JPH06317908A - 銀塩拡散転写法により、リトグラフ版を製作する方法 - Google Patents

銀塩拡散転写法により、リトグラフ版を製作する方法

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JPH06317908A
JPH06317908A JP6035444A JP3544494A JPH06317908A JP H06317908 A JPH06317908 A JP H06317908A JP 6035444 A JP6035444 A JP 6035444A JP 3544494 A JP3544494 A JP 3544494A JP H06317908 A JPH06317908 A JP H06317908A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、洗浄水を使用する銀塩拡散転写法
に従ってオフセット印刷版を製造するための方法を提供
する。 【構成】 露光し現像した像形成材料の多くても20m
2 を洗浄する前に、及び/又は、24時間以上使用した
な内に、前記洗浄水にアルカリを、前記洗浄水のpHが
10.5ないし13になるような量だけ添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、銀塩拡散転写法によるリトグラ
フ印刷版を、より生態学的、かつ経済的に製作する方法
に関するものである。
【0002】銀錯体拡散転写反転法(以下DTR法と称
する)の原理は、例えばUS−P2352014及び、
ロンドン及びニューヨークの、フォーカルプレス社版の
Ardre Rott と Edith Weyde による「写真ハロゲ
ン化銀拡散法」なる本(1972年)に記述されてい
る。
【0003】DTR法においては、情報に従って露光さ
れた写真用ハロゲン化銀乳剤層材料の未現像ハロゲン化
銀は、いわゆるハロゲン化銀溶媒で可溶性銀錯化合物に
転化されて、受像材料に拡散せしめられて、そこで、一
般には、物理現像核の存在下において現像主薬によって
還元されて、写真材料の露光面に得られた黒色銀像に対
して、反転された像濃度値を有する銀像(「DTR
像」)を形成する。
【0004】DTR像を担持する材料は、DTR銀像部
分が、水受容性、撥インク性背景上に撥水性、インク受
容性部分を形成する写真印刷版として使用することがで
きる。
【0005】DTR像は、写真用ハロゲン化銀乳剤材料
(所謂、二シートDTR要素)に対して別の要素である
シート材料またはウエブ材料の受像層に、あるいは、そ
れと水透過性関係にある受像層と一体になっている少な
くとも1種類の写真用ハロゲン化銀乳剤層を含む所謂単
一支持体要素、また単一シート要素とも称するものの受
像層に形成することができる。DTR法によるオフセッ
ト印刷版の製造に好ましいのは後者の方の単一シート型
である。
【0006】2種類の単一シートDTRオフセット印刷
版が存在する。例えばUS−P4722535とGB−
P1241661に記載されている第一の種類によれ
ば、支持体はハロゲン化銀乳剤層と、受像層の役目をす
る物理現像核を含む層をこの順序で具備している。情報
に従って露光され現像された後、像形成された材料は乳
剤層を除去せずに印刷版として使用される。
【0007】第二の種類の単一シートDTRオフセット
印刷版によれば、殆どが陽極酸化処理したアルミニウム
である親水性支持体は、物理現像核とハロゲン化銀乳剤
層を、この順序で具備している。情報に従った露光と現
像の後、像形成した材料は水洗して、乳剤層を除去し、
銀像を担持する支持体が残り、これが印刷版として使用
される。この種のリトグラフ印刷版は例えばUS−P3
511656に記載されている。
【0008】生態学的かつ経済的理由から、また便利の
ために、洗浄水は出来るだけ多くの像形成した材料を洗
浄するために再使用しうることが望ましい。しかし、前
記洗浄水が長時間に亘って幾つかの像形成材料の処理に
使用される場合は、該洗浄水は例えば、ゼラチンによっ
て汚濁されることになる。これが菌類や細菌の成長を開
始させることになり、ゼラチンの分解の原因となりか
つ、不快臭の原因となる。
【0009】親水性ベースを有する像形成材料からリト
グラフ印刷版を製造するための生態学的、経済的、かつ
便利な方法を提供するのが本発明の一つの目的である。
【0010】洗浄水の寿命と能力を延ばすための方法を
提供することは本発明のもう一つの目的である。
【0011】本発明の更にこの他の幾つかの目的は、以
後の説明から明白となるだろう。
【0012】本発明によれば、下記の各工程を含む銀塩
拡散転写法によるオフセット印刷版製造のための方法が
提供される。すなわち、 − (i) 親水性ベースと、(ii)物理現像核を含む受像
層、及び(iii) ハロゲン化銀乳剤層をこの順序で含んで
いる像形成材料を情報に従って露光する工程、 − 少なくとも1種類の現像主薬と、少なくとも1種の
ハロゲン化銀溶媒の存在下において、アルカリ性処理水
溶液を用いて、前記情報に従って露光した像形成材料を
現像して、前記親水性支持体上に銀像を得る工程、及
び、 − 洗浄水で洗浄することによって、前記ハロゲン化銀
乳剤層及び前記銀像上の任意の層を除去し、前記銀像を
露出させる工程、を含み、該方法の特徴は、前記露光し
現像した像形成材料の多くても20m2 を洗浄する前、
及び/又は、水の使用が24時間以上になる前に、前記
洗浄水のpHが10.5ないし13になるような量でア
ルカリを前記洗浄水に添加することである。
【0013】リトグラフ印刷版はDTR法に従って得ら
れ良好な印刷特性を有し、かつ、これは前記露光し、現
像した多くても20m2 の像形成した材料(以後「画像
済要素」ともいう)を洗う前、及び/又は、水の使用が
24時間を越える前に、アルカリを加えてpHを10.
5ないし13にする洗浄水を使用して生態学的に経済的
にかつ便利に得られる。しかし、洗浄水が少なくとも、
10.5のpHに十分に早く戻されない場合は、幾らか
の画像済要素処理後、不快臭の発生によって、洗浄水の
再使用は著しく制約される。好ましくは、前記pH域を
得るために、アルカリを、10m2 の画像済要素を洗う
前に添加し、更に好ましくは、新鮮な洗浄水にアルカリ
を添加する。特に好ましくは、前記洗浄水(洗浄溶液)
のpHはアルカリ添加後、11.3ないし12である。
【0014】洗浄水は、如何なる種類の水であってもよ
く、普通の水源で供給される水、例えば水道水が好まし
い。
【0015】アルカリは、そのまま、あるいは、好まし
くは少なくとも12のpHを、更に好ましくは、約13
のpHを有する水溶液として添加することができる。適
当な化合物は、水酸化ナトリウムやカリウム、リン酸及
び/又はケイ酸のアルカリ金属塩、例えば、リン酸三ナ
トリウム;ナトリウムまたはカリウムのオルトケイ酸
塩、メタケイ酸塩、ヒドロジケイ酸塩ならびに炭酸ナト
リウムのようなアルカリ供与物質である。アルカリ供与
物質は、部分的にまたは全面的にアルカノールアミン類
で代替することができる。
【0016】DTR法に使用するのに適する処理溶液は
好ましくはpHが少なくとも12であり、更に好ましく
は少なくとも13であり、以下に開示するような幾つか
の成分を多少選択的に含有する本質的にアルカリ性水溶
液である。好ましい態様では前記処理溶液はアルカリ溶
液として使用し、かつ、洗浄水に対して2ないし9容量
%の量で、更に好ましくは、洗浄水に対し5ないし7容
量%の量で添加する。
【0017】前記洗浄水の寿命を更に改善するために、
前記洗浄水のpHは、更にアルカリ量を添加して、次後
の使用の際10.5ないし13、更に好ましくは、1
1.3ないし12に維持することができる。アルカリの
必要量ならびに、添加時期は洗浄した画像済要素の量
や、処理区域から洗浄区域へ、また、洗浄区域から次の
区域へ移動される液の量やアルカリ度のような幾つかの
パラメータに左右される。アルカリの添加は、例えば、
洗浄水のpHを連続的に測定しかつ、pHが規定値から
はずれる場合は必ずアルカリを添加することによって連
続的な方法で実施することができる。
【0018】更に好ましい実施態様においては、アルカ
リの添加は断続的な方法で実施するが、この場合は、洗
浄水のpHは多少広い限界内を変動する。しかし、それ
でも所要の範囲内にはある。従って、アルカリの添加
は、一定量の画像済要素を洗浄の都度実施すればよくア
ルカリ量ならびに洗浄した画像済要素の量は実験的に決
定し、かつリス印刷版(リス乾板とも称する)の製造に
使用した装置の実績である。
【0019】前記の洗浄水を再使用できる時間を更に延
ばすために、少なくとも10m2 の画像済要素を洗浄す
る毎日、少なくとも一回、少なくとも50℃の温度で少
なくとも15分間、更に好ましくは60℃ないし67℃
の温度で0.5ないし1時間、前記洗浄水を加熱するこ
とができる。この操作手順は、前記の手順の代替とし
て、あるいはこれと組み合わせて採用することができ
る。
【0020】経済的な見地から、リトグラフ印刷版の製
造の各工程を出来るだけ早く実施することは重要なこと
である。本発明で使用するために適する洗浄液によっ
て、4ないし30秒といった洗浄時間、好ましくは5な
いし15秒といった洗浄時間が、前記ハロゲン化銀乳剤
層ならびに前記銀像上部の任意の層の除去ならびに、得
られたリス乾板の印刷特性に対して好結果を与えること
が判明した。
【0021】像形成材料は、好ましくは、親水性ベース
上に各種の層を被覆して製造される。或いは各種の層
は、US−P5068165に記載されているように各
層を逆順に保持する仮のベースから前記受像層に積層し
てもよい。
【0022】該親水性ベースは、親水性合成単一重合体
または共重合体を含有しかつ、可撓性の疎水性支持体上
に被覆した加水分解したオルトケイ酸テトラアルキル架
橋剤で硬化された親水性層であってもよい。更に好まし
くは、該親水性ベースはアルミニウム支持体である。
【0023】本発明に従って使用するための、像形成材
料のアルミニウム支持体は純アルミニウムまたはアルミ
ニウム分が少なくとも95%であるアルミニウム合金で
作ることができる。支持体の厚は普通、約0.13ない
し約0.50mmの範囲である。
【0024】リトグラフオフセット印刷用のアルミニウ
ム箔またはアルミニウム合金箔の製造には下記の工程、
すなわち、造粒、陽極酸化処理、ならびに所望による箔
の封止が含まれる。
【0025】箔の造粒と陽極酸化処理は、本発明による
高品質プリントを得ることを可能にするリトグラフ印刷
版を得るのに必要である。封止は必ずしも必要ではない
が、それでも印刷結果を改良すことになろう。好ましく
は、アルミニウム箔は粗さがCLA値で0.2ないし
1.5μmであり、陽極酸化処理層の厚さは0.4ない
し2.0μmであり、重炭酸塩水溶液で封止される。
【0026】アルミニウム箔の造粒、陽極酸化処理及び
封止は例えばEP−A567178、US−P3861
917ならびに、これらに引用された文献中に記述のよ
うにして実施することができる。
【0027】本発明に従って使用するための受像層は親
水性バインダーを含まないことが好ましいが、しかし、
親水性コロイド、例えば、ポリビニルアルコールを前記
層の全重量の30重量%までの少量を含有させて該層の
親水性を改良するようにしてもよい。
【0028】本発明に従って使用するための好ましい現
像核は、重金属の硫化物、例えば、ニッケル、パラジウ
ム、白金、銀及び亜鉛の硫化物である。
【0029】像形成材料はまた、好ましくは、物理現像
核の層とそれに続く層の間に、水膨潤性中間層を含み、
前記各層の除去を容易ならしめることは、EP−A51
9123に記載の通りである。適当な中間層の例には、
例えば、非蛋白質系親水性膜形性重合体、例えば、EP
−A410500に記載のようなポリビニルアルコール
を含む層、EP−A483415に記載のような例え
ば、メタクリル酸ポリメチルビーズのような水膨潤性重
合体ビーズを含む層、または、重合体ビーズと非蛋白質
系膜形成重合体の混合物を含む層がある。
【0030】ハロゲン化銀乳剤層は親水性コロイドバイ
ンダーを含む任意の感光性ハロゲン化銀乳剤であること
ができる。
【0031】本発明に従って使用するためのハロゲン化
銀乳剤層を被覆するための写真用ハロゲン化銀乳剤は、
例えば、パリーの Paul Montel 社の(1967年)
の「写真の化学と物理」に P. Glafkides が記述してい
るような、またロンドンの Focal Press 社の(196
6年)の「写真用乳剤化学」に G. F. Duffin が記述し
ているような、また、ロンドンの The Focol Press
社の、(1966年)の「写真用乳剤の製造と被覆」に
V. L. Zelikman 等が記述しているような様々な方法に
従って、可溶性銀塩と、可溶性ハロゲン化物から製造す
ることができる。
【0032】本発明に従って使用するためのハロゲン化
銀乳剤は、主として、塩化銀からなっているのが好まし
い、一方臭化銀の画分が1ないし40モル%の範囲で存
在していてもよい。ハロゲン化銀乳剤は、実質的にすべ
ての臭化物がコアに濃縮されているという意味におい
て、当業者に周知のコアシエル型に属していることが好
ましい。該コアは好ましくは、沈澱した全ハロゲン化銀
の10ないし40%を含んでいる、一方、シエルは好ま
しくは、沈澱した全ハロゲン化銀の60ないし90%か
らなっている。極めて好ましくは、塩化銀の少なくとも
70モル%を含むハロゲン化銀乳剤が使用される。
【0033】ハロゲン化銀粒子の平均粒度は0.10な
いし0.70μmの範囲、好ましくは、0.25ないし
0.45μmの範囲内でよい。
【0034】好ましくは、沈澱段階中に、イリジウム及
び/又はロジウムを含む化合物または両者の混合物を添
加する。これらの添加化合物の濃度範囲は、AgNO3
1モルにつき10-8ないし10-3モル、好ましくはAg
NO3 1モルにつき10-7ないし10-6モルである。
【0035】ハロゲン化銀乳剤は化学的に増感すること
ができる。一つの化学増感法は Z.Weiss. Photogr. Ph
otophys. Photochem. 46号、65〜72頁(195
1年)の R. KOSLOWSKY 、の報文に記述されている。
【0036】DTR材料のハロゲン化銀乳剤はDTR材
料の設計の対象となっている露光源のスペクトル放射に
従って、分光増感することができる。
【0037】可視スペクトル域用の適当な増感染料に含
まれるものとして、John Wiley &Sons 社の「シアニ
ン染料と関連化合物」1964年版に、 F. M. Hamer
が記述しているようなメチン染料がある。
【0038】ハロゲン化銀のスペクトル光感度も、レー
ザー光線、例えば、ヘリウム−ネオンレーザー光線、ア
ルゴンレーザー光線、及びソリッドステートレーザー光
線による露光に合わせるようにすることができる。光感
度をレーザー光線に合わせるために用いることのできる
染料は多くの文献に記述されている。
【0039】ハロゲン化銀乳剤の組成、製造及び被覆に
ついてのより詳細は、例えば、 Product Licensing I
ndex 92巻、1971年12月、 Publication 92
32、107〜109頁に見出すことができる。
【0040】ハロゲン化銀乳剤には他の成分、例えば、
カブリ防止剤、現像剤及び/又は現像促進剤、湿潤剤及
び硬化剤も含有していてもよい。選択的には、ハロゲン
化銀乳剤はつや消し剤または間隔剤、例えば、微粉砕し
たシリカ粒子や、US−P4614708に記述のよう
な重合体ビーズを含んでいて、真空接触露光装置におい
て感光材料の効果的な真空吸引を促進するようにしても
よい。
【0041】本発明に関するハロゲン化銀乳剤層のバイ
ンダーとして、親水性コロイド、普通は蛋白、好ましく
はゼラチンを用いることができる。しかし、ゼラチン
は、部分的にあるいは全面的に、合成、半合成または、
天然重合体で代替することができる。
【0042】本発明に従って使用される像形成材料は、
その特定用途に従った装置、例えば従来の光源を含む、
従来の製版カメラまたは、レーザーを含む装置で露光さ
れる。
【0043】情報に従って露光された像形成材料の現像
と拡散転写は、少なくとも1種類の現像主薬ならびに少
なくとも1種類のハロゲン化銀溶媒の存在下においてア
ルカリ性水溶液を用いて実施されるが、前記アルカリ性
溶液は、ハロゲン化銀溶媒を含んでいることが好まし
い。現像主薬及び/又は、ハロゲン化銀溶媒はアルカリ
水溶液及び/又は像形成材料自体に、例えば、少なくと
も一つのハロゲン化銀乳剤層に及び/又は水膨潤性層
に、またはハロゲン化銀乳剤層と水滲透可能な関係にあ
る補助の親水性コロイド層に、混入することができる。
【0044】ハロゲン化銀溶媒は、少なくとも部分的
に、物理現像核含有層に混入することもできる。アルカ
リ性水溶液が、現像主薬を含有しない場合は、各層の一
つに含まれる現像主薬を溶解することができる単なる活
性化液である。
【0045】本発明に従って使用するための適当な現像
主薬は、1−フエニル−3−ピラゾリジノン化合物やp
−N−メチル−アミノフエノール類の第二の現像主薬と
組み合わせたハイドロキノン系の化合物である。特に有
用な1−フエニル−3−ピラゾリジノン現像主薬類は、
1−フエニル−3−ピラゾリジノン、1−フエニル−4
−メチル−3−ピラゾリジノン、1−フエニル−4−エ
チル−5−メチル−3−ピラゾリジノン、ならびに、1
−フエニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリジノンで
ある。
【0046】ハイドロキノン系の化合物は、例えば、ハ
イドロキノン、メチル−ハイドロキノン、またはクロロ
ハイドロキノンである。好ましい量のハイドロキノン系
の現像主薬は1リットル当り、0.05モルないし0.
25モルの範囲にあり、また、好ましい量の第二現像主
薬は、1リットル当り、1.8×10-3ないし2.0×
10-2モルの範囲にある。
【0047】ハロゲン化銀用の錯化剤として作用するハ
ロゲン化銀溶媒は、好ましくは、水溶性のチオ硫酸塩ま
たはチオシアン酸塩、例えば、チオ硫酸ナトリウム、カ
リウムまたはアンモニウムやチオシアン酸ナトリウム、
カリウムまたはアンモニウムで、その量は1リットル当
り5gないし20gの範囲である。
【0048】その他の適当なハロゲン化銀溶媒は、例え
ば、亜硫酸塩、アミン及びアルカノールアミン類であ
る。更に別の適当なハロゲン化銀溶媒は、US−P52
00294に記載されているようなポリチオエーテル類
や、EP−A554585に記載されているようなメソ
イオン化合物である。
【0049】各種のハロゲン化銀溶媒の組合わせを使用
することができ、かつ好適な層に少なくとも1種類のハ
ロゲン化銀溶媒を混入しかつ、現像液に少なくとも1種
類の別のハロゲン化銀溶媒を添加することもできる。
【0050】各種のハロゲン化銀溶媒の好適な組合わせ
は、1種または幾つかのアルカノールアミンとチオ硫酸
塩の組合わせであり、この際、該チオ硫酸塩は、EP−
A549831に記載のように、前記アルカリ性処理溶
液中で総量として0.01ないし1重量%使用する。
【0051】少なくとも1種類のハロゲン化銀溶媒と、
調節剤の組合わせも使用してよい。適当な調節剤は、E
P−A547660及びEP−A92201997.1
に記載されている。
【0052】現像主薬、ハロゲン化銀溶媒、亜硫酸塩に
対して与えられる量的な範囲は、DTR処理中のアルカ
リ性水溶液として存在するこれらの化合物の量に適用す
る、そしてこれらの化合物はアルカリ性水溶液の一部を
作り、この場合には実際にはアルカリ性現像水溶液であ
る、またはアルカリ性水溶液の適用時にそれらを含有す
る層から溶出させる、この場合は活性化溶液である。
【0053】本発明に従ったアルカリ性水溶液は、更に
亜硫酸塩、例えば、亜硫酸ナトリウムを、1リットル当
り40gないし180g、好ましくは1リットル当り6
0ないし160gの範囲の量で、別のハロゲン化銀溶
媒、好ましくは、水溶性チオ硫酸塩及び/又はチオシア
ン酸塩と組合わせて含んでいてもよい。
【0054】本発明に従って使用するのに適したアルカ
リ性水溶液は、好ましくは、乳剤が、アルカリ性水溶液
によって膨潤される場合に、乳剤層の運搬ローラへの付
着を防止するために、少なくとも0.3g/l、更に好
ましくは少なくとも0.6g/lの量のアルミニウムイ
オンを含有している。
【0055】アルカリ性水溶液のpHは好ましくは、少
なくとも12であるが、しかし、現像すべきハロゲン化
銀乳剤材料の種類や、予定の現像時間、及び処理温度に
よって決まる。
【0056】温度や時間のような処理条件は、被処理材
料の機械的強度が悪影響を被らず、分解も起こらなけれ
ば、広い範囲内で変動してもよい。
【0057】アルカリ性の水溶液は、水酸化ナトリウム
やカリウム、リン酸及び/又はケイ酸のアルカリ金属
塩、例えばリン酸三ナトリウム、ナトリウムまたはカリ
ウムのオルソケイ酸塩、メタケイ酸塩、ハイドロジケイ
酸塩及び炭酸ナトリウムのようなアルカリ供与物質を含
んでいてもよい。
【0058】アルカリ性水溶液は更に、例えば、複素環
式メルカプト化合物のような銀像疎水性化化合物を含ん
でいてもよい。複素環式メチルカプト化合物、更に詳し
くは、メルカプト−1,3,4−チアジアゾールを、親
水性ベース上に、DTR法に従って、形成された銀像を
疎水性化する目的で、現像液に添加することは、既にD
E−A1228927に記述されている。アルカリ性水
溶液に添加することのできる別の適当なメルカプト−チ
アジアゾールはUS−P4563410に記載されてい
る。もう一つの適当な疎水性化化合物は2−メルカプト
−5−ヘプチル−オキサ−3,4−ジアゾールである。
【0059】これらの疎水性化化合物は、アルカリ性水
溶液に、1リットル当り好ましくは0.1ないし3gの
量で、かつ好ましくは、1−フエニル−5−メルカプト
テトラゾールと混合して添加することができ、後者の化
合物は溶液1リットルにつき例えば50mgないし1.
2gの量を使用してよく、これには、前記化合物の溶解
を改良するために少量のエタノールが含まれていてもよ
い。
【0060】アルカリ性水溶液には、例えば、酸化保存
剤、臭素イオンを放出する化合物、カルシウム封鎖化合
物、スラッジ防止剤、ならびに潜在硬化剤を含めて硬化
剤といったような他の成分を含有していてもよい。
【0061】公知の方法によるアルカリ性水溶液の再生
は勿論、溶液が現像主薬及び/又はハロゲン化銀溶媒を
混入していると否とにかかわらず可能である。
【0062】現像は(これは必要でない場合が多いが)
所謂、安定化液によって停止することもできるが、この
液は実際上は、好ましくはpHが5ないし6の範囲内に
ある酸性の停止浴である。
【0063】オルソリン酸二水素ナトリウムと、オルソ
リン酸水素二ナトリウムの混合物を含有しかつ、pHが
前記の範囲内にある緩衝化した停止浴組成物は好まし
い。
【0064】現像と拡散転写は様々な方法で、例えば、
ローラーでこするとか、例えば木綿またはスポンジのよ
うな栓による吸収手段で拭くとか、あるいは、被処理材
料を液組成物に浸漬することによって開始することがで
きる。かかる方法は普通は、18℃ないし30℃の範囲
内の温度で実施する。
【0065】親水性ベース上の銀像の形成の後、該ベー
ス上に残存する過剰のアルカリ性溶液は、好ましくは、
箔を一対の絞りローラ中に案内して除去してもよい。
【0066】物理現像核層中にこのようにして得た銀像
は次に、物理現像核を含む層の上のすべての層を、本発
明に従って洗浄水で洗い去って露出する。
【0067】洗浄水の温度は広く変動してもよいが、2
0℃ないし45℃の範囲内が好ましい。
【0068】リトグラフベースの像形成した表面は、非
銀像部分の親水性及び、銀像の親油性を増大させる化学
処理を施すことができる。
【0069】この化学的後処理は、銀像のインク受容性
及び/又はラッカー受容性を増大させる少なくとも1種
類の化合物を含み、かつ、親水性ベースの撥インク特性
を改良する少なくとも1種類の化合物も含んでいるよく
定着液といわれているリトグラフ組成物で実施するのが
好ましい。
【0070】定着液に好適な成分は例えば、上にアルカ
リ性溶液について言及した疎水性化化合物及び、下記式
の一つに相当する化合物のようなメルカプト基を含む有
機化合物である:
【0071】
【化1】
【0072】ここに、R5 は水素またはアシル基を表わ
し、R4 はアルキル、アリールまたはアラルキル基を表
わす。
【0073】US−P4563410に開示されている
ような好適な定着液は、分子量が4000であるポリエ
チレンオキサイド溶液中のメルカプトトリアゾール溶液
を含む組成物である。別の適当な定着液が、例えば、U
S−P4062682に記載されている。
【0074】一般に、定着液による処理は余り時間はか
からず、普通は約30秒まででありかつ、定着処理は、
処理及び露出工程の後直ちに実施してよい。
【0075】定着液は様々な方法で施与することができ
る。印刷版の画像疎水性化工程は、定着液を満した狭い
通路を有する装置を通して印刷版を導きかつ、通路の端
末で、余分の液を除去する2個のしぼりローラの間へ印
刷版を送って自動的に実施することもできる。
【0076】銀像を担持する親水性ベースを定着液で処
理したら直ちにそれは印刷版として使用できる状態にな
っている
【0077】下記の実施例は本発明を例示するものであ
るが、しかし、本発明をこれに限定するものではない。
すべての部、パーセントならびに比率は、別途指示ない
限り重量による。
【0078】実施例 1(比較例)
【0079】像形成材料Iは造粒し、陽極酸化処理しか
つ封止したアルミニウム支持体を、物理現像核として
0.7mg/m2 のPdSを含有する銀受容層で被覆し
て得た。
【0080】次に、得られる乾いた層が、1m2 当り
0.5gの重量のメタクリル酸ポリメチルビーズを有す
るように水性組成物から、乾いた銀受容層上に中間層を
付与したが、前記組成物に含まれるものは下記の通りで
あった。
【0081】 1.0μmの平均直径を有する等容量の水とエタノールの 混合物中のメタクリル酸ポリメチルビーズの20%分散液 50ml ヘリオエヒトパピールロートBL(西独、レーフエルクーセン D−5090のBAYER AGが販売する染料の商標) 2.5g サポニン 2.5g ナトリウムオレイルメチルタウライド 1.25g 脱塩水 300ml (pH値:5.6)
【0082】次に、実質的に未硬化の感光性のネガ作用
カドミウム不含ゼラチン塩臭沃化銀乳剤層(97.98
/2/0.02モル%)を中間層上に被覆した、ハロゲ
ン化銀の量は1m2 につき2.40gの硝酸銀相当量と
し、かつ、乳剤層のゼラチン含有量は1.58g/m2
とした。
【0083】最後に像形成材料を裁断してシートとし
た。
【0084】各像形成シートは製版カメラで、接触スク
リーンを通して同じように露光しかつ下記の成分を有す
る新鮮な現像液中に、24℃で8秒間浸漬した:
【0085】 カルボキシメチルセルローズ 4g 水酸化ナトリウム 22.5g 無水亜硫酸ナトリウム 120g ハイドロキノン 20g 1−フエニル−3−ピラゾリジノン 6g 臭化カリウム 0.75g 無水チオ硫酸ナトリウム 8g エチレンジアミンテトラ酢酸テトラナトリウム塩 2g 脱塩した水で 1000mlにした pH(24℃)=13
【0086】開始された拡散転写は30秒間続けて、受
像層に銀像を形成せしめた。
【0087】現像したハロゲン化銀乳剤層と、中間層を
アルミニウム箔から除去するために、現像した単一シー
トDTR材料を、40℃の水を吹き付けて6秒間洗浄し
た。水の吹き付けは、実験開始時に水道水10lを含有
した洗浄槽からの水を供給し、そして洗浄水を使用した
水を排液した。
【0088】像形成材料の取扱いは10m2 の単位で、
連続的に進めた(処理時間30分)。各単位間には30
分の間隔があった。
【0089】表1に示すような量の画像済要素を洗った
後洗浄水の小サンプルを採取し、これに、pH12.5
までアルカリを添加することができる。指示された時
間、20℃で気密閉鎖したサンプルを貯蔵した後、これ
らの溶液の臭いを検査した。
【0090】
【0091】a)臭いは0から5間での相対的尺度で評
価した: 0:無臭 3:臭う 1:極めて軽微な臭い 4:不快臭 2:軽微な臭い 5:極めて不快な臭い
【0092】この表は、アルカリをpHが12.5にな
るまで洗浄水に添加することにより、画像要素20m2
を洗って14日間放置した後でさえも該洗浄水の(不
快)臭の発生が防止されることを明白に示している。ア
ルカリを添加しなかった場合は、更に多くの画像済要素
を洗へば直ちに(不快)臭が始まる。
【0093】実施例 2
【0094】像形成材料のシートIを実施例1に記述し
たような10m2 の単位で、連続的に作り、露光し、現
像しかつ、洗浄した。しかし、新鮮な洗浄液に、現像液
を、2容量%の量で添加した。表2に示すような量の画
像済要素を洗浄した後、洗浄水の少量のサンプルを採取
した。指示の時間、サンプルを20℃で気密閉鎖して貯
蔵した後、かかる溶液の臭いを検査した。その結果を表
2に示す。
【0095】
【0096】a)臭いは表1について説明したように評
価した:
【0097】これらの結果から明白なことが、洗浄した
画像済要素の量と、前記洗浄水の保持時間との関係にお
ける洗浄水の不快臭発生(その実際の使用時間を決定す
るもの)は本発明に従って、新鮮な洗浄溶液に、現像液
を2容量%の量だけ添加することにより既に実質的に遅
延している。実際、実施例1に述べたように、それぞれ
10m2 と20m2 を処理する洗浄水は、それぞれ7日
と3日後には既に臭いがあり、かつそれぞれ14日と7
日後には極めて不快な臭いがある。少なくとも30m2
を処理した洗浄液に、以後現像液を添加しない場合は、
当該洗浄液を8日間貯蔵した後でやはり臭いが発生する
だろうし、これは該洗浄液を14日間貯蔵した後は(非
常に)不快臭となる。
【0098】実施例 3
【0099】像形成材料Iのシートを実施例1に記載の
手順に従って形成し、露光し、現像し、洗浄した。しか
し、新鮮な洗浄液に、現像液を5容量%の量だけ添加し
た。最初の2日、50m2 の量を処理し、かつ、第3日
目に30m2 の量を処理した。表3に示すような量の画
像済要素を洗浄した後、洗浄水の少量のサンプルを採取
した。指示の時間、20℃で気密閉鎖したサンプルを貯
蔵後、かかる溶液の臭いを検査した。結果を表3に示
す。
【0100】
【0101】a)臭いは表1について説明したように評
価した:
【0102】各10m2 の処理後、洗った版は隔離す
る。次に、これらの13枚のアルミニウム箔の画像表面
は下記のような組成の定着液でこすり、非画像面の水受
容性を高めかつ、画像面は親油性でインク受容性とし
た。定着液の組成は下記の通りであった:
【0103】 10%水性n−ヘキサデシルトリメチル塩化アンモニウム 25ml ポリスチレンスルホン酸の20%水溶液 100ml 硝酸カリウム 12.5g クエン酸 20.0g 1−フエニル−5−メルカプトテトラゾール 2.0g 2−メルカプト−5−n−ヘプチル−オキサ−3,4− ジアゾール 200mg 水酸化ナトリウム 5.5g 水で 1000mlにした pH(20℃)=4
【0104】このように製造した印刷版は、同じオフセ
ット印刷機(HEIDERBERGGTO−46)に装
着し、そして、同一条件で印刷に使用した。フロリダ
州、Anchor/ Lithemko Inc. が上市している市販のA
QUA TAME 7035Eを、吸湿液として10%
のイソプロパノールを含有する水溶液に5%の濃度で使
用し、かつ、ドイツの Kast+Ehinger A.Gが市販し
ているK+E 125をインクとして使用した。圧縮性
のゴムブランケットを使用した。
【0105】すべての印刷版が、同じ素晴らしい複写を
与えた。極めて高度の印刷耐久性(>100000枚)
が得られかつ、小ラスター点も明瞭に再現された。
【0106】これらの、結果から、洗浄された画像要素
の量と、前記洗浄水の保持時間の関係における洗浄水の
(不快な)臭いの発生(その実際の使用時間を決定する
もの)は、以後現像液を添加しない場合、または洗浄水
のpHが10.5以下に低下する場合でさえも、本発明
に従って、現像液を、新鮮な洗浄液に、5容量%の量だ
け添加することによって極めて顕著に遅延され、しか
も、得られるリス乾板の印刷特性を悪化させることはな
いことが明白である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 オーギュスタン・メステル ベルギー国モートゼール、セプテストラー ト 27 アグファ・ゲヴェルト・ナームロ ゼ・ベンノートチャップ内 (72)発明者 リュドヴィク・ヴェルヴロウ ベルギー国モートゼール、セプテストラー ト 27 アグファ・ゲヴェルト・ナームロ ゼ・ベンノートチャップ内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銀塩拡散転写法に従って、オフセット印
    刷版を製作する方法であり: − (i) 親水性ベースと、(ii)物理現像核を含む受像
    層、及び(iii) ハロゲン化銀乳剤層をこの順序で含む像
    形成材料を、情報に従って露光する工程、 − 前記の情報に従って露光した像形成材料を、少なく
    とも1種の現像主薬と、少なくとも1種のハロゲン化銀
    溶媒の存在下において、アルカリ性の処理水溶液を用い
    て現像して、前記親水性支持体上に銀像を得る工程、及
    び、 − 洗浄水で洗うことによって前記ハロゲン化銀乳剤
    層、及び、前記銀像上の任意の層を除去して、前記銀像
    を露出させる工程を含む方法において、 前記、露光しかつ現像した像形成材料の多くても20m
    2 を洗う前、及び/又は水の使用が24時間を越えない
    内に、洗浄水中のpHが10.5ないし13になる量の
    アルカリを、前記洗浄水に添加することを特徴とする方
    法。
  2. 【請求項2】 前記洗浄水に、前記露光し、現像した像
    形成材料の多くても10m2 を洗う前に、前記洗浄水の
    pHが10.5ないし13になる量のアルカリを添加す
    ることを特徴とする請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 新鮮な洗浄水に、前記新鮮な洗浄水のp
    Hが10.5ないし13になる量のアルカリを添加する
    ことを特徴とする請求項1の方法。
  4. 【請求項4】 前記洗浄水に、前記洗浄水のpHが1
    1.3ないし12になる量のアルカリを添加することを
    特徴とする請求項1ないし3の何れか1項の方法。
  5. 【請求項5】 アルカリ処理溶液を、洗浄水に添加すべ
    きアルカリとして使用することを特徴とする請求項1な
    いし4の何れか1項の方法。
  6. 【請求項6】 前記処理溶液を、洗浄水に対して2ない
    し9容量%の量で添加することを特徴とする請求項5の
    方法。
  7. 【請求項7】 前記処理溶液を、洗浄水に対して5ない
    し7容量%の量で添加することを特徴とする請求項6の
    方法。
  8. 【請求項8】 前記処理溶液が、アルミニウムイオン
    を、少なくとも0.3g/lの量で含有することを特徴
    とする請求項5ないし7の何れか1項の方法。
  9. 【請求項9】 前記洗浄水のpHを、更に使用する間、
    アルカリを添加して、10.5ないし13に維持するこ
    とを特徴とする請求項1ないし8の何れか1項の方法。
  10. 【請求項10】 前記洗浄水のpHを、更に使用する
    間、アルカリを添加して、11.3ないし12に維持す
    ることを特徴とする請求項9の方法。
  11. 【請求項11】 少なくとも10m2 の像形成した材料
    を洗う一日につき少なくとも1回、少なくとも15分
    間、少なくとも50℃の温度に前記洗浄水を温めること
    を特徴とする請求項1ないし10の何れか1項の方法。
  12. 【請求項12】 洗浄時間が4ないし30秒の範囲内に
    あることを特徴とする請求項1ないし11の何れか1項
    の方法。
  13. 【請求項13】 洗浄時間が5ないし15秒の範囲内に
    あることを特徴とする請求項12の方法。
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