JPH0632612B2 - アルカリセルラ−ゼ製造法 - Google Patents
アルカリセルラ−ゼ製造法Info
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- JPH0632612B2 JPH0632612B2 JP25938186A JP25938186A JPH0632612B2 JP H0632612 B2 JPH0632612 B2 JP H0632612B2 JP 25938186 A JP25938186 A JP 25938186A JP 25938186 A JP25938186 A JP 25938186A JP H0632612 B2 JPH0632612 B2 JP H0632612B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、アルカリセルラーゼの製造法に関する。
セルラーゼはセルロースとその類似多糖をグルコース、
又はセロビオース、或いはセロオリゴ糖まで分解する酵
素反応を触媒する複雑な酵素系から成り、その作用機構
により、C1酵素、Cx酵素とβ−グルコシダーゼ、或い
はエキソ−β−グルカナーゼ、エンド−β−グルカナー
ゼ、セロビアーゼなどの名称で呼ばれる酵素の総称と理
解されている。長年、セルラーゼ研究の歴史は専らバイ
オマス資源の有効利用を図る目的から進められてきてお
り、例えばトリコデルマ属、アスペルギルス属、アクレ
モニウム属、フミコーラ属などのカビの類にその供給源
を求めてきた。
又はセロビオース、或いはセロオリゴ糖まで分解する酵
素反応を触媒する複雑な酵素系から成り、その作用機構
により、C1酵素、Cx酵素とβ−グルコシダーゼ、或い
はエキソ−β−グルカナーゼ、エンド−β−グルカナー
ゼ、セロビアーゼなどの名称で呼ばれる酵素の総称と理
解されている。長年、セルラーゼ研究の歴史は専らバイ
オマス資源の有効利用を図る目的から進められてきてお
り、例えばトリコデルマ属、アスペルギルス属、アクレ
モニウム属、フミコーラ属などのカビの類にその供給源
を求めてきた。
最近、セルラーゼの新規な産業的用途として、例えば、
衣料用洗浄剤組成物としての用途が開発されつつある。
しかしながら、自然界において微生物の産生するセルラ
ーゼは、上述の微生物起源のものをみるかぎり、大部分
がアルカリpHにおいて失活する不安定性を有する、いわ
ゆる酸性セルラーゼ(最適作用pHが4〜6)であつて、
衣料用洗浄剤組成物としては不適当なものである。また
一方、アルカリ側で最大活性を有し、且つ耐性を有す
る、いわゆるアルカリセルラーゼについてもその探索が
おこなわれているが、その存在は極めて少ないのが実情
である。
衣料用洗浄剤組成物としての用途が開発されつつある。
しかしながら、自然界において微生物の産生するセルラ
ーゼは、上述の微生物起源のものをみるかぎり、大部分
がアルカリpHにおいて失活する不安定性を有する、いわ
ゆる酸性セルラーゼ(最適作用pHが4〜6)であつて、
衣料用洗浄剤組成物としては不適当なものである。また
一方、アルカリ側で最大活性を有し、且つ耐性を有す
る、いわゆるアルカリセルラーゼについてもその探索が
おこなわれているが、その存在は極めて少ないのが実情
である。
すなわち、衣料用洗浄剤組成物として使用し得るアルカ
リセルラーゼを産生する微生物及びこれを取得する方法
に関しては、好アルカリ性微生物起源のアルカリセルラ
ーゼを生産する方法として僅かに、バチルスに属する細
菌を培養して培地よりセルラーゼAを採取する方法(特
公昭50−28515号公報)、セルロモナス属に属す
る細菌を培養してアルカリセルラーゼ301−Aを生産
する方法(特開昭58−224686号公報)、バチル
スNO.1139を培養してカルボキシメチルセルラーゼ
を生産する方法(Horikoshiら、ジヤーナル オブ ジ
エネラル マイクロバイオロジー,131巻,3339
頁(1985年))、及びストレプトマイセス属の種を
用いてアルカリセルラーゼを生産する方法(特開昭61
−19483号公報)が知られているにすぎず、これに
最近本発明者が見出したバチルス エスピー KSM−6
35株を用いるアルカリセルラーゼK、CMCアーゼI及
びCMCアーゼIIの製造方法を加えても十指に満たない報
告しか得られていない。
リセルラーゼを産生する微生物及びこれを取得する方法
に関しては、好アルカリ性微生物起源のアルカリセルラ
ーゼを生産する方法として僅かに、バチルスに属する細
菌を培養して培地よりセルラーゼAを採取する方法(特
公昭50−28515号公報)、セルロモナス属に属す
る細菌を培養してアルカリセルラーゼ301−Aを生産
する方法(特開昭58−224686号公報)、バチル
スNO.1139を培養してカルボキシメチルセルラーゼ
を生産する方法(Horikoshiら、ジヤーナル オブ ジ
エネラル マイクロバイオロジー,131巻,3339
頁(1985年))、及びストレプトマイセス属の種を
用いてアルカリセルラーゼを生産する方法(特開昭61
−19483号公報)が知られているにすぎず、これに
最近本発明者が見出したバチルス エスピー KSM−6
35株を用いるアルカリセルラーゼK、CMCアーゼI及
びCMCアーゼIIの製造方法を加えても十指に満たない報
告しか得られていない。
しかも、これらの方法に用いるほとんどの微生物のアル
カリセルラーゼの発酵生産性が不十分で、工業的に十分
満足のゆく高産生株は得られていなかつた。
カリセルラーゼの発酵生産性が不十分で、工業的に十分
満足のゆく高産生株は得られていなかつた。
すなわち、アルカリセルラーゼ生産菌、特にアルカリCM
Cアーゼ生産菌としてはバチルス属菌の酵素が大半を占
めるがこのうち、例えばバチルス エスピーN1(FERM P
-1138)、N2(FERM P-1139)、N3(FERM P-1140)、および
N4(FERM P-1141)のセルラーゼ生産能は培養(誘導)基
質としてカルボキシメチルセルロース(CMC)を用いて
最高値でも560単位/と推定される(特公昭50−
28515号)にすぎない。またバチルス エスピーN
4の生産するセルラーゼについては、キヤナデイアン
ジヤーナル オブ マイクロバイオロジー,30巻,7
74頁(1984)に記述が認められ、N4株はCMCを炭
素源として、培養液中にいわゆる中性セルラーゼを生産
するがその生産性は低く、又、中性セルラーゼとアルカ
リセルラーゼが同時に生産されているという。更に最
近、福森ら(ジヤーナル オブ ジエネラル マイクロ
バイオロジー131巻,3339頁,1985年)はバ
チルス エスピー NO.1139の生産するアルカリセ
ルラーゼについて詳述しているが、本菌株の生産する当
該酵素の生産性は、基質炭素源(誘導物質)としてCMC
が最も良好であるが、たかだか830単位/を認めて
いるにすぎず、セロビオースでその約半分の生産性しか
ない。
Cアーゼ生産菌としてはバチルス属菌の酵素が大半を占
めるがこのうち、例えばバチルス エスピーN1(FERM P
-1138)、N2(FERM P-1139)、N3(FERM P-1140)、および
N4(FERM P-1141)のセルラーゼ生産能は培養(誘導)基
質としてカルボキシメチルセルロース(CMC)を用いて
最高値でも560単位/と推定される(特公昭50−
28515号)にすぎない。またバチルス エスピーN
4の生産するセルラーゼについては、キヤナデイアン
ジヤーナル オブ マイクロバイオロジー,30巻,7
74頁(1984)に記述が認められ、N4株はCMCを炭
素源として、培養液中にいわゆる中性セルラーゼを生産
するがその生産性は低く、又、中性セルラーゼとアルカ
リセルラーゼが同時に生産されているという。更に最
近、福森ら(ジヤーナル オブ ジエネラル マイクロ
バイオロジー131巻,3339頁,1985年)はバ
チルス エスピー NO.1139の生産するアルカリセ
ルラーゼについて詳述しているが、本菌株の生産する当
該酵素の生産性は、基質炭素源(誘導物質)としてCMC
が最も良好であるが、たかだか830単位/を認めて
いるにすぎず、セロビオースでその約半分の生産性しか
ない。
このように、バチルス属細菌を用いてアルカリセルラー
ゼを生産する方法は通常CMC、あるいは木綿やアビセル
などの炭素源と有機窒素源及び/又は無機窒素源と微量
の金属塩及び無機塩を含む液体培地(通常Na2CO3等でpH
を8〜10に調整)で培養することによりおこなわれて
いるが、その生産性は十分ではなかつた。
ゼを生産する方法は通常CMC、あるいは木綿やアビセル
などの炭素源と有機窒素源及び/又は無機窒素源と微量
の金属塩及び無機塩を含む液体培地(通常Na2CO3等でpH
を8〜10に調整)で培養することによりおこなわれて
いるが、その生産性は十分ではなかつた。
本発明者らはアルカリセルラーゼの生産性向上に関し、
特に発酵培地について鋭意研究を進めて来たが、今般、
炭素源としてキシランを含有する培地中でバチルス属に
属するアルカリセルラーゼ生産菌を培養することにより
アルカリセルラーゼ生産性が顕著に増大することを見い
出し本発明を完成した。
特に発酵培地について鋭意研究を進めて来たが、今般、
炭素源としてキシランを含有する培地中でバチルス属に
属するアルカリセルラーゼ生産菌を培養することにより
アルカリセルラーゼ生産性が顕著に増大することを見い
出し本発明を完成した。
すなわち、本発明はバチルス属に属するアルカリセルラ
ーゼ生産菌をキシランを含有する培地で培養することを
特徴とするアルカリセルラーゼ製造法を提供するもので
ある。
ーゼ生産菌をキシランを含有する培地で培養することを
特徴とするアルカリセルラーゼ製造法を提供するもので
ある。
本発明方法の実施は、バチルス属に属するアルカリセル
ラーゼ生産菌をキシランを含有する培地で培養し、以下
常法に従つてアルカリセルラーゼを分離・精製すること
によりおこなわれる。
ラーゼ生産菌をキシランを含有する培地で培養し、以下
常法に従つてアルカリセルラーゼを分離・精製すること
によりおこなわれる。
本発明において用いられるバチルス属に属するアルカリ
セルラーゼ生産菌の例としては、例えばバチルス エス
ピーN1(FERM P-1138)、バチルス エスピーN2(FERM P
-1139)、バチルス エスピーN3(FERM P-1140)及びバチ
ルス エスピーKSM−635(FERM P-8872)並びにこれら
の変異株等が挙げられる。このうち、特に好ましいもの
としては、バチルス エスピーKSM-635が挙げられる。
この微生物は、栃木県芳賀郡市貝町の土壌から分離取得
されたものであり、以下に示すような菌学的性状を有す
る。
セルラーゼ生産菌の例としては、例えばバチルス エス
ピーN1(FERM P-1138)、バチルス エスピーN2(FERM P
-1139)、バチルス エスピーN3(FERM P-1140)及びバチ
ルス エスピーKSM−635(FERM P-8872)並びにこれら
の変異株等が挙げられる。このうち、特に好ましいもの
としては、バチルス エスピーKSM-635が挙げられる。
この微生物は、栃木県芳賀郡市貝町の土壌から分離取得
されたものであり、以下に示すような菌学的性状を有す
る。
(菌学的性状) 1顕微鏡的観察結果 菌体の大きさは、0.5〜1.2μm×1.5〜4.0μmの桿菌で
あり、菌体の一端に内生胞子(0.7〜1.2μm×1.0〜2.0
μm)を形成する。又、周鞭毛を有して運動性があり、
グラム染色では陽性を示した。
あり、菌体の一端に内生胞子(0.7〜1.2μm×1.0〜2.0
μm)を形成する。又、周鞭毛を有して運動性があり、
グラム染色では陽性を示した。
2各種培地における生育状態 (特にことわりの無い限り、以下において用いる培地
は、Na2CO3が1%添加されている) 肉汁寒天培地 集落の形状は円形であり、集落の表面は偏平状である。
又、集落の色調は白色乃至黄色の半透明であり、光沢が
ある。
は、Na2CO3が1%添加されている) 肉汁寒天培地 集落の形状は円形であり、集落の表面は偏平状である。
又、集落の色調は白色乃至黄色の半透明であり、光沢が
ある。
肉汁液体培地 生育し、混濁する。培地を中性pHにすると、ほとんど生
育しない。
育しない。
7%食塩肉汁液体培地 生育し、混濁する。
肉汁ゼラチン穿刺培養 生育しない。
リトマスミルク培地 ミルクの凝固、ペプトン化は認められず、又培地がアル
カリ性のため、リトマスの変色も認められなかつた。
カリ性のため、リトマスの変色も認められなかつた。
3生理学的性質 硝酸塩の還元及び脱窒反応 硝酸還元するが、脱窒反応は認められない。
MRテスト 培地がアルカリ性のため、メチルレツドの変化は認めら
れず、判定できなかつた。
れず、判定できなかつた。
VPテスト 陽性。
インドールの生成 インドール産生試験用濾紙(「ニツサン」,日水製薬社
製)に対する反応、コバツクの試薬に対する呈色のいず
れに対しても陰性であり、実際上、陰性といえる。
製)に対する反応、コバツクの試薬に対する呈色のいず
れに対しても陰性であり、実際上、陰性といえる。
硫化水素の生成 陰性。
澱粉の加水分解 平板寒天培地、培地A、を4N塩酸で酸性にしても通常
のヨウ素反応による検出法では陰性といえる。又、液体
培地Bにおいても可溶性澱粉の資化性は認められない。
のヨウ素反応による検出法では陰性といえる。又、液体
培地Bにおいても可溶性澱粉の資化性は認められない。
クエン酸の利用 培地B;クエン酸を利用する。
コーサ(シモンズ)のクエン酸寒天平板培地;生育せ
ず。該培地から寒天を除き0.05%の酵母エキスを加えた
液体培地では、クエン酸の資化が認められる。
ず。該培地から寒天を除き0.05%の酵母エキスを加えた
液体培地では、クエン酸の資化が認められる。
クリステンセンの寒天平板培地;生育するが、アルカリ
性のためフエノールレツドの変化なし。
性のためフエノールレツドの変化なし。
培地C;クエン酸を利用しない。培地Cから寒天を除き
0.05%の酵母エキスを加えた液体培地では、クエン酸の
資化が認められる。
0.05%の酵母エキスを加えた液体培地では、クエン酸の
資化が認められる。
無機窒素源の利用 培地D;硝酸、亜硝酸、アンモニアのいずれも陰性から
微弱であり、実質上資化性は認められない。
微弱であり、実質上資化性は認められない。
培地E;微量金属塩類を含有する本培地では、硝酸と亜
硝酸は旺盛に資化される。一方、塩化アンモニウムの利
用性は微弱であるが、リン酸アンモニウムは利用する。
硝酸は旺盛に資化される。一方、塩化アンモニウムの利
用性は微弱であるが、リン酸アンモニウムは利用する。
色素の生成 キングA培地では生育せず。
キングB培地では淡黄色を呈するが、螢光性はなかつ
た。又、ポテトデキストロース寒天培地とマンニツト酵
母エキス寒天培地では生育するが、色素の生成は認めら
れなかつた。
た。又、ポテトデキストロース寒天培地とマンニツト酵
母エキス寒天培地では生育するが、色素の生成は認めら
れなかつた。
ウレアーゼ 培地F;生育せず。培地Fからフエノール・レツドを除
き、本菌を培養後、ネスラー試薬でアンモニアの生成を
確認したが、陰性。
き、本菌を培養後、ネスラー試薬でアンモニアの生成を
確認したが、陰性。
培地G(クリステンセンの尿素培地に酵母エキスを添
加);培地からフエノール・レツドを除き、本菌を培養
後、ネスラー試薬でアンモニアの生成を確認したが、陰
性。又、細胞毒性を予測して、培地Gの尿素濃度を0.1、
0.2、0.5、1.0、2.0%と変化させて試験したが、ウレアー
ゼ活性は陰性であつた。
加);培地からフエノール・レツドを除き、本菌を培養
後、ネスラー試薬でアンモニアの生成を確認したが、陰
性。又、細胞毒性を予測して、培地Gの尿素濃度を0.1、
0.2、0.5、1.0、2.0%と変化させて試験したが、ウレアー
ゼ活性は陰性であつた。
オキシダーゼ 陽性、陰性はつきりせず。
カタラーゼ 陽性 生育の範囲 生育温度範囲は20〜45℃にあり、生育最適温度範囲
は29〜37℃であつた。生育のpH範囲を調べる目的
で、培地WのNa2CO3の濃度を変えて培地の初発pHを変え
て試験したところ、生育pH範囲は8〜11にあり、生育
最適pH範囲は9.5〜10.2であつた。一方、K2CO3で培地の
pHを調整すると、生育量は著しく少なく、生育至適pH
は、約9であつた。
は29〜37℃であつた。生育のpH範囲を調べる目的
で、培地WのNa2CO3の濃度を変えて培地の初発pHを変え
て試験したところ、生育pH範囲は8〜11にあり、生育
最適pH範囲は9.5〜10.2であつた。一方、K2CO3で培地の
pHを調整すると、生育量は著しく少なく、生育至適pH
は、約9であつた。
酸素に対する態度 好気的 O−Fテスト アルカリ性のため変色せず。好気のみ生育する。
糖類の利用性 利用できる炭素源;D−リボース、L−アラビノース、
D−キシロース、D−グルコース、D−マンノース、D
−フラクトース、麦芽糖、シヨ糖、トレハロース、D−
マンニツト、イノシツト、グリセリン 利用できない炭素源;D−ガラクトース、乳糖、D−ソ
ルビツト、デンプン、デキストリン、ラフイノース カゼインの加水分解 寒天平板培地に、菌を生育せしめ、30%トリクロロ酢
酸を流し込んで判定したが、菌体周囲に透明帯を形成せ
ず、カゼインの分解性は陰性と判定した。
D−キシロース、D−グルコース、D−マンノース、D
−フラクトース、麦芽糖、シヨ糖、トレハロース、D−
マンニツト、イノシツト、グリセリン 利用できない炭素源;D−ガラクトース、乳糖、D−ソ
ルビツト、デンプン、デキストリン、ラフイノース カゼインの加水分解 寒天平板培地に、菌を生育せしめ、30%トリクロロ酢
酸を流し込んで判定したが、菌体周囲に透明帯を形成せ
ず、カゼインの分解性は陰性と判定した。
栄養要求性 ビオチン(又はデスチオビオチン)を生育に必要とす
る。
る。
なお、上記のうち、記号の付された培地は次のものを示
す。
す。
培地A:バクトペプトン,1.5;酵母エキス,0.5;可溶
性澱粉,2.0;K2HPO4,0.1;バクト寒天,1.5;MgSO4・
7H2O,0.02;Na2CO3,1.0 培地B:リン酸アンモニウム,0.1;塩化カリウム,0.0
2;酵母エキス,0.05;MgSO4・7H2O,0.02;炭素源,1.
0(濾過滅菌);Na2CO3,1.0 培地C:リン酸アンモニウム,0.1;リン酸二水素カリ
ウム,0.05;クエン酸ナトリウム,0.2;バクト寒天,
1.5;MgSO4・7H2O,0.02;Na2CO3,1.0 培地D:酵母エキス,0.05;Na2SO4,0.1;KH2PO4,0.
1;グルコース,1.0;Na2CO3,1.0;無機窒素源,適当
量* *硝酸ナトリウムは0.25%,亜硝酸ナトリウムは0.2025
%,塩化アンモニウムは0.158%,リン酸アンモニウム
は0.195%(各々0.0412N%に相当)になるように加え
た。
性澱粉,2.0;K2HPO4,0.1;バクト寒天,1.5;MgSO4・
7H2O,0.02;Na2CO3,1.0 培地B:リン酸アンモニウム,0.1;塩化カリウム,0.0
2;酵母エキス,0.05;MgSO4・7H2O,0.02;炭素源,1.
0(濾過滅菌);Na2CO3,1.0 培地C:リン酸アンモニウム,0.1;リン酸二水素カリ
ウム,0.05;クエン酸ナトリウム,0.2;バクト寒天,
1.5;MgSO4・7H2O,0.02;Na2CO3,1.0 培地D:酵母エキス,0.05;Na2SO4,0.1;KH2PO4,0.
1;グルコース,1.0;Na2CO3,1.0;無機窒素源,適当
量* *硝酸ナトリウムは0.25%,亜硝酸ナトリウムは0.2025
%,塩化アンモニウムは0.158%,リン酸アンモニウム
は0.195%(各々0.0412N%に相当)になるように加え
た。
培地E*:酵母エキス,0.05;Na2SO4,0.1;KH2PO4,0.
1;グルコース,1.0;無機窒素源,適当量**;CaCl2・2
H2O,0.05;MnSO4・4〜6H2O,0.001;FeSO4・7H2O,0.
001(濾過滅菌);MgSO4・7H2O,0.02(濾過滅菌);Na
2CO3,1.0 培地F:尿素培地“栄研”(栄研化学社製),指示量;
Na2CO3,1.0 培地G:バクトペプトン,0.1;食塩,0.5;KH2PO4,0.
2;酵母エキス,0.05;グルコース,0.1;尿素,2.0;
フエノール・レツド,0.001;Na2CO3,1.0 *ことわりの無い限り、各成分は全て別滅菌した。
1;グルコース,1.0;無機窒素源,適当量**;CaCl2・2
H2O,0.05;MnSO4・4〜6H2O,0.001;FeSO4・7H2O,0.
001(濾過滅菌);MgSO4・7H2O,0.02(濾過滅菌);Na
2CO3,1.0 培地F:尿素培地“栄研”(栄研化学社製),指示量;
Na2CO3,1.0 培地G:バクトペプトン,0.1;食塩,0.5;KH2PO4,0.
2;酵母エキス,0.05;グルコース,0.1;尿素,2.0;
フエノール・レツド,0.001;Na2CO3,1.0 *ことわりの無い限り、各成分は全て別滅菌した。
**硝酸ナトリウムは0.25%,亜硝酸ナトリウムは0.20
25%,塩化アンモニウムは0.158%,リン酸アンモニウ
ムは0.195%(各々0.0412N%に相当)になるように加
えた。
25%,塩化アンモニウムは0.158%,リン酸アンモニウ
ムは0.195%(各々0.0412N%に相当)になるように加
えた。
また、本発明方法において用いられる培地は、キシラン
を培地中に好ましくは0.1〜5重量%(以下単に%で示
す)、特に0.3〜1%含有する以外は特に制限はなく、
公知の他の成分、例えば窒素源、無機塩等を含有するこ
とができ、更に他の炭素源を配合することもできる。窒
素源の例としては、無機態の硝安、硫安、塩安、リン酸
アンモニウム、更に硝酸ソーダやコーングルテンミー
ル、大豆粉、コーンスチープリカー、カザミノ酸、酵母
エキス類、フアーマメデイア、イワシミール、肉エキ
ス、ペプトン、ハイプロ、アジパワー、コーンソイビー
ンミール、コーヒー粕、綿実油粕、カルチベータ、アミ
フレツクス、アジプロン、ゼスト、アジツクスなどが挙
げられる。無機塩の例としては、リン酸、Mg2+,Ca2+,Mn
2+,Zn2+,Co2+,Na+,K+を含む塩類が挙げられ、また、他
の炭素源の例としては、籾穀、麩、濾紙、一般紙類、お
が屑、などの植物繊維質、廃糖蜜、転化糖、カルボキシ
メチルセルロース(CMC)、アビセル、セルロース綿、
ペクチンに加え、資化し得る炭素源例えば、リボース、
アラビノース、キシロース、グルコース、マンノース、
フラクトース、麦芽糖、シヨ糖、トレハロース、マンニ
ツト、イノシツト、グリセリンや資化し得る有機酸、例
えば、酢酸、クエン酸などが挙げられる。
を培地中に好ましくは0.1〜5重量%(以下単に%で示
す)、特に0.3〜1%含有する以外は特に制限はなく、
公知の他の成分、例えば窒素源、無機塩等を含有するこ
とができ、更に他の炭素源を配合することもできる。窒
素源の例としては、無機態の硝安、硫安、塩安、リン酸
アンモニウム、更に硝酸ソーダやコーングルテンミー
ル、大豆粉、コーンスチープリカー、カザミノ酸、酵母
エキス類、フアーマメデイア、イワシミール、肉エキ
ス、ペプトン、ハイプロ、アジパワー、コーンソイビー
ンミール、コーヒー粕、綿実油粕、カルチベータ、アミ
フレツクス、アジプロン、ゼスト、アジツクスなどが挙
げられる。無機塩の例としては、リン酸、Mg2+,Ca2+,Mn
2+,Zn2+,Co2+,Na+,K+を含む塩類が挙げられ、また、他
の炭素源の例としては、籾穀、麩、濾紙、一般紙類、お
が屑、などの植物繊維質、廃糖蜜、転化糖、カルボキシ
メチルセルロース(CMC)、アビセル、セルロース綿、
ペクチンに加え、資化し得る炭素源例えば、リボース、
アラビノース、キシロース、グルコース、マンノース、
フラクトース、麦芽糖、シヨ糖、トレハロース、マンニ
ツト、イノシツト、グリセリンや資化し得る有機酸、例
えば、酢酸、クエン酸などが挙げられる。
更に必要であれば、無機、有機微量栄養源を適宜選択し
て配合することができる。
て配合することができる。
本発明方法における好ましいアルカリセルラーゼの発酵
生産方法は次の通りである。すなわち、キシランを含有
する培地に、バチルス属に属するアルカリセルラーゼ生
産菌を接種し、公知の方法に従つて培養する。アルカリ
セルラーゼ生産菌としては、バチルス属に属する野生微
生物はもとより、これから導かれる、より高力価の当該
酵素生産性を有する各種変異株等が用いられる。また、
培養は一般に22℃〜40℃、好ましくは26℃〜37
℃で1〜4日振盪又は通気攪拌培養することによりおこ
なわれる。pHは8〜11に調製すると良い結果が得られ
る。発酵生産培地がアルカリ性なので、時として発泡す
るが、適当な消泡剤を適宜添加することによつて解消さ
れる。
生産方法は次の通りである。すなわち、キシランを含有
する培地に、バチルス属に属するアルカリセルラーゼ生
産菌を接種し、公知の方法に従つて培養する。アルカリ
セルラーゼ生産菌としては、バチルス属に属する野生微
生物はもとより、これから導かれる、より高力価の当該
酵素生産性を有する各種変異株等が用いられる。また、
培養は一般に22℃〜40℃、好ましくは26℃〜37
℃で1〜4日振盪又は通気攪拌培養することによりおこ
なわれる。pHは8〜11に調製すると良い結果が得られ
る。発酵生産培地がアルカリ性なので、時として発泡す
るが、適当な消泡剤を適宜添加することによつて解消さ
れる。
斯くして得られた培養物中から目的物質であるアルカリ
セルラーゼの収得は、例えば、後記実施例に示す如く、
一般の酵素の採取及び精製の手段に準じて行うことがで
きる。
セルラーゼの収得は、例えば、後記実施例に示す如く、
一般の酵素の採取及び精製の手段に準じて行うことがで
きる。
すなわち、培養物を遠心分離、又は濾過等によつて菌体
を分離し、その菌体及び培養濾液から通常の分離手段、
例えば、塩析法、等電点沈澱法、溶媒沈澱法(メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール等)によつて蛋白を
沈澱させたり、又、限外濾過(例えばダイアフローメン
ブレンYC、アミコン社製)により濃縮させてアルカリセ
ルラーゼを得る。塩析法では例えば、硫安(30〜70
%飽和画分)、溶媒沈澱では例えば、75%エタノール
中で酵素を沈澱させた後、濾過或いは遠心分離、脱塩す
ることによつてこれを凍結乾燥粉末とすることも可能で
ある。脱塩の方法としては透析又はセフアデツクスG−
25等を用いるゲル濾過法等の一般的方法が用いられ
る。さらに、酵素を精製するには例えば、ヒドロキシア
パタイトクロマトグラフイー、DEAE−セフアデツクス又
はDEAE−セルロース等のイオン交換クロマトグラフイー
及びセフアデツクスやバイオゲルのような分子篩ゲルク
ロマトグラフイーを適宜組み合わせて分別精製すれば良
い。
を分離し、その菌体及び培養濾液から通常の分離手段、
例えば、塩析法、等電点沈澱法、溶媒沈澱法(メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール等)によつて蛋白を
沈澱させたり、又、限外濾過(例えばダイアフローメン
ブレンYC、アミコン社製)により濃縮させてアルカリセ
ルラーゼを得る。塩析法では例えば、硫安(30〜70
%飽和画分)、溶媒沈澱では例えば、75%エタノール
中で酵素を沈澱させた後、濾過或いは遠心分離、脱塩す
ることによつてこれを凍結乾燥粉末とすることも可能で
ある。脱塩の方法としては透析又はセフアデツクスG−
25等を用いるゲル濾過法等の一般的方法が用いられ
る。さらに、酵素を精製するには例えば、ヒドロキシア
パタイトクロマトグラフイー、DEAE−セフアデツクス又
はDEAE−セルロース等のイオン交換クロマトグラフイー
及びセフアデツクスやバイオゲルのような分子篩ゲルク
ロマトグラフイーを適宜組み合わせて分別精製すれば良
い。
本発明方法は、アルカリセルラーゼ生産菌としてバチル
ス エスピーKSM-635(FERM P-8872)を用いた場合に特に
優れた効果を得ることができる。
ス エスピーKSM-635(FERM P-8872)を用いた場合に特に
優れた効果を得ることができる。
バチルス エスピーKSM−635を培養して得られる
アルカリセルラーゼKは、以下に示すような物理化学的
性質を有する新規な酵素である。
アルカリセルラーゼKは、以下に示すような物理化学的
性質を有する新規な酵素である。
(1)作用 本酵素は、カルボキシメチルセルロース(CMC)に作
用するCx酵素活性を有する。しかしながら更に、リン
酸膨潤セルロースにも作用し、作用特異性として結晶性
セルロース(セルロース綿)や結晶性の高いセルロース
であるアビセルに作用する酵素(すなわちアビセラー
ゼ)と濾紙崩壊活性(FPアーゼ)などに代表されるC
1酵素、セロビオースやセロオリゴ糖に作用するβ−グ
ルコシダーゼ活性も有する。また、人工基質であるp−
ニトロフェニルセロビオシドに対しても若干ながら作用
してp−ニトロフェノールを遊離させる。
用するCx酵素活性を有する。しかしながら更に、リン
酸膨潤セルロースにも作用し、作用特異性として結晶性
セルロース(セルロース綿)や結晶性の高いセルロース
であるアビセルに作用する酵素(すなわちアビセラー
ゼ)と濾紙崩壊活性(FPアーゼ)などに代表されるC
1酵素、セロビオースやセロオリゴ糖に作用するβ−グ
ルコシダーゼ活性も有する。また、人工基質であるp−
ニトロフェニルセロビオシドに対しても若干ながら作用
してp−ニトロフェノールを遊離させる。
(2)基質特異性 アルカリセルラーゼKは、キシラン、アミロース、デキ
ストリン、ペクチン、イヌリン、カードランに対し、分
解能力を有しない。アビセラーゼ、及びFPアーゼ活性
(C1活性)は、CMCアーゼ活性の約0.3%であった。
また、人工基質、p−ニトロフェニルセロビオシド分解
活性は、その約1.5〜1.8%である(第1表)。
ストリン、ペクチン、イヌリン、カードランに対し、分
解能力を有しない。アビセラーゼ、及びFPアーゼ活性
(C1活性)は、CMCアーゼ活性の約0.3%であった。
また、人工基質、p−ニトロフェニルセロビオシド分解
活性は、その約1.5〜1.8%である(第1表)。
(3)作用pH及び至適作用pH 本酵素の作用pHは4〜12、至適作用pHは大凡9〜10
に認められる。なお、pH10.5付近にショルダを有する。
に認められる。なお、pH10.5付近にショルダを有する。
(4)安定pH pHの異なる緩衝液の下、40℃で10分間及び30分間
放置した時の安定pHはそれぞれ、4.5〜10.5及び6.8〜1
0である。
放置した時の安定pHはそれぞれ、4.5〜10.5及び6.8〜1
0である。
5℃で放置すると、pH4〜11で少なくても一ケ月は安
定である。
定である。
(5)作用温度範囲及び作用至適温度 本酵素は低温で10℃、高温で65℃の広い範囲で作用
するが、グリシン緩衝液(pH9)の下で20分間反応させ
た時の作用至適温度は約40℃に認められる。
するが、グリシン緩衝液(pH9)の下で20分間反応させ
た時の作用至適温度は約40℃に認められる。
(6)熱安定性 グリシン緩衝液(pH9)の下で、各温度で20分間加熱処
理した結果、本酵素は約40℃では全く失活せず、60
℃で約50%、70℃で約25%の残存活性を有する。
理した結果、本酵素は約40℃では全く失活せず、60
℃で約50%、70℃で約25%の残存活性を有する。
(7)酵素活性測定法 CMCアーゼ活性 CMC(2.5%)0.2ml、0.5Mグリシン緩衝液(pH9.0)0.1m
l、及び脱イオン水0.1mlからなる基質溶液に酵素液0.1m
lを加え、40℃、20分間反応した。反応後、3,5
−ジニトロ−サリチル酸(3,5−dinitro-salicylic
acid(DNS))法にて還元糖の定量を行った。すなわ
ち、反応液0.5mlにDNS試薬1mlを加え、5分間10
0℃で加熱発色させ、冷却後、4.5mlの脱イオン水を加
えて希釈した。これを波長535nmで比色定量した。酵
素力価は、上記の条件下で1分間に1μmolのグルコー
スに相当する還元糖を生成する酵素量を1単位とした。
l、及び脱イオン水0.1mlからなる基質溶液に酵素液0.1m
lを加え、40℃、20分間反応した。反応後、3,5
−ジニトロ−サリチル酸(3,5−dinitro-salicylic
acid(DNS))法にて還元糖の定量を行った。すなわ
ち、反応液0.5mlにDNS試薬1mlを加え、5分間10
0℃で加熱発色させ、冷却後、4.5mlの脱イオン水を加
えて希釈した。これを波長535nmで比色定量した。酵
素力価は、上記の条件下で1分間に1μmolのグルコー
スに相当する還元糖を生成する酵素量を1単位とした。
p−ニトロフェニルセロビオシド分解活性100μmo
lリン酸緩衝液(pH7.0)、0.1μmolp−ニトロフェニルセ
ロビオシド(シグマ社)を含む反応液1.0ml中に適当量
のCMCアーゼを30℃で作用させた後、1M Na2CO3を
0.3ml、脱イオン水を1.7ml順次加え、遊離するp−ニト
ロフェノールを400nmで比色定量した。この条件で1
分間に1μmolのp−ニトロフェノールを遊離させる酵
素量を1単位とした。
lリン酸緩衝液(pH7.0)、0.1μmolp−ニトロフェニルセ
ロビオシド(シグマ社)を含む反応液1.0ml中に適当量
のCMCアーゼを30℃で作用させた後、1M Na2CO3を
0.3ml、脱イオン水を1.7ml順次加え、遊離するp−ニト
ロフェノールを400nmで比色定量した。この条件で1
分間に1μmolのp−ニトロフェノールを遊離させる酵
素量を1単位とした。
アビセラーゼ及びFPアーゼ活性 CMCアーゼ活性測定用反応液2ml中、基質CMCに代
えて20mgのアビセル(メルク社)又は塊状にした、幅
0.5cm、長さ5cmの濾紙片(セルラーゼ活性度検定用濾
紙、東洋NO.51−特)を加え、アビラーゼ及びFPア
ーゼ活性を測定した。この条件で1分間にグルコース換
算で1μmolの還元糖を遊離させる酵素量を1単位とし
た。
えて20mgのアビセル(メルク社)又は塊状にした、幅
0.5cm、長さ5cmの濾紙片(セルラーゼ活性度検定用濾
紙、東洋NO.51−特)を加え、アビラーゼ及びFPア
ーゼ活性を測定した。この条件で1分間にグルコース換
算で1μmolの還元糖を遊離させる酵素量を1単位とし
た。
蛋白定量法は、バイオ・ラド プロテイン アッセイ
キット(バイオ・ラド社)を用いて、牛血清アルブミ
ンを標準蛋白として算出した。
キット(バイオ・ラド社)を用いて、牛血清アルブミ
ンを標準蛋白として算出した。
(8)キレート剤の影響 洗浄用酵素として、その反応組成物であるビルダーの中
でキレート剤に対する耐性は最も重要な因子である。ア
ルカリセルラーゼKをEDTA(0.5mM)、EGTA(0.5m
M)、NTA(0.5mM)、トリポリリン酸(50mg/ml)で
前処理した後、残存活性を測定したところ、全く阻害は
認められない。
でキレート剤に対する耐性は最も重要な因子である。ア
ルカリセルラーゼKをEDTA(0.5mM)、EGTA(0.5m
M)、NTA(0.5mM)、トリポリリン酸(50mg/ml)で
前処理した後、残存活性を測定したところ、全く阻害は
認められない。
(9)プロテアーゼの影響 洗浄組成物として、プロテアーゼは洗浄力を向上せしめ
る作用がある。従つて、プロテアーゼ入り洗浄剤にセル
ラーゼを共存させて、更なる洗浄力の向上を求めるのは
当然である。このことは洗浄剤用セルラーゼがプロテア
ーゼで加水分解せず活性が安定に保持される要件を満た
す必要があるアルカリセルラーゼKは実用されている洗
浄剤用プロテアーゼ(例えば、API−21、マクサタ
ーゼ、アルカラーゼ等)や一般のプロテアーゼ(例え
ば、プロナーゼ)に対して強力な耐性を有している(第
2表)。
る作用がある。従つて、プロテアーゼ入り洗浄剤にセル
ラーゼを共存させて、更なる洗浄力の向上を求めるのは
当然である。このことは洗浄剤用セルラーゼがプロテア
ーゼで加水分解せず活性が安定に保持される要件を満た
す必要があるアルカリセルラーゼKは実用されている洗
浄剤用プロテアーゼ(例えば、API−21、マクサタ
ーゼ、アルカラーゼ等)や一般のプロテアーゼ(例え
ば、プロナーゼ)に対して強力な耐性を有している(第
2表)。
(10)金属等の影響 適当な濃度の2価の金属イオン(Hg2+,Cu2+等)は阻害効
果を与える。モノヨード酢酸、パラマーキュリ安息香酸
によって若干の阻害を受ける。
果を与える。モノヨード酢酸、パラマーキュリ安息香酸
によって若干の阻害を受ける。
(11)界面活性剤の影響 アルカリセルラーゼKは各種界面活性剤、例えば、線状
アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS)、ア
ルキル硫酸エステルナトリウム塩(ES)、ポリオキシ
エチレンアルキル硫酸エステルナトリウム塩(ES)、
α−オレフィンスルホン酸ナトリウム(AOS)、α−
スルフォン化脂肪酸エステルナトリウム塩(α−SF
E)、アルキルスルホン酸ナトリウム(SAS)、ポリ
オキシエチレンセカンダリーアルキルエーテル、脂肪酸
塩(ナトリウム塩)及びジメチルジアルキルアンモニウ
ムクロライド等の界面活性剤によって殆ど活性阻害は受
けなかった。
アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS)、ア
ルキル硫酸エステルナトリウム塩(ES)、ポリオキシ
エチレンアルキル硫酸エステルナトリウム塩(ES)、
α−オレフィンスルホン酸ナトリウム(AOS)、α−
スルフォン化脂肪酸エステルナトリウム塩(α−SF
E)、アルキルスルホン酸ナトリウム(SAS)、ポリ
オキシエチレンセカンダリーアルキルエーテル、脂肪酸
塩(ナトリウム塩)及びジメチルジアルキルアンモニウ
ムクロライド等の界面活性剤によって殆ど活性阻害は受
けなかった。
(12)分子量(ゲルクロマトグラフィー法) 180,000±10,000に最大ピークを有する。
上記したアルカリセルラーゼKの諸性質を公知のセルラ
ーゼと比較すれば次の通りである。
ーゼと比較すれば次の通りである。
アルカリセルラーゼKは、高pH領域に最適pHを有するも
のであり、トリコデルマ属、ペニシリウム属、アスペル
ギルス属(西沢一俊、「セルラーゼ」(東京南江堂、昭
和49年刊))、アクレモニウム属(特公昭59-166081
号)、フミコーラ属(特公昭61-16316号)などに代表さ
れるカビの酸性側に最適pHを有するセルラーゼと区別さ
れるものであることは明らかである。
のであり、トリコデルマ属、ペニシリウム属、アスペル
ギルス属(西沢一俊、「セルラーゼ」(東京南江堂、昭
和49年刊))、アクレモニウム属(特公昭59-166081
号)、フミコーラ属(特公昭61-16316号)などに代表さ
れるカビの酸性側に最適pHを有するセルラーゼと区別さ
れるものであることは明らかである。
また、特公昭50-28515号に開示のアルカリセルラーゼと
比較した場合は、本アルカリセルラーゼが分子量として
18万±1万に最大ピークを有するものであるのに対
し、上記セルラーゼの分子量が1.5万ないし3万、バチ
ルスNO.1139のセルラーゼの分子量が9.2万である点
並びに他の物理化学的性質が異なる点において明らかに
区別される。
比較した場合は、本アルカリセルラーゼが分子量として
18万±1万に最大ピークを有するものであるのに対
し、上記セルラーゼの分子量が1.5万ないし3万、バチ
ルスNO.1139のセルラーゼの分子量が9.2万である点
並びに他の物理化学的性質が異なる点において明らかに
区別される。
キシランが、特にアルカリセルラーゼ生産性に効果を示
す理由については、現在のところ明らかではないが、キ
シラン自体あるいはキシラン中に含有される、ある種の
構造がアルカリ性バチルス属セルラーゼ遺伝子に対し
て、誘導物質(インデユーサー)として作用することに
よるものと考えられる。
す理由については、現在のところ明らかではないが、キ
シラン自体あるいはキシラン中に含有される、ある種の
構造がアルカリ性バチルス属セルラーゼ遺伝子に対し
て、誘導物質(インデユーサー)として作用することに
よるものと考えられる。
次に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明する。な
お、以下の実施例における酵素の活性測定は次の方法に
従つておこなつた。
お、以下の実施例における酵素の活性測定は次の方法に
従つておこなつた。
活性測定法: CMC(2.5%)0.2ml、0.5Mグリシン緩衝液(pH9.0)0.1
ml、及び脱イオン水0.1mlからなる基質溶液に酵素液0.1
mlを加え、40℃、20分間反応した。反応後、3,5
−ジニトロ−サリチル酸(3,5−dinitro-salicylic
acid(DNS))法にて還元糖の定量を行つた。すなわち、
反応液0.5mlにDNS試薬1mlを加え、5分間100℃で加
熱発色させ、冷却後、4.5mlの脱イオン水を加えて希釈
した。これを波長535nmで比色定量した。酵素力価
は、上記の条件下で1分間に1μmolのグルコースに相
当する還元糖を生成する酵素量を1単位とした。
ml、及び脱イオン水0.1mlからなる基質溶液に酵素液0.1
mlを加え、40℃、20分間反応した。反応後、3,5
−ジニトロ−サリチル酸(3,5−dinitro-salicylic
acid(DNS))法にて還元糖の定量を行つた。すなわち、
反応液0.5mlにDNS試薬1mlを加え、5分間100℃で加
熱発色させ、冷却後、4.5mlの脱イオン水を加えて希釈
した。これを波長535nmで比色定量した。酵素力価
は、上記の条件下で1分間に1μmolのグルコースに相
当する還元糖を生成する酵素量を1単位とした。
実施例1 以下に示す基本培地組成に各添加物を加えて調製した培
地にバチルス エスピーKSM−635(FERM P-8872)を
接種し、30℃で3日間振盪培養した。培養終了後、遠
心分離して上澄液を得、この中のアルカリセルラーゼ量
(アルカリCMCアーゼ)をグリシン緩衝液中(pH9.0)で
測定した。この結果を第3表に示す。
地にバチルス エスピーKSM−635(FERM P-8872)を
接種し、30℃で3日間振盪培養した。培養終了後、遠
心分離して上澄液を得、この中のアルカリセルラーゼ量
(アルカリCMCアーゼ)をグリシン緩衝液中(pH9.0)で
測定した。この結果を第3表に示す。
(基本組成) 肉エキス(和光純薬(株))1.5%、酵母エキス(デイ
フコ社)0.5%、KH2PO40.1%、Na2CO30.75%(別滅
菌)。
フコ社)0.5%、KH2PO40.1%、Na2CO30.75%(別滅
菌)。
(結果) 実施例2 肉エキス1.5%、酵母エキス0.5%、Na2CO31%(別滅
菌)、グルコース0.4%及びキシラン0.6%を含む培地に
バチルス エスピーKSM-635(FERM P-8872)を接種し、2
日間振盪培養後遠心分離して上澄液を得た。この上澄液
中のアルカリセルラーゼK量(CMCアーゼ活性として)
をグリシン緩衝液中(pH9.0)で測定したところ、5,200
単位/の高生産性を示した。
菌)、グルコース0.4%及びキシラン0.6%を含む培地に
バチルス エスピーKSM-635(FERM P-8872)を接種し、2
日間振盪培養後遠心分離して上澄液を得た。この上澄液
中のアルカリセルラーゼK量(CMCアーゼ活性として)
をグリシン緩衝液中(pH9.0)で測定したところ、5,200
単位/の高生産性を示した。
実施例3 ハイプロ2%、味液2%、グルコース0.3%、KH2PO40.1
%、Na2CO31%(別滅菌)、キシラン1%を含む培地に
バチルス エスピーKSM-635(FERM P-8872)を接種し、3
0℃で3日間振盪培養した。培養物を遠心分離した後、
得られた上澄液についてアルカリセルラーゼKの生産量
をグリシン緩衝液中(pH9.0)で測定した。この結果、C
MCアーゼ活性として6,620単位/培地の高生産性を得
た。
%、Na2CO31%(別滅菌)、キシラン1%を含む培地に
バチルス エスピーKSM-635(FERM P-8872)を接種し、3
0℃で3日間振盪培養した。培養物を遠心分離した後、
得られた上澄液についてアルカリセルラーゼKの生産量
をグリシン緩衝液中(pH9.0)で測定した。この結果、C
MCアーゼ活性として6,620単位/培地の高生産性を得
た。
叙上の如く、本発明方法によればアルカリセルラーゼの
生産量が2.5〜3倍増加するので、本発明は衣料洗浄剤
添加用アルカリセルラーゼの生産方法として有利なもの
である。
生産量が2.5〜3倍増加するので、本発明は衣料洗浄剤
添加用アルカリセルラーゼの生産方法として有利なもの
である。
Claims (2)
- 【請求項1】バチルス属に属するアルカリセルラーゼ生
産菌をキシランを含有する培地で培養することを特徴と
するアルカリセルラーゼ製造法。 - 【請求項2】アルカリセルラーゼ生産菌がバチルス エ
スピーKSM-635(微工研菌寄第8872号)である特許請求
の範囲第1項記載のアルカリセルラーゼ製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25938186A JPH0632612B2 (ja) | 1986-10-30 | 1986-10-30 | アルカリセルラ−ゼ製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25938186A JPH0632612B2 (ja) | 1986-10-30 | 1986-10-30 | アルカリセルラ−ゼ製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63112981A JPS63112981A (ja) | 1988-05-18 |
JPH0632612B2 true JPH0632612B2 (ja) | 1994-05-02 |
Family
ID=17333340
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25938186A Expired - Lifetime JPH0632612B2 (ja) | 1986-10-30 | 1986-10-30 | アルカリセルラ−ゼ製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0632612B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2232983B (en) * | 1989-06-02 | 1994-01-12 | Kao Corp | Alkaline Cellulases: Bacillas sp.producing the same and process for producing the same |
-
1986
- 1986-10-30 JP JP25938186A patent/JPH0632612B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63112981A (ja) | 1988-05-18 |
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