JPH06315384A - セリンプロテアーゼインヒビターの産生のための遺伝子組み換え法と、同じ目的に有用なdna塩基配列 - Google Patents

セリンプロテアーゼインヒビターの産生のための遺伝子組み換え法と、同じ目的に有用なdna塩基配列

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JPH06315384A
JPH06315384A JP6057872A JP5787294A JPH06315384A JP H06315384 A JPH06315384 A JP H06315384A JP 6057872 A JP6057872 A JP 6057872A JP 5787294 A JP5787294 A JP 5787294A JP H06315384 A JPH06315384 A JP H06315384A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、プロテアーゼインヒビターの合
成、特にヒトの多形核(PMN)−顆粒球プロテアーゼ
を阻害対象とする組換えインヒビターおよびその類縁体
の合成に関するものである。 【構成】 本発明の合成方法は、組換えDNA法であっ
て、特許請求の範囲に記載のDNA塩基配列を使用する
方法である。本発明の合成方法ではまた、特許請求の範
囲に記載の組換えベクターおよび形質転換宿主細胞が使
用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】本発明はプロテアーゼインヒビターおよ
びその類縁体の合成方法およびこの方法に有用なDNA
塩基配列、組換えベクターおよび形質転換宿主細胞に関
するものである。本出願は1984年12月6日に出願
されたU.S.特許出願連続番号No.678,822
の一部継続出願である。
【0002】
【従来の技術】発明の背景 内生タンパク分解酵素は、侵入する生物体、抗原−抗体
複合体と、生体に最早必要乃至は有用でないある特定の
組織タンパクを分解するのに役立つ。正常に機能してい
る生物体では、タンパク分解酵素は、限られた量だけ生
産され、一部はプロテアーゼのインヒビターの合成を通
じて制御されている。
【0003】多数の天然に存在するプロテアーゼインヒ
ビターは、その反応を場所的に及び時間的に制御するこ
とによって、内生プロテアーゼを制御している。その
上、プロテアーゼインヒビターは、感染及び寄生生物に
よって身体の中に持ち込まれたプロテアーゼを阻害する
ことがある。特別にタンパクの加水分解の攻撃や感染を
受け易い組織、例えば、呼吸路の組織はプロテアーゼイ
ンヒビターに富んでいる。
【0004】プロテアーゼインヒビターは、ヒト血漿タ
ンパクの約10%を構成している。少くとも8種のイン
ヒビターがこの材料源から単離され、文献中にその特性
が記載されている。これらの中には、α2 −マクログロ
ブリン(α2 M)、α1 −プロテアーゼインヒビター
(α1 PI)、α1 −アンチキモトリプシン(α1 Ac
hy)、β1 −アンチコラゲナーゼ(β1 AC)、及
び、インター−α−トリプシンインヒビター(IαI)
がある。
【0005】プロテアーゼ/プロテアーゼインヒビター
のバランスの攪乱は、気腫、関節炎、糸球体腎炎、歯周
炎、筋ジストロフィー、腫瘍の侵入及びさまざまな他の
病理的状態を包含するプロテアーゼを媒介とする組織の
破壊へと導く。ある状況、例えば、敗血症とか急性白血
病のようなきびしい病理学的進行の場合には、存在する
遊離のタンパク分解酵素の量は、分泌細胞からの酵素の
放出により増加する。それに加えて、他の状況下では、
これとは別に生体の制御的なインヒビターの容量が減少
するため、プロテアーゼ/プロテアーゼインヒビター−
バランスの変化が起きることもある。このような制御的
なインヒビターの容量が減少する例は、α1 −プロテア
ーゼインヒビターの欠損であり、肺気腫の発生と大きく
関わり合っている。
【0006】生体にこのような常規を逸脱した状態が存
在すると、タンパク分解酵素を制御するための方策を講
じなければ、生体への深刻な傷害が起り得る。したがっ
て、生体に投与すれば、タンパク分解酵素を制御するこ
とが出来るプロテアーゼインヒビターが探し求められて
きた。
【0007】白血球エラスターゼは、病理学的見地から
ことのほか興味深いセリンプロテアーゼの1つの例であ
る。白血球エラスターゼは、細胞外に放出されると、結
合組織やその他の貴重なタンパクを分解する。正常に機
能している生体にとって、ある一定量の結合組織や他の
タンパクを分解することは必要であるが、過剰の白血球
エラスターゼの存在は、気腫やリューマチ様関節炎のよ
うな様々な病理的状態と関連づけられている。白血球エ
ラスターゼが正常よりも大量に存在する場合、その効果
に抵抗するため、白血球エラスターゼ活性を阻害するプ
ロテアーゼインヒビターが探し求められてきた。精製し
た形で薬剤として役立つに足る量を、組み換えDNA法
によって生産できるとしたら、このようなプロテアーゼ
インヒビターは特別に有用であろう。
【0008】文献によると、過去において、少くとも2
種の白血球エラスターゼインヒビターが同定されてい
る。“ヒト多形核白血球の中性プロテアーゼ”(Hav
emannら(編)UrbanとSchwarzenb
erg,Inc.(1978))中の“ヒト粘液性分泌
物中の顆粒球中性プロテアーゼの酸に安定なインヒビタ
ー;生化学と可能な生物学的機能”において、Schi
eislerらが記述した1つのタンパクがヒトの精液
のプラズマ及び痰から単離され、N末端アミノ酸として
チロシンを持つ、大きさが11kdaのタンパクとして
特徴づけられた。このタンパクの文献報告からは、部分
的なアミノ酸配列しか提供されていないが、部分的な配
列からさえも、このタンパクは本発明のタンパク類とは
実質的に異なっていることがわかる。このタンパクのア
ミノ酸配列の報告と、本発明のタンパクのアミノ酸配列
データーから考えると、Schiesslerらによっ
て配列が決定されたものは、元来一本鎖のポリペプタイ
ドではないタンパクの分解物であったかもしれないとい
うことが発明者らに示唆される。
【0009】1例において、ヒトの血漿から単離された
2番目のタンパク、α1 −protease inhi
bitorと名付けられた。このタンパクに関する業績
は、TravisとSalvesenによって総説、A
nnual Reviewof Biochemist
ry52:655−709(1983)にまとめられて
いる。このタンパクのアミノ酸配列のレポートは、これ
も本発明のタンパクから実質的に異なっていることを示
している。
【0010】本発明の一本鎖ポリペプチドのタンパク類
が以前の技術による一本鎖ポリペプチドのセリンプロテ
アーゼインヒビターのいずれとも著しく異なっているか
ら、以前に研究された、一本鎖ポリペプチドのセリンプ
ロテアーゼインヒビター類は本発明のタンパク類とは
“実質的に相同”ではない。
【0011】トリプシンは、病理学的見地から特別興味
のあるもう1つのタンパクである。トリプシンは、膵臓
炎のような種々の急性症状のなかで、膵臓のような特定
の軟かい器管の組織の分解を始めることが知られてい
る。これらの症状の治療を目的として、トリプシンの作
用を阻害するだろうと期待されたタンパク類の使用によ
る種々の努力がなされたが、目覚しい成功は得られなか
った。このような努力の実例は、ヒトの膵臓炎の治療に
牛の外生トリプシンインヒビターを用いる試みである。
このような技術は、ヨーロッパで試みられたが、米国食
品医薬品局(FDA)によって効果があると認められな
かった。
【0012】したがって、種々の急性または慢性症状中
の、過剰のトリプシンを中和する効果のあるプロテアー
ゼインヒビターが必要である。上記で論議した白血球エ
ラスターゼインヒビターの場合にもそうであったよう
に、トリプシンインヒビターは、もし、組み換えDNA
法によって精製した形で、薬剤として役立てるに足る量
だけ単離製造できれば、ことのほか有用であろう。カテ
プシンGは、白血球に大量に存在するもう1つのプロテ
アーゼである。カテプシンGは、補足的経路のタンパク
をはじめとする種々の価値のあるタンパクをin vi
troで分解できることが知られている。膵臓のエラス
ターゼが、膵臓炎で役割を果している可能性のあるもう
1つのプロテアーゼである。したがって、これらのプロ
テアーゼに対する阻害剤も薬剤としての潜在的価値があ
る。
【0013】白血球エラスターゼ、トリプシン、カテプ
シンGと膵臓のエラスターゼは、セリンプロテアーゼと
して知られている一群のプロテアーゼの例であり、共通
の構造と作用機作の要素を持っている。それらの異なる
基質に対する活性や、異なるインヒビターへの活性は、
2、3のアミノ酸残基だけが異なっていることから生ず
ると信じられている。類推によれば、やはり構造と作用
機作の共通の要素を持っていて、比較的少ないアミノ酸
の変化が、異なったプロテアーゼの阻害を結果として生
ずるセリンプロテアーゼインヒビターを想像することが
可能であり、しかも、少くともこの群の1員は、前述の
群中のセリンプロテアーゼのすべてを阻害するであろ
う。そうであるとすれば、この群のセリンプロテアーゼ
インヒビターは、大きな価値があるであろう。
【0014】
【発明の開示】驚くべきことに、本発明者達は、このよ
うなセリンプロテアーゼインヒビターの合成を導き、合
成を行なうことができるDNA配列を発見した。このイ
ンヒビターは、耳下腺分泌物から単離されたものと生物
学的に等価である。組み換えDNA法によって作られ、
本明細書に記載の本発明のプロテアーゼインヒビター
は、少くとも2箇所の活性部位を持っている。すなわ
ち、白血球エラスターゼ阻害の性質を示す1つの部位
と、トリプシンに対して阻害活性を示す2番目の部位で
ある。
【0015】本発明によって生産される組み換えインヒ
ビターは、熱や酸による変性に著しく抵抗性があり、ま
た様々なタンパク分解酵素によるタンパク分解作用に対
しても抵抗性があると考えられる。この出願に用いられ
るように“組み換えインヒビター”は、組み換えDNA
の方法論と技術によって生産されるプロテアーゼインヒ
ビターのことを指すよう意図されている。さらに、本発
明の組み換えインヒビターの活性形は、哺乳動物の身体
の細胞外の部位で普通に出会うような条件下では、熱力
学的に安定である。組み換えプロテアーゼインヒビター
の変成した形はまた、ジスルフィド結合を形成する能力
も持っており、生化学的刺激の存在しない状態で活性三
次構造をとるのに必要な非共有結合的相互作用を成立さ
せる能力がある。
【0016】より十分に、以下に示す本発明のDNA塩
基配列は、発表されている他の白血球エラスターゼイン
ヒビターのアミノ酸配列とは大きく異なっているところ
のタンパクの合成を導き行なう能力がある。したがっ
て、本発明のDNA塩基配列の同定によって、本出願の
中で明らかにされる。新規の組み換えプロテアーゼイン
ヒビターの製造に関する組換えDNA法の本発明を可能
とした。このような組換え法は、セリンプロテアーゼ阻
害活性を持っている経済的な薬剤組成物を供給するため
に、量的にも、純度的にも、阻害剤の製造を可能にす
る。さらに、DNA塩基配列の同定により、上述のセリ
ンプロテアーゼ阻害剤の類縁体を製造する組み換えDN
A法の発明を可能にした。
【0017】発明の要旨 本発明は、プロテアーゼインヒビターの製造に関するも
のであり、一般、そして更に特定的には、ヒト、多形核
(PMN)−顆粒球プロテアーゼを阻害対象とした組換
えインヒビターの製造に関するものである。特に本発明
は白血球エラスターゼやトリプシンを始めとするヒト・
セリンプロテアーゼに対するインヒビターの製造のため
の組換えDNA法に関するものである。それに加えて、
本発明は、当該セリンプロテアーゼインヒビターの類縁
体の製造に関する組み換えDNA法にも関連する。本発
明はまた、以下に述べるような組み換えDNA法におい
て有用な合成並びに天然のDNA塩基配列に関するもの
である。
【0018】セリンプロテアーゼ阻害活性を持つ一本鎖
のポリペプチドであるセリンプロテアーゼインヒビター
の組み換えDNA合成法を提供することが本発明の目的
の一つである。これらのインヒビターは、ヒトの耳下腺
分泌物から単離された天然の白血球エラスターゼまたは
トリプシンインヒビターによって示される活性と生物学
的に同等な活性を持っている。
【0019】これらのセリンプロテアーゼインヒビター
の代替組み換えDNA合成を容易にするために、等価の
天然のDNA塩基配列と同様に、これらの組み換えプロ
テアーゼインヒビターの産生を導き行なうことができる
合成DNA塩基配列を供給することが、この発明のなお
それ以上の目的である。このような自然のDNA塩基配
列は、プロテアーゼインヒビターの合成を導き行なうこ
とができる遺伝子が、そこから単離、同定されうるcD
NAもしくはゲノムライブラリーから単離されうる。
【0020】さらに、先に検討したプロテアーゼインヒ
ビターの類縁体を製造する組み換えDNA法及びこのよ
うな方法に役立つ、相当する類縁DNA塩基配列を提供
することが本発明の目的である。なおその他の本発明の
目的と利点は、以下に続く記述において一部出てくるで
あろう。そして一部は記述から明白であるか、発明の実
施から学ばれることもあろう。その目的と利益は、添付
した特許請求の範囲において特に指摘されている手段と
組合せによって了解され、達成されるであろう。
【0021】この目的を達成するため、そして本発明の
目的に従って、セリンプロテアーゼ阻害活性を示すとこ
ろの、活性型で一本鎖ペプタイドのタンパクであるプロ
テアーゼインヒビターの組み換えDNA方法論による産
生を導き行なうことができるDNA塩基配列を発見し
た。これらの組み換えプロテアーゼインヒビターは、熱
や酸による変性に対して著しく耐性である。さらに、こ
れらのプロテアーゼインヒビターは、キモトトリプシン
やマウスの顎下腺プロテアーゼやクロストリパインのよ
うな多くのタンパク分解酵素に接触した後でさえ、それ
らの生物活性を維持している。
【0022】これらの組み換えセリンプロテアーゼイン
ヒビターの製造を導き行なうために発見されたDNA塩
基配列の(遺伝暗号鎖)コーディングストランドは以下
の通りである。
【化13】
【0023】上述の略号によって表示されているヌクレ
オタイドは、提起された具体的態様に係る詳細な記述に
おいて明らかになる。これらの遺伝子組み換えセリンプ
ロテアーゼインヒビター、特に本発明の分泌形白血球プ
ロテアーゼインヒビター(SLPI)の製造を導き行な
うために発見した、2番目の好ましいDNA塩基配列に
対するコーディングストランドは以下の如くである。
【0024】
【化14】
【0025】さらに目的を達成するため、そして本発明
の目的に従って、上述の天然または合成DNA塩基配列
を用いて、セリンプロテアーゼインヒビターの微生物に
おける製造に帰着する組み換えDNA法を明らかにす
る。この組み換えDNA法は以下の項目を包含する。 (a)宿主微生物を導き、セリンプロテアーゼ阻害活
性、好ましくは白血球エラスターゼ阻害活性を持つタン
パクの製造を行なうことができるDNA配列の調製。 (b)宿主微生物の中に導入され、複製することができ
るDNA塩基配列をクローニングすること。このような
ベクターDNA塩基配列に対するオペレーショナルエレ
メント(操作要因)を含んでいる。 (c)DNA塩基配列とオペレーショナルエレメントを
含むベクターをプロテアーゼ阻害タンパクを発現するこ
とができる宿主微生物の中に移すこと。 (d)ベクターの増幅とインヒビターの発現のため適切
な条件下でその微生物を培養すること。 (e)インヒビターを収穫すること;そして (f)インヒビターがセリンプロテアーゼ阻害活性を有
する活性三次構造をとれるようにすることである。
【0026】本発明において使うための天然のDNA塩
基配列の同定単離を容易にするため、本発明者達はヒト
耳下腺組織cDNAライブラリーを開発した。このライ
ブラリーは、細胞が本発明のセリンプロテアーゼインヒ
ビターを合成するようにしむけることができる遺伝情報
を含んでいる。ここに述べられた組み換えDNA法に用
いられることがある他の天然DNA塩基配列は、ヒト・
ゲノムライブラリーから単離することができる。
【0027】本発明の方法において役に立つ合成塩基配
列は、ポリヌクレオチドの合成と、この道の普通の技量
を持った人々にとって知られている配列を行なう技術に
よって作ることができる。先に述べた過程において、有
用な天然のDNA塩基配列は、以下の項目を含む方法に
よって同定・単離することができる: (a)細胞から、好ましくは耳下腺の細胞からセリンプ
ロテアーゼインヒビターを誘発させることができるヒト
cDNAライブラリーを調製すること。
【0028】(b)プロテアーゼ阻害剤の遺伝子または
そのタンパク生産物に結合することができる少なくとも
1つのプローブでヒトDNAライブラリーをプローブす
ること。 (c)クローンが遺伝子又はそのタンパク生成物に対す
る、少くとも1つのプローブに結合する能力によって、
阻害剤をコードしている遺伝子を含む少なくとも1つの
クローンを同定すること。 (d)同定されたクローンから阻害剤をコードしている
遺伝子の単離、そして (e)遺伝子またはそれについての適切な断片を宿主の
微生物の遺伝子を維持し、表現することに必要なオペレ
ーショナルエレメントにつなぐこと。
【0029】上述の工程において、有用な天然のDNA
塩基配列も、以下の項目を含む方法によって同定・単離
できる。 (a)宿主recrec BC E.coli
おいて繁殖させたヒト・ジェノミックDNAライブラリ
ーを調製すること。 (b)ヒト・ゲノムDNAライブラリーをセリンプロテ
ィンインヒビター遺伝子に結合することができるか、そ
のタンパク生成物に結合することができる少くとも1つ
のブローブでプローブすること。
【0030】(c)遺伝子又はそのタンパク産物に対す
る少くとも1つのプローブに結合するクローンの能力に
よってインヒビターをコードする遺伝子を含む少くとも
1つのクローンを同定する。 (d)同定されたクローンからインヒビターをコードす
る遺伝子を単離する。そして、 (e)遺伝子もしくは適当なその断片を宿主微生物中の
遺伝子を維持し発現するのに必要なオペレーショナルエ
レメントにつなぐこと。
【0031】さらに、目的を達成するため、そして本発
明の目的に従って、セリンプロテアーゼインヒビターの
医薬として有用な類縁体は上記で詳述した遺伝子組み換
えDNA法により、適切なベクターにクローニングを行
なって、適切な宿主微生物に移した場合、欲しい類縁体
の発見を誘導できる遺伝子をつくり出すために、上に列
挙した組み換えDNA技術を通じて合成的なDNA塩基
配列もしくは天然DNA断片を変えることにより生産す
ることができる。
【0032】さらに、目的を達成するために、そして本
発明の目的に従って、本発明に従った組み換えプロテア
ーゼインヒビター、もしくは上に述べた、組み換えDN
A法で生産された生物活性を有するアナログを活性成分
として含んでいる薬剤組成物を明らかにする。本発明に
組み込まれていてこの出願の一部をなしている添付され
ている図面は、この発明に役立つ種々のプラスミドを図
解し、同時に、本発明の原理を説明するのに役立つ記述
を含んでいる。
【0033】図1は、プラスミドpSGE6の地図であ
る。図2は、プラスミドpSGE8の地図である。図3
は、プラスミドpGS285の地図である。図4は、プ
ラスミドpGS485の地図である。
【0034】好適態様に関する説明 現在において提出した発明の実施態様について、今、詳
細に述べよう。それらは、あとに続く実施例とともに本
発明の原理を説明するのに役に立つ。上記したように、
本発明は精製した形で単離されたプロテアーゼインヒビ
ターに関するものである。望ましくは、本発明のセリン
プロテアーゼインヒビターは、一本鎖ポリペプチドタン
パクであり、ヒト・耳下腺分泌物から単離された天然の
セリンプロテアーゼインヒビターと実質的に同族である
かもっとも好ましくは生物学的に等価である。
【0035】本明細書および請求範囲を通じて使われて
いる“生物学的に等価”とは、組成物は、プロテアーゼ
によって誘起された、同じ型の組織の損傷を防ぐことが
できるが、必ずしも天然プロテアーゼインヒビターと同
程度ではないということである。あとに続く明細書の記
載および請求の範囲を通じて使用されている“実質的に
相同”とは、天然の耳下腺インヒビターに対して以前に
報告されている一本鎖ペプタイドセリンプロテアーゼイ
ンヒビターによって示された相同性以上の相同性のこと
である。好ましくは、相同性の程度が40%より大き
く、最も好ましくは50%より大きく、特別に好ましい
群のタンパクは天然耳下腺インヒビターとの相同性が6
0%より大きい。上に記述したような百分率の相同性
は、2つの配列のうちの小さい方に見出された成分の百
分率として計算されており、2つの配列のうちの大きい
方でも、同じことがみつかるかもしれない。この成分は
4つの続いたアミノ酸の配列として理解されているもの
である。
【0036】本発明の組み換え法によって製造される好
ましいプロテアーゼインヒビターは、Robert
C.Tompson et.al.の“セリンプロテア
ーゼインヒビターと同じものを単離する方法”と題し
て、1984年12月6日に提出した米国特許出願連続
番号No.678,823及びこの出願と同日付けで出
願された、Robert C.Tompsonらの“セ
リンプロテアーゼ阻害剤と同じものを単離する方法”と
題する米国特許出願連続番号No. に記述されている。
【0037】このようなプロテアーゼインヒビターは、
熱や酸による変性に対し、著しく耐性であり、又、キモ
トリプシン、マウス顎下腺プロテアーゼ、クロストリパ
インをはじめとする、多くのタンパク分解酵素に接触し
た場合、活性喪失に対し抵抗性である。これらのインヒ
ビターは、必要なジスルフィド結合を形成する能力を持
ち、生化学的刺激の存在しないところで、プロテアーゼ
インヒビター活性を表わすことができる3次構造をとる
べく適切な非共有結合的相互作用を受ける。あるいは、
ジスルフィド結合が切れて非共有結合的相互作用が破壊
されてもこのような結合を再生し、相互作用を取戻し、
生化学的刺激のないところで、このような活性3次構造
を再びとることができる。
【0038】これらの特性を持っている好ましいセリン
プロテアーゼインヒビターのアミノ酸の配列を検討し、
その配列を以下の如く決定した。
【化15】
【0039】上記の略号は、ポリペプチド中の下記のと
おりにアミノ酸残基に対応する。アミノ酸 略 号 アラニン Ala バリン Val ロイシン Leu イソロイシン Ile プロリン Pro フェニールアラニン Phe トリプトファン Trp メチオニン Met グリシン Gly セリン Ser スレオニン Thr
【0040】アミノ酸 略 号 システィン Cys チロシン Tyr アスパラギン Asn グルタミン Gln アスパラギン酸 Asp グルタミン酸 Glu リジン Lys アルギニン Arg ヒスチジン His
【0041】本発明により明らかにされた組み換えDN
A法によって製造されるこれらのプロテアーゼインヒビ
ターは1つ以上の区別できるドメインを持っていること
が発見された。1つ以上の区別できるドメインとは、そ
のタンパクが異なる酵素に対して機能する複数の活性部
位を持っているということである。これらの場所の存在
と位置づけは、プロテアーゼインヒビターの少くとも2
つの部分の間には、実質的な相同性があることが発見さ
れたことによって決定された。区別できるドメインの存
在が、本発明のプロテアーゼインヒビターに対して白血
球エラスターゼもトリプシンも含む広い範囲のセリンプ
ロテアーゼを阻害する能力を与えていると考えられる。
【0042】さらに、これらプロテアーゼインヒビター
のはっきりしたドメインの複数性のために、プロテアー
ゼインヒビターが附加的特性をもつプロテアーゼインヒ
ビターをつくるために、さまざまな他の活性部位がその
上に構築されるような枠組みとして役立つかもしれない
ということが注目された。本発明の好適態様では、白血
球エラスターゼ、カテプシンG、膵臓のエラスターゼと
トリプシンを阻害するプロテアーゼインヒビターの産生
が含まれている。これらの酵素はすべて共通のメカニズ
ムと多くの構造的特徴を共有しているセリンプロテアー
ゼとして知られているプロテアーゼのクラスのメンバー
である。
【0043】本発明によって生産されたプロテアーゼイ
ンヒビターにおいて、小数のアミノ酸側鎖を細工するこ
とによってインヒビターの複合性が創り出され、各々が
全体のクラスのセリンプロテアーゼの少くとも1員を阻
害することができると考えられる。その上、このような
側鎖の修飾は、上に述べたような特定のセリンプロテア
ーゼのクラスのメンバーに関して阻害活性が改善されて
いる複合性のインヒビターを産生することが期待でき
る。
【0044】これらの目標を達成するのに必要なアミノ
酸の側鎖の変化は、本発明によって生産された好ましい
インヒビターとこのインヒビターの重要な機能部分がX
−線結晶学によって解明された他のセリンプロテアーゼ
阻害剤の間の構造類似性の特定の要素によって示唆され
る。構造的類似性のこれらの要素は上述の本発明によっ
て製造された好ましいセリンプロテアーゼインヒビター
のアミノ酸17から29及び70から83を含んでい
る。量的か質的かのいずれかにおいて、トリプシン様セ
リンプロテアーゼインヒビターの活性を改良するために
示唆された変化は、20番目のアミノ酸をArgからP
he、TyrあるいはTrp、72あるいは74番目の
アミノ酸をLeuから、LysまたはArg、そして7
3番目のアミノ酸をMetからLysまたはArgへ変
換することの1つもしくはそれ以上を含んでいる。
【0045】カテプシンGをはじめとするキモトリプシ
ン様セリンプロテアーゼに対する活性を、量的又は質的
に改善するべく示唆された変化は、アミノ酸20をAr
gからPhe、TyrまたはTrpへ、アミノ酸72ま
たは74をLeuからPhe、TyrまたはTrpへ、
そしてアミノ酸73をMetからPhe、Tyrもしく
はTrpへ変換することを、1つもしくはそれ以上行な
うことを含んでいる。
【0046】膵臓のエラスターゼ様セリンプロテアーゼ
に対する阻害活性を、量的もしくは質的に変えるべく示
唆された変化は、アミノ酸20をArgからAalへ、
72または74番目のアミノ酸をLeuからAlaへ、
そして73番目のアミノ酸をMetからAlaへ変換す
ることの1つ又はそれ以上を含んでいる。本発明の実施
にあたっては、本発明のタンパクに新しいプロテアーゼ
阻害活性を付与するためのアミノ酸の変更が、白血球エ
ラスターゼもしくはトリプシンに対するインヒビターの
活性を破壊するかもしれないということに心にとめてお
かねばならない。このような効果は本発明の教示に従っ
て行なわれる型通りの実験によって決定されよう。
【0047】さらに、上に提出されたように、特定のア
ミノ酸もしくは特定のアミノ酸の配列を置換すると、一
方では強化されないドメインの活性を幾分か犠牲にする
ことになるが、本発明のプロテアーゼインヒビターの白
血球エラスターゼもしくは、トリプシン阻害活性のいず
れかを増強するかもしれないということが考えられる。
事実:阻害タンパクの中のどの領域の活性も、適切なア
ミノ酸置換によって完全に除去され、その際、それに対
して通常そのタンパクが活性がある1つか、もしくはい
くつかの酵素のサブセットに対して、特異性のあるタン
パクをつくるかもしれない。
【0048】例えば、73位置のMetに対し、Gly
を置換するか、もしくは、72か、74の位置のLeu
に対してGlyを置換すると、白血球エラスターゼ阻害
ドメインを不活性化するが、20の位置のArgに対し
Glyを置換するとトリプシン阻害ドメインを不活性化
する。これらドメインはまた、各々が望ましい阻害機能
を保持する、別々のタンパクに分けることもできる。本
発明の請求範囲は、これらの手段によるこのようなイン
ヒビターを産生する他の工程に対しても拡張される。本
発明者らは、前記で議論したプロテアーゼインヒビター
の細胞内生産を導き行なうことができる合成的DNA塩
基配列を発見した。この塩基配列は、次のような構造を
もっている:
【0049】
【化16】
【0050】この中で、ヌクレオチドは、下記のとおり
の略号で表されている:ヌクレオチド 略 号 デオキシアデニル酸 A デオキシグアニル酸 G デオキシシチジル酸 C チミジル酸 T本発明者ら
は、前記で議論したプロテアーゼインヒビター、とりわ
け、上述の分泌性白血球プロテアーゼインヒビター(S
LPI)の細胞外産生を導き行なうことができる2番目
の好ましい合成DNA塩基配列を発見した。この塩基配
列は次のような構成をもっている:
【0051】
【化17】
【0052】上記で注意したように、本プロテアーゼイ
ンヒビターの複合的ドメイン構造のため、上に議論した
ようなセリンプロテアーゼインヒビターの類縁体生産を
導くことができるDNA配列を結果として生ずる、ここ
に提出する合成的DNA配列に変化を与えることが考え
られる。特に本発明に従って組み換えDNA技術によっ
て生産されたセリンプロテアーゼインヒビターの好まし
い類縁体は、次のアミノ酸配列をもっている:
【0053】
【化18】 ここでR1 とR7 は同一か、異なったものであり、置換
もしくは無置換のアミノ酸残基もしくはその誘導体から
なる群から選ばれ;そしてR2 、R3 、R4 、R5 、R
6 、R8 及びR9 は同一か異なったものであり、メチオ
ニン、バリン、アラニン、フェニールアラニン、チロシ
ン、トリプトファン、リジン、グリシン及びアルギニン
からなる群から選ばれる。
【0054】上記のDNA塩基配列は、本発明の好まし
い具体例を表していることに留意すべきである。ジェネ
ティックコードの縮重のためにヌクレオチドの多数の選
択、当該プロテアーゼインヒビター、もしくはその類縁
体の生産を導き、行なうことができるDNA塩基配列に
導く多数のヌクレオチドの選択がなされうるということ
が理解されるべきである。上記した塩基配列に対し、機
能的に同等であるDNA塩基配列もしくは上に提出した
アミノ酸配列に従って生産されたプロテアーゼインヒビ
ターの類縁体の産生を導き行なうであろうところの配列
に機能的に等価である配列は、それ自体で本発明の中に
包含されるものとする。
【0055】以下の図式は、縮重した遺伝暗号の結果と
して考えられるコドンの置換の例として、上記に数え上
げた好ましいアミノ酸配列の製造のための本発明の範囲
に含めることを意図した追加のDNA配列である。この
タンパクの生産に対する等価DNA塩基配列を決定する
ための例を辿ることによって、当業者ならば、好ましい
アミノ酸配列の類縁体の生産のための等価なDNA塩基
配列も決定できる。
【0056】
【化19】
【0057】上記の配列において、使用されている略号
は下記のヌクレオチドを表わすものである: ヌクレオチド 略 号 A,G,C,T N A,G P C,T Q
【0058】直前に挙げたものを含め、本発明の合成D
NA塩基配列において用いられる遺伝暗号を選択する場
合に、特定のアミノ酸を指示するのに用いられる遺伝暗
号は高度に発現されるタンパクと関連するものであるこ
とが望ましい。これらの望ましい遺伝暗号は1部Gra
nthan,R et al.らの“Codon Ca
talog Usage Is a Genome S
trategy Modulated For Gen
e Expressivity”は、Nucleic
Acids Research :r43(198
1)に出ている。本発明の好ましいDNA配列は、縮重
した配列のいずれに対しても、Escherichia
coliの配列遺伝暗号を選択することによって選ば
れた。
【0059】さらに、本発明のプロテアーゼインヒビタ
ーの類縁体の産生を導き行なうことが出来る追加の合成
DNA塩基配列をつくり上げるための合成DNA塩基配
列の変換を容易にする遺伝暗号を選ぶことが望ましい。
特に、もし可能なら、制限酵素、エンドヌクレアーゼの
切断位置を、追加の遺伝暗号を挿入することが望ましい
合成DNAの位置の近くに、もしくは類縁体か作られる
ように遺伝暗号を取り換えることが望ましい位置に、も
ってくることができるようにヌクレオチド配列を選ぶこ
とが望ましい。本発明のDNA配列の望ましい実施態様
においては、制限酵素の切断位置が上に示したヌクレオ
チド配列の下に示してある。
【0060】本発明において考えられている合成DNA
配列をつくり出す方法は、一般的に、最近の報告によっ
て導かれたこの道の普通のわざの1つによって遂行され
る型通りの業務の範囲内にある。本発明において明らか
にした合成DNA塩基配列を得るために用いられる適切
な方法の例は、Matteacci,M,D,とCar
uthers,M.H.,J.AM.Chem.So
c.103:3185(1981)及び、Beauca
ge,S.L.とCaruthers,M.H.,Te
trahedron Lett.22;1859(19
81)、によって提出されており、両方とも、特別に参
照事項としてこの中に組み込まれている。本発明の別の
実施態様において、1つのDNA塩基配列が、本発明の
望ましい分泌白血球プロテアーゼインヒビター(SLP
I)をコードするヒト・ジェノミックライブラリーから
単離された。この4番目の遺伝暗号からコードされ、現
在発明者らに知られているイントロン(介在配列)を含
むこの塩基配列は以下の通りである:
【0061】
【化20】
【0062】
【化21】
【0063】
【化22】
【0064】これらの配列において使用されているアミ
ノ酸残基を表わす1文字の略号は慣用のものであり、例
えば、A.L.LehningerによるBioche
mistry 第2版、Worth Publishe
r,Inc.,New York(1976)72頁に
出ている。この塩基配列とここに含まれるアミノ酸配列
データーを用いて、上のゲノム配列に加えられた場合、
全プロテアーゼインヒビター剤をコードする遺伝子に到
達する合成DNA配列が構築できる。そのかわりに、上
に示したDNA塩基配列を用いてプローブを作り、最初
の3つのアミノ酸に対するコドンを持っている、ヒトゲ
ノムライブラリーから、DNA断片を回収するのに用い
た。
【0065】このようなプローブは、それに加えて適切
なリーダー配列を含むヒトゲノム配列を同定するのに用
いられる。このリーダー配列、または、どの他の適切な
リーダー配列も、DNAゲノム配列と併用して、哺乳動
物の発現システムに用いられると考えられる。本発明の
もう1つの別法としての具体的態様において、本発明の
好ましい分泌性白血球プロテアーゼインヒビターの細胞
内生産を導き、行なうことができるDNA配列をコード
する耳下腺ライブラリーからcDNAクローンを単離し
た。このクローンはAccession No.
の下に、Rockville,Maryla
ndのAmerican Type CultureC
ollectionに寄託されている。
【0066】セリンプロテアーゼ阻害活性を有する少な
くとも1つの活性部位をもつ1本鎖ポリペプタイドから
構成されている1つのプロテアーゼインヒビターの製造
に対する組み換えDNA法が明らかとなった。本発明の
態様の1つにおいて、この活性部位は、ヒト・耳下腺分
泌物から単離された天然の白血球エラスターゼインヒビ
ターの活性部位と生物学的に等価な方法で機能する。天
然又は合成DNA塩基配列は、プロテアーゼインヒビタ
ーの直接生産に用いることができる。
【0067】この方法は、以下の工程を含む: (a)宿主微生物が、セリンプロテアーゼインヒビター
活性をもっているタンパクを生産するよう導くDNA塩
基配列の調製。 (b)DNA塩基配列を宿主に移し増殖することができ
るベクターにそのDNA塩基配列をクローニングするこ
と。このようなベクターは、そのDNA塩基配列に対し
てオペレーショナルエレメントを含んでいる。 (c)合成DNA塩基配列とオペレーショナルエレメン
トを含むベクターをプロテアーゼインヒビターを発現す
ることができる宿主微生物に移す。 (d)その微生物をベクターの増殖とインヒビターの発
現に適切な条件下で培養すること。 (e)インヒビターを収穫すること。そして、 (f)インヒビターがセリンプロテアーゼ阻害活性を持
つ、活性3次構造をとれるようにすること。
【0068】この方法における使用のために考えられた
合成DNA塩基配列が、上に詳細に検討された。別の実
施態様において、この方法で天然のDNA塩基配列も使
うことができるということが更に考えられる。これらの
配列には、cDNAもしくはゲノムDNA断片が用いら
れる。この実施態様のより好ましい変形として天然のD
NA配列は、以下の項目を含む方法によって得られる。 (a)セリンプロテアーゼインヒビターを産生できる細
胞、さらに望ましくは、耳下腺の細胞からヒトのcDN
Aライブラリーを調製する。
【0069】(b)プロテアーゼインヒビター遺伝子も
しくはそのタンパク産物に結合することができる少くと
も1つのプローブで、ヒトDNAライブラリーを検索す
る。 (c)そのクローンが遺伝子もしくはそのタンパク産物
に対する、少くとも1つのプローブと結合する能力によ
ってインヒビターをコードする遺伝子を含む少くとも1
つのクローンを同定する。 (d)選ばれた単一クローンもしくは複数のクローンか
らインヒビターをコードする遺伝子の単離。 (e)遺伝子もしくはその適切な断片を宿主微生物中の
遺伝子を維持し、発現するために必要なオペレーショナ
ルエレメントにつなげること。
【0070】前出の方法において、有用な天然のDNA
塩基配列もまた以下の工程を経て同定単離できる: (a)より好ましくは、宿主recrec BC
E.coli中で繁殖させたヒト・ジェノミックライ
ブラリーを作る。 (d)ヒトジェノミックライブラリーをセリンプロテイ
ンインヒビター遺伝子、もしくは、その生産物に結合す
ることができる少なくとも1つのプローブを用いて検索
する。
【0071】(c)そのクローンが遺伝子またはタンパ
ク産物に対する少なくとも1つのプローブに結合するク
ローンの能力によってインヒビターをコードする遺伝子
を含む少くとも1つのクローンを同定する。 (d)同定されたクローンからのインヒビターをコード
する遺伝子を単離する。 (e)遺伝子もしくはその適当なフラグメントを宿主微
生物中の遺伝子を維持し、表現するのに必要なオペレー
ショナルエレメントにつなげること。
【0072】上記に挙げた方法を用いるのに、適切な天
然のDNA遺伝子を単離するにあたり、適当な遺伝子の
両端部分、すなわち遺伝子の断面の内側または最も近い
部分に位置している2つの制限酵素切断部位を同定する
ことがより好ましい。適切な遺伝子を含むDNA断片を
次に適切な制限エンドヌクレアーゼを用いて、ゲノム物
質の残りから除去する。切り出した後、セリンプロテア
ーゼインヒビタータンパクのN−及びC−末端にコード
することができ、またそのDNA配列をそのオペレーシ
ョナルエレメントに融合させることができるように、D
NA配列の3′及び5′末端は再構築される。
【0073】本発明における、使用のため考えられるベ
クターは、優先されるか、もしくは、必要となるオペレ
ーショナルエレメントとともに、前記で検討したような
DNA塩基配列が挿入され、又そのベクターが、その後
宿主微生物に移され、その微生物中で複製出来るよう
な、ベクターすべてを含む。より好ましいベクターは、
その制限酵素切断部位がよく報告されていて、DNA塩
基配列の転写に、より好まれるか、もしくは必要であ
る、オペレーショナルエレメントを含んでいるようなベ
クターである。
【0074】本明細書に記載のオペレーショナルエレメ
ントの用語には、少なくとも1つのプロモーター、少く
とも1つのオペレーター、少くとも1つのリーダー配
列、少くとも1つのシャイン−ダルガーノ配列、少くと
も1つの停止コドン及びベクターDNAの適切な転写と
その次の翻訳に必要か、より好ましい他のDNAのすべ
てが含まれる。特に、このようなベクターは、少くとも
1つの選択可能なマーカーとともに、宿主微生物によっ
て認識される複製の少くとも1つの起点、及び合成DN
Aの塩基配列の転写を始めることが出来る少くとも1つ
のプロモーター塩基配列を含んでいると予測されてい
る。ある実施態様においては、ベクターは、レギュレー
ターとして機能することができるあるDNAを含み、レ
ギュレータープロテインをコードすることができる他の
DNA塩基配列を含んでいることが、さらに、より好ま
しい。
【0075】これらのレギュレーターは、1つの実施態
様においては、ある環境条件の存在下でDNA配列の発
現を防ぐのに役立ち、他の環境条件では転写と、続いて
起る合成DNA塩基配列によってコードされたタンパク
の発現が行なわれる。とりわけ、例えば、イソプロピル
チオー−d−ガラクトシッドが存在しないと、合成DN
Aの発現が起らないようなベクターのなかには調節断片
が挿入されることがより好ましい。この状況下では、合
成DNAを含む形質転換した微生物は、プロテアーゼイ
ンヒビターの発現がはじまる以前にある望ましい密度ま
で育てられるかもしれない。この実施態様においては、
望ましいプロテアーゼインヒビターの発現は、望ましい
密度が達された後にDNA塩基配列の発現を起すことが
できるある物質を微生物の環境に加えることにより誘導
される。
【0076】それに加えて、ベクター中か、もしくは合
成DNA配列の5′末端に、適切な分泌リーダー配列が
存在することがより望ましい。リーダー配列は、リーダ
ー配列がプロテアーゼインヒビターの発現を導くことが
できるヌクレオチド配列のはじめの部分に、翻訳停止シ
グナルを間にはさまずに、すぐに隣りあっていることが
できるような位置にある。リーダー配列の存在は、一部
には以下の理由のうち1つかそれ以上の理由から、望ま
れる:1)リーダーインヒビターが存在すると、宿主が
初期の生産物を成熟した組み換えプロテアーゼインヒビ
ターに仕上げることを容易にするかもしれないこいと;
2)リーダー配列の存在は、プロテアーゼインヒビター
を細胞質の外へ導くことにより、組み換えプロテアーゼ
インヒビターの精製を容易にするかもしれないこと。
3)リーダー配列の存在は、組み換えプロテアーゼイン
ヒビターが、プロテアーゼインヒビターを細胞質の外へ
導くことを通じてその活性構造へ組み込まれる能力に影
響を与えるかもしれないこと。
【0077】とりわけ、リーダー配列は、最初の産物を
リーダーペプチダーゼによって、リーダー配列を除去
し、セリンプロテアーゼ阻害活性の潜在力をもつより好
ましいポリペプタイドを残すため、初期の翻訳産物の開
裂を導く。宿主微生物のある種においては、適切なリー
ダー配列の存在によりEscherlichia co
liの場合のように完成したタンパクを細胞周辺腔に輸
送できるようにする。ある酵母や、Bacilli
seudomonasの場合には、適切なリーダー配列
は、タンパク細胞膜を通って細胞外の培地への輸送がで
きるようにする。この状況では、目的のタンパクは、細
胞外タンパクから精製できる。
【0078】3番目に、本発明によって調製されるプロ
テアーゼインヒビターの中のあるものの場合には、完成
されたタンパクを適切なエラスターゼ阻害剤活性をもつ
活性性構造をとるように組み込まれる環境のなかに位置
させることに、リーダー配列の存在が必要である。それ
以上のオペレーショナルエレメントには、そればかりで
はないが、リボゾーム結合部位と余所者タンパクの微生
物発現のために必要な他のDNA配列がふくまれる。
【0079】本発明のより好ましい態様においては、GA
GGCGCAAAAA(ATG) の配列がリボゾーム結合部位として用
いられるであろう。この中で検討された、オペレーショ
ナルエレメントは、以前の文献や、ここに含まれている
教訓に照らしてバイオテクノロジーの普通の技能をもっ
た人々によって型通りに選ばれる。これらのオペレーシ
ョナルエレメントの一般的例は、B.Lewin,Ge
nes Wiley& Son,New York(1
983)に出ており、これはこの中に参照によって特別
に折り込まれている。この中で考察されているようなベ
クターは、一部はプラスミッドpBR322そして/又
はpIQの部分から組立てられる。
【0080】本発明のより好ましい実施態様において、
プロテアーゼインヒビターをコードする合成DNA配列
のすぐ前に、さらにあらたなDNA配列が位置してい
る。この追加のDNA配列は、翻訳カップラーとして機
能することができる。即ち、それはリボゾームをそれが
隣り合って並んでいるプロテアーゼインヒビターRNA
のリボゾーム結合部位のすぐ隣りにリボゾームを位置さ
せるのに役立つRNAをコードしているDNAの配列で
ある。本発明の1つの実施態様において、翻訳カップラ
ーは、DNA配列TAACGAGGCGCAAAAAATGAAAAAGACAGCTATC
GCGATCGGAGTGTAAGAAATG を使用し、翻訳カップラーに関
連したその道の普通のわざをもった人々にとって現在知
られている方法を使って導き出すことができる。2番目
の好ましい翻訳カップラーはTAACGAGGCGCAAAAAATGAAAAA
GACAGCTATCGCGATCAAGGAGAAATAAATG.のDNA配列をもっ
ている。
【0081】前記したベクターの、すべての必要なそし
て望ましい成分要素の合成と単離ができたところで、ベ
クターはその道の普通の技能をもつ人々に一般に知られ
ている方法によって組立てられる。このようなベクター
の組立ては、その道の普通の技能をもった人々によって
遂行される義務的職務の範囲内にあると信じられてお
り、そしてそれ自体、特別むずかしい実験をしなくても
遂行できる。例えば、参照として特別に本出願に加えた
ShonerらProceeding of the
National Academy of Scien
ces U.S.A.,81;5403−5407(1
984)、において、明らかにされているように、類似
のDNA配列が適切なクローニングベクターにつなげら
れている。
【0082】本発明のクローニングベクターの構築にお
いて、合成DNA配列の多重コピーとその付随のオペレ
ーショナルエレメントが各ベクターに挿入されるかもし
れないということが、つけ加えて注目されるべきであ
る。このような実施態様においては、宿主生物は、望ま
れるプロテアーゼのベクターあたりのより大きな量を生
産するであろう。ベクターの中に挿入され得るDNA配
列の複数のコピーの数は、結果としてできたベクター
は、その大きさのため、適切な宿主微生物に移された
り、その中で複製したり転写されたりする能力によって
のみ制限を受ける。
【0083】さらにつけ加えて、ベクターが、薬剤抵抗
性マーカーや宿主微生物による特性の発現の原因となる
他のマーカーのような選択可能なマーカーを含んでいる
ことがより望ましい。本発明の特に望ましい実施態様に
おいて、テトラサイクリン抵抗性に対する遺伝子がクロ
ーニングベクターに優先的に含まれている。
【0084】このような薬剤抵抗性や他の選択可能なマ
ーカーは、部分的にトランスフォーマントの選択を容易
にすることを意図している。それに加えて、クローニン
グベクターの上の、このような選択可能なマーカーの存
在は、混入した微生物が培地中で増殖するのを防ぐのに
役立つかもしれない。この実施態様において、この形質
転換した宿主微生物の純粋な培養は、生き残るのに誘導
した表現型を必要とする条件下で微生物を培養すること
によって得られるであろう。
【0085】このようにして得られたベクターは、次に
適切な宿主微生物に移される。外生のDNAを取り込ん
で、それらの遺伝子や付随するオペレーショナルエレメ
ントを発現する能力を持った微生物はすべて選ばれてよ
いと信じられている。宿主微生物は、通性嫌気性または
好気性菌であることがより望ましい。この方法における
使用に好ましい特別な宿主は、酵母と細菌である。特定
の酵母は、Saccharomyces層の酵母であ
り、特に、Saccharomyces cervis
iaeである。特別の細菌は、Bacillus層、
scherichia層及びPseudomonas
の細菌、特に、Bacillus subtilis
Escherichia Coliである。
【0086】宿主微生物が選ばれた後、ベクターはその
道の普通の技能をもつ人々によって、一般的に知られて
いる方法を用いて宿主微生物に移される。このような方
法の例は、R.W.Davis et al.,“細菌
の遺伝の進歩”、ColdSpring Harbor
Press,Cold Spring Harbo
r,New York(1980)に見出される。これ
は、特別に参照としてこの中にとり込まれている。上に
述べたようなオペレーショナルエレメントの使用を通じ
て、温度調節が、遺伝子発現を調節する手段として考え
られるので、1つの実施態様において形質転換が低温で
起ることがより好ましい。もう1つの実施態様におい
て、滲透のレギュレーターがベクターに挿入されたなら
ば、形質転換を通じての塩の濃度の調節が、合成遺伝子
の適切なコントロールを確保するために必要となるであ
ろう。
【0087】組み換えセリンプロテアーゼインヒビター
が終局的に酵母中で発現される場合を考えると、クロー
ニングベクターを、まずEscherichia co
liに最初に移すことがより望ましい。E.coli
おいて、ベクターに増殖を行なわせ、倍増してから取り
出し精製する。ベクターは、次にセリンプロテアーゼイ
ンヒビターの究極的表現のために酵母の中に移されるで
あろう。
【0088】宿主微生物は、セリンプロテアーゼインヒ
ビターの発現に対して適切な条件下で培養される。これ
らの条件は、一般に宿主微生物にとって特異的であり、
例えば、Bergey′s Manual of De
terminative Bacteriology,
8th Ed.,Williams & Wilkin
s Company,Baltimore,Maryl
andのような微生物のための生育条件に関する出版さ
れた文献に照らして、この道の普通の技能をもった人々
によって容易に決められる。この文献は参照としてここ
に特別に組み込まれている。
【0089】ベクターの中に挿入された、又は存在する
オペレーショナルエレメントすべてに応じて、DNA配
列の表現の調節に必要な条件は、すべて形質転換と培養
の段階で効果をもつであろう。1つの実施態様において
は、細胞はDNA配列の発現を阻害する適切な調節条件
において、高密度迄育てられる。最適の細胞密度に近づ
いたとき、環境条件は、合成DNA配列の発現に対して
適切な条件に変えられる。このようにして、プロテアー
ゼインヒビターの生産条件は、宿主の細胞がほぼ最適密
度に近づいたあとの時期で起り、そして結果として生ず
るプロテアーゼインヒビターは、その発現に必要な調節
条件が誘起された後、しばらくしてから収穫されると考
えられる。
【0090】本発明のより望ましい実施態様において、
組み換えプロテアーゼインヒビターは、収穫の後、そし
てその活性構造をとる以前に精製される。本発明者は、
リフォルディング済みのタンパクの高収率回収は、タン
パクが先ず精製される場合に、容易に得られると信じて
いるので、この実施態様がより望ましい。しかし、1つ
のより好ましい別の実施態様においては、プロテアーゼ
インヒビターは、その活性構造をとるべく、リフォルデ
ィングするのにまかせてから精製することがある。さら
にもう1つのより好ましい代りの実施態様においては、
プロテアーゼインヒビターは、培養液から回収すると
き、リフォルディングの済んだ活性な状態で存在してい
る。
【0091】ある条件では、プロテアーゼインヒビター
は、宿主微生物での発現、次いでそのタンパクの細胞壁
を通過しての輸送又は膜を通って細胞周辺腔への輸送の
際に、そのしかるべき活性な構造をとっている。これ
は、一般的に適切なリーダー配列をコードするDNA
が、組み換えタンパク質をコードするDNAにつながっ
ていると起る。プロテアーゼインヒビターが、その適切
な活性構造をとらない場合は、形成したどのジスルフィ
ド結合も、そして/または、どの生じた非共有結合的相
互作用も、変性試薬や還元試薬、例えば、グアニジウム
クロライド、−メルカプトエタノールによって先ず破壊
してから、プロテアーゼインヒビターをコントロールし
た条件においての希釈及びこれらの試薬の酸化に続いて
その活性構造がとれるようにする。
【0092】
【実施例】本発明の教示を特定の問題や環境に応用する
ことは、ここに含まれた知見に照らして、この道の普通
の技能をもった人の能力の範囲内にあるということが理
解されるべきである。本発明の生産物とそれらの単離、
製造に対する代表的工程が以下の例にみられる。例 1 上記のアミノ酸配列、Escherichia Col
の高度に発現性の遺伝子におけるコドンの使用、及び
便利な制限エンドヌクレアーゼの開裂部位に基いて、以
下のDNA配列が提案された:
【0093】
【化23】
【0094】タンパク質をE.coliのペリプラズム
に輸送するのに適した形で、プロテインの発現を調節す
るため、以下の調節要素が提案された。即ち、高いレベ
ルにおける転写の開始の開始のためのtacプロモータ
ー;転写の制御のためのlacオペレーター:プラスミ
ドの他の場所でコードされるべきlacリプレッサー
lacq );高いレベルで翻訳をはじめるOmpA
シャイン−ダルガーノ配列;産物のペリプラズムへの輸
送を容易にするOmpAリーダー、これらのオペレータ
ーエレメントによってコードされるタンパクと最初の産
物の開裂を指示し、成熟した白血球エラスターゼ阻害剤
を生ずる上述の構造遺伝子によってコードされるタンパ
クとの間のAla−Ser連結のAlaである。
【0095】これらの特徴はすべて、以下のDNA配列
のなかに組みこまれている:
【化24】
【0096】タンパクがE.coliの細胞質内にとど
まるような形でタンパクの発現を調節するために、以下
のオペレーショナルエレメントが提供される。即ち、
acプロモーター:lacオペレーター、そしてlac
リプレッサー(lacIq );シャイン−ダルガーノ配
列のコンセンサス;そして翻訳の高いレベルを開始する
ため、翻訳カップラーとして用いられるべきOmpAリ
ーダーペプタイドの断片である。翻訳カップリング配列
はOmpA遺伝子の翻訳の開始領域、OmpAリーダー
ペプタイドの最初の8箇のアミノ酸は、上述のシャイン
−ダルガーノ配列認識及び翻訳停止を行なう配列をコー
ドするDNAを含む。翻訳カップリング配列はプロモー
ターとセリンプロテアーゼインヒビター遺伝子の翻訳開
始部位の間に、後者と重なって挿入されるべきである。
【0097】これらの特徴のすべては、以下のDNA配
列に組み込まれている:
【化25】
【0098】A. 遺伝子断片の構築 上の配列を組み立てるため、次のデオキシリボヌクレオ
チドがABI DNAシンセサイザー(Foster
City,California)を用いて合成され
る。合成産物は、ABI instrument ma
nual中に記述してあるように、ポリアクリルアミド
ゲル電気泳動によって精製される。それらを、標準の方
法に従ってT4ポリヌクレオチドキナーゼを用いて5′
をリン酸化した。以下のグループのオリゴヌクレオチド
配列がフラグメント(断片)Aaを組み立てるために使
用される:
【0099】オリゴヌクレオチドAa1は: GCTGT TGACA ATTAA TCAT. オリゴヌクレオチドAa2は CGGCT CGTAT AATGT GTGGA ATTGT GAGCG GATAA CAATT T. オリゴヌクレオチドAa3は CACAC ATAAC GAGGC GCAAA AA. オリゴヌクレオチドAa4は ATGAA AAAGA CAGCT ATCGC GATCG. オリゴヌクレオチドAa5は CAGTG GCACT GGCTG GTTTC GCTAC CGTAG CGCAG GCCAG CG
GTA AA. オリゴヌクレオチドAa6は GAGCC GATGA TTAAT TGTCA ACAGC TGCA. オリゴヌクレオチドAa7は TCCGC TCACA ATTCC ACACA TTATA C. オリゴヌクレオチドAa8は CCTCG TTATG TGTGA AATTG TTA. オリゴヌクレオチドAa9は GCCAC TGCGA TCGCG ATAGC TGTCT TTTTC ATTTT TTGCG. オリゴヌクレオチドAa10は AGCTT TTACC GCTGG CCTGC GCTAC GGTAG CGAAA CCAGC CA
GT.
【0100】以下のオリゴヌクレオチド配列が、組み立
てられ、断片Abが作られる: ヌクレオチドAb1は GCTGT TGACA ATTAA TCAT. ヌクレオチドAb2は CGGCT CGTAT AATGT GTGGA ATTGT GAGCG GATAA CAATT T. ヌクレオチドAb3は CACAC ATAAC GAGGC GCAAA AA. ヌクレオチドAb4は ATGAA AAAGA CAGCT ATCGC GATCG. ヌクレオチドAb5は CAGTG TAAGA AATGA GCGGT AAA. ヌクレオチドAb6は GAGCC GATGA TTAAT TGTCA ACAGC TGCA. ヌクレオチドAb7は TCCGC TCACA ATTCC ACACA TTATA C. ヌクレオチドAb8は CCTCG TTATG TGTGA AATTG TTA. ヌクレオチドAb9は AGCTT TTACC GCTCA TTTCT TACAC TCCGA TCGCG ATAGC TGTCT TTTTC ATTTT TTGCG.
【0101】以下は、断片Bを構築するために組立てら
れるオリゴヌクレオチド配列である: オリゴヌクレオチドB1は AGCTT CAAAG CTGGC GTATG CCCGC CGAAA AAATC CGCG. オリゴヌクレオチドB2 は CAGTG TCTGC GGTAC AAAAA ACCGG AATGC CAG. オリゴヌクレオチドB3は TCCGA CTGGC AGTGC CCGGG TAAAA AACGT TGTTG C. オリゴヌクレオチドB4は CCGGA CACCT GCGGC ATCAA ATGCC TG. オリゴヌクレオチドB5は GATCC AGGCA TTTGA TGCCG CAGGT GTCCG GGCAA CAACG TT
TTT TACCC GGGCA. オリゴヌクレオチドB6は CTGCC AGTCG GACTG GCATT CCGGT TTTTT CTACC G. オリゴヌクレオチドB7は CAGAC ACTGC GCGGA TTTTT TCGGC GGGCA TACGC CAGCT TT
GA.
【0102】以下は断片Cを構築するために用いられる
オリゴヌクレオチド配列である: オリゴヌクレオチドC1は GATCC GGTTG ATACC CCGAA CCCG. オリゴヌクレオチドC2は ACTCG TCGAA AA. オリゴヌクレオチドC3は CCGGG TAAAT GCCCG GTAAC CTATG GC. オリゴヌクレオチドC4は CAGTG TCTGA TGCTG AACCC GCCGA AC. オリゴヌクレオチドC5は TTCTG CGAAA TGGAC GGCCA GTGTA AACGA GAT. オリゴヌクレオチドC6は CTAGA TCTCG TTTAC ACTGG CCGTC CATTT CGCAG AAGTT. オリゴヌクレオチドC7は CGGCG GGTTC AGCAT CAGAC ACTGG CCATA GGTTA CCGGG C
A. オリゴヌクレオチドC8は TTTAC CCGGT TTTCG ACGAG TCGGG TT. オリゴヌクレオチドC9は CGGGG TATCA ACCG.
【0103】以下のグループのオリゴヌクレオチド配列
が組立てられて断片Dが作られる: オリゴヌクレオチドD1は GATCT GAAAT GCTGT ATGGG TATGT GCGGC. オリゴヌクレオチドD2は AAATC TTGTG TTTCC CCGGT AAAAG CATAA G. オリゴヌクレオチドD3は TCGAC TTATG CTTTT ACCGG GGAAA CACAA GATTT GCCGC A. オリゴヌクレオチドD4は CATAC CCATA CAGCA TTTCA.
【0104】以下のグループのオリゴヌクレオチドを混
合し、標準条件下でアニーリングを行ない、T4DNA
リガーゼを用いて標準条件下で互い同志及び適切な制限
酵素エンドヌクレアーゼで切ったクローニング及びケー
シングベクターM13mp18及び19につなげる。出
来上ったものを、E.coli JM105を形質転換
するのに用い、目的のDNAを含むクローンをIPTG
−Xgalプレート中での白いプラークから選択し、ア
ニーリングの段階に用いられたグループから選ばれた32
Pでラベルしたオリゴヌクレオチドとハイブリドを作る
ことにより、さらにスクリーニングを行なう。挿入構造
は、クローン化されたDNAのダイデオキシ塩基配列決
定法で確かめた。
【0105】グループAaは、Pst1とHindII
Iで切ったM13mp18と19につなげられるオリゴ
ヌクレオチドAa1−Aa10を含む。グループAb
は、オリゴヌクレオチドAb1−Ab9を含み、それら
は、Pst1とHindIIIで切ったM13mp18
と19につなげられる。オリゴヌクレオチドB1からB
7を含むグループBは、HindIIIはBamHIで
切ったM13mp18及び19につなげられる。オリゴ
ヌクレオチドC1からC9迄を含んでいるグループC
は、BamHIとXbaIで切ったM13mp18と1
9につなげられる。グループDは、オリゴヌクレオチド
D1からD4を含むが、BamHIとSalIで切った
M13mp18と19につなげられる。
【0106】M13複製型のDNAを、標準的手法によ
って目的とする挿入DNAを持っているクローンから回
収する。グループAaに相当する挿入DNAを適切な制
限酵素エンドヌクレアーゼで、M13DNAから切り取
る。ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって精製す
る。その構造は以下の通りである:
【0107】
【化26】
【0108】グループAbに相当する挿入DNAを、制
限酵素エンドヌクレアーゼEcoRIとHindIII
でDNAを切断することにより切り、ポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動で精製する。その構造は、以下の如くで
ある:
【化27】
【0109】グループBに相当する挿入DNAを制限酵
素、エンドヌクレアーゼ、HinDIIIとBamHI
でDNAを切断することにより切断することによって切
り取り、ポリアクリルアミドゲル電気泳動で精製する。
その構造は、以下の通りである:
【化28】
【0110】グループCに相当する挿入DNAをBam
HIとBglIIでDNAを切断することにより切り取
り、ポリアクリルアミドゲル電気泳動で精製する。その
構造は、以下の如くである:
【化29】
【0111】グループDに相当する挿入DNAを制限酵
SauIIIAとSalIでDNAを切断することに
り切り取り、アクリルアミドゲル電気泳動で精製する。
その構造は以下の通りである:
【化30】
【0112】B. 遺伝子の構造 外部への輸送のための組み立てには、グループAa、
B、C及びDを標準条件下で、T4DNAリガーゼを用
いて、EcoRIとSalIで切ったM13mp18と
19につなげる。目的の遺伝子を含むクローンはXga
lプレート上の、それらの色で選択され、そしてさらに
32Pでラベルされたオリゴヌクレオチドとハイブリドを
形成することによってスクリーニングする。選択された
構造のクローンは、ユニバーサルプライマーを用いてD
NAの挿入区域をダイデオキシ塩基配列決定法に確認す
る。
【0113】細胞質での発現のための組み立てにおいて
は、グループAb、B、C、及びDからの挿入配列を合
せて、標準条件下でT4DNAリガーゼを用いて、Ec
RIとSalIで切ったM13mp18と19につな
げる目的の遺伝子を含むクローンをXgalプレート上
のそれらの色で選び、更に、32Pでラベルした挿入配列
とハイブリドを形成されることによってスクリーニング
を行なう。選ばれたクローンの構造をユニバーサルプラ
イマーを使ってDNAの挿入区域をダイデオキシ塩基配
列決定法で検べることによって確める。
【0114】例 2 上に述べたアミノ酸配列、Escherichia C
oliの高度に発現された遺伝子におけるコドンの使用
と便利な制限酵素エンドヌクレアーゼの切断位置の規定
にもとづいて、以下のDNA配列が提案された:
【0115】
【化31】
【0116】E.Coliのペリプラズムへの輸送のた
めの適切な形でタンパクの発現を調節するために、以下
の調節要素が提案される。即ち、高いレベルでの転写の
開始のためのプラスミドpKK223−3上の1つの
acプロモーター、転写の制御のためのプラスミッドp
KK223−3上のlacオペレーター、E.Coli
の染色体上にコードされるべきlacリプレッサー(
ac9 )、高レベルで翻訳を開始するOmpAシャイ
ン−ダルガーノ配列、生産物をペリプラズムに運び出す
ことを助長するOmpAリーダー、これらのオペレータ
ーエレメントによってコードされるタンパク配列の間の
Ala−Ser接合のAla、そして、最初の生産物
の、成熟した白血球エラスターゼインヒビターを生じる
べき開裂を指示する上述の遺伝子によってコードされる
タンパク配列である。
【0117】OmpAエレメントは、以下のDNA配列
に組み込まれる。
【化32】
【0118】生成タンパクが、E.coli細胞質に留
まる形でのタンパクの発現を調節するために、以下のオ
ペレーショナルエレメントが提供される。即ち、プラス
ミッドpKK223−3上のtacプロモーター、プラ
スミッドpKK223−3のlacオペレーターとE.
coli strain JM107の染色体上のla
レプレッサー(lacIq )、コンセンサスシャイン
−ダルガーノ配列、及び高いレベルの翻訳を開始するた
め、翻訳カップラーとして用いられるべきOmpAリー
ダーペプチタイドの断片である。翻訳カップリング配列
は、OmpA遺伝子の翻訳開始領域、OmpAリーダー
ペプチドの最初の8箇のアミノ酸、上に記述したコンセ
ンサスシャイン−ダルガーノ配列及び翻訳読み終り暗号
である。翻訳カップリング配列は、lacオペレーター
とセリンプロテアーゼインヒビターの翻訳開始位置の間
に、後者を重ねて挿入されるべきである。翻訳カップラ
ーの特徴は、以下のDNA配列に組み込まれている。
【0119】即ち、
【化33】
【0120】C. 遺伝子フラグメントの構築 上述の配列を組み立てるため、以下のデオキシリボヌク
レオチドをABI DNAシンセサイザー(Foste
r City California)を使って合成し
た生成物を、ABI インスツルメンタルマニュアルに
記述されているように、ポリアクリルアミドゲル電気泳
動によって精製する。それらは、標準的手段によってT
4ポリヌクレオチドキナーゼとATPを用いて5′をリ
ン酸化する。以下のオリゴヌクレオチド配列をフラグメ
ントAaを組み立てるために用いる:
【0121】オリゴヌクレオチドAa1は AATTCGATATCTCGTTGGAGATATTCATGACGTATTTTGGATGATAACGA
GGCGCAAAA. オリゴヌクレオチドAa2は ATGAAAAAGACAGCTATCGCGATCG. オリゴヌクレオチドAa3は GATCCGATCGCGATAGCTGTCTTTTTCATTTTTTGC. オリゴヌクレオチドAa4は GCCTCGTTATCATCCAAAAATACGTCATGAATATCTCCAACGAGATATC
G. オリゴヌクレオチドAa5は GATCCGATCGCAGTGGCACTGGCTGGTTTCGCTACCGTAGCGCAGGCCTC
TGGTAAA. オリゴヌクレオチドAa6は AGCTTTTACCAGAGGCCTGCGCTACGGTAGCGAAACCAGCCAGTGCCACT
GCGATCG.
【0122】以下の、オリゴヌクレオチド配列を組立
て、断片Abをつくり上げる: オリゴヌクレオチドAb1は AATTCGATATCTCGTTGGAGATATTCATGACGTATTTTGGATGATAACGA
GGCGCAAAA. オリゴヌクレオチドAb2は ATGAAAAAGACAGCTATCGCGATCG. オリゴヌクレオチドAb3は GATCCGATCGCGATAGCTGTCTTTTTCATTTTTTGC. オリゴヌクレオチドAb4は GCCTCGTTATCATCGAAAATACGTCATGAATATCTCCAACGAGATATCG. オリゴヌクレオチドAb5は CAAGGAGAAATAAATGAGCGGTAAA. オリゴヌクレオチドAb6は AGCTTTTACCGCTCATTTATTTCTCCTTGAT.
【0123】以下は、断片Bを構築するために組み立て
られるヌクレオチド配列である: オリゴヌクレオチドB1は AGCTT CAAAG CTGGC GTATG CCCGC CGAAA AAATC CGCG. オリゴヌクレオチドB2 は CAGTG TCTGC GGTAC AAAAA ACCGG AATGC CAG. オリゴヌクレオチドB3は TCCGA CTGGC AGTGC CCGGG TAAAA AACGT TGTTG C. オリゴヌクレオチドB4は CCGGA CACCT GCGGC ATCAA ATGCC TG. オリゴヌクレオチドB5は GATCC AGGCA TTTGA TGCCG CAGGT GTCCG GGCAA CAACG TT
TTT TACCC GGGCA. オリゴヌクレオチドB6は CTGCC AGTCG GACTG GCATT CCGGT TTTTT CTACC G. オリゴヌクレオチドB7は CAGAC ACTGC GCGGA TTTTT TCGGC GGGCA TACGC CAGCT TT
GA.
【0124】以下は断片Cを組み立てるために使用され
るヌクレオチド配列である: オリゴヌクレオチドC1は GATCC GGTTG ATACC CCGAA CCCG. オリゴヌクレオチドC2は ACTCG TCGAA AA. オリゴヌクレオチドC3は CCGGG TAAAT GCCCG GTAAC CTATG GC. オリゴヌクレオチドC4は CAGTG TCTGA TGCTG AACCC GCCGA AC. オリゴヌクレオチドC5は TTCTG CGAAA TGGAC GGCCA GTGTA AACGA GAT. オリゴヌクレオチドC6は CTAGA TCTCG TTTAC ACTGG CCGTC CATTT CGCAG AAGTT. オリゴヌクレオチドC7は CGGCG GGTTC AGCAT CAGAC ACTGG CCATA GGTTA CCGGG C
A. オリゴヌクレオチドC8は TTTAC CCGGT TTTCG ACGAG TCGGG TT. オリゴヌクレオチドC9は CGGGG TATCA ACCG.
【0125】以下のグループのオリゴヌクレオチドが断
片Dを形成するために組立てられる: オリゴヌクレオチドD1は GATCT GAAAT GCTGT ATGGG TATGT GCGGC. オリゴヌクレオチドD2は AAATC TTGTG TTTCC CCGGT AAAAG CATAA G. オリゴヌクレオチドD3は TCGAC TTATG CTTTT ACCGG GGAAA CACAA GATTT GCCGC A. オリゴヌクレオチドD4は CATAC CCATA CAGCA TTTCA.
【0126】以下のグループのオリゴヌクレオチドを混
合し、標準条件下でアニーリングを行ない、互い同志
で、又、適当な制限酵素エンドヌクレアーゼで切ったク
ローニング及び配列形成ベクターM13mp18と19
に、標準条件下でT4DNAリガーゼを用いてつなげ
る。この生成物は、E.coli JM105を形質転
換するのに用い、目的のDNAを含むクローンをアニー
リングの段階で用いられたグループから選ばれた32Pで
ラベルされたオリゴヌクレオチドとハイブリッドを形成
することによって選ぶ。挿入構造は、ユニバーサルプラ
イマーを用いて、クローン化したDNAのダイオキシ塩
基配列決定法により確める。
【0127】オリゴヌクレオチドAa1−Aa4を、
coRIとBamHIで切ったM13mp18及びM1
3mp19につなげる。目的の挿入DNAを持つM13
複製型DNAを標準的手法によって回収する。挿入DN
Aは、M13DNAを制限酵素エンドヌクレアーゼEc
RIとPvu1で切断することによりM13DNAか
ら切り出し、ポリアクリルアミドゲル電気泳動で精製す
る。その構造は以下の通りである。
【0128】
【化34】
【0129】オリゴヌクレオチドAa5とAa6は、
amHIとHindIIIで切ったM13mp18とM
13mp19につなげる。目的とする挿入DNAをもっ
たM13複製型DNAは、標準的手法によって回収され
る。挿入DNAを制限酵素Pvu1とHindIIIで
DNAを切断することによりM13DNAから切り出
し、ポリアクリルアミドゲル電気泳動で精製する。その
構造は以下の如くである。
【0130】
【化35】
【0131】このPvuI−HindIII断片をオリ
ゴヌクレオチドAa1−Aa4から調製した断片と結合
させ、EcoRIとHindIIIで切ったM13mp
18またはM13mp19とつなぐ。目的の挿入DNA
を持つM13複製型DNAを標準的手法で回収する。挿
入DNAを、これはDNA断片Aaであるが、制限酵素
EcoRIとHindIIIでM13DNAを切断する
ことによりM13DNAから切り出し、ポリアクリルア
ミドゲル電気泳動で精製する。その構造は以下の如くで
ある。
【0132】
【化36】
【0133】オリゴヌクレオチドAb1−Ab4をEc
RIとBamHIで切ったM13mp18とM13m
p19につなぐ。目的の挿入DNAを持ったM13複製
型DNAを標準的手法で回収する。挿入DNAを制限酵
EcoRIとPvuIでM13DNAから切り取りポ
リアクリルアミドゲル電気泳動で精製する。その構造は
以下の如くである。
【0134】
【化37】
【0135】このEcoRI−PvuI断片をオリゴヌ
クレオチドAb5−Ab6と合し、EcoRIとHin
dIIIで切ったM13mp18またはM13mp19
とつなぐ。目的の挿入DNAを持ったM13複製型DN
Aを、標準的手法により回収する。断片Abである挿入
DNAを、制限酵素EcoRIとHindIIIでDN
Aを切断することによってM13DNAから切り出す。
そして、ポリアクリルアミドゲル電気泳動で精製する。
その構造は以下のとおりである:
【0136】
【化38】
【0137】オリゴヌクレオチドB1からB7までを含
むグループBをHindIIIとBamHIで切ったM
13mp18と19につなぐ。グループBに相当する挿
入DNAを制限酵素、エンドヌクレアーゼHindII
IとBamHIでDNAを切断することにより切出し、
ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって精製する。そ
の構造は以下の通りである。
【0138】
【化39】
【0139】オリゴヌクレオチドC1からC9を含むグ
ループCをBamHIとXbaIで切ったM13mp1
8と19につなぐ。グループCに相当する挿入DNAを
制限エンドヌクレアーゼBamHIとBglIIでDN
Aを切断することにより切り出し、ポリアクリルアミド
ゲル電気泳動で精製する。その構造は以下の如くであ
る:
【0140】
【化40】
【0141】オリゴヌクレオチドD1からD4までを含
むグループDをBamHIとSalIで切ったM13m
p18と19につなぐ。グループDに相当する挿入DN
Aを、制限酵素、エンドヌクレアーゼSalIでDNA
を切断することにより切り出し、アクリルアミドゲル電
気泳動で精製する。その構造は以下の如くである:
【0142】
【化41】
【0143】D. 遺伝子の構築 外部への輸送のための組み立てにおいては、グループA
a、B、C及びDからの挿入配列を合し、EcoRIと
SalIで切ったM13mp18と19にT4DNAリ
ガーゼを用いて、標準条件下でつなぐ。細胞質中での発
現のための組み立てにおいては、Ab、B、C及びDか
らの挿入配列を合し、EcoRIとSalIで切ったM
13mp18及び19とT4DNAリガーゼを用いて、
標準状態でつなぐ。目的の遺伝子を含むクローンを、そ
れらのXgalプレート上での色で選び、さらに32Pに
ラベルしたオリゴヌクレオチドとハイブリドを作ること
によりスクリーニングを行なう。選んだクローンの構造
を、ユニバーサルプライマーを用いてDNAの挿入領域
のダイデオキシ塩基配列決定法を行なうことにより確か
める。
【0144】例 3 発現ベクターの組み立て 外部への輸出用と細胞質内発現用の組み立てに対する挿
入配列を、次の如く発現プラスミドに移す。所用の挿入
DNAをもったM13増殖型DNAを、上述の如く標準
型手法で回収する。適切な挿入DNAを制限酵素、エン
ドヌクレアーゼ、EcoRIとPstIで切って取り出
し、ポリアクリルアミドゲル電気泳動で精製する。次
に、それを制限酵素、エンドヌクレアーゼEcoRIと
PstIで切ったpKK223−3につなぎ、その結果
生じたプラスミドをE.coliJM107にクローニ
ングする。外部輸送用の例4と5における使用のための
構造は、PSGE6であり、原形質発現用の例7におけ
る使用のための構造は、pSGE8である。例4,5に
おける外部への輸送に対するE.coliの株はSGE
10であり、例6における細胞質発現に対する株は、S
GE30である。
【0145】A. pSGE6の編成 プラスミドpSGE6をpKK223−3のEcoRI
とPstIの位置の間のDNAを、OmpASLPIを
コードするDNAを含むEcoRI/PstI断片で置
きかえることによって組立てた。OmpA−SLPIの
DNA配列は次の如くである:
【0146】
【化42】
【0147】これから後、“ompA−SLPI”と呼
ぶ配列は、上に述べた外部への輸送のためのM13mp
18の最終構造からのDNAである。プラスミドpSG
E6は、図1に描かれている。図1において、ompA
ss−SLPIに対する最初のコドンは、“ompA−
SLPI”と呼ばれるDNA配列の62−64の位置に
ある。成熟したSLPIに対する最初のコドンは、12
5−127に位置している。
【0148】Ptacは、tacプロモーター、lac
オペレーター及びベーターガラクトーゼShine/D
algarno配列のためのDNAを含んでいる。略
号、RI,Pst及びBamは、制限酵素、Eco
I、PstI及びBamHIに対する認識配列である。
Tetr は、テトラサイクリンに耐性を附与するpBR
322の遺伝子の一部であり、ampr は、アンピシリ
ンに耐性を附与し位置6416から6840までのrr
nBオペロンからのDNAを、Tetr は含んでいる。
矢印は転写の方向を示している。
【0149】B. pCJ−ompA−SLPIの編成 プラスミドpCJ−ompA−SLPIは、部分的でな
く完全なテトラサイクリン遺伝子およびプロモーターを
含んでいることを除いては、pSGE6と同じである。
このプラスミドは、E.coliに挿入すると、テトラ
サイクリン耐性を附与し、omp ASLPIをコード
するDNAを含むEcoRI/PstI断片が、ベクタ
ーpKK233−3ではなく、ベクターpCJ1にクロ
ーニングされるということを除いて、pSGE6に対す
るのと類似のやり方で組立てられる。ベクターpCJ1
は以下の如く構築される。プラスミドpKK223−3
SphIで完全に、BamHIで部分的に酵素分解し
た。
【0150】4.4Kbp断片をゲルで精製し、合成ア
ダプター GATCTAGAATTGTCATGTTTGACAGCTTATCAT ATCTTAACAGTACAAACTGTCGAATAGTAGC 及び、pBR322(PL Biochemical
s,27−4891−01)のtetr 遺伝子のCla
SphIによる消化物からのDNAの539bpの
断片と組み合せた。
【0151】C. pSGE8の構造 Eco RIとPst部位の間のDNAが、上に述べたよ
うに、細胞質における発現のための最終的なM13mp
18構造物に由来するompA−tc−met−SLP
Iと呼ばれる配列を含んでいることを例外として、プラ
スミドpSGE8は、pSGE6と同一遺伝子組成であ
る。この配列は、E.coliの細胞質の中にメチオニ
ル−SLPIの合成を導く。pSGE8の部分的図式
は、図2の中に含まれている。“ompA−tc−me
t−SLPI”と呼ばれるその配列において、ompA
に対する開始コドンは、62−64の位置にあり、停止
コドンは95−97にある。そして、メチオニル−SL
PIに対する開始コドンは、98−100にある。om
pA−tc−met−SLPIのDNA配列は次の如く
である。
【0152】
【化43】
【0153】D. pCJ−met−SLPIの編成 プラスミドpCJ−met−SLPIは、それが(部分
的ではなく)完全なテトラサイクリン耐性遺伝子を含ん
でいることを除けば、pSGE8と同じである。プラス
ミドCJ−met−SLPIは、ompA−tc−me
t−SLPIをコードするEcoRI/PstI断片が
ベクターpKK223−3ではなく、ベクターpCJ1
にクローニングされたことを除けば、pSGE8と同様
に組立てられた。
【0154】E. 酵母発現用プラスミドの組立て プラスミドpUC8をHindIIIで酵素分解し、
indIII/SmaIアダプターにつなげた(Ame
rshan,Cat.No. DA1006から得
た)。このアダプターをHindIIIサイトに加えて
も、HindIIIサイトを再組み立てしない。DNA
を次にSmaIで酵素分解し、希薄溶液中でつなぎ、続
いて、E.coli JM83の形質転換を行なった。
正しいプラスミド、即ちHindIIIの位置からSm
Iの間のポリリンカーにおいて制限酵素による切断の
位置を欠いているプラスミッドが、トランスフォーマン
トから単離したプラスミッドDNAを、EcoRI、
maIもしくはHindIIIで消化することによって
同定された。HindIII部位を欠いていたが、Ec
RI部位とSmaI部位を含んでいたプラスミドを含
んでいるトランスフォーマントがこの方法で同定され
た。このプラスミドがpGS185である。
【0155】酵母のMF1遺伝子を含有しているEco
RI断片を、この中に参照文献として加えてある、J.
Kurjan & I.Herskowitz in
Cell 30:933(1982)によって記述され
たように、プラスミドpCY17からゲル電気泳動で精
製され、EcoRIによって切ったpGS185につな
げた。プラスミドのDNAをトランスフォーマントから
単離した、正しい挿入DNAの存在は、EcoRIでD
NAを消化することによって確かめられた。これが、プ
ラスミドpGS285であり、図3に描かれている。
【0156】Kurjan & Herskowit
z、(同前)によって認められたように、MF1遺伝子
中の内部の4個のHindIII部位の中の3箇を除去
するために、プラスミドpGS285をHindIII
で完全に消化し、そして再びつなげた。正しい構成は、
上に述べたように選ばれた。これが、プラスミドpGS
385である。例2において記述したように、合成SL
PI遺伝子の4から107迄のアミノ酸をコードするヌ
クレオチド配列になっているM13AaBCDを、Hi
dIIIで消化した。このDNAを以下のオリゴヌク
レオチドアダプターにつなげた。
【0157】
【化44】 このアダプターは、2つのオリゴヌクレオチドのアニー
リングによって形成し、 5′GCT GAA GCT TCA GGT AAG
及び 5′AGC TCT TAC CTG AAG CTT CAGC 先づ2分間7
0℃に保ち、続いて、一夜かかって徐々に冷す。
【0158】このアダプターをHindIIIで切った
M13AaBCDにつなげた後、結合混合物は、Hin
dIIIとSalIで消化して、アガロースゲル電気泳
動とエレエクトロリューションによって精製した1つの
断片を与えた。この断片を、もう一度HindIIIで
消化し、それからHindIIIとSalIで切ってお
いたpGS285につないだ。E.coli HB10
1を結合混合物で形質転換し、アンピシリン耐性トラン
スフォーマントを選んだ。正しい挿入DNAを持ったプ
ラスミドを含むトランスフォーマントを、プラスミドD
NAを調整し、それをHindIIIとSalIで消化
することにより同定した。この方法で組み立て、単離し
たプラスミドをpGS485と命名した。
【0159】これは図4に描かれている。このプラスミ
ドは、構成成分としてMF1遺伝子の最初のスペーサー
領域におけるHindIII切断部位において合成SL
PI遺伝子に融合したMF1遺伝子を含んでいる。この
ような構造体は、酵母に入れた場合、特別に参照として
ここに加えた。A.J.BakeらPNAS(USA)
81:4642によって示されたように、異種タンパク
の合成、プロセシング、分泌を導くことが示された。M
F1遺伝子とSLPIの融合が、pGS485中のEc
RI断片に含まれている。このEcoRI断片を実施
例8に記したように、ベクターYIp5の中へクローニ
ングした。
【0160】例 4 プラスミドpSGE6を用いての分泌白血球プロテアー
ゼインヒビター(SLPI)の発現と精製。プラスミド
pSGE6(SGE10細胞)を含んでいるE.col
細胞を、2%トリプトン、0.5%酵母エキス、20
g/lグルコース、200mg/lビタミンB1 及び1
00mg/lアンピシリンを加えた10リットルのM9
培地中で、6時間培養した。IPTGを0.2mM加
え、更に6時間培養を続けた。E.coli SGE1
0の細胞10リットルを18,000xgで遠心してペ
レットにして8g/lを得て、50mMトリス−塩酸
(pH7.5)4mM EDTA緩衝液(今後T50E
4と略称する)に再び懸濁してからペレットにした。
【0161】このペレットを2.7リットルのT50E
4に再び懸濁し、150mlのロットずつ凍結した。こ
れらのロット8箇(細胞36gに相当する)をまとめて
12,000psi、4℃でフレンチプレスを1回通し
てペレットをくずした。くずしたものを、20,000
xgで1.5時間遠心分離した。細胞からなる不溶物
(6gの細胞に等しい)を含むペレット1/6を125
mlのT50E4で2度洗い、残った物質を一夜凍結し
た。
【0162】凍結ペレットを、20mMのDTT(Si
gma,Cat.No.D−0632から入手)、4m
MのPMSF(Sigma,Cat.No.P−762
6)及び8M尿素(超高純度、BRL、Cat.No.
5505UA)を含む25mlの100mMトリス−塩
酸(pH8.0)と4mMのEDTA(今後、T100
E4と略称する)で、37℃、1時間抽出し、10,0
00xgで10分遠心した。得られた上澄みを、あらか
じめ20mMのDTTと8M尿素を含む抽出緩衝液T1
00E4で平衡処理(Pre−equibrated)
しておいた10mlの上澄みを除いたセファデックスs
p−c25(Pharmaciaから入手)と混ぜ、ロ
ーラーの上で37℃で10分混合し、SLPIをSP−
セファデックスに吸収させる。
【0163】吸収させたSLPIを含んだ樹脂を10分
間3,000xgで遠心してペレットとし、上澄みをデ
カントした。残ったセファデックスを20mMのDTT
と8M尿素を含む25mlのT100E4で2回洗って
から20mMのDTTを含む、25mlのT100E4
で2回洗った。次にセファデックスを1回、20mMの
DTTと0.3Mの食塩を含む25mlのT100E4
で抽出した。この抽出物は、約0.15mg/mlのタ
ンパクと、0.04mg/ml以上のSLPIを含んで
いた。この方法で得たSLPIは、高圧液体クロマトグ
ラフィーにより70%以上の純度であることが確定され
た。
【0164】例 5 例4の方法を用い、2番目の凍結ペレットを最初のT1
00E4/DTT/PMSF/尿素の代りに、1%Tr
iton X−100(Sigma Cat.No.T
−6878から入手)を含むT100E4で抽出した。
得られたSLPIは、例4で得られたものより僅かに純
度が高く、例6において述べるリフォルディング・アッ
セイにおいて、より高い活性があった。
【0165】例 6 精製SLPIのリフォルディング 例4または5からの約40μgの部分的に精製したSL
PIを尿素中8M、もしくはグアニジン塩酸塩中5M
(Pierce Chemical Co.,#241
10)、そしてDTT中4mMとして、室温で1時間温
置した。酸化型グルタチオン(Sigma,Cat.N
o.G−4626)を13.5mMになる迄加え、混合
物を再び室温で1時間温置した。混合物をpH10.7
の50mMトリス溶液で10倍稀釈し、更に室温で4時
間温置した。
【0166】それから、混合物をpH8.0の50mM
トリスと0.15M食塩で5倍に稀釈し、pH8.0の
50mMトリスと、0.25M塩化ナトリウムで前もっ
て平衡させた、セファデックスSP−C25の1×2c
mカラムにかけた。樹脂を0.25Mの塩化ナトリウム
を含むpH8.0の50mMトリスで洗い、それから
0.5Mの塩化ナトリウムを含む、pH8.0の50m
Mトリスで洗った。0.5Mの塩の洗滌で溶出する区分
は、十分に活性であり、カラムにかけたSLPIの約3
0%を呈している。
【0167】例 7 SGE30細胞融解物の可溶区分不溶区分からのSLP
Iの精製。E.coli SGE30細胞中のプラスミ
ドpSGE8の発現により、細胞融解物の可溶及び不溶
の両区分において、SLPIを生産した。SLPIは全
細胞タンパクの1%を占め、可溶区に約80%、不溶区
に約20%分布していた。
【0168】A.不溶区からのSLPIの精製 pSGE8を含むE.coli SGE30細胞を、振
盪フラスコで50μg/mlアンピシリンを含むLB培
地でOD600が0.7になる迄培養し、IPTGを
0.2mM迄加えて誘導した。3時間後に、細胞をペレ
ットとし、その2倍の重量の50mMトリス−塩酸(p
H7.5)と4mMのEDTA(今後は、T50E4と
称する)に懸濁した。細胞を4℃で超音波をかけて破壊
し、抽出物を12,000xgで、40℃で20分間遠
心分離した。
【0169】ペレットを3倍容量のT50E4で洗い、
10M尿素か6Mグアニジン塩酸塩のいずれか、及び5
mMの還元型DTTを含む溶液で、室温で溶解させた。
室温で1時間温置した後に、酸化型グルタチオンを1
7.5mMの濃度で加え、混合物をもう1時間温置し
た。それから混合物をpH10.7の10倍容積量の5
0mMトリス−塩酸で希釈した。希釈混合物を室温で4
時間放置後、5N塩酸を加えてpHを8に調節した。こ
の混合物を遠心分離して、沈殿したタンパクを除いた。
このようにしてできた上澄みは、分泌性白血球プロテア
ーゼインヒビター活性を示すSLPIを含んでいた。こ
のタンパクを上に述べたようなセファデックスSP−C
25カラム上のクロマトグラフィーで精製した。
【0170】B.可溶区分からのSLPIの精製 プラスミドpSGE8を含むE.coli SGE30
細胞を振盪フラスコ中でOD600が0.7になる迄培
養し、IPTGを0.2mM迄加えて誘導した。OD6
00が1.1で、細胞を25,000xgで15分間遠
心分離してペレットとした。ペレットをT50E4に再
び懸濁し、4℃で20,000psiでフレンチプレス
によってくずした。くずしたものを25,000xgで
15分間遠心分離した。
【0171】上澄みをDTT中で25mMとし、この混
合物を0℃で1時間温置し最終濃度が5%になる迄十分
量の塩酸を加えた。0℃で30分間温置した後、混合物
を25,000xgで15分遠心分離し、上澄みを除き
次の工程にかけた。10Mの水酸化ナトリウムで上澄み
のpHを8.0に調整し、SDS−ポリアクリルアミド
ゲル電気泳動、逆相HPLCクロマトグラフィー及びエ
ライサ(ELISA)法によって精製及び分析を行な
い、その結果、全タンパク130UGあたり少くとも
0.7UGのSLPIが示された。それについて、例6
に従ってリフォルディングを行なった。
【0172】例 8 癒合SLPI−MF1遺伝子(例3E参照)を含むEc
RI断片を酵母ベクターYIp5のEcoRI部位
に、この出願中に参照文献として特別に加えてあるBo
tsteinとR.W.DavisによるThe Mo
lecularBiology of the Yea
st Saccharomyces,Cold Spr
ing Harbor Laboratory pp.
607−636(1982)に記述されているようにし
てつなぎ、YIpSLPI−1を生成させ、本出願に特
別に参照文献として加えてある、T.Orr−Weav
erらMethods in Enzymology
101:228(1983)に記されてあるような位置
志向的組み換えによってS.cerevisiaeBS
214(MAT,Ura3−52,pep 4 prb
l)のURA3遺伝子の中に組み込んだ。この株、S.
cerevisiae SGY−1は完全に活性なSL
PIを培養上澄み中に分泌する。
【0173】2番目の株、SGY−3も活性SLPIを
生産し、分泌する。この株は複製性酵母プラスミッドp
GS585上にMF1: :SLPI癒合をもって
いる。このプラスミドは、本出願に特別に参照文献とし
て加えた、J.R.Broach,Method in
Enzymology 101:307(1983)
によって記述されたように、pJDB207から、また
本出願中に特別に参照文献として加えたD.Botst
einとR.W.Davis,the Molecul
ar Biology of the Yeast S
accharomyces,Cold Spring
Harbor Laboratory,pp.607−
636に記述されたように、プラスミッドY24から単
離された酵母URA3遺伝子を添加することにより構築
され、そしてpJDB207のHindIIIの切断部
位にクローニングを行ない、pGS585を構築した。
【0174】EcoRI断片に含まれるMF1:
:SLPI癒合遺伝子をEcoRI−XhoIアダプ
ター(Amersham.Cat.No.DA1007
から得た)を用いて、pGS585のSalI切断位置
にクローニングして、YEpSLPI−1を生成した。
特別にこの出願に参照文献として加えたJ.Bacte
riology 153:163(1983)におい
て、Itoらによって記述された、形質転換によってこ
のプラスミドをS.cerevisiae DBY74
6(MAT,Ura3−52,leu2−3,his3
1,trp1−289)に導入した。
【0175】Saccharomyces cerev
isiae菌株SGY−1とSGY−3を、特別に本出
願中参照文献として取り入れた、Method in
Yeast Genetics p.62,Cold
Spring HarborLaboratorie
s,Cold Spring Harbor,NewY
ork(1981)に記述された、F.Sherman
らの方法に従って、Uracilの欠けているSD培地
で、30℃で定常期迄培養した。細胞を遠心分離によっ
て培地から除き、培養上澄みを(1)プロテアーゼ阻害
活性と、(2)エライサ法によって、抗−SLPI抗体
と特異的に反応する物質の量を測定することによって、
SLPIの活性について検定した。精製の体系は、本出
願において記述された、以前の方法に類似のやり方で展
開できる。
【0176】本発明の工程や生産物について、さまざま
な改変を行なったり変化を与えたりすることができるこ
とは、当業者にとっては明白である。したがって、本発
明は、附帯の請求範囲及びそれらの同等の範囲内にある
ならば、その修飾や改変を包含することを意図するもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】プラスミドpSGE6の模式図。
【図2】プラスミドpSGE8の模式図。
【図3】プラスミドpGS285の模式図。
【図4】プラスミドpGS485の模式図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07K 13/00 8318−4H C12N 9/99 9359−4B C12P 21/02 A 8214−4B (C12N 1/19 C12R 1:865) (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:865) (72)発明者 エイゼンバーグ,スチーブン ピー. アメリカ合衆国 80302 コロラド州,ボ ウルダー,パノラマ アベニユー 2325 (72)発明者 ステツトラー,ゲイリイ エル. アメリカ合衆国 80302 コロラド州,ボ ウルダー,パノラマ アベニユー 2325 (72)発明者 トムソン,ロバート シー. アメリカ合衆国 80303 コロラド州,ボ ウルダー,ドレクセル ストリート 1120

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断片化されていない1本のポリペプチド
    鎖からなるセリンプロテアーゼインヒビターの微生物合
    成を指示し得る合成DNA配列または単離された天然の
    DNA配列であって、前記インヒビターはセリンプロテ
    アーゼインヒビター活性を有する少なくとも1つの活性
    部位を有し、かつ耳下腺分泌物から単離された天然のセ
    リンプロテアーゼインヒビターと少なくとも40%の相
    同性を示し、前記天然のセリンプロテアーゼインヒビタ
    ーは次のアミノ酸配列を有する上記DNA配列: 【化1】
  2. 【請求項2】 配列が(1)下記の配列: 【化2】 または(2)遺伝子コードの縮重の結果として(1)に
    均等な配列である請求項1のDNA配列。
  3. 【請求項3】 単離された天然のDNA配列である請求
    項1のDNA配列。
  4. 【請求項4】 cDNAである請求項3のDNA配列。
  5. 【請求項5】 ゲノムDNAである請求項3のDNA配
    列。
  6. 【請求項6】 ポリペプチドがセリンプロテアーゼイン
    ヒビター活性を有する少なくとも1つの活性部位を有
    し、次のアミノ酸配列: 【化3】 (但し、R1 およびR7 は同一または異り、置換または
    非置換アミノ酸残基またはその誘導体からなる群から選
    択され、かつR2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R 8 およ
    びR9 は同一または異り、メチオニン、バリン、アラニ
    ン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、リ
    ジン、グリシン、ロイシンおよびアルギニンからなる群
    から選択される)からなる請求項1のDNA配列。
  7. 【請求項7】 セリンプロテアーゼインヒビターが次の
    アミノ酸配列: 【化4】 またはその断片からなり、前記断片がセリンプロテアー
    ゼインヒビター活性を有する少なくとも1つの活性部位
    を有する請求項6のDNA配列。
  8. 【請求項8】 断片化されていない1本のポリペプチド
    鎖からなるセリンプロテアーゼインヒビターの微生物合
    成を指示し得る合成DNA配列または単離された天然の
    DNA配列において、前記インヒビターはセリンプロテ
    アーゼインヒビター活性を有する少なくとも1つの活性
    部位を有し、かつ耳下腺分泌物から単離された天然のセ
    リンプロテアーゼインヒビターと少なくとも40%の相
    同性を示し、前記天然のセリンプロテアーゼインヒビタ
    ーは次のアミノ酸配列を有する上記DNA配列からなる
    組換えベクター: 【化5】
  9. 【請求項9】 配列が(1)次の配列: 【化6】 または(2)遺伝子コードの縮重の結果として(1)に
    均等な配列である請求項8の組換えベクター。
  10. 【請求項10】 DNA配列が単離された天然のDNA
    配列である請求項8のベクター。
  11. 【請求項11】 DNA配列がcDNAである請求項8
    のベクター。
  12. 【請求項12】 DNA配列がゲノムDNAである請求
    項8のベクター。
  13. 【請求項13】 ポリペプチドがセリンプロテアーゼイ
    ンヒビター活性を有する少なくとも1つの活性部位を有
    し、次のアミノ酸配列: 【化7】 (但し、R1 およびR7 は同一または異り、置換または
    非置換アミノ酸残基またはその誘導体からなる群から選
    択され、かつR2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R 8 およ
    びR9 は同一または異り、メチオニン、バリン、アラニ
    ン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、リ
    ジン、グリシン、ロイシンおよびアルギニンからなる群
    から選択される)からなる請求項8のベクター。
  14. 【請求項14】 セリンプロテアーゼインヒビターが次
    のアミノ酸配列: 【化8】 またはその断片からなり、前記断片がセリンプロテアー
    ゼインヒビター活性を有する少なくとも1つの活性部位
    を有する請求項13のベクター。
  15. 【請求項15】 断片化されていない1本のポリペプチ
    ド鎖からなるセリンプロテアーゼインヒビターの微生物
    合成を指示し得る合成DNA配列または単離された天然
    のDNA配列からなる組換えベクターにおいて、前記イ
    ンヒビターはセリンプロテアーゼインヒビター活性を有
    する少なくとも1つの活性部位を有し、かつ耳下腺分泌
    物から単離された天然のセリンプロテアーゼインヒビタ
    ーと少なくとも40%の相同性を示し、前記天然のセリ
    ンプロテアーゼインヒビターは次のアミノ酸配列を有す
    る上記DNA配列からなる組換えベクターを含有する形
    質転換宿主細胞: 【化9】
  16. 【請求項16】 配列が(1)次の配列: 【化10】 または(2)遺伝子コードの縮重の結果として(1)に
    均等な配列である請求項15の細胞。
  17. 【請求項17】 DNA配列が単離された天然のDNA
    配列である請求項15の細胞。
  18. 【請求項18】 DNA配列がcDNAである請求項1
    7の細胞。
  19. 【請求項19】 DNA配列がゲノムDNAである請求
    項17の細胞。
  20. 【請求項20】 ポリペプチドがセリンプロテアーゼイ
    ンヒビター活性を有する少なくとも1つの活性部位を有
    し、次のアミノ酸配列: 【化11】 (但し、R1 およびR7 は同一または異り、置換または
    非置換アミノ酸残基またはその誘導体からなる群から選
    択され、かつR2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R 8 およ
    びR9 は同一または異り、メチオニン、バリン、アラニ
    ン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、リ
    ジン、グリシン、ロイシンおよびアルギニンからなる群
    から選択される)からなる請求項15の細胞。
  21. 【請求項21】 セリンプロテアーゼインヒビターが次
    のアミノ酸配列: 【化12】 またはその断片からなり、前記断片がセリンプロテアー
    ゼインヒビター活性を有する少なくとも1つの活性部位
    を有する請求項20の細胞。
JP6057872A 1984-12-06 1994-03-28 セリンプロテアーゼインヒビターの産生のための遺伝子組み換え法と、同じ目的に有用なdna塩基配列 Expired - Lifetime JP2683500B2 (ja)

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