JPH0494686A - トリプシン阻害活性を有するポリペプチドの製造法 - Google Patents

トリプシン阻害活性を有するポリペプチドの製造法

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JPH0494686A
JPH0494686A JP20803090A JP20803090A JPH0494686A JP H0494686 A JPH0494686 A JP H0494686A JP 20803090 A JP20803090 A JP 20803090A JP 20803090 A JP20803090 A JP 20803090A JP H0494686 A JPH0494686 A JP H0494686A
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JP
Japan
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psti
secretion
plasmid
dna
protein
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JP20803090A
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Masaru Honjo
勝 本城
Akira Nakayama
章 中山
Hideki Kobayashi
英樹 小林
Keiko Fukazawa
桂子 深澤
Kazunori Ando
和徳 安藤
Michiko Hori
美智子 堀
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、膵分泌性トリプシンインヒビター(PSTI
)の製造法に関するものである。本発明は特に、遺伝子
の発現に関与するプロモーターリボゾーム結合部位およ
び分泌シグナルをコードする領域の直後にPSTIをコ
ードするDNA配列が結合しているDNA断片かベクタ
ーDNA!こ結合しているPSTI分泌プラスミド、な
らびにそれを用いた形質転換株、およびPSTIの分泌
生産法に関する。また、本発明は特に、バチルス・アミ
ロリキファンエンスの中性プロテアーゼ遺伝子のプロモ
ーター、リボゾーム結合部位、および分泌シグナルをコ
ードする領域の直後にPSTIをコードするDNA配列
が結合しでいるDNA断片がベクターDNAに結合して
いるPSTI分泌プラスミド、ならびにそれを用いた形
質転換株およびPSTIの分泌生産法に関するものであ
る。
〔従来の技術と発明が解決しようとする課題〕近時増加
傾向にある疾病として、急性膵炎が注目を浴びている。
膵炎とは、活性化した膵酵素により起こる膵臓の自己消
化をいう。膵臓の浮腫、出血、壊死を主体にした病変で
あるが、重症の膵炎では、全身の重要臓器の機能不全が
併発し、これが原因で、今日でも約10%の急性膵炎の
患者が死亡しているといわれる(参考文献1)。膵臓を
消化する酵素としてカリクレイン、キモトリプシン、エ
ステラーゼ、カルボキシペプチダーゼ等が考えられるが
、これらは正常な状態では活性のない前駆体として膵臓
内に存在している。これらの前駆体が、膵臓内で何らか
の原因により活性化されることにより、膵臓が消化され
、膵炎になるといわれている。前駆体酵素の活性化の火
付は役となるのが、トリプシンである。何らかの原因で
膵臓内で少量のトリプシノーゲンが活性化されトリプシ
ンとなり、それが他の前駆体酵素を次々と活性化し、膵
臓の自己消化が起こる。このように、膵炎の発症や増悪
に膵臓の酵素、とくにトリプシノーゲンの活性化が深く
かかわっている。従って、その治療には、トリプシンの
阻害剤であるトリプシンインヒビターを用いることが可
能である。急性肝臓炎患者には、1953年にFrey
がウシ塩基性トリプシンインヒビター(BPTI)を患
者に投与した報告がある(参考文献2)。このものは重
篤なアナフラキシーショックを惹起させることがあり、
またウシ由来であることから複数投与することより抗体
が生し大きな問題となっている(参考文献3)。そこで
、ヒト由来の膵分泌性トリプシンインヒビター(PSI
N)に対する期待が高まった。また、PSTIは、血清
中にも存在し、種々の臓器から生した悪性腫f&患者で
血清PSTI値は高値を示し、血清PSTI値測定によ
る悪性腫瘍診断率は極めて高いとの報告もなされている
(参考文献4)。このような点から、PSTIは、膵炎
の治療薬として、また有用な腫瘍マーカーとして期待が
寄せられている。
組換えDNA技術が出現する前のPSTIの生産は膵臓
から直接抽出することによってなされていた。例えば、
ウシPSTIの場合、原材料としてウシ膵R8,165
kgから出発し、また得られたPSTIも電気泳動的単
一成分でなかったと報告されている(参考文献5)。ま
た、ヒ)PSTIを生産する場合は、ヒトWQ臓、ある
いはヒト血液より行う必要があり、材料を人手するのが
困難であり、また臓器からのウィルスの混入の可能性も
考えられる点から問題であった。
ところで、組換えDNA技術により微生物を宿主として
異種遺伝子を発現させ、異種遺伝子産物を多量に生産す
ることが可能となりつつある。異種遺伝子産物とは、あ
る微生物において、その微生物に由来しない遺伝子が発
現した結果産生される蛋白質をいう。
微生物を宿主として生産される組換えDNA技術による
物質生産は、大きく菌体内生産と菌体外分泌生産とに分
けられる。
前者の場合、異種遺伝子産物を菌体内に効率よく生産す
ることが可能であるが、下記に記載するような問題点が
あることが指摘されている。
第一に、菌体内に生産された異種遺伝子産物は、通常、
生物活性を持たないインクルージヨン・ボディ(inc
lusion body)と呼ばれる不溶性の塊となる
ことが知られている。
一般に、このような1nclusion bodyを、
菌体から回収することは困難ではないが、天然の高次構
造と活性を有する異種遺伝子産物を得るには、尿素等の
可溶化剤で1nclusion bodyを可溶化後、
天然の高次構造と活性を有する異種遺伝子産物に戻す工
程が必要となる。この工程は、かなり繁雑であり、しか
も、その効率が低い点に実用的な問題がある。例えば、
5chonorら(参考文献6)によれば、大腸菌の菌
体内で1nclusion bodyを形成したウシ成
長ホルモンの場合は、5M尿素存在下で一部可溶化する
が、その量は全体の10%と少なく残りはベレット状の
ままであったと報告されている。
第二に、天然型の異種遺伝子産物を生産することが困難
であることが指摘されている。一般に、異種遺伝子を微
生物で発現させる場合、蛋白質をコードする遺伝子の前
に開始コドン(ATG)が必要である。その結果、産生
される蛋白質は、N末端にMetが附加された型の融合
蛋白質となる。このようなMetが附加された型の融合
蛋白質は医薬品として人体に投与した場合、融合蛋白質
による抗体の出現率が高まり、薬効の低下、アナフィラ
キシ−などの副作用の惹起などが問題となる。実際、大
腸菌の菌体内で生産されたヒト成長ホルモン(hGH)
は、N末端にMetが附加されたMet−hGHであり
、天然のhGHと効果において同等であったが、Met
−hGHを人体に投与した場合、抗体出現率が高いこと
が認められた(参考文献7)。
第三に、S−3結合を有する異種遺伝子産物を菌体内に
生産させる場合、そのS−8結合が正確に架橋されない
場合が知られている。たとえば、J、M、Schoem
arker(参考文献8)らによれば、S−3結合を分
子内に3個持つウシキモシンを大腸菌で発現させた場合
では、分子間のS−3結合が形成されたと報告されてい
る。
従って、トリプシン活性を有するPSTIを生産するプ
ロセスの確立が望まれるが、前述した理由から、菌体内
生産法はふされしくないと考えられた。他方、有用異種
遺伝子産物の菌体外分泌生産は検討すべき種々の課題が
存在するが、以下に述べる理由により、この目的により
適していると考えられた。
一般に、分泌蛋白質は、菌体内でその成熟蛋白質のN末
端上流に分泌シグナルが付加した型の前駆体蛋白質とし
て合成されるが、前駆体蛋白質は、分泌の過程で分泌シ
グナルは除去され分泌、シグナルが除去された型の成熟
蛋白質として菌体外に分泌される(参考文献9)。ここ
で、成熟蛋白質とは、分泌蛍白質からそれ自身の分泌シ
グナルを除去された蛋白質をさす。
そこで、PSTIのN末端上流に分泌シグナルが結合し
た型の前駆体蛋白質として菌体内で発現させ、菌体外へ
分泌させれば、菌体内生産の問題点を回避して抗トリプ
シン活性を有するPSTIが菌体外に分泌されること、
さらに、分泌シグナルとPSTIとの結合方法を工夫す
ることにより、分泌の際に分泌シグナルが所望の部位で
切断されたヒト膵臓由来のPSTIと同しN末端を有す
るPSTIを培養液中に産生させることが期待される。
このような観点から、大腸菌を宿主としたPSTlの分
泌生産について報告がなされている。彼らは、大腸菌の
ompAの分泌シグナルの直後に成熟PSTIを結合さ
せた分泌プラスミドを構築し、大腸菌を宿主としてPS
T Iの分泌を試みた。この場合、2.5から10■の
PSTIの分泌が認められた(参考文献10)。また、
酵母では酸性ホスファターゼのプロモーターおよびPS
TI自身の分泌シグナルを利用し、PSTI(D誘導発
現を行った。この場合、培養液中に蓄積したPSTIの
量はわずか1.6■/!であったと報告されている(参
考文献11)。
本発明者らは、これらの系に代わるさらに良いPSTI
の分泌生産系を探索することにした。そこで、本発明者
らは、分泌蛋白質を多量に分泌する性質ををし、病原性
がなく、酵素、アミノ酸、核酸等の工業用微生物として
使用経験の豊富なバチルス属細菌を宿主として用いる方
法を検討した。特にバチルス属細菌のなかでもバチルス
°ズブチリスは、遺伝学的、生化学的、分子生物学的、
応用微生物学的知見が多く蓄積されている。この点から
、バチルス・ズプチリスを宿主とした異種遺伝子産物を
菌体外に分泌するための宿主−ベクター系の確立は大き
な意義を有するものである。
これまでに、バチルス・アミロリキファシエンスのα−
アミラーゼ遺伝子を利用した、大腸菌(Escheri
chia coli)のβ−ラクタマーゼの分泌(参考
文献12)、スタフィロコッカス(Staphyloc
occus aureus)のヌクレアーゼの分泌(参
考文献13)、スタフィロコッカスのプロティンAの分
泌(参考文献14)ヒトーα−インクフエロンの分泌(
参考文献15)、バチルス・ズプチリスのαアミラーゼ
遺伝子を利用したマウス−β−インクフェロンの分泌(
参考文献16)、バチルス・アミロリキファシエンスの
中性プロテアーゼ遺伝子、あるいはアルカリ性プロテア
ーゼ遺伝子を利用したスタフィロコッカスのプロティン
Aの分泌(参考文献17)、ヒト血清アルブミン分泌(
参考文献18)等の報告がされている。これらの報告が
示すように、バチルス・ズプチリスを宿主として成る種
の原核生物由来の蛋白質は効率よく分泌蓄積されること
が報告されている。例えば、β−ラクタマーゼ(参考文
献12)、ヌクレアーゼ(参考文献13)、プロティン
A(参考文献17)の分泌蓄積量は、培養液IPあたり
、それぞれ約20■、約50■、約1000■であった
。しカシながら、真核生物由来のヒト−α−インターフ
ェロン(参考文献15)、マウス−β−インターフェロ
ン(参考文献16)、ヒト血清アルブミン(参考文献1
8)の分泌蓄積量はともにわずかで、例えばヒト−α−
インターフェロンの場合は、培養液11あたり0.5■
であったと報告されている。これらの例が示すように、
バチルス・ズプチリスを宿主とした真核生物由来の蛋白
質を多量に分泌生産することは必ずしも容易でないこと
を示している。
一般に、分泌蛋白質の遺伝子は、RNAポリメラーゼに
よる転写の結果mRNAとなり、さらにそのmRNAを
鋳型として成熟蛋白質のN末端上流に分泌シグナルが付
加した型の前駆体蛋白質が合成される9分泌の過程にお
いて、この分泌シグナルは、前駆体蛋白質から除去され
ることが知られている。
そこで、分泌させたい蛋白質の種類によって、分泌蓄積
量が異なる原因を調べるために、Ulmanen(参考
文献19)らは、分泌蛋白質の遺伝子のプロモーター、
リボゾーム結合部位および分泌シグナルをコードする領
域の直後に異種蛋白質をコードするDNA配列を結合さ
せた型の融合遺伝子の転写、翻訳、およびその結果産生
された異種遺伝子産物の分泌効率のうち、どの段階が異
種遺伝子産物の分泌蓄積量に影響を与えるかを検討した
すなわち、彼らは、バチルス・アミロリキファシエンス
のアミラーゼ遺伝子のプロモーター、リボゾーム結合部
位、分泌シグナルをコードする領域を用いて、Sem1
liki forest virusの糖蛋白であるE
1タンパクと大腸菌のβ−ラクタマーゼ、および、バチ
ルス・アミロリキファシエンスのαアミラーゼの分泌を
試みた。その結果、菌体内に生産されるそれらの成熟蛋
白質のN末端上流に分泌シグナルが付加した型の前駆体
蛋白質をコードするmRNAの量には大差が見られなか
った。
一方、E1タンパク、β−ラクタマーゼの分泌蓄積量は
、α−アミラーゼの分泌蓄積量に比べそれぞれ、0.0
1%、10%であったと報告されている。この報告では
、この原因を宿主であるバチルス・ズプチリスが、アミ
ラーゼ遺伝子の分泌シグナルの下流に異種蛋白質を結合
させた型の融合蛋白質を効率よく分泌させえないため、
あるいは、バチルス・ズプチリスが持つ蛋白質分解活性
による異種蛋白質の分解によるものとしている。
このように、同し分泌蛋白質遺伝子、すなわちα−アミ
ラーゼ遺伝子のプロモーター、リボゾーム結合部位、お
よび、分泌シグナルをコードする領域を用いても、分泌
される蛋白質の種類によって分泌蓄積量に差が生ずるの
であると報ぜられている。
また、同一の分泌蛋白質遺伝子の分泌シグナルをコード
する領域と、同一の真核生物由来の蛋白質をコードする
DNA断片を用いても、両者の結合様式の相違により、
真核生物由来の蛋白質が枯草菌で分泌される場合とされ
ない場合とがあることを、Pa1va、 I  (参考
文献15)らと5chein C,H3(参考文献20
)らの報告が示している。すなわち、Pa1vaらは、
分泌蛋白質の一つであるバチルス・アミロリキファシエ
ンスのα−アミラーゼ遺伝子の分泌シグナルの切断点を
含む領域(Ala−Val)、すなわち分泌シグナルを
コードする3′−末端(Ala)のあとに成熟蛋白質の
N末端アミノ酸(Val)をコートするDNA断片の後
に、直接、または5アミノ酸残基からなる結合領域(^
5n−Gly−ThrGln−Ala)を介して成熟イ
ンターフェロン(IFN)をコードするDNA断片を結
合させ、ヒトlFNタンパクの分泌を試みた。この場合
、分泌シグナルは除去されたが、分泌されたインターフ
ェロンは、成熟インターフェロンのN末端上流に1個(
Val) 、または6個(Vat−Asn−Gly−T
hr−Gin−Ala)のアミノ酸が付加した型の融合
蛋白質が分泌蓄積され、それらの量は、培養液11あた
り0.5rngから1mgであった。一方、5hein
 らは、Palνaと同じα−アミラーゼ遺伝子の分泌
シグナルのC末端のアミノ酸(Ala)をコードする領
域の直後に、成熟インターフェロン(IFN)をコード
するDNA断片を結合させ、ヒトIFNの分泌を試みて
いる。しかしながら、この場合、多量の前駆体IFN、
あるいは成熟IFNが細胞膜に留まり、培地中への分泌
は、少量であったと報告されている。
以上記載した様に、バチルス・ズプチリスを宿主とした
系で、真核生物由来の成熟蛋白質のN末端上流に分泌シ
グナルが付加した型の前駆体蛋白質が分泌されるかどう
か、また分泌の過程でその分泌シグナルがプロセスされ
るかどうかは予測不可能であり、結局のところ選択され
る成熟蛋白質と分泌シグナルとの組合せ、あるいは、両
者の結合様式の差によって異なるものであることは当業
者の共通の認識となっている。
〔課題を解決するための手段〕
上記の点に鑑み本発明者らは、PSTIを分泌させ得る
プロモーター、リボゾーム結合部位および分泌シグナル
を有する遺伝子を検索し、遂に本目的を達しせしめるD
NA断片を見い出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、バチルス・アミロリキフプシエン
スの中性プロテアーゼ遺伝子のプロモーター、リボゾー
ム結合部位および分泌シグナルをコードする領域の直後
にPSTIをコードするDNA配列が結合しているDN
A断片をヘクターDNAに結合したPSTI分泌プラス
ミド、およびこのPSTI分泌プラスミドで形質転換し
て得た形質転換株、およびこの形質転換株を培養してそ
の培養上清からPSTIを回収するPST Iの製造法
である。
ヘクターに結合したD N A断片は好ましくは下記の
DNA配列を有している。
5’ GATCTTAACATTTTTCCCCTAT
CATTTTTCCCGTCTTCATTTGTCAT
TTTTTCCAGAAAAATCGTCATTCGA
CTCATGTCTAATCCAACACGTCTCT
CTCGGCTTATCCCCTGACACCGCCC
GCCGACAGCCCGCATC、GACCAATC
TATCAATTCAGCCGCGGAGTCTAC;
TTTTATATTGCAGAATGCGAGATTC
CTGGTTTATTATAACAATATAACTT
TTCATTATTTTCAAAAAGCGC、GAT
TTATTGTGGGTTTAGGTAAC;AAAT
TGTCTAGTGCTGTAGCCCCTTCCTT
TATGAGTTTAACCATCAGTCTGACT
CTCTGGGTCGTC、AAGCTAAATGCT
ACAACCAACTGAACGGTTGCACTAA
C;ATCTACAACCCGGTTTGCGGTAC
CGACGC;TGACACTTACCCGAACGA
ATGCGTTCTGTC;CTTCGAAAACCG
TAAACGTCAGACTTCTATCCTGATC
CAGAAATCTGGTCCGTGC3′ 以下、本発明の詳細な説明する。
本発明で言うプロモーターとは、RNAポリメラーゼが
認識し結合するDNA配列をいう。
一般に、RNAの合成開始点を“+1パとし、その上流
のDNA配列を並べると、そこから約10塩基のところ
に共通性の高いDNA配列の存在が知られている。その
DNA配列は、5’TATAAT3’であり、 −10
領域”といわれている。さらに約35塩基のところにも
共通性の高いDNA配列の存在が知られており、そのD
NA配列は、5’ TTGACA3’であり、 −35
頭域”といわれている。通常、 −35領域”はRNA
ポリメラーゼの認識のため、 −10頭域“′はその結
合のために必要とされている(参考文献21)。
バチルス・ズプチリスは幾つかの種類のRNAポリメラ
ーゼを持つことが知られている。この多様性は、バチル
ス・ズプチリスの複雑な発現制御を伴う胞子形成の過程
において重要な役割を果たしている。とくに、栄養増殖
期にあるRNAポリメラーゼの大部分はσ55型RNA
ポリメラーゼを持ち、従って大部分の遺伝子の転写はこ
れによって行われることが知られている(参考文献22
)。
本発明の分泌プラスミドにおけるプロモーターの゛−3
5領域°゛、および゛−10領域”と考えられるDNA
配列は、前記のDNA配列のうち、それぞれ5′末端か
ら178番目の塩基であるTから開始する5“TTGC
AG3’ 、および202番目の塩基から開始する5’
 TATTAT3’である。このDNA配列は、バチル
ス・ズプチリスの栄養増殖機の主たるRNAポリメラー
ゼであるσ55型RNAポリメラーゼと高い相同性を有
している(参考文献22)。
また、リポゾーム結合部位とはRNAポリメラーゼによ
り合成されたmRNAがリボゾームと結合するDNA配
列を指す。
−mに、リポゾーム結合部位は開始コドンの5から9塩
基上流に共通にみられるDNA配列で、16SrRNA
の3′末端のDNA配列と相補的なりNA配列を指す。
微生物の種類によって、その16SrRNAのDNA配
列は異なるが、バチルス・ズプチリスの16SrRNA
のDNA配列は3’ UCUUUCCUCC5’である
ことが知られている(参考文献22)。
本発明の分泌プラスミドのりボヅーム結合部位と考えら
れるDNA配列としては、前記DNA配列において23
5番目の塩基から開始する5’AAAGGGG(1,3
’である。このDNA配列は、バチルス・ズプチリスの
163rRNAと極めて高い相補性を有するものである
これらのブロモター、およびリポゾーム結合部位のDN
A配列は、遺伝子の発現に重要な役割を果たす。また、
これらのDNA配列は、遺伝子の発現効率に関係してい
ることは今日広く知られている(参考文献21)。
バチルス属細菌を宿主として所望の蛋白質の遺伝子を発
現させる場合は、バチルス属細菌のRNAポリメラーゼ
及びリポゾームが、プロモーター及びリポゾーム結合部
位に対して厳格な特異性を持つため(参考文献22)、
それらの領域はバチルス属細菌由来であることが望まし
い(参考文献23)。
また、分泌シグナルとは、成熟蛋白質のN末端上流に存
在する20から30アミノ酸残基によりなるポリペプチ
ドを指す。分泌シグナルには、次のような特徴がある。
すなわち、N末端近くに塩基性アミノ酸の存在、中央部
に疎水性アミノ酸のクラスターの存在、および分泌シグ
ナルの切断部位に小さな側鎖を有するアミノ酸の存在が
知られている。このポリペプチドは、分泌の過程で除去
されるものであり、前駆体蛋白質の細胞膜通過において
重要な役割を果たすと考えられている(参考文献9)。
本発明の分泌プラスミドの構築に用いたバチルス・アミ
ロリキファシエンスの中性プロテアーゼ遺伝子の分泌シ
グナルと考えられるアミノ酸配列は、Met−Gly−
Leu−Gly−Lys−Lys−Leu−5er−5
er−AlaVa 1−Ala−A la−Ser−P
he−Met−3er−Leu−Thr−11e−5e
rLeu−Pro−Gly−Val−Gin−AI’a
−であり、典型的な分泌シグナルの1次構造を有してい
る。すなわち、このアミノ酸配列には、N末端付近の塩
基性アミノ酸であるLysの存在、中央部分の疎水性ア
ミノ酸のクラスター(Leu−3er−5er−Ala
−Val−Ala−Ala−5er−Phe−Met−
3er−Leu−Thr−11e−3er−Leu−)
の存在、および分泌シグナルの切断部位に小さな側鎖を
有するアミノ酸(Ala)の存在が認められるからであ
る。
従って、本発明の前記DNA配列における分泌シグナル
をコードするDNA配列としては、5′GTGGGTT
TAC,GTAAC;AAATTGTCTAGTGCT
GTAGCCGCTTCCTTTATC,AGTTTA
ACCATCAGTCTGCCGGGTGTTCACG
CCGCT3’である。
また、本発明のPST I分泌プラスミドの構築に用い
たPSTIタンパクのアミノ酸配列は、1976年にG
reeneらにより決定され報告されている(参考文献
10)。発表されたアミノ酸配列はAs p−5er−
Leu−G Iy−Arg−G Iu−A 1a−Ly
s−Cys −Tyr−AsnG 1 u−Leu−A
sn−G Iy−Cys−Thr−Lys −11e−
Tyr−Asn−Pr。
Va 1−Cys−G 1y−Thr−Asp−G I
y−Asp−Thr−Tyr−Pro−AsnG 1u
−Cys−Va l−Leu−Cys−Phe−Glu
−Asn−Arg−Lys−ArgGln−Thr−3
er−11e−Leu−11e−Gin−Lys−3e
r−Gly−Pr。
Cysであり、このPSTIをコードするDNA配列は
、5’ GACTCTCTGGGTCGTGAAGCT
AAATC;CTACAACGAACGAACTGAA
CGGTTGCACTAAGATCTACAACCCG
GTTTGCC;GTACC,ACGGTGACACT
TACCCGAACGAATC,CGTTCTGTGC
TTCGAAAACCGTAAACGTCAGACTT
CTATCCTGATCCAC;AAATCTC;GT
CCGTGC3′である。
また、−船釣にはプロモーター、リボゾーム結合部位お
よび分泌シグナルをコードする領域の下流に、異種蛋白
質をコードするDNA配列を挿入結合することが可能で
、しかもバチルス属細菌で複製可能な異種蛋白質分泌プ
ラスミドを創製する場合は、短時間の内に菌体外に分泌
生産される分泌蛋白質の遺伝子を用いることが重要であ
る。そのような分泌蛋白質としては、アルカリ性プロテ
アーゼ、α−アミラーゼ、レバンシュクラーゼ等が知ら
れている。しかしながら、このような分泌蛋白質のプロ
モーター、リボゾーム結合部位および分泌シグナルをコ
ードする領域の下流に、異種蛋白質をコードするDNA
断片を挿入結合したバチルス属細菌で複製可能な異種蛋
白質分泌プラスミドを構築するだけでは、異種遺伝子産
物が菌体外に効率よく分泌生産させえない場合のあるこ
とを、Ulmanen ら(参考文献19 ) 、5c
hein (参考文献20)らが報告が示していること
に注目すべきである。
本発明者らは、PSTIを多量に菌体外S+分泌しうる
能力を有する分泌蛋白質をコードする遺伝子を鋭意探索
し、さらに分泌シグナルをコードするDNA断片とPS
TIをコードするDNA断片の結合との仕方を種々追究
した結果、バチルス・アミロリキファシエンスの中性プ
ロテアーゼ遺伝子を選択し、かつこの中性プロテアーゼ
遺伝子のプロモーター、リポゾーム結合部位および分泌
シグナルをコードする領域の直後にPSTIをコードす
るDNA断片を結合させることにより、後述の実施例で
示すようにきわめて優れた成績を有する本発明の分泌プ
ラスミドを構築することが出来本発明のPSTI分泌プ
ラスミドを構成するベクターDNAとしては、バチルス
属細菌で複製可能なものであれば如何なるものでも使用
可能である。通常よく用いられるものとしてスタフィロ
コッカス属由来のプラスミドpUB110、pTP5、
pcl 94、PDB9、pBD64、pBC16、p
、E194等およびその誘導体を挙げることができる。
上記のプラスミドを有するバチルス・ズプチリスは、い
ずれもオハイオ大学バチルスストックセンター(住所;
 484 West 12th AvenueColu
mbus 0hio 43210 USA)で万人に分
譲されるものである。
とくに、本発明で用いるベクターDNAとしては、バチ
ルス属細菌で複製可能なプラスミドであれば如何なるも
のでもよいが、分子生物学的知見の蓄積が多く、かつバ
チルス属細菌で安定に保持される点からpUB110が
よい。
本発明のPSTI分泌プラスミドは、後述の実施例に記
載するように、中性プロテアーゼ遺伝子のプロモーター
、リポゾーム結合部位および分泌シグナルをコードする
領域の直後に異種蛋白質をコードするDNA配列を結合
することのできる異種蛋白質発現分泌ベクターを用いて
、そのプロモーター、リポゾーム結合部位および分泌シ
グナルをコードする領域の直後にPSTIをコートする
DNA配列を挿入結合し構築したものである。本発明の
PSTI分泌プラスミドは、また、化学的に合成した前
記DNA配列を含むDNA断片と適当な制限酵素で切断
したバチルス属細菌で複製可能なベクターDNA断片と
を常用の連結技術を用いて結合することにより構築する
ことも可能である。これらの場合、2つのDNA断片は
、たとえば、共通の制限酵素部位を介して、および/ま
たは合NAリンカ−を用いることにより、および/また
は平滑末端結合により連結されることが可能である。
バチルス・アミロリキファシエンスの中性プロテアーゼ
遺伝子のプロモーター、リポゾーム結合部位、および、
分泌シグナルをコードする領域の下流にPSTIタンパ
クをコートするDNA断片を結合させたDNA断片が上
記に記載したベクタ−DNAと結合して構築されたPS
TI分泌プラスミドは、これを用いてバチルス・ズプチ
リスを形質転換して形質転換株を得ることができる。バ
チルス・ズプチリスの形質転換の方法としては、当業界
で用いられている方法ならばいかなる方法を用いること
が可能である。例えば、Changらの方法(参考文献
23)により行うことができる。
この方法は、3段階に分けることができる。
1、バチルス・ズプチリスを等調液において、リゾチウ
ムで処理することによる細胞壁のないバチルス・ズプチ
リス、すなわちプロトプラストを生成させる過程。
2、ポリエチレングリコール溶液を用いた、ベクターD
NAによるプロトプラストの形質転換を行う過程。
3、再生培地におけるプロトプラストの細胞壁の再生と
形質転換されたバチルス・ズプチリスを選択する過程。
かくしてえられた形質転換株を用いPSTIを得るには
その菌株を通常の方法で液体培養すればよい。例えば、
2!の三角フラスコに、400dのLB培地(参考文献
24)に形質転換株を植菌した後、37°Cで、約20
時間、好ましくは最大収量のPSTIが分泌産生される
まで、振盪を行いながら培養する方法がある。
本発明の形質転換株は、資化可能な炭素源、窒素源、お
よび無機塩源を有す液体培地で培養される。例えば、通
常よく用いられる液体培地としてLB培地等が挙げられ
る。
また、ここで用いる菌株としては、本発明のPSTI分
泌プラスミドで形質転換されるバチルス属細菌なら如何
なるものでもよいが、遺伝学的、生化学的、分子生物学
的、応用微生物学的知見が多く蓄積されており、かつ安
全性も高い点からバチルス・ズプチリスがよい。
培養液からのPSTIの調製は、培養上清から回収精製
を行えば実施可能である。本発明者らは、この培養上清
のPHを塩酸で3に調整した後、蛋白性の沈殿を遠心で
除いて得られた上清画分にPSTIは残存し、しかも、
その存在比は、全蛋白に対し6%と高まり極めて夾雑蛋
白の少ないものとなることを見出した。その結果、培養
液中に分泌されたPSTIは、この上清から、陽イオン
交換クロマトグラフィーと逆相クロマトグラフィーによ
り容易に精製できる。
本発明者らは、PSTT分泌プラスミドを用いて形質転
換されたバチルス・ズプチリスをCYG培地で培養する
ことにより、3■/l・A660相当の抗トリプシン活
性を有するPSTIが分泌蓄積されることを見出した。
なお、この時のバチルス・ズプチリスの生育度を示す培
養液の吸光度(A660)は、10であった。この単位
(■/2・A660)は、培養上清(11)に蓄積した
PSTIの量(■)を、培養液のバチルス・ズプチリス
の生育度を示す吸光度(A660)で割った値を示す。
この培養上清(11)のpHを塩酸で3に調整した後、
生した蛋白性の沈殿を遠心で除いて得られた上清画分か
ら、陽イオン交換クロマトグラフィーと逆相クロマトグ
ラフィーを用いて精製後、培養液llから15■のPS
TIを得ることが可能であることが判明し、本発明を完
成したのである。
また、本発明のPSTI分泌プラスミドは、中性プロテ
アーゼ遺伝子の分泌シグナル領域の3゛末端直後に、P
STIのDNA断片の5′末端が直接結合した型のDN
A領域を有しおり、このプラスミドで形質転換して得た
形質転換株の菌体内あるいは、細胞膜において、中性プ
ロテアーゼ分泌シグナルのC末端に存在するアミノ酸の
直後にPSTIのN末端に存在するアミノ酸が結合した
型の前駆体蛋白質が合成されると考えられる。一般に、
分泌の過程において、分泌シグナルは除去されることが
知られており、本発明の場合も、分泌シグナルが除去さ
れた、ヒト膵臓由来のPSTIと同しN末端アミノ酸配
列を有する天然型PSTIの分泌生産が期待される。し
かしながら、単に分泌蛋白質をコードする遺伝子のプロ
モーターリボゾーム結合部位、および分泌シグナルをコ
ートする領域の直後に、所望の成熟蛋白質をコードする
DNA配列を結合させただけでは、菌体内で合成される
と考えられる分泌シグナルの下流に成熟蛋白質が結合し
た型の前駆体蛋白質から分泌シグナルが除去された成熟
蛋白質を効率よく分泌させ得ない場合のあることを5c
hein (参考文献20)らが報告している。本発明
においてもPSTI分泌プラスミドにより形質転換され
たバチルス・ズプチリスの場合も、中性プロテアーゼ分
泌シグナルのC末端に存在するアミノ酸の直後にPST
IのN末端に存在するアミノ酸が結合した型の前駆体蛋
白質から、分泌シグナルが除去された天然型PSTIが
分泌されるかどうかについては不明であった。本発明者
らは、分泌シグナルとPSTIとの結合の仕方を種々検
討した結果、本発明の場合のみが驚くべきことに、本発
明の実施例に示すように、形質転換されたバチルス・ズ
プチリスによって、天然型PSTIが培養液中に分泌さ
れることが見いだされた。
(作用) 本発明の一態様として示すように、バチルス・アミロリ
キファンエンスの中性プロテアーゼ遺伝子のプロモータ
ー、リボゾーム結合部位および分泌シグナル領域を利用
してPSTI分泌プラスミドを構築し、バチルス・ズプ
チリスに導入して得た形質転換株を培養することにより
、ヒト膵臓由来のPSTIと同しN末端アミノ酸配列を
有するPSTIを培養上清中に分解させることなく分泌
させることが可能となった。すなわち、PSTIを培養
上清から簡単な方法で回収精製できるPSTIの製造法
が確立された。
〔実施例] 以下、本発明を具体例で説明するが本発明は、この例に
より何ら限定されるものではない。
実施例1 (異種蛋白質発現分泌ベクターpNPA225の構築) バチルス・アミロリキファシエンスの中性プロテアーゼ
遺伝子のプロモーター、リボゾーム結合部位および分泌
シグナルをコードする領域の直後に異種蛋白質をコード
するDNA断片を挿入結合することの可能な異種蛋白質
発現分泌ヘクターPNPA225は図1に示した方法に
従って構築した。
プラスミドpNPA84は、中性プロテアーゼ遺伝子の
プロモーター、リボゾーム結合部位、分泌シグナル、お
よび、プロペブタイドの上流域をコードする領域の下流
に、成熟α−アミラーゼタンパクをコードするDNA断
片が結合したDNA断片を有するアミラーゼ分泌プラス
ミドである。
成熟α−アミラーゼ遺伝子とは、天然に存在するロイシ
ンから始まるα−アミラーゼ活性を有する蛋白質をコー
ドするDNA断片を指す。このプラスミドpNPA84
を含む形質転換株MT−8400(FERM  BP−
923)から、pNPA84をTabakらの方法(参
考文献25)を用いて調製した。このpNPA84DN
Aを制限酵素Hpall(宝酒造製)と制限酵素Bam
HI(宝酒造製)とで分解して生した約7.8KbのD
NA断片(以下、DNA断片Aとする)をアガロースゲ
ルを用いた電気泳動により精製した。このDNA断片A
は、中性プロテアーゼ遺伝子のプロモーター、リボゾー
ム結合部位およびC末端頭載を欠く分泌シグナルをコー
ドする領域を含んででいる。一方、中性プロテアーゼ遺
伝子の分泌シグナル頭載の直後に制限酵素5tul切断
部位を創製するために、l 6me rと18me r
の2種類の合成オリゴヌクレオチドを改良トリエステル
法(参考文献26)で合成した。2種類の合成オリゴヌ
クレオチド各1μgをT4ポリヌクレオチドキナーゼ(
宝酒造製)、およびdATP(ファルマシア製)を用い
てリン酸化した(参考文献27)。次に、これらの反応
生成物を混ぜ、熱湯中で3分間加熱後、ゆっくりと冷却
することにより2種類の合成オリゴヌクレオチドをアニ
ールした。然る後に、DNA断片A(0,5μg)とア
ニルした合成オリゴヌクレオチド(1μg)をT4リガ
ーゼ(宝酒造製〕を用いて結合し、プラスミドpNPA
225を得た。
実施例2 (PSTI分泌プラスミドpNPP126の構築)プラ
スミドpNPP126は第2図に示した方法に従って構
築した。
まず、PSTIのN末端から26残蟇目までのアミノ酸
をコードするDNA51Mを含むDNA断片(第3図)
を構築するために、4種のオリゴヌクレオチ)’ (5
’ CCGACTCTCTGGC,TCC,TGAAG
CTAAATGCTACAACCAACTGAACGG
TTCCA3’ 、5’ TAAGATCTACAAC
CCGGTTTCCC,GTACCTG3’ 、5’ 
TTGTACCATTTAGCTTCACGACCCA
GAC,AGTCGG3’ 、5’ GATCCAGG
TACCGCAAACCGGGTTGTAGATCTT
AC,TGCAACCGTTCAGTTCG3’ )を
合成した。次に、得られた合成オリゴヌクレオチド各l
μgは、リン酸化後アニールした。これと制限酵素5t
ulと制限酵素BamHTとで切断したpNPA225
 DNA (0,5μg)とをT4リガ〜ゼ(宝酒造製
)を用いて結合させ、中性プロテアーゼ遺伝子の分泌シ
グナルをコードする領域の直後にPSTIをコードする
DNA断片のN末端領域(PSTIのN末端から26ア
ミノ酸残蟇目までに対応)が結合したバイブツリドプラ
スミFPNPP1130を得た。
次にPSTIの27残基目から56残基までのアミノ酸
をコードするDNA領域を含むDNA断片(図4)を構
築するために、4種オリゴヌクレオチド(5’ CGA
CGGTGACACTTACCCGAACC;AATG
CC;TTCTGT3’5’ C,CTTCGAAAA
CCCTAAACC;TCAC;ACTTCTATCC
TC;ATCCAGAAATCTGGTCCGTGCT
GAATTCA3’ 、5’ ACAGAACGCAT
TCCTTCGGGTAAGTGTCACCGTCGC
TAC3’ 、5’ AGCTTGAATTCAC,C
ACGC,ACCAGATTTCTGGATCAC;G
ATAGAAGTCTGACGTTTACGCTTTT
CC;AAGC3’ )を合成した。そして得られた合
成オリゴヌクレオチド各1μgは、リン酸化後アニール
した。これと制限酵素KpnIとHindI[Iとで切
断した大腸菌pUc1 BDNA (05μg)とをT
4リガーゼ(全酒造製)を用いて結合させ、ハイブリッ
ドプラスミドpLlcP121を構築した。このpUc
P121DNA(2μg)を制限酵素KpnlとHin
dl[lとで分解することにより、PSTIの27番目
からC末端までのアミノ酸配列をコードするD N A
 ’pM域を含むDNA断片(DNA断片B)を調製ア
ガロースゲル電気泳動によって精製した。このDNA断
片(lμg)とpNPPL130を制限酵素Kpn■と
Hindll+ とで分解した結果生した約6.2Kb
のDNA断片(DNA断片C)(1μg)をT4リガー
ゼを用いて結合し、PSTI分泌プラスミドpNPP1
26を構築した。このPNPP126は、バチルス・ア
ミロリキファシエンスの中性プロテアーゼ遺伝子のプロ
モーター、リボゾーム結合部位および分泌シグナルをコ
ードする領域の直後にPSTIをコードするDNA配列
が結合したD N A断片を含むプラスミドである。
実施例3 (ST1分泌プラスミドによるPSTIの分泌生産) 構築したプラスミドpNPP126を用いて、バチルス
・ズプチリスMT−430株(FERMBP−1079
)をChangらの方法(参考文献24)に従い形質転
換した。得られた形質転換株MT−126株CFERM
  BP−2759)をCYG培地(2%カザミノ酸(
DIFCO製)、1%粉末酵母エキスD−3(日本製薬
部)、0.4%グルコース、0.1%NaC目を用いて
、30°Cで20時間振盪培養した。得られた培養上清
中の抗トリプシン活性を測定することにより、PSTI
の分泌蓄積量を測定した。その結果、培養液1リツター
中に30mgのPSTIに相当する量の抗トリプシン活
性が認められた。この時の菌の生育度を示す吸光度(A
660)は、10であった。抗トリプシン活性は、トリ
プシンに対する合成基質カルボベンゾキシ−ハリルーグ
リシル−アルギニン−p−二トリル氷解活性の阻害塵を
測定することによった。すなわち、50μβのトリプシ
ン(ヘーリンガーマンハイム製)溶液(l ttmo 
l//りと緩衝液(100mM  Tris−HCI、
0゜29% 塩化カルシウム2水和)100μlを中性
から酸性で混合し、30°Cで5分間プレインキユヘー
トしたのち50μlを、カルボベンゾキシ−バリル−グ
リシル−アルギニン−p−二トリルに加えた(基質終濃
度、0゜31mM)。反応開始後p−ニトロアニリンの
遊離を波長405nmで測定し、単位時間当りの吸収の
増加をaとした。次に、緩衝液の代わりに、試料溶液を
加え、同様の操作を行い、波長405nmの吸収の増加
を測定し、その値をbとした。
(a−b)/aを算出することにより、培養上清の抗ト
リプシン活性を測定した。この活性測定法からPSTI
含有量を求めるには、トリプシン比活性を別に求め、P
STIが、1:1(モル比)でトリプシンを阻害するこ
とから計算した。
PSTIは、この上清から、5P−Trisacyl 
 Mクロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィーによ
り精製した。すなわち、培養上清を塩酸処理して得られ
た上清両分を、10mM酢酸アンモニウムバッファー(
pH3,0)で 洗浄した5P−Trisacryl 
 Mカラムに添加した後、pH3,0から8.0のpH
勾配により溶出した。得られた抗トリプシン活性を有す
る画分を集めた。溶出した抗トリプシン活性を有する画
分を集めC8μBONDASHARE (Waters
、Inc、製)カラムを用いた逆相カラムクロマトグラ
フィーにより更に精製した。溶出条件は、0. 1%T
FAを含む水(A液)と、01%TFAを含むアセトニ
トリル(B液)とのグラジェントによった。すなわち、
初期条件は、Aiを100%とした。B液の比率が、グ
ラジェント開始後10分後に19%、70分後に25%
、90分後に100%になるようにした。得られた溶出
液を用いて抗トリプシン活性を測定した結果、カラム保
持時間48分のところに抗トリプシン活性が認められた
。このように精製して得られた PSTIは、5DS−
PAGE的に1ハンドであった。そこで、得られた精製
PSTIを用いて、そのN末端アミノ酸配列を決定した
ところAsp−5er−Leu−Gly−Arg−Gl
u−Ala−Lysであることが判明した。
このことは、本発明のPST I分泌プラスミドで形質
転換されたバチルス・ズプチリスにより分泌生産される
PSTIが、ヒト由来のPSTIと同じN末端アミノ酸
配列を示すものである。
また、トリプシン阻害実験の結果、この精製PSTIは
、化学量論的にトリプシンと1:1で反応することが明
らかとなった。
これらのことは、また、本発明のPSTI分泌プラスミ
ドで形質転換されたバチルス・ズプチリスにより分泌生
産されるPSTIが、抗トリプシン活性に関してヒト由
来のPSTIと同じ活性を有するものであることを示す
ものである。
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USA   76  106   (1979)ar
【図面の簡単な説明】
第1図は、異種蛋白質発現分泌ベクターpNPA225
の構築法を示す図、第2図は、PSTI分泌プラスミド
pNPP126の構築法を示す図、第3図は、PSTI
のN末端から26残蟇目までのアミノ酸をコードするD
NA配列を含むDNA断片を示す図、第4図は、PST
Iの27残基目から56残基目までのアミノ酸をコード
するDNA配列を含むDNA断片を示す図である。 なお、第1図、第2図、第3図、第4図においてp r
 omo t e rは、中性プロテアーゼ遺伝子のプ
ロモーター領域を、SDは、中性プロテアーゼ遺伝子の
りポゾーム結合部位を、preは、中性プロテアーゼ遺
伝子の分泌シグナルをコードする領域を、Δproは中
性プロテアーゼ遺伝子のプロペブタイド領域を、α−a
my I a s eはアルファーアミラーゼをコード
するDNA配列を、FragmentAは、PSTIの
N末端から26残蟇目までのアミノ酸をコードするDN
A配列を含むDNA断片を、FragmentBは、P
STIの27残基目から56残基目までのアミノ酸をコ
ートするD N A配列を含むDNA断片を示す。PS
TIは、PSTIをコードするDNA配列を、Δpro
teaseは中性プロテアーゼの後半部分を示す。 また、Aはアデニンを、Cはシトシンを、Gはグアニン
を、Tはチミンを示す。 第2し1

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、バチルス・アミロリキファシエンスの中性プロテア
    ーゼ遺伝子のプロモーター、リボゾーム結合部位および
    分泌シグナルをコードする領域の直後に膵分泌性トリプ
    シンインヒビター(PSTI)をコードするDNA配列
    を結合させたDNA断片が、ベクターDNAに結合して
    いることを特徴とする分泌プラスミド。 2、ベクターDNAに結合しているDNA断片が、次の
    配列を有するものである請求項1記載の分泌プラスミド 【遺伝子配列があります】 3、ベクターDNAが、バチルス属細菌で複製可能なプ
    ラスミドであることを特徴とする請求項1または2に記
    載の分泌プラスミド 4、バチルス属細菌で複製可能なプラスミドが、pUB
    110である請求項3記載の分泌プラスミド。 5、請求項1から4に記載した分泌プラスミドから任意
    に選択される一つの分泌プラスミドにより形質転換され
    た形質転換株。 6、形質転換される微生物が、バチルス・ズプチリスで
    あることを特徴とする請求項5記載の形質転換株。 7、請求項6に記載する形質転換株を培養し、その培養
    上清からPSTIを回収することを特徴とするPSTI
    の製造法。
JP20803090A 1990-08-08 1990-08-08 トリプシン阻害活性を有するポリペプチドの製造法 Pending JPH0494686A (ja)

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