JPH0632880A - 成形性が改良された芳香族ポリエステルの製造方法 - Google Patents
成形性が改良された芳香族ポリエステルの製造方法Info
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- JPH0632880A JPH0632880A JP23254392A JP23254392A JPH0632880A JP H0632880 A JPH0632880 A JP H0632880A JP 23254392 A JP23254392 A JP 23254392A JP 23254392 A JP23254392 A JP 23254392A JP H0632880 A JPH0632880 A JP H0632880A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 モノマー組成やその種類を変化させることな
く流動性を向上させ、成形性と耐熱性および耐ブリスタ
ー性がともに優れた全芳香族ポリエステルを与えること
ができる方法を提供する。 【構成】 特定構造の全芳香族ポリエステルの溶融重合
工程と得られた重合体の重合度を上昇させるための重合
物の固体多分散体化工程とを連続的かつ高温でおこな
い、かつ、リン酸系化合物、たとえばリン酸または亜リ
ン酸もしくはその有機エステルを添加する。
く流動性を向上させ、成形性と耐熱性および耐ブリスタ
ー性がともに優れた全芳香族ポリエステルを与えること
ができる方法を提供する。 【構成】 特定構造の全芳香族ポリエステルの溶融重合
工程と得られた重合体の重合度を上昇させるための重合
物の固体多分散体化工程とを連続的かつ高温でおこな
い、かつ、リン酸系化合物、たとえばリン酸または亜リ
ン酸もしくはその有機エステルを添加する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、芳香族ポリエステルの
塊状重縮合法に関する。さらに詳しくは、流動性が改良
され、耐熱性と成形性のバランスのとれた芳香族ポリエ
ステルの製造方法に関するものである。
塊状重縮合法に関する。さらに詳しくは、流動性が改良
され、耐熱性と成形性のバランスのとれた芳香族ポリエ
ステルの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】全芳香族ポリエステルはその構造に基づ
き優れた性質を有するが、特に耐熱性の点ではあらゆる
樹脂の中でも最も優れている。なかでもテレフタル酸や
イソフタル酸と、パラヒドロキシ安息香酸もしくはその
誘導体と、4,4’−ジヒドロキシジフェニルもしくは
その誘導体などから得られる芳香族ポリエステルは、射
出成形可能でかつ各種物性、就中機械的性質、電気的性
質等に優れている上、高い耐熱性、耐薬品性、耐油性、
耐放射線性、寸法安定性などプラスチックの使用分野に
おける要求性能のほとんどすべてを兼ね備えている樹脂
であることが知られている。
き優れた性質を有するが、特に耐熱性の点ではあらゆる
樹脂の中でも最も優れている。なかでもテレフタル酸や
イソフタル酸と、パラヒドロキシ安息香酸もしくはその
誘導体と、4,4’−ジヒドロキシジフェニルもしくは
その誘導体などから得られる芳香族ポリエステルは、射
出成形可能でかつ各種物性、就中機械的性質、電気的性
質等に優れている上、高い耐熱性、耐薬品性、耐油性、
耐放射線性、寸法安定性などプラスチックの使用分野に
おける要求性能のほとんどすべてを兼ね備えている樹脂
であることが知られている。
【0003】一方、これら全芳香族ポリエステルは耐熱
性に優れるものの、成形性に難点があることが従来から
指摘され、さらに熱変形温度が高いが成形品、たとえば
射出成形品にオーブンブリスター(成形品を高温に曝し
たとき、発生するブリスター(ふくれ)を意味する。)
が生じ易いこともその欠点として指摘されている。
性に優れるものの、成形性に難点があることが従来から
指摘され、さらに熱変形温度が高いが成形品、たとえば
射出成形品にオーブンブリスター(成形品を高温に曝し
たとき、発生するブリスター(ふくれ)を意味する。)
が生じ易いこともその欠点として指摘されている。
【0004】たとえば、特開昭59−4622号公報に
よると、全芳香族ポリエステルの製造において重合の完
了前に亜リン酸塩化合物を加えることにより低い着色度
および優れた熱安定性を有する重合体を得ることが提案
されている。すなわち該公報の実施例2では、亜リン酸
エステルを溶融重合工程の終了前5分前に添加し、その
後に反応槽外に溶融重合体を放出し、冷却、粉砕した
後、固相重合することにより重合体を得ている。しかし
ながら当該公報記載の方法によっても、必ずしも成形性
改良効果やオーブンブリスター発生抑制効果は達成され
ない。なお熱安定性あるいは熱変形温度とオーブンブリ
スター発生の抑制とは直接の相関関係がないことも本発
明者らは確認している。
よると、全芳香族ポリエステルの製造において重合の完
了前に亜リン酸塩化合物を加えることにより低い着色度
および優れた熱安定性を有する重合体を得ることが提案
されている。すなわち該公報の実施例2では、亜リン酸
エステルを溶融重合工程の終了前5分前に添加し、その
後に反応槽外に溶融重合体を放出し、冷却、粉砕した
後、固相重合することにより重合体を得ている。しかし
ながら当該公報記載の方法によっても、必ずしも成形性
改良効果やオーブンブリスター発生抑制効果は達成され
ない。なお熱安定性あるいは熱変形温度とオーブンブリ
スター発生の抑制とは直接の相関関係がないことも本発
明者らは確認している。
【0005】また、一般的な成形性改良の方法として、
イソフタル酸や2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸のごと
き非直線性のモノマーを共重合させる方法や、エチレン
グリコールのごとき柔軟鎖を有するモノマーを共重合さ
せる方法によりポリマーの骨格そのものを変更し低融点
化する方法がこれまで行われてきた。
イソフタル酸や2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸のごと
き非直線性のモノマーを共重合させる方法や、エチレン
グリコールのごとき柔軟鎖を有するモノマーを共重合さ
せる方法によりポリマーの骨格そのものを変更し低融点
化する方法がこれまで行われてきた。
【0006】しかし、これらの方法では成形性の向上は
低融点化によるために耐熱性の著しい低下をきたし、成
形加工性と耐熱性のバランスをとることが極めて困難で
ある。従って、モノマー組成やその種類を変化させるこ
となく流動性を向上させ、成形性と耐熱性および耐ブリ
スター性がともに優れた芳香族ポリエステルを提供する
製造方法が従来から望まれていた。
低融点化によるために耐熱性の著しい低下をきたし、成
形加工性と耐熱性のバランスをとることが極めて困難で
ある。従って、モノマー組成やその種類を変化させるこ
となく流動性を向上させ、成形性と耐熱性および耐ブリ
スター性がともに優れた芳香族ポリエステルを提供する
製造方法が従来から望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、かかる
現状に対し鋭意検討した結果、芳香族ポリエステルの溶
融重合工程と得られた重合体の重合度を上昇させるため
の重合物の固体多分散体化工程とを連続的かつ高温でお
こない、かつ、リン酸系化合物、たとえばリン酸または
亜リン酸もしくはその有機エステルを添加することによ
り、耐熱性を低下させることなく成形温度を低下でき、
さらに耐オーブンブリスター性も向上できることを見出
し本発明に至った。
現状に対し鋭意検討した結果、芳香族ポリエステルの溶
融重合工程と得られた重合体の重合度を上昇させるため
の重合物の固体多分散体化工程とを連続的かつ高温でお
こない、かつ、リン酸系化合物、たとえばリン酸または
亜リン酸もしくはその有機エステルを添加することによ
り、耐熱性を低下させることなく成形温度を低下でき、
さらに耐オーブンブリスター性も向上できることを見出
し本発明に至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち本発明の第1は、下
記式A,BおよびCに対応する芳香族ポリエステル前駆
体モノマーを重縮合することにより
記式A,BおよびCに対応する芳香族ポリエステル前駆
体モノマーを重縮合することにより
【化2】 を繰返構成単位とする全芳香族ポリエステルであって式
A:式Bのモル比が10:1〜1:10の範囲にあり、
式B:式Cのモル比が9:10〜10:9の範囲にある
全芳香族ポリエステルを製造する方法において、
A:式Bのモル比が10:1〜1:10の範囲にあり、
式B:式Cのモル比が9:10〜10:9の範囲にある
全芳香族ポリエステルを製造する方法において、
【0009】溶融重合工程と固体多分散体化工程を連続
で行い、かつ反応系内が溶融状態にある間にリン酸系化
合物を添加することを特徴とする全芳香族ポリエステル
を製造する方法に関するものである。
で行い、かつ反応系内が溶融状態にある間にリン酸系化
合物を添加することを特徴とする全芳香族ポリエステル
を製造する方法に関するものである。
【0010】以下に本発明をさらに説明する。
【0011】本発明における上記式Aの繰返構成単位に
対応する芳香族ポリエステル前駆体モノマーとしては、
パラヒドロキシ安息香酸、メタヒドロキシ安息香酸、6
−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−1−
ナフトエ酸、5−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、1−ヒ
ドロキシ−6−ナフトエ酸などおよびこれらの機能誘導
体があげられる。誘導体としては、エステル化反応によ
り式Aの繰返構成単位を生成し得る前駆体モノマーであ
って、たとえば、フェニル−p−ヒドロキシ安息香酸、
p−アセトキシ安息香酸、イソブチル−p−アセトシキ
安息香酸、5−アセトキシ−1−ナフトエ酸、5−ヒド
ロキシ−1−ナフトエ酸フェニルなどが例示される。こ
れら前駆体モノマーは単独でも混合して使用することも
できる。
対応する芳香族ポリエステル前駆体モノマーとしては、
パラヒドロキシ安息香酸、メタヒドロキシ安息香酸、6
−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−1−
ナフトエ酸、5−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、1−ヒ
ドロキシ−6−ナフトエ酸などおよびこれらの機能誘導
体があげられる。誘導体としては、エステル化反応によ
り式Aの繰返構成単位を生成し得る前駆体モノマーであ
って、たとえば、フェニル−p−ヒドロキシ安息香酸、
p−アセトキシ安息香酸、イソブチル−p−アセトシキ
安息香酸、5−アセトキシ−1−ナフトエ酸、5−ヒド
ロキシ−1−ナフトエ酸フェニルなどが例示される。こ
れら前駆体モノマーは単独でも混合して使用することも
できる。
【0012】上記式Bの繰返構成単位に対応する芳香族
ポリエステル前駆体モノマーとしては、テレフタル酸、
イソフタル酸もしくはこれらの機能誘導体があげられ
る。誘導体としては、エステル化反応により式Bの繰返
構成単位を生成し得る前駆体モノマーであって、たとえ
ばテレフタル酸ジフェニル、イソフタル酸ジエチル、テ
レフタル酸メチルエチル、テレフタル酸のイソブチル半
エステルなどが例示される。これら前駆体モノマーは単
独でも混合して使用することもできる。
ポリエステル前駆体モノマーとしては、テレフタル酸、
イソフタル酸もしくはこれらの機能誘導体があげられ
る。誘導体としては、エステル化反応により式Bの繰返
構成単位を生成し得る前駆体モノマーであって、たとえ
ばテレフタル酸ジフェニル、イソフタル酸ジエチル、テ
レフタル酸メチルエチル、テレフタル酸のイソブチル半
エステルなどが例示される。これら前駆体モノマーは単
独でも混合して使用することもできる。
【0013】また上記式Cの繰返構成単位に対応する芳
香族ポリエステル前駆体モノマーとしてはハイドロキノ
ン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、
4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’
−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒド
ロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ
ベンゾフェノン、上記式C中の炭化水素基Xが炭素数1
〜4の炭化水素残基である化合物の典型例としての4,
4’−ジヒドロキシジフェニルメタンなどおよびこれら
の誘導体などがあげられる。誘導体としては、エステル
化反応により式Cの繰返構成単位を生成し得る前駆体モ
ノマーであって、たとえば、ジアセトキシレゾルシノー
ル、クロロ置換ハイドロキノンなどが例示される。これ
ら前駆体モノマーは単独でも混合して使用することもで
きる。
香族ポリエステル前駆体モノマーとしてはハイドロキノ
ン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、
4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’
−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒド
ロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ
ベンゾフェノン、上記式C中の炭化水素基Xが炭素数1
〜4の炭化水素残基である化合物の典型例としての4,
4’−ジヒドロキシジフェニルメタンなどおよびこれら
の誘導体などがあげられる。誘導体としては、エステル
化反応により式Cの繰返構成単位を生成し得る前駆体モ
ノマーであって、たとえば、ジアセトキシレゾルシノー
ル、クロロ置換ハイドロキノンなどが例示される。これ
ら前駆体モノマーは単独でも混合して使用することもで
きる。
【0014】得られた全芳香族ポリエステルにおける繰
返構成単位として、式A:式Bのモル比は10:1〜
1:10の範囲にあり、式B:式Cのモル比は9:10
〜10:9の範囲にあることを要し、この範囲をはずれ
るといずれも耐熱性や成形性が低下するので好ましくな
い。
返構成単位として、式A:式Bのモル比は10:1〜
1:10の範囲にあり、式B:式Cのモル比は9:10
〜10:9の範囲にあることを要し、この範囲をはずれ
るといずれも耐熱性や成形性が低下するので好ましくな
い。
【0015】これらのモノマーの組合せのうち、式Aに
対応するモノマーとしてパラヒドロキシ安息香酸もしく
はそのエステル誘導体/式Bに対応するモノマーとして
テレフタル酸もしくはそのエステル誘導体/式Cに対応
するモノマーとして4,4’−ヒドロキシビフェニルも
しくはそのエステル誘導体の組合せ、式Aに対応するモ
ノマーとしてパラヒドロキシ安息香酸もしくはそのエス
テル誘導体/式Cに対応するモノマーとしてテレフタル
酸およびイソフタル酸もしくはそのエステル誘導体/式
Cに対応するモノマーとして4,4’−ヒドロキシビフ
ェニルもしくはそのエステル誘導体の組合せ、または、
式Aに対応するモノマーとしてパラヒドロキシ安息香酸
もしくはそのエステル誘導体および2−ヒドロキシ−6
−ナフトエ酸/式Bに対応するモノマーとしてテレフタ
ル酸もしくはそのエステル誘導体/式Cに対応するモノ
マーとして4,4’−ヒドロキシビフェニルもしくはそ
のエステル誘導体の組合せが特に好ましい。
対応するモノマーとしてパラヒドロキシ安息香酸もしく
はそのエステル誘導体/式Bに対応するモノマーとして
テレフタル酸もしくはそのエステル誘導体/式Cに対応
するモノマーとして4,4’−ヒドロキシビフェニルも
しくはそのエステル誘導体の組合せ、式Aに対応するモ
ノマーとしてパラヒドロキシ安息香酸もしくはそのエス
テル誘導体/式Cに対応するモノマーとしてテレフタル
酸およびイソフタル酸もしくはそのエステル誘導体/式
Cに対応するモノマーとして4,4’−ヒドロキシビフ
ェニルもしくはそのエステル誘導体の組合せ、または、
式Aに対応するモノマーとしてパラヒドロキシ安息香酸
もしくはそのエステル誘導体および2−ヒドロキシ−6
−ナフトエ酸/式Bに対応するモノマーとしてテレフタ
ル酸もしくはそのエステル誘導体/式Cに対応するモノ
マーとして4,4’−ヒドロキシビフェニルもしくはそ
のエステル誘導体の組合せが特に好ましい。
【0016】重縮合反応方法としては、公知のいずれの
方法も採用できるが、好ましい重縮合反応方法として
は、ヒドロキシカルボン酸、ジカルボン酸およびジオー
ルに、酸無水物、好ましくは無水酢酸を加えて、はじめ
にいわゆるアルカノイル反応によりヒドロキシカルボン
酸およびジオールのOH基をアルカノイル化し、ついで
脱酸、好ましくは脱酢酸することにより重縮合反応を進
行させる方法がある。
方法も採用できるが、好ましい重縮合反応方法として
は、ヒドロキシカルボン酸、ジカルボン酸およびジオー
ルに、酸無水物、好ましくは無水酢酸を加えて、はじめ
にいわゆるアルカノイル反応によりヒドロキシカルボン
酸およびジオールのOH基をアルカノイル化し、ついで
脱酸、好ましくは脱酢酸することにより重縮合反応を進
行させる方法がある。
【0017】溶融重合工程は約150℃から400℃、
好ましくは約250℃から370℃で、常圧ないしは減
圧系において、不活性気体雰囲気中で行うのが望まし
い。重合温度は適宜に昇温させながら行うことができ、
その昇温速度は使用するモノマーの性質に応じて調整す
ると良い。
好ましくは約250℃から370℃で、常圧ないしは減
圧系において、不活性気体雰囲気中で行うのが望まし
い。重合温度は適宜に昇温させながら行うことができ、
その昇温速度は使用するモノマーの性質に応じて調整す
ると良い。
【0018】本発明方法では、溶融重合工程およびこれ
に続く後述の固体多分散体化工程はいずれも触媒の不存
在下でも進行する。触媒不存在下で反応させる場合に
は、触媒残渣が生じないので、得られた重合体の後処理
が不要となり好ましい。しかしながら、ルイス酸などの
ガス状非金属系触媒、たとえばハロゲン化水素、好まし
くは塩化水素を用いる場合には固相重合時に反応系から
これを容易に除去することができるので使用することが
できる。
に続く後述の固体多分散体化工程はいずれも触媒の不存
在下でも進行する。触媒不存在下で反応させる場合に
は、触媒残渣が生じないので、得られた重合体の後処理
が不要となり好ましい。しかしながら、ルイス酸などの
ガス状非金属系触媒、たとえばハロゲン化水素、好まし
くは塩化水素を用いる場合には固相重合時に反応系から
これを容易に除去することができるので使用することが
できる。
【0019】なお、本発明方法を効果的に達成するに
は、従来提案されているところのポリエステル製造のた
めに適当とされる金属系触媒の使用は好ましくない。す
なわち金属系触媒の存在下に反応させると、本発明の目
的のうち、特に耐オーブンブリスター性の向上が望めな
いために好ましくない。従って、好ましい本発明方法は
金属系触媒の不存在下に行う方法である。用いることが
好ましくない金属触媒としては、たとえばリチウム、ナ
トリウム、カリウムなどのアルカリ金属;カルシウム、
マグネシウムなどのアルカリ土類金属;アルミニウム、
アンチモン、ゲルマニウム、チタン、錫などの金属もし
くは、これらの酸化物、水酸化物、塩化物、有機酸塩な
どの金属化合物などの金属系触媒が挙げられる。具体的
には、たとえば酢酸マグネシウム水和物、硫酸カリウ
ム、酢酸カルシウム、酢酸リチウム、チタン酸テトラブ
チルなどが例示される。
は、従来提案されているところのポリエステル製造のた
めに適当とされる金属系触媒の使用は好ましくない。す
なわち金属系触媒の存在下に反応させると、本発明の目
的のうち、特に耐オーブンブリスター性の向上が望めな
いために好ましくない。従って、好ましい本発明方法は
金属系触媒の不存在下に行う方法である。用いることが
好ましくない金属触媒としては、たとえばリチウム、ナ
トリウム、カリウムなどのアルカリ金属;カルシウム、
マグネシウムなどのアルカリ土類金属;アルミニウム、
アンチモン、ゲルマニウム、チタン、錫などの金属もし
くは、これらの酸化物、水酸化物、塩化物、有機酸塩な
どの金属化合物などの金属系触媒が挙げられる。具体的
には、たとえば酢酸マグネシウム水和物、硫酸カリウ
ム、酢酸カルシウム、酢酸リチウム、チタン酸テトラブ
チルなどが例示される。
【0020】ここで、全芳香族ポリエステルを溶融重合
により製造する場合、重合体の重合度が上昇するにつれ
て溶融液の粘度が上昇し、これをさらに重合を続けると
急激に粘度が上昇し最終的には通常の攪拌では攪拌不能
な状態に至る。粘度上昇は急激であるために、通常は重
合温度の昇温が追い付かず、結果として重合が完結して
いないにもかかわらず反応内容物は固相となる。
により製造する場合、重合体の重合度が上昇するにつれ
て溶融液の粘度が上昇し、これをさらに重合を続けると
急激に粘度が上昇し最終的には通常の攪拌では攪拌不能
な状態に至る。粘度上昇は急激であるために、通常は重
合温度の昇温が追い付かず、結果として重合が完結して
いないにもかかわらず反応内容物は固相となる。
【0021】それ故溶融重合工程のみにより希望する重
合度の重合体とするのが困難であるので、溶融重合工程
から得られた重合体を固相で重合させることによりさら
に重合を進行させ希望する重合度にすることが必要とな
る。なお、高重合体の溶融温度以上に重合温度を上昇さ
せることによりこれを溶融させ、重合完結まで溶融状態
で重合させる方法は、全芳香族ポリエステルの場合、所
望の重合度の重合体の溶融温度がきわめて高く、該重合
体の分解温度に近接しているため、かかる方法を採用す
ることは困難である。
合度の重合体とするのが困難であるので、溶融重合工程
から得られた重合体を固相で重合させることによりさら
に重合を進行させ希望する重合度にすることが必要とな
る。なお、高重合体の溶融温度以上に重合温度を上昇さ
せることによりこれを溶融させ、重合完結まで溶融状態
で重合させる方法は、全芳香族ポリエステルの場合、所
望の重合度の重合体の溶融温度がきわめて高く、該重合
体の分解温度に近接しているため、かかる方法を採用す
ることは困難である。
【0022】そのため、溶融重合工程から得られた重縮
合物の重合度を上げるために、重合槽内において系内物
質が重合温度下で固化しないよう充分な剪断力を加える
と同時に重合を進行させるための温度維持をすることに
より、最終的に槽内の重合体を固体多分散体とする工程
を採用する。すなわち本発明の固体多分散化工程とは、
重合体の融着温度以下の温度で剪断力を加えながら固体
の多分散系の状態で実質的にすべてが固相になるまで重
合をおこなう工程であって、固体多分散体にするための
剪断および粉砕化さらに攪拌する工程を意味する。ここ
で、高温下に固相を保持して重合度を上昇せしめるので
あるが、重合体の融着温度上昇よりは遅い温度上昇で重
合せしめるかあるいは温度一定にして十分な剪断力を加
えて重合を進行させる。このような方法を具体化するた
めには、攪拌動力は特に限定されないが、0.75〜1
00K.W./m3の攪拌動力を加えることが好まし
い。最適な攪拌動力は重合体の種類により異なるので適
宜に決定することができる。
合物の重合度を上げるために、重合槽内において系内物
質が重合温度下で固化しないよう充分な剪断力を加える
と同時に重合を進行させるための温度維持をすることに
より、最終的に槽内の重合体を固体多分散体とする工程
を採用する。すなわち本発明の固体多分散化工程とは、
重合体の融着温度以下の温度で剪断力を加えながら固体
の多分散系の状態で実質的にすべてが固相になるまで重
合をおこなう工程であって、固体多分散体にするための
剪断および粉砕化さらに攪拌する工程を意味する。ここ
で、高温下に固相を保持して重合度を上昇せしめるので
あるが、重合体の融着温度上昇よりは遅い温度上昇で重
合せしめるかあるいは温度一定にして十分な剪断力を加
えて重合を進行させる。このような方法を具体化するた
めには、攪拌動力は特に限定されないが、0.75〜1
00K.W./m3の攪拌動力を加えることが好まし
い。最適な攪拌動力は重合体の種類により異なるので適
宜に決定することができる。
【0023】上記固体多分散化工程を実現させるための
反応槽は単一反応槽であっても、多段階反応層であって
もよい。また、重合器は特に限定されるものではない
が、一般の高粘度反応に用いられる攪拌設備、例えば、
いかり型攪拌器、多段型攪拌器、らせん帯攪拌器、らせ
ん軸攪拌器等またそれらを変形した攪拌設備をそなえた
攪拌槽型重合器、さらには、ワーナー式ミキサー、バン
バリーミキサー、ポニーミキサー、ミューラーミキサ
ー、ロールミル、連続操作可能なコニーダー、ハグミ
ル、ギャーコンパウンダー等より選ばれたものが望まし
い。
反応槽は単一反応槽であっても、多段階反応層であって
もよい。また、重合器は特に限定されるものではない
が、一般の高粘度反応に用いられる攪拌設備、例えば、
いかり型攪拌器、多段型攪拌器、らせん帯攪拌器、らせ
ん軸攪拌器等またそれらを変形した攪拌設備をそなえた
攪拌槽型重合器、さらには、ワーナー式ミキサー、バン
バリーミキサー、ポニーミキサー、ミューラーミキサ
ー、ロールミル、連続操作可能なコニーダー、ハグミ
ル、ギャーコンパウンダー等より選ばれたものが望まし
い。
【0024】本発明の固体多分散化工程の温度は、30
0〜400℃、好ましくは300〜370℃の温度範囲
である。加熱方式としてはオイル加熱方式、電熱加熱方
式、誘電加熱方式など任意の方式が用いられる。
0〜400℃、好ましくは300〜370℃の温度範囲
である。加熱方式としてはオイル加熱方式、電熱加熱方
式、誘電加熱方式など任意の方式が用いられる。
【0025】リン酸系化合物は、重合系内物質が溶融状
態にあるときに、すなわち溶融重合工程において添加
し、好ましくはモノマー転化率が90%以上のときに添
加することが必要である。系内物質が固体状態のときに
添加した場合は本発明の効果が発現しにくく、またモノ
マー転化率90%未満で添加した場合は得られた重合体
が茶色に着色することがあり成形材料としての価値がな
くなる。ここで、モノマー転化率は、前述の酸無水物を
使用するアルカノイル反応を経由する重縮合反応による
場合には、反応系から留出する酸、たとえば酢酸の留出
量により算出できる。
態にあるときに、すなわち溶融重合工程において添加
し、好ましくはモノマー転化率が90%以上のときに添
加することが必要である。系内物質が固体状態のときに
添加した場合は本発明の効果が発現しにくく、またモノ
マー転化率90%未満で添加した場合は得られた重合体
が茶色に着色することがあり成形材料としての価値がな
くなる。ここで、モノマー転化率は、前述の酸無水物を
使用するアルカノイル反応を経由する重縮合反応による
場合には、反応系から留出する酸、たとえば酢酸の留出
量により算出できる。
【0026】リン酸系化合物を添加した後においては、
300℃以上、好ましくは300〜400℃の温度で少
なくとも1時間、好ましくは1〜20時間保持すること
が肝要である。300℃以上の工程は、溶融重合または
それに続く重合物の固体多分散体化工程のいずれかであ
ってもよい。要は、リン酸系化合物を添加した後の溶融
重合工程あるいは固体多分散体化工程のいずれかにおい
て300℃以上の温度で少なくとも1時間保持するので
ある。1時間以上保持しても300℃未満の温度である
場合、300℃以上であっても1時間未満の保持時間で
ある場合または300℃未満であって1時間未満の保持
時間である場合には、得られた成形品について耐オーブ
ンブリスター性が向上しないので好ましくない。好まし
い方法は、リン酸系化合物の添加後からこれに引き続い
て1時間以上、好ましくは1〜20時間の間、300℃
以上、好ましくは300℃〜400℃の温度範囲に保持
する方法である。
300℃以上、好ましくは300〜400℃の温度で少
なくとも1時間、好ましくは1〜20時間保持すること
が肝要である。300℃以上の工程は、溶融重合または
それに続く重合物の固体多分散体化工程のいずれかであ
ってもよい。要は、リン酸系化合物を添加した後の溶融
重合工程あるいは固体多分散体化工程のいずれかにおい
て300℃以上の温度で少なくとも1時間保持するので
ある。1時間以上保持しても300℃未満の温度である
場合、300℃以上であっても1時間未満の保持時間で
ある場合または300℃未満であって1時間未満の保持
時間である場合には、得られた成形品について耐オーブ
ンブリスター性が向上しないので好ましくない。好まし
い方法は、リン酸系化合物の添加後からこれに引き続い
て1時間以上、好ましくは1〜20時間の間、300℃
以上、好ましくは300℃〜400℃の温度範囲に保持
する方法である。
【0027】添加するリン酸系化合物は、リン酸、亜リ
ン酸、その有機エステル誘導体またはこれらの混合物が
例示される。有機エステル誘導体としては、具体的には
アルキルホスファイト、アリールホスファイト、アリカ
リールホスファイト、アルキルアリールホスファイト、
ジアルキルペンタエリトリトールジホスファイト、ジア
リルペンタエリトリトールジホスファイト、ジアルカリ
ールペンタエリトリトールジホスファイト、ジアルキル
アリールペンタエリトリトールジホスファイト、アルキ
ルホスフェート、アリールホスフェート、アルカリール
ホスフェート、アルキルアリールホスフェートおよびこ
れらの混合物がある。そしてこれらの有機エステル誘導
体はモノエステル、ジエステル、トリエステルであるこ
とができる。
ン酸、その有機エステル誘導体またはこれらの混合物が
例示される。有機エステル誘導体としては、具体的には
アルキルホスファイト、アリールホスファイト、アリカ
リールホスファイト、アルキルアリールホスファイト、
ジアルキルペンタエリトリトールジホスファイト、ジア
リルペンタエリトリトールジホスファイト、ジアルカリ
ールペンタエリトリトールジホスファイト、ジアルキル
アリールペンタエリトリトールジホスファイト、アルキ
ルホスフェート、アリールホスフェート、アルカリール
ホスフェート、アルキルアリールホスフェートおよびこ
れらの混合物がある。そしてこれらの有機エステル誘導
体はモノエステル、ジエステル、トリエステルであるこ
とができる。
【0028】より具体的には、ジイソオクチルホスファ
イト、ジステアリルホスファイト、トリイソデシルホス
ファイト、トリイソオクチルホスファイト、トリラウリ
ルホスファイト、ジフェニルホスファイト、トリスノニ
ルフェニルホスファイト、トリフェニルホスファイト、
ジフェニルイソデシルホスファイト、ジフェニルイソオ
クチルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイ
ト、ジイソデシルペンタエリスルトールジホスファイ
ト、テトラフェニルジプロピレングリコールジホスファ
イト、ポリ(ジプロピレングリコール)フェニルホスフ
ァイト、ジラウリルホスファイト、エチルヘキシルジフ
ェニルホスファイト、フェニルネオペンチルグリコール
ホスファイト、ジイソオクチルオクチルフェニルホスフ
ァイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファ
イト、ジ(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニ
ル)ペンタエリトールジホスファイト、トリアリールホ
スフェート、トリ−n−アミルホスフェート、トリ−n
−プチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、ト
リエチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリ
オクチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、ト
リ−2−プトキシエチルホスフェート、トリ−2−クロ
ロエチルホスフェート、トリ−2−エチルヘキシルホス
フェート、トリベンジルホスフェート、ジベンジルホス
フェート、ジ−n−ブチルホスフェート、ジドデシルホ
スフェート、ジエチルホスフェート、ジイソプロピルホ
スフェート、ジメチルホスフェート、ジフェニルホスフ
ェート、ジ−iso−プロピルホスフェート、ジセチル
ホスフェート、ジ−n−デシルホスフェート、ジ−2−
エチルヘキシルホスフェート、ジヘキサデシルホスフェ
ート、ジフェニルクレジルホスフェート、フェニル−2
−エチルヘキシルホスフェート、エチルホスフェート、
2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、2−エチ
ルヘキシルホスフェート、イソプロピルホスフェート、
メチルホスフェート、オクチルホスフェート、イソプロ
ピルホスフェートなどが例示される。
イト、ジステアリルホスファイト、トリイソデシルホス
ファイト、トリイソオクチルホスファイト、トリラウリ
ルホスファイト、ジフェニルホスファイト、トリスノニ
ルフェニルホスファイト、トリフェニルホスファイト、
ジフェニルイソデシルホスファイト、ジフェニルイソオ
クチルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイ
ト、ジイソデシルペンタエリスルトールジホスファイ
ト、テトラフェニルジプロピレングリコールジホスファ
イト、ポリ(ジプロピレングリコール)フェニルホスフ
ァイト、ジラウリルホスファイト、エチルヘキシルジフ
ェニルホスファイト、フェニルネオペンチルグリコール
ホスファイト、ジイソオクチルオクチルフェニルホスフ
ァイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファ
イト、ジ(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニ
ル)ペンタエリトールジホスファイト、トリアリールホ
スフェート、トリ−n−アミルホスフェート、トリ−n
−プチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、ト
リエチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリ
オクチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、ト
リ−2−プトキシエチルホスフェート、トリ−2−クロ
ロエチルホスフェート、トリ−2−エチルヘキシルホス
フェート、トリベンジルホスフェート、ジベンジルホス
フェート、ジ−n−ブチルホスフェート、ジドデシルホ
スフェート、ジエチルホスフェート、ジイソプロピルホ
スフェート、ジメチルホスフェート、ジフェニルホスフ
ェート、ジ−iso−プロピルホスフェート、ジセチル
ホスフェート、ジ−n−デシルホスフェート、ジ−2−
エチルヘキシルホスフェート、ジヘキサデシルホスフェ
ート、ジフェニルクレジルホスフェート、フェニル−2
−エチルヘキシルホスフェート、エチルホスフェート、
2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、2−エチ
ルヘキシルホスフェート、イソプロピルホスフェート、
メチルホスフェート、オクチルホスフェート、イソプロ
ピルホスフェートなどが例示される。
【0029】リン酸系化合物の添加量は単量体の純度に
も依存し、単量体が純粋であるほど希望する結果を得る
ための添加量は少量とすることができ、通常その添加量
は、仕込んだ単量体の全モル量に対し、0.0001〜
5モル%であるが、特に好ましくは0.001〜1モル
%である。
も依存し、単量体が純粋であるほど希望する結果を得る
ための添加量は少量とすることができ、通常その添加量
は、仕込んだ単量体の全モル量に対し、0.0001〜
5モル%であるが、特に好ましくは0.001〜1モル
%である。
【0030】さらに本発明の効果を阻害または低下させ
ない不活性なものであれば安定剤、着色剤、充填剤など
を添加して重合することも可能である。このような充填
剤としては例えばシリカ、粉末石英、もしくは砂、ヒュ
ームドシリカ、炭化珪素、酸化アルミニウム、ガラス繊
維などがあげられる。
ない不活性なものであれば安定剤、着色剤、充填剤など
を添加して重合することも可能である。このような充填
剤としては例えばシリカ、粉末石英、もしくは砂、ヒュ
ームドシリカ、炭化珪素、酸化アルミニウム、ガラス繊
維などがあげられる。
【0031】固体多分散体化工程により所望の重合度の
高重合体が得られる。本発明方法により製造される全芳
香族ポリエステルの分子量は1000〜72000、好
適には3500〜25000である。
高重合体が得られる。本発明方法により製造される全芳
香族ポリエステルの分子量は1000〜72000、好
適には3500〜25000である。
【0032】本発明の溶融重合工程は、有機溶剤を用い
ないことやポリマーの回収、経済性などの点からも好ま
しい重合方法である。
ないことやポリマーの回収、経済性などの点からも好ま
しい重合方法である。
【0033】ここで、上記の固体多分散体化工程により
得られた重合体の重合度が不十分な場合には、得られた
粉末状またはフレーク状の固体多分散体としての重合体
を、さらに機械的に粉砕しまたは粉砕することなくその
まま、同一または別個の固相重合槽で、互いに固体が融
着しない温度でさらに固相重合させることもできる。機
械粉砕のほか、押出機を直結してペレット化してこれを
固相重合に供することもできる。別個の重合槽を使用す
るときは、多段式オーブン、回転加熱用ドラム、たとえ
ばロータリーオーブンなどを使用することができる。な
お、固体多分散体化工程を経た後であるならば、得られ
た固体をたとえ室温程度まで冷却しても重合体の物性に
悪影響を及ぼさない。
得られた重合体の重合度が不十分な場合には、得られた
粉末状またはフレーク状の固体多分散体としての重合体
を、さらに機械的に粉砕しまたは粉砕することなくその
まま、同一または別個の固相重合槽で、互いに固体が融
着しない温度でさらに固相重合させることもできる。機
械粉砕のほか、押出機を直結してペレット化してこれを
固相重合に供することもできる。別個の重合槽を使用す
るときは、多段式オーブン、回転加熱用ドラム、たとえ
ばロータリーオーブンなどを使用することができる。な
お、固体多分散体化工程を経た後であるならば、得られ
た固体をたとえ室温程度まで冷却しても重合体の物性に
悪影響を及ぼさない。
【0034】上記の固相重合は、場合によって減圧下で
行いうる。より容易に重合を進行させるには窒素流通下
で行うとよい。また乾燥空気を流すことにより架橋され
高重合度の重合体を得ることもできる。ペレットの場合
には、減圧下で温度を上昇させ高分子量化することが好
ましい。この場合固相重合をできるだけ均一に行うため
にはペレットの直径を2mm以下にすることが好まし
い。重合温度は、200〜400℃、好ましくは250
〜380℃である。
行いうる。より容易に重合を進行させるには窒素流通下
で行うとよい。また乾燥空気を流すことにより架橋され
高重合度の重合体を得ることもできる。ペレットの場合
には、減圧下で温度を上昇させ高分子量化することが好
ましい。この場合固相重合をできるだけ均一に行うため
にはペレットの直径を2mm以下にすることが好まし
い。重合温度は、200〜400℃、好ましくは250
〜380℃である。
【0035】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳述す
る。
る。
【0036】実施例1 いかり型攪拌翼を有し重合槽の槽壁と攪拌翼とのクリア
ランスの小さい重合槽にパラヒドロキシ安息香酸552
g、テレフタル酸332g、4,4’−ジヒドロキシジ
フェニル372g、無水酢酸916gを入れ窒素を導入
して混合し、150℃で3時間還流し、その後昇温させ
酢酸を留去しながら温度を280℃まで昇温させ45分
間保持した。そして300℃まで昇温し30分間保持し
さらに320℃まで昇温、保持した。酢酸の留出量が理
論留出量の93%になった時点でジステアリルペンタエ
リトリトールジホスファイト1.25g投入した。その
後トルクは上昇し、攪拌動力を上げ攪拌停止させること
なくそのまま保持した。ジステアリルペンタエリトリト
ールジホスファイト投入後そのまま3時間保持した後に
槽内物質を取り出したところ、フレーク状となってい
た。
ランスの小さい重合槽にパラヒドロキシ安息香酸552
g、テレフタル酸332g、4,4’−ジヒドロキシジ
フェニル372g、無水酢酸916gを入れ窒素を導入
して混合し、150℃で3時間還流し、その後昇温させ
酢酸を留去しながら温度を280℃まで昇温させ45分
間保持した。そして300℃まで昇温し30分間保持し
さらに320℃まで昇温、保持した。酢酸の留出量が理
論留出量の93%になった時点でジステアリルペンタエ
リトリトールジホスファイト1.25g投入した。その
後トルクは上昇し、攪拌動力を上げ攪拌停止させること
なくそのまま保持した。ジステアリルペンタエリトリト
ールジホスファイト投入後そのまま3時間保持した後に
槽内物質を取り出したところ、フレーク状となってい
た。
【0037】このフレーク状物質を粉砕機により粉砕
し、ロータリーオーブン中に移送し200℃から350
℃まで1℃/分で昇温し350℃で3時間保持し、冷却
して重合体を得た。
し、ロータリーオーブン中に移送し200℃から350
℃まで1℃/分で昇温し350℃で3時間保持し、冷却
して重合体を得た。
【0038】得られた重合体とミルドガラスファイバー
を60/40重量比でコンパウンドし、400℃で射出
成形した。成形した試験片により熱変形温度測定を行っ
たところ荷重18.6kgf/cm2で330℃であっ
た。また、エアーオーブン中で10℃間隔で2時間づつ
温度上昇することにより試験片のオーブンブリスター発
生試験を行ったところ340℃で発生した。
を60/40重量比でコンパウンドし、400℃で射出
成形した。成形した試験片により熱変形温度測定を行っ
たところ荷重18.6kgf/cm2で330℃であっ
た。また、エアーオーブン中で10℃間隔で2時間づつ
温度上昇することにより試験片のオーブンブリスター発
生試験を行ったところ340℃で発生した。
【0039】実施例2 重合槽にパラヒドロキシ安息香酸552g、テレフタル
酸332g、4,4’−ジヒドロキシジフェニル372
g、無水酢酸916gを入れ窒素を導入して混合し、1
50℃で3時間還流し、その後昇温させ酢酸を留去しな
がら温度を260℃まで昇温させ30分間保持した。2
60℃に予熱し、窒素流通下で2軸タイプニーダー中に
溶融物を入れ、高剪断下で昇温させながら酢酸を留出さ
せながら330℃まで昇温、保持した。酢酸の留出量が
理論留出量の93%になった時点でジステアリルペンタ
エリトリトールジホスファイト1.25g投入した。ジ
ステアリルペンタエリトリトールジホスファイト投入後
そのまま3時間保持したのち槽内物質をサンプリングし
たところ粉末状となっていた。さらに330℃で2時間
保持し、350℃まで1℃/分で昇温して350℃で3
時間保持した後冷却して重合体を得た。
酸332g、4,4’−ジヒドロキシジフェニル372
g、無水酢酸916gを入れ窒素を導入して混合し、1
50℃で3時間還流し、その後昇温させ酢酸を留去しな
がら温度を260℃まで昇温させ30分間保持した。2
60℃に予熱し、窒素流通下で2軸タイプニーダー中に
溶融物を入れ、高剪断下で昇温させながら酢酸を留出さ
せながら330℃まで昇温、保持した。酢酸の留出量が
理論留出量の93%になった時点でジステアリルペンタ
エリトリトールジホスファイト1.25g投入した。ジ
ステアリルペンタエリトリトールジホスファイト投入後
そのまま3時間保持したのち槽内物質をサンプリングし
たところ粉末状となっていた。さらに330℃で2時間
保持し、350℃まで1℃/分で昇温して350℃で3
時間保持した後冷却して重合体を得た。
【0040】得られた重合体とミルドガラスファイバー
を60/40重量比でコンパウンドし、400℃で射出
成形した。成形した試験片により熱変形温度測定を行っ
たところ荷重18.6kgf/cm2で320℃であっ
た。また、エアーオーブン中で10℃間隔で2時間ずつ
温度上昇することにより試験片のブリスター発生試験を
行ったところ360℃で発生した。
を60/40重量比でコンパウンドし、400℃で射出
成形した。成形した試験片により熱変形温度測定を行っ
たところ荷重18.6kgf/cm2で320℃であっ
た。また、エアーオーブン中で10℃間隔で2時間ずつ
温度上昇することにより試験片のブリスター発生試験を
行ったところ360℃で発生した。
【0041】実施例3 実施例2と同じ仕込みおよび工程で、投入するリン系化
合物をジ(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニ
ル)ペンタエリトールジホスファイトに変えて行った。
合物をジ(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニ
ル)ペンタエリトールジホスファイトに変えて行った。
【0042】得られた重合体とミルドガラスファイバー
を60/40重量比でコンパウンドし、400℃で射出
成形した。成形した試験片により熱変形温度測定を行っ
たところ荷重18.6kgf/cm2で325℃であっ
た。また、エアーオーブン中で10℃間隔で2時間ずつ
温度上昇することにより試験片のブリスター発生試験を
行ったところ360℃で発生した。
を60/40重量比でコンパウンドし、400℃で射出
成形した。成形した試験片により熱変形温度測定を行っ
たところ荷重18.6kgf/cm2で325℃であっ
た。また、エアーオーブン中で10℃間隔で2時間ずつ
温度上昇することにより試験片のブリスター発生試験を
行ったところ360℃で発生した。
【0043】比較例1 実施例1と同じ仕込みおよび工程でジステアリルペンタ
エリトリトールジホスファイトを投入しない方法で行っ
た。
エリトリトールジホスファイトを投入しない方法で行っ
た。
【0044】得られた重合体とミルドガラスファイバー
を60/40重量比でコンパウンドし、400℃で射出
成形を試みたが、成形が困難であり430℃で成形し
た。成形した試験片により熱変形温度測定を行ったとこ
ろ荷重18.6kgf/cm2で340℃であった。ま
た、エアーオーブン中で10℃間隔で2時間ずつ温度上
昇することにより試験片のブリスター発生試験を行った
ところ280℃でブリスターが発生した。
を60/40重量比でコンパウンドし、400℃で射出
成形を試みたが、成形が困難であり430℃で成形し
た。成形した試験片により熱変形温度測定を行ったとこ
ろ荷重18.6kgf/cm2で340℃であった。ま
た、エアーオーブン中で10℃間隔で2時間ずつ温度上
昇することにより試験片のブリスター発生試験を行った
ところ280℃でブリスターが発生した。
【0045】比較例2 実施例2と同じ仕込みおよび工程でジステアリルペンタ
エリトリトールジホスファイトを投入しない方法で行っ
た。
エリトリトールジホスファイトを投入しない方法で行っ
た。
【0046】得られた重合体とミルドガラスファイバー
を60/40重量比でコンパウンドし、400℃で射出
成形を試みたが、成形が困難であり430℃で成形し
た。成形した試験片により熱変形温度測定を行ったとこ
ろ荷重18.6kgf/cm2で345℃であった。ま
た、エアーオーブン中で10℃間隔で2時間ずつ温度上
昇することにより試験片のブリスター発生試験を行った
ところ290℃でブリスターが発生した。
を60/40重量比でコンパウンドし、400℃で射出
成形を試みたが、成形が困難であり430℃で成形し
た。成形した試験片により熱変形温度測定を行ったとこ
ろ荷重18.6kgf/cm2で345℃であった。ま
た、エアーオーブン中で10℃間隔で2時間ずつ温度上
昇することにより試験片のブリスター発生試験を行った
ところ290℃でブリスターが発生した。
【0047】実施例1と同じ重合槽にパラヒドロキシ安
息香酸552g、テレフタル酸332g、4,4’−ジ
ヒドロキシジフェニル372g、無水酢酸916gを入
れ窒素を導入して混合し、150℃で3時間還流し、そ
の後昇温させ酢酸を留去しながら温度を280℃まで昇
温させ45分間保持した。そして300℃まで昇温し3
0分間保持しさらに320℃まで昇温、保持した。酢酸
の留出量が93%になった時点でジステアリルペンタエ
リトリトールジホスファイト1.25g投入し、10分
後に槽内流動物質を抜き出し室温まで冷却した。冷却し
た物質を粉砕機により粉砕し、ロータリーオーブン中に
移送し200℃から350℃まで1℃/分で昇温し35
0℃で4時間保持し、冷却して重合体を得た。
息香酸552g、テレフタル酸332g、4,4’−ジ
ヒドロキシジフェニル372g、無水酢酸916gを入
れ窒素を導入して混合し、150℃で3時間還流し、そ
の後昇温させ酢酸を留去しながら温度を280℃まで昇
温させ45分間保持した。そして300℃まで昇温し3
0分間保持しさらに320℃まで昇温、保持した。酢酸
の留出量が93%になった時点でジステアリルペンタエ
リトリトールジホスファイト1.25g投入し、10分
後に槽内流動物質を抜き出し室温まで冷却した。冷却し
た物質を粉砕機により粉砕し、ロータリーオーブン中に
移送し200℃から350℃まで1℃/分で昇温し35
0℃で4時間保持し、冷却して重合体を得た。
【0048】得られた重合体とミルドガラスファイバー
を60/40重量比でコンパウンドし、400℃で射出
成形を試みたが、成形が困難であり420℃で成形し
た。成形した試験片により熱変形温度測定を行ったとこ
ろ荷重18.6kgf/cm2で350℃であった。ま
た、エアーオーブン中で10℃間隔で2時間ずつ温度上
昇することにより試験片のフリスター発生試験を行った
ところ290℃でブリスターが発生した。
を60/40重量比でコンパウンドし、400℃で射出
成形を試みたが、成形が困難であり420℃で成形し
た。成形した試験片により熱変形温度測定を行ったとこ
ろ荷重18.6kgf/cm2で350℃であった。ま
た、エアーオーブン中で10℃間隔で2時間ずつ温度上
昇することにより試験片のフリスター発生試験を行った
ところ290℃でブリスターが発生した。
【0049】比較例4(成形性向上のためイソフタル酸
を共重合させた例) 実施例1と同種の重合槽にパラヒドロキシ安息香酸62
5g、テレフタル酸200g、イソフタル酸66.5
g、4,4’−ジヒドロキシジフェニル301g、無水
酢酸963gを入れ窒素を導入・混合し、150℃で3
時間還流し、その後昇温させ酢酸を留去しながら温度を
280℃まで昇温させ45分間保持した。そして300
℃まで昇温し45分間保持しさらに330℃まで昇温、
40分保持した、槽内が溶融状態である流動物質を抜き
出しこれを室温まで冷却した。冷却した物質を粉砕機に
より粉砕し、ロータリーオーブン中に移送し200℃か
ら320℃まで0.5℃/分で昇温し320℃で4時間
保持し、冷却して重合体を得た。
を共重合させた例) 実施例1と同種の重合槽にパラヒドロキシ安息香酸62
5g、テレフタル酸200g、イソフタル酸66.5
g、4,4’−ジヒドロキシジフェニル301g、無水
酢酸963gを入れ窒素を導入・混合し、150℃で3
時間還流し、その後昇温させ酢酸を留去しながら温度を
280℃まで昇温させ45分間保持した。そして300
℃まで昇温し45分間保持しさらに330℃まで昇温、
40分保持した、槽内が溶融状態である流動物質を抜き
出しこれを室温まで冷却した。冷却した物質を粉砕機に
より粉砕し、ロータリーオーブン中に移送し200℃か
ら320℃まで0.5℃/分で昇温し320℃で4時間
保持し、冷却して重合体を得た。
【0050】得られた重合体とミルドガラスファイバー
を60/40重量比でコンパウンドし、400℃で射出
成形した。成形した試験片により熱変形温度測定を行っ
たところ荷重18.6kgf/cm2で300℃であっ
た。また、エアーオーブン中で10℃間隔で2時間ずつ
温度上昇することにより試験片のブリスター発生試験を
行ったところ270℃でブリスターが発生した。
を60/40重量比でコンパウンドし、400℃で射出
成形した。成形した試験片により熱変形温度測定を行っ
たところ荷重18.6kgf/cm2で300℃であっ
た。また、エアーオーブン中で10℃間隔で2時間ずつ
温度上昇することにより試験片のブリスター発生試験を
行ったところ270℃でブリスターが発生した。
【0051】実施例4(比較例4と同じモノマー構成で
本発明に従った例) 実施例2と同種の重合槽にパラヒドロキシ安息香酸62
5g、テレフタル酸200g、イソフタル酸66.5
g、4,4’−ジヒドロキシジフェニル301g、無水
酢酸963gを入れ、実施例2と同じ工程により窒素流
通下で2軸タイプニーダー中に溶融物を入れ、高剪断下
で昇温させながら酢酸を留出させながら320℃まで昇
温、保持した。酢酸の留出量が97%になった時点でジ
ステアリルペンタエリトリトールジホスファイト1.2
5g投入した。ジステアリルペンタエリトリトールジホ
スファイト投入後そのまま3時間保持したのち冷却し槽
内物質を取り出したところ粉末状となっていた。この粉
末物質をロータリーオーブン中に移送し200℃から3
20℃まで0.5℃/分で昇温し320℃で2時間保持
し、冷却して重合体を得た。
本発明に従った例) 実施例2と同種の重合槽にパラヒドロキシ安息香酸62
5g、テレフタル酸200g、イソフタル酸66.5
g、4,4’−ジヒドロキシジフェニル301g、無水
酢酸963gを入れ、実施例2と同じ工程により窒素流
通下で2軸タイプニーダー中に溶融物を入れ、高剪断下
で昇温させながら酢酸を留出させながら320℃まで昇
温、保持した。酢酸の留出量が97%になった時点でジ
ステアリルペンタエリトリトールジホスファイト1.2
5g投入した。ジステアリルペンタエリトリトールジホ
スファイト投入後そのまま3時間保持したのち冷却し槽
内物質を取り出したところ粉末状となっていた。この粉
末物質をロータリーオーブン中に移送し200℃から3
20℃まで0.5℃/分で昇温し320℃で2時間保持
し、冷却して重合体を得た。
【0052】得られた重合体とミルドガラスファイバー
を60/40重量比でコンパウンドし、350℃で安定
に射出成形できた。成形した試験片により熱変形温度測
定を行ったところ荷重18.6kgf/cm2で270
℃であった。また、エアーオーブン中で10℃間隔で2
時間ずつ温度上昇することにより試験片のブリスター発
生試験を行ったところ310℃で発生した。
を60/40重量比でコンパウンドし、350℃で安定
に射出成形できた。成形した試験片により熱変形温度測
定を行ったところ荷重18.6kgf/cm2で270
℃であった。また、エアーオーブン中で10℃間隔で2
時間ずつ温度上昇することにより試験片のブリスター発
生試験を行ったところ310℃で発生した。
【0053】上記の実施例、比較例のそれぞれの結果に
ついて表−1にまとめた。
ついて表−1にまとめた。
【0054】同表の結果によると、本発明の方法に従う
と成形性か良好となり、さらに成形品の耐オーブンブリ
スター性も飛躍的に向上した。
と成形性か良好となり、さらに成形品の耐オーブンブリ
スター性も飛躍的に向上した。
【0055】また、同じく同表の結果から、オーブンブ
リスターの発生温度と、加熱重量損失とは直接の相関関
係はないことが認められる。したがって、前記特開昭5
9−4622号公報の実施例では、加熱重量損失の少な
い重合体が得られることが示されているが、かかる重量
損失の少ない重合体は必ずしもオーブンブリスターの発
生し難い重合体ではないことがわかる。
リスターの発生温度と、加熱重量損失とは直接の相関関
係はないことが認められる。したがって、前記特開昭5
9−4622号公報の実施例では、加熱重量損失の少な
い重合体が得られることが示されているが、かかる重量
損失の少ない重合体は必ずしもオーブンブリスターの発
生し難い重合体ではないことがわかる。
【0056】
【表1】
【0057】
【発明の効果】本発明の方法によれば、成形性が良好と
なり、さらに成形品について耐オーブンブリスター性も
飛躍的に向上する。
なり、さらに成形品について耐オーブンブリスター性も
飛躍的に向上する。
Claims (4)
- 【請求項1】 下記式A,BおよびCに対応する芳香族
ポリエステル前駆体モノマーを重縮合することにより 【化1】 を繰返構成単位とする全芳香族ポリエステルであって式
A:式Bのモル比が10:1〜1:10の範囲にあり、
式B:式Cのモル比が9:10〜10:9の範囲にある
全芳香族ポリエステルを製造する方法において、 溶融重合工程と該工程から得られる重縮合物の重合度を
上げるための固体多分散体化工程とを連続で行い、かつ
反応系内が溶融状態にある間にリン酸系化合物を添加す
ることを特徴とする全芳香族ポリエステルを製造する方
法。 - 【請求項2】 添加するリン酸系化合物がリン酸、亜リ
ン酸、その有機エステルもしくはこれらの混合物である
請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 モノマー転化率が90%以上において、
リン酸系化合物の添加を行う請求項1記載の方法。 - 【請求項4】 リン酸系化合物を添加した後において、
300℃以上の温度に少なくとも1時間保持することを
特徴とする請求項1記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23254392A JP3273199B2 (ja) | 1992-07-17 | 1992-07-17 | 成形性が改良された芳香族ポリエステルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23254392A JP3273199B2 (ja) | 1992-07-17 | 1992-07-17 | 成形性が改良された芳香族ポリエステルの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0632880A true JPH0632880A (ja) | 1994-02-08 |
JP3273199B2 JP3273199B2 (ja) | 2002-04-08 |
Family
ID=16940974
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23254392A Expired - Fee Related JP3273199B2 (ja) | 1992-07-17 | 1992-07-17 | 成形性が改良された芳香族ポリエステルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3273199B2 (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7892450B2 (en) | 2007-04-23 | 2011-02-22 | Ueno Fine Chemicals Industry, Ltd. | Liquid crystalline polymer composition and molded article made of the same |
US8585923B2 (en) | 2010-12-16 | 2013-11-19 | Ueno Fine Chemicals Industry, Ltd. | Wholly aromatic liquid-crystalline polyester resin and composition comprising the same |
US8696932B2 (en) | 2011-07-27 | 2014-04-15 | Ueno Fine Chemicals Industry, Ltd. | Liquid-crystalline polymer composition |
KR20170113240A (ko) | 2016-03-29 | 2017-10-12 | 우에노 세이야쿠 가부시키 가이샤 | 액정 중합체 조성물 |
US11174342B2 (en) | 2019-05-17 | 2021-11-16 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Pellet of liquid crystal polyester resin composition and method of producing pellet of liquid crystal polyester resin composition |
WO2023022083A1 (ja) * | 2021-08-17 | 2023-02-23 | 住友化学株式会社 | 液晶ポリエステル粉末及びその製造方法、液晶ポリエステル組成物、液晶ポリエステルフィルム及びその製造方法、並びに積層体及びその製造方法 |
US12083708B2 (en) | 2019-05-17 | 2024-09-10 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Pellet of liquid crystal polyester resin composition |
-
1992
- 1992-07-17 JP JP23254392A patent/JP3273199B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (10)
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US7892450B2 (en) | 2007-04-23 | 2011-02-22 | Ueno Fine Chemicals Industry, Ltd. | Liquid crystalline polymer composition and molded article made of the same |
US8585923B2 (en) | 2010-12-16 | 2013-11-19 | Ueno Fine Chemicals Industry, Ltd. | Wholly aromatic liquid-crystalline polyester resin and composition comprising the same |
US8696932B2 (en) | 2011-07-27 | 2014-04-15 | Ueno Fine Chemicals Industry, Ltd. | Liquid-crystalline polymer composition |
KR101877572B1 (ko) * | 2011-07-27 | 2018-07-12 | 우에노 세이야쿠 가부시키 가이샤 | 액정 폴리머 조성물 |
KR20170113240A (ko) | 2016-03-29 | 2017-10-12 | 우에노 세이야쿠 가부시키 가이샤 | 액정 중합체 조성물 |
EP3231853A1 (en) | 2016-03-29 | 2017-10-18 | Ueno Fine Chemicals Industry, Ltd. | Liquid crystal polymer composition |
US10125240B2 (en) | 2016-03-29 | 2018-11-13 | Ueno Fine Chemicals Industry, Ltd. | Liquid crystal polymer composition |
US11174342B2 (en) | 2019-05-17 | 2021-11-16 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Pellet of liquid crystal polyester resin composition and method of producing pellet of liquid crystal polyester resin composition |
US12083708B2 (en) | 2019-05-17 | 2024-09-10 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Pellet of liquid crystal polyester resin composition |
WO2023022083A1 (ja) * | 2021-08-17 | 2023-02-23 | 住友化学株式会社 | 液晶ポリエステル粉末及びその製造方法、液晶ポリエステル組成物、液晶ポリエステルフィルム及びその製造方法、並びに積層体及びその製造方法 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3273199B2 (ja) | 2002-04-08 |
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