JPS6236854Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、処理液槽に沿つて移動するキヤリア
ーの液槽上に水平突出する昇降体に、被処理物を
吊持したハンガーを、その搬送毎に保持するハン
ガーの保持装置に関する。

従来、この種のハンガー保持装置は、第１図に
示すように、被処理物ｘを吊持するハンガーａの
両側端に下面を係止面とするフツクｂ，ｂを設
け、キヤリアーに設けた昇降体ｃに前記フツク
ｂ，ｂと下方から係合する係止部ｄ，ｄを設けて
なるものであつて、ハンガーａを処理液槽ｙ上に
付設された係止棚ｇを乗載した状態から次槽に移
動するには、 イ 昇降体ｃを下方位置にしてからキヤリアーを
前進させて前記昇降体ｃの係止部ｄ，ｄを前記
フツクｂ，ｂの直下に位置させ、 ロ 前記昇降体ｃを上昇して、前記フツクｂ，ｂ
を係止部ｄ，ｄに係止し、前記昇降体ｃの上昇
に伴つてハンガーａを上昇させ、 ハ キヤリアーの移動により次槽の直上にハンガ
ーａを移送し、 ニ 再び昇降体ｃを下降して、ハンガーａを係止
棚ｇに乗載し、昇降体ｃの下降に伴いフツク
ｂ，ｂと係止部ｄ，ｄとの係合を解除するよう
にして施している。

このため、ハンガーａは昇降体ｃに係止されて
移動するから、キヤリアーの移送に伴つて、振動
や揺動を生じ、場合によつてはハンガーａが脱落
することがあり、キヤリアーを高速走行させるこ
とができなかつた。

本考案は前記従来装置の欠点を除去することを
目的とし、被処理物を吊持するハンガーの上部両
側面に、一対の嵌合溝を設け、処理液槽に沿つて
移動するキヤリアーに昇降可能に設けられて液槽
上に水平突出する昇降体に、下端に係止片を有す
る左右一対のレバーを軸の周りを傾動可能に垂設
するとともに、前記係止片を前記嵌合溝に嵌入す
る係合位置と、該嵌合溝の側方に退避する解除位
置とに保持するようにした傾動装置を備えた構成
になり、前記傾動装置によりハンガーの移送時に
は、前記嵌合溝にレバーの係止片を嵌入すること
により保持し、前記保持を解除する場合には、前
記嵌合溝から係止片を除去するようにしたもので
ある。

本考案の一実施例を添付図面について説明す
る。

第２，３図について、１は上下に長い門形枠２
からなるキヤリアーであつて、その下部に走行モ
ータ３が設けられ、処理液槽ｙの列設方向に沿つ
て設けられた上下の案内レール５，５と平行に設
けられたラツク６に咬合うピニオン４を、前記走
行モータ３によつてベルト駆動することにより案
内レール５，５に沿つて走行する。前記キヤリア
ー１の門形枠２内の上下部には、プーリ７，８が
支持され、該プーリ７，８に無端ベルト９が掛渡
され、下部のプーリ８と同軸状に設けたプーリ１
０をサーボモータ１１でベルト駆動することによ
り、前記無端ベルト９をタイミング制御を施しな
がら走行するようにしている。

前記無端ベルト９には、昇降体１３が設けられ
ている。前記昇降体１３は、前記無端ベルト９に
固着する取付け基板１４から、二枚の横桟１５，
１５を液槽上に水平に突設し、該横桟１５，１５
を先端部で連結してなり、横桟１５，１５間に形
成された装着間隙１６内で左右の軸１７，１７に
一対のレバー１８ａ，１８ｂが遊転可能に垂設さ
れている。前記レバー１８ａ，１８ｂは、内方に
開口したコ字状溝１９を設けられていて、その下
端にロール状の係止片２０を有する。前記レバー
１８ａ，１８ｂの上端には夫々連結板２１が突設
し、該連結板２１，２１には夫々発条２２，２２
が掛けられて前記レバー１８ａ，１８ｂを内方に
付勢している。また前記横桟１５，１５下面に
は、レバー１８ａ，１８ｂの内側からコ字状溝１
９内に侵入する規制片２３が設けられ、前記発条
２２，２２によつて内方付勢されたレバー１８
ａ，１８ｂを略垂直状態に保持する。

前記昇降体１３の基端部の装着間隙１６内に
は、二枚の駆動スプロケツト２４ａ，２４ｂが軸
２５により枢支され、該軸２５を一方の横桟１５
から外に突出し、その軸端に下方へ垂下する傾動
杆２６が固結される。

さらに、前記右側のレバー１８ａの少し内寄
に、装着間隙１６内において前記駆動スプロケツ
ト２４ａと左右で一致する位置に遊転スプロケツ
ト２７が枢支される。前記駆動スプロケツト２４
ａと遊転スプロケツト２７には有端チエーン２８
ａが掛渡され、図中右端を駆動スプロケツト２４
ａに固定し、その左端を遊転スプロケツト２７に
上方から掛けて後、前記レバー１８ａの連結板２
１に固定するようにしている。また前記駆動スプ
ロケツト２４ｂには同じく有端チエーン２８ｂが
掛渡され、その右端を駆動スプロケツト２４ｂに
固定し、その左端をレバー１８ｂの連結板２１に
固定するようにしている。

而て、前記傾動杆２６を軸２５を中心に時計方
向に傾動すると、駆動スプロケツト２４ａ，２４
ｂが等角度回転して、有端チエーン２８ａ，２８
ｂが基端側に走行し、レバー１８ａ，１８ｂの連
結板２１，２１は、発条２２，２２に抗して夫々
回動し、レバー１８ａ，１８ｂの係止片２０，２
０が第５図鎖線のように外方に傾斜することとな
る。

前記昇降体１３の下降位置にある前記傾動杆２
６の後部には、エアーシリンダ３０が前記門形枠
２に左右方向位置で設けられている。そのシリン
ダーロツドには押圧片３１が固着されていて、該
エアーシリンダ３０のエアー供給方向切換えによ
つて、押圧片３１が前進し、前記傾動杆２６の下
端を時計方向に押圧し得るようになつている。

３３は、被処理物ｘを吊持するハンガーであつ
て、その下方に垂下した挟着桟３４により前記被
処理物ｘを挟持している。前記ハンガー３３の左
右端には、上下方向に突出する縁片３５，３５が
設けられ、該縁片３５，３５の略中間部の外側面
には前記係止片２０が嵌入可能な嵌合溝３６が形
成されている。前記ハンガー３３の厚さは、前記
レバー１８ａ，１８ｂのコ字状溝１９の内巾以内
とし、かつ前記ハンガー３３の巾は、略垂直状態
にあるレバー１８ａ，１８ｂの両溝１９，１９内
面の離間巾以内とする。

前記実施例のキヤリアー１の作動を説明する。

前記ハンガー３３は、所定の処理液槽ｙ上に設
けられたＶ形乗載片４０に、前記縁片３５，３５
の下端を支持されて、被処理物ｘを処理液槽ｙ内
に浸漬する位置に保持されている。このハンガー
３３を次槽に移送する場合は、前記キヤリアー１
の昇降体１３を下降位置にし、前記ハンガー３３
の直前で、押圧片３１の伸出により、第５図鎖線
に示すように傾動杆２６を傾動して、レバー１８
ａ，１８ｂを傾斜し、その係止片２０を夫々外方
位置に保持した解除位置とする。この解除位置を
保持したまま、キヤリアー１を移動し、前記昇降
体１３がハンガー３３の直上となるようにし、前
記押圧片３１の伸出を解除する。このため、前記
レバー１８ａ，１８ｂは、発条２２によつて、直
立方向に付勢されているから該直立位置に復動
し、この復動により、前記係止片２０はハンガー
３３の嵌合溝３６に嵌入した係合位置となる。而
て、ハンガー３３は昇降体１３に連結され、サー
ボモータ１１の駆動により無端ベルト９を走行さ
せ、前記昇降体１３を上昇すると、前記ハンガー
３３はこれに追動する。その上昇位置でキヤリア
ー１を走行モータ３の駆動により案内レール５，
５に沿つて移動し、次槽ｙの直上に昇降体１３を
位置させ、再び前記サーボモータ１１を駆動し
て、昇降体１３を下降し、ハンガー３３の縁片３
５，３５下端が乗載片４０に支持される位置に停
止する。該停止位置で前記エアーシリンダ３０の
エアー供給方向を換えて再び押圧片３１を伸出し
て傾動杆２６を押圧するとレバー１８ａ，１８ｂ
が開放されて、係止片２０と、嵌合溝３６の係合
が解除される。かかる係合解除により昇降体１３
とハンガー３３の連結が解かれ、昇降体１３を上
昇すると、前記ハンガー３３は処理液槽ｙ上に支
持される。このあとハンガー３３は乗載片４０か
ら、メツキ処理等の場合においては給電され、被
処理物ｘが陰極となつて表面処理が施される。

前記実施例において、エアーシリンダ３０を昇
降体１３に取付けて、どの位置においてもレバー
１８ａ，１８ｂの開放作動を行い得るようにして
もよい。

また、前記ハンガー３３の縁片３５，３５上端
に第６図のように円弧案内５０を形成し、昇降体
１３のハンガー３３直上からの下降に伴い係止片
２０を前記円弧案内５０に当接し、その案内作用
により発条２２に抗してレバー１８ａ，１８ｂを
開放方向に傾動するようにすれば、前記したよう
に、昇降体１３をハンガー３３の直前位置で、あ
らかじめレバー１８ａ，１８ｂを開放する等に作
動を省略できる。

本考案は前記の説明によつて明らかにしたよう
に、ハンガー３３の上部両側面に、一対の嵌合溝
３６，３６を設け、キヤリアー１に昇降可能に設
けられて液槽上に水平突出する昇降体１３に、下
端に係止片２０を有する左右一対のレバー１８
ａ，１８ｂを軸１７の周りを傾動可能に垂設し、
ハンガー３３を移送する際には前記係止片２０，
２０を前記嵌合溝３６，３６に嵌入するようにし
たから、移送時において、キヤリアー１の走行中
に生じる振動や横揺れに対して、ハンガー３３を
脱落することなく確実に保持でき、このためキヤ
リアー１を可及的に高速走行させることができ、
被処理物ｘの処理を迅速かつ安全に施し得る等の
優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来装置の概要正面図、第２〜６図は
本考案の実施例を示し、第２図は一部切欠正面
図、第３図は同側面図、第４図は昇降体１３の平
面図、第５図は同一部切欠正面図、第６図は円弧
案内５０を示すハンガー３３の一部の正面図であ
る。 １；キヤリアー、９；無端ベルト、１１；サー
ボモータ、１８ａ，１８ｂ；レバー、２０；係止
片、２２；発条、２４；駆動スプロケツト、２
６；傾動杆、３０；エアーシリンダ、３１；押圧
片、３３；ハンガー、３６；嵌合溝。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 被処理物を吊持するハンガーの上部両側面
   に、一対の嵌合溝を設け、処理液槽に沿つて移
   動するキヤリアーに昇降可能に付設されて液槽
   上に水平突出する昇降体に、下端に係止片を有
   する左右一対のレバーを軸の周りに傾動可能に
   垂設するとともに、前記係止片を前記嵌合溝に
   嵌入する係合位置と、該嵌合溝の側方に退避す
   る解除位置とに保持する傾動装置を備えたこと
   を特徴とする表面処理装置におけるハンガーの
   保持装置。 ２ 前記傾動装置を、レバーの係止片を係合位置
   に付勢する発条と、傾動杆の傾動操作により回
   動する駆動スプロケツトと、端部を前記レバー
   に固定した前記スプロケツトに掛け渡されるチ
   エーンと、ハンガーの下降位置で前記傾動杆の
   端部を押圧し、その押圧操作により前記スプロ
   ケツトを回動してチエーンを走行させ、レバー
   の係止片を前記発条に抗して解除位置に移動さ
   せるエアーシリンダー等の押圧装置とで構成し
   たことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第
   １）項記載の表面処理装置におけるハンガーの
   保持装置。