JPH06317909A - 銀塩拡散転写法により、リトグラフオフセット印刷版を製作する方法 - Google Patents

銀塩拡散転写法により、リトグラフオフセット印刷版を製作する方法

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JPH06317909A JP6035451A JP3545194A JPH06317909A JP H06317909 A JPH06317909 A JP H06317909A JP 6035451 A JP6035451 A JP 6035451A JP 3545194 A JP3545194 A JP 3545194A JP H06317909 A JPH06317909 A JP H06317909A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、銀塩拡散転写法に従い、洗浄水を
使用してオフセット印刷版を作製するための方法を提供
する。 【構成】 洗浄水を、前記露光し、現像した像形成材料
を多くても20m2 洗う前に、及び/又は、水の使用が
24時間を越える以前に、少なくとも15分間、少なく
とも50℃の温度に温める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、銀塩拡散転写法によるリトグラ
フ印刷版を、より生態学的、かつ経済的に製作する方法
に関するものである。
【0002】銀錯体拡散転写反転法(以下DTR法と称
する)の原理は、例えばUS−P2352014及び、
ロンドン及びニューヨークの、フォーカルプレス社版の
Ardre Rott と Edith Weyde による「写真ハロゲ
ン化銀拡散法」なる本(1972年)に記述されてい
る。
【0003】DTR法においては、情報に従って露光さ
れた写真用ハロゲン化銀乳剤層材料の未現像ハロゲン化
銀は、いわゆるハロゲン化銀溶媒で可溶性銀錯化合物に
転化されて、受像材料に拡散せしめられて、そこで、一
般には、物理現像核の存在下において現像主薬によって
還元されて、写真材料の露光面に得られた黒色銀像に対
して、反転された像濃度値を有する銀像(「DTR
像」)を形成する。
【0004】DTR像を担持する材料は、DTR銀像部
分が、水受容性、撥インク性背景上に撥水性、インク受
容性部分を形成する写真印刷版として使用することがで
きる。
【0005】DTR像は、写真用ハロゲン化銀乳剤材料
(所謂、二シートDTR要素)に対して別の要素である
シート材料またはウエブ材料の受像層に、あるいは、そ
れと水透過性関係にある受像層と一体になっている少な
くとも1種類の写真用ハロゲン化銀乳剤層を含む所謂単
一支持体要素、また単一シート要素とも称するものの受
像層に形成することができる。DTR法によるオフセッ
ト印刷版の製造に好ましいのは後者の方の単一シート型
である。
【0006】2種類の単一シートDTRオフセット印刷
版が存在する。例えばUS−P4722535とGB−
P1241661に記載されている第一の種類によれ
ば、支持体はハロゲン化銀乳剤層と、受像層の役目をす
る物理現像核を含む層をこの順序で具備している。情報
に従って露光され現像された後、像形成された材料は乳
剤層を除去せずに印刷版として使用される。
【0007】第二の種類の単一シートDTRオフセット
印刷版によれば、殆どが陽極酸化処理したアルミニウム
である親水性支持体は、物理現像核とハロゲン化銀乳剤
層を、この順序で具備している。情報に従った露光と現
像の後、像形成した材料は水洗して、乳剤層を除去し、
銀像を担持する支持体が残り、これが印刷版として使用
される。この種のリトグラフ印刷版は例えばUS−P3
511656に記載されている。
【0008】生態学的かつ経済的理由から、また便利の
ために、洗浄水は出来るだけ多くの像形成した材料を洗
浄するために再使用しうることが望ましい。しかし、前
記洗浄水が長時間に亘って幾つかの像形成材料の処理に
使用される場合は、該洗浄水は例えば、ゼラチンによっ
て汚濁されることになる。これが菌類や細菌の成長を開
始させることになり、ゼラチンの分解の原因となりか
つ、不快臭の原因となる。
【0009】親水性ベースを有する像形成材料からリト
グラフ印刷版を製造するための生態学的、経済的、かつ
便利な方法を提供するのが本発明の一つの目的である。
【0010】洗浄水の寿命と能力を延ばすための方法を
提供することは本発明のもう一つの目的である。
【0011】本発明の更にこの他の幾つかの目的は、以
後の説明から明白となるだろう。
【0012】本発明によれば、下記の各工程を含む銀塩
拡散転写法によるオフセット印刷版製造のための方法が
提供される。すなわち、 − (i) 親水性ベースと、(ii)物理現像核を含む受像
層、及び(iii) ハロゲン化銀乳剤層をこの順序で含んで
いる像形成材料を情報に従って露光する工程、 − 少なくとも1種類の現像主薬と、少なくとも1種の
ハロゲン化銀溶媒の存在下において、アルカリ性処理水
溶液を用いて、前記情報に従って露光した像形成材料を
現像して、前記親水性支持体上に銀像を得る工程、及
び、 − 洗浄水で洗浄することによって、前記ハロゲン化銀
乳剤層及び前記銀像上の任意の層を除去し、前記銀像を
露出させる工程、を含み、該方法の特徴は、前記露光し
かつ現像した像形成材料の多くても20m2 を洗う前、
及び/又は、洗浄水の使用が24時間を越える以前に、
少なくとも15分間、少なくとも50℃の温度に温める
ことにある。
【0013】リトグラフ印刷版が、前記露光しかつ現像
した像形成材料(以後「像形成した材料」という)の多
くても20m2 を洗う前、及び/又は、洗浄水の使用が
24時間を越える以前に、少なくとも15分間、少なく
とも50℃の温度に温めた洗浄水の使用によって良好な
印刷特性を有しかつ、生態学的、経済的しかも好都合に
DTR法によって得られる。しかし、洗浄水の再使用
は、洗浄水を、すぐに、または長時間または、十分高温
に温めなければ、僅かな像形成材料処理後の不快臭の発
生のため著しく制限される。好ましくは、洗浄水は、少
なくとも5m2 の像形成材料を洗う日毎くに少なくとも
1回、好ましくは少なくとも毎日1回温める。
【0014】好ましい一つの実施態様においては、洗浄
水は、2時間ないし20分間、50℃ないし80℃の温
度に、更に好ましくは少なくとも30分間、特に、80
分ないし30分間、55℃ないし70℃の温度まで、極
めて好ましくは、60分ないし30分間、60℃ないし
67℃の温度に温める。
【0015】洗浄水は、如何なる種類の水、好ましくは
普通の水源、例えば水道水で給水した水でよい。
【0016】経済的見地から、リトグラフ印刷版の各製
造工程は、出来るだけ早く実施することが重要なことで
ある。本発明において使用するに適する洗浄水によれ
ば、4ないし30秒、好ましくは5ないし15秒の洗浄
時間は、前記ハロゲン化銀乳剤層及び前記銀像上部の任
意の層の除去ならびに、得られたリス乾板の印刷特性に
対して好結果を与えることが判明した。
【0017】像形成材料は、好ましくは、親水性ベース
上に各種の層を被覆して製造される。或いは各種の層
は、US−P5068165に記載されているように各
層を逆順に保持する仮のベースから前記受像層に積層し
てもよい。
【0018】該親水性ベースは、親水性合成単一重合体
または共重合体を含有しかつ、可撓性の疎水性支持体上
に被覆した加水分解したオルトケイ酸テトラアルキル架
橋剤で硬化された親水性層であってもよい。更に好まし
くは、該親水性ベースはアルミニウム支持体である。
【0019】本発明に従って使用するための、像形成材
料のアルミニウム支持体は純アルミニウムまたはアルミ
ニウム分が少なくとも95%であるアルミニウム合金で
作ることができる。支持体の厚は普通、約0.13ない
し約0.50mmの範囲である。
【0020】リトグラフオフセット印刷用のアルミニウ
ム箔またはアルミニウム合金箔の製造には下記の工程、
すなわち、造粒、陽極酸化処理、ならびに所望による箔
の封止が含まれる。
【0021】箔の造粒と陽極酸化処理は、本発明による
高品質プリントを得ることを可能にするリトグラフ印刷
版を得るのに必要である。封止は必ずしも必要ではない
が、それでも印刷結果を改良すことになろう。好ましく
は、アルミニウム箔は粗さがCLA値で0.2ないし
1.5μmであり、陽極酸化処理層の厚さは0.4ない
し2.0μmであり、重炭酸塩水溶液で封止される。
【0022】アルミニウム箔の造粒、陽極酸化処理及び
封止は例えばEP−A567178、US−P3861
917ならびに、これらに引用された文献中に記述のよ
うにして実施することができる。
【0023】本発明に従って使用するための受像層は親
水性バインダーを含まないことが好ましいが、しかし、
親水性コロイド、例えば、ポリビニルアルコールを前記
層の全重量の30重量%までの少量を含有させて該層の
親水性を改良するようにしてもよい。
【0024】本発明に従って使用するための好ましい現
像核は、重金属の硫化物、例えば、ニッケル、パラジウ
ム、白金、銀及び亜鉛の硫化物である。
【0025】像形成材料はまた、好ましくは、物理現像
核の層とそれに続く層の間に、水膨潤性中間層があり、
前記各層の除去を容易ならしめることは、EP−A51
9123に記載されている通りである。適当な中間層の
例には、例えば、非蛋白質系親水性膜形性重合体、例え
ば、EP−A410500に記載のようなポリビニルア
ルコールを含む層、EP−A483415に記載のよう
な例えば、メタクリル酸ポリメチルビーズのような水膨
潤性重合体ビーズを含む層、または、重合体ビーズと非
蛋白質系膜形成重合体の混合物を含む層がある。
【0026】ハロゲン化銀乳剤層は親水性コロイドバイ
ンダーを含む任意の感光性ハロゲン化銀乳剤であること
ができる。
【0027】本発明に従って使用するためのハロゲン化
銀乳剤層を被覆するための写真用ハロゲン化銀乳剤は、
例えば、パリーの Paul Montel 社の(1967年)
の「写真の化学と物理」に P. Glafkides が記述してい
るような、またロンドンの Focal Press 社の(196
6年)の「写真用乳剤化学」に G. F. Duffin が記述し
ているような、また、ロンドンの The Focol Press
社の、(1966年)の「写真用乳剤の製造と被覆」に
V. L. Zelikman 等が記述しているような様々な方法に
従って、可溶性銀塩と、可溶性ハロゲン化物から製造す
ることができる。
【0028】本発明に従って使用するためのハロゲン化
銀乳剤は、主として、塩化銀からなっているのが好まし
い、一方臭化銀の画分が1ないし40モル%の範囲で存
在していてもよい。ハロゲン化銀乳剤は、実質的にすべ
ての臭化物がコアに濃縮されているという意味におい
て、当業者に周知のコアシエル型に属していることが好
ましい。該コアは好ましくは、沈澱した全ハロゲン化銀
の10ないし40%を含んでいる一方、シエルは好まし
くは、沈澱した全ハロゲン化銀の60ないし90%から
なっている。極めて好ましくは、塩化銀の少なくとも7
0モル%を含むハロゲン化銀乳剤が使用される。
【0029】ハロゲン化銀粒子の平均粒度は0.10な
いし0.70μmの範囲、好ましくは、0.25ないし
0.45μmの範囲内でよい。
【0030】好ましくは、沈澱段階中に、イリジウム及
び/又はロジウムを含む化合物または両者の混合物を添
加する。これらの添加化合物の濃度範囲は、AgNO3 1モ
ルにつき10-8ないし10-3モル、好ましくは AgNO3
1モルにつき10-7ないし10-6モルである。
【0031】ハロゲン化銀乳剤は化学的に増感すること
ができる。一つの化学増感法は Z.Weiss. Photogr. Ph
otophys. Photochem. 46号、65〜72頁(195
1年)の R. KOSLOWSKY 、の報文に記述されている。
【0032】DTR材料のハロゲン化銀乳剤はDTR材
料の設計の対象となっている露光源のスペクトル放射に
従って、分光増感することができる。
【0033】可視スペクトル域用の適当な増感染料に含
まれるものとして、John Wiley &Sons 社の「シアニ
ン染料と関連化合物」1964年版に、 F. M. Hamer
が記述しているようなメチン染料がある。
【0034】ハロゲン化銀のスペクトル光感度も、レー
ザー光線、例えば、ヘリウム−ネオンレーザー光線、ア
ルゴンレーザー光線、及びソリッドステートレーザー光
線による露光に合わせるようにすることができる。光感
度をレーザー光線に合わせるために用いることのできる
染料は多くの文献に記述されている。
【0035】ハロゲン化銀乳剤の組成、製造及び被覆に
ついてのより詳細は、例えば、 Product Licensing I
ndex 92巻、1971年12月、 Publication 92
32、107〜109頁に見出すことができる。
【0036】ハロゲン化銀乳剤には他の成分、例えば、
カブリ防止剤、現像剤及び/又は現像促進剤、湿潤剤及
び硬化剤も含有していてもよい。選択的には、ハロゲン
化銀乳剤はつや消し剤または間隔剤、例えば、微粉砕し
たシリカ粒子や、US−P4614708に記述のよう
な重合体ビーズを含んでいて、真空接触露光装置におい
て感光材料の効果的な真空吸引を促進するようにしても
よい。
【0037】本発明に関するハロゲン化銀乳剤層のバイ
ンダーとして、親水性コロイド、普通は蛋白、好ましく
はゼラチンを用いることができる。しかし、ゼラチン
は、部分的にあるいは全面的に、合成、半合成または、
天然重合体で代替することができる。
【0038】本発明に従って使用される像形成材料は、
その特定用途に従った装置、例えば従来の光源を含む、
従来の製版カメラまたは、レーザーを含む装置で露光さ
れる。
【0039】情報に従って露光された像形成材料の現像
と拡散転写は、少なくとも1種類の現像主薬ならびに少
なくとも1種類のハロゲン化銀溶媒の存在下においてア
ルカリ性水溶液を用いて実施されるが、前記アルカリ性
溶液は、ハロゲン化銀溶媒を含んでいることが好まし
い。現像主薬及び/又は、ハロゲン化銀溶媒はアルカリ
水溶液及び/又は像形成材料自体に、例えば、少なくと
も一つのハロゲン化銀乳剤層に及び/又は水膨潤性層
に、またはハロゲン化銀乳剤層と水滲透可能な関係にあ
る補助の親水性コロイド層に、混入することができる。
【0040】ハロゲン化銀溶媒は、少なくとも部分的
に、物理現像核含有層に混入することもできる。アルカ
リ性水溶液が、現像主薬を含有しない場合は、各層の一
つに含まれる現像主薬を溶解することができる単なる活
性化液である。
【0041】本発明に従って使用するための適当な現像
主薬は、1−フエニル−3−ピラゾリジノン化合物やp
−N−メチル−アミノフエノール類の第二の現像主薬と
組み合わせたハイドロキノン系の化合物である。特に有
用な1−フエニル−3−ピラゾリジノン現像主薬類は、
1−フエニル−3−ピラゾリジノン、1−フエニル−4
−メチル−3−ピラゾリジノン、1−フエニル−4−エ
チル−5−メチル−3−ピラゾリジノン、ならびに、1
−フエニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリジノンで
ある。
【0042】ハイドロキノン系の化合物は、例えば、ハ
イドロキノン、メチル−ハイドロキノン、またはクロロ
ハイドロキノンである。好ましい量のハイドロキノン系
の現像主薬は1リットル当り、0.05モルないし0.
25モルの範囲にあり、また、好ましい量の第二現像主
薬は、1リットル当り、1.8×10-3ないし2.0×
10-2モルの範囲にある。
【0043】ハロゲン化銀用の錯化剤として作用するハ
ロゲン化銀溶媒は、好ましくは、水溶性のチオ硫酸塩ま
たはチオシアン酸塩、例えば、チオ硫酸ナトリウム、カ
リウムまたはアンモニウムやチオシアン酸ナトリウム、
カリウムまたはアンモニウムで、その量は1リットル当
り5gないし20gの範囲である。
【0044】その他の適当なハロゲン化銀溶媒は、例え
ば、亜硫酸塩、アミン及びアルカノールアミン類であ
る。更に別の適当なハロゲン化銀溶媒は、US−P52
00294に記載されているようなポリチオエーテル類
や、EP−A554585に記載されているようなメソ
イオン化合物である。
【0045】各種のハロゲン化銀溶媒の組合わせを使用
することができ、かつ好適な層に少なくとも1種類のハ
ロゲン化銀溶媒を混入しかつ、現像液に少なくとも1種
類の別のハロゲン化銀溶媒を添加することもできる。
【0046】各種のハロゲン化銀溶媒の好適な組合わせ
は、1種または幾つかのアルカノールアミンとチオ硫酸
塩の組合わせであり、この際、該チオ硫酸塩は、EP−
A549831に記載のように、前記アルカリ性処理溶
液中で総量として0.01ないし1重量%使用する。
【0047】少なくとも1種類のハロゲン化銀溶媒と、
調節剤の組合わせも使用してよい。適当な調節剤は、E
P−A547660及びEP−A92201997.1
に記載されている。
【0048】現像主薬、ハロゲン化銀溶媒、亜硫酸塩に
対して与えられる量的な範囲は、DTR処理中のアルカ
リ性水溶液として存在するこれらの化合物の量に適用す
る、そしてこれらの化合物はアルカリ性水溶液の一部を
作り、この場合には実際にはアルカリ性現像水溶液であ
る、またはアルカリ性水溶液の適用時にそれらを含有す
る層から溶出させる、この場合は活性化溶液である。
【0049】本発明に従ったアルカリ性水溶液は、更に
亜硫酸塩、例えば、亜硫酸ナトリウムを、1リットル当
り40gないし180g、好ましくは1リットル当り6
0ないし160gの範囲の量で、別のハロゲン化銀溶
媒、好ましくは、水溶性チオ硫酸塩及び/又はチオシア
ン酸塩と組合わせて含んでいてもよい。
【0050】本発明に従って使用するのに適したアルカ
リ性水溶液は、好ましくは、乳剤が、アルカリ性水溶液
によって膨潤される場合に、乳剤層の運搬ローラへの付
着を防止するために、少なくとも0.3g/l、更に好
ましくは少なくとも0.6g/lの量のアルミニウムイ
オンを含有している。
【0051】アルカリ性水溶液のpHは好ましくは、少
なくとも12であるが、しかし、現像すべきハロゲン化
銀乳剤材料の種類や、予定の現像時間、及び処理温度に
よって決まる。
【0052】温度や時間のような処理条件は、被処理材
料の機械的強度が悪影響を被らず、分解も起こらなけれ
ば、広い範囲内で変動してもよい。
【0053】アルカリ性の水溶液は、水酸化ナトリウム
やカリウム、リン酸及び/又はケイ酸のアルカリ金属
塩、例えばリン酸三ナトリウム、ナトリウムまたはカリ
ウムのオルソケイ酸塩、メタケイ酸塩、ハイドロジケイ
酸塩及び炭酸ナトリウムのようなアルカリ供与物質を含
んでいてもよい。
【0054】アルカリ性水溶液は更に、例えば、複素環
式メルカプト化合物のような銀像疎水性化化合物を含ん
でいてもよい。複素環式メチルカプト化合物、更に詳し
くは、メルカプト−1,3,4−チアジアゾールを、親
水性ベース上に、DTR法に従って、形成された銀像を
疎水性化する目的で、現像液に添加することは、既にD
E−A1228927に記述されている。アルカリ性水
溶液に添加することのできる別の適当なメルカプト−チ
アジアゾールはUS−P4563410に記載されてい
る。もう一つの適当な疎水性化化合物は2−メルカプト
−5−ヘプチル−オキサ−3,4−ジアゾールである。
【0055】これらの疎水性化化合物は、アルカリ性水
溶液に、1リットル当り好ましくは0.1ないし3gの
量で、かつ好ましくは、1−フエニル−5−メルカプト
テトラゾールと混合して添加することができ、後者の化
合物は溶液1リットルにつき例えば50mgないし1.
2gの量を使用してよく、これには、前記化合物の溶解
を改良するために少量のエタノールが含まれていてもよ
い。
【0056】アルカリ性水溶液には、例えば、酸化保存
剤、臭素イオンを放出する化合物、カルシウム封鎖化合
物、スラッジ防止剤、ならびに潜在硬化剤を含めて硬化
剤といったような他の成分を含有していてもよい。
【0057】公知の方法によるアルカリ性水溶液の再生
は勿論、溶液が現像主薬及び/又はハロゲン化銀溶媒を
混入していると否とにかかわらず可能である。
【0058】現像は(これは必要でない場合が多いが)
所謂、安定化液によって停止することもできるが、この
液は実際上は、好ましくはpHが5ないし6の範囲内に
ある酸性の停止浴である。
【0059】オルソリン酸二水素ナトリウムと、オルソ
リン酸水素二ナトリウムの混合物を含有しかつ、pHが
前記の範囲内にある緩衝化した停止浴組成物は好まし
い。
【0060】現像と拡散転写は様々な方法で、例えば、
ローラーでこするとか、例えば木綿またはスポンジのよ
うな栓による吸収手段で拭くとか、あるいは、被処理材
料を液組成物に浸漬することによって開始することがで
きる。かかる方法は普通は、18℃ないし30℃の範囲
内の温度で実施する。
【0061】親水性ベース上の銀像の形成の後、該ベー
ス上に残存する過剰のアルカリ性溶液は、好ましくは、
箔を一対の絞りローラ中に案内して除去してもよい。
【0062】物理現像核層中にこのようにして得た銀像
は次に、物理現像核を含む層の上のすべての層を、本発
明に従って洗浄水で洗い去って露出する。
【0063】洗浄水の温度は広く変動してもよいが、2
0℃ないし45℃の範囲内が好ましい。
【0064】リトグラフベースの像形成した表面は、非
銀像部分の親水性及び、銀像の親油性を増大させる化学
処理を施すことができる。
【0065】この化学的後処理は、銀像のインク受容性
及び/又はラッカー受容性を増大させる少なくとも1種
類の化合物を含み、かつ、親水性ベースの撥インク特性
を改良する少なくとも1種類の化合物も含んでいるよく
定着液といわれているリトグラフ組成物で実施するのが
好ましい。
【0066】定着液に好適な成分は例えば、上にアルカ
リ性溶液について言及した疎水性化化合物及び、下記式
の一つに相当する化合物のようなメルカプト基を含む有
機化合物である:
【0067】
【化1】
【0068】ここに、R5 は水素またはアシル基を表わ
し、R4 はアルキル、アリールまたはアラルキル基を表
わす。
【0069】US−P4563410に記載されている
ような好適な定着液は、分子量が4000であるポリエ
チレンオキサイド溶液中のメルカプトトリアゾール溶液
を含む組成物である。別の適当な定着液が、例えば、U
S−P4062682に記載されている。
【0070】一般に、定着液による処理は余り時間はか
からず、普通は約30秒まででありかつ、定着処理は、
処理及び露出工程の後直ちに実施してよい。
【0071】定着液は様々な方法で施与することができ
る。印刷版の画像疎水性化工程は、定着液を満した狭い
通路を有する装置を通して印刷版を導きかつ、通路の端
末で、余分の液を除去する2個のしぼりローラの間へ印
刷版を送って自動的に実施することもできる。
【0072】銀像を担持する親水性ベースを定着液で処
理したら直ちにそれは印刷版として使用できる状態にな
っている
【0073】下記の実施例は本発明を例示するものであ
るが、しかし、本発明をこれに限定するものではない。
すべての部、パーセントならびに比率は、別途指示ない
限り重量による。
【0074】実施例 1(比較例)
【0075】像形成材料Iは造粒し、陽極酸化処理しか
つ封止したアルミニウム支持体を、物理現像核として
0.7mg/m2 のPdSを含有する銀受容層で被覆し
て得た。
【0076】次に、得られる乾いた層が、1m2 当り
0.5gの重量のメタクリル酸ポリメチルビーズを有す
るように水性組成物から、乾いた銀受容層上に中間層を
付与したが、前記組成物に含まれるものは下記の通りで
あった。
【0077】 1.0μmの平均直径を有する等容量の水とエタノールの 混合物中のメタクリル酸ポリメチルビーズの20%分散液 50ml ヘリオエヒトパピールロートBL(西独、レーフエルク−セン D−5090のBAYER AGが販売する染料の商標) 2.5g サポニン 2.5g ナトリウムオレイルメチルタウライド 1.25g 脱塩水 300ml (pH値:5.6)
【0078】次に、実質的に未硬化の感光性のネガ作用
カドミウム不含ゼラチン塩臭沃化銀乳剤層(97.98
/2/0.02モル%)を中間層上に被覆した、ハロゲ
ン化銀の量は1m2 につき2.40gの硝酸銀相当量と
し、かつ、乳剤層のゼラチン含有量は1.58g/m2
とした。
【0079】最後に像形成材料を裁断してシートとし
た。
【0080】各像形成シートは製版カメラで、接触スク
リーンを通して同じように露光しかつ下記の成分を有す
る新鮮な現像液中に、24℃で8秒間浸漬した:
【0081】 カルボキシメチルセルローズ 4g 水酸化ナトリウム 22.5g 無水亜硫酸ナトリウム 120g ハイドロキノン 20g 1−フエニル−3−ピラゾリジノン 6g 臭化カリウム 0.75g 無水チオ硫酸ナトリウム 8g エチレンジアミンテトラ酢酸テトラナトリウム塩 2g 脱塩した水で 1000mlにした pH(24℃)=13
【0082】開始された拡散転写は30秒間続けて、受
像層に銀像を形成せしめた。
【0083】現像したハロゲン化銀乳剤層と、中間層を
アルミニウム箔から除去するために、現像した単一シー
トDTR材料を、40℃の水を吹き付けて6秒間洗浄し
た。水の吹き付けは、実験開始時に水道水10lを含有
した洗浄槽からの水を供給し、そして洗浄水を使用した
水を排液した。
【0084】像形成材料の取扱いは10m2 の単位で、
連続的に進めた(処理時間30分)。各単位間には30
分の間隔があった。各作業日の終りに、表1に示すよう
な量の像形成した材料を洗浄した後、洗浄水は60℃
で、60分間温めた。この加熱の前後に、洗浄水の小サ
ンプルを採取し、該サンプルを細菌や、カビ類について
試験した。
【0085】細菌の培養の確認のために、ドイツ国のダ
ームシュタットのメルク社発行の「微生物学便覧メル
ク」に、両方とも記載されている「Universal Naehrbod
en Caso − Agar art Nr. 5458」及び操作法が適用
された。カビの培養の確認のためには、英国、ロンドン
オキソイド発行の(1972年)「オキソイド便覧」
に両方とも記載されているマトリックスである「Sabour
aud − Dextrose − Agar art CM 41」及び当該操
作法を適用した。その結果は表1に示してあるが、この
場合、CASOは、細菌の計数を表しており、またSA
Bはカビの計数を表している。
【0086】各作業日の終りに、本発明に従って、洗浄
水を60分間、60℃に温めた場合、細菌とカビの数
は、大量の像形成した材料を洗った場合でさえも、極め
て低い値にかつ安定に維持された。第8日目の終りに、
洗浄水はまだ臭わなかったしかつ、従って、完全に使用
可能であった。一方、僅か10m2 の像形成した材料し
か処理しなかったが、しかし、本発明に従って温めなか
った洗浄液は、3日後には既に臭いがあったし、8日後
には非常な不快臭があった。
【0087】
【0088】各25m2 後に、洗浄した版は取外した。
次に、これら20枚のアルミニウム箔の像形成した表面
を、下記のような組成を有する定着液でこすって、非像
領域の水受容性を高めかつ、像領域を親油性でインク受
容性にするようにした。定着液の組成は下記の通りであ
った。すなわち
【0089】 10%の水性n−ヘキサデシルトリメチル塩化アンモニウム 25ml ポリスチレンスルホン酸の20%水溶液 100ml 硝酸カリウム 12.5g クエン酸 20.0g 1−フエニル−5−メルカプトテトラゾール 2.0g 2−メルカプト−5−n−ヘプチル−オキサ−3,4− ジアゾール 200mg 水酸化ナトリウム 5.5g 水で 1000mlにした pH(20℃)=4
【0090】このように製造した印刷版を同一オフセッ
ト印刷機に装着し(ハイデルベルグGTO−46)そし
て、同一条件で印刷に供した。フロリダ州、Anchor/ L
ithemko (株)が上市する市販のAQUA TAME
7035E、を10%イソプロパノールを含有する水溶
液中に濃度5%で緩衝液として、また、独乙、Kast+Eh
inger (株)が上市するK+E125をインクとして使
用した。圧縮性ゴムブランケットを使用した。
【0091】全印刷版が、等しく素晴らしいコピーを与
えた。極めて高度の印刷耐久性(>100000枚)が
得られかつ、小ラスター点も明瞭に再現された。
フロントページの続き (72)発明者 リュドヴィク・ヴェルヴロウ ベルギー国モートゼール、セプテストラー ト 27 アグファ・ゲヴェルト・ナームロ ゼ・ベンノートチャップ内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 − (i) 親水性ベースと、(ii)物理現像
    核を含む受像層、及び(iii) ハロゲン化銀乳剤層を、こ
    の順序で含む像形成材料を情報に従って露光する工程、 − 前記情報に従って露光した像形成材料を、少なくと
    も1種の現像主薬ならびに、少なくとも1種のハロゲン
    化銀溶媒の存在下において、アルカリ性処理水溶液を用
    いて現像して、前記親水性支持体上に銀像を得る工程、
    及び、 − 洗浄水で洗うことによって前記ハロゲン化銀乳剤層
    ならびに、前記銀像の上の任意の層を除去して、前記銀
    像を露出させる工程を含む銀塩拡散転写法によりオフセ
    ット印刷版を製作する方法において、 前記露光しかつ現像した像形成材料の多くても20m2
    洗う前、及び/又は水の使用が24時間を越えない内
    に、前記洗浄水を少なくとも15分間、少なくとも50
    ℃の温度まで温めることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 前記洗浄水を80分ないし30分の間、
    55℃ないし70℃の温度に温めることを特徴とする請
    求項1の方法。
  3. 【請求項3】 前記洗浄水を、60分ないし30分の
    間、60℃ないし67℃の温度に温めることを特徴とす
    る請求項1の方法。
  4. 【請求項4】 前記洗浄水を、少なくとも5m2 の像形
    成した材料を洗う日毎に少なくとも1回、少なくとも1
    5分間、少なくとも50℃の温度まで引続いて温めるこ
    とを特徴とする請求項1ないし3の何れかの1項の方
    法。
  5. 【請求項5】 前記洗浄水を、引続いて、毎日、少なく
    とも1回、少なくとも15分間、少なくとも50℃の温
    度まで温めることを特徴とする請求項1ないし3の何れ
    か1項の方法。
  6. 【請求項6】 前記洗浄水を、80分ないし30分間、
    55℃ないし70℃の温度に、引続いて温めることを特
    徴とする請求項4または5の方法。
  7. 【請求項7】 前記洗浄水を、引続いて、60分ないし
    30分間、60℃ないし67℃の温度に温めることを特
    徴とする請求項4また5の方法。
  8. 【請求項8】 前記処理溶液が、少なくとも0.3g/
    lの量だけアルミニウムイオンを含有していることを特
    徴とする請求項1ないし7の何れか1項の方法。
  9. 【請求項9】 洗浄時間が、4ないし30秒の範囲内に
    あることを特徴とする請求項1ないし8の何れか1項の
    方法。
  10. 【請求項10】 洗浄時間が、5ないし15秒の範囲内
    にあることを特徴とする請求項9の方法。
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