JPH0631479B2 - バレル装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は回転バレルメッキやバレル洗浄等に使用される
バレル装置の改良に関するものである。

（従来の技術） 上記のような目的で使用されるバレルは、処理槽の上方
に設置されたバレル移送装置によって処理槽間を順次移
送され、処理槽に浸漬された際には処理槽側に設けられ
た駆動機構によってバレルの回転が行われるようになっ
ている。ところがバレルが処理槽の上方へ持上げられた
際にはこの駆動機構による回転は行われないため、液切
りが十分に行いにくい欠点がある。

そこで特公昭49-25099号公報に示されるように、バレル
の上方にスプロケットを設けるとともに、バレル昇降経
路の側方にこのスプロケットと噛み合ってこれを回転で
きるエンドレスチェーンを張設しておき、バレルを処理
槽から上昇させた位置でもバレルの回転が行えるように
したバレル装置が提案されている。しかしこの装置にお
いてはスプロケットがエンドレスチェーンの側面と噛み
合う構造となっているために噛み合いが外れ易く、これ
を防止するためにチェーンの反対側に押付け用のガイド
板を設けるとその入口部分においてスプロケットの歯先
がエンドレスチェーンにうまく噛み合わず、ロックした
り故障の原因となり易い等の欠点があった。またこの装
置ではバレルが所定の高さまで上昇した後でなければバ
レルを回転させることができず、有効な液切り時間を十
分に取れないという欠点もあった。

（発明が解決しようとする問題点） 本発明は上記のような従来の問題点を解決して、バレル
を処理槽の上方へ持上げた状態においてもバレルを確実
に回転させることができ、しかも構造が簡単で故障が少
ないうえ、バレルの上昇中においてもバレルの回転をス
タートさせることができるバレル装置を目的として完成
されたものである。

（問題点を解決するための手段） 本発明は走行台車のガイドレールに沿って昇降するハン
ガーにより処理槽間を移送されるバレルの上方にバレル
駆動輪を突設するとともに、前記ガイドレール上にはバ
レルがハンガーにより処理槽の上方へ持上げられたとき
にこのバレル駆動輪の上面と噛み合ってこれを回転させ
るバレル駆動装置を昇降自在に設けたことを特徴とする
ものである。

（実施例） 次に本発明を図示の実施例について詳細に説明すると、
(1)は処理槽、(2)はその上方に架設された走行レール、
(3)はこの走行レール(2)上を走行する走行台車、(4)は
走行台車(3)から下向きに垂設されたガイドレールであ
る。また(5)はガイドレール(4)に沿って昇降できる昇降
枠であり、その腕部(6)にはバレル(7)を移送するための
ハンガー(8)が設けられている。一方、バレル(7)を軸支
しているバレル支持フレーム(9)の上方にはバレルフッ
ク(10)が突設されており、このバレルフック(10)をハン
ガー(8)に係合させることにより、バレル(7)を第１図に
示すように上昇させたり、あるいは第２図に示すように
処理槽(1)内に浸漬させたりすることができる。

本発明においては、このようなバレル(7)の上方にバレ
ル駆動輪(11)が突設されている。本実施例のバレル駆動
輪(11)はスプロケットであり、このバレル駆動輪(11)と
同軸上に固定された歯車(13)はバレル(7)の側方にバレ
ル(7)と一体に設けられた大歯車(12)と常時噛み合って
いる。第３図に明示されているとおり、この歯車(13)は
バレル支持フレーム(9)の外側に更にスプロケット(14)
を備えており、バレル(7)が処理槽(1)内に設置されたと
きに処理槽(1)の側方に設けられた駆動チェーン(15)に
よってこのスプロケット(14)が回転され、更に歯車(13)
と大歯車(12)とを介してバレル(7)が処理液中で回転さ
れる構造となっている。

また本発明においては、ガイドレール(4)上にバレル駆
動輪(11)の上面と噛み合ってこれを回転させるバレル駆
動装置(16)が設けられている。このバレル駆動装置(16)
はガイドレール(4)上を昇降できる枠(17)から下方へ突
出したＬ字状の腕(18)の下端に支持されたもので、モー
タ(19)とスプロケット(20)間に水平に張設されたチェー
ン(21)とからなるものである。そしてガードレール(4)
には枠(17)が第２図及び第３図に示される位置よりも下
降することを防止するストッパ(22)が設けてあるので、
バレル(7)が処理槽(1)内に浸漬された状態ではバレル駆
動装置(16)とバレル駆動輪(11)とは離れているが、第１
図に示されるようにバレル(7)が所定の高さ以上まで上
昇するとバレル駆動輪(11)の上面がバレル駆動装置(16)
のチェーン(21)と噛み合い、回転される。なお(23)は昇
降枠(5)の腕部(6)の上方に突設されたガイドロッドであ
り、バレル駆動装置(16)を支持する腕(18)のガイド板(2
4)の透孔に貫通させて相互間の位置ずれを防止してい
る。

（作用） このように構成されたものは、走行台車(3)のガイドレ
ール(4)に沿って昇降するハンガー(8)をバレル(7)側の
バレルフック(10)に係合させることによりバレル(7)を
昇降及び水平方向に移送し、処理槽側の駆動チェーン(1
5)によってバレル(7)を回転させつつ各処理槽(1)、(1)の
内部においてメッキや洗浄等を行わせることは従来のこ
の種バレル装置と変るところはない。しかし本発明にお
いてはハンガー(8)によりバレル(7)を処理槽(1)の上方
まで持上げると、バレル(7)の上方に突設されたバレル
駆動輪(11)の上面がガイドレール(4)上に昇降自在に設
けられているバレル駆動装置(16)と噛み合い、そのモー
タ(19)によってチェーン(21)を駆動すればバレル駆動輪
(11)、歯車(13)、大歯車(12)を介してバレル(7)が回転
される。この結果、バレル(7)内の被処理物の液切りが
速やかに行われることとなる。しかも本発明において
は、バレル駆動装置(16)をガイドレール(4)に沿って昇
降自在に設けたので、ハンガー(8)によってバレル(7)を
上昇する途中からバレル(7)の回転をスタートさせるこ
とができ、従来のように所定の高さまでバレルを上昇さ
せた後でなければバレルを回転できなかったものに比較
して液切りの有効時間を十分に取ることができる。更に
また本発明においてはバレル(7)の上方に突設したバレ
ル駆動輪(11)の上面がその上方に待っているバレル駆動
装置(16)に直角に係合する構造となっているうえ、バレ
ル駆動装置(16)の自重によって十分な噛み合い力が得ら
れるので、噛み合いが確実で外れるおそれのない利点が
ある。

なお、上記の実施例においてはバレル駆動装置(16)とし
て水平に調節されたチェーン(21)を用いたが、この他歯
車その他の適宜の駆動装置を用いることもできることは
言うまでもない。

（発明の効果） 本発明は以上の説明からも明らかなように、バレルを処
理槽から持上げた状態で確実に回転させることができる
こと、バレルの上昇中においてもバレルの回転をスター
トさせることができ液切りを十分に行わせることができ
ること、構造が簡単で故障のおそれが少ないこと等の多
くの利点を有するものである。よって本発明は従来の問
題点を一掃したバレル装置として、産業の発展に寄与す
るところは極めて大である。

【図面の簡単な説明】

第１図はバレルを上昇させた状態を示す一部切欠正面
図、第２図はバレルを処理槽内に下降した状態を示す一
部切欠正面図、第３図は第２図の一部切欠右側面図であ
る。 (1)：処理槽、(3)：走行台車、(4)：ガイドレール、
(7)：バレル、(8)：ハンガー、(11)：バレル駆動輪、(1
6)：バレル駆動装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】走行台車(3)のガイドレール(4)に沿って昇
   降するハンガー(8)により処理槽(1)、(1)間を移送される
   バレル(7)の上方にバレル駆動輪(11)を突設するととも
   に、前記ガイドレール(4)上にはバレル(7)がハンガー
   (8)により処理槽(1)の上方へ持上げられたときにこのバ
   レル駆動輪(11)の上面と噛み合ってこれを回転させるバ
   レル駆動装置(16)を昇降自在に設けたことを特徴とする
   バレル装置。