JPH06332088A - ハロゲン化銀写真感光材料とそれを用いた放射線画像形成方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料とそれを用いた放射線画像形成方法

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JPH06332088A
JPH06332088A JP5121675A JP12167593A JPH06332088A JP H06332088 A JPH06332088 A JP H06332088A JP 5121675 A JP5121675 A JP 5121675A JP 12167593 A JP12167593 A JP 12167593A JP H06332088 A JPH06332088 A JP H06332088A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】胸部撮影に適したX−レイ用ハロゲン化銀感材
及びそれを用いた画像形成法を提供する。 【構成】支持体の両面にハロゲン化銀乳剤層を有する感
材で、蛍光増感スクリーンでサンドイッチして露光され
る感材において、クロスオーバーが15%以下であり、
かつ、現像液(I)を用い35℃25秒現像した時に得
られる特性曲線の、濃度1.6から2.0のポイントガ
ンマが2.7〜4.2であり、かつ濃度1.8を与える
に必要な露光量の1/10の露光で得られる濃度点での
ポイントガンマが0.25以上であるX線用ハロゲン化
銀感材。現像液[I]水酸化カリウム 21 g、亜硫酸カ
リウム 63 g、ホウ酸 10 g、ハイドロキノン 25 g、
トリエチレングリコール 20 g、5−ニトロインダゾー
ル0.2 g、氷酢酸 10 g、1−フェニル−3−ピラゾリ
ドン1.2 g、5−メチルベンゾトリアゾール0.05g、グ
ルタルアルデヒド5 g、臭化カリウム4 g、水を加えて
1リットルしたのち、pH10.02に調節する

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なハロゲン化銀写真
感光材料に関し、また、新規なX線画像形成方法に関す
る。本発明は、特に胸部X線写真の分野において、優れ
た画像を提供する、ハロゲン化銀写真材料とその画像形
成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】医療用放射線写真において、患者の組織
の画像は、透明支持体に塗布形成された少なくとも一層
の感光性ハロゲン化銀乳剤層を含む写真感光材料(ハロ
ゲン化銀写真感光材料)を使用し、そのハロゲン化銀写
真感光材料にX線の透過パターンを記録することにより
作られる。X線の透過パターンはハロゲン化銀写真感光
材料を単独に用いて記録することができる。しかしなが
ら、人体が大量のX線の露光にさらされることは望まし
くないため、通常は、ハロゲン化銀写真感光材料に放射
線増感スクリーンを組み合せてX線撮影を行なってい
る。放射線増感スクリーンは、支持体の表面に蛍光体層
を備えてなるもので、その蛍光体層がX線を吸収して、
感光材料にとって感光度の高い可視光に変換するため、
その使用はX線撮影系の感度を顕著に向上させることが
できる。
【0003】X線撮影系の感度を更に向上させる方法と
して、両面に写真乳剤層を有する感光材料、すなわち支
持体の前側および後側にそれぞれハロゲン化銀写真感光
層を備えてなるハロゲン化銀写真感光材料を用い、その
両側を放射線増感スクリーン(単に増感スクリーンとも
よぶことがある)ではさんだ状態でX線撮影する方法が
開発されており、現在では、通常のX線撮影は、このよ
うな撮影方法が利用されている。この方法は、一枚の増
感スクリーンの使用では充分なX線吸収量が達成できな
いことから開発された方法である。すなわち、X線吸収
量を増すために一枚の増感スクリーンの蛍光体量を増量
しても、増量のため厚くなった蛍光体層内で変換された
可視光が、蛍光体層内部で散乱、反射するため、増感ス
クリーンから放出されて、増感スクリーンに接して配置
されている感光材料に入射する可視光が大きくぼけてし
まう。また、蛍光体層の深部で発生する可視光は蛍光体
層から出にくいため、むやみに蛍光体層を増加させて
も、増感スクリーンから放出される有効な可視光は増加
しない。従って、適度の厚さの蛍光体層を有する二枚の
増感スクリーンを使用したX線撮影方法は、全体として
のX線吸収量を増大させ、かつ増感スクリーンから有効
に変換された可視光を取り出すことができるとの利点を
有する。画質と感度のバランスにおいて優れたX線撮影
系を見い出すための研究は、これまでにも絶え間なく行
なわれてきている。たとえば、従来では、タングステン
酸カルシウム蛍光体の蛍光体層を有する青色発光の増感
スクリーンと、分光増感されていないハロゲン化銀写真
感光材料との組合せ(例、ハイスクリーン・スタンダー
ドとRX(いずれも富士写真フイルム株式会社商品名)
との組合せ)が一般的に利用されていたが、最近では、
テルビウム賦活希土類元素オキシスルフィド蛍光体の蛍
光体層を有する緑色発光の増感スクリーンと、オルソ分
光増感されたハロゲン化銀写真感光材料との組合せ
(例、グリネックス4とRXO(いずれも富士写真フイ
ルム株式会社商品名)との組合せ)が用いられるように
なり、感度と画質の双方において向上した結果が得られ
ている。
【0004】なお、両側に写真乳剤層を備えたハロゲン
化銀写真感光材料においては、クロスオーバー光による
画質の劣化が発生しやすいとの問題がある。このクロス
オーバー光とは、感光材料の両側に配置されたそれぞれ
の増感スクリーンから放出され、感光材料の支持体(通
常170〜180μm程度の厚いものが用いられる)を
透過して反対側の感光層に届く可視光で、画質(特に鮮
鋭度)の低下をもたらす光である。
【0005】上記のクロスオーバー光を減少させるため
に、これまでに各種の技術が開発されてきた。たとえ
ば、米国特許第4425425号と第4425426号
の明細書に示されている分光増感された高アスペクト比
平板状粒子乳剤を感光性ハロゲン化銀写真乳剤として用
いる発明があり、この発明によってクロスオーバーが1
5〜22%まで減少するとされている。また、米国特許
第4803150号明細書には、現像処理により脱色可
能な微結晶性染料層をハロゲン化銀写真感光材料の支持
体と感光層との間に設ける発明が開示されており、この
発明によりクロスオーバーが10%以下にまで減少する
とされている。
【0006】写真の調子(特性曲線の形)は、医療画像
診断を行う上で非常に重要であるとされている。近年、
診断部位別に、写真感光材料の使い分けがされつつあ
り、各写真メーカーも、その要求に応じ、特性曲線の異
なる感光材料を提供している。大別すると、血管造影撮
影用硬調感材、一般用標準調子感材、腹部胃部撮影用ワ
イドラチィチュード感材、胸部撮影用超ワイドラチィチ
ュード感材である。また、特開昭59−214027、
同60−41035、同60−159741、同61−
116346、同62−42146、同62−4214
7に種々の特性曲線を持つ感光材料が開示されている。
【0007】一方、両側に写真乳剤層を備えたハロゲン
化銀写真感光材料と放射線増感スクリーンとの組合せを
特定の条件に設定して画質と感度とのバランスにおいて
優れたX線撮影系を見い出そうとの試みもなされてい
る。たとえば、特開平2−266344号公報、同2−
297544号公報、および米国特許4803150号
明細書には、X線照射側の増感スクリーン(前面増感ス
クリーン)と感光層(前面感光層)との組合せにより得
られる光特性(感度)を、反対側の増感スクリーン(後
面増感スクリーン)と感光層(後面感光層)との組合せ
により得られる光特性(感度)とを互いに相違するよう
に設定し、また前者の組合せと後者の組合せとが互いに
相違するコントラストを示すように設定したX線撮影系
が開示されている。一方、フォトグラフィック・サイエ
ンス・アンド・エンジニアリング、第26巻、第1号
(1982)の40頁には、スリーエム社製放射線増感
スクリーンとハロゲン化銀写真感光材料との組合せにお
いて、Trimax12(スリーエム社の市販増感スクリーン
の商品名)とXUD(スリーエム社の市販ハロゲン化銀
写真感光材料の商品名)との組合せが、Trimax4(スリ
ーエム社の市販増感スクリーンの商品名)とXD(スリ
ーエム社の市販ハロゲン化銀写真感光材料の商品名)と
の組合せに対して、ほぼ同等の感度、鮮鋭度(MTF)
を示すが、高いNEQ(アウトプットのシグナルノイズ
比)を与えるとの実験結果を示している。そして、この
結果は、XUDがXDに比べて高い鮮鋭度を示し、一方
ではTrimax12がTrimax4に比べて高いX線吸収量を示
すためと教示している。
【0008】勿論、X線画像の画質のみに注目すれば、
高い画質のX線画像を得ることは、感度の低いハロゲン
化銀写真感光材料に同じく感度の低い放射線増感スクリ
ーンを組合せて用いることにより可能であった。しか
し、このような低感度同士の組合せを利用する場合に
は、必然的に人体へのX線の露光量(被曝量)が増加す
るため、そのような組合せは実用上好ましくなく、特に
診断検診のように、被検者の大部分が健康な人である場
合には、被曝量の増加は極力回避する必要があるため、
実際に利用することができない。
【0009】上記のように、これまでにも様々な方式に
よる画質と感度のバランスにおいて優れたX線撮影系を
見い出すための研究が行なわれてきている。しかしなが
ら、胸部X線画像診断の目的において、これまで開発さ
れてきたX線画像形成方法は依然として、充分な高画質
と高感度を備えたX線撮影システムということはできな
い。すなわち、胸部のX線画像では肺野の中の非常に細
い血管陰影を末端まで観察できることが診断上において
非常に重要であるが満足できるものではなかった。また
胸部撮影においては、別の困難さが生じる。既ち、胸部
X線撮影は、主には肺全体を診断するために撮影するの
であるが、X線透過量が比較的多い中、上肺部と、X線
透過量が極めて少なくなる、中央陰影の部分及び心臓
部、横隔膜下とを同時に描写しなくてはならない。その
X線透過量差は、SPIE,Vol 1651 Medical Imaging VI:I
nstrumentation(1992)に述べているように、特に太った
体格の人程大きくなり、対数露光量差として0.9〜
1.1である。このためスクリーン/フィルム系のダイ
ナミックレンジ(ラチィチュード)を広くとる必要があ
る。ラチィチュードを広くとることと、コントラストを
良くすることとは互に相反する。それゆえに、これまで
知られている胸部X線撮影方法では、一枚の撮影画像か
らは、十分に診断上満足できるものではなかった。即
ち、胸部撮影用ワイドラチィチュードタイプを用いた画
像は、中央陰影、横隔膜下等のX線透過量の低い部位の
コントラストはあるものの、粒状のざらつきで見にくい
ものであり、その上、肺野の血管陰影はコントラスト不
足とシャープさが不足して、診断しにくいものであっ
た。一方標準的な調子の感光材料を用いた場合において
は、肺野の血管陰影のコントラストは十分あるものの、
粒状のざらつきのため、診断しにくく、又、中央陰影等
の描写性は、抜けてしまい非常に劣っていた。中央陰影
等の描写性を向上するために、X線を高圧にして撮影す
る方法があるが、全体的にコントラストが低下すること
と、散乱線の影響で、シャープさが不足していた。又別
の方法で、露光量を増加して中央陰影等の描写性向上さ
せることができるが、肺野濃度が増加しすぎ、通常のシ
ャーカステンでの観察では、診断しにくい。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、画質と感度
のバランスにおいて、優れた新規なX線撮影系を構成す
る、ハロゲン化銀写真材料を提供することを主な目的と
する。本発明は、特に胸部を撮影するための、優れた新
規なX線撮影系を構成するハロゲン化銀写真材料を提供
することを目的とする。また本発明は、上記の新規なハ
ロゲン化銀写真材料と放射線スクリーンの組合せにおい
て、更に有利な画像を得るX線撮影方法を提供すること
を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意検討した
結果、透明な支持体の両側にハロゲン化銀感光性乳剤層
を少くとも1層有する写真材料であり、該写真材料の前
側及び後側に、それぞれ配置される2枚の放射線増感ス
クリーンから成る、放射線画像形成組体を構成する写真
材料において、該増感スクリーンより発光する光に対し
てクロスオーバーが15%以下であり、かつ実質的に同
じ感度である2枚の増感スクリーンでサンドウィチして
階段露光し、下記現像液(I)を用いて、現像液温度3
5℃、現像時間25秒で現像して得られる画像が、拡散
濃度(x軸)と常用対数露光量(y軸)の単位長の等し
い直交座標上に示される特性曲線において、光学濃度
(拡散濃度)1.6から2.0のすべての点におけるポ
イントガンマが、2.7から4.2の範囲であり、かつ
光学濃度1.8を与えるに必要な露光量の1/10(対
数で−1.0)の露光で得られる濃度点におけるポイン
トガンマーが0.25以上である、特性曲線を有するこ
とを特徴とするX線用ハロゲン化銀写真材料によって達
成された。 現像液[I] 水酸化カリウム 21 g 亜硫酸カリウム 63 g ホウ酸 10 g ハイドロキノン 25 g トリエチレングリコール 20 g 5−ニトロインダゾール 0.2 g 氷酢酸 10 g 1−フェニル−3−ピラゾリドン 1.2 g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.05g グルタルアルデヒド 5 g 臭化カリウム 4 g 水を加えて1リットルしたのち、pH10.02に調節する
【0012】本発明でいうクロスオーバーとは、透明な
支持体の両側に感光性乳剤が塗布された材料において、
一方の方向からの光が最初の乳剤層及び支持体をすり抜
けて、逆側の感光層を感光させる光のことをいう。クロ
スオーバー(%)は Abbottet al の米国特許第442
5425号に記載された方法によって測定される。即
ち、実質的に等しい感光層を両側にもつ感光材料におい
ては、X線源に対して、黒紙感光材料次に増感スクリー
ンの順に配置し、X線撮影用カセットに詰めて、段階的
にX線露光する。現像後、2分割して増感スクリーンと
接していた感光層のみの像と、逆側の感光層のみの像に
分離して、それぞれの特性曲線を得る。特性曲線のほぼ
直線部分の濃度域での2つの曲線の感度差を△logEとし
たとき、 クロスオーバー(%)=100/(anti log(△logE) +1 と定義される。
【0013】クロスオーバーは少い程、よりシャープな
画像が得られる。クロスオーバーを減少させる方法は種
々あるが、最も好ましい方法は、支持体と感光層の間
に、現像処理により、脱色可能な染料を固定化すること
である。米国特許第4,803,150号で教示してい
る、微結晶状の染料を用いると、固定化が良いことと、
脱色性も良く、多量の染料を含ませることができ、クロ
スオーバーを減少させるのに非常に好ましい。この方法
によると、固定化不良による減感もなく、又90秒処理
での染料の脱色も可能でクロスオーバーを15%以下に
できる。更に好ましい、クロスオーバー減少のための染
料層は、可能な限り高密度に染料を配置したものが良
い。バインダーとして用いるゼラチン塗布量を減らし、
染料層の膜厚として0.5μ以下にすることが好まし
い。しかしながら極端な薄層化は密着不良が生じ易くな
り、最も好ましい染料層の膜厚は0.05μ〜0.3μ
である。
【0014】本発明の範囲にある特性曲線を有する感光
材料は、胸部画像を診断する上で、診断しやすい画像を
提供する。濃度1.6から2.0におけるポイントガン
マーが2.7から4.2と比較的硬調であり、肺野部分
のコントラストがつき、肺野の中の血管像、及び、腫瘍
陰影が鮮明に出る。しかも、クロスオーバーによるボケ
が除去されているため、細部まで鮮明となる。一方低露
光域でのポイントガンマーも比較的高いため、中央陰影
等の濃度が低い部分においても、画像が飛んでしまった
りはしない。
【0015】本発明でいうポイントガンマーは次のよう
に定義される。光学濃度(y軸)と常用対数露光量(x
軸)で表される単位長が等しい直交座標上に示される特
性曲線において、該特性曲線の接線を引いたとき、その
勾配である。即ち、接線とx軸のなす角度をθとすると
tanθで示される。本発明の特性曲線とその微分曲線の
例を図・1に示す。
【0016】現像液〔I〕を用いた現像処理の標準的な
条件を更に詳しく説明すると、下記のようになる。 現像時間:25秒(液中21秒+液外4秒) 定着時間:20秒(液中16秒+液外4秒、定着液は下
記組成のもの) 水 洗:12秒 スクイズ及び乾燥:26秒 使用する現像装置:市販のローラ搬送自動現像機(例、
富士写真フイルム株式会社製FPM−5000自動現像
機) (現像タンク:容量22リットル、液温35℃) (定着タンク:容量15.5リットル、液温25℃) 同種の市販ローラ搬送自動現像機としては、イーストマ
ンコダック社製M−6AWがある。 定着液(定着液F)組成 チオ硫酸アンモニウム(70%重量/容量) 200 ml 亜硫酸ナトリウム 20 g ホウ酸 8 g エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(2水塩) 0.1 g 硫酸アルミニウム 15 g 硫酸 2 g 氷酢酸 22 g 水を加えて1リットルにした後、必要により水酸化ナトリウムもしくは氷酢 酸を用いて、pH4.5に調節する。
【0017】本発明の特性曲線をもつ感光材料を得る方
法は任意であるが、具体例を示す。まづ感度が異なる2
種類の乳剤を選択し、その感度差は1対0.5〜1対
0.15の範囲が好ましい。2種類の乳剤は混合塗布し
ても、層別に塗布しても良いが、最も好ましい態様は、
高感度乳剤を上層に低感度乳剤を下層にした構成であ
る。また乳剤の比率としては銀量比で、低感度乳剤を1
に対して、高感度乳剤は0.5〜0.05で、更に好ま
しくは0.3〜0.1である。また低感度乳剤としては
単分散な粒子サイズ分布をもつものが好ましい。粒子サ
イズの偏差を平均粒子サイズで割った値の100倍を変
動係数(%)とすると、変動係数が20%以下となる粒
子サイズ分布をもつ乳剤が好ましい。
【0018】本発明において使用するハロゲン化銀写真
感光材料の代表的な構成としては、青色に着色した透明
支持体の両側(前側および後側)にそれぞれ、下塗り
層、クロスオーバー低減のための染料層、少なくとも一
層の感光性ハロゲン化銀乳剤層そして保護層が順次形成
されてなる構成を挙げることができる。前側および後側
の各々の層は、実質的に互いに同一の層であることが望
ましい。
【0019】支持体は、ポリエチレンテレフタレートな
どの透明な材料から形成されたものであって、青色染料
により着色されている。青色染料としては、X線写真用
フィルムの着色用として知られているアントラキノン系
染料など各種のものが使用できる。支持体の厚さは16
0〜200μmの範囲から適宜選ぶことができる。支持
体の上には、通常のX線写真用フィルムと同様に、ゼラ
チンなどの水溶性高分子物質からなる下塗り層が設けら
れる。
【0020】下塗り層の上には、クロスオーバー低減の
ための染料層が設けられる。この染料層は通常、染料を
含むコロイド層として形成され、先に規定した現像処理
にて脱色される染料層であることが望ましい。染料層中
では、染料が層の下部に固定されていて、上層の感光性
ハロゲン化銀乳剤層や保護層に拡散することのないよう
にされていることが望ましい。染料層の上には、感光性
ハロゲン化銀乳剤層が形成される。本発明の感光材料に
おいて使用する感光性ハロゲン化銀乳剤は、周知の方法
で調製することができる。なお、ハロゲン化銀写真感光
材料は、一緒に用いる増感スクリーンに対して感光性を
持たなくてはならない。通常のハロゲン化銀乳剤は、青
色光〜紫外光の範囲の光に対して感光性を持っているの
で、増感スクリーンから発光する光が青色光〜紫外光の
範囲のもの(例えば、増感スクリーンの蛍光体としてタ
ングステン酸カルシウム蛍光体を用いた場合がこれに該
当する。)であればよいが、たとえば主波長545nmの
光を発光するテルビウム賦活カドリニウムオキシスルフ
ィド蛍光体を用いた増感スクリーンを用いる場合には、
感光材料のハロゲン化銀は緑色に分光増感されている必
要がある。
【0021】本発明のハロゲン化銀写真感光材料におい
て用いるのに好ましいハロゲン化銀乳剤は、平板状ハロ
ゲン化銀粒子からなるものである。すなわち、平板状ハ
ロゲン化銀粒子乳剤は、感度と粒状性のバランスが良
く、分光増感特性が良い点、そしてクロスオーバーを減
じる能力が高い点などにおいて有利である。
【0022】平板状ハロゲン化銀粒子乳剤の製法につい
ては、近年各種の改良がなされており、本発明のハロゲ
ン化銀写真感光材料の製造に用いる平板状ハロゲン化銀
粒子乳剤の調製に際しても、それらの改良技術を利用す
ることができる。そのような改良技術の例としては、還
元増感とメルカプト化合物、あるいは或る種の色素との
組合せによる圧力特性を良好にする技術、セレン化合物
による増感技術、粒子表面のヨード含量を減少させるこ
とによるローラ搬送時の圧力マーク減少技術、乳剤二層
構成の場合に、それぞれの層の銀/ゼラチン比率を最適
化することで、ローラ搬送時の圧力マークの減少と乾燥
性とのバランスを向上させる技術等である。これ等の技
術については、特願平3−145164号、同3−22
8639号、同2−89379号、同2−288898
号、同2−225637号、同3−103639号の各
出願明細書に述べられている。
【0023】なお、前述のように、本発明のハロゲン化
銀写真感光材料には、前記の現像処理条件にて脱色され
る染料層であることが好ましいが、そのためには、染料
層の上層の感光層のバインダーの使用量を低く押えるこ
とが好ましい。即ち、感光層のバインダー使用量は5g
/m2以下とするのが好ましく、特に3g/m2以下とする
のが好ましい。一方、感光層中の銀の含有量は3g/m2
以下とするのが好ましく、特に2g/m2以下とするのが
好ましい。
【0024】上記のようにして製造した、支持体の両側
に設けられた下塗り層と感光層との積層体の上に、常法
に従って、ゼラチンなどの水溶性高分子材料からなる保
護層が設けられ、本発明のハロゲン化銀写真感光材料を
得ることができる。
【0025】本発明のハロゲン化銀写真感光材料の製造
に利用される乳剤増感法や各種添加剤、構成材料、現像
処理方法等に関しては特に制限はなく、たとえば、特開
平2−68539号公報、特開平2−103037号公
報、および特開平2−115837号公報の下記の該当
箇所に記載の各種の技術を利用することができる。
【0026】 項 目 該 当 箇 所 1 化学増感方法 特開平2−68539号公報第10頁右上欄13行から 同左下欄16行目 2 カブリ防止剤、 同第10頁左下欄17行目から同第11頁左上欄7行目 安定剤 及び同第3頁左下欄2行目から同第4頁左下欄 3 分光増感色素 同第4頁右下欄4行目から同第8頁右下欄 4 界面活性剤、 同第11頁左上欄14行目から同第12頁左上欄9行目 帯電防止剤 5 マット剤、 同第12頁左上欄10行目から同右上欄10行目、同第 滑り剤、可塑剤 14頁左下欄10行目から同右下欄1行目 6 親水性コロイド 同第12頁右上欄11行目から同左下欄16行目 7 硬膜剤 同第12頁左下欄17行目から同第13頁右上欄6行目 8 支持体 同第13頁右上欄7行目から20行目 9 染料、媒染剤 同第13頁左下欄1行目から同第14頁左下欄9行目 10 現像処理方法 特開平2−103037号公報第16頁右上欄7行目か ら同第19頁左下欄15行目、及び特開平2−1158 37号公報第3頁右下欄5行目から、同第6頁右上欄1 0行目
【0027】更に本発明における好ましい態様について
説明する。本発明の新規な特性曲線を有し、かつクロス
オーバーが低減されたハロゲン化銀写真材料において、
特定の範囲の感度を有するハロゲン化銀写真材料を高感
度でかつCTF(コントラスト伝達関数)が、空間周波
数1本/mmで0.79以上、及び空間周波数3本/mmで
0.36以上と、比較的良好な増感スクリーンと組合せ
て、画像形成すると、良好な画質と感度が得られること
がわかった。写真材料と、増感スクリーンの組合せは任
意にとれるが、その特性の組合せをとることにより、よ
り向上した画質と感度のバランスが得られることを意味
する。仮に、組体の感度を一定として、X線吸収量が非
常に多く、高感度の増感スクリーンと、低感度の感光材
料とを組合せて用いた場合、得られる画像の粒状度は極
めて良好になるが、鮮鋭度が顕著に低下する。この場合
において、感光材料として低感度で鮮鋭度の高い感光材
料を用いたとしても、得られる画像の鮮鋭度は充分とな
らず、診断上好ましいX線画像とならない。逆に、X線
吸収量の少ない低感度の増感スクリーンと、標準感度も
しくは高感度の感光材料を組合せて用いた場合には、高
い鮮鋭度のX線画像が得られるが、粒状度が悪くなり、
同じく診断上好ましいX線画像とならない。最もよい組
合せは、X線吸収量が80KVpのX線に対して25%
以上あり、かつ、CTFが0.79(1本/mm)以上及
び0.36(3本/mm)以上である比較的高感度な増感
スクリーンと、その増感スクリーンの高感度の特性をキ
ャンセルする分だけ感光材料の感度が下がった感光材料
とを組合せることである。
【0028】本発明者の研究によると、ハロゲン化銀写
真感光材料と放射線増感スクリーンとの組体において、
増感スクリーンと感光材料の感度の最適な配分は、組体
の感度レベル、被検体のサイズ等により変化することが
判明した。しかしながら、更に研究を行なった結果、感
光材料として適度な感度を示すものを用い、増感スクリ
ーンとしては、許容される鮮鋭度レベルを維持できる程
度に蛍光体量を多くしてX線吸収量を増加させ、かつ高
いコントラスト伝達関数(CTF)を示すように調製し
たものを用いた場合に、充分な感度で、高画質のX線画
像が得られることが判明した。
【0029】なお、好ましい鮮鋭度のレベルは被検体の
サイズに依存する。胸部における臨床的評価において
は、変調伝達関数(CTF)の物理量で表現すると、空
間周波数0.5本/mm〜3本/mmに亙るコントラスト伝
達関数が重要であり、その値は1本/mmで0.65以
上、2本/mmで0.22以上である。また、組体の感度
にも制限がある。高感度になる組体を選択すると最も好
ましいバランスを持った組合せにしても胸部等を診断す
る上の高画質が得られないからである。逆に低感度の組
体はX線の被曝の問題で好ましくない。
【0030】ハロゲン化銀写真材料の好ましい特定の感
度範囲とは、放射線増感スクリーンの主発光ピーク波長
と同一の波長を有し、かつ半値幅が20±5nmの単色光
で露光し、前述の現像液[I]を用い、現像液温度35
℃、現像時間25秒で現像処理し、露光面と逆側の感光
層を剥離したのち測定して、該感光層にて得られる濃度
が、最低濃度に0.5を加えた値になるのに必要な露光
量が0.010ルクス秒から0.035ルクス秒(好ま
しくは、0.012〜0.030ルクス)となる感度を
有するものである。この範囲の感度は、市販されている
X−レイ用フィルム、例えば富士写真フイルム(株)製
レントゲンフィルムスーパーHRSより低く設定されて
いる。ハロゲン化銀写真感光材料の感度を測定する方法
において、用いる露光光源は組合せて使用する放射線増
感スクリーンの発光主ピークの波長に一致もしくはほぼ
一致していなくてはならない。例えば、放射線増感スク
リーンの蛍光体がテルビウム賦活ガドリニウムオキシス
ルフィドである場合には、主発光のピーク波長が545
nmであるところから、ハロゲン化銀写真感光材料の感度
を測定するときの光源は波長545nmを中心とする光と
する。単色光を得る方法としては干渉フィルターを組合
せたフィルター系を用いる方法が利用できる。この方法
によれば、干渉フィルターの組合せにも依存するが、通
常、必要な露光量を持ち、かつ半値幅が20±5nmの単
色光を容易に得ることができる。なお、ハロゲン化銀写
真感光材料は、分光増感処理がなされているかどうかに
かかわらず、その分光感度スペクトルは連続であって、
波長20±5nmの範囲では、その感度は実質的に変わら
ないということができる。露光光源の例としては、組合
せて使用する放射線増感スクリーンの蛍光体がテルビウ
ム賦活ガドリニウムオキシスルフィドである場合には、
タングステン光源(色温度:2856K°)と、透過ピ
ーク波長が545nmで半値幅20nmの透過性であるフィ
ルターとを組合せた系を挙げることができる。
【0031】次に、本発明において好ましく用いる放射
線増感スクリーンについて詳しく説明する。本発明の組
体において用いる放射線増感スクリーンは、従来知られ
ている放射線増感スクリーンの製造技術により、本発明
において規定した感度を有するように製造することによ
って容易に得ることができる。増感スクリーンの例につ
いては、リサーチ・ディスクロージャー、アイテム18
431、セクションIXに記載がある。
【0032】放射線増感スクリーンは、基本構造とし
て、支持体と、その片面に形成された蛍光体層とからな
る。蛍光体層は、蛍光体が結合剤(バインダ)中に分散
されてなる層である。なお、この蛍光体層の支持体とは
反対側の表面(支持体に面していない側の表面)には一
般に、透明な保護膜が設けられていて、蛍光体層を化学
的な変質あるいは物理的な衝撃から保護している。
【0033】本発明の放射線増感スクリーンに用いる蛍
光体として好ましいのは、下記の一般式で表わされるも
のである。 M(w-n) M’n w X (Mは、金属イットリウム、ランタン、ガドリニウム、
またはルテチウムの少なくとも一つであり、M’は、希
土類元素の少なくとも一種、好ましくは、ジスプロシウ
ム、エルビウム、ユウロピウム、ホルミウム、ネオジ
ム、プラセオジム、サマリウム、セルビウム、テルビウ
ム、ツリウム、またはイッテルビウムであり、Xは、中
間カルコゲン(S、Se、またはTe)、あるいはハロ
ゲンであり、nは、0.0002〜0.2であり、そし
てwは、Xがハロゲンであるときは1であり、Xがカル
コゲンであるときは2である。
【0034】本発明の放射線増感スクリーンにおいて使
用するのが好ましい放射線増感用蛍光体の具体例として
は、次のような蛍光体を挙げることができる。テルビウ
ム賦活希土類酸硫化物系蛍光体[Y2 2 S:Tb、G
2 2 S:Tb、La2 2 S:Tb、(Y,Gd)
2 2 S:Tb、(Y,Gd)2 2S:Tb,Tm
等]、テルビウム賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光
体(LaOBr:Tb、LaOBr:Tb,Tm、La
OCl:Tb、LaOCl:Tb,Tm、GdOBr:
Tb、GdOCl:Tb等)、ツリウム賦活希土類オキ
シハロゲン化物系蛍光体(LaOBr:Tm、LaOC
l:Tm等) 。上記の蛍光体の内で、本発明の放射線増
感スクリーンに使用するのが特に好ましい蛍光体として
は、テルビウム賦活ガドリニウム酸硫化物(オキシスル
フィド)系蛍光体を挙げることができる。テルビウム賦
活ガドリニウムオキシスルフィド蛍光体については米国
特許第3725704号明細書に詳しい記載がある。
【0035】蛍光体層の支持体上への付設は、一般には
以下に説明するような常圧下での塗布方法を利用して行
なわれる。すなわち、粒子状の蛍光体および結合剤を適
当な溶剤中で混合分散して塗布液を調製し、この塗布液
をドクターブレード、ロールコータ、ナイフコータなど
の塗布手段を用いて常圧下にて放射線増感スクリーンの
支持体上に直接塗布した後、塗膜から溶媒を除去するこ
とによって、あるいはあらかじめ塗布液をガラス板など
の仮支持体の上に常圧下にて塗布し、次いで塗膜から溶
媒を除去して蛍光体含有樹脂薄膜を形成させ、これを仮
支持体から剥離して放射線増感スクリーンの支持体上に
接合することによって、蛍光体層の支持体上への付設が
行なわれている。
【0036】本発明において使用する放射線増感スクリ
ーンは上記のような通常の方法で製造することも可能で
あるが、以下に記載するような熱可塑性エラストマーを
結合剤として用い、圧縮処理を行なって蛍光体の充填率
を高める(すなわち、蛍光体層中の空隙率を小さくす
る)ことにより製造したものであることが好ましい。
【0037】放射線増感スクリーンの感度は、基本的に
はパネルに含有されている蛍光体の総発光量に依存し、
この総発光量は蛍光体自体の発光輝度によるのみなら
ず、蛍光体層における蛍光体の含有量によっても異な
る。蛍光体の含有量が多いことはまたX線等の放射線に
対する吸収も大であることを意味するから、一層高い感
度が得られ、同時に画質(特に、粒状性)が向上する。
一方、蛍光体層における蛍光体の含有量が一定である場
合には、蛍光体粒子が密に充填されているほどその層厚
を薄くすることができるから、散乱による発光光の広が
りを少なくすることができ、相対的に高い鮮鋭度を得る
ことができる。
【0038】上記の放射線増感スクリーンを製造するに
は、 a)結合剤と蛍光体とからなる蛍光体シートを形成する
工程、次いで b)前記蛍光体シートを支持体上に載せ、前記結合剤の
軟化温度もしくは融点以上の温度で、圧縮しながら前記
蛍光体シートを支持体上に接着する工程、を含む製法に
よって製造することが好ましい。
【0039】まず、工程a)について述べる。放射線増
感スクリーンの蛍光体層となる蛍光体シートは、結合剤
溶液中に蛍光体が均一に分散した塗布液を、蛍光体シー
ト形成用の仮支持体上に塗布し、乾燥したのち仮支持体
からはがすことで製造することができる。すなわち、ま
ず適当な有機溶媒中に、結合剤と蛍光体粒子を添加し、
攪拌混合して結合剤溶液中に蛍光体が均一に分散した塗
布液を調製する。
【0040】結合剤としては、軟化温度または融点が3
0℃〜150℃の熱可塑性エラストマーを単独、あるい
は他のバインダーポリマーと共に用いる。熱可塑性エラ
ストマーは常温で弾力を持ち、加熱されると流動性を持
つようになるので、圧縮の際の圧力による蛍光体の破損
を防止することができる。熱可塑性エラストマーの例と
しては、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリウレタ
ン、ポリエステル、ポリアミド、ポリブタジエン、エチ
レン酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、天然ゴム、フッ素ゴ
ム、ポリイソプレン、塩素化ポリエチレン、スチレン−
ブタジエンゴム、シリコンゴムなどを挙げることができ
る。結合剤における熱可塑性エラストマーの成分比は、
10重量%以上、100重量%以下であればよいが、結
合剤はなるべく多くの熱可塑性エラストマー、特に10
0重量%の熱可塑性エラストマーからなっていることが
好ましい。
【0041】塗布液調製用の溶剤の例としては、メタノ
ール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール
などの低級アルコール;メチレンクロライド、エチレン
クロライドなどの塩素原子含有炭化水素;アセトン、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケト
ン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの低級脂
肪酸と低級アルコールとのエステル;ジオキサン、エチ
レングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコー
ルモノメチルエーテルなどのエーテル;及び、それらの
混合物を挙げることができる。塗布液における結合剤と
蛍光体との混合比は、目的とする放射線増感スクリーン
の特性、蛍光体の種類などによって異なるが、一般には
結合剤と蛍光体との混合比は、1:1乃至1:100
(重量比)の範囲から選ばれ、そして特に1:8乃至
1:40(重量比)の範囲から選ぶのが好ましい。
【0042】なお、塗布液には、該塗布液中における蛍
光体の分散性を向上させるための分散剤、また、形成後
の蛍光体層中における結合剤と蛍光体との間の結合力を
向上させるための可塑剤などの種々の添加剤が混合され
ていてもよい。そのような目的に用いられる分散剤の例
としては、フタル酸、ステアリン酸、カプロン酸、親油
性界面活性剤などを挙げることができる。そして可塑剤
の例としては、燐酸トリフェニル、燐酸トリクレジル、
燐酸ジフェニルなどの燐酸エステル;フタル酸ジエチ
ル、フタル酸ジメトキシエチルなどのフタル酸エステ
ル;グリコール酸エチルフタリルエチル、グリコール酸
ブチルフタリルブチルなどのグリコール酸エステル;そ
して、トリエチレングリコールとアジピン酸とのポリエ
ステル、ジエチレングリコールとコハク酸とのポリエス
テルなどのポリエチレングリコールと脂肪族二塩基酸と
のポリエステルなどを挙げることができる。上記のよう
にして調製された蛍光体と結合剤とを含有する塗布液
を、次に、シート形成用の仮支持体の表面に均一に塗布
することにより塗布液の塗膜を形成する。この塗布操作
は、通常の塗布手段、たとえば、ドクターブレード、ロ
ールコータ、ナイフコータなどを用いることにより行な
うことができる。
【0043】仮支持体は、例えば、ガラス、金属の板、
あるいは放射線増感スクリーンの支持体として公知の材
料から任意に選ぶことができる。そのような材料の例と
しては、セルロースアセテート、ポリエステル、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド、トリ
アセテート、ポリカーボネートなどのプラスチック物質
のフィルム、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔など
の金属シート、通常の紙、バライタ紙、レジンコート
紙、二酸化チタンなどの顔料を含有するピグメント紙、
ポリビニルアルコールなどをサイジングした紙、アルミ
ナ、ジルコニア、マグネシア、チタニアなどのセラミッ
クスの板あるいはシートなどを挙げることができる。仮
支持体上に蛍光体層形成用塗布液を塗布し、乾燥した
後、仮支持体からはがして放射線増感スクリーンの蛍光
体層となる蛍光体シートとする。従って、仮支持体の表
面には予め離型剤を塗布しておき、形成された蛍光体シ
ートが仮支持体からはがし易くなるようにしておくこと
が好ましい。
【0044】次に工程b)について述べる。まず、上記
のように形成した蛍光体シート用の支持体を用意する。
この支持体は、蛍光体シートを形成する際に用いる仮支
持体と同様の材料から任意に選ぶことができる。
【0045】公知の放射線増感スクリーンにおいて、支
持体と蛍光体層の結合を強化するため、または放射線増
感スクリーンとしての感度もしくは画質(鮮鋭度、粒状
性)を向上させるために、蛍光体層が設けられる側の支
持体表面にゼラチンなどの高分子物質を塗布して接着性
付与層としたり、あるいは二酸化チタンなどの光反射性
物質からなる光反射層、もしくはカーボンブラックなど
の光吸収性物質からなる光吸収層などを設けることが知
られている。本発明において用いられる支持体について
も、これらの各種の層を設けることができ、それらの構
成は所望の放射線増感スクリーンの目的、用途などに応
じて任意に選択することができる。工程a)によって得
られた蛍光体シートを支持体上に載せ、次いで、結合剤
の軟化温度または融点以上の温度で、圧縮しながら蛍光
体シートを支持体上に接着する。
【0046】このようにして、蛍光体シートを支持体上
に予め固定することなく圧縮する方法を利用することに
よりシートを薄く押し広げることができ、蛍光体の損傷
を防ぐたげでなく、シートを固定して加圧する場合に比
較して、同じ圧力でも高い蛍光体充填率を得ることがで
きる。本発明の圧縮処理のために使用される圧縮装置の
例としては、カレンダーロール、ホットプレスなど一般
に知られているものを挙げることができる。たとえば、
カレンダーロールによる圧縮処理は、支持体上に、工程
a)によって得た蛍光体シートを載せ、結合剤の軟化温
度または融点以上に加熱したローラの間を一定の速度で
通過させることにより行なわれる。ただし、本発明に用
いられる圧縮装置はこれらのものに限られるものではな
く、上記のようなシートを加熱しながら圧縮することの
できるものであればいかなるものであってもよい。圧縮
の際の圧力は、50 kgw/cm2 以上であるのが好まし
い。
【0047】通常の放射線増感スクリーンにおいては、
前述のように支持体に接する側とは反対側の蛍光体層の
表面に、蛍光体層を物理的および化学的に保護するため
の透明な保護膜が設けられている。このような透明保護
膜は、本発明の放射線増感スクリーンについても設置す
ることが好ましい。保護膜の膜厚は一般に約0.1乃至
20μmの範囲にある。透明保護膜は、たとえば酢酸セ
ルロース、ニトロセルロースなどのセルロース誘導体;
あるいはポリメチルメタクリレート、ポリビニルブチラ
ール、ポリビニルホルマール、ポリカーボネート、ポリ
酢酸ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマーなどの
合成高分子物質のような透明な高分子物質を適当な溶媒
に溶解して調製した溶液を蛍光体層の表面に塗布する方
法により形成することができる。あるいは、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエ
チレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミドなどからなる
プラスチックシート;および透明なガラス板などの保護
膜形成用シートを別に形成して蛍光体層の表面に適当な
接着剤を用いて接着するなどの方法によっても形成する
ことができる。
【0048】本発明の放射線増感スクリーンで用いる保
護膜としては、特に有機溶媒可溶性のフッ素系樹脂を含
む塗布膜により形成された膜が好ましい。フッ素系樹脂
とはフッ素を含むオレフィン(フルオロオレフィン)の
重合体もしくはフッ素を含むオレフィンを共重合体成分
として含む共重合体をいう。フッ素系樹脂の塗布膜によ
り形成された膜は架橋されていてもよい。フッ素系樹脂
よりなる保護膜は、他の材料やX線フィルムなどとの接
触時にフィルムなどからしみ出る可塑剤などの汚れが保
護膜内部にしみ込みにくいので、拭き取りなどによって
容易に汚れを除去することができるとの利点がある。保
護膜形成材料として有機溶媒可溶性のフッ素系樹脂を用
いる場合も、この樹脂を適当な溶媒に溶解して調製した
溶液を塗布し、乾燥することで容易に成膜できる。すな
わち、保護膜は、有機溶媒可溶性のフッ素系樹脂を含有
する保護膜形成材料塗布液を、ドクターブレードなどを
用いて蛍光体層表面に均一に塗布し、これを乾燥するこ
とで形成する。この保護膜の形成は同時重層塗布によっ
て、蛍光体層の形成と同時に行なってもよい。
【0049】フッ素系樹脂は、フッ素を含むオレフィン
(フルオロオレフィン)の重合体もしくはフッ素を含む
オレフィンを共重合体成分として含む共重合体で、ポリ
テトラフルオルエチレン、ポリクロルトリフルオルエチ
レン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テト
ラフルオルエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合
体およびフルオロオレフィン−ビニルエーテル共重合体
などを例として挙げることができる。フッ素系樹脂は、
一般に有機溶媒に不溶であるが、フルオロオレフィンを
共重合体成分として含む共重合体は、共重合する他の
(フルオロオレフィン以外の)構成単位によっては有機
溶媒可溶性となるため、該樹脂を適当な溶媒に溶解して
調製した溶液を蛍光体層上に塗布し、乾燥することで容
易に保護膜を成膜することができる。このような共重合
体の例としてはフルオロオレフィン−ビニルエーテル共
重合体を挙げることができる。また、ポリテトラフルオ
ロエチレンおよびその変成体も、パーフルオロ溶媒のよ
うな適当なフッ素系有機溶媒に対して可溶性であるの
で、上記フルオロオレフィンを共重合体成分として含む
共重合体と同様に、塗布によって保護膜を成膜すること
ができる。
【0050】保護膜にはフッ素系樹脂以外の樹脂が含ま
れていてもよく、架橋剤、硬膜剤、黄変防止剤などが含
有されていてもよい。しかしながら、前記した目的を充
分に達成するためには、保護膜中のフッ素系樹脂の含有
量は、30重量%以上であることが適当であり、好まし
くは50重量%以上、さらには70重量%以上であるこ
とが好ましい。保護膜に含まれるフッ素系樹脂以外の樹
脂の例としては、ポリウレタン樹脂、ポリアクリル樹
脂、セルロース誘導体、ポリメチルメタクリレート、ポ
リエステル樹脂、エポキシ樹脂などを挙げることができ
る。
【0051】また、本発明で用いる増感スクリーンの保
護膜は、ポリシロキサン骨格含有オリゴマーもしくはパ
ーフルオロアルキル基含有オリゴマーのいずれか一方、
あるいは両方を含む塗布膜から形成してもよい。ポリシ
ロキサン骨格含有オリゴマーは、たとえばジメチルポリ
シロキサン骨格を有するものであり、少なくとも一つの
官能基(例、水酸基)を有するものであることが望まし
く、また分子量(重量平均)500〜100000の範
囲にあることが好ましい。特に、分子量は1000〜1
00000の範囲にあることが好ましく、さらに300
0〜10000の範囲にあることが好ましい。また、パ
ーフロロアルキル基(例、テトラフロオロエチレン基)
含有オリゴマーは、分子中に少なくとも一つの官能基
(例えば、水酸基:−OH)を含むものであることが望
ましく、分子量(重量平均)500〜100000の範
囲にあることが好ましい。特に、分子量は1000〜1
00000の範囲にあることが好ましく、さらに100
00〜100000の範囲にあることが好ましい。オリ
ゴマーに官能基が含まれているものを用いれば、保護膜
形成時にオリゴマーと保護膜形成樹脂との間で架橋反応
が発生し、オリコマーが膜形成性樹脂の分子構造に取り
入れられるため、放射線像変換パネルの長期の繰り返し
使用、あるいは保護膜表面のクリーニングなどの操作に
よっても、オリゴマーが保護膜から取り去られることが
なく、オリゴマーの添加効果が長期間にわたり有効とな
るため、官能基を有するオリゴマーの使用が有利であ
る。オリゴマーは、保護膜中に0.01〜10重量%の
量で含まれていることが好ましく、特に0.1〜2重量
%で含まれていることが好ましい。
【0052】保護膜中には、パーフルオロオレフィン樹
脂粉末もしくはシリコーン樹脂粉末が含まれていてもよ
い。パーフルオロオレフィン樹脂粉末もしくはシリコー
ン樹脂粉末としては、平均粒径が0.1〜10μmの範
囲にあるものが好ましく、特に平均粒径が0.3〜5μ
mの範囲にあるものが好ましい。そして、これらのパー
フルオロオレフィン樹脂粉末もしくはシリコーン樹脂粉
末は、保護膜中に保護膜重量当り0.5〜30重量%の
量で含まれていることが好ましく、特に2〜20重量%
の量で、さらに5〜15重量%の量で含まれているのが
好ましい。
【0053】本発明で用いる放射線増感スクリーンは、
前述のように高感度のものであり、その特性として、コ
ントラスト伝達関数(CTF)が、空間周波数1本/mm
(1p/mm)で0.79以上、そして空間周波数3本/
mm(1p/mm)で0.36以上を示すように調製されて
いることが好ましい。
【0054】また、本発明で用いる放射線増感スクリー
ンは、その特性として、空間周波数(本/mm値)を横軸
にとり、コントラスト伝達関数(CTF)を縦軸にとっ
たグラフにおいて、下記の本/mm値とCTF値とで表わ
される各点を順次なめらかな曲線となるように結んで作
成した曲線が表わす本/mm値とCTF値との関係と比較
して、全ての空間周波数領域で、上記曲線よりも高いC
TF値を示すものであることが特に好ましい。 本/mm CTF 0.00 1.00 0.25 0.950 0.50 0.905 0.75 0.840 1.00 0.790 1.25 0.720 1.50 0.655 1.75 0.595 2.00 0.535 1.50 0.430 3.00 0.360 3.50 0.300 4.00 0.255 5.00 0.180 6.00 0.130
【0055】放射線増感スクリーンから感光材料へのコ
ントラスト伝達関数の測定および算出は、矩形チャート
をイーストマン・コダック社製のMRE片面材料に焼き
付けた試料を用いて行なうことができる。
【0056】このような特性を有する好ましい放射線増
感スクリーンは、たとえば、先に述べたような結合剤と
して熱可塑性エラストマーを用い、蛍光体層を圧縮処理
するような方法で得ることができる。
【0057】放射線増感スクリーンの保護層は、蛍光体
層の上に塗布形成された厚さが5μm以下の透明な合成
樹脂層であることが好ましい。このように薄い保護層を
用いることにより、放射線増感スクリーンの蛍光体から
ハロゲン化銀感光材料までの距離が短くなるため、得ら
れるX線画像の鮮鋭度の向上に寄与することになる。
【0058】本発明の組体においては、前側および後側
の感光層が前述の感度の要件を満たし、かつ互いに実質
的に同一の特性を有するハロゲン化銀写真感光材料を用
い、その両側(前側と後側)に、前述の特性を有する放
射線増感スクリーンを互いに実質的に同一の特性を有す
るように組合せて用いることが好ましい。ただし、画像
鮮鋭度と感度とのバランスを良くするために、前側の増
感スクリーンと後側の増感スクリーンとを、米国特許第
4710637号に記載されているように、前増感スク
リーンの蛍光体塗布量を、後増感スクリーンの蛍光体塗
布量よりも低減させることにより、画質と感度のバラン
スの向上を図ることもできる。
【0059】本発明の組体においては、実用上において
問題が生じない感度を有し、かつ撮影により得られるX
線画像の画質が高レベルにあるようにするために、組体
の感度として、80KVp、三相X線源を用いた場合に
0.5〜1.5mRの露光により、先に規定した現像液
および現像条件にて現像処理したときに濃度1.0を得
ることができるようにハロゲン化銀写真感光材料と二枚
の放射線増感スクリーンとを組合せて使用することが好
ましい。
【0060】次に、本発明のハロゲン化銀写真感光材料
と二枚の放射線増感スクリーンとの組体の評価のために
用いた測定技術およびその根拠について説明する。X線
写真撮影に用いるハロゲン化銀写真感光材料と放射線増
感スクリーンとの組体の画像効率の測定方法として一般
的に利用されているものとして、量子検出効率(DQ
E)の測定があり、また鮮鋭度と粒状度とを総合的に評
価する画像測定方法としては、雑音等価量子(NEQ)
の測定がある。DQEは、組体を用いたX線撮影により
最終的に感光材料上に形成される画像の(信号/ノイ
ズ)2 値を入力X線の(信号/ノイズ)2 値で除した値
であって、理想的な画像形成が行なわれた場合には、そ
の値は[1]となるが、通常では、1に満たない数値と
なる。一方、NEQは、最終画像の(信号/ノイズ)2
値で表される数値である。そして、DQEとNEQと
は、下記の式により表わされる関係を有する。 DQE(ν)=NEQ(ν)/Q NEQ(ν)={log e×γ(MTF(ν)}2 /NP
o (ν) (式中、γはコントラストを意味し、MTF(ν)は画
像の変調伝達関数)を意味し、NPSo (ν)は出力ノ
イズパワースペクトルを意味し、νは空間周波数を意味
し、そしてQは入射X線量子数を意味する。)
【0061】感度と画質との関係についてはDQEを利
用して評価することができる。高いDQEを持つ組体
は、感度と画質とのバランスが優れていることを意味す
る。一方、最終画像の画質についてはNEQを利用して
評価することができる。すなわち、NEQが高い程、画
質が良いと判定することができる。ただし、NEQは物
理的な画質評価を意味する値であり、必ずしも臨床的な
画像の識別性と一対一の対応があるということはできな
い。なぜならば、画像の粒状度と鮮鋭度とにおいて極端
な偏りがあると、臨床的には視認性の高い画質というこ
とはできない。従って、臨床的な立場で考えてる画質を
評価するためには、NEQとMTFとの両方にて評価す
ることが望ましい。
【0062】
【実施例】
実施例1 高感度平板状乳剤A〜Cの調製 水1リットル中に臭化カリウム6.9g、平均分子量1
万5千の低分子量ゼラチン9.5gを添加し、55℃に
保った容器中へ攪拌しながら硝酸銀水溶液37cc(硝酸
銀2.4g)と臭化カリウム5.9gを含む水溶液38
ccをダブルジェット法により37秒間で添加した。つぎ
に、ゼラチン18.6gを添加した後、70℃に昇温し
て硝酸銀水溶液100cc(硝酸銀11.2g)を22分
間かけて添加した。ここで25%のアンモニア水溶液
8.5ccを添加、そのままの温度で10分間物理熟成し
た後、100%酢酸溶液を8cc添加した。引き続いて硝
酸銀145gの水溶液と臭化カリウムの水溶液をpAg
8.5に保ちながらコントロールダブルジェット法で加
速した流量で(初期流量/最終流量=1/5.4)35
分かけて添加した。次に2Nのチオシアン酸カリウム溶
液35ccを添加した。5分間そのままの温度で物理熟成
した後、35℃に温度を下げた。平均投影面積直径1.
25μm、厚み0.18μm、直径の変動係数20%の
純臭化銀平板状粒子を得た。この後、凝集沈降法により
可溶性塩類を除去した。再び40℃に昇温してゼラチン
35gとフェノキシエタノール2.35gおよび増粘剤
としてポリスチレンスルホン酸ナトリウム0.8gを添
加し、苛性ソーダと硝酸銀溶液でpH5.90、pAg
8.00に調整した。この乳剤を攪拌しながら56℃に
保った状態で化学増感を施した。まず、C2H5SO2SNa を
1×10-5モル/モルAg添加し、つぎにAgI微粒子
を0.1モル%添加し、つぎに、増感色素−Iを480
mgを添加した。さらに塩化カルシウム0.83gを添加
した。引き続きチオ硫酸ナトリウム0.9mgとセレン化
合物−I 1.9mgと塩化金酸1.9mgおよびチオシア
ン酸カリウム90mgを添加し、40分後に35℃に冷却
した。こうして平板状粒子乳剤Aを調製完了した。
【0063】
【化1】
【0064】表1で示した条件以外は、乳剤Aと全く同
条件で、平均投影面積直径を変えた平板状粒子乳剤B、
Cを調製した。
【0065】
【表1】
【0066】 微粒子硬調乳剤D〜Fの調製 5.3gの臭化カリウムおよび4gのパラトルエンスル
フィン酸ナトリウムを含有する2重量%のゼラチン溶液
1リットルに、チオ硫酸ナトリウム5水和物10mg、ロ
ダンカリ1.4g、氷酢酸10ccを加え、これを激しく
攪拌しながらダブルジェット法で、硝酸銀5.2gを含
有する水溶液14ccと、1.8gの臭化カリウムと0.
33gのヨウ化カリウムとを含む水溶液7ccとを30秒
間で添加した。そして、その後3gのヨウ化カリウムを
含む水溶液30ccを添加した。上記の液に、まず硝酸銀
78gを含有する水溶液200ccを、次いで1分後に5
0.6gの臭化カリウムと3.65gのヨウ化カリウム
とを含む水溶液200ccを、それぞれ15分間かけて添
加した。次に、25重量%のアンモニア水14ccを添加
し、10分間熟成させた後、硝酸銀117gを含む水溶
液と臭化カリウム82.3gを含む水溶液とを同時に1
4分間で添加した。なお、全ての工程における反応液の
温度は70℃に維持した。上記の反応液を、常法により
フロキュレーション法で洗浄し、40℃にてゼラチン、
増粘剤、防腐剤を添加し分散した後、pHを5.6そし
てpAgを8.9に調節した。次に、この反応液を55
℃に維持しながら、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,
3,3a,7−テトラザインデン21mgと増感色素I
460mgとを添加し、10分間熟成させた後、チオ硫酸
ナトリウム5水和物3.8mg、セレン化合物II 3.8
mg、ロダンカリ77mg、そして塩化金酸2.6mgを順次
添加し、50分間熟成させ、次いで4−ヒドロキシ−6
−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン70mg
を添加した後、冷却して、微粒子単分散非平板状粒子乳
剤Dを得た。
【0067】
【化2】
【0068】表2に示される条件以外は、乳剤Dと全く
同様の方法にて、平均粒子サイズを変えた単分散粒子乳
剤E、Fを調製した。
【0069】
【表2】
【0070】 支持体X〜Zの調製 (1) 下塗層用染料分散物Aの調製 下記の染料−Iを特開昭63−197943号に記載の
方法でボールミル処理した。
【0071】
【化3】
【0072】水434mlおよび Triton X−200界面
活性剤(TX−200)の6.7%水溶液791mlとを
2リットルのボールミルに入れた。染料20gをこの溶
液に添加した。酸化ジルコニウム(ZrO2)のビーズ4
00ml(2mm径)を添加し、内容物を4日間粉砕した。
この後、12.5%ゼラチン160gを添加した。脱泡
したのち、濾過によりZrO2 ビーズを除去した。得ら
れた染料分散物を観察したところ、粉砕された染料の粒
径は直径0.05〜1.15μmにかけての広い分野を
有していて、平均粒径は0.37μmであった。さら
に、遠心分離操作をおこなうことで0.9μm以上の大
きさの染料粒子を除去した。こうして染料分散物Aを得
た。 (2) 支持体の調製 二軸延伸された厚さ175μmの青色に着色したポリエ
チレンテレフタレートフィルム上にコロナ放電処理をお
こない、下記の組成より成る第1下塗液を塗布量が4.
9cc/m2となるようにワイヤーバーコーターにより塗布
し、185℃にて1分間乾燥した。次に反対面にも同様
にして第1下塗層を設けた。 ・ブタジエン−スチレン共重合体ラテックス溶液 (固形分40%ブタジエン/スチレン重量比=31/69) 158 cc ・2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウム 塩4%溶液 41 cc ・蒸留水 300 cc 上記の両面の第1下塗層上に下記の組成からなる第2の
下塗層を塗布量が下記に記載の量となるように片側ず
つ、両面にワイヤー・バーコーター方式により155℃
で塗布、乾燥した。 ・ゼラチン 160 mg/m2 ・染料分散物A(染料固形分として) 25 mg/m2 ・C12H25O(CH2CH2O)10H 1.8 mg/m2 ・プロキセル 0.27mg/m2 ・マット剤 平均粒径2.5μmのポリメチルメタクリレート 2.5mg/m2 このようにして、クロスオーバーカット層を含む支持体
Xを調製した。同様にして、表3の条件以外は全く同じ
方法にて、支持体Y、Zを調製した。
【0073】
【表3】
【0074】 塗布液の調製 平板状粒子乳剤A〜Cに下記薬品を添加して、上層乳剤
層塗布液を調製した。また、微粒子単分散乳剤D〜Fに
下記薬品を添加して、下層乳剤層塗布液を調製した。ま
た保護層塗布液を調製した。 (乳剤上層塗布液) ・乳剤A〜C 1kg(ゼラチン41g 、Ag:94g) ・ポリマーラテックス(ポリ(アクリル酸エチル/ メタクリル酸)=97/3、重量比)) 24.4 g ・硬膜剤(1,2−ビス(ビニルスルホニルアセト アミド)エタン) 3.4 g ・2,6−ビス(ヒドロキシアミノ)−4−ジエチル アミノ−1,3,5−トリアジン 0.13g ・ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量60万) 5.3 g ・デキストラン(平均分子量3.9 万) 28 g ・ゼラチンゲル(固形分として) 61 g
【0075】
【化4】
【0076】 (乳剤下層塗布液) ・乳剤D〜F 1kg(ゼラチン83g 、Ag:92g) ・デキストラン(平均分子量 3.9万) 18 g ・ポリアクリル酸ナトリウム(平均分子量 4.1万) 3 g ・ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量60万) 1 g ・ヨーカカリ 83 mg ・トリメチロールプロパン 5 g ・ポリマーラテックス(ポリ(アクリル酸エチル/ メタクリル酸)=97/3、重量比)) 5 g ・硬膜剤(1,2−ビス(ビニルスルホニルアセト アミド)エタン) 2.7 g ・2,6−ビス(ヒドロキシアミノ)−4−ジエチル アミノ−1,3,5−トリアジン 55 mg
【0077】
【化5】
【0078】 (保護層塗布液) ・ゼラチン 1 kg ・デキストラン(平均分子量 3.9万) 200 g ・C1633O(CH2 CH2 O)10H 39 g ・C8F17SO2N(C3H7)(CH2CH2O)4(CH2)SO3Na 1.6 g ・C8 17SO3 K 7 g ・ポリメチルメタクリレート粒子(平均粒径3.7 μm) 91 g ・プロキセル 0.7 g ・ポリアクリル酸ナトリウム(平均分子量 4.1万) 45 g ・ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量60万) 3 g ・NaOH 1.6 g ・C8H17 C6H4(OCH2CH2)3SO3Na 24 g ・蒸留水 upto 14.4 リットル
【0079】 感光材料の調製 で調製した塗布液を同時押し出し法により、で調製
した支持体の両側に同一条件で遂時塗布をした。尚保護
層のゼラチン量は1g/m2にした。乾燥して感光材料を調
製した。塗布の条件を表4に示した。
【0080】
【表4】
【0081】 センシトメトリー 評価対象の感光材料を、富士写真フイルム(KK)製市
販のHR−4スクリーンでサンドウィチして、距離法に
てX線露光量を変化させ、logE=0.15の幅でステッ
プ露光した。使用したX線管球は(株)東芝製DRX−
3724HDであり、タングステンターゲットを用い、
フォーカルスポットサイズ0.6mm×0.6mmとし、絞
りを含め、3mmのアルミニウム等価材料を通り、X線を
発生するものである。三相にパルス発生器で80KVp
の電圧をかけ、人体とほぼ等価な吸収を持つ水7cmのフ
ィルターを通したX線を光源とした。撮影後の感光材料
は、富士写真フイルム(株)製のローラー搬送型自動現
像機(FPM−5000)で、現像液Iを用い35℃、
そして定着液F(チオ硫酸アンモニウム(70%重量/
容量)200ml、亜硫酸ナトリウム20g、ホウ酸8
g、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(2水塩)
0.1g、硫酸アルミニウム15g、硫酸2g、および
氷酢酸22g、に水を加えて1リットルとしたのち、p
Hを4.5に調節したもの)を用い25℃の温度で先に
記載した現像処理を行ない、測定試料を作成した。測定
試料について可視光にて濃度測定を行ない、特性曲線を
得た。濃度1.8を得るに必要な、X線露光量の逆数を
感度とし、相対値として示した。また得られた特性曲線
を微分して、ガンマー vs logEを得た。このガンマー曲
線より、濃度1.6から2.0のポイントガンマンーを
求めた。また濃度1.8を与えるX線露光量の1/10
の露光量におけるポイントガンマーを得た。結果を表5
に示した。また参考までに、濃度1.6と濃度2.0を
結ぶ直線の傾きを平均階調として示した。
【0082】 クロスオーバーの測定 ハロゲン化銀写真感光材料を、放射線増感スクリーン
(HR−4)(テルビウム賦活ガドリニウムオキシスル
フィド蛍光体(主発光波長:545nm、緑色光)を用い
たもの)と黒紙とではさみ、黒紙側からX線を照射し
た。X線源としては、センシトメトリーにおいて用いた
ものと同一のものを用いた。X線照射量を距離法により
変えて、X線を照射した。照射の後、感光材料を上記の
感度の測定において行なった処理と同じ方法で、現像処
理した。現像処理した感光材料を、二分割し、それぞれ
の感光層を剥離した。増感スクリーンと接触していた側
の感光層の濃度は、逆側の感光層の濃度と比べると高く
なっていた。それぞれの感光層について特性曲線を得
て、その特性曲線の直線部分(濃度0.5から1.0ま
で)における感度差(△log E)の平均値を求め、この
平均値から以下の式によりクロスオーバーを算出した。 クロスオーバー(%)=100/(antilog(△log E)
+1)
【0083】 CTFの測定 評価対象の感光材料を、同様にしてHR−4スクリーン
でサンドウィチして、X線源から2mの位置に配置し
て、MTF測定用矩形チャート(モリブデン製、厚み:
80μm、空間周波数:0本/mm〜10本/mm)を撮影
した。X線源、現像処理条件は前述のセンシトメトリー
と同様である。X線露光時間で露光量を調節して、モリ
ブデンで、しゃへいしていない部分の濃度が1.8にな
るようにした。
【0084】次に測定試料をマイクロデンシトメータで
操作した。この時のアパーチャアは操作方向が30μ
m、それに垂直な方向が500μmのスリットを使用
し、サンプリング間隔30μmで濃度プロフィールを測
定した。この操作を20回繰り返して平均値を計算し、
それをCTFを計算する基の濃度プロフィールとした。
その後、この濃度プロフィールの各周波数毎の矩形波の
ピークを検出し、各周波数毎の濃度コントラストを算出
した。空間周波数1本/mmと3本/mmについて測定され
た値を表5に示す。
【0085】 胸部ファントームによる画像評価 京都化学(株)製胸部ファントーム、三相12パルス1
00KVp(3mm厚のアルミニウム等価フィルター装
着)、フォーカルスポットサイズ0.6mm×0.6mmの
X線源を用い、距離140cmの位置にファントームを置
き、そしてその後にグリッドレシオ8:1の散乱線カッ
トグリッド、そしてその後に感光材料と増感スクリーン
との組体を置き、撮影を行なった。現像処理は、写真特
性の測定の場合と同様に、自動現像機FPM−500
0、現像液RDIII、そして前述の定着液Fを用い、3
5℃で90秒処理(現像時間は25秒)をした。肺野の
中のある一点を定め、その濃度が1.8となるようにX
線露光量を、露光時間を変えることにより調節した。仕
上った胸部ファントーム写真をシャーカステンに並べ目
視評価を行なった。肺野の中の血管陰影の見え易さ、及
び縦隔組織の見え易さを、それぞれ評価し、極めて良好
をA、良好をB、なんとか診断可能をC、そして診断不
可能をDとした。なお、同じ評点でも優位差のでるもの
については、Aa(Aの中で優れている)とAz(Aの
中で劣っている)のように、評点マークの末尾にaまた
はzを付した。結果を表5に示した。
【0086】
【表5】
【0087】表5より以下のことが明らかになった。 本発明の試料7〜9、13〜15、18〜19、2
1は比較例1〜6、10〜11、16と比べると、肺野
及び縦隔の描写のバランスが良いことがわかる。低露光
域(濃度1.8を与える露光量の1/10の露光量)で
のポイントガンマーが低いと、縦隔の描写が悪く、(N
o. 1〜6)逆に低露光域でのポイントガンマが十分で
あっても、中濃度域(D=1.6〜2.0)でのポイン
トガンマが低いと肺野の描写が悪い。(No. 10、1
1、16) また本発明のCTFは良いレベルであることがわかる。 本発明開示の特性曲線であってもクロスオーバーが
大きいと、(No. 12、17、20)CTFが低く、肺
野の描写が劣った。 本発明の感光材料を得る方法として、クロスオーバ
ーカットのための染料層を有する支持体を用い、使用す
る2乳剤の感度比がほぼ3:1であることが好ましいこ
とがわかる。
【0088】実施例2 実施例1で調製した感光材料No. 8〜No. 11を用い、
実施例1と同様の方法にて胸部ファントーム画像を作成
した。ただし、肺野の定めた点における濃度を1.8に
した画像以外に、その濃度を得るに必要な露光量に対し
て15%増減させた露光量でも撮影した。肺野の定めた
点における濃度の測定と、肺野及び縦隔の描写性の目視
評価をした。結果を表6に示す。表6より下記のことが
明らかになった。 適正な露光条件(肺野濃度1.8)に対して±15
%の露光の増減をして胸部画像を作成したところ、本発
明の試料(7〜9)は、十分に診断可能な画像を与え、
露光ラチィチュードが広い。 試料4は硬調な特性をもっているため、縦隔の描写
が弱いことと、オーバー露光(+15%)で肺野がつぶ
れてしまう。 試料10はD=1.6〜2.0の平均階調としては
2.75あるが、D=1.6〜2.0のポイントガンマ
が発明外であるため、肺野描写にやや不満であり、特に
アンダー露光(−15%)で顕著であった。
【0089】
【表6】
【0090】実施例3 増感スクリーンの調製 蛍光体シート形成用塗布液として、蛍光体(Gd2 2
S:Tb)200g、結合剤A(ポリウレタン、住友バ
イエルウレタン(株)製、商品名:デスモラックTPK
L−5−2625[固形分40%])20g、および結
合剤B(ニトロセルロース、硝化度11.5%)2g
を、メチルエチルケトン溶媒に加え、プロペラミキサー
で分散させて、粘度が30PS(25℃)の塗布液を調
製した(結合剤/蛍光体比=1/20)。これをシリコ
ーン系離型剤が塗布されているポリエチレンテレフタレ
ート(仮支持体、厚み180μm)上に、膜厚が160
mm(後述の加圧圧縮処理後の膜厚)となるように塗布
し、乾燥した後、仮支持体から剥離して蛍光体シートを
形成した。別に下塗層形成用塗布液として、軟質アクリ
ル樹脂90gとニトロセルロース50gとをメチルエチ
ルケトンに加え、混合分散して、粘度が3〜6PS(2
5℃)の分散液を調製した。
【0091】二酸化チタンを練り込んだ厚さ250μm
のポリエチレンテレフタレート(支持体)をガラス板上
に水平に置き、上記の下塗層形成用塗布液をドクターブ
レードを用いて支持体上に均一塗布した後、25℃から
100℃にまで徐々に温度を上昇させて塗布膜の乾燥を
行ない、支持体上に下塗層を形成した(塗布膜の厚さ:
15μm)。この上に最初に作成しておいた蛍光体シー
トを載せ、カレンダーロールを用い、400 Kgw/cm2
圧力、80℃の温度で加圧圧縮操作を行った。
【0092】別に、フッ素系樹脂(フルオロフレィン・
ビニルエーテル共重合体、旭硝子(株)製、商品名:ル
ミフロンLF100)70g、架橋剤(イソシアネー
ト、住友バイエルウレタン(株)製、商品名:デスモジ
ュールZ4370)25g、ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂5g、及びアルコール変性シリコーンオリゴマー
(ジメチルポリシロキサン骨格を有し、両末端に水酸基
(カルビノール基)を有するもの、信越化学工業(株)
製、商品名:X−22−2809)5gをトルエン・イ
ソプロピルアルコール(1:1、体積比)混合溶媒に添
加し、保護膜形成用塗布液を調製した。上記の保護膜形
成用塗布液を、先に支持体上で加圧圧縮操作を施した蛍
光体シートの表面にドクターブレードを用いて塗布し、
120℃にて30分間加熱処理して、乾燥と熱硬化を行
なわさせ、厚さ3μmの透明保護膜を形成した。以上の
ようにとして、支持体、下塗層、蛍光体層、透明保護膜
から構成された放射線増感スクリーンAを製造した。
【0093】放射線増感スクリーンの特性の測定 1)X線吸収量の測定 三相の電力供給で80KVpで運転されるタングステン
・ターゲット管から生じたX線を、厚さ3mmのアルミニ
ウム板を透過させ、ターゲット管のタングステン・アノ
ードから200cmの位置に固定した試料放射線増感スク
リーンに到達させ、次いでその増感スクリーンを透過し
たX線の量を、増感スクリーンの蛍光体層から50cm後
の位置で電離型線量計を用いて測定し、X線の吸収量を
求めた。なお、基準としては、増感スクリーンを透過さ
せないで測定した上記測定位置でのX線量を用いた。そ
れぞれの増感スクリーンのX線吸収量の測定値を表6に
示す。
【0094】2)変調伝達関数(CTF)の測定 イーストマン・コダック社製MRE片面感光材料を、測
定対象の増感スクリーンに接触状態に配置し、MTF測
定用矩形チャート(モリブデン製、厚み:80μm、空
間周波数:0本/mm〜10本/mm)を撮影した。X線管
球から2mの位置にチャートを置き、X線源に対して前
面に感光材料、そしてその後に増感スクリーンを配置し
た。X線源、現像処理条件、CTF測定条件は実施例1
と同じである。撮影試料は、露光時間の調節で濃い部分
の濃度が1.8になるようにした。結果を表7に示す。 3)感度の測定 CTFの測定で用いたものと同じX線源を用い、緑色増
感されているイーストマン・コダック社製MRE片面感
光材料を組合せ、距離法にてX線露光量を変化させ、l
ogE=0.15の幅でステップ露光した。露光後に感
光材料をCTF測定時と同じ条件にて現像処理を行な
い、測定試料を得た。測定試料について可視光にて濃度
測定を行ない、特性曲線を得た。濃度1.8を得るX線
露光量の逆数で感度を表わし、後側配置用増感スクリー
ンHR−4を基準(「100」とした)にとり、相対的
な感度を調べた。その結果を表7に示す。表7より増感
スクリーンAは請求項4の条件を満足する増感スクリー
ンであることがわかる。
【0095】
【表7】
【0096】 感光材料と絶対感度の測定 実施例1で調製した試料と市販感光材料 Super HRS Su
per HRC (富士写真フイルム製)の絶対感度を調べた。
透過ピーク波長545nm半値巾20nmの透過性を示すフ
ィルターを用い、色温度が2856K°のタングステン
光源(フィルターにより545nmの光−−後に一緒に用
いる放射線増感スクリーンの主発光波長に対応−−を中
心とする光を選んで用いた)を照射光として用いて写真
感光材料を露光し、その感度を測定した。即ち、上記の
照射光をニートラルなステップウェッジに通し1/20
秒間感光材料に照射して露光を行なった。露光後に感光
材料を、自動現像機(富士写真フイルム株式会社製、商
品名FPM−5000)にて、現像液(I)を用い、3
5℃にて25秒(全処理時間90秒)現像した。露光面
と逆側の感光層を剥離したのち、濃度を測定し、特性曲
線を得て、その特性曲線から最低濃度(Dmin )に0.
5加えた濃度となるに必要な露光量を算出し、それを感
度として表8にルクス秒で示した。なお、露光量を算出
するに当り、タングステン光源より発光し、フィルター
を透過させた光の照度をPI−3F型照度計(更正済み
のもの)を測定した。
【0097】
【表8】
【0098】表8より、感光材料8、19、13は請求
項3で示す感度をもつ感光材料であることがわかる。
(感光材料12は感度は請求項3を満足するがクロスオ
ーバーが多い。)
【0099】 センシトメトリー、クロスオーバー
(%)及びCTFの測定 表9に示す感光材料と増感スクリーンの組合せにおい
て、実施例1と同様にして、特性曲線、クロスオーバー
(%)及びCTFを求めた。結果を表9に示した。 ノイズパワースペクトル(NPS0 (ν))の測定 MTFの測定と同じX線源(80KVp、3mmアルミニ
ウム等価材料、水7cm幅のフィルターを使用)を用い、
X線管球から2mの位置に組体を置き、露光を与え、感
光材料を現像したときに、濃度が1.0となるように露
光量を調節し、NPS0 測定試料を作成した。得られた
試料をマイクロデンシトメーターで走査した。この時の
アパーチャとしては、走査方向が30μm、それに垂直
な方向が500μmのスリットを使用し、サンプリング
間隔20μmにて濃度を測定した。8192(点/ライ
ン)×12(ライン)サンプリングを行ない、その結果
から256点毎に分割してFFT処理を行なった。FF
Tの平均回数は1320回である。この結果からノイズ
パワースペクトルを算出した。
【0100】 NEQの算出 NEQ(ν)=(log10e×γ・MTF(ν))2 /N
PS0 (ν) の式に従って計算を行ない、組体HR−4/Super HRS
のNEQ値を基準(100とする)として相対値にて示
した。結果については、空間周波数1本/mmと3本/mm
の値を代表値として示した。
【0101】 DQEの算出 DQE(ν)=NEQ(ν)/Q (Qは入射X線量子
数を表わす) の式に従い計算した。NEQ(ν)は上記の相対値を用
い、Qは組体の感度に逆比例するので、上記の式は次の
ように表わすことができる。 相対DQE(ν)=相対NEQ×相対感度 この式より相対DQE(ν)を求め、組体HR−4/Su
per HRS のDQE値を基準(100とする)として相対
値にて示した。結果については、空間周波数1本/mmと
3本/mmの値を代表値として示した。
【0102】 胸部ファントームによる画像評価 実施例1と同様にして肺野の中の血管陰影及び縦隔組織
の見え易さを評価し、実施例1と同様の評点マークで示
した。
【0103】
【表9】
【0104】表9より下記のことが明らかになった。 本発明の感光材料である、8、13、14、19の
材料を用いた胸部画像においては(No. 5、6、8〜1
2)肺野描写性と縦隔描写性のバランスがNo. 1〜4の
組体に比べ非常によい。 本発明の中でも、試作スクリーンAと特定の感度を
もつ感光材料(8、19、13)との組体(No. 5、
6、8)はDQEが向上しており、かつ標準感度73〜
110をもち組体No. 11に比べNEQが高く、胸部目
視評価の結果も優れている。 本発明の特性曲線を有していても、クロスオーバー
が多い感光材料(12)では、(No. 7)CTFが不十
分であり、特に肺野の描写性において不満である。 組体No. 12は、本発明の感光材料と試作スクリー
ンAの組合せであり、感光材料の感度は標準であるが増
感スクリーンの感度が高いため、組体としては高感度
(210)である。高感度の割には、胸部画像としては
まづまづである。
【0105】実施例4 実施例1で調製した試料を、実施例1と同様にHR4で
はさんで露光し下記3種類の処理システムで処理し、写
真特性の評価をした。写真特性は代表値として、濃度
1.8での感度、濃度1.6〜2.0のポイントガン
マ、濃度1.8を得るに必要な露光量の1/10の露光
量でのポイントガンマを選んだ。またフィルム残色は、
24cm×30cmのサイズの感光材料を、未露光で下記3
種類の現像処理をして、目視評価をした。
【0106】1) 自動現像機FPM−5000(富士
写真フイルム株式会社製) 現像液I(前述) 現像時間25秒、温度35℃ 定着液F(前述) 定着時間20秒、温度25℃ 水 洗 水洗時間12秒、温度25℃ 乾 燥 乾燥時間26秒、温度55℃ (全処理時間90秒) 2) 自動現像機セプロスM(富士写真フイルム株式会
社製) 現像液 II 現像時間13.7秒、温度35℃ 定着液 G 定着時間10.6秒、温度25℃ 水 洗 水洗時間 6.2秒、温度25℃ 乾 燥 乾燥時間14.1秒、温度55℃ (全処理時間45秒) 現像液 (II) 水酸化カリウム 18.0 g 亜硫酸カリウム 75.0 g 炭酸ナトリウム 3.0 g ホウ酸 5.0 g ジエチレングリコール 10.0 g ジエチレントリアミン五酢酸 2.0 g 1−(N,Nジエチルアミノ)エチル−5−メルカプト テトラゾール 0.1 g ハイドロキノン 27.0 g 4−ヒドロキシメチル−4−メチル−1−フェニル−3− ピラゾリドン 2.0 g トリエチレングリコール 45.0 g 3・3′−ジチオビスヒドロ桂皮酸 0.2 g 氷酢酸 5.0 g 5・ニトロインダゾール 0.3 g 1−フェニル−3−ピラゾリドン 2.0 g グルタールアルデヒド(50%) 10.0 g 臭化カリウム 1.0 g メタ重亜硫酸カリウム 10.0 g 水を加えて 1リットル pH 10.5 定着液G チオ硫酸アンモニウム(70wt/vol%) 200 ml エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム・二水塩 0.03 g 亜硫酸ナトリウム 15.0 g ホウ酸 4.0 g 1−(N,N−ジエチルアミノ)−エチル−5− メルカプトテトラゾール 1.0 g 酒石酸 3.0 g 水酸化ナトリウム 15.0 g 硫酸(36N) 3.9 g 硫酸アルミニウム 10.0 g 水を加えて 1リットル(pH4.60に合わせる)
【0107】3) 自動現像機セプロスM改造機* 現像液 III 現像時間9.1秒、温度35℃ 定着液 G 定着時間7.1秒、温度25℃ 水 洗 水洗時間4.1秒、温度25℃ 乾 燥 乾燥時間9.4秒、温度55℃ (全処理時間30秒)
【0108】現像液 III 現像液IIから下記2点を変えたもの ・炭酸ナトリウム 30 g ・1−フェニル−3−ピラゾリドン 3.5 g *自動現像機は富士写真フイルム(株)製の「富士Xレ
イプロセサーセプロスM」を駆動軸を改造して全処理時
間が30秒になるようにした。
【0109】
【表10】
【0110】表10より90秒処理とほとんど同じ写真
特性が45秒処理、30秒処理でも得られることがわか
る。またフィルム残色法も、45秒処理、30秒処理と
迅速化しても、支持体に全く染料を用いていない試料N
o. 12に比べて、試料8、13は実用上問題ないレベ
ルが保てる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の写真感光材料の特性曲線の1例であ
る。特性曲線とともに特性曲線の各点におけるポイント
ガンマを結んだ曲線(ガンマ曲線)も併記してある。横
軸は露光量(logE)、縦軸は光学濃度又はガンマ値
を表わす。
【符号の説明】
1:本発明の写真感光材料の特性曲線 2:該特性曲線におけるガンマ曲線
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年8月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意検討した
結果、透明な支持体の両側にハロゲン化銀感光性乳剤層
を少くとも1層有する写真材料であり、該写真材料の前
側及び後側に、それぞれ配置される2枚の放射線増感ス
クリーンから成る、放射線画像形成組体を構成する写真
材料において、該増感スクリーンより発光する光に対し
てクロスオーバーが15%以下であり、かつ実質的に同
じ感度である2枚の増感スクリーンでサンドウィチして
階段露光し、下記現像液(I)を用いて、現像液温度3
5℃、現像時間25秒で現像して得られる画像が、拡散
濃度(Y軸)と常用対数露光量(X軸)の単位長の等し
い直交座標上に示される特性曲線において、光学濃度
(拡散濃度)1.6から2.0のすべての点におけるポ
イントガンマが、2.7から4.2の範囲であり、かつ
光学濃度1.8を与えるに必要な露光量の1/10(対
数で−1.0)の露光で得られる濃度点におけるポイン
トガンマーが0.25以上である、特性曲線を有するこ
とを特徴とするX線用ハロゲン化銀写真材料によって達
成された。 現像液[I] 水酸化カリウム 21 g 亜硫酸カリウム 63 g ホウ酸 10 g ハイドロキノン 25 g トリエチレングリコール 20 g 5−ニトロインダゾール 0.2 g 氷酢酸 10 g 1−フェニル−3−ピラゾリドン 1.2 g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.05g グルタルアルデヒド 5 g 臭化カリウム 4 g 水を加えて1リットルしたのち、pH10.02に調節する
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】本発明でいうクロスオーバーとは、透明な
支持体の両側に感光性乳剤が塗布された材料において、
一方の方向からの光が最初の乳剤層及び支持体をすり抜
けて、逆側の感光層を感光させる光のことをいう。クロ
スオーバー(%)は Abbottet al の米国特許第442
5425号に記載された方法によって測定される。即
ち、実質的に等しい感光層を両側にもつ感光材料におい
ては、X線源に対して、黒紙感光材料次に増感スクリー
ンの順に配置し、X線撮影用カセットに詰めて、段階的
にX線露光する。現像後、2分割して増感スクリーンと
接していた感光層のみの像と、逆側の感光層のみの像に
分離して、それぞれの特性曲線を得る。特性曲線のほぼ
直線部分の濃度域での2つの曲線の感度差を△logEとし
たとき、 クロスオーバー(%)=100/(anti log(△logE) +1) と定義される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0075
【補正方法】変更
【補正内容】
【0075】
【化4】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0077
【補正方法】変更
【補正内容】
【0077】
【化5】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0090
【補正方法】変更
【補正内容】
【0090】実施例3 増感スクリーンの調製 蛍光体シート形成用塗布液として、蛍光体(Gd2 2
S:Tb)200g、結合剤A(ポリウレタン、住友バ
イエルウレタン(株)製、商品名:デスモラックTPK
L−5−2625[固形分40%])20g、および結
合剤B(ニトロセルロース、硝化度11.5%)2g
を、メチルエチルケトン溶媒に加え、プロペラミキサー
で分散させて、粘度が30PS(25℃)の塗布液を調
製した(結合剤/蛍光体比=1/20)。これをシリコ
ーン系離型剤が塗布されているポリエチレンテレフタレ
ート(仮支持体、厚み180μm)上に、膜厚が160
μm(後述の加圧圧縮処理後の膜厚)となるように塗布
し、乾燥した後、仮支持体から剥離して蛍光体シートを
形成した。別に下塗層形成用塗布液として、軟質アクリ
ル樹脂90gとニトロセルロース50gとをメチルエチ
ルケトンに加え、混合分散して、粘度が3〜6PS(2
5℃)の分散液を調製した。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0093
【補正方法】変更
【補正内容】
【0093】放射線増感スクリーンの特性の測定 1)X線吸収量の測定 三相の電力供給で80KVpで運転されるタングステン
・ターゲット管から生じたX線を、厚さ3mmのアルミニ
ウム板を透過させ、ターゲット管のタングステン・アノ
ードから200cmの位置に固定した試料放射線増感スク
リーンに到達させ、次いでその増感スクリーンを透過し
たX線の量を、増感スクリーンの蛍光体層から50cm後
の位置で電離型線量計を用いて測定し、X線の吸収量を
求めた。なお、基準としては、増感スクリーンを透過さ
せないで測定した上記測定位置でのX線量を用いた。そ
れぞれの増感スクリーンのX線吸収量の測定値を表7に
示す。
【手続補正書】
【提出日】平成6年6月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】本発明のハロゲン化銀写真感光材料の製造
に利用される乳剤増感法や各種添加剤、構成材料、現像
処理方法等に関しては特に制限はなく、たとえば、特開
平2−68539号公報、特開平2−103037号公
報、および特開平2−115837号公報の下記の該当
箇所に記載の各種の技術を利用することができる。本感
材を使用するにあたりその現像処理方法に規定はない
が、環境保護の立場からは処理液(現像液及びまたは定
着液)の補充量が20cc/4切以下であることが好まし
い。本発明に使用する現像液に用いる現像主薬には良好
な性能を得やすい点で、ジヒドロキシベンゼン類と1−
フェニル−3−ピラゾリドン類の組合せが最も好まし
い。勿論この他にp−アミノフェノール系現像主薬を含
んでもよい。本発明に用いるジヒドロキシベンゼン現像
主薬としては特にハイドロキノンが好ましい。本発明に
用いるp−アミノフェノール系現像主薬としてはメチル
−p−アミノフェノールが好ましい。現像主薬は通常
0.01モル/リットル〜1.2モル/リットルの量で
用いられるのが好ましい。本発明に用いる亜硫酸塩の保
恒剤としては亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫
酸リチウム、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸ナトリウ
ム、メタ重亜硫酸カリウムなどがある。亜硫酸塩は0.
2モル/リットル以上、特に0.4モル/リットル以上
が好ましい。また、上限は2.5モル/リットルまでと
するのが好ましい。本発明に用いる現像液のpHは9か
ら13までの範囲のものが好ましい。更に好ましくはp
H10から12までの範囲である。pHの設定のために
用いるアルカリ剤には水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、第三リン酸ナトリ
ウム、第三リン酸カリウムの如きpH調節剤を含む。特
開昭62−186259号(ホウ酸塩)、同60−93
433号(例えば、サッカロース、アセトオキシム、5
−スルホサルチル酸)、リン酸塩、炭酸塩などの緩衝剤
を用いてもよい。上記成分以外に用いられる添加剤とし
ては、臭化ナトリウム、臭化カリウム、沃化カリウムの
如き現像抑制剤:エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、ジメチルホルムアミ
ド、メチルセロソルブ、ヘキシレングリコール、エタノ
ール、メタノールの如き有機溶剤:1−フェニル−5−
メルカプトテトラゾール、2−メルカプトベンツイミダ
ゾール−5−スルホン酸ナトリウム塩等のメルカプト系
化合物、5−ニトロインダゾール等のインダゾール系化
合物、5−メチルベンヅトリアゾール等のベンツトリア
ゾール系化合物などのカブリ防止剤を含んでもよく、更
に必要に応じて色調剤、界面活性剤、消泡剤、硬水軟化
剤、特開昭56−106244号記載のアミノ化合物な
どを含んでもよい。特に本発明の如く補充液量を減量し
ても安定した写真性能を維持する為には、現像補充液中
のKBr量は6g/リットル以上であることが好まし
い。本発明においては現像液に銀汚れ防止剤、例えば特
開昭56−24347号、特公昭56−46585号、
US4254215号、特公昭62−4702号、特公
昭62−4703号、特開昭58−203439号、特
開昭62−56959号、特開昭62−178247
号、US3318701号に記載の化合物を用いること
ができる。本発明における現像処理時間は Dry to Dry
で20〜60秒、特に30〜45秒であることが好まし
い。処理温度としては25〜50℃、特に30〜40℃
であることが好ましい。この内、現像時間としては4〜
10秒であることが好ましい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0110
【補正方法】変更
【補正内容】
【0110】表10より90秒処理とほとんど同じ写真
特性が45秒処理、30秒処理でも得られることがわか
る。またフィルム残色法も、45秒処理、30秒処理と
迅速化しても、支持体に全く染料を用いていない試料N
o. 12に比べて、試料8、13は実用上問題ないレベ
ルが保てる。 実施例5 実施例4と同様に実施例1で調製した試料を下記条件
(4) 〜(6) でランニングした処理液において処理をし
た。 自動現像機セプロスM(富士写真フイルム株式会社製) 現像液 IV 現像時間13.7秒、温度35℃ 定着液 H 定着時間10.6秒、温度25℃ 水 洗 水洗時間 6.2秒、温度25℃ 乾 燥 乾燥時間14.1秒、温度55℃ (全処理時間45秒) 現像液IV パートA 水酸化カリウム 28.0g 亜硫酸カリウム 75.0g ジエチレントリアミン五酢酸 2.0g 炭酸ナトリウム 30.0g ハイドロキノン 18.0g 1−(ジエチレンアミノ)−エチル−5−メルカプトテ トラゾール 0.1g 臭化カリウム 1.0g 水を加えて 300ml パートB トリエチレングリコール 6.0g 5−ニトロインダゾール 0.3g 酢酸 40.0g 1−フェニル−3−ピラゾリドン 3.5g 3,3′−ジチオビスヒドロ桂皮酸 0.2g 水を加えて 50ml 水を加えて使用液1リットル(pH10.30に合せる) 補充の比率 パートA 300ml パートB 50ml 水 650ml この状態でCOD約50,000 定着液 パートA チオ硫酸ナトリウム 96.4g エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム二水塩 0.025g メタ重亜硫酸ナトリウム 22.0g 水を加えて 500ml NaOHでpH=5.0に合せる 補充の比率 パートA 500ml 水 500ml この状態でCOD約40,000 下記条件にてランニング変更になるまで実施例(1) の感
光材料8を白/黒比2/1 の割合で処理をした。 十分に平衡に達した後、感光材料8を処理した結果を表
11に示す。本発明の感光材料は補充量の少い処理にお
いても十分な写真性の保てることが分る。 表11 ポイントガンマ 条件 感度 at D=1.6〜2.0 at 1/10logE(D=1.8) 残色 (4) 102 3.30〜3.40 0.33 A (5) 98 3.30〜3.40 0.35 Az (6) 100 3.25〜3.35 0.30 Az A :全く残色がみられない Az:僅かに残色があるが実用上問題なし
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03C 5/29

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明な支持体の両側にハロゲン化銀感光
    性乳剤層を少くとも1層有する写真感光材料であり、該
    写真感光材料の前側及び後側に、それぞれ配置される2
    枚の放射線増感スクリーンから成る、放射線画像形成組
    体を構成する写真感光材料において、該増感スクリーン
    より発光する光に対してクロスオーバーが15%以下で
    あり、かつ実質的に同じ感度である2枚の増感スクリー
    ンでサンドウィチして階段露光し、下記現像液(I)を
    用いて、現像液温度35℃、現像時間25秒で現像して
    得られる画像が、拡散濃度(x軸)と常用対数露光量
    (y軸)の単位長の等しい直交座標上に示される特性曲
    線において、光学濃度(拡散濃度)1.6から2.0の
    すべての点におけるポイントガンマが、2.7から4.
    2の範囲であり、かつ光学濃度1.8を与えるに必要な
    露光量の1/10(対数で−1.0)の露光で得られる
    濃度点におけるポイントガンマーが0.25以上であ
    る、特性曲線を有することを特徴とするX線用ハロゲン
    化銀写真感光材料。 現像液[I] 水酸化カリウム 21 g 亜硫酸カリウム 63 g ホウ酸 10 g ハイドロキノン 25 g トリエチレングリコール 20 g 5−ニトロインダゾール 0.2 g 氷酢酸 10 g 1−フェニル−3−ピラゾリドン 1.2 g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.05g グルタルアルデヒド 5 g 臭化カリウム 4 g 水を加えて1リットルしたのち、pH10.02に調節する
  2. 【請求項2】 ハロゲン化銀乳剤層と支持体の間に少く
    とも一層の、クロスオーバーを減少させる染料層を有
    し、該染料層の膜厚が0.5μm以下である、請求項
    (1)に記載のハロゲン化銀写真感光材料。
  3. 【請求項3】 ハロゲン化銀写真感光材料は、支持体の
    前側および後側にそれぞれハロゲン化銀写真感光層が備
    えられた構成を有し、少なくともその内の一方の感光層
    は、請求項1で記載の放射線増感スクリーンの主発光ピ
    ーク波長と同一の波長を有し、かつ半値幅が20±5nm
    の単色光で露光し、現像液〔I〕を用い、現像液温度3
    5℃、現像時間25秒で現像処理し、露光面と逆側の感
    光層を剥離したのち測定して、該感光層にて得られる濃
    度が、最低濃度に0.5を加えた値になるのに必要な露
    光量が0.010ルクス秒から0.035ルクス秒とな
    る感度を有する、ことを特徴とする請求項(1)に記載
    のハロゲン化銀写真感光材料。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のハロゲン化銀感光材料
    と下記特徴を有する二枚の放射線増感スクリーンでサン
    ドウィチして放射線画像を形成する方法。 放射線増感スクリーン 放射線増感スクリーンの内の少なくとも一方は、X線エ
    ネルギーが80KVpのX線に対して25%以上の吸収
    量を示し、コントラスト伝達関数(CTF)が、空間周
    波数1本/mmで0.79以上、そして空間周波数3本/
    mmで0.36以上である放射線増感スクリーン。
  5. 【請求項5】 請求項(1)で記載の感光材料であっ
    て、その感光層を構成するハロゲン化銀乳剤が2種類以
    上から成り、かつ最大感度を有する乳剤と、それ以外の
    乳剤の少くとも1つの乳剤との感度比が1対0.5から
    1対0.15であることを特徴とする請求項(1)で記
    載のハロゲン化銀感光材料。
  6. 【請求項6】 ハロゲン化銀写真材料を構成するハロゲ
    ン化銀乳剤のうち、少くとも1つの乳剤のハロゲン化銀
    粒子は、変動係数20%以下の単分散な粒子サイズ分布
    をもつことを特徴とする、請求項(5)で記載のハロゲ
    ン化銀写真材料。
  7. 【請求項7】 請求項1のハロゲン化銀写真材料を全処
    理時間30秒〜90秒でローラー型搬送自動現像機で現
    像処理する方法。
JP5121675A 1993-05-24 1993-05-24 ハロゲン化銀写真感光材料とそれを用いた放射線画像形成方法 Expired - Fee Related JP3051595B2 (ja)

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