JP3034926B2 - 抗凝血物質特性を有するタンパク質 - Google Patents

抗凝血物質特性を有するタンパク質

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Description

【発明の詳細な説明】 血液凝固の役割は止血栓の硬着と安定化に対して不溶
性フィブリンマトリックスを与えることである。架橋し
たフィブリン血餅の形成はある範囲の十分特徴のある血
漿タンパク質を含む一連の生化学相互作用に起因する。
相互作用はフィブリン形成に必要な物質全てが循環血
漿中に前駆体として存在する“内因系機序”と組織由来
プラスミノーゲンが数段階の過程を迂回し血餅形成を促
進する外因系機序と言われるものに分類される。この2
つの機序は、非常に相互依存しており、VII因子、IX因
子及びX因子は相互に活性化される(J.C.ギディングス
(Giddings)“血液凝固の分子遺伝と免疫分析”フィリ
スホアウッド社、チチェスター、英国1988年、17頁)。
凝固カスケードに於けるX因子の役割は、ズア(Zu
r)等によって再検討されている。“血液凝固の組織因
子機序”止血と血栓症初版(ブルーム(Bloom)等
編)、チャーチルリビングストーン、エディンバーグ、
124〜139頁(1981年)、ジャクソン(Jackson)、“プ
ロトロンビン活性化の生化学”止血と血栓症、第2版
(ブルーム等、編)、チャーチルリビングストーン、エ
ディンバーグ、165〜191頁(1987年)及びスタインバー
ク(Steinberg)等。“X因子の活性化”止血と血栓
症、初版(コルマン(Colman)等、編)、リッピンコッ
ト、フィラデルフィア、91〜111頁(1982年)。
ヒトX因子は血漿中にドデシル硫酸ナトリウムの存在
下ゲル電気泳動によって測定した分子量約67000を有す
る2本鎖の糖タンパク質として循環する(ジ スキピオ
(Di Scipio等)、“ヒトプロトロンビン、IX因子(ク
リスマス因子)、X因子(スチュアート因子)及びプロ
テインSの比較”生化学第16巻、698〜706頁)。
わずかに低いMr値約59000は沈降平衡分析によって得
られる。正常な血漿濃度は1当り約7〜10mgであり、
タンパク質は約15%のカルボキシル基を含む。
X因子の重鎖Mr=42000はプレトロンビン2と高度の
相同性を示し、活性部位セリンを含む。ジスルフィド架
橋によって軽鎖、Mr=17000に共有結合する。軽鎖は、
α−カルボキシル化グルタミン酸残基を含み、プロトロ
ンビン断片1と著しい相同性を示す。IXa因子とVIIIa因
子の複合体による又は組織因子/VIIa因子によるX因子
の活性化は少なくとも2種のペプチド切断を含む。主要
な機序は、アルギニン−イソロイシン結合の加水分解に
よって重鎖の分子から活性化小ペプチドを遊離する。こ
のようにして生じた活性産物はαXa因子と呼ばれる。こ
れは更にカルボキシ末端近くのアルギニン−グリシン結
合の切断により修飾されてβXa因子を生じる。α−Xa及
びβ−Xaは共に同じ凝固活性を示す。
X因子の軽鎖は活性化過程に影響されず、ジスルフィ
ド架橋によって分子の重鎖に結合したままである。この
ようにして活性物質は、リン脂質ミセル又は細胞物質に
対してカルシウムを介した結合に必要なγ−カルボキシ
グルタミン酸ドメインを保持する。従って基本的には、
Xa因子はトロンビンと対照的にリン脂質と血小板膜と結
合したままである。
米国特許第4,588,587号はヘメンテリアオフィシナリ
ス(Haementeria Officinalis)ヒル唾液の抗凝血物質
活性を記載している。
バームレン(Vermulen)等、Int.J.Biochem.第20巻、
No.6、621〜31頁(1988年)は、R.エバーツィ(everts
i)、B.デコロラツス(decoloratus)、B.ミクロプルス
(microplus)及びH.ツルンカツム(truncatum)から分
離したダニ毒の相対的プロテアーゼ阻害活性を記載して
いる。これらはトリプシンとキモトリプシンの急速結合
又は緩慢結合阻害剤であることがわかった。
ウィラドソン(Willadsen)及びライジング(Ridin
g)、Biochem.J.第189巻、295〜303頁(1980年)は、外
部寄生虫ダニブーフィルスミクロプルス(Boophilus mi
croplus)からのタンパク質分解酵素阻害剤の活性及び
血液凝固パラメーターに関する阻害剤の効果を記載して
いる。
先行の研究は、ダニ唾液のXa因子の阻害剤マークワル
ツ(Markwardt)、F.等(1958年)、自然科学(Naturwi
ssenschaften)、第45巻、398〜399頁及びマークワル
ツ、F.等(1961年)、自然科学、第48巻、433頁及びト
ロンビンの阻害剤ハウキンス(Hawkins)、R.等(1967
年)英国学士院の議事録70頁を同定一部精製している、
唾液がIXa因子の阻害剤を含むことは示唆している(ハ
ウキンス)。(ヘルマン(Hellmann)、K及びハウキン
ス(1967年)Thromb.Diath.Haemorrh.第18巻、617〜625
頁)、リベイロ(Ribeiro)等はダニ唾液が内因系機序
を阻害することによって血餅の形成を阻止することを報
告している(リベイロJ.(1985年)、J.Exp.Med.第161
巻、332〜344頁)が阻害部位を確認していない。この研
究はまたADP.コラーゲン又は血小板活性化因子によって
誘発される血小板凝集を阻止する抗血小板活性を始めて
証明した(リベイロ、J.(1985年)、J.Exp.Med.第161
巻、332〜344頁)。これらの因子はいずれもその構造ま
たは作用機序を解析することができる精製は試みられて
いない。
S.セレビシェ(cerevisiae)α−接合型因子プレプロ
リーダー配列は酵母に於ける分泌産物として非相同遺伝
子の発現に利用されている(ブレイク(Brake)等、Pro
c.Natl.Acad.Sci.米国、第81巻、4642〜4646頁(1984
年)、ミヤジマ等ジーン、第37巻、155〜161頁(1985
年)、ブラスク(Vlasuk)等、J.Biol.Chem.第261巻、4
789〜4796頁(1986年)、シュルツ(Schultz)等、ジー
ン、第54巻、113〜123頁(1987年)、シュルツ等、ジー
ン、第61巻、123〜133頁、(1987年)、バイネ(Bayn
e)等、ジーン、第66巻、235〜244頁(1988年)及びレ
ーソン(Laison)等、バイオテクノロジー第6巻、72〜
77頁(1988年))。融合生産物として生産されるタンパ
ク質は、KEX2遺伝子によってエンコードされたLys−Arg
切断エンドペプチダーゼ(KEX2)によりタンパク質分解
的に処理され生産物は培地に分泌される。KEX2はppL配
列と非相同遺伝子間に存在するLys−Arg残基のC末端側
で切断する。
本発明は詳細には凝固Xa因子を阻害するタンパク質及
び関連の変異体を含む。これらのタンパク質は低分子量
セリンプロテアーゼ阻害剤である。これらのタンパク質
の1つは計算分子質量6984.9を有する60個のアミノ酸残
基の1本のポリペプチドである。これはXa因子(Ki=0.
58nM)に非常に特異的であり、VIIa因子、カリクレイ
ン、トリプシン、キモトリプシン、トロンビン、ウロキ
ナーゼ、プラスミン、組織プラスミノーゲン活性化因
子、エラスターゼ、XIa因子又はS.アウレウス(aures
u)V8プロテアーゼを阻害しない。この阻害剤はカルシ
ウムを必要としない。これらのタンパク質の完全なアミ
ノ酸配列を決定し、セリンプロテアーゼの他の阻害剤と
比較した。これらはクニッツ型阻害剤と限定された相同
性を有する。しかしながら、全てトリプシンを阻害する
この種の他の既知阻害剤と異なり、これはXa因子をほと
んど独占的に阻害する。
本発明はまた患者のXa因子を阻害し、凝固を阻止する
本発明のタンパク質を包含している組成物を含む。
本発明はオルニトドロスモウバタ (Ornithodoros moubata)ダニ抽出物から本発明のタン
パク質を得る方法を含む。
本発明はまた酵母−大腸菌シャトルベクターに導入さ
れ、大腸菌で増殖されたクローン化DNA断片で酵母細胞
を形質転換し、本発明の分泌タンパク質を発現させる方
法を含む。
本発明はまた本発明のタンパク質をエンコードする遺
伝子又は修飾した等価物及びそのタンパク質を大腸菌で
生産する方法を含む。
本発明はまた合成手段によって本発明のタンパク質を
製造する方法及び適当な遺伝子配列を含む発現ベクター
に対して組換え工学を用いて本発明のタンパク質を製造
する方法及び酵母細胞から発現ベクターを用いて組換え
体阻害剤を製造する方法を含む。
本発明はまたPCR変異誘発又はクンケル変異誘発によ
りタンパク質変異体を産生し、それによってXa因子阻害
活性を有するタンパク質変異体を得る方法を含む。
本発明はまた本発明の組成物の治療上有効な量を患者
に投与することを特徴とする血液凝固を阻止するために
患者を治療する方法を含む。
本発明のタンパク質は、オルニトドロスモウバタダニ
抽出物から得るか合成するか又は組換え工学を用いて生
産することができる。本発明の好適なタンパク質は次の
アミノ酸配列を有する。
AA1、AA2、AA3及びAA4は各々Arg、Try、Gly及びArgで
ある(以後“TAP−1"と呼ぶ)か又はAA1、AA2、AA3及び
AA4は各々Gln、Phe、Asp及びGlnである(以後“TAP−2"
と呼ぶ)。
また9、23、27及び53番の1個以上のアルギニンアミ
ノ酸をアスパラギンに置き換えたTAP−1の変異体及び2
3及び27番の1個以上のアルギニンアミノ酸をアスパラ
ギンに置き換えたTAP−2の変異体が好適である。
また16番のアスパラギン酸をアルギニンに置き換えた
TAP−1の変異体が好適である。
またTAP−1タンパク質活性を有する上述の配列を包
含しているポリペプチド配列を有する二価性のタンパク
質は本発明の範囲内であり、トリペプチド配列、アルギ
ニン−グリシン−アスパラギン酸(RGD)が本明細書に
含まれる。RGDトリペプチドの存在は、例えばAA1がアル
ギニンである9番と10番のアミノ酸の間に又はAA4がア
ルギニンである53番と54番のアミノ酸の間にグリシンを
挿入することによって得られる。
二価性分子は、特に本発明のタンパク質を構築された
プロトロンビナーゼ複合体がある活性化血小板の標的と
するのに適している。Xa因子、Va因子適当なリン脂質表
面及びプロトロンビンから構成されるプロトロンビナー
ゼ複合体は生体内のプロトロンビンからトロンビンへの
Xa因子変換に関与する。この複合体のリン脂質成分はい
ずれの細胞表面によっても供給されることができる。し
かしながら、活性化のときに、血小板がVa因子結合部位
をさらすミクロ粒子に小胞形成することは証明されてい
る。これらの活性化血小板ミクロ粒子は、プロトロンビ
ナーゼ複合体を支持するのに非常に有効である。非粘着
タンパク質の適当な場所にRGD配列を挿入すると糖タン
パク質IIb/IIIaタンパク質のようなペプチド配列を確認
するインテグリンに結合することができるタンパク質を
産生する(マエダ、T.等、(1989年)J.Biol.Chem.第26
4巻、15165〜16168頁)。活性化のときに血小板IIb/III
a複合体があらわになり以後のフィブリノーゲンを介し
た凝集に決定的である。適当なTAP領域にRGD配列を挿入
すると(例えば部位特異的変異誘発により)、プロトロ
ンビナーゼ複合体を構築する活性化血小板を標的とする
二価性分子を産生する。
TAP−1の阻害Kiは0.58nMである。
本発明のタンパク質及びそのイソ型タンパク質及び自
然変異体は a)オルニトドロスモウバタダニ抽出物をホモジナイズ
し、このホモジネートを遠心分離して上清タンパク質浮
遊画分を生成し、この画分を凍結乾燥し、 b)この凍結乾燥画分を水に溶解し、この溶液をゲル濾
過クロマトグラフィーカラムに注いでXa因子阻害活性を
含む画分を分離し、 c)このXa因子阻害活性を含む画分をNaCl勾配で溶離さ
れるアニオン交換カラムに注いでXa因子を阻害する画分
を集める ことによって得られる。
本発明はTAP−1及びTAP−2の活性のようなXa因子に
対して非常に特異的な阻害活性を有する全ての自然同族
体、イソ型タンパク質又は遺伝子変異体を包含する。
タンパク質 本発明のタンパク質は、開示された配列の活性を保存
する開示された精製タンパク質配列による種類を含み断
片又はサブユニット、天然変異、対位変異、ランダムに
産生した人為的変異体及び活性を保存する企図配列変種
を含む。断片又はサブユニットは完全なタンパク質より
少ないアミノ酸を含む配列のいずれかの部分例えば完全
なタンパク質のN−及び/又はC−末端の部分を排除し
ている部分配列を意味する。
本発明のタンパク質または精製タンパク質配列の活性
を保存する開示された組換え体タンパク質配列を含む。
また発現ベクターの中の同義遺伝子の発現によって生じ
る融合タンパク質のようなハイブリッドタンパク質を含
み、ペプチド結合によって第2ポリペプチドに結合した
開示されたタンパク質の比活性を有するポリペプチドを
含むことができる。
本発明の未変性タンパク質のいずれかの他の変異体は
特に保存的アミノ酸置換によってのみ分離したタンパク
質と異なるいかなる変異体も含まれることは理解される
であろう。保存的アミノ酸置換は、テーラー(Taylo
r).W.R.J.Mol.Biol.第188巻、233頁(1986年)の表1
で“セット”と定義される。本出願に置いてタンパク質
又はその断片はアミノ酸置換、欠失又は他の過程でのい
かなる変異も含み、但し、精製後タンパク質は上述の阻
害剤タンパク質に特異的な抗体と免疫化学的に反応させ
る。
本発明のタンパク質はメリフィールド (Merrifield).J.Am.Chem.Soc.第85巻、2149頁、(196
4年)に記載されるような固相合成又はHF切断によるタ
ンパク質含有溶液の処理に特に注意を払っているホウテ
ン(Houghten)、Proc.Natl.Acal.Sci.第82巻、5132頁
(1985年)の合成のような当業界で既知の他の等価の化
学合成を用いて製造することができる。固相合成はリビ
ア(Rivier)等に1982年1月21日登録された米国特許第
4,244,946号に一般的に示される保護アミノ酸の適当な
樹脂へのカップリングによってペプチドのC末端から始
まり、この引例の開示を引用する。この一般的な合成の
具体例は米国特許第4,305,872号及び第4,316,891号に示
される。
ポリペプチドの合成としては、適当に保護されたα−
アミノ基を有するカルボキシル末端アミノ酸をクロロメ
チル化ポリスチレン樹脂等に結合する。塩化メチレン中
トリフルオロ酢酸を用いてのようにα−アミノ保護基を
除去した後、合成の次の工程は容易に進行する。個々の
アミノ保護基の除去に対しては、公開文献に記載される
他の標準の切断試薬や条件を使用することができる。
次いで残りのα−アミノ及び側鎖保護アミノ酸は縮合
によって所望の順序で段階的に結合して樹脂に結合した
中間体化合物を得る。各アミノ酸を別々に加える合成の
別法としていくつかは生長する固相鎖に加える前に互い
に結合することができる。適当なカップリング試薬の選
択は当該技術の範囲内である。
2個のアミノ酸又はアミノ酸とペプチド又はペプチド
とペプチド間の縮合は、アジド法、混合酸無水物法、DC
C(ジシクロヘキシルカルボジイミド)法、活性エステ
ル法(p−ニトロフェニルエステル法、BOP[ベンゾト
リアゾール−1−イル−オキシ−トリス(ジメチルアミ
ノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート]法、N
−ヒドロキシコハク酸イミドエステル法等)、ウッドワ
ード試薬K法のような通常の縮合法に従って行なうこと
ができる。固相法としてペプチド鎖を延長する場合、ペ
プチドはC末端アミノ酸で不溶性担体に結合する。C末
端アミノ酸のカルボキシ基と反応させて後に容易に切断
される結合を生成させる不溶性担体としては具体例とし
てハロメチル樹脂例えばクロロメチル樹脂及びブロモメ
チル樹脂、ヒドロキシメチル樹脂、アミノメチル樹脂、
ベンズヒドリルアミン樹脂及びt−アルキルオキシカル
ボニルヒドラジド樹脂を使用することができる。
種々のアミノ酸部分の反応性側鎖基を適当な保護基で
連鎖が完全に構築された後にその基が最後には除去され
るまでその部位で保護することはペプチドの化学合成に
一般的である。またアミノ酸又は断片のα−アミノ基を
保護するが、その実態をカルボキシル基で反応させて、
次にα−アミノ保護基を選択除去してその場で次の反応
を行なうことも一般的である。従って合成の工程として
側鎖保護基を有する種々のこれらの残基を持ったペプチ
ド鎖中に所望の配列に位置したアミノ酸残基の各々を含
む中間体化合物が生じることは一般的である。これらの
保護基は次いで一般的には精製により生じる所望の生成
物を生成させると同時に除去される。
α−及びω−側鎖アミノ基を保護するのに適用できる
保護基としては、ベンジルオキシカルボニル(以後Zと
略される)、イソニコチルオキシカルボニル(iNOC)、
O−クロロベンジルオキシカルボニル[Z(2C1)]、
p−ニトロベンジルオキシカルボニル[Z(NO2)],p
−メトキシベンジルオキシカルボニル[Z(OMe)]、
t−ブトキシカルボニル(Boc)、t−アミルオキシカ
ルボニル(Aoc)、イソボルニルオキシカルボニル、ア
ダマンチルオキシカルボニル、2−(4−ビフェニル)
−2−プロピルオキシカルボニル(Bpoc)、9−フルオ
レニルメトキシカルボニル(Fmoc)、メチルスルホニル
エトキシカルボニル(Msc)、トリフルオロアセチル、
フタリル、ホルミル、2−ニトロフェニルスルフェニル
(NPS)、ジフェニルホスフィノチオイル(Ppt)、ジメ
チルホスフィノチオイル(Mpt)等が例示される。
カルボキシ基の保護基としては例えばベンジルエステ
ル(OBzl)、シクロヘキシルエステル(Chx)、4−ニ
トロベンジルエステル(ONb)、t−ブチルエステル(O
but)、4−ピリジルメチルエステル (OPiC)等を例示することができる。アミノ及びカルボ
キシル基以外の官能基を有するアルギニン、システイン
及びセリンのような個々のアミノ酸を必要な場合に応じ
て適当な保護基で保護することが望ましい。例えば、ア
ルギニンのグアニジノ基はニトロ、p−トルエンスルホ
ニル、ベンジルオキシカルボニル、アダマンチルオキシ
カルボニル、p−メトキシベンゼンスルホニル、4−メ
トキシ−2,6−ジメチルベンゼンスルホニル(Mds)、1,
3,5−トリメチルフェニルスルホニル(Mts)等で保護す
ることができる。システインのチオール基は、p−メト
キシベンジル、トリフェニルメチル、アセチルアミノメ
チル、エチルカルバモイル、4−メチルベンジル、2,4,
6−トリメチルベンジル(Tmb)等で保護することがで
き、セリンのヒドロキシル基はベンジル、t−ブチル、
アセチル、テトラヒドロピラニル等で保護することがで
きる。
スチュワート(Stewart)及びヤング(Young)、“固
相ペプチド合成”ピアスケミカルカンパニー、ロックホ
ード、アイルランド(1984年)はペプチドの製造方法に
関して詳細な情報を提供する。α−アミノ基の保護は14
〜18頁に記載され、側鎖閉塞は、18〜28頁に記載され
る。アミン、ヒドロキシル及びスルフヒドリル官能基の
保護基の表は、149〜151頁に示される。これらの説明を
ここに引用する。
望ましいアミノ酸配列が完了した後中間体ペプチド
は、液体HFのような試薬及び1種以上のチオ含有スカベ
ンジャーで処理して樹脂支持体から除去されるが、ペプ
チドを樹脂から切断するだけでなく、残りの側鎖保護基
全ても切断する。HF切断の後、タンパク質配列をエーテ
ルで洗浄し、多量の希酢酸に移し、水酸化アンモニウム
でpH約8.0に調整して撹拌する。
好適には、ポリペプチド内の残基のアルキル化(例え
ばメチオニン、システイン及びチロシン残基のアルキル
化)を避けるために、チオクレゾール及びクレゾールス
カベンジャー混合液を使用する。この樹脂をエーテルで
洗浄し、直ちに多量の希酢酸に移して溶解し、分子内架
橋を最小にする。250μMポリペプチド濃度を0.1M酢酸
溶液約2lに希釈する。次いでこの溶液を撹拌し、水酸化
アンモニウムを用いてpH約8.0に調整する。pH調整の
際、ポリペプチドは望ましい高次構造の配列を取る。
組換えDNA技術 組換えDNA技術は本発明のタンパク質を製造するため
に使用することができる。この技術は異種細胞通常異種
生物体からの遺伝情報DNAセグメントをDNAが得られる生
物体の外部に端と端をつないで結合させこのハイブリッ
ドDNAを最初のDNAがエンコードするタンパク質を生産さ
せる細胞に取り込ませる。遺伝情報DNA又はmRNAを分離
し、適当なクローニングベクターに取り込み適当な宿主
細胞に導入する。
この技術に有用なクローニングベクターは個々の実験
の異種DNAに適合するDNA配列を含む。このベクターは、
安定な方法で存在することができ、実験DNAによって指
令されるタンパク質を発現することができる宿主細胞に
導入される。クローニングベクターはプラスミド、バク
テリオファージ、ウイルス及びコスミドを含むことがで
きる。
発現ベクターは、適当な宿主に於て遺伝子のクローン
化コピーの転写及びそれらのmRNAの翻訳に必要とされる
DNA配列である。これらのベクターは種々の細胞例えば
細菌酵母昆虫及び哺乳類細胞中で原核あるいは真核遺伝
子を発現させることができる。
タンパク質はまた多数のウイルス系で発現させること
ができる。適当に構成された発現ベクターは宿主細胞に
於ける自己複製に対する複製開始点、選択マーカー、限
定数の有用な制限酵素部位、高コピー数及び強力プロモ
ーターを含む。プロモーターはRNAポリメラーゼをDNAに
結合させるようにし、RNA合成を開始するDNA配列であり
強力プロモーターは高頻度でこのような開始を生ずる。
発現ベクターには修飾クローニングベクターがあるがク
ローニングベクターに限定されず、詳しくはプラスミド
又はウイルスを示す。
発現系 原核生物はしばしば大腸菌の種々の菌株によって表わ
される。細菌例えばバシラスサチリス(Bacillus subti
lis)、シュードモナス (Pseudomonas)の種々の菌種又は他の細菌株のような
他の微生物菌株を使用することができる。このような原
核系では複製部位と宿主と適合し得る菌種由来の制御配
列を含むプラスミドベクターを使用する。例えば大腸菌
は典型的にはpBR322の誘導体ボリバー(Bolivar)等、
ジーン(1977年)第2巻95頁による大腸菌種由来プラス
ミドを用いて形質転換される。本明細書でリボソーム結
合部位配列と共に任意にオペレーターを有する転写開始
のためのプロモーターを含むことが定義される一般に使
用される原核制御配列としてはβ−ラクタマーゼ(ペニ
シリナーゼ)及びラクトース(1ac)プロモーター系
(チャング(chang等)ネイチュア(1977年)第198巻10
56頁)及びトリプトファン(Trp)プロモーター系(ゲ
デル(Goeddel)等核酸Res.(1980年)第8巻、4057
頁)及び入由来PLプロモーター及びN−遺伝子リボソー
ム結合部位(シマタケ等、ネイチュア(1981年)第292
巻、128頁)のような一般に使用されるプロモーターを
含む。しかしながら原核生物と適合し得る入手し得るい
かなるプロモーター系も使用することができる。
本発明の真核系に有用な発現系は適当な真核遺伝子由
来プロモーターを包含している。酵母に有用なプロモー
ターの1種は例えば3−ホスホグリセレートキナーゼを
含む解糖酵素の合成のプロモーターを含む(ヒッツェマ
ン(Hitzeman)等、J.Biol.Chem.(1980年)、第255
巻、2073頁)。他のプロモーターはエノラーゼ遺伝子
(ホランド(Holland)、M.J.等、J.Biol.Chem.(1981
年)第256頁、1385頁)又はYEp13から得られるLeu2遺伝
子(ブローチ(Broach)、J.等、ジーン(1978年)第8
巻121頁)からのものを含む。
適当な哺乳類プロモーターはSV40からの初期及び後期
プロモーター又はポリオーマ、アデノウイルスII、ウシ
乳頭腫ウイルス又はトリ肉腫ウイルス由来のような他の
ウイルスプロモーターを含む。適当なウイルス及び哺乳
類エンハンサーは上に引用されている。植物細胞が発現
系として使用される場合には、ノパリン合成プロモータ
ーが適当である(デピッカー(Depicker.A.等、J.Mol.A
ppl.Gen.(1982年)第1巻 561頁)。
タンパク質を発現するのに有用な昆虫細胞発現系は、
スミス(Smith)等米国特許第4,745,051号に記載される
系の修飾型を含む。バクロウイルス遺伝子又はバクロウ
イルス遺伝子のプロモーターを含むその一部を包含して
いるバクロウイルスDNAを切断して少なくともプロモー
ターを含むDNA断片を得る。所望の産生タンパク質は発
現ベクターがバクロウイルスポリヘドリンプロモーター
の転写調節下少なくとも1種の非相同産生タンパク質ポ
リペプチド構造遺伝子を包含している組換え体バクロウ
イルスゲノムである組換え体バクロウイルス発現ベクタ
ーを感受性のある宿主昆虫細胞に感染して作製する。
宿主昆虫細胞に於て選択遺伝子を発現することができ
る組換え体バクロウイルス発現ベクターはバクロウイル
スポリヘドリンプロモターと相同組換え体を十分促進す
るだけのフランキングDNA配列を包含しているDNAフラグ
メントを作製しバクロウイルスDNAフラグメントをクロ
ーニングビヒクルに挿入して修飾クローニングベクター
を作成し、バクロウイルスポリヘドリンプロモーターの
転写調節によるクローン化バクロウイルスDNA断片の選
択制限部位を同定し、バクロウイルスポリヘドリンプロ
モーターの転写調節下バクロウイルスDNA断片の別の制
限部位を修飾クローニングベクターから欠失させ、選択
非相同遺伝子をユニーク制限部位に挿入して組換え体シ
ャトルベクターを作成し組換えを行なうようにバクロウ
イルスDNAを接触させて組換え体と非組換え体バクロウ
イルスの混合物を作製し、組換え体バクロウイルス発現
ベクターをこの混合物から分離することによって作製す
る。
オリゴヌクレオチドプライマー 所望の配列の別々のストランドにその配列に沿った相
対的位置でハイブリッド形成するオリゴヌクレオチドプ
ライマーは、1つのプライマーから合成される伸長産物
が、その鋳型(補体)から分離されるとき別のプライマ
ーを決った長さの核酸に伸長する鋳型として役立つこと
ができるように調製される。プライマーは、例えばナラ
ング(Narang)、S.A.等Meth.Enzymol.第68巻90頁(197
9年)及びブラウン(Brown)、E.L.等Meth.Enzymol.第6
8巻109頁(1979年)に各々記載されるホスホトリエステ
ル及びホスホジエステル法又はその自動化された実施態
様のような適当ないずれの方法を用いても製造すること
ができる。このような自動化された実施態様としては出
発物質としてジエチルホスホルアミダイトを使用し、ビ
ュウケージ(Beaucage)等テトラヘドロンレターズ(19
81年)第22巻、1859〜1862頁に記載される通り合成する
ことができる。変性固体支持体によりオリゴヌクレオチ
ドを合成する方法は米国特許第4,458,066号に記載され
る。また生物原料(制限エンドヌクレアーゼ消化物等)
から分離されたプライマーを使用することもできる。
プロービングcDNAライブラリー cDNA又はゲノムライブラリーをコロニー又はプラーク
ハイブリッド形成操作を用いて選抜する。細菌コロニー
(又は組換え体ファージ感染細菌)を含有するプレート
を複製ニトロセルロースフィルター紙(S&S型BA−8
5)に複製し細菌コロニースクリーンに対してコロニー
をAmp 50μg/mlを含有するL寒天上で37℃で14〜16時間
増殖させる。細菌にプラスミド又はファージを溶解し0.
2N NaOH、1.5M NaCl次いで0.5MトリスpH7.5、1.5M NaCl
次いで2回標準食塩水クエン酸塩(2XSSC)で各々5分
間順次処理してDNAをフィルターに固定する。フィルタ
ーを風乾し80℃で2時間焼付ける。この複製フィルター
をDNAハイブリッド形成緩衝液(5XSSC、pH7.0、5Xデン
ハートの溶液(ポリビニルピロリジンとフィコール及び
ウシ血清アルブミン、1X=各々0.02%)、50mMリン酸ナ
トリウム緩衝液pH7.0、0.2%SDS、20μg/mlポリU及び5
0μg/ml変性サーモン精液DNAを1フィルターにつき10ml
で42℃に於て6〜8時間前ハイブリッド形成する。
この試料を望ましい緊縮に依存する条件下キナーゼ化
プローブでハイブリッド形成する。典型的な中程度の緊
縮条件はプローブを含むDNAハイブリッド形成緩衝液1
〜5ml/フィルターと42℃の温度で24〜36時間を用いる。
高緊縮に対しては高温で時間を短くする。フィルターを
2XSSC、0.2%SDS及び50mMリン酸ナトリウム緩衝液pH7で
37℃に於て各々30分間洗浄し次いで2XSSC及び0.2%SDS
で2回洗浄し、風乾、−70℃で2〜3日間オートラジオ
グラフにかける。
ポリメラーゼ鎖反応増幅 タンパク質をコードする多量のDNAをムリス(Mulli
s)等に記載されるポリメラーゼ鎖反応(PCR)を用いて
得ることができる。プライマーの伸長産物は、別のプラ
イマーに対合されるとき、核酸配列の作製の鋳型にな
る。
核酸配列ストランドは、鋳型の個々の位置で相補的ス
トランドに結合するオリゴヌクレオチドプライマーの存
在下で分離するまで加熱する。プライマー鋳型複合体は
DNAポリメラーゼの基質として作用し、その複製機能を
行なう場合にプライマーを伸長する。変性の際両プライ
マー伸長と共通の領域は繰り返しプライマー伸長の鋳型
として働く。この過程は一連の加熱冷却サイクルで続
け、加熱はストランドを分離し冷却は再アニールして配
列を伸長する。ストランドのコピーが多く生じるほどサ
イクルが繰り返される。増幅によりコーディングドメイ
ン及び別のいかなるプライマーエンコード情報、例えば
制限部位又は翻訳シグナル(シグナル配列開始コドン及
び/又は停止コドン)も得られる。
ベクター構成 所望のコーディング制御配列を含む適当なベクターの
構成は当業界で十分理解されている標準の連結反応及び
制限技術を用いる。分離プラスミドDNA配列又は合成オ
リゴヌクレオチドを切断し適合させ所望の形に再連結さ
せる。
部位特異性DNA切断は当業界で一般に理解されている
条件下適当な制限酵素(又は酵素)で処理して行なわれ
この詳細はこれらの市販で入手される制限酵素の製造業
者によって規定されている。例えばニューイングランド
バイオラブス、プロダクトカタログ参照。一般にプラス
ミド又はDNA配列約1μgを緩衝液約20μl中で1単位
の酵素によって切断する。典型的にはDNA基質を完全に
消化させるために過剰の制限酵素を使用する。約37℃に
於て温置時間約1〜2時間が実行可能であるが、変更は
可能である。各々温置した後タンパク質をフェノール/
クロロホルムで抽出して除去し次いでセファデックス
G−50スピンカラムにかけることができる。所望により
切断断片のサイズ分離をポリアクリルアミドゲル又はア
ガロースゲル電気泳動により標準技術を用いて行なうこ
とができる。サイズ分離の一般的説明はメソッズインエ
ンザイモロジー(1980年)第65巻499〜560頁に作られて
いる。
制限切断断片は大腸菌DNAポリメラーゼI(クレノ
ウ)の大きな断片で4個のデオキシヌクレオチド三リン
酸塩(dNTP)の存在下50mMトリス、pH7.6、50mM NaCl、
6mM MgCl2、6mM DTT及び5〜10μM dNTPs中20〜25℃で
約15〜25分の温置時間を用いて処理することにより平滑
末端化することができる。クレノウフラグメントは5′
突出部で挿入するが4個のdNTPの存在下でさえも突出し
ている3′1本鎖を除去する。所望により選択修復はdN
TP又は選択されたdNTPの1個だけを粘着末端の種類によ
って指令される制限の範囲内で供給することにより行な
うことができる。クレノウで処理した後、混合物をフェ
ノール/クロロホルムで抽出し、エタノール沈殿した後
セファデックス G−50スピンカラムにかける。適当な
条件下S1ヌクレアーゼで処理するといずれかの1本鎖タ
ンパク質も加水分解が生じる。
上述した通りオリゴヌクレオチドはマッテウチ(Matt
eucci)等(J.Am.Chem.Soc.(1981年)第103巻3185頁)
のトリエステル法によって又は市販で入手される自動化
オリゴヌクレオチドシンセサイザーを用いて製造するこ
とができる。アニーリング前の又は標識化の1本鎖のキ
ナーゼ化は50mM Tris、pH7.6、10mM MgCl2、5mMジチオ
トレイトール、1〜2mM ATP,1.7ピコモル32P−ATP化2.9
mCi/ミリモル)、0.1mMスパーミジン、0.1mMEDTAの存在
下0.1ノナモルの基質に対して過剰の例えば約10単位の
ポリヌクレオチドキナーゼを用いて得られる。
連結反応は次の標準条件と温度、20mMトリス−HCl,pH
7.5、10mM MgCl2、10mM DTT、33μg/mlBSA,10mM−50mM
NaCl、及び1mM ATP、0.3〜0.6(ワイス)単位T4DNAリガ
ーゼ14℃に於て15〜30μl容量で行なわれる(“平滑末
端”連結反応に対して)。分子内“粘着末端”連結反応
は通常全DNA濃度33〜100μg/ml(5〜100nM全末端濃
度)で行なわれる。分子内平滑末端連結反応(通常10〜
30倍モル過剰量のリンカーを使用する)は1μM全末端
濃度で行なわれる。
“ベクター断片”を使用するベクター構成については
ベクター断片は一般に5′リン酸を除去しベクターの再
連結を防止するために細菌アルカリ性ホスファターゼ
(BAP)で処理される。BAP消化はpH8に於て約150mMトリ
ス中でNa+とMg2+の存在下ベクター1μg当り約1単位
のBAPを用いて60℃で約1時間行なわれる。核酸断片を
回収するためにこの作製試料をフェノール/クロロホル
ムで抽出し、エタノール沈殿し、セファデックス G−
50スピンカラムにかけることにより脱塩する。また再連
結反応は、望まれない断片の別の制限酵素消化によって
2重に消化されたベクターに於て防止することができ
る。
配列修飾を必要とするcDNA又はゲノムDNA由来ベクタ
ー部分に対しては変異誘発に向けられた部位特異性プラ
イマーが用いられる。これは望ましい変異を表わす、限
られた不適正を除いて変異誘発される1本鎖プラスミド
又はファージDNAに相補的なプライマー合成をオリゴヌ
クレオチドを用いて行なわれる。簡単には合成オリゴヌ
クレオチドはファージに相補的なストランドの合成に向
けるプライマーとして用いられ、得られた二重鎖DNAを
ファージ支持宿主細菌に形質転換する。形質転換された
細菌の培養株は寒天上面に塗布しファージを含む単一細
胞からプラークを形成させる。
理論的には50%の新しいプラークは1本鎖として変異
された形のファージを含み50%は元の配列である。得ら
れたプラークは厳密に適正なハイブリド形成を可能にす
る温度でキナーゼ化合成プライマーとハイブリッド形成
されるが、もとのストランドとの不適正はハイブリッド
形成を妨止するのに十分である。次いでプローブとハイ
ブリッド形成するプラークを集め培養しDNAを回収す
る。
構成の検定 以上に示される構成についてはプラスミド構成の正し
い連結反応は大腸菌ジュネティックストックセンターCG
SC#6135から得た大腸菌株MM294又は他の適当な宿主を
連結混合物でまず形質転換することによって確認され
る。満足な形質転換体は当業界で理解されている通りア
ンピシリン、テトラサイクリン又は他の抗生物質耐性に
よって又はプラスミド構成方式に依存する他のマーカー
を用いて選択される。次いで形質転換体からのプラスミ
ドをクレウェル(Clewell)、D.B.等Prco.Natl.Acad.Sc
i.米国(1969年)第62巻、1159頁の方法次いで任意のク
ロラムフェニコール増幅(クレウェル、D.B.J.バクテリ
オール(1972年)第110巻、667頁)に従って作製する。
分離したDNAは制限による分析及び/又はメシング(Mes
sing)等核酸Res(1981年)第9巻309頁にも記載される
サンガー(Sanger)、F等Proc.Natl.Acad.Sci.米国(1
977年)第74巻5463頁のジデオキシ法又はマクサム(Max
am)等メソッズインエンチモロジー(1980年)第65巻、
499頁の方法によって配列が決定される。
形質転換 使用される宿主細胞に依存して形質転換はこのような
細胞に適当な標準の技術を用いて行なわれる。コーエン
(Cohen)、S.N.Proc.Natl.Acad.Sci.米国(1972年)第
69巻2110頁に記載される塩化カルシウムを使用するカル
シウム処理又はマニアチス(Maniatis)等モレキュラー
クローニング:アラボラトリ−マニュアル(1982年)コ
ールドスプリングハーバープレス、254頁に記載されるR
bCl法は原核生物又は実質的な細胞壁バリヤーを含む他
の細胞に対して用いられる。アグロバクテリウムツメフ
ァシエンス(Agrobacterium tumefaciens)(ショー(S
haw)、C.H.等ジーン(1983年)第23巻315頁)による感
染はある種植物細胞に対して用いられる。このような細
胞壁のない哺乳類細胞に対してはグラハム(Graham)及
びバンデルイブ(Eb)ウイルス学(1978年)第52巻 54
6頁のリン酸カルシウム沈殿法が好適である。酵母への
形質転換はバンゾリゲン(Solingen)、P.等、J.Bacte
r.(1977年)第130巻946頁及びヒシアオ(Hsiao)、C.
L.等、Proc.Natl.Acad.Sci.米国(1979年)第76巻3829
頁の方法に従って行なわれる。
阻害剤をコードする合成遺伝子はオリゴヌクレオチド
を用いて作成した。合成遺伝子は大腸菌中融合タンパク
質を作成するためにcheYに融合し更にタンパク質を大腸
菌周縁細胞質に挿入するためにompAシグナルペプチドに
融合した。
実施例1 オルニトドロスモウバタダニは南アフリカからアンチ
ボディアソシエイテス社(ベッドフォード、テキサス)
により入手した。比色基質はヘレナラブス、アメリカン
ジアグノスチカ及びケミカルダイナミクスから購入し
た。ヒトXa因子はエンザイムリサーチラボラトリーズか
ら入手した。ヒトプラスミン、ウロキナーゼ及びウシト
ロンビンはカルビケミ、ウシトリプシン、キモトリプシ
ン及び膵臓エラスターゼはウオーシントンエンザイム社
から入手した。血漿カリクレイン、カルボキシペプチダ
ーゼY、S.アウレウスV8プロテアーゼ及びプロテアーゼ
阻害剤はシグマから入手した。2本鎖tPAはアメリカン
ジアグノスチカから入手した。
粗抽出物の調製 50匹のダニ(0.8g)を0.15M NaClと50μM E−64を含
む20mMビス−トリス(pH7.0)3ml、50μMペプスタチン
及び50μMキモスタチンにすりガラスホモジナイザーで
ホモジナイズした。ホモジネートを30.000xgで30分遠心
分離し生じた沈降物を緩衝液3mlに再浮遊させ再び遠心
分離した。上清を合わせスクロースを最終濃度10mg/ml
まで加え抽出液を凍結乾燥した。この物質をH2O 2mlに
溶解し、20mM NaClと0.1mM EDTAを含む20mMビス−トリ
ス−HCl(pH7.4)で平衡にしたセファデックスG−75−
スーパーファイン(ファーマシア)カラム(1.5cm×95c
m)に注いだ。2ml画分を集め選択した画分からのアリコ
ートをXa因子及びトロンビンについての効果を検定し
た。
Xa因子の阻害剤の精製 ゲル濾過後、Xa因子阻害活性を含む画分をプールし20
mMビス−トリス−HCl(pH.6)で平衡にしたモノQ(フ
ァーマシア)カラム(0.5×5cm)に注いだ。このカラム
をNaClの勾配(0〜1M NaCl、全量60ml)で溶離し画分1
mlを集めた。Xa因子を阻害する画分を透析して塩を除去
し凍結乾燥した。この物質をH2O 2mlに溶解し、0.1%ト
リフルオロ酢酸で平衡にした。バイダックC18カラム
(4.6×200mm)に注いだ。タンパク質っを0.1%トリフ
ルオロ酢酸中アセトニトリル(0〜60%)の1分当り1
%に於ける直線勾配で溶離した。画分1mlを集め、溶媒
を真空下で除去した。画分を20mMトリス−HCl(pH7.4)
/0.15M NaCl(TBS)0.5mlに溶解し、検定した。阻害活
性を含むものをプールし、増量アセトニトリル(0.〜40
%)のコンベックス勾配により同じカラムで再クロマト
グラフィー処理した。ピークを手で集め乾燥した。
ダニ全部の粗可溶性抽出液をセファデックスG−75に
よるゲル濾過で分画した。選択したカラム画分をXa因子
の阻害能力に対して検定したとき、見掛けの分子量8.00
0〜10.000で溶離する1本のピークが見られた。
Xa因子阻害活性のピークをプールしモノQのカラムに
直接注いだ。阻害剤は0.25M NaClの1本のピークで溶離
した。この阻害剤を精製する前の試みとして低いイオン
強度で溶離する活性の第2のピークが見られた。同様の
方法で精製した(以下参照)。
この物質を透析して塩を除去し凍結乾燥した。少量の
H2Oに再溶解した後アリコートを逆相HPCLで分画した。
阻害活性は1本のピークで溶離した(第1A図)。この物
質を再クロマトグラフィー処理してタンパク質の均一ピ
ークを得た(第1B図)。我々は精製阻害剤の200〜250μ
gが500匹のダニから得ることができることを推定す
る。SDS−PAGEによりMr=6000と推定されるタンパク質
の1本のバンドが見られた(第2図)。
他の手法 タンパク質を標準としてウシ血清アルブミンを用いる
ローリー方法によって評価した。SDS−PAGEを16%アク
リルアミドと0.5%ビスアクリルアミドを含むスラブゲ
ルにより行なった。染色前分子量標準をBRLから得た。
タンパク質をクーマシーブルーで染色して検出した。
酵素検定 検定を室温に於て96ウェルミクロタイタープレートで
行なった。ペプチド−ニトロアニリド基質の加水分解に
よる発色をVmaxマシン(モレキュラーデバイシイズ)の
405nMに於て連続して監視した。Xa因子の濃度を活性部
位滴定により定量した。実験に使用している他のプロテ
アーゼの溶液濃度は発表されている吸光係数を用いて分
光光度的に定量した。精製阻害剤の濃度はアミノ酸定量
分析によって定量した。典型的には定量には全量200〜2
20μl中500pMタンパク質分解酵素、20mMトリス−HCl
(pH7.4)、0.15M NaCl、0.2〜0.3mM基質及び選択され
たカラム画分又は精製阻害剤のアリコートを含む。ヒト
Xa因子の場合、緩衝液には0.1%BSAも含み、S.アウレウ
スV8プロテアーゼに対する緩衝液は50mM NH4CHO3であ
る。使用される基質はスペクロザイムXa(Xa因子)、S
−2238(トロンビン)、S−2356(キモトリプシン)、
S−2366(Xla因子)、Boc−AlaAla−Pro−Ala−pNa
(エラスターゼ)、スペクトロザイムPKal(カリクレイ
ン)スペクトロザイムPL(プラスミン)、スペクトロザ
イムUK(ウロキナーゼ)Z−Phe−Leu−Glu−pNA(S.ア
ウレウスV8プロテアーゼ)及びtPAに対してスペクトロ
ザイムtPAである。VIIa因子はヒトX因子から3H−活性
化ペプチドの解離を測定することによって検定した。速
度論的分析としては10分以下で行ない次いで添加基質の
5%以下が利用される初速度を評価した。
構造決定 プロテアーゼによる消化又は配列決定分析の前に阻害
剤を50mMジチオトレイトール、0.25Mトリス−HCl(pH8.
2)及び1mM EDTAを含む6Mグアニジン塩酸塩中で37℃に
於て1時間温置して変性した。ヨードアセタミドを最終
濃度0.1Mまで加えこの混合液を室温で30分間放置してス
ルフヒドリル基を閉鎖した。反応混合物をバイダックC
18カラムに直接注ぎ0.1%トリフルオロ酢酸中アセトニ
トリルの勾配で溶離してタンパク質を再び分離した。タ
ンパク質を真空下で乾燥し、アプライドバイオシステム
気相配列決定装置により直接配列決定した。
還元アルキル化した阻害剤を50mM NH4HCO3100μlに
溶解し、トリプシン(50:1、W/W)と室温で温置した。
4時間後同量のトリプシンを加え反応を一晩進行させ
た。次でこの混合液をC18カラムに直接注ぎ消化産物を
分画した。緩衝液が50mM酢酸アンモニウムであるほかは
同様にして、S.アウレウスV8プロテアーゼによるタンパ
ク質分解を行なった。ピークを手で集め配列決定分析に
かけた。
還元カルボキシアミドメチル化後阻害剤を直接配列決
定した。表Iに示される通り最初の53残基の配列をこの
ようにして決定したがいくつかのアミノ酸の同定は不明
であった。この配列を伸長するために還元アルキル化タ
ンパク質をトリプシンで処理し、断片を逆相HPLCで分離
した。ポリペプチド配列はTAP−1の配列であることが
わかった。
実施例2 実施例1と同様の方法により、ビクトリア湖ジンバブ
エ近くのいぼいのししの穴から得たオルニトドロスモウ
バタダニ(亜種ポルシヌス(porcinus)ウォルトン)を
用いてTAP−1のようなXa因子阻害剤を有する別のポリ
ペプチド配列を決定した。このポリペプチドをTAP−2
と同定した。
実施例3 Boc−Ile−o−Pam樹脂で開始して、α−アミノBoc保
護基(tert−ブチルカルボニル)をトリフルオロ酢酸と
塩化メチレンを用いて除去し、脱保護したイソロイシン
をジイソプロピルアミンで中和する。次いでBoc保護Cys
(PMB)(システインはp−メトキシベンジルで保護さ
れる)をジシクロヘキシルカルボジイミドによって仲介
されトリフルオロ酢酸と塩化メチレンで脱保護されたイ
ソロイシンに結合する(アプライドバイオシステムス社
ペプチドシンセサイザー溶プロトコール)。次いでCys
をジイソプロピルエチルアミンで中和する。ジシクロヘ
キシルカルボジイミドによるカップリング、トリフルオ
ロ酢酸と塩化メチレンによる脱保護のこの段階的方法に
より60個のアミノ酸のBoc保護Ala、Asn及び残りの56個
のアミノ酸を逐次結合する。種々のアミノ酸は当業者に
周知の通常のペプチド合成実施に従って適当に保護する
ことができる。
ペプチドの樹脂からの切断はHF/アニソール(9:1v/
v))を用いて得られる。システイン及びチロシン残基
のアルキル化を避けるためにチオクレゾール及びクレゾ
ールスカベンジャー混合液を使用した。樹脂をエーテル
で洗浄し250μMポリペプチド濃縮物を直ちに0.1M酢酸
溶液約2lに希釈する。次いでこの溶液を撹拌し、水酸化
アンモニウムを用いてpH約8.0に調整する。0.1% TFA H
2O−CH3CN勾配中分取用HPLCを用いて精製を行なう。
阻害剤の最終アミノ酸配列は である。
種々のプロテアーゼに関するTAP−1の阻害活性 第3図はTAP−1の存在下(Vi)及び不在下(Vo)で
初速度による増加量阻害剤の効果を示す。TAP−1をヒ
トXa因子と予め温置して基質不在下で平衡を得たため機
序と無関係の固有Ki値はモーリソン(Morrison),J.F.B
iophys.Acta第185巻269頁(1969年)による論文に記載
される密着結合阻害の等式を用いて計算した(実線)。
種々のプロテアーゼに関するTAP−1の効果を試験し
た。各プロテアーゼより300倍モル過剰量に於てVIIa因
子トロンビン、キモトリプシン、エラスターゼ、トリプ
シン、カリクレイン、ウロキナーゼ、プラスミン又はS.
アウレウスV8プロテアーゼの阻害は検出されなかった。
Kiは0.58nMであった。1−5mMCa++の封入体はTAP−1
のXa因子を阻害する能力に関して効果がなかった。プロ
トロンビン、活性化部分トロンボプラスチン及び変性ス
チプベンの存在下凝血時間に関するTAP−1の効果は表I
Iに示される。
DAN技術を用いて本発明のタンパク質の種々の誘導体
の製造が可能であり、例えば基礎にあるDANの変異誘発
に向けられた部位によって生じる1個又は複数のアミノ
酸置換、欠失、付加又は置換で様々に修飾される。これ
らの誘導体を生じるこのような対立遺伝子の変更及び修
飾は全てこれらのタンパク質の実質的特徴的Xa因子阻害
活性が性質に影響を及ぼさない限り本発明の範囲内に含
まれる。タンパク質は(1)最初のアミノ酸としてメチ
オニンを有して(構造遺伝子の前にATG開始シグナルコ
ドンJを挿入することによって存在させる)又は(2)
メチオニンが細胞内又は細胞外で切断される場合に標準
的な最初のアミノ酸を有して又は(3)シグナルポリペ
プチド又は複合体が細胞内又は細胞外条件で特別に切断
可能である通常のシグナルポリペプチド以外のシグナル
ポリペプチド又は複合タンパク質と共に(英国特許出願
公報第2,007,676A号)又は(4)余分ないかなる外来ポ
リペプチドも切断する必要のない成熟形で直接発現して
作製される。後者は、与えられた宿主がシグナルペプチ
ドを除去することができないか効率よく除去しない場合
に特に重要でありその場合、発現ベヒクルはタンパク質
をそのシグナルペプチドと共に発現するよう作られる。
いかなる場合にも、こうして作製したタンパク質を種々
の形で回収し、Xa因子を阻害する場合に用いるのに適合
するレベルに精製する。
以下の実施例は阻害剤を自然に折りたたまれた生物学
的に活性な形で作製する組換え技術である。
実施例4 酵母に於ける阻害剤の発現 阻害剤をエンコードする組換え体遺伝子を合成し、TA
P−1の一次アミノ酸配列に基づいて構成した。適切に
変性された合成遺伝子を分泌発現させる酵母発現ベクタ
ーに挿入した。酵母細胞は合成遺伝子を含むベクターで
形質転換した。
TAP−1のアミノ酸配列を同定したため、適当に選択
された合成オリゴヌクレオチドを使用して阻害剤をエン
コードする遺伝子を構成した。8種のオリゴヌクレオチ
ドを合成し、合成遺伝子をアニーリング及び連結反応に
よって構成した。
各々のオリゴヌクレオチドを15%ポリアクリルアミド
ゲルによる電気泳動分離及び電気溶離によって精製し
た。II〜VIIのオリゴヌクレオチドをポリヌクレオチド
キナーゼで処理し、相補的対合(IIIとIV)及び(VとV
I)でアニールした。オリゴヌクレオチドIとVIIIを各
々キナーゼ化IIとVIIで直接アニールした。オリゴヌク
レオチドをキナーゼ反応緩衝液中で80℃で2分間加熱
し、1時間にわたって徐々に冷却してアニールした。4
種のアニール化オリゴヌクレオチド対合をプールしT4リ
ガーゼで処理した。得られた生産物をEcoRIで消化し
た。合成遺伝子を表わす生産物を200bp断片として分離
し、混合物を2%アガロースゲルで電気泳動にかけた
後、同定した断片を切除し電気溶離した。
合成遺伝子を表わすDNA断片を予めEcoRIで消化したpJ
C264(ガン(Gan)、Z.−R.等(1989年)ジーン、第79
巻159〜166頁)に連結し、アルカリ性ホスファターゼで
処理してプラスミド276−2Eを得た。
連結混合液を使用して受容能のある大腸菌(ストラタ
ジェン、カリフォルニア、米国)を形質転換した。アン
ピシリン耐性細胞を得、アンピシリンプレート上に選択
した。得られたプラスミドクローン中正しい挿入配列を
DNA配列分析で確認した。
この合成遺伝子を構築するために用いられる方策は以
下に示される。更に得られた読み取り枠とその翻訳を示
す。
B. I III V VII II IV VI VIII 合成遺伝子を次の方法で、酵母発現ベクターに挿入し
た。1つのプラスミド276−2Eを選択しオリゴヌクレオ
チドプライマーを用いる反応に於てポリメラーゼ鎖反応
産物を得た。
阻害剤DNAは増幅が達成されるポリメラーゼ鎖反応(PC
R)にかけた(米国特許第4,800,159号第2欄36〜68行第
3、4、5欄1〜20行を引用する)。DNA鎖を各ストラ
ンドに結合するプライマーの存在下で加熱変性した。プ
ライマーはストランドの特定部分をコピーするために複
製機能を行なうDNAポリメラーゼを指図した。このプロ
セスは、ストランドを分離するために加熱し、アニーリ
ング及び所望配列のコピーを作成するプライマーエクス
テンションするために冷却する一連の加熱冷却サイクル
で続けた。このサイクルを繰り返すと特定配列のコピー
がますます生じた。増幅により末端制限部位が付加され
るコーディングドメインが得られた。
PCR産物は、pHK4・TAPを生産するために使用した。
pHK4α2の構成 pHK4の構成は、シュルツ(Schultz)等、ジーン、第6
1巻(1987年)123〜133頁に記載され、これを引用す
る。プラスミドpJC197(シュルツ等、ジーン第54巻(19
87年)113〜123頁)は、最初に同書クルヤン(Kurjan)
及びヘルスコウィツ(Herskowitz)(1982年)で誘導さ
れた酵母MFα1プレープロリーダーと転写ターミネータ
ー間のユニークBamHIクローニング部位を含む大腸菌−
S.セレビシエシャトルベクターである。pJC197をEcoRI
+PstIで消化し、MFα1プレプロリーダーの一部、3枠
の翻訳ターミネーター及びMFα1転写ターミネーターを
含む0.7 −Kb PstI−EcoRI断片をゲル精製した。GAL10
pをYEP51から、Sau3Aで消化し、PolIKでフラッシュエン
ディング、オクタメリックBamHIリンカーで連結し、Sal
Iで消化して分離した。
得られたGAL10pを持つ0.5−kb BamHI−SalI断片をゲ
ル精製し最初の11bpのMFα1非翻訳リーダーとATG及び
最初の8aaのMFα1プレープローリーダーをエンコード
する35−bp SalI−PstI合成オリゴデオキシヌクレオチ
ドアダプターに連結した。得られた0.5−kbフラグメン
トをBamHIで消化し、ゲル精製し、前述の0.7−kb PstI
−EcoRI断片とpBR322由来4.0kb EcoRI−BamHIベクター
断片と一緒に連結した。得られたプラスミドpKH207−1
はMFα1プレープローリーダーとBamHIクローニング部
位に融合したGAL10p,翻訳終結コドン及びMFα1転写タ
ーミネーターを含む。EcoRIで消化し、BamHIで一部消化
する際酵母MFα1プレープローリーダーに融合したGAL1
0p、ユニークBamHIクローニング部位、全部で3種の読
み取り枠の翻訳終結コドン及びMFα1転写ターミネータ
ー配列の発現カセットを酵母に於けるプラスミドの安定
な伝播として酵母2μDNAを高コピー数で含む酵母シャ
トルベクターpC1/1(ローゼンバーグ(Rosenberg)等、
ネイチュア第312巻(1984年)77〜80頁)に挿入したpKH
4を作成した。
aa9〜79のppLをエンコードする213− bp BamHI−Pst
I断片をプラスミドpα2(バイネ(Bayne)等、ジーン
第66巻(1988年)235〜244頁)から作製した。プラスミ
ドpα2はコドン80と81で修飾した酵母MFα1プレープ
ロ配列(79aa)の一部を含みKEX2プロセッシング部位か
ら上流にBamHI部位6aaを生じる。pKH4のBamHI部位に対
するppLのコドン9(PstI)に対応する領域をBamHIで消
化し次いでPstIで部分消化した後、pHK4から除去した。
この切り取った配列をpα2からのBamHIーPstI断片で
置換して修飾ベクター pKH4α2を作製した。プラスミ
ドpKH4α2は酵母GAL10プロモーター、MFα1プレープ
ロリーダーの一部(79aa)、3枠の翻訳ターミネーター
及びMFα1転写ターミネーター、酵母LEU2遺伝子、酵母
2μ配列、ApR遺伝子とDNA複製起点(ori)を含むpBR32
2由来配列を含む。
pKH4・TAPの構成 ポリメラーゼ鎖反応はBamHIで消化する常法で再生さ
れる平滑末端断片を生じた。2%アガロースゲルによる
電気泳動バンドの除去及び電気溶離後に正しい断片を得
た。精製フラグメントを予めBamHIで消化した酵母発現
ベクターpKH4α2(ヤコブソン(Jacobson)、M.A.等
(1989年)ジーン、第85巻、513〜518頁)と連結し、子
ウシアルカリ性ホスファターゼで処理した(第4図)。
正しい配向のプラスミドクローンの正しい配列をDNA配
列分析で確認した。pKH4・TAPから作成した融合産物をK
EX2遺伝子でエンコードしたLys−Arg−切断エンドペプ
チダーゼ(KEX2)でタンパク質分解的に処理し、生産物
を培地に分泌した。KEX2はLys−Arg残基のC末端側で切
断する。
DMY6の形質転換 二倍体酵母株DMY6(シュルツ、L.D.(1987年)ジー
ン、第61巻123〜133頁)を標準プロトコールを用いてpK
H4・TAPで形質転換した(ヒンネン(Hinnen)等(1978
年)Proc.Natl.Acad.Sci.米国第75巻1929〜1933頁)。
1つの分離物を選択し、S.セレビシエMY2030 9718P281
−3を示した。この分離物をアメリカンタイプカルチュ
アコレクションに寄託しATCC No.20984を確認した。
酵母形質転換体を含むプレートから単一コロニー分離
物を得た。これらの分離物を5×CMleu培地(0.85%の
アミノ酸及硫酸アンモニウムを含まない酵母窒素塩
基)、1%のコハク産、0.6%のNaOH、0.5%の硫酸アン
モニウム、0.06%のイソロイシン、0.06%のフェニルア
ラニン、0.04%のリシン、0.04%のトリプトファン、0.
025%のチロシン、0.02%のアデニン、0.02%のウラシ
ル、0.01%のアルギニン、0.01%のヒスチジン、0.01%
のメチオニン、0.04%のFeCl3・6H2O、0.03%のZnSO4
−7H2O及び4%グルコース)中30℃で増殖させた。選
択培地(5×CMLeu-)500mlを接種する前に281−3の凍
結培養株をロイシンを含まない寒天培地に28℃で3日間
接種して細胞を増殖させた。1.5lのBio−Flo III発酵槽
(ニューブルンスウィック サイエンティフィック)中
4%(w/v)がラクトースを含む5×CMLeu-)ブイヨン
2.5lに接種する前に回転振盪機を用いて300rpmで2lの三
角フラスコ中28℃で16〜18時間500mlの種子培養を増殖
した。発酵槽を28℃、900rpm,2.5l/分空気で110〜120時
間操作した。
全ての作業は2〜8℃で行なった。酵母細胞を組換え
体TAP−1を分泌する酵母培養(281−3株)のブイヨン
(8l組換え体TAP−1 1.69gを含む)からアミコンDC10単
位を用いる500.000 MWCO中空繊維カートリッジ(ロミコ
ン、PM500、5フィート)により液体をジアフィルター
処理して分離した。次いで清澄化ブイヨンを約500mlの
液体が貯蔵器に残るまで100.000MWCO中空繊維カートリ
ッジ(アミコン、H5P100−43)によりジアフィルター処
理した。保持液体を20mMビス−トリス、pH6.0(緩衝液
A)8lとジアフィルター処理した。100.000MWCO繊維の
流出液をpH6.0に調節し、冷緩衝液63lで希釈した。希釈
したブイヨンは組換え体TAP−1 1.67gを含有した。希釈
発酵ブイヨンを2つの40l部分に分け、各々の緩衝液A
で平衡にしたQ−セファロール高速液体TM(ファーマシ
ア14cm×10cm I.D.)の別々のカラムに2l/時間でくみ上
げた。希釈したブイヨンの全部をカラムにポンプでくみ
上げた後に、緩衝液A8lで各々洗浄して非結合物質を溶
離して仕上げた。結合タンパク質は緩衝液A中0〜500m
MNaclの直線勾配16lで溶離した。画分400mlを集めA280
及びヒトXa因子の阻害を監視した。組換え体TAP−1は1
75mMNaclで溶離した。
組換え体TAP−1を含む画分を合わせ緩衝液Bで平衡
にしたS−セファロース高速液体TM(ファーマシア、2
4.5cm×7.5cm I.D.)のカラムに2l/時間でくみ上げる前
に4容量の50mM酢酸ナトリウム、pH4.0(緩衝液B)で
希釈した。全試料をカラムにくみ上げたとき緩衝液B8l
で洗浄し、次いで結合タンパク質を緩衝液B中0〜400m
MNaclの直線勾配16lで溶離した。画分をA280及びヒトXa
因子阻害活性を監視し、組換え体TAP−1を190mMNaclで
溶離した。カラムから溶離した組換え体TAP−1の量は
1.58gであった。阻害活性を含むプールした画分を水性
0.1%(v/v)CF3COOHで平衡にした4.5×30cmプレプパッ
クC18HPLCカラム(ウオーターズアソシエイテス)にデ
ルタープレプ分取用HPLC系(ウオーターズAssoc)を用
いて50ml/分として充填した。試料を同じ流速で注ぐこ
とによりカラムを0〜40%(v/v)の水性0.1%(v/v)C
F3COOH中CH3CN勾配を1%/分で展開する前に水性0.1%
(v/v)CF3COOHで100ml/分として5分間洗浄した。約31
%(v/v)のCH3CN濃度で溶離した280nmに於ける吸光度
ピークを手で集め、凍結乾燥して乾燥した。ゲル濾過ク
ロマトグラフィーを逆相HPLCの代わりとして使用して脱
塩組換え体ペプチドを作製することができる。ゲル濾過
としては、セファデックスTMG-10(ファーマシア)をMi
lli-QTMH2Oで膨潤させ2.5cm(I.D.)×93cmガラスカラ
ムに充填し、S−セファロースクロマトグラフィーで精
製した組換え体TAP−1の溶液90mlをこれでクロマトグ
ラフィー処理した。画分12.5mlを集めA280と伝導率を監
視した。タンパク質をVoで溶離し塩から良好に分離し
た。組換え体TAP−1の回収は100%であった。この物質
を凍結乾燥により乾燥した。いずれかの方法で作製した
精製組換え体ポリペプチドは分析用逆相C18HPLC、アミ
ノ酸定量分析及び自動化アミノ末端配列分析によって純
度99%以上であることがわかった。組換え体阻害剤の典
型的な比含有量はチロシンで開始する均一アミノ末端を
有する115〜120ナノモル/mgであった。組換え体TAP−1
の電気泳動移動度は還元条件下ドデシル硫酸ナトリウム
ポリアクリルアミドゲル電気泳動を評価した未変性阻害
剤と同一であった。組換え体TAP−1のXa因子阻害活性
は第3図で示したものと同様でありKiは0.2nMであると
決定された。
組換え体TAP−1の有効性 Xa因子阻害剤組換え体TAP−1の効能を求めるために
バンライン−マクケンナ等(1989年)血栓症と止血第61
巻7〜9頁と同様のトロンボプラスチン誘発血餅形成の
生体内モデルを使用した。ウサギを組換え体TAP−1を6
0分間注入して前処理し、この時頸静脈のセグメントを
分離し、吸蔵した。トロンボプラスチンと頸静脈から取
った全血を血餅形成を誘発させるためにセグメントに注
入した。残った頸静脈を血餅を除去し定量する前に30分
間吸蔵した。
抗凝血物質の前処理を受けないウサギの血餅形成は血
餅値29.2±3.4%を標準化した。組換え体TAP−1 7μg/k
g/分、37μg/kg/分及び64μg/kg/分を静脈内注射した血
餅形成は各々27.0±7.5%及び7.9±2.0%及び1.9±1.0
%であった。これらの投与量は活性化部分トロンボプラ
スチン時間及びプロトロンビン時間を著しく増加しなか
った。
TAP−1変異誘発 TAP読み取り枠の所望の変異は2種の基本的方法:ポ
リメラーゼ鎖反応変異誘発及びクンケル変異誘発の1つ
で作製した。
PCR変異誘発 部位特異性変異誘発に対してTaqDNAポリメラーゼによ
って触媒されるポリメラーゼ鎖反応の使用はカドワキ
等、ジーン、第76巻(1989年)161〜166頁に記載され
る。カドワカ等はこの方法を変異誘発に向けられた部位
に用いるために不適正なものをポリメラーゼ鎖反応(サ
イキ等、サイエンス第230巻(1985年)1350〜1354頁及
びサイキ等、サイエンス第239巻(1988年)487〜491
頁)を開始するために使用されるオリゴに導入すること
を記載している。
PCR変異誘発−末端に近い変異 TAP−1コーディング配列の末端近くに生じる変異をT
APー1鋳型のポリメラーゼ鎖反応(PCR)増幅により修
飾した。末端に近い変異はアルギニンのアスパラギンに
よる置換を生じる53位残基に於けるTAP−1変異を含
む。オリゴマープライマー(増幅されるDNA末端に相補
的)をTAP−エンコーディングDNAに加え、この反応混合
液を加熱することによってDNA鎖が分離し鋳型に対して
プライマーをアニーリングする。プライマーは反対のス
トランドを結合し延長、ストランド分離及び再アニーリ
ングの多くのサイクルに於てTaqポリメラーゼ(セッス
パーキン・エルマー)と反応する際プライマー間の領域
が複製される。1個以上のプライマーが不適正領域を含
む場合、その変異は反応産物に組込まれる。TAP変異体
は変異原性プライマー内の適当なコドン変化を用いてこ
の増幅により生じた。PCR産物をBamHIで切断し、ゲル精
製し、次いでBamHI部位に於てpKH4α2に挿入した。
PCR変異誘発−非末端変異 この方法の変法をユニークTaq1又はXho1制限部位近く
で生じる非末端に望まれる変異に使用した。非末端変異
はアルギニンのアスパラギンによる置換が生じる9及び
23位残基に於けるTAP−1変異とアスパラギン酸のアル
ギニンによる置換が生じる16位残基に於けるTAP−1変
異を含む。プライマーはTAPをコードする配列を増幅
し、前の通りに変異を取り入れて作製した。プライマー
はTAP遺伝子に存在する制限部位を含むように十分に伸
長した。遺伝子の残りの配列と同じ制限部位を増幅する
ために別のプライマーのセットを使用した。得られた断
片をその酵素で消化して連結して変異により完全なTAP
遺伝子を再生した。この物質を精製し、BamHIを上述の
通りpKH4α2に挿入するために消化する。
クンケル変異誘発 クンケルProc.Natl.Acad.Sci.米国第82巻(1985年)4
88〜492頁は元の変化していない遺伝子型に対して強力
な生物学的選択の利点を利用する部位特異的変異誘発を
記載している。大腸菌(Escherichiacoli dut-ung-
(タイ(Tye)等、Proc.Natl.Acad.Sci.米国第75巻(19
78年)233〜237頁)で増殖した後標準の操作(サガー
(Sagher)及びストラウス(Strauss)バイオケミスト
リー第22巻(1983年)4518〜4526頁によって作製した比
較的標準のウラシル含有DNAを使用することによって部
位特異的変異誘発操作を用いると、選択することなく
2、3時間で効率よく変異が生じる。
変異体は1本鎖p276−2EプラスミドDANが所望の変異
原性配列を含む相補的プライマーでアニールされるクン
ケル法の変法を用いて作製した。クンケル法は詳細に
は、アルギンのアスパラギンによる置換が生じる27位残
基に於てTAP−1変異を得るために使用した。この複合
体をDNAポリメラーゼで伸長し、DNAリガーゼで共有結合
し、この生産物を使用して大腸菌DH5細胞(ベテスダリ
サーチラボラトリーズ)を形質転換した。変異回収は大
腸菌宿主CAG629(dut−ung−バイオラド)を用いて元の
ストランドに対して選択することによって改良されて1
本鎖鋳型を作製した。M13K07ヘルパーファージ(ファー
マシア)の存在下、1つのプラスミドDAN鎖をコピー
し、ファージキャプシドに詰込み上清に分泌し、1本鎖
DNAを分離した。このストランドはウラシルを含むた
め、変異誘発反応ミックスを大腸菌DH5 (Dut+Ung+
を形質転換するために使用するとき分解され複製の鋳型
として変異されたストランドを切断する。この修飾され
たTAP配列をBamHIカセットとしてpKH4α2ベクターに移
した。
この方法はまた変異誘発反応の鋳型として発現ベクタ
ーを用いて使用した。
療法 このタンパク質はトロンビンを阻害するよりむしろXa
因子機序を阻害することによって凝固を阻害する。Xa因
子機序阻害はタンパク質をその組成がトロンビンのプロ
トロンビンからの生成を誘発することからXa因子を阻止
する望ましい効果を得るような適当な医薬組成担体例え
ば食塩水と適当なpH例えば7.4で併用して連続静脈投与
又はボラス投与して達成される。
Xa因子阻害活性を有する本発明のタンパク質性物質は
多くのタンパク質/ペプチドのようにいずれの無毒性有
機又は無機酸とも医薬的に使用し得る塩を形成すること
ができる。適当な塩を形成する無機酸の具体例としては
塩酸、臭化水素酸硫酸及びリン酸及びオルトリン酸1水
素ナトリウム及び硫酸水素カリウムのような酸金属塩が
ある。適当な塩を形成する有機酸の具体例としてはモ
ノ、ジ及びトリカルボン酸がある。このような酸の具体
例は例えば酢酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、マ
ロン酸、コハク酸、トリフルオロ酢酸、グルタル酸、フ
マル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン
酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、安息香酸、ヒ
ドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、ケイ皮酸、サリチル
酸、2−フェノキシ安息酸及びメタンスルホン酸及び2
−ヒドロキシエタンスルホン酸のようなスルホン酸であ
る。カルボキシ末端アミノ酸部分の塩としては適当ない
ずれの無機又は有機塩基でも生成される無毒性のカルボ
ン酸塩がある。具体的にはこれらの塩はナトリウム及び
カルシウムのようなアルカリ金属、カルシウム及びマグ
ネシウムようなアルカリ土類金属、アルミニウムを含む
IIIA族の軽金属及びトリエチルアミン、プロカイン、ジ
ベンジルアミン、1−エテナミン、N、N′−ジベンジ
ルエチレンジアミン、ジヒドロアビエチルアミン、N−
(低級)アルキルピペリジン及び適当ないずれのアミン
も含むトリアルキレンアミンのような有機第一、第二、
第三アミンがある。
Xa因子阻害活性を有する本発明のタンパク質性物質の
抗凝血物質投与量は、例えば患者及び治療される血栓症
状の程度に依存して1日につき患者の体重1kg当り0.2〜
250mgである。個々の患者に適当な投与量は、容易に決
定することができる。好適には1日に1〜4回典型的に
は、1投与量当たり有効化合物5〜100mgで投与され
る。貯蔵血液のように媒質中血液凝固又はXa因子を阻害
するために使用されるときXa因子を阻害するのに必要と
されるXa因子阻害活性を有する本発明のタンパク質性物
質の濃度は当業者に容易に決定することができる。
抗凝血物質療法は、様々な血栓症状、特に冠状動脈及
び脳血管性疾患の治療及び予防に必要とされる。この分
野に経験のある者は抗凝血物質療法を必要とする状況は
容易に気がつく。本明細書で用いられる“患者”とはヒ
ト、羊、馬、牛、豚、犬、ネコ、ラット及びマウスを含
む霊長類のような哺乳類を意味している。Xa因子の阻害
は血栓症状を有する個々の抗凝血物質療法に有用である
ばかりでなく、貯蔵全血の凝固を阻止したり試験又は貯
蔵用の他の生物試料の凝固を阻止するといった血液凝固
の阻止を必要とするときにも有用である。従ってXa因子
阻害活性を有する本発明のタンパク質性物質は、Xa因子
を含むか又は含むと思われる血液凝固を阻止することが
望まれるいずれの媒質にも添加又は接触させることがで
きる。
Xa因子阻害活性を有する本発明のタンパク質性物質は
経口投与により脹を通過してしまうが、出願人は非経口
投与、例えば皮下、静脈内、筋肉内又は腹腔内投与、蓄
積注入又は充填製剤による投与を好んで用いる。
非経口投与としてはXa因子阻害活性を有する本発明の
タンパク質性物質を水及び油のような滅菌液体であるこ
とができる医薬担体と界面活性剤及び他の医薬的に使用
し得る補助剤を加えて又は加えずに生理的に使用し得る
希釈剤中の溶液又は懸濁液の注射用投薬として投与する
ことができる。これらの製剤に使用することができる油
の具体例は、石油、動物、植物又は合成からの例えば落
花生油、大豆油及び鉱油である。一般に水、食塩水、水
性デキストロース及び関連の糖液、エタノール及びグリ
コール例えばプロピレングリコール又はポリエチレング
リコールが特に注射用液剤に好ましい液体担体である。
Xa因子阻害活性を有する本発明のタンパク質性物質
は、有効成分を持続して放出させるような方法で処方す
ることができる蓄積注入又は植込製剤の形で投与するこ
とができる。有効成分をペレット又は小さな円柱に圧縮
して蓄積注入剤又は植込剤として皮下又は筋肉内に植込
むことができる。植込剤は、生物分解可能な重合体又は
合成シリコーン、例えばシラスチック、シリコーンゴム
又はダウ−コーニングコーポレーションによって製造さ
れる他の重合体のような不活性物質を使用することがで
きる。
タンパク質は、単独で又は他のタンパク質と併用して
使用することができる。例えばTAPは組織プラスミノー
ゲン活性化因子を介した血栓際灌流の効率を高める。TA
Pは血栓形成によりまず投与することができ、組織プラ
スミノーゲン活性化因子または他のプラスミノーゲン活
性化因子はその後投与される。
寄託 アメリカンタイプカルチュアコレクション.ロックビ
ルMD.米国に寄託されたS.セレビシエMY2030 9718P281−
3はATCC 20984と示される。寄託は、特許手続きの目的
とその条項に対する微生物の寄託の国際承認に関するブ
タペスト条約の規定によって1990年2月21日になされた
(ブタペスト条約)。生存可能な培養の維持は寄託の日
から30年間保証される。生物体はブタペスト条約による
ATCCによって入手可能となり、出願人と関連する米国特
許の登録の際に無制限の利用可能性を保証するATCC間の
協定に委ねられることになる。寄託菌株の利用可能性は
特許法に従っていずれかの政府の代理権によって許可さ
れる権利に違反して本発明を実施するライセンスと解釈
されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
第1図はダニ抽出物のイオン交換クロマトグラフィー
(A)及び有効ピークの再クロマトグラフィー(角括
弧)による本発明のヒトXa因子阻害剤(TAP−1)の逆
相HPLC図を示す。 第2図は、TAP−1のSDS−PAGE(レーン1:阻害剤、レー
ン2:分子量標準)を示す。 第3図は、基質不在下でTAP−1をヒトXa因子と前温置
することによるTAP−1の存在(Vi)及び不在(Vo)下
初速度に関するTAP−1の増量の効果を示す。 第4図は、pKH4・TAPを生成するα−接合因子・TAP遺伝
子の挿入及びKEX2プロセシング部位の個々の同定を示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI (C12P 21/02 C12R 1:865) (72)発明者 ロイド エツチ.ワツクスマン アメリカ合衆国,18942 ペンシルヴア ニア,オツツヴイル,ブライアー ロー ド アールアール1 ボツクス 146シ ー (72)発明者 ヴイクター エム.ガースキー アメリカ合衆国,19442 ペンシルヴア ニア,ブルー ベル,パルマー プレイ ス 752 (72)発明者 マイケル ピー.ニーパー アメリカ合衆国,19087 ペンシルヴア ニア,ウエイナー,タウンセンド サー クル 1001 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07K 14/435 C12N 15/15 REGISTRY(STN) CA(STN) MEDLINE(STN)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配列: 又はその保存的アミノ酸置換(AA1、AA2、AA3及びAA4
    各々、Arg、Tyr、Gly及びArgであるか又はAA1、AA2、AA
    3及びAA4は各々Gln、Phe、Asp及びGlnであるか又はその
    保存的アミノ酸置換である) を有し、凝固Xa因子を阻害し、トリプシンは阻害しない
    タンパク質。
  2. 【請求項2】配列: 又はその保存的アミノ酸置換(AA5、AA6、AA7及びAA8
    独立してアルギニン又はアスパラギン又はその保存的ア
    ミノ酸置換であり、AA9はアスパラギン酸又はアルギニ
    ン又はその保存的アミノ酸置換である) を有し、凝固Xa因子を阻害し、トリプシンは阻害しない
    タンパク質。
  3. 【請求項3】配列: 又はその保存的アミノ酸置換(AA6及びAA7は独立してア
    ルギニン又はアスパラギン又はその保存的アミノ酸置換
    であり、AA9はアスパラギン酸又はアルギニン又はその
    保存的アミノ酸置換である) を有し、凝固Xa因子を阻害し、トリプシンは阻害しない
    タンパク質。
  4. 【請求項4】請求項1、2及び3のいずれかに記載のタ
    ンパク質の有効量からなる血液凝固を阻止する治療組成
    物。
  5. 【請求項5】請求項1に記載のタンパク質をコードする
    DNA。
  6. 【請求項6】請求項2に記載のタンパク質をコードする
    DNA。
  7. 【請求項7】請求項3に記載のタンパク質をコードする
    DNA。
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