、該封口板が前記ケース開口部の所定位置に装着された際に前記ケース開口部の内方に入り込む嵌合凸部が形成されている。そして前記嵌合凸部は、前記封口板が前記ケース開口部の所定位置に装着された際に該凸部と前記ケース短辺部との間にクリアランスが確保され且つ該凸部と前記ケース長辺部の両端部分との間にもクリアランスが確保される一方で、前記ケース長辺部における前記両端部分以外の部分であって少なくとも該両端部分に隣接する一部分においては該凸部と該ケース長辺部とが密接するように形成されていることを特徴とする。
なお、本明細書において「電池」とは、所定の電気エネルギーを取り出し得る蓄電装置をいい、特定の蓄電機構(電極体や電解質の構成)に限定されない。リチウム二次電池、ニッケル水素二次電池その他の二次電池或いは電気二重層キャパシタ等のキャパシタ(即ち物理電池)は、ここでいう電池に包含される典型例である。
また、本明細書において「電極体ユニット」とは、少なくとも一つずつの正極及び負極を含み、電池(蓄電装置)の主体を成す構造体をいう。
また、本明細書において「ケース」とは、ここで開示される電池を構成する一部材であって、電極体ユニット及び電解質を収容し、長軸と短軸とを有する開口形状の開口部(即ち電極体ユニット収容口)を有する電池用筐体をいい、「角形ケース」とは上記開口部の形状が矩形状であるものをいう。
また、本明細書において「かじり」とは、ケースと封口板の接触面(摩擦面)において不規則な微視的な若しくは巨視的な塊が生じることをいい、「かじり粉」とは当該塊が角形ケース若しくは封口板から遊離した粉状物をいう。
本発明者は、ケース開口部が長軸と短軸とを有する細長形状であるケース(典型的には、ケース開口部の周縁が一対のケース長辺部と一対のケース短辺部とから構成される矩形状開口部の角形ケース)を使用する場合、封口板装着時において上記ケース開口部の長手方向の両端部分と嵌合凸部との接触部位(例えば角形ケースの場合、上記ケース短辺部と嵌合凸部との接触部位ならびにケース長辺部の両端部(即ち短辺部に近接するコーナー部)と嵌合凸部との接触部位)において特にかじりが発生し易いことを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、上記構成を有する本発明の電池では、封口板装着時にかじりが発生し易い部位であるケース開口部の長手方向の両端部分と嵌合凸部との間(角形ケースの例では、ケース短辺部と嵌合凸部との間ならびにケース長辺部の両端部分と嵌合凸部との間)にクリアランス(隙間)が確保され得る形状・サイズの嵌合凸部を備える封口板が使用されている結果、封口板装着時に上記両端部分(角形ケースにおけるケース短辺部ならびにケース長辺部両端部分)と嵌合凸部とが非接触であり、これら部材間の摩擦によるかじり(延いてはかじり粉)の発生が未然に防止されている。このため、本発明の電池(例えば角形電池)は、内部短絡等の不具合発生を防止して高信頼性を実現する。
さらに上記構成の本発明の電池に装着される封口板は、前記両端部分の間に位置する部分では少なくとも該両端部分に隣接する一部分においては該凸部と該ケース開口部周縁とが密接するように形成されている。例えば、上記角形ケースを備える角形電池では、前記ケース長辺部における前記両端部分(即ちクリアランスが設けられている部分)以外の部分であって少なくとも該両端部分に隣接する一部分においては該凸部と該ケース長辺部とが密接するように形成されている。これにより、位置ずれを防止して封口板を所定位置に正しく装着することができる。かかる高精度の位置決めにより、本発明の電池(例えば角形電池)ではケースと封口板との高い溶接強度が保証される。
以上のように本発明によると、かじり粉の混入による内部短絡等の不具合発生を防止し且つ高い溶接強度(電池ケースの耐圧強度向上)を保証する高信頼性の電池(例えば角形電池)を提供することができる。
ここで開示される電池の好ましい一態様では、前記封口板は、前記ケース開口部の所定位置に装着された際に前記両端部分を除く実質的に全ての部分で該ケース開口部周縁と前記嵌合凸部とが密接するように形成されている。例えば上記角形電池の好ましい一態様では、前記封口板は、前記ケース開口部の所定位置に装着された際に前記ケース長辺部における前記両端部分を除く実質的に全ての部分と前記嵌合凸部とが密接するように形成されている。
かかる構成の封口板の採用により、上記両端部分以外の部分で嵌合凸部が密接することによって、より高精度に位置決めが行われる。このことにより、本態様の電池(例えば角形電池)ではケースと封口板とのより高い溶接強度が実現される。
また、好ましい他の一態様では、前記ケースは金属製であって前記ケース開口部の長手方向の中央部分がそれぞれ外方向に撓み得る厚みに形成されている。そして、前記クリアランスが確保される前記長手方向の両端部分には、前記ケース開口部の長手方向の中央部分をそれぞれ元の状態に復帰可能な範囲で外方向に撓ませた際に、対向する前記ケース開口部周縁間の間隔が前記元の状態(即ち撓ませる前の状態)と比較して実質的に変化しない部分が包含される。例えば上記角形電池の好ましい他の一態様では、前記角形ケースは金属製であり、前記一対のケース長辺部それぞれの中央部分が外方向に撓み得る厚みに形成されている。そして、前記クリアランスが確保されるケース長辺部の両端部分には、前記一対のケース長辺部それぞれの中央部分を元の状態に復帰可能な範囲で外方向に撓ませた際に該元の状態(即ち撓ませる前の状態)と比較して該ケース長辺部間の間隔が実質的に変化しない部分が包含される。
かかる構成の電池(例えば角形電池)では、ケースの長手方向(角形電池の例ではケース長辺部)において上記クリアランスを設ける部位の最適化が図られており、封口板装着時にかじりが発生するのを効果的に防止することができるとともに高精度の位置決めも行える。これにより、本態様の電池によると高い信頼性を実現することができる。
また、本発明は、電池の製造方法を提供する。即ち、本発明によって提供される電池製造方法は、電極体ユニットを収容する開口部の周縁が長軸と短軸とを有する形状であるケースと、該ケース開口部に装着されて該開口部を塞ぐ封口板とを備える電池を製造する方法である。
本発明に係る製造方法では、前記ケースとして、金属製であって前記ケース開口部の長手方向の中央部分がそれぞれ外方向に撓み得る厚みに形成されているケースを用意する。また、前記装着時に前記ケース開口部の内方に入り込む嵌合凸部が裏面側に形成された封口板であって、前記ケース開口部の所定位置に装着された状態で該ケース開口部の長手方向の少なくとも両端部分では該凸部と前記ケース開口部周縁との間にクリアランスが確保される一方で、前記両端部分の間に位置する部分では少なくとも該両端部分に隣接する一部分において該凸部と該ケース開口部周縁とが密接するように前記嵌合凸部が裏面側に形成された封口板を用意する。
そして、電極体ユニットを収容した前記ケースの前記ケース開口部の長手方向の中央部分をそれぞれ外方向に撓ませて対向する前記ケース開口部周縁間の間隔を広げつつ、前記封口板をケース開口部の所定位置に装着することを特徴とする。
典型的には、前記装着した状態の封口板をケース開口部周縁に溶接することにより該開口部の封口が行われる。
かかる製造方法は、例えば角形電池の製造に好ましく適用することができる。すなわち本発明は、他の側面として、電極体ユニットを収容する開口部の周縁が一対のケース長辺部と一対のケース短辺部とから構成された矩形状の角形ケースと、該角形ケース開口部に装着されて該開口部を塞ぐ封口板とを備える角形電池の製造方法を提供する。
本発明に係る角形電池製造方法では、前記角形ケースとして、金属製であって前記一対のケース長辺部それぞれの中央部分が外方向に撓み得る厚みに形成されている角形ケースを用意する。また、前記装着時に前記ケース開口部の内方に入り込む嵌合凸部が裏面側に形成された封口板であって、前記ケース開口部の所定位置に装着された状態で該凸部と前記ケース短辺部との間にクリアランスが確保され且つ該凸部と前記ケース長辺部の両端部分との間にもクリアランスが確保される一方で、前記ケース長辺部における前記両端部分以外の部分であって少なくとも該両端部分に隣接する一部分においては該凸部と該ケース長辺部とが密接するように前記嵌合凸部が裏面側に形成された封口板を用意する。
そして、電極体ユニットを収容した前記角形ケースの前記一対のケース長辺部の中央部分を外方向に撓ませて該一対のケース長辺部間の間隔を広げつつ、前記封口板をケース開口部の所定位置に装着することを特徴とする。
典型的には、前記装着した状態の封口板をケース開口部周縁に溶接することにより該開口部の封口が行われる。
上記構成の製造方法によると、ケース開口部の長手方向の中央部分(角形ケースの場合には、一対のケース長辺部中央部分)を外方向に撓ませつつ封口板をケース開口部の所定位置に装着する(即ち嵌合凸部を嵌め込む)際に、封口板とケース開口部周縁(例えば角形ケースでは、封口板とケース長辺部端部及びケース短辺部)とが強く摩擦されることを防止し、かじり(延いてはかじり粉)が発生するのを未然に防止することができる。また、装着した後(即ちケース中央部分の撓みが解消して元の形状に復帰した後)は、該凸部と前記開口部周縁の少なくとも一部(例えば角形ケースでは、少なくとも該ケース長辺部の端部に隣接する部分)とが密接する(即ちクリアランスが0である)ため、封口板の位置決めが正確に行われ、延いては高い強度で正確に封口板をケース開口部の所定位置に溶接することができる。
このため、本発明の製造方法によると、高い信頼性(例えば溶接強度が高く、内部短絡が発生しない)のリチウム二次電池その他の電池を製造することができる。
ここで開示される電池製造方法の好ましい一態様では、前記封口板として、前記ケース開口部の所定位置に装着した際に前記両端部分を除く実質的に全ての部分で該ケース開口部周縁と前記嵌合凸部とが密接するように該凸部が形成されている封口板を使用することを特徴とする。例えば、かかる態様を角形電池の製造に適用する場合には、前記封口板として、前記ケース開口部の所定位置に装着した際に前記ケース長辺部における前記両端部分を除く実質的に全ての部分と前記嵌合凸部とが密接するように該凸部が形成されている封口板を使用する。
かかる構成の封口板を使用することにより、上記両端部分以外の部分で嵌合凸部を密接させることができるため、より高い強度で正確に封口板をケース開口部の所定位置に溶接することができる。
また、好ましい他の一態様では、前記クリアランスが確保される前記長手方向の両端部分には、前記ケース開口部の長手方向の中央部分をそれぞれ元の状態に復帰可能な範囲で外方向に撓ませた際に、対向する前記ケース開口部周縁間の間隔が前記元の状態と比較して実質的に変化しない部分が包含されることを特徴とする。例えば、かかる態様を角形電池の製造に適用する場合には、前記クリアランスが確保されるケース長辺部の両端部分には、前記一対のケース長辺部それぞれの中央部分を元の状態に復帰可能な範囲で外方向に撓ませた際に、該元の状態(即ち撓ませる前の状態)と比較して該ケース長辺部間の間隔が実質的に変化しない部分が包含されることを特徴とする。
かかる構成の電池製造方法では、ケースの長手方向(角形電池の例ではケース長辺部)において上記クリアランスを設ける部位の最適化を図ることにより、封口板装着時にかじりが発生する事象を効果的に防止することができるとともに高精度の位置決めも行うことができる。これにより、高い信頼性を実現するリチウム二次電池その他の電池を製造することができる。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項(例えば、使用する封口板や電池ケースの形状、材質)以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、封口板と電池ケースとを溶接する手段、電極体ユニットや電解質の構成、電池構築のための種々のプロセス)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
本発明の電池(典型的には角形電池)は、上述のとおり、封口板(具体的には裏面側の嵌合凸部)によるケース開口部の封口(シール)構造によって特徴付けられる電池であり、電解質や電極体ユニットの種類や構成に限定されない。本発明により提供される電池としては、その典型的な例としてリチウムイオン電池その他のリチウム二次電池、ニッケル水素二次電池、電気二重層キャパシタ等が挙げられるがこれらに限定されない。
用いられるケース及び封口板の材質は特に限定されないが、かじり(かじり粉)の発生を防止するという観点から金属製のケース及び封口板が適当である。例えば、ステンレス鋼、ニッケルめっき鋼等の鉄材やアルミニウム製のケース及び封口板に対して本発明を好適に適用することができる。また、ケース及び封口板のサイズは特に限定されないが、少なくともケースの長手方向の中央部分(角形ケースの場合にはケース長辺部の中央部分)をケースの外方向に撓ませ得る程度の厚みのものが好ましい。
以下、車載用組電池に装備される単電池を構成するリチウム二次電池(リチウムイオン電池)であって角形ケースを備える電池(角形電池)を例として、本発明の好適な一実施形態を詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る電池(リチウムイオン電池)10の外形を示す斜視図である。図示されるように、本実施形態に係る電池(ここでは角形電池)10は、金属製(例えばアルミ製)のケース(ここでは角形ケース)30と封口板20とを備える。この角形ケース30は、ケース開口部31(図6)からみて対向する一対の長辺部(幅広面)32と、対向する一対の短辺部(狭小面)36と、図示されていない底面とから構成される直方体形状の筐体であり、一方の面(底面と対向する面)は後述する図6に実線で示すように周縁が上記一対の長辺部32と一対の短辺部36とから成る矩形状の開口部31を構成している。この開口部31よりケース内部に所定の電極体ユニット及び電解質を収容することができる。
ケース内に収容される電極体ユニットは、典型的な車載用組電池に装備される単電池を構成するのに一般に用いられる電極体ユニットと同様でよく特に限定されない。本実施形態では、予め適当な正極用活物質層が形成された長尺状の正極集電体(アルミ箔)と、予め適当な負極用活物質層が形成された長尺状の負極集電体(銅箔)とを、長尺状のセパレータ(例えば多孔質ポリオレフィン系樹脂製シート)とともに捲回して成る捲回電極体ユニットが収容される。本発明は電極体ユニット(正負極集電体やセパレータの材質、活物質層の組成等)の構成により特徴付けられるものではないため、電極体ユニットの詳細な説明は省略する。
また、電極体ユニットとともにケース内に収容する電解質としては、従来のリチウム二次電池で使用されるものと同様でよく、その内容は特に制限されない。例えば、適当な非水電解液(例えばLiPF等のリチウム塩を適当量含むジエチルカーボネートとエチレンカーボネートとの混合溶媒のような非水電解液)を好適に使用することができる。本発明は電解質の構成により特徴付けられるものではないため、電解質の詳細な説明は省略する。
図1に示すように、電極体ユニット及び電解質を収容した後にケース開口部を塞ぐ封口板20が該ケース開口部上に装着される。図1及び図2に示すように、本実施形態に係る封口板20は、ケースの底面と同一のサイズ・形状であってケース開口部上に配置されて角形ケース30の一面を構成する矩形プレート状の本体部(基体)22と、その本体部22の裏面側に形成された凸部24であって封口板20をケース開口部に装着した際にケース開口部の内方に入り込む嵌合凸部24とから構成される。
また、図1に示すように、封口板20には外部接続用の正極端子12と負極端子14とが設けられており、それら端子12,14の一部は封口板20の表面側に突出している。正極端子12及び負極端子14は、それぞれ、ケース内部に収容された電極体ユニットの正極集電体及び負極集電体と電気的に接続される。
次に封口板20の裏面側について図2〜図5を参照しつつ詳細に説明する。図2は、封口板20の裏面側を示す平面図である。なお、図2(ならびに後述する図7,8)には所定位置に正確に封口板20を装着した際のケース長辺部32及び短辺部36の内壁面の位置を二点鎖線で示している。
図2に示すように、嵌合凸部24は、ケース長辺部32の中央寄り部分に対向する中央部24Aと、ケース長辺部32の両端部分とケース短辺部36に対向する端部24Bとから構成されている。図示されるように、中央部24Aは一対のケース長辺部32間の距離と等しい幅に形成されている。他方、端部24Bはいずれも一対のケース長辺部32間の距離よりも短い幅に形成され、かつ嵌合凸部24自体の長軸方向(即ちケース長辺部32に沿う方向)の長さも一対のケース短辺部36間の距離よりも短くなるように形成されている。
このように嵌合凸部24が形成されている結果、図3〜図5に示すように、封口板20を所定位置に装着した際には、嵌合凸部24の中央部24Aの側面(以下「長辺部中央対向側面」という。)27と、それに対向するケース長辺部32(中央部32A:図6)とは密接し、これらの間にクリアランスは存在しない(図2,図4参照)。
他方、嵌合凸部24の端部24Bにおける長辺部端部対向側面26と、それに対向するケース長辺部32(端部32C:図6)との間にクリアランスを確保することができる(図2,図5参照)。同時に、嵌合凸部24の端部24Bにおける短辺部対向側面25と、それに対向するケース短辺部36との間にもクリアランスを確保することができる(図2,図3参照)。
クリアランスの大きさは、本発明の目的を達成し得る限りにおいて特に限定されるものではないが、ケース開口部の周縁の大きさが概ね長辺部5cm〜30cm、短辺部1cm〜10cm、ケース厚みが2mm以下程度であれば、クリアランス(ここでは封口板の嵌合凸部側面とケース開口部周縁の内壁面との間の最短直線距離をいう。)は、0.1mm〜1mm程度が適当であり、0.3mm〜0.5mm程度が好ましい。
このような嵌合凸部24を設けた結果、封口板20を所定位置に装着する際にかじりの発生を防止することができる。
具体的には図6に二点鎖線で示すように、ケース長辺部32の中央部分32Aを外方向に撓ませて開口部31の長辺部32間の間隔を図示するように広げる。このとき、ケース長辺部32のコーナーに近い両端部32Cは実質的に撓まず長辺部両端部32C間の間隔は実質的に変化しない(典型的には100μm未満程度の微視的な変化は考慮しない)。一方、ケース短辺部36は実質的に撓まないか或いは図示されるように長辺部中央部分32Aの外方向への撓みとは逆に内方に撓み得る。
而して、この状態で嵌合凸部24を開口部31内に挿入しつつ当該開口部31上に封口板20(本体部22)を配置する。
かかる装着時においてかじりが発生し易い部位は、図6からも明らかなように、開口部31における間隔が元の状態(即ち上記中央部を撓ませる以前の外力が加わっていない元の自然状態)と実質的に変化しないケース長辺部端部32C或いは当該間隔が逆に狭くなるケース短辺部36であるところ、上記のとおり本実施形態に係る封口板20を使用した際には、嵌合凸部24の長辺部端部対向側面26とケース長辺部端部32Cとの間にはクリアランスが生じており、当該部位において封口板20とケース30との接触は避けられる(図2,図5,図6)。同時に、嵌合凸部24の短辺部対向側面25とケース短辺部36との間にもクリアランスが生じており、当該部位において封口板20とケース30との接触は避けられる(図2,図3,図6)。従って、本実施形態によると、封口板20装着時におけるかじり発生を確実に防止することができる。
他方、封口板20の装着完了後は、クリアランスが設けられていない嵌合凸部24の長辺部中央対向側面27とケース長辺部32における両端部32Cを除く実質的に全ての部分(中央部32A)とが密接することにより正確な位置決めが行われ、封口板20の位置ずれが生じない。これにより、本実施形態においては、正確な位置で封口板をケースに溶接することができる。
なお、溶接の技法自体は、従来の電池ケースと封口板とを溶接する場合に用いる手段(例えばYAGレーザ、COレーザ等を熱源とするレーザ溶接)と同様でよく、特に本発明を特徴付けるものではないので詳細な説明は省略する。
以上、本発明の好適な一実施形態を図1〜図6を参照しつつ説明したが、本発明を上述した形状の封口板に限定することを意図したものではない。
例えば、上記のように金属ケース開口部の一対の長辺部中央部分を外方に撓ませたときに、封口板とケース長辺部との間のクリアランスが当該撓ませる前の元の状態と比較してケース長辺部間の間隔が実質的に変化しない部分(即ち両端部)に確保されており、且つ、その他の部分の少なくとも一部においてクリアランスの無い部分が確保されておればよく、嵌合凸部の形状は限定されない。
例えば、図7に示す封口板40の嵌合凸部44の形状は、本発明を好適に実施し得る他の一実施形態である。
即ち、図7に示す封口板40は、上記実施形態の封口板20と同様、矩形プレート状の本体部(基体)42と、その本体部42の裏面側に形成された嵌合凸部44とから構成される。嵌合凸部44は、ケース長辺部32の中央寄り部分に対向する中央部44Aと、ケース長辺部両端部分とケース短辺部36に対向する端部44Bとから構成されている。端部44Bの形状は上記封口板20のものと同様であり、封口板装着時には長辺部端部対向側面46とケース長辺部32の端部32C(図6)との間、ならびに短辺部対向側面45とケース短辺部36との間にクリアランスを確保することができる。
一方、本実施形態においては、図示されるように、中央部44Aは一対のケース長辺部32間の距離よりも短い幅に形成されている。これにより、封口板装着時には長辺部中央部対向側面47とケース長辺部32との間にもクリアランスが確保される。
更に本実施形態においては、長辺部中央部対向側面47の一部、具体的には、長辺部端部対向側面46に隣接する部分48A,48Cと長辺部中央部対向側面47の中央部分48Bとが外方に張り出しており、当該部分(以下「長辺部張出部」という。)48A,48B,48Cの幅はケース長辺部32間の距離と等しい幅に形成されている。これにより、当該長辺部張出部48A,48B,48Cにおいては長辺部中央対向側面47とケース長辺部32とは密接する(即ちクリアランスは無い。)。
このように嵌合凸部44が形成されている結果、本実施形態に係る封口板40をケース開口部31に装着した際には、嵌合凸部44の長辺部端部対向側面46とケース長辺部端部32Cとの間に確保されたクリアランスならびに嵌合凸部44の短辺部対向側面45とケース短辺部36との間に確保されたクリアランスにより、当該部位における封口板40とケース30との接触を回避し封口板40装着時におけるかじり発生を確実に防止することができる。
そして封口板40装着完了後は、クリアランスが設けられていない嵌合凸部44の長辺部張出部48A,48B,48Cとケース長辺部32とが密接することにより正確な位置決めが行われ、封口板40の位置ずれが生じない。このため、正確な位置で封口板40をケースに溶接することができる。
或いはまた図8に示す封口板60の嵌合凸部64の形状は、本発明を好適に実施し得る他の一実施形態である。
即ち、図8に示す封口板60は、上記実施形態の封口板20,40と同様、矩形プレート状の本体部(基体)62と、その本体部62の裏面側に形成された嵌合凸部64とから構成される。嵌合凸部64は、ケース長辺部32の中央寄り部分に対向する中央部64Aと、ケース長辺部両端部分とケース短辺部36に対向する端部64Bとから構成されている。端部64Bの形状は上記封口板20,40のものと同様であり、封口板装着時には長辺部端部対向側面66とケース長辺部32の端部32C(図6)との間ならびに短辺部対向側面65とケース短辺部36との間にクリアランスを確保することができる。
一方、本実施形態においては、図示されるように、中央部64Aは一対のケース長辺部32間の距離よりも短い幅に形成されている。これにより、封口板装着時には長辺部中央部対向側面67とケース長辺部32との間にもクリアランスが確保される。
更に本実施形態においては、長辺部中央部対向側面67の一部、具体的には、長辺部端部対向側面66に隣接する部分68A,68Cが外方に張り出して長辺部張出部を形成しており、当該長辺部張出部68A,68Cの幅はケース長辺部32間の距離と等しい幅に形成されている。これにより、当該長辺部張出部68A,68Cにおいては長辺部中央対向側面67とケース長辺部32とは密接する(即ちクリアランスは無い。)。
このように嵌合凸部64が形成されている結果、本実施形態に係る封口板60をケース開口部31に装着した際には、嵌合凸部64の長辺部端部対向側面66とケース長辺部端部32Cとの間に確保されたクリアランスならびに嵌合凸部64の短辺部対向側面65とケース短辺部36との間に確保されたクリアランスにより、当該部位における封口板60とケース30との接触を回避し封口板60装着時におけるかじり発生を確実に防止することができる。
そして封口板60装着完了後は、クリアランスが設けられていない嵌合凸部64の長辺部張出部68A,68Cとケース長辺部32とが密接することにより正確な位置決めが行われ、封口板60の位置ずれが生じない。このため、正確な位置で封口板60をケースに溶接することができる。
なお、上記では主として角形ケースを備える電池を例として本発明の好適な実施形態を説明したが、ここに開示される技術は上記角形ケースを備える電池に限定されず、電極体ユニットを収容する開口部の形状が長軸と短軸とを有する種々の形状(すなわち、細長い開口部形状)であるケースを備える電池に適用され得る。すなわち本発明は、図9に示すように開口部31の周縁が長軸A1と短軸A2とを有する長方形状であって該長方形の四隅(コーナー部)が若干丸められた形状のケース30のほか、例えば図10に示すように開口部31の周縁が長軸A1と短軸A2とを有する長方形状であって該長方形の四隅が直角に構成されたケース30、図11に示すように開口部31の周縁が長軸A1と短軸A2とを有する長方形状であって該長方形の四隅が面取りされた形状のケース30、図12に示すように開口部31の周縁が長軸A1と短軸A2とを有する長円状であるケース30、図13に示すように開口部31の周縁が長軸A1と短軸A2とを有する楕円形状であるケース30等にも適用することができる。これら図9〜図13に例示されるいずれの形状のケース30においても、該ケース30の所定位置に装着された際にケース開口部31の少なくとも長手方向の両端部分Eにおいて開口部31の周縁と嵌合凸部との間にクリアランスが確保されるように(例えば、好ましい一態様として、上記長手方向の両端部分Eのみにクリアランスが形成されるように)封口板を構成し、ケース30の長手方向の中央部分Cを外方向に撓ませて上記封口板を装着することにより、該封口板の装着時におけるかじりの発生を防止することができる。
以下、本発明に関する試験例につき説明するが、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。
サイズが150mm(長辺部)×30mm(短辺部)×100mm(高さ)であり、厚みが全周にわたって1mmであるアルミニウム製の角形ケースを用意した(図1参照)。また、サイズが150mm(長辺部)×30mm(短辺部)であり、厚みが3mm(本体部厚さが1.5mm、嵌合凸部厚さが1.5mm)であるアルミニウム製の封口板を用意した。なお、ここで使用する封口板としては、嵌合凸部の形状が異なる3種の封口板を使用した。
表1に示すように、第1に実施例として上述の図2に示す嵌合凸部24を有する封口板20を使用した。具体的には、ケース開口部31に装着した際における嵌合凸部24の短辺部対向側面25とそれに対向するケース短辺部36との間のクリアランス(以下「クリアランスa」という。)が0.3mmとなり、嵌合凸部24の長辺部中央対向側面27とそれに対向するケース長辺部32との間のクリアランス(以下「クリアランスb」という。)が0mm(即ち密接状態)となり、嵌合凸部24の長辺部端部側面26とそれに対向するケース短辺部32との間のクリアランス(以下「クリアランスc」という。)が0.3mmとなるように設計された嵌合凸部を備える封口板を使用した。
第2に比較例1として実施例と同様の形状の嵌合凸部を有する封口板であって、クリアランスaが0.3mmとなり、クリアランスbが0.3mmとなり、クリアランスcが0.3mmとなるように設計された嵌合凸部を備える封口板を使用した。
また第3に比較例2として実施例と同様の形状の嵌合凸部を有する封口板であって、クリアランスa、クリアランスb及びクリアランスcがいずれも0mm(即ちクリアランスは全周にわたって存在せずに密接状態)となるように設計された嵌合凸部を備える封口板を使用した。
而して、これら3種類の封口板を用いて装着時のかじりの発生の有無ならびにレーザ溶接後の耐圧強度を調べた。なお、本試験例は本発明を特徴付ける封口板による角形ケース開口部の封口(シール)構造に関する試験例であり、かかる試験目的に関して電極体ユニット及び電解質は不要であるため、ケース内にはこれら電池構成物は収容していない。
Figure 2008311193
<かじりの発生の有無>
図6に示すように、角形ケース30の開口部31の長辺部中央部分32Aを外方向に撓ませて開口部31の長辺部32間の間隔を広げておき、嵌合凸部を開口部内に挿入しつつ当該開口部31上に封口板を装着した。装着工程完了後、角形ケース内に落下したかじり粉の有無を目視にて確認した。封口板毎に計10回の装着操作を行った。結果を表1に示す。
表に示すように、装着時にクリアランスa,cを確保した実施例及びクリアランスa,b,cを確保した比較例1ではかじり粉の発生は計10回の装着操作において全く認められなかった(表中の○)。他方、クリアランスを全く設けていない比較例2では計10回の装着操作において常にかじり粉の発生が認められた(表中の×)。
<耐圧強度>
上記装着した封口板と角形ケースをレーザ溶接した。具体的には、封口板20を所定位置に装着した角形ケース30(図1参照)をXYZステージに固定し、ケース30と封口板20の境界部分に全周にわたってレーザ(例えばYAGパルスレーザとCWレーザとのハイブリッドレーザ)を照射し、溶接を行った。次いで、封口板に穴を開けてオイル(シリコンオイル等)をケース内に注入していき、溶接部分に亀裂が生じる(即ち注入したオイルが漏出する)までの限界内部圧力(即ち注入した油圧)を測定した。実施例、比較例1及び比較例2についてそれぞれ計10個の溶接ケースについて上記耐圧強度試験を行い、平均値を求めた。結果を表1に示す。
表に示すように、装着時にクリアランスa,cを確保した実施例及びクリアランスを全く設けていない比較例2について特に高い耐圧強度を示した。他方、クリアランスa,b,cの全てを確保した比較例1では耐圧強度は低かった。
上記の本試験例からも明らかなように、本発明によると、封口板とケース(本体)との高い溶接強度と、封口板装着時におけるかじりの発生防止とをともに実現することができる。このため、信頼性の高いリチウムイオン電池等の電池を提供することができる。
また、本発明により提供される電池(特に好ましくはリチウムイオン電池等のリチウム二次電池、ニッケル水素二次電池)は、特に自動車等の車両に搭載されるモーター(電動機)用電源として好適に使用し得る。従って、本発明によると、図14に模式的に示すように、本発明により提供される電池10(典型的には、電池10を単電池として当該電池を複数直列に接続して構成される組電池即ち電池パック)を電源として備える車両(典型的には自動車、特にハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車のような電動機を備える自動車)1を提供することができる。
一実施形態に係る電池(リチウムイオン電池)の外形を模式的に示す斜視図である。 一実施形態に係る電池を構成する封口板の裏面側構造を示す平面図である。 図1におけるIII−III線断面図である。 図1におけるIV−IV線断面図である。 図1におけるV−V線断面図である。 一実施形態に係るケースの開口部を示す平面図である。 他の一実施形態に係る封口板の裏面側構造を示す平面図である。 他の一実施形態に係る封口板の裏面側構造を示す平面図である。 一実施形態に係るケースの開口部を示す平面図である。 他の一実施形態に係るケースの開口部を示す平面図である。 他の一実施形態に係るケースの開口部を示す平面図である。 他の一実施形態に係るケースの開口部を示す平面図である。 他の一実施形態に係るケースの開口部を示す平面図である。 本発明の電池を備えた車両(自動車)を模式的に示す側面図である。
符号の説明
1 車両(自動車)
10 電池(リチウムイオン電池)
20,40,60 封口板
22,42,62 本体部
24,44,64 嵌合凸部
24A,44A,64A 中央部
24B,44B,64B 端部
25,45,65 短辺部対向側面
26,46,66 長辺部端部対向側面
27,47,67 長辺部中央部対向側面
30 ケース(角形ケース、本体)
31 開口部
32 長辺部
36 短辺部
48A,48B,48C,68A,68C 長辺部張出部

Claims (7)

  1. 電極体ユニットを収容する開口部の周縁が長軸と短軸とを有する形状であるケースと、該ケース開口部に装着されて該開口部を塞ぐ封口板と、を備える電池であって、
    前記封口板の裏面側には、該封口板が前記ケース開口部の所定位置に装着された際に前記ケース開口部の内方に入り込む嵌合凸部が形成されており、
    前記嵌合凸部は、前記封口板が前記ケース開口部の所定位置に装着された際に、該ケース開口部の長手方向の少なくとも両端部分では該凸部と該ケース開口部周縁との間にクリアランスが確保される一方で、前記長手方向における前記両端部分の間に位置する部分では少なくとも該両端部分に隣接する一部分においては該凸部と該ケース開口部周縁とが密接するように形成されていることを特徴とする、電池。
  2. 前記封口板は、前記ケース開口部の所定位置に装着された際に前記両端部分を除く実質的に全ての部分で該ケース開口部周縁と前記嵌合凸部とが密接するように形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の電池。
  3. 前記ケースは金属製であって前記ケース開口部の長手方向の中央部分がそれぞれ外方向に撓み得る厚みに形成されており、
    前記クリアランスが確保される前記長手方向の両端部分には、前記ケース開口部の長手方向の中央部分をそれぞれ元の状態に復帰可能な範囲で外方向に撓ませた際に、対向する前記ケース開口部周縁間の間隔が前記元の状態と比較して実質的に変化しない部分が包含されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の電池。
  4. 電極体ユニットを収容する開口部の周縁が長軸と短軸とを有する形状であるケースと、該ケース開口部に装着されて該開口部を塞ぐ封口板とを備える電池を製造する方法であって、
    前記ケースとして、金属製であって前記ケース開口部の長手方向の中央部分がそれぞれ外方向に撓み得る厚みに形成されているケースを用意し、
    前記装着時に前記ケース開口部の内方に入り込む嵌合凸部が裏面側に形成された封口板であって、前記ケース開口部の所定位置に装着された状態で該ケース開口部の長手方向の少なくとも両端部分では該凸部と前記ケース開口部周縁との間にクリアランスが確保される一方で前記両端部分の間に位置する部分では少なくとも該両端部分に隣接する一部分において該凸部と該ケース開口部周縁とが密接するように前記嵌合凸部が裏面側に形成された封口板を用意し、
    電極体ユニットを収容した前記ケースの前記ケース開口部の長手方向の中央部分をそれぞれ外方向に撓ませて対向する前記ケース開口部周縁間の間隔を広げつつ、前記封口板をケース開口部の所定位置に装着することを特徴とする、電池の製造方法。
  5. 前記封口板として、前記ケース開口部の所定位置に装着した際に前記両端部分を除く実質的に全ての部分で該ケース開口部周縁と前記嵌合凸部とが密接するように該凸部が形成されている封口板を使用することを特徴とする、請求項4に記載の製造方法。
  6. 前記クリアランスが確保される前記長手方向の両端部分には、前記ケース開口部の長手方向の中央部分をそれぞれ元の状態に復帰可能な範囲で外方向に撓ませた際に、対向する前記ケース開口部周縁間の間隔が前記元の状態と比較して実質的に変化しない部分が包含されることを特徴とする、請求項4又は5に記載の製造方法。
  7. 請求項1〜3のいずれかに記載の電池または請求項4〜6のいずれかに記載の製造方法によって製造された電池を備える車両。
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