JPH0633073Y2 - プレキャストコンクリート製小梁 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、床スラブ等を支持すべく大梁等の間に架設
されるプレキャストコンクリート製小梁に関するもので
ある。

〔従来技術〕

従来この種の小梁としては、施工現場にて、床スラブの
成形作業と同時に小梁用として型枠を組立ると共に、型
枠内へコンクリートを打設することで製作されるものが
一般にしられている。

〔この考案が解決すべき問題点〕

しかしこの従来のプレキャストコンクリート製小梁で
は、床スラブの成形作業と同時に製作されるので、床ス
ラブの成形を行う型枠等は小梁によって支持させること
ができないので、多数の仮設支柱を設置して支持する必
要がある。

そしてこの仮設支柱を多数設置しての成形作業が面倒で
時間のかかるものであった。

また予め製作された製品を用いることも考えられるが、
床スラブ用の型枠を支持することはできないと共に、コ
ンクリートを打設して現場施工する床スラブとの確実な
一体化作業が面倒で困難なものであった。

この考案は前述した事情に鑑みて創案されたもので、そ
の目的は床スラブ成形用の型枠を支持できると共に、成
形する床スラブとの一体化作業も容易に行わせることの
できるプレキャストコンクリート製小梁を提供すること
にある。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案によればプレキャストコンクリート製小梁を、
上下に平行に延びる両主筋と、この両主筋間に配設した
ラチス筋とが小梁本体内へ埋設して形成する。また前記
ラチス筋はその上端の折曲端部を小梁本体の外部へ突出
させると共に、前記小梁本体には型枠支持根太材用支持
具の取付け部を複数設けることとする。

そして現場施工する床スラブとの一体化作業をラチス筋
突出部の利用により容易に行えるようにし、またこの小
梁で床スラブ成形用の型枠を支持できるようにしたもの
である。

〔実施例〕

以下この考案を図示する実施例によって説明する。

プレキャストコンクリート製小梁１は、上下に平行に延
びる両主筋２，２と、この両主筋２，２間に配設したラ
チス筋３とを、プレキャストコンクリートで形成される
小梁本体４内に埋設して形成されている。（第１図およ
び第２図参照） そしてラチス筋３は、その上端の各折曲端部３ａを本体
４の外部へ突出させている。また小梁本体４には、現場
施工にて行う床スラブ５の成形作業用型枠６を支持する
根太材７用である支持具８の取付け部９が複数設けられ
ている。（第５図参照） なおこの実施例での取付け部９は、小梁本体４の両側で
根太材７を支持する棒状の支持具８が挿入される貫通孔
で形成されており、小梁本体４の上端部において長手方
向へ複数設けられている。

また上下に平行に延びる両主筋２，２は、第２図に破線
で示したようにラチス筋３を挟んで両側に設けても良
い。

このような構成からなるプレキャストコンクリート製小
梁１の使用に際しては、まず既に組み立てられている大
梁１０，１０間に架設する（第３図参照）。

なおこの時に小梁１は、架設支柱１１で支持される（第
５図参照）。また大梁１０，１０間への架設時におい
て、小梁１の長さの大小に対する対応としては、第６図
に示すように端部に調整長ａを設けてｌ_０をｌとしたも
のを使用する。さらに大梁１０への小梁１の取付けは、
第７図に示すように大梁１０上へ小梁１を載せてフレア
ー溶接することで行われる。

次に支持具８を取付け部９である貫通孔へ挿入すると共
に、この支持具８によって根太材７を支持固定する。

その後支持された根太材７に型枠６を設置し、この型枠
６上にコンクリートの打設または既製のコンクリート版
の設置を行い床スラブ５を形成する。（第４図および第
５図参照） この時に型枠６は、小梁１に設けられた根太材７により
支持されているので、従来のように型枠支持用として多
数の架設支柱を設ける必要がない。

また床スラブ５と小梁１との一体化作業も、小梁本体４
の外部へ突出しているラチス筋３の折曲端部３ａを利用
して補強筋１２を取付けることで容易に行える。

〔考案の効果〕

この考案によるプレキャストコンクリート製小梁は、上
下に平行に延びる両主筋と、この両主筋間に配設したラ
チス筋とが小梁本体内へ埋設されてなり、ラチス筋上端
の折曲端部を小梁本体の外部へ突出させると共に、小梁
本体に型枠支持根太材を支持する支持具用の取付け部を
設けて構成する。

そしてこの構成によれば小梁に根太材を設けることがで
き、この根太材により現場施工で床スラブを成形する時
に使用する型枠を支持できる。

そのため従来のように型枠支持用として多数の架設支柱
を設ける必要がない。

また小梁と床スラブとの一体化作業（補強筋の取付け
等）も、小梁本体の外部へ突出しているラチス筋折曲端
部を利用して、容易かつ強固に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案のプレキャストコンクリート製小梁を
示す正面図、第２図は第１図のＡ−Ａ線断面図、第３図
はこの考案のプレキャストコンクリート製小梁を大梁間
に架設した状態を示す平面図、第４図は第３図のＢ−Ｂ
線拡大断面図、第５図は第４図のＣ−Ｃ線断面図、第６
図は小梁の大梁へのおさまり状態を示す概略図、第７図
は小梁の大梁への取付け状態を示す部分断面図である。 １…プレキャストコンクリート製小梁、２…主筋、３…
ラチス筋、３ａ…折曲端部、４…小梁本体、５…床スラ
ブ、６…型枠、７…根太材、８…支持具、９…取付け
部、１０…大梁、１１…架設支柱、１２…補強筋。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】上下に平行に延びる両主筋と、この両主筋
   間に配設したラチス筋とが小梁本体内へ埋設されてなる
   プレキャストコンクリート製小梁であり、 前記ラチス筋はその上端の折曲端部が前記小梁本体の外
   部へ突出していると共に、前記小梁本体には型枠支持根
   太材を支持する支持具用の取付け部が設けられているこ
   とを特徴とするプレキャストコンクリート製小梁。