JPH06332160A - ダイレクト製版装置 - Google Patents

ダイレクト製版装置

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JPH06332160A
JPH06332160A JP14293093A JP14293093A JPH06332160A JP H06332160 A JPH06332160 A JP H06332160A JP 14293093 A JP14293093 A JP 14293093A JP 14293093 A JP14293093 A JP 14293093A JP H06332160 A JPH06332160 A JP H06332160A
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JP
Japan
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sheet
color material
photosensitive
image
color
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JP14293093A
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English (en)
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Toshiyoshi Urano
年由 浦野
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Mitsubishi Kasei Corp
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Corp
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Publication date
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Manufacture Or Reproduction Of Printing Formes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】新規な画像形成方法を採用し、コンパクトな構
造のダイレクト製版装置を提供する。 【構成】感光性シート送給機構(10)、カバーシート
剥離機構(20)、色材シート送給機構(30)、色材
シート剥離機構(40)、感光性シート剥離機構(5
0)、色材シート搬送機構(60)、受像シート送給機
構、色材シートと受像シートの剥離機構、デジタル画像
信号によるレーザーを用いた露光機構(12)、回転ド
ラム(A)、加圧ローラー(B)、加熱加圧ローラーか
ら主として構成される。画像露光により、感光性シート
(a)の感光性粘着制御層の露光部および未露光部間の
粘着性を変化させ、感光性シート(a)の感光性粘着制
御層と色材シートの色材層とを重ね合わせて加圧処理を
施した後、感光性シート(a)を剥離することにより、
色材シートの色材層側に色材画像を形成し、圧熱処理に
よって受像シートに転写する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ダイレクト製版装置に
関するものであり、詳しくは、光重合性粘着層を利用し
た画像形成方法であって光重合性粘着層中に含有される
増感色素により画像が影響されることのない新規な画像
形成方法を採用し、しかも、コンパクトな構造のダイレ
クト製版装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、印刷工業分野においては、印
刷物の仕上がり、色調などを印刷前に確認する手段とし
て、校正印刷またはプリプレスプルーフが利用されてい
る。特に、プリプレスプルーフは、インキを使わずに印
刷物の仕上がりが予想できる利点がある。
【0003】近年、レーザー装置とコンピューター画像
形成技術の発展に伴ない、銀塩フィルムを用いず、画像
のデジタルデーターをコンピューターで作製し、色分解
されたデジタル画像信号にて制御された光による直接露
光により、画像(プリプレスプルーフ)を得る画像形成
方法が開発されつつある。斯かる画像形成方法は、現像
工程が不要であるため、工程の短縮化、省力化、低コス
ト化を図ったダイレクト製版を可能とする。
【0004】上記の画像形成方法として、例えば、特開
昭63−41847号公報には、受像シート上に光重合
性粘着層を積層した感光性シートを用い、光重合性粘着
層の上に画像形成する方法が開示されている。すなわ
ち、先ず、感光性シートを画像露光した後、トナーを含
有する非感光性の色材シートと接触させ、次いで、感光
性シートから色材シートを剥離することにより、光重合
性粘着層上の画像状粘着部分に選択的に色材シートを付
着させて光重合性粘着層上に画像形成する。
【0005】しかしながら、上記の画像形成方法は、受
像シート上に積層された光重合性粘着層の上に画像形成
する方法であるために次の欠点がある。すなわち、光重
合性粘着層中の光重合開始系に含まれる増感色素によ
り、非画像部分と共に得られた画像が着色し、印刷物に
酷似した色調を再現するのが困難であり、特に、可視光
に感応する光重合開始系を用いた場合は一層困難であ
る。一方、着色を低下させるために増感色素の濃度を低
下させた場合は感度低下を惹起する。
【0006】本発明者は、先に、光重合性粘着層を利用
した画像形成方法であって光重合性粘着層中に含有され
る増感色素により画像が影響されることのない新規な画
像形成方法を提供した(特願平4−250130号、4
−290436号、同5−1159号)。斯かる画像形
成方法は、で増感色素による画像の着色がなくて色再現
性に優れ、しかも、高感度な着色画像を与えるため、実
用的なダイレクト製版を可能にする方法として期待され
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、光重
合性粘着層を利用した画像形成方法であって光重合性粘
着層中に含有される増感色素により画像が影響されるこ
とのない新規な画像形成方法を採用し、しかも、コンパ
クトな構造のダイレクト製版装置を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の要旨
は、支持体(a1 )の上に感光性粘着制御層(a2 )と
カバーシート(a3 )とを順次に積層して成る感光性シ
ート(a)と、支持体(b1 )の上に色材層(b2 )を
積層して成る色材シート(b)と、受像シート(c)と
を用い、画像露光により、感光性シート(a)の感光性
粘着制御層(a2 )の露光部および未露光部間の粘着性
を変化させ、感光性シート(a)の感光性粘着制御層
(a2 )と色材シート(b)の色材層(b2 )とを重ね
合わせて加圧または圧熱処理を施した後、感光性シート
(a)を剥離することにより、色材シート(b)の色材
層(b2 )側に色材画像を形成し、次いで、圧熱処理に
より、受像シート(c)に色材画像を転写するダイレク
ト製版装置であって、 I:感光性シート送給機構(10)、カバーシート剥離
機構(20)、色材シート送給機構(30)、色材シー
ト剥離機構(40)、感光性シート剥離機構(50)、
色材シート搬送機構(60)、受像シート送給機構(7
0)、色材シートと受像シートの剥離機構(80)、色
分解されたデジタル画像信号にて制御されるレーザーを
用いた露光機構(12)、回転ドラム(A)、加圧ロー
ラー(B)、加熱加圧ローラー(C)、これらを操作す
る制御部から主として構成され、回転ドラム(A)と加
圧ローラー(B)とは周面同志が接近離間自在に配置さ
れ、 IIA:感光性シート送給機構(10)と露光機構(1
2)とカバーシート剥離機構(20)は、回転ドラム
(A)と加圧ローラー(B)との離間状態において、回
転ドラム(A)の回転に従い、回転ドラム(A)の周面
上にカバーシート(a3 )を表面にして感光性シート
(a)を送給して巻回固定させ、感光性シート(a)に
レーザーを照射して露光を行ない、感光性シート(a)
からカバーシート(a3 )を剥離する機能を有し、 IIB:色材シート送給機構(30)は、回転ドラム
(A)と加圧ローラー(B)との離間状態において、回
転ドラム(A)の回転に従い、回転ドラム(A)に巻回
された感光性シート(a)の感光性粘着制御層(a2
の表面に色材層(b2 )を下面にして色材シート(b)
を送給して感光性シート(a)と色材シート(b)とを
重ね合わせる機能を有し、 IIC:回転ドラム(A)と加圧ローラー(B)と色材シ
ート剥離機構(40)と感光性シート剥離機構(50)
は、回転ドラム(A)と加圧ローラー(B)の近接状態
において、両者の回転に従い、回転ドラム(A)に巻回
された感光性シート(a)と色材シート(b)とに加圧
または圧熱処理を行ない、表面に色材画像を形成した色
材シート(b)と感光性シート(a)とを回転ドラム
(A)から別々に剥離する機能を有し、 IID:色材シート搬送機構(60)と受像シート送給機
構(70)と加熱加圧ローラー(C)は、色材シート
(b)と受像シート(c)とを加熱加圧ローラー(C)
に供給し、色材シート(b)の色材画像形成面と受像シ
ート(c)とを重ね合わせて加熱加圧することにより受
像シート(c)に色材画像を転写する機能を有し、 IIE:色材シートと受像シートの剥離機構(80)は、
加熱加圧ローラー(C)から送給され且つ色材シート
(b)が積層された受像シート(c)から色材シート
(b)を剥離する機能を有し、 IIF:制御部は、前記の各機能が順次に行なわれる様に
操作することを特徴とするダイレクト製版装置に存す
る。
【0009】
【実施例】以下、本発明の製版装置の実施例を説明する
が、それに先立ち、先ず、本発明の製版装置における画
像形成方法の概要について説明する。図4〜7は、本発
明の製版装置における画像形成方法の説明図であり、図
4及び5はネガ型態様、図6及び7はポジ型態様を示
す。図中、(a)は感光性シート、(a1 )は支持体、
(a2 )は感光性粘着制御層、(a3 )はカバーシー
ト、(b)は色材シート、(b1 )は支持体、(b2
は色材層、(b3 )は熱軟化層、(c)は受像シートを
示す。
【0010】本発明の製版装置における画像形成方法
は、支持体(a1 )の上に感光性粘着制御層(a2 )と
カバーシート(a3 )とを順次に積層して成る感光性シ
ート(a)と、支持体(b1 )の上に色材層(b2 )を
積層して成る色材シート(b)と、受像シート(c)と
を用い、画像露光により、感光性シート(a)の感光性
粘着制御層(a2 )の露光部および未露光部間の粘着性
を変化させ、感光性シート(a)の感光性粘着制御層
(a2 )と色材シート(b)の色材層(b2 )とを重ね
合わせて加圧または圧熱処理を施した後、感光性シート
(a)を剥離することにより、色材シート(b)の色材
層(b2 )側に色材画像を形成し、次いで、圧熱処理に
より、受像シート(c)に色材画像を転写することより
成る。
【0011】図4及び5に示すネガ型態様においては、
感光性粘着制御層(a2 )として、例えば、光重合性粘
着層(a21)が用いられる。そして、次の(1)〜
(5)の工程に従ってネガ画像が形成される。
【0012】(1)画像露光により、感光性シート
(a)の感光性粘着制御層(a2 )(光重合性粘着層
(a21))の露光部の粘着性を低下させる(図4
(1))。 (2)カバーシート(a3 )を剥離し、感光性シート
(a)の感光性粘着制御層(a2 )と色材シート(b)
の色材層(b2 )とを重ね合わせて加圧または圧熱処理
を施す(図4(2))。
【0013】(3)感光性シート(a)を剥離すること
により、感光性粘着制御層(a2 )の未露光部に色材層
(b2 )を転写し、露光部に相当する画像を色材シート
(b)に残存させ、色材シート(b)の色材層(b2
側にネガ型の色材画像を形成する(図4(3))。
【0014】(4)受像シート(c)と色材シート
(b)の色材画像形成面とを重ね合わせて加熱加圧する
ことにより、色材シート(b)上の露光部に相当する画
像を受像シート(c)に転写する(図5(4))。 (5)受像シート(c)から色材シート(b)を剥離す
る((図5(5))。
【0015】図6及び7に示すポジ型態様においては、
感光性粘着制御層(a2 )として、例えば、光重合層
(a21)とその下に積層された粘着層(a22)との二重
層が用いられる。そして、次の(1)〜(6)の工程に
従ってポジ画像が形成される。
【0016】(1)画像露光により、感光性シート
(a)の感光性粘着制御層(a2 )の光重合層(a21
の露光部の粘着性を低下させる(図6(1))。その結
果、粘着層(a22)及び光重合層(a21)は、粘着層
(a22)/光重合層(a21)/カバーシート(a3 )か
らなる層構成において、光重合層(a21)の露光により
各層間の接着性が変化し、露光後は、粘着層(a22)と
光重合層(a21)との間の接着性が光重合層(a21)と
カバーシート(a3 )との間の接着性よりも小さくな
る。
【0017】(2)露光後カバーシート(a3 )を剥離
する。その結果、露光部における粘着層(a22)と光重
合層(a21)との間の接着性が小さくなっているため、
露光部の光重合層(a21)は、カバーシート(a3 )と
一体となって粘着層(a22)から剥離され、粘着層(a
22)が露出する(図6(2))。
【0018】(3)感光性シート(a)の粘着層
(a22)が露出した感光性粘着制御層(a2)と色材シ
ート(b)の色材層(b2 )とを重ね合わせて加圧また
は圧熱処理を施す(図6(3))。その結果、感光性粘
着制御層(a2 )の粘着層露出部(露光部相当部)に色
材層(b2 )が接着する。
【0019】(4)感光性シート(a)を剥離すること
により、感光性粘着制御層(a2 )の粘着層露出部に色
材層(b2 )を転写し、未露光部に相当する画像を色材
シート(b)に残存させ、色材シート(b)の色材層
(b2 )側にポジ型の色材画像を形成する(図7
(4))。
【0020】(5)受像シート(c)と色材シート
(b)の色材画像形成面とを重ね合わせて加熱加圧する
ことにより、色材シート(b)上の未露光部に相当する
画像を受像シート(c)に転写する(図7(5))。 (6)受像シート(c)から色材シート(b)を剥離す
る((図7(6))。
【0021】次に、感光性シート(a)について説明す
る。支持体(a1 )としては、例えば、上質紙、アート
紙、剥離紙などの紙類、アルミニウム等の金属や合金の
シート、ポリエチレンテレフタレート等のポリマーシー
ト等が挙げられる。支持体(a1 )の厚さは、通常1μ
m〜10mm、好ましくは5μm〜1mmの範囲であ
る。
【0022】ネガ型態様における光重合性粘着層
(a21)を形成する光重合性組成物は、増感色素および
活性剤より成る光重合開始系とエチレン性不飽和二重結
合を少なくとも1個含有する付加重合可能な化合物(以
下、エチレン性化合物と略す)とを含有する。光重合性
組成物中のエチレン性化合物は、紫外または可視のレー
ザー光などの光に感応して硬化することにより、光重合
性粘着層(a21)の露光部分の粘着性を適度に低下させ
ることが出来る。また、光重合性組成物中に更に有機高
分子物質を添加して粘着性の調整を行ってもよい。
【0023】上記の光重合開始系は、光源の光波長に合
わせ適宜選択して用いられるが、例えば、特開平2−6
9号公報に記載のテトラヒドロキノリン系増感剤と活性
剤(2,2−ビス(o−クロロフエニル)−4,4′,
5,5′−テトラフエニルビイミダゾール、2−メルカ
プトベンズチアゾール等)とから成る光重合開始系は好
適である。
【0024】上記のエチレン性化合物および有機高分子
物質としては、例えば、特開平2−69号、特開昭51
−150322号、特開昭55−26597号および特
開昭55−26596号の各公報に記載のものから適宜
選択することが出来る。特に、低粘度(例えば常温にて
50cp以下)のエチレン性化合物、ガラス転移点が8
0℃以下、好ましくは50℃以下の有機高分子物質が好
適に用いられる。代表的なエチレン性化合物としては、
トリメチロールプロパントリアクリレートが挙げられ、
代表的な有機高分子物質としては、(メタ)アクリル酸
共重合体、(メタ)アクリル酸アルキル共重合体などが
挙げられる。
【0025】光重合開始系の使用量は、エチレン性化合
物100重量部に対して0.1〜100重量部、好まし
くは0.2〜50部の範囲である。有機高分子物質の使
用量は、エチレン性化合物100重量部に対して1〜5
00重量部、好ましくは10〜300重量部の範囲であ
る。光重合性粘着層(a21)の厚さは、通常0.1〜5
0μm、好ましくは0.2〜20μm、更に好ましくは
0.3〜10μmの範囲である。
【0026】ポジ型態様における粘着層(a22)を形成
する粘着剤としては、室温で粘着性を有する粘着剤が好
適である。斯かる粘着剤は、例えば、特開昭51−15
0322号、特開昭55−26596号、特開昭55−
26597号の各公報に記載された調色性材料に用いら
れている高分子物質の中から適宜選択することが出来
る。高分子物質としては、軟化点が通常80℃以下、好
ましくは60℃以下の高分子物質が好適であり、代表的
に高分子物質としては、シス−ポリブタジエン、スチレ
ン−ブタジエン共重合体などが挙げられる。
【0027】粘着層(a22)には、粘着性を制御するた
め、ジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、ト
リエチレングリコールジカプリレート等の可塑剤を含有
させることが出来る。一方、光重合層(a21)は、前記
のネガ型態様におけると同様の光重合性組成物によって
構成される。
【0028】粘着層(a22)及び光重合層(a21)は、
粘着層(a22)/光重合層(a21)/カバーシート(a
3 )からなる層構成において、光重合層(a21)の露光
により各層間の接着性が変化する様に設計される。すな
わち、露光後は、前記のネガ型態様におけると同様の作
用に基づいて、粘着層(a22)と光重合層(a21)との
間の接着性が光重合層(a21)とカバーシート(a3
との間の接着性よりも小さくなる様に設計される。粘着
層(a22)の厚さは、通常0.1μm〜1mm、好まし
くは0.5〜200μmの範囲であり、光重合層
(a21)の厚さは、前記のネガ型態様におけると同様の
範囲から選択される。
【0029】カバーシート(a3 )は、酸素による感光
性粘着制御層(a2 )の感度低下を防止して保存安定性
を向上させるために用いられる。そして、その種類は、
感光性粘着制御層(a2 )から容易に剥離可能である限
り特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレー
ト等のポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、
ポリエーテル、ポリアセタール、ポリプロピレン等のポ
リオレフィン、セルロースエステル、ポリビニルアルコ
ール等の透明プラスチックシート等が挙げられる。カバ
ーシート(a3 )の厚さは、通常0.1〜500μm、
好ましくは0.5〜300μmの範囲である。
【0030】カバーシート(a3 )には、感光性粘着制
御層(a2 )との離型性を高めるため、離型層を設けて
もよい。感光性シート上の離型層は、画像露光後、カバ
ーシート(a3 )と共に感光性シート(a)から剥離さ
れる。離型層の材料としては、例えば、シリコーン樹
脂、フッ素系樹脂、ポリアミン、スチレン−無水マレイ
ン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、
ポリ酢酸ビニル及びそれらの共重合体、更には、三酢酸
セルロース、二酢酸セルロース等を挙げることが出来
る。離型層の厚さは、通常0.1〜100μm、好まし
くは0.2〜50μmの範囲である。
【0031】次に、色材シート(b)について説明す
る。色材シート(b)は、支持体(b1 )の上に色材層
(b2 )を積層して構成される。支持体(b1 )は、感
光性シート(a)の支持体(a1 )と同様の材質を用い
ることが出来、また、その厚さも同様の範囲から選択さ
れる。
【0032】支持体(b1 )には、熱軟化層(b3 )を
設けるのが好ましい。熱軟化層(b3 )は、その上に形
成される色材画像を受像シート(c)上に圧熱転写する
際、受像シート(c)表面の凹凸に追従して変形しなが
ら色材画像を受像シート(c)に押し当てる作用を有
し、色材色画像と受像シート(c)との密着性を高めて
転写性を向上させる効果を発揮する。また、熱軟化層
(b3 )を有する色材シート(b)を用いた場合、受像
シート上に転写された色材画像表面は、受像シート
(c)表面の凹凸と同様の形状を有するため、受像シー
ト(c)と同等の光沢(質感)を有し、過度の光沢が抑
えられて一層印刷物に近い転写画像が得られる。
【0033】熱軟化層(b3 )は、圧熱転写の際、色材
色画像と共に受像シート(c)側へ移行しない材料から
構成され、その材料としては、軟化点が約80℃以下の
有機高分子物質を用いるのが好ましい。斯かる有機高分
子物質としては、J.BRANDRUP,E.H.IM
MERGUT「Polymer Handbook」s
econd edition(John Wiley
& Sons 出版)に記載の有機高分子物質などが挙
げられる。
【0034】上記の有機高分子物質の具体例としては、
エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体の分子間を金属
イオンで架橋したアイオノマー樹脂、エチレン−エチル
アクリレート共重合体樹脂、ポリプロピレン樹脂、アク
リル酸エステルと酢酸ビニルとの共重合体などのアクリ
ル酸エステル共重合体、酢酸ビニル共重合体などが挙げ
られ、これらの中では、ポリプロピレン樹脂、エチルア
クリレート含有量5〜50重量%のエチレン−エチルア
クリレート共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体
が特に好ましい。熱軟化層(b3 )の厚さは、通常1〜
100μm、好ましくは5〜50μmの範囲である。
【0035】支持体(b1 )に熱軟化層(b3 )を設け
る方法としては、例えば、有機高分子物質を溶剤に溶解
して支持体(b1 )上に塗布したのち乾燥する方法、押
出機により支持体(b1 )上に有機高分子物質をフィル
ム状に押し出してラミネートする方法(押し出しラミネ
ート法)等を採用することが出来る。
【0036】熱軟化層(b3 )には、色材画像の受像シ
ート(c)への転写性を向上させるため、離型層を設け
てもよい。後述する色材層(b2 )中に有機高分子物質
が含有されていない場合は、離型層を設けることによ
り、色材層の受像シートへの転写が可能となる。熱軟化
層(b3 )に設けられた離型層は、色材画像と共に受像
シート(c)へ転写される。斯かる離型層としては、感
光性シート(a)の離型層と同様の材質を用いることが
出来、また、その厚さも同様の範囲から選択される。
【0037】色材層(b2 )は、着色材料を含有してい
る。着色材料としては、染顔料が用いられる。色校正の
用途の場合は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック
と一致した色調の染顔料が必要となるが、この他、金属
粉、白色顔料、螢光顔料なども用いることが出来る。
【0038】染顔料の具体例としては、リオノールイエ
ローGRO(21090)、リオノールレッド7B44
01(15850)、リオノールブルーSM(2615
0)、三菱化成社製「三菱カーボンブラックMA−10
0」、同社製「三菱カーボンブラック#40」の他、セ
イカファーストイエローH(07555)、セイカファ
ーストカーミン(1483)、シアニンブルー(492
0)が挙げられる(上記の( )内の数字は、カラーイ
ンデックス(C.I)を意味する)。
【0039】色材層(b2 )は、通常、着色材料と共に
有機高分子物質を含有している。有機高分子物質は、着
色材料の塗膜性を高め、圧熱転写の際に必要な粘着性を
生じさせる作用を有する。有機高分子物質の種類として
は、例えば、特開昭48−31323号、特開昭51−
150322号、特開昭55−26596号、特開昭5
5−26597号、特開昭63−41847号、特開平
2−69号の各公報、米国特許第2,760,863号
明細書、同2,791,504号明細書に記載された有
機高分子物質を適宜用いることが出来る。色材層
(b2 )中の着色材料の含有量は、通常1〜50重量
%、好ましくは2〜30重量%の範囲、有機高分子物質
の含有量は、通常1〜98重量%、好ましくは5〜90
重量%の範囲である。
【0040】次に、受像シート(c)について説明す
る。受像シート(c)としては、最終受像シートであっ
てもよいし、受像シート(c)上に形成した色材画像を
最終受像シートへ圧熱処理により再度転写する際の中間
受像シートであってもよい。最終受像シートの種類は、
例えば、アート紙、コート紙などの各種印刷紙、ポリエ
ステルフィルム等のプラスチックフィルム、アルミニウ
ム等の金属シート等から目的に応じて適宜選択すること
が出来る。
【0041】中間受像シートも上記と同様に広範囲な種
類から選択できるが、少なくとも、その表面は、色材シ
ート(b)上の色材画像を受け得る性質と共に、転写さ
れた色材画像を次の最終受像シートへ転写し得る性質を
併せ持つ必要がある。従って、中間受像シートの表面性
状は、上記の各転写条件と相関して選定すればよいが、
例えば、各転写条件がほぼ同等である場合は、色材シー
ト(b)上の色材層(b2 )に対する接着性が色材層
(b2 )の支持体(b1 )に対する接着性より強いが、
色材層(b2 )の最終受像シート表面に対する接着性よ
り弱くする必要がある。
【0042】例えば、色材シート(b)の支持体
(b1 )、中間受像シート、最終受像シートが何れも高
分子物質で構成されている場合は、それらのガラス転位
点が最終受像シート、中間受像シート、支持体(b1
の順に大きくなる様に選択すればよい。そして、一定条
件下では、前記の接着性順序が保持されていなくとも、
各転写条件を加味して接着性順序が保持されていればよ
く、更には、中間受像シートと最終受像シートとに接着
される色材層(b2 )は、その表裏の関係であって異な
るため、色材層(b2 )の表面と裏面との構成に差異を
設けて前記の接着性順序を保持してもよい。
【0043】上記の様な中間受像シートの表面性状は、
基材のみで実現してもよく、また、基材と少くとも1つ
の被覆層とで実現してもよい。例えば、前述した通り、
シート状基材に高分子物質の被覆層を設けてもよい。ま
た、斯かる被覆層とは別途に若しくはその上に緩衝層お
よび/または離型層などを設けることも出来る。緩衝層
は、色材画像を受ける際、および、色材画像を最終受像
シートに転写する際、相手の表面が粗面であっても確実
に必要な全画像を授受できる点で有効である。斯かる緩
衝層は、粘弾性を有する材質または転写条件下で適度に
軟化する性質の高分子物質などで構成すればよい。
【0044】また、離型層は、中間受像シートの表面性
状のみでは前記の接着性順序を保持することが困難な場
合などに、接着性順序保持のためにも採用される。斯か
る接着性順次保持は、色材層(b2 )と離型層表面との
接着性(剥離性)で実現してもよく、また、離型層とそ
の下層との接着性(剥離性)で実現してもよい。後者の
場合、前記の接着性順序において、中間受像シートの接
着性は、最終受像シートとの比較では中間受像シートの
離型層とその下層との間の接着性を基準とし、また、色
材シート(b)の支持体(b1 )との比較ではこれらの
層間の接着性と表面の接着性との両者を基準として考慮
される。
【0045】そして、緩衝層を設けた中間受像シートを
用いた場合は、各色材シート上に緩衝層を設けなくと
も、永久受像シートの凹凸に合わせた色材画像を各色材
シート上に形成することが可能となる。また、各色材シ
ート上に離型層を設けて色材画像を形成する際、4層の
離型層が永久受像シート上に転写されるが、この場合、
離型層を設けた中間受像シートを用いれば、1層の離型
層のみしか永久受像シート上に転写されないため、過度
の光沢が抑えられて一層印刷物に近い画像を形成するこ
とが可能となる。
【0046】次に、本発明の製版装置に用いられる代表
的な感光性シート(a)と色材シート(b)の作成例に
ついて説明する。
【0047】ネガ型態様の感光性シート(a)は、例え
ば、75μmのポリエチレンテレフタレートシート(以
下、PETシートと略す)の上に、表1に示す組成の光
重合性粘着層用塗布液を乾燥膜厚が4μmとなる様に塗
布して乾燥し、その上に、厚さ20μmのポリプロピレ
ンフイルムを設け、室温下、5Kg/cm2 、50cm
/分の加圧ロール処理を行なうことにより作成すること
が出来る。
【0048】
【表1】 塗布溶剤 :乳酸メチル/メチルエチルケトン/テトラハイドロフラン (2:2:1重量比) 80g エチレン性化合物:トリメチロールプロパントリアクリレート 0.5g 高分子有機物質 :ポリメチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(90 /10重量比、Mw:50,000) 5g 活性剤(1) :2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′,5, 5′−テトラフェニルビイミダゾール 2g 活性剤(2) :2−メルカプトベンズチアゾール 0.5g 増感色素 :以下の化学式に記載の化合物 0.1g
【0049】
【化1】
【0050】ポジ型態様の感光性シート(a)は、例え
ば、上記と同様のPETシートの上に、上記の表1に示
す組成の光重合性粘着層用塗布液を乾燥膜厚が4μmと
なる様に塗布して乾燥し、一方、上記と同様のPETシ
ートの上に、ポリブタジエン3.6重量部、スチレン−
ブタジエン共重合体2.4重量部、メチレンクロリド5
4重量部から成る粘着層用塗布液を乾燥膜厚が6μmと
なる様に塗布して乾燥し、両PETシートをその塗膜面
同志が重なる様に合わせ、上記と同様の加圧ロール処理
を行なうことにより作成することが出来る。
【0051】色材シート(b)は、上記と同様のPET
シートの上に、20μmの熱軟化層(エチレン−酢酸ビ
ニル共重合樹脂)を押し出しラミネート法により設けた
後、その上に、各色材毎に分散処理して調液した表2に
示す色材層用塗布液を乾燥膜厚が2μmとなる様に塗布
して乾燥することにより作成することが出来る。
【0052】
【表2】 高分子物質(A):大日本インキ化学社製「SFC−3
00」40重量%水溶液50重量部 高分子物質(B):昭和高分子社製「AT−1000」
50重量%水溶液242重量部 高分子物質(C):ポリエチレンオキサイド(MW2×
106 )1重量%水溶液330重量部 界面活性剤(A):花王社製「エマルゲン」6重量部 界面活性剤(B):ラウリル硫酸ナトリウム4重量部 <顔料> イエローシート :セイカーフアーストイエローH07
55(大日精化社製)40重量部 シアンシート :シアニンブルー4920(大日精化
社製)42重量部 マジエンタシート:セイカーフアーストカーミン148
3(大日精化社製)35重量部 ブラツクシート :「三菱カーボンブラツクM−10
0」(三菱化成社製)45重量部
【0053】次に、添付図面に基づき本発明の製版装置
の実施例について説明する。図1及び2は、本発明装置
の部分説明図であり、いずれも主要な構成要素のみを表
示してある。また、図3は、本発明装置の露光機構の説
明図である。
【0054】本発明の製版装置は、感光性シート送給機
構(10)、カバーシート剥離機構(20)、色材シー
ト送給機構(30)、色材シート剥離機構(40)、感
光性シート剥離機構(50)、色材シート搬送機構(6
0)、受像シート送給機構(70)、色材シートと受像
シートの剥離機構(80)、色分解されたデジタル画像
信号にて制御されるレーザーを用いた露光機構(1
2)、回転ドラム(A)、加圧ローラー(B)、加熱加
圧ローラー(C)、これらを操作する制御部から主とし
て構成され、回転ドラム(A)と加圧ローラー(B)と
は周面同志が接近離間自在に配置されている。
【0055】回転ドラム(A)は、周面に設けられた多
数の微小孔を通してドラムの表面に真空作用を及ぼして
シートを密着固定する真空機構(図示せず)を備えてい
る。感光性シート送給機構(10)は、感光性シート
(a)の巻きロール(101)、送給ローラー(10
2)、切断機構(103)、案内ローラー(104)か
ら構成される。
【0056】露光機構(12)は、図3に示す様に、レ
ーザー発振器(121)、ビームコンプレッサー(12
2)、超音波光変調器(123)、ビームエキスパンダ
(124)、シリンダレンズ(125)、ポリゴンミラ
ー(126)、トロイダルレンズ(127)、f−θレ
ンズ(128)から構成される。レーザー光源として
は、紫外から可視線波長に発光スペクトルを有する光源
が好適であり、例えば、半導体レーザー、アルゴンイオ
ンレーザー、He−Neレーザー、He−Cdレーザー
等を挙げることが出来る。特に、安定性、寿命、価格の
点から、アルゴンイオンレーザーや半導体レーザーが優
れている。
【0057】カバーシート剥離機構(20)は、回転ド
ラム(A)に近接配置された吸着ローラー(201)、
ピンチローラー(202)、案内ローラー(203)か
ら構成される。吸着ローラー(201)の吸着作用は、
回転ドラム(A)の場合と同様の真空機構(図示せず)
によって行なわせることが出来る。
【0058】上記の感光性シート送給機構(10)と露
光機構(12)とカバーシート剥離機構(20)は、回
転ドラム(A)と加圧ローラー(B)との離間状態にお
いて、回転ドラム(A)の回転に従い、回転ドラム
(A)の周面上にカバーシート(a3 )を表面にして感
光性シート(a)を送給して巻回固定させ、感光性シー
ト(a)にレーザーを照射して露光を行ない、感光性シ
ート(a)からカバーシート(a3 )を剥離する機能を
有する。
【0059】すなわち、送給ローラー(102)によ
り、巻きロール(101)から引き出された感光性シー
ト(a)は、切断機構(103)で所定の長さに切断さ
れ、案内ローラー(104)を通し、回転ドラム(A)
に送給されて密着固定される。回転ドラム(A)の回転
に従い、その表面に巻回固定された感光性シート(a)
は、色分解されたデジタル画像信号にて制御されるレー
ザー発振器(121)からのレーザーにて走査画像露光
される。
【0060】そして、カバーシート(a3 )は、吸着ロ
ーラー(201)の吸着作用によって剥離され、ピンチ
ローラー(202)によって引き上げられ、案内ローラ
ー(203)等を通してシート排出トレー(204)に
送給される。上記の露光条件としては、例えば、回転ド
ラム(121)の回転数765rpm、レーザーのビー
ム径7μm、走査ピッチ5μmの条件を採用することが
出来る。
【0061】カバーシート(a3 )が剥離された感光性
シート(a)は、回転ドラム(A)に密着固定されたま
ま保持される。なお、回転ローラー(A)に対して接近
離間自在に配置された圧着ローラー(1)は、必要に応
じて設けられ、回転ドラム(A)への感光性シート
(a)の密着に対する補助の他、回転ドラム(A)上で
果たされる後述の各種の機能に対しても補助的な作用を
有する。
【0062】色材シート送給機構(30)は、色材シー
ト供給トレー(301)、その下部に配置された繰り出
しローラー(302)、色材シート供給トレー(30
1)から回転ドラム(A)に至る色材シートの送給路に
沿って配置された送給ローラー(303)〜(306)
及び適切なガイド(307)から構成される。そして、
送給ローラー(303)〜(306)は、色材シート
(c)の色材層(b2 )が感光性シート(a)の感光性
粘着制御層(a2 )と接する位置関係となる様に配置さ
れている。
【0063】図示した色材シート供給トレー(301)
は、上下に4段配置され、それぞれには、例えば、イエ
ロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色材毎の色材シー
ト(c)が色材層(b2 )を上面にして収容される。そ
して、露光機構(12)の色分解されたデジタル画像信
号に従い、当該色に対応した色材シート(c)がその都
度に用いられる。
【0064】上記の色材シート送給機構(30)は、回
転ドラム(A)と加圧ローラー(B)との離間状態にお
いて、回転ドラム(A)の回転に従い、回転ドラム
(A)に巻回された感光性シート(a)の感光性粘着制
御層(a2 )の表面に色材層(b2 )を下面にして色材
シート(b)を送給して感光性シート(a)と色材シー
ト(b)とを重ね合わせる機能を有する。
【0065】すなわち、繰り出しローラ(302)によ
り、色材シート供給トレー(301)から引き出された
色材シート(b)は、送給ローラ(303)〜(30
6)を通し、回転ドラム(A)の上に送給され、回転ド
ラム(A)の回転に従い、感光性シート(a)の感光性
粘着制御層(a2 )の表面に色材層(b2 )を下面にし
て重ね合わせられる。
【0066】色材シート剥離機構(40)は、回転ドラ
ム(A)に近接配置された吸着ローラー(401)、ピ
ンチローラー(402)、案内ローラー(403)から
構成される。吸着ローラー(401)の吸着作用は、回
転ドラム(A)の場合と同様の真空機構(図示せず)に
よって行なわせることが出来る。感光性シート剥離機構
(50)は、図示した例においては、カバーシート剥離
機構(20)によって兼用されている。
【0067】上記の回転ドラム(A)と加圧ローラー
(B)と色材シート剥離機構(40)と感光性シート剥
離機構(50)は、回転ドラム(A)と加圧ローラー
(B)の近接状態において、両者の回転に従い、回転ド
ラム(A)に巻回された感光性シート(a)と色材シー
ト(b)とに加圧または圧熱処理を行ない、表面に色材
画像を形成した色材シート(b)と感光性シート(a)
とを回転ドラム(A)から別々に剥離する機能を有す
る。
【0068】すなわち、加圧ローラー(B)は、その駆
動機構(図示せず)により、回転ドラム(A)に接近さ
せられ、回転ドラム(A)と加圧ローラー(B)の回転
に従って感光性シート(a)と色材シート(b)とに加
圧または圧熱処理を行なう。そして、感光性シート
(a)上の色材シート(b)は、吸着ローラー(40
1)の吸着作用によって剥離され、ピンチローラー(4
02)によって引き上げられて案内ローラー(403)
に送給され、色材画像形成面を下面としたまま次の色材
シート搬送機構(60)に送給される。
【0069】一方、回転ドラム(A)に残存する感光性
シート(a)は、吸着ローラー(201)の吸着作用に
よって剥離され、ピンチローラー(202)によって引
き上げられ、案内ローラー(203)等を通してシート
排出トレー(204)に送給される。吸着ローラー(4
01)の吸着作用によって回転ドラム(A)から色材シ
ート(b)のみを確実に剥離するため、必要に応じ、回
転ドラム(A)と吸着ローラー(401)の吸着作用の
程度を制御することも出来る。
【0070】色材シート搬送機構(60)は、搬送ロー
ラー(601)〜(604)及び適切なガイドから構成
される。受像シート送給機構(70)は、受像シート供
給トレー(701)、その下部に配置された繰り出しロ
ーラー(702)、受像シート供給トレー(701)か
ら後述の加圧ローラー(C)に至る受像シートの送給路
に沿って配置された受像シート送給ローラー(703)
〜(705)及び適切なガイドから構成される。加熱加
圧ローラー(C)は、所定間隔で上下に配置された2つ
のローラーから構成され、上記の搬送ローラーの途中の
位置に設けられている。そして、加熱加圧ローラー
(C)としては、内部に加熱機構を備えた加圧ローラー
が用いられる。
【0071】上記の色材シート搬送機構(6)と受像シ
ート送給機構(70)と加熱加圧ローラー(C)は、色
材シート(b)と受像シート(c)とを加熱加圧ローラ
ー(C)に供給し、色材シート(b)の色材画像形成面
と受像シート(c)とを重ね合わせて加熱加圧すること
により受像シート(c)に色材画像を転写する機能を有
する。
【0072】すなわち、受像シート供給トレー(70
1)の受像シート(c)は、受像シート送給ローラー
(703)〜(705)を経て加熱加圧ローラー(C)
に供給され、そして、色材シート搬送機構(60)の搬
送ローラー(601)〜(603)を経て加熱加圧ロー
ラー(C)に供給された色材シート(b)と共に加圧ま
たは圧熱処理される。色材シート(b)が積層された受
像シート(c)は、色材シート搬送機構(60)を利用
して次の色材シートと受像シートの剥離機構(80)に
移送される。
【0073】色材シートと受像シートの剥離機構(8
0)は、所定間隔で上下に配置された2つの吸着ローラ
ー(801)とピンチローラー(802)から構成され
る。吸着ローラー(801)の吸着作用は、回転ドラム
(A)の場合と同様の真空機構(図示せず)によって行
なわせることが出来る。色材シートと受像シートの剥離
機構(80)は、加熱加圧ローラー(C)から送給され
且つ色材シート(b)が積層された受像シート(c)か
ら色材シート(b)を剥離する機能を有する。
【0074】すなわち、吸着ローラー(801)の吸着
作用によって色材シート(b)が剥離される。剥離され
た色材シート(b)は、ピンチローラー(802)によ
って引き上げられて色材シート排出部(81)に送給さ
れる。そして、色材画像が転写された受像シート(c)
は、受像シート取り出し部(82)に移送される。
【0075】受像シート(c)に多色画像を転写する機
能は、受像シート循環機構(90)によって備えること
が出来る。受像シート循環機構(90)は、色材シート
と受像シートの剥離機構(80)の後方の設けられたダ
ンパー(901)、当該ダンパーから受像シート送給ロ
ーラー(705)に至る循環受像シート送給路に沿って
配置された循環ローラー(902)〜(907)及び適
切なガイドから構成される。そして、循環ローラー(9
02)〜(907)は、受像シート(c)を送給途中で
反転させて受像シート(c)の色材画像転写面と色材シ
ート(c)の色材画像形成面とが接する位置関係となる
様に配置されている。
【0076】受像シート循環機構(80)は、色材画像
が転写された受像シート(c)を待機させて各色材毎に
加熱加圧を繰り返して受像シート(c)に多色画像を転
写する機能を有する。すなわち、例えば、イエローの色
材画像が転写された受像シート(c)は、ダンパー(9
01)の開動作に従って循環ローラー(902)〜(9
07)に送給され、送給途中で反転させられ、色材シー
ト搬送機構(60)から移送され且つ表面にマゼンタの
色材画像を形成した色材シート(b)の色材画像形成面
と受像シート(c)の色材画像転写面とが重なる様に加
熱加圧ローラー(C)に送給されてマゼンタの色材画像
が転写される。そして、斯かる操作を繰り返し行なうこ
とにより、受像シート(c)に多色画像が転写される。
【0077】制御部(図示せず)は、コンピューターシ
ステムから構成され、そして、前記の各機能は、制御部
によって操作されて順次に行なわれる。また、受像シー
ト循環機構(90)も制御部(G)によって操作され、
本発明の製版装置によれば、単色画像転写および多色画
像転写の何れをも行なうことが出来る。そして、前記の
各機構などは、通常、1つのハウジング内に収容される
が、各種のトレーは、別途に収容してもよい。
【0078】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、光重合性
粘着層を利用した画像形成方法であって光重合性粘着層
中に含有される増感色素により画像が影響されることの
ない新規な画像形成方法を採用し、しかも、コンパクト
な構造のダイレクト製版装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の部分説明図である。
【図2】本発明装置の部分説明図である。
【図3】本発明装置の露光機構の説明図である。
【図4】本発明装置における画像形成方法の説明図であ
る。
【図5】本発明装置における画像形成方法の説明図であ
る。
【図6】本発明装置における画像形成方法の説明図であ
る。
【図7】本発明装置における画像形成方法の説明図であ
る。
【符号の説明】
10:感光性シート送給機構 20:カバーシート剥離機構 30:色材シート送給機構 40:色材シート剥離機構 50:感光性シート剥離機構 60:色材シート搬送機構 70:受像シート送給機構 80:色材シートと受像シートの剥離機構 12:露光機構 A:回転ドラム B:加圧ローラー C:加熱加圧ローラー

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体(a1 )の上に感光性粘着制御層
    (a2 )とカバーシート(a3 )とを順次に積層して成
    る感光性シート(a)と、支持体(b1 )の上に色材層
    (b2 )を積層して成る色材シート(b)と、受像シー
    ト(c)とを用い、画像露光により、感光性シート
    (a)の感光性粘着制御層(a2 )の露光部および未露
    光部間の粘着性を変化させ、感光性シート(a)の感光
    性粘着制御層(a2 )と色材シート(b)の色材層(b
    2 )とを重ね合わせて加圧または圧熱処理を施した後、
    感光性シート(a)を剥離することにより、色材シート
    (b)の色材層(b2 )側に色材画像を形成し、次い
    で、圧熱処理により、受像シート(c)に色材画像を転
    写するダイレクト製版装置であって、 I:感光性シート送給機構(10)、カバーシート剥離
    機構(20)、色材シート送給機構(30)、色材シー
    ト剥離機構(40)、感光性シート剥離機構(50)、
    色材シート搬送機構(60)、受像シート送給機構(7
    0)、色材シートと受像シートの剥離機構(80)、色
    分解されたデジタル画像信号にて制御されるレーザーを
    用いた露光機構(12)、回転ドラム(A)、加圧ロー
    ラー(B)、加熱加圧ローラー(C)、これらを操作す
    る制御部から主として構成され、回転ドラム(A)と加
    圧ローラー(B)とは周面同志が接近離間自在に配置さ
    れ、 IIA:感光性シート送給機構(10)と露光機構(1
    2)とカバーシート剥離機構(20)は、回転ドラム
    (A)と加圧ローラー(B)との離間状態において、回
    転ドラム(A)の回転に従い、回転ドラム(A)の周面
    上にカバーシート(a3 )を表面にして感光性シート
    (a)を送給して巻回固定させ、感光性シート(a)に
    レーザーを照射して露光を行ない、感光性シート(a)
    からカバーシート(a3 )を剥離する機能を有し、 IIB:色材シート送給機構(30)は、回転ドラム
    (A)と加圧ローラー(B)との離間状態において、回
    転ドラム(A)の回転に従い、回転ドラム(A)に巻回
    された感光性シート(a)の感光性粘着制御層(a2
    の表面に色材層(b 2 )を下面にして色材シート(b)
    を送給して感光性シート(a)と色材シート(b)とを
    重ね合わせる機能を有し、 IIC:回転ドラム(A)と加圧ローラー(B)と色材シ
    ート剥離機構(40)と感光性シート剥離機構(50)
    は、回転ドラム(A)と加圧ローラー(B)の近接状態
    において、両者の回転に従い、回転ドラム(A)に巻回
    された感光性シート(a)と色材シート(b)とに加圧
    または圧熱処理を行ない、表面に色材画像を形成した色
    材シート(b)と感光性シート(a)とを回転ドラム
    (A)から別々に剥離する機能を有し、 IID:色材シート搬送機構(60)と受像シート送給機
    構(70)と加熱加圧ローラー(C)は、色材シート
    (b)と受像シート(c)とを加熱加圧ローラー(C)
    に供給し、色材シート(b)の色材画像形成面と受像シ
    ート(c)とを重ね合わせて加熱加圧することにより受
    像シート(c)に色材画像を転写する機能を有し、 IIE:色材シートと受像シートの剥離機構(80)は、
    加熱加圧ローラー(C)から送給され且つ色材シート
    (b)が積層された受像シート(c)から色材シート
    (b)を剥離する機能を有し、 IIF:制御部は、前記の各機能が順次に行なわれる様に
    操作することを特徴とするダイレクト製版装置。
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