JPH04234988A - ヒトプロラクチン−プロテインa融合蛋白発現遺伝子 - Google Patents

ヒトプロラクチン−プロテインa融合蛋白発現遺伝子

Info

Publication number
JPH04234988A
JPH04234988A JP3012506A JP1250691A JPH04234988A JP H04234988 A JPH04234988 A JP H04234988A JP 3012506 A JP3012506 A JP 3012506A JP 1250691 A JP1250691 A JP 1250691A JP H04234988 A JPH04234988 A JP H04234988A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hpl
gene
protein
collagenase
fusion protein
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3012506A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuhiro Nomata
野又 康博
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eiken Chemical Co Ltd
Original Assignee
Eiken Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Eiken Chemical Co Ltd filed Critical Eiken Chemical Co Ltd
Priority to JP3012506A priority Critical patent/JPH04234988A/ja
Publication of JPH04234988A publication Critical patent/JPH04234988A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒトプロラクチン(P
rolactin 以下hPLと略す)をプロテインA
との融合蛋白として発現させるベクターに関するもので
ある。hPLは、脳下垂体前葉より分泌される黄体刺激
活性や、乳汁分泌促進活性等を示す分子量約22KDの
ペプチドホルモンである。hPLは前記生理活性により
医薬品としての用途が期待される。また脳下垂体腫瘍や
不妊等の診断を目的とする血中濃度測定用抗原、あるい
は免疫原として有用である。
【0002】
【従来技術】hPLに限らず一般にホルモン物質を天然
物として取得するためには、入手が制限される臓器等を
原料とする場合が多い。そこで近年では、遺伝子組換え
によって適当なホスト中でこれらの外来蛋白を発現させ
、大量に生産する技術が利用されるようになった。
【0003】hPLにおいては、ヒト脳下垂体からのc
DNAクローニング[ジャーナル・オブ・バイオケミス
トリー(J.Biochem.)256:4007,1
981、J.Biochem95:1491.1984
 ]や、その増幅(特開昭61−202690号公報)
等についての報告がある。しかしcDNAからhPLを
実際に発現させる技術については、特開平2−445号
公報に開示されているのみである。この公開特許は、ヒ
ト脳下垂体よりクローニングしたhPLのcDNAを、
トリプトファンプロモーターやタックプロモーター等と
組合せて大腸菌中で発現させる技術に関するものである
。したがって発現されたhPLを精製する工程について
は全く触れられていない。
【0004】一般に遺伝子組み換え技術によって発現さ
せた蛋白の精製は、目的とする蛋白が培養物中の培地や
菌体に由来する多様な蛋白と共存しているため比較的困
難な作業とされている。ことにhPLのように医薬品用
途をも予想して高度に精製する必要がある物質について
は、その精製工程にも高い技術が要求されることは言う
までもない。しかし、これまでhPLについて発現後の
精製工程の改良に関する報告はされていない。
【0005】一方外来蛋白質を遺伝子組換え技術によっ
て発現させる場合、しばしばβ−ガラクトシダーゼ等と
の融合蛋白として産生されることが行なわれる。この方
法は目的蛋白質の産生による宿主の成育妨害回避、培養
中の蛋白分解酵素作用による目的蛋白の分解防止、更に
は産生された蛋白の検出や分離を助けること等を目的と
するものである。融合蛋白のままで利用できる場合には
この方法は非常に有効であるが、融合蛋白中の目的とす
る蛋白部分のみが必要な場合は、何らかの手段で融合蛋
白を開裂させなければならない。現在ブロムシアンによ
るメチオニン後方の切断、蟻酸によるアミノ酸配列 A
sp−Proの切断、ヒドロキシルアミンによるアミノ
酸配列 Asn−Glyの切断等が知られているが、当
然のことながら切断部位の配列が目的蛋白中に存在する
場合には、これらの開裂剤は利用できない。またこのよ
うな化学的な開裂剤は、ペプチド鎖の切断のみならず蛋
白の立体構造等にも影響を与えることもあり、精製工程
に用いる化合物としては好ましくないといえる。
【0006】これら化学的な開裂剤に対して酵素的にお
だやかな条件で開裂させる技術も公知である。融合蛋白
中の開裂部位に予めコラーゲンを挿入しプロテインA−
コラーゲン−目的蛋白という形の融合蛋白を発現させ、
開裂剤としてコラゲナーゼを使うというものである。 [プロシーディングス・オブ・ナショナル・アカデミー
・オブ・サイエンス(Pro.Natl.Acad S
ci.)81:4692,1984]コラーゲンが作用
するアミノ酸配列1は、コラーゲン以外ではあまり見ら
れない配列であり、また前記化学的開裂剤の作用部位に
比べ構成アミノ酸数が多いため確率論的にも目的蛋白中
に同じ配列が含まれる可能性が低い。しかも酵素反応と
いうおだやかな反応で開裂が行えるため融合蛋白の発現
〜精製には有利な方法である。しかしベクターの構築に
当たってコラーゲンをコードする遺伝子のクローニング
という繁雑な作業を要求される。 またコラーゲン分子をそのまま挿入することになるので
融合蛋白の分子量が大きくなりやすく、組込み可能なベ
クターの選択や発現効率が制限される。更にコラーゲン
分子の開列後のアミノ酸配列が目的とする蛋白に残るこ
とも予想され、場合によっては目的蛋白の活性に影響を
与えかねない。
【0007】
【発明が解決しようとする問題点】本発明は、hPLを
遺伝子組換えによって産生するに当り可能なかぎり精製
しやすい形で発現させることが可能で、しかもベクター
の構築や発現効率の点でも有利な組換え遺伝子の提供を
主な目的とするものである。
【0008】
【発明の構成】本発明は、ヒトプロラクチン遺伝子と、
プロテインAの少くともFc結合活性ペプチドフラグメ
ントを含む領域をコードする遺伝子との間に、アミノ酸
配列1(Gly Xaa Gly Pro Xaa )
で示されるコラゲナーゼ切断部位をコードする遺伝子を
挿入したヒトプロラクチン−プロテインA融合蛋白発現
遺伝子である。
【0009】本発明におけるhPL遺伝子はヒト脳下垂
体や胎盤等のhPL遺伝子を公知の方法でクローニング
することによって得ることができる。クローニングの具
体的な例としては特開昭61−202690号公報(ヒ
ト下垂体組織からクローニング)が挙げられる。その他
胎盤組織からガブラー等の方法[ジーン(Gene)2
5:P263(1983) ]によりクローニングする
ことも可能である。 胎盤を用いる場合は下垂体よりも材料の入手が容易であ
る。
【0010】一方本発明に用いるプロテインAの少くと
もFc結合活性ペプチドフラグメントを含む領域(以下
PAと略す)をコードする遺伝子は、公表昭59−50
1693号公報等に示されたものを利用できる。また最
近ではPAとの融合蛋白発現用のベクターが市販されて
いる(たとえばファルマシア製のpRIT2T等)ので
、これを利用すると便利である。
【0011】次に前記2つのペプチドをコードする遺伝
子の間に挿入するアミノ酸配列1で示されるコラゲナー
ゼ切断部位(以下コラゲナーゼリンカーという)をコー
ドする遺伝子について説明する。この遺伝子の具体的な
塩基配列としては後に示すようなもの等が挙げられるが
、アミノ酸配列1中に任意のアミノ酸を含むためその他
にも数多くの塩基配列を利用しうることは言うまでもな
い。必要な遺伝子はDNA合成装置により容易に得るこ
とができる。これらコラゲナーゼリンカーをコードする
遺伝子は、前記2つのペプチドをコードする遺伝子との
連結に利用する制限酵素のサイトに合せて適宜塩基を付
加して連結させればよい。これら3者、すなわちPA−
コラゲナーゼリンカー−hPLをコードする遺伝子が連
結された部分について例示すると図2のようになる。 ここで5’側の実線を付けた部分が前記ベクターpRI
T2Tに由来するPAをコードする遺伝子のC末端側を
BamHIで消化したサイトである。一方3’側の実線
を付けた部分がhPL遺伝子のN末端側をClaIで消
化したサイトを示す。中間の実線の付いていない部分が
コラゲナーゼリンカー(Lで示した)をコードする領域
となっている。この例では5’側のBamHI、3’側
のClaIの消化サイトに合わすため、コラゲナーゼリ
ンカーの5’側にGly 、Ser を付加し、3’側
のXaa をPro に対応するトリプレットとし、3
者を連結している。3者の連結については、従来から利
用されている手法を用いればよい。
【0012】pRIT2Tをベクターに用いた場合には
、マルチクローニングサイトが存在するので利用する制
限酵素の組合わせによってはコラゲナーゼリンカーとし
て例えば図3のような配列を用いることも可能である。
【0013】このようにして得られた、PA−コラゲナ
ーゼリンカー−hPLの3者をコードする遺伝子を発現
させるには、公知のホスト−ベクター系を利用する。例
えばPAをコードする配列として前述の市販のベクター
pRIT2Tを用いたときには、これを大腸菌に組み込
んで本発明による融合蛋白を発現させることができる。 このベクターはλCroλpRプロモーターを含んでお
り、温度シフトにより高い発現効率が期待できる。発現
された融合蛋白は、必要に応じて超音波による菌体の破
砕や蛋白の可溶化等の処理を加えた後、固定化したIg
Gと接触させる。PAを有する本発明による融合蛋白は
、固定化したIgGに特異的に結合するので、1スッテ
ップで高度に精製された融合蛋白を得られる。この段階
でコラゲナーゼを作用させ、固定化したIgG結合PA
と分離すればhPLを多く含む分画を得ることができる
。あるいはプロテインAとIgGとをチオシアン酸塩や
尿素等のカオトロピック剤で解離させ融合蛋白を豊富に
含む分画を得ることもできる。この場合は得られた分画
に対してコラゲナーゼを作用させ、hPLとプロテイン
Aを開裂させることになる。
【0014】コラゲナーゼ(EC3.4.24.8)は
、アミノ酸配列1を特異的に認識して2か所のXaa 
のC末端側を切断する酵素であり、アケロバクター・イ
オファゴス(Acherobactor iophag
os )由来のもの(分子量約70000)や、クロス
トリジウム・ヒストリティクム(Chrostridi
um histolyticum )由来のもの(分子
量約10500)等が知られている。本発明によって発
現されたPA−コラーゲナーゼリンカーhPL融合蛋白
の開裂に用いるコラゲナーゼの由来は問わないが、他の
プロテアーゼが混入しているとhPL部分に作用する危
険があるので精製度の高いもののほうが好ましい。回収
率をより高めるために、コラゲナーゼを作用させる前に
融合蛋白をある程度精製しておくと良い。開裂後、更に
精製を進めるためには、ゲル濾過法、イオン交換クロマ
トグラフ法、吸着クロマトグラフ法等の公知の精製技術
を組み合わせればよい。
【0015】
【作用】本発明の遺伝子によって発現された融合蛋白に
おけるPA部分は、固定化したIgGによる吸着精製を
可能とするものである。またPAとhPLの間に挿入し
たコラゲナーゼリンカーは、精製工程で融合蛋白をコラ
ゲナーゼの作用で開裂させるためのものである。以下実
施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。
【0016】
【実施例】1.PA−コラゲナーゼリンカー−hPL融
合蛋白発現ベクターの構築 ■hPL遺伝子のクローニング まずガブラー等の方法によりhPLのcDNAを調製し
た。17週目のヒトの胎盤のホモジェネート(グアニジ
ンイソチオシアネート法)を塩化セシウム法によって超
遠心分離してmRNA画分を得、更にオリゴdT配列を
用いてポリA−mRNAを回収した。このポリA−mR
NA(10μg)をテンプレートとして逆転写酵素(宝
酒造製、以下酵素には全て宝酒造のものを用いた)とオ
リゴdTとともにインキュベートして1本鎖cDNAを
合成し、更にDNAポリメラーゼI、大腸菌DNAリガ
ーゼにより2本鎖cDNAを合成した。得られた2本鎖
cDNAを5単位の大腸菌クレノウ断片(宝酒造製)で
平滑末端処理し、次いでEcoRIメチラーゼによりE
coRIサイトを消失させた。この2本鎖cDNAに5
’末端をリン酸化したEcoRIリンカー(東洋紡績製
)0.4μgを加え、T4−DNAリガーゼにより両端
に連結後、EcoRIで消化し、更にACA34カラム
(バイオラッド製)でEcoRIリンカーを連結した2
本鎖cDNAを回収した。
【0017】一方λgt11ファージベクター(東洋紡
績製)をEcoRIで消化し、前記EcoRI消化2本
鎖cDNA(30ng)を加えてT4リガーゼにより組
み込んだ。in  vitroパッケージング(スタラ
タジーン社のGigapack Gold を利用)後
、得られたベクターを用い大腸菌600h+l株を宿主
としてλプラ−クライブラリーを作成し(120万クロ
ーン)、更にサザンハイブリダイゼーション法によって
hPLのcDNAをスクリーニングした。プローブとし
てはhPLのN末端をコードする20個のヌクレオチド
配列(塩基配列 5’TTG CCC ATC TGT
 CCC GGC 3’ )及びそのアンチセンススト
ランド(塩基配列 5’GCC GGGACA GAT
 GGG CAA 3’ )を用いた。
【0018】その結果、6個のhPL遺伝子を含むクロ
ーンを確認した。更にこの6クローンについてEcoR
I、BamHIを用いてマッピングを行い、期待される
長さのDNA断片を得た。また1Kbp のcDNA中
の塩基配列をDNAシーケンサー(アプライドバイオシ
ステム製)で調べたところ、hPLのcDNAであるこ
とが確認された。上記6クローンのうちの1つをEco
RIで消化し、プラスミドベクターpUC9(宝酒造製
)のEcoRIサイトに組み込んでhPLのcDNAク
ローニングベクター(pRL1・2、図1)とした。こ
れを大腸菌に導入し、増幅したものをベクターの構築に
用いた。
【0019】■コラゲナーゼリンカーをコードするDN
A コラゲナーゼリンカーとしてはアミノ酸配列2に示すペ
プチドを利用した。アミノ酸配列2(Pro Val 
Gly Pro Pro )をコードするDNAに、前
記hPLをコードするDNAおよびPAのDNAの消化
サイトと連結するための塩基配列を付加した配列5’G
A TCC CCG GTA GGC CCG C 3
’ と 3’G GGC CAT CCG GGC G
GC 5’ を持つ1本鎖DNAをDNAシンセサイザ
ー(アプライドバイオシステム製)で合成した。得られ
たDNAは5’末端がリン酸化されていないので、T4
ポリヌクレオチドキナーゼにより5’末端をリン酸化し
た。この2つの1本鎖DNAを75℃で5分間加熱後、
放冷することによってアニールさせ図1中にコラゲナー
ゼリンカーとして示す2本鎖DNAとした。この2本鎖
DNAの両端はそれぞれBamHIとClaIの消化サ
イトに連結することができる。
【0020】■PA−コラゲナーゼリンカー−hPL融
合蛋白発現ベクターの構築 まずpUC−PLをClaI/SalI消化し、アガロ
ース電気泳動によって600bpのhPLをコードする
DNA配列を得た。一方プロテインAをコードするDN
Aを組込んだプラスミドベクターpRIT2T(ファル
マシア製)をBamHI/SalIで消化し、アガロー
ス電気泳動により4.0Kpb の断片を得た。本実施
例で用いたpRIT2Tはアンピシリン耐性遺伝子を持
っているので、アンピシリン添加培地によってスクリー
ニングを容易に行うことができる。これら2つのDNA
断片を、■で得たコラゲナーゼリンカーをコードするD
NA断片とDNAライゲーションキット(宝酒造製)に
よって連結し、PA−コラゲナーゼリンカー−hPL融
合蛋白発現ベクターpRIT−LK−PL1・2を得た
(図1)。このベクターを発現させて得られる融合蛋白
のアミノ酸配列について、コラゲナーゼリンカーを中心
として示すと次のようになる。/の左右がそれぞれPA
のC末端側、hPLのN末端側である。 ・・・Arg Gly Ser/Pro Val Gl
y Pro Pro/Met Leu Pro ・・・ このベクターを常法により大腸菌N−99Cl+に導入
後、アンピシリン加SOC寒天培地に接種し、生じたコ
ロニーから抽出したプラスミドをBamHI/SalI
消化したところ、hPLをコードするDNAが組込まれ
ていることが確認された。   寒天培地とするときは更に15g のバクトアガー
を加え、またアンピシリンを加えるときは培地をオート
クレーブ滅菌後、ミリポアフィルター(0.22μ)を
使って無菌的に添加する。
【0021】2.PA−コラゲナーゼリンカー−hPL
融合蛋白発現ベクター(pRIT−LK−PL1・2)
の発現 1−■で得たpRIT−LK−PL1・2を常法により
大腸菌N4830−1株に導入し、アンピシリン加SO
C寒天培地に接種して10〜20個の形質転換コロニー
を得た。形質転換コロニーのうち1つをアンピシリン加
SOC培地10mlに接種し28℃で一晩前培養した。 得られた培養物の3mlを、アンピシリン加SOC培地
300ml×2本にそれぞれ植え継ぎ、28℃で600
nmにおける吸光度が1.5〜2.0になるまで(約6
〜7時間)振とう培養した。続いて予め57℃に加温し
たSOC培地300mlをそれぞれに加え、更に42℃
で2〜3時間培養した。この急激な温度変化(28℃→
42℃)によってpRIT−LK−PL1・2の発現が
開始され融合蛋白は菌体内に蓄積する。
【0022】培養後、培養物を30分間氷冷し5000
rpm で4℃、10分間遠心して集菌した菌体を60
ml(培養物の10%)のTST緩衝液に懸濁させた。 TST緩衝液:50mM  トリス−塩酸緩衝液(pH
7.6) 500mM  塩化ナトリウム 2mM  EDTA 1mM  PMSF (フッ化フェニルメチルスルホニル:蛋白分解酵素阻害
剤) 0.1%  Tween20 菌体懸濁液を600nmにおける吸光度が0.65以下
になるまで超音波処理することにより溶菌させた。溶菌
後10000rpm で4℃、40分間遠心して上清を
採取し、発現蛋白を得た。
【0023】3.融合蛋白からのhPLの精製2と同様
の方法で得られた720mlの溶菌上清をTST緩衝液
で2l に希釈した融合蛋白溶液(280nmの吸収に
よって測定した蛋白濃度約18g /2l TST緩衝
液)を出発原料に用いた。なおこの溶液中のhPL含量
をプロラクチン・エンザイムイムノアッセイキット(メ
ディック・バイオテック製、商品名)で定量したところ
、11.3mgであった。まずこの融合蛋白溶液をIg
Gアフィニティカラム(2.5×16cm)に通して(
流速50ml/時)融合蛋白を吸着させた後、5mM酢
酸アンモニウム(pH5.0)200mlで洗浄し、3
M チオシアン酸カリウム100mlで融合蛋白を溶出
した。IgGアフィニティカラムは、常法によりブロム
シアンで活性したセファロース4B(ファルマシア製)
15g にヒトIgG(メリュ製)200mgを吸着さ
せ、カラムに充填して活性化したものを用いた。
【0024】IgGアフィニティカラム溶出液を280
nmにおける吸光度測定により追跡し、ピークを示す分
画をプールした。得られた溶出液は、5mM炭酸アンモ
ニウム溶液で充分に透析を行ってチオシアン酸カリウム
を除いた。透析後の溶出液について、イムノブロット法
を行ったところ、抗hPL抗体とは反応しない70KD
の大腸菌膜分画、30KDのプロテインA分画と思われ
るバンド等とともに、50KDの融合蛋白が含まれてい
ることを確認した。またアフィニティカラムに吸着され
ず通過した分画についてもイムノブロット法を行ったと
ころ抗hPL抗体と反応性のバンドは見られずhPLは
融合蛋白として完全にIgGアフィニティカラムに吸着
したものと考えられた。このイムノブロット法の結果か
らもわかるように、溶出液には融合蛋白以外の分画も含
まれている。この状態でコラゲナーゼを作用させて融合
蛋白を開裂させることも可能であるが、最終的な収率を
上げるため更にHPLCと逆相クロマトグラフィーによ
る精製を行った。なおHPLCと逆相クロマトグラフィ
ーには、ともにウォーターズの650Eを用いた。HP
LCの条件は次のとおりである。 カラム:DEAE−5PW(東ソー製)7.5mm×1
5cm 溶出:緩衝液A 20mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)+3M 尿素
緩衝液B 300mM食塩+50mMトリス塩酸緩衝液(pH8.
0)+3M 尿素 緩衝液Aで平衡化したカラムに材料をアプライし、緩衝
液Bのコンケープ・グラジェントにより溶出した。 材料:前記溶出液を緩衝液Aで十分に透析したものを用
いた
【0025】3つの大きな蛋白のピークが確認された。 分離された各分画(1ml)についてディスク電気泳動
を行ったところ、3つのピークのうち中間のピークに融
合蛋白がPAと思われる蛋白とともに溶出されていた。 そこでこのピークをプールし逆相クロマトグラフィーに
よる分離を行った。逆相クロマトグラフィーの条件は次
のとおりである。 カラム:フェニル−5PW  PR(東ソー製)7.5
mm×10cm 溶出:緩衝液A 20%アセトニトリル(CH3 CN)+0.05%T
FA(トリフルオロ酢酸) 緩衝液B 80%CH3 CN+0.05%TFA緩衝液Aで平衡
化したカラムにHPLCの溶出液をそのままアプライし
、緩衝液Bのリニアー・グラジェントにより溶出した。 2つの大きな蛋白のピークが確認された。分離された各
分画(1ml)について、ディスク電気泳動を行ったと
ころ、後半の大きなピークに融合蛋白がほぼ純粋な状態
で分離されていることを確認した。この分画をプールし
て凍結乾燥し、コラゲナーゼによる開裂を行うまで保存
した。
【0026】4.融合蛋白のコラゲナーゼによる開裂条
件の検討3で得た精製融合蛋白80μg を60μl 
の消化用緩衝液に溶解し、これにコラゲナーゼ(ベーリ
ンガー・マンハイム製、アケロバクター属由来)6μl
 (7.54mg−15IU−/ 2ml・消化用緩衝
液)を加え、37℃で3時間反応させた。 反応中、1時間ごとに反応液20μl を分取し、尿素
を加えて反応を停止後12.5%SDS(6M 尿素含
有)−PAGE及びイムノブロット法によって消化状況
をモニターした。反応開始後2時間で融合蛋白(50K
D)のバンドがほとんど消失してプロテインA(30K
D)とhPL(20KD)のバンドが強く現れ、また3
時間経過後もhPLは消化されないことが確認された。
【0027】5.hPLの精製及び性状4の方法を融合
蛋白2.0mg、コラゲナーゼ160μl にスケール
アップし、その反応液からhPLを精製した。コラゲナ
ーゼによる2時間の消化後、尿素を6M 添加して反応
を停止させた。この反応液をそのまま3と同じ逆相クロ
マトグラフィーカラムにアプライした。3つの鋭いピー
クと2つのブロードなピークが認められ、hPLは2番
目の鋭いピークとして溶出された。この分画をリン酸緩
衝液で透析して精製hPL約460μg を得た。この
精製hPLを12.5%SDS(6M 尿素含有)−P
AGEによって分析したところ、hPL以外の蛋白をほ
とんど含まないことが確認された。また気相エドマン分
解法によりN末端のアミノ酸配列を確認したところ、    1   2   3   4   5   6 
  7   8   9  10  11  12  
13  14  15  16  17  Gly P
ro Pro Met Leu Pro Ile Cy
s Pro Gly Gly Ala Ala Arg
 Cys Gln Val   18  19  20   Thr Leu Arg  という結果が得られた。4番目のMet から20番目
のArg まではhPLの配列と同一である。
【0028】また18.3μg の精製hPLを4M 
メタンスルフォン酸10mlで110℃、24時間加水
分解しアミノ酸組成を分析したところ、表1に示す結果
が得られ理論値とよく一致した。
【表1】
【0029】更に市販のプロラクチン・エンザイムイム
ノアッセイキット(メディック・バイオテック製、商品
名)を用いて、市販のhPL(下垂体から精製・抽出し
たものおよび遺伝子組み換えによって製造されたもの)
との免疫学的反応性の差について確認したところ、図2
に示すとおり両者の間に大きな差は認められなかった。 加えて、Nb2 リンフォーマセルを用いた生物検定に
より、下垂体から精製・抽出したhPLと同等の生物活
性(馬血清存在下における増殖支持能)が認められた。 一方3で得た融合蛋白を免疫原として得られる抗体につ
いてヒト成長ホルモンやヒト胎盤性ラクトージェンとの
交差性を調査したところ、これら他のホルモンとの交差
性は認められなかった。
【0030】
【発明の効果】本発明による遺伝子によって発現された
融合蛋白は、IgGアフィニティクロマトグラフィーを
中心とする操作によって容易に精製することができる。 しかも融合蛋白をPAとhPLとに開裂させるためにコ
ラゲナーゼによる酵素反応を利用するので、その反応条
件はおだやかでhPLに対して悪影響を及ぼすことがな
い。このことは実施例にもあるように精製後のhPLの
免疫学的性状や生物活性が下垂体から精製・抽出したh
PLと同様であることから明らかである。更にhPLを
単独で発現させた場合、精製には塩析、ゲル濾過他各種
クロマトグラフィー等多くのステップを要するものと考
えられ、加えて菌体中での自己消化も予想されるため高
い吸収は望めない。それに対し本発明による方法では、
菌体からの粗抽出物中のhPLに対しておよそ30%と
いう高収率でhPLを精製することができる。しかも得
られるhPLは免疫学的にも生物学的にも下垂体から精
製・抽出した市販品と比較して何らそん色のないもので
ある。
【0031】また、本発明による遺伝子によって発現さ
れた融合蛋白は、免疫増強活性を持つPA部分を有して
いるので、これを免疫原としてそのまま利用できるとい
う付加的な効果も期待できる。
【0032】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:5 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列を決定した方法:S 他の情報:コラゲナーゼ作用部位ペプチド配列、配列中
Xaa は任意のアミノ酸を示す 配列 Gly Xaa Gly Pro Xaa 1    
           5
【0033】 配列番号:2 配列の長さ:5 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列を決定した方法:S 他の情報:コラゲナーゼ作用部位ペプチド配列配列 Pro Val Gly Pro Pro 1    
           5
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明による遺伝子発現ベクターの構築
を示す模式図である。
【図2】図2はPA−コラゲナーゼリンカー−hPLを
コードする遺伝子が連結された部分の配列を示す。
【図3】図3は本発明に利用できるコラゲナーゼリンカ
ーをコードする遺伝子の配列例を示す。
【図4】図4は本発明によって得られたhPLと、下垂
体から精製・抽出したhPL、および市販の組み換えh
PLのEIAの結果を示すグラフである。縦軸は492
nmにおける吸光度を、横軸はhPL量を示す。
【符合の説明】図中PA  :プロテインAをコードす
る領域 T    :プロテインAのターミネーター配列Amp
:アンピリシン耐性遺伝子 λPR:λPRプロモーター領域 hPL:プロラクチンをコードする領域L    :コ
ラゲナーゼリンカーをコードする領域PBR322or
i :PBR322ori領域

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  ヒトプロラクチン遺伝子と、プロテイ
    ンAの少くともFc結合活性ペプチドフラグメントを含
    む領域をコードする遺伝子との間にアミノ酸配列1(G
    ly Xaa Gly Pro Xaa )で示される
    コラゲナーゼ切断部位をコードする遺伝子を挿入したヒ
    トプロラクチン−プロテインA融合蛋白発現遺伝子
JP3012506A 1991-01-11 1991-01-11 ヒトプロラクチン−プロテインa融合蛋白発現遺伝子 Pending JPH04234988A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3012506A JPH04234988A (ja) 1991-01-11 1991-01-11 ヒトプロラクチン−プロテインa融合蛋白発現遺伝子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3012506A JPH04234988A (ja) 1991-01-11 1991-01-11 ヒトプロラクチン−プロテインa融合蛋白発現遺伝子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH04234988A true JPH04234988A (ja) 1992-08-24

Family

ID=11807238

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3012506A Pending JPH04234988A (ja) 1991-01-11 1991-01-11 ヒトプロラクチン−プロテインa融合蛋白発現遺伝子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH04234988A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8143027B2 (en) Method of making a plasminogen activator polypeptide with clot-specific streptokinase activity
JP2713467B2 (ja) バンパイアバット唾液プラスミノーゲン賦活体
JPH03255099A (ja) プロテイナーゼ阻害因子、それらの調製方法およびそれらを含有する薬物
EP0263172B1 (en) Protein analogues of tissue plasminogen activator
JPH02231499A (ja) 免疫グロブリンg結合活性を有する新規な蛋白質プロテインh、該蛋白質をコードする遺伝子及び該蛋白質の製造法
JP2002165593A (ja) シュードモナス・アエルギノザの外部膜タンパク質f
JPH025869A (ja) Dna配列、組換えdna分子及びリポコルチン類3、4、5並びに6の製造方法
WO1989010971A1 (en) Vector for secretion of proteins directly into periplasm or culture medium
US5047333A (en) Method for the preparation of natural human growth hormone in pure form
EP0587541B1 (en) Process to purify the big-endothelin protein
US6077694A (en) Method for over-expression and rapid purification of biosynthetic proteins
US5801037A (en) Expression of signal-peptide-free staphylokinases
EP0352089B1 (en) A modified human PSTI
US20100015123A1 (en) Novel thrombolytic molecules and a process therefor
JPH04234988A (ja) ヒトプロラクチン−プロテインa融合蛋白発現遺伝子
JP2829397B2 (ja) フィブリン結合活性ポリペプチド
JP2845558B2 (ja) メチオニンアミノペプチダーゼのdna配列
JP2623807B2 (ja) セリンプロテアーゼおよびセリンプロテアーゼ遺伝子
US5700677A (en) Protein analogues of tissue plasminogen activator
JP2887063B2 (ja) グリセンチンの製造方法
JPH0242990A (ja) 組換え融合タンパク質および組換えベクター
RU2373281C2 (ru) Способ продукции рекомбинантной стафилокиназы при регулировании уровня кислорода
Kawooya et al. The expression, affinity purification and characterization of recombinant pseudomonas exotoxin 40 (pe40) secreted from escherichia coli
JPH0728746B2 (ja) 新規プラスミド、微生物細胞及びヒト免疫グロブリンG Fc領域蛋白質の製造法
JPS63267289A (ja) 蛋白質の新規製法