JPH0449183Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、材料を投入したバレルをメツキ槽内
で回転又は所定角度正逆に反転させて材料にメツ
キを施こす電気メツキ装置において、バレル内の
材料のメツキが完了した時に、該バレルをメツキ
液槽から取出すための装置に関するものである。

「従来の技術と問題点」 バレル内の材料のメツキが完了した時は、材料
をバレルから受け器に排出して、該バレルに新た
な材料を投入するため、バレルをメツキ槽から取
出す必要がある。従来はメツキ槽の側部に支柱を
立設し、該支柱に設けた巻上機等によりバレルを
巻上げ、巻上げたバレルを人手により側方の受け
器まで運んでバレル内の材料を前記受け器に投入
していたが、材料の入つたバレルは相当の重量が
あつて、これを受け器まで運ぶのには腕力を要
し、また、巻上げたバレルにはメツキ液が付着し
ていて扱いにくく、メツキ液が被服などに付着す
る等の問題があつた。

本考案の目的は、前述のような欠点を解消した
バレル取出し装置を提供することにある。

「問題点を解決するための手段」 本考案は前述の目的を達成するため、メツキ槽
の一側方に立設したガイド支柱に沿つて昇降する
昇降ベースを設け、該昇降ベースに、前記メツキ
槽内の上方においてバレルの回転軸心と交差して
該メツキ槽の他の側方へ伸びる一対のレールを水
平に固定し、このレールに沿つて走行する走行ベ
ースを設け、前記バレルに該バレルをメツキ槽の
内底面より浮上した状態で支持する支持フレーム
を設け、前記走行ベースへ前記昇降ベースの昇降
時に前記支持フレームを支える支持具を設けたも
のである。

「作用」 バレル内の材料のメツキが完了すると、昇降ベ
ースを上昇させた後、走行ベースをレールに沿つ
てメツキ槽の側部まで走行させてバレルを移動
し、該バレルを走行ベースに支持させた状態で材
料を適当な受け器に排出し、新たな材料を投入し
た後走行ベースをメツキ槽の上方に走行させ、昇
降ベースを下降させてバレルをメツキ槽内にセツ
トすることができる。

「実施例」 以下図面を参照して本考案の好適な実施例を説
明する。

平らな設置ベースａ上にメツキ液を溜めたメツ
キ槽１を設置し、メツキ槽１の一側方へガイド支
柱２を立設するとともに、この角筒状のガイド支
柱２に沿つて昇降する昇降ベース３を設け、この
昇降ベース３には、メツキ槽１の上方において、
メツキ槽１内のバレル５の回転軸心と交差してメ
ツキ槽１の他の側方へ伸びる状態に一対のレール
４，４を水平に固定し、レール４，４に沿つて走
行するトロツコ状の走行ベース６を設けている。

前記バレル５には、該バレル５をメツキ槽１の
内底面より浮上した状態に支持する支持フレーム
７，７を両側端部に設け、前記走行ベース６に
は、昇降ベース３の昇降時に前記支持フレーム
７，７を介して前記バレル５を支える支持具８，
８，８，８を設けている。

この実施例において、昇降ベース３は、メツキ
槽１側より見てガイド支柱２の両側壁と平行な一
対の基板３１，３１と、該基板３１，３１間に図
示しない軸で取付けられていて、ガイド支柱２の
前後の面へ振れない状態に転接した二対のローラ
ー３０，３０，３０，３０とにより構成され、巻
上げ機よりなる駆動機構９により、第１図実線の
位置を下限とし、第１図二点鎖線の位置を上限と
して昇降する。基板３１，３１相互は、前記各ロ
ーラー３０の取付けによる連結のほか、ピン３２
及び他の数本のピン３３で連結されている。

駆動機構９を形成する巻上げ機は、先端が昇降
ベース３及び走行ベース６に連結されたそれぞれ
のチエーン９１，９２、ガイド支柱２の上端部に
固定されたアタツチメント９３の基端部側に軸着
した同径同歯数の一対のチエーンホイール９４，
９５、アタツチメント９３の先端部に軸着したチ
エーンホイール９６、ホイール９４，９５を巻上
げ駆動するモーター９７、及び各チエーン９１，
９２の後端に取付けた重量バランス９８により構
成しており、チエーン９１はチエーンホイール９
４により、また、チエーン９２はチエーンホイー
ル９６を介してチエーンホイール９５によりそれ
ぞれ巻上げ又は巻下げられる。

前記駆動機構９において、チエーン９１の先端
は昇降ベース３の基板３１，３１を連結するピン
３２に連結され、チエーン９２の先端はレール
４，４相互を連結するピン４２に連結されてい
る。

レール４，４は昇降ベース３における両側の基
板３１，３１の側面へ水平に固定されており、上
下の面に車輪溝４１（第３図）を形成し、両端部
に車輪脱出防止のため図示しないストツパーを有
する。

メツキ用のバレル５は多角筒状であつて、周壁
に図示しない無数の小孔を形成しており、両端に
端板５２を有する。端板５２にはカソードを兼ね
る回転軸５１が取付けられ、この回転軸５１の両
端を両側の支持フレーム７へ回転自在に軸承して
バレル５を浮上した状態に支持させている。

支持フレーム７，７は、上端部分に相互を連結
する水平な二本のバー７１，７１を有し、このバ
ー７１，７１の両端部分へ上方に立ち上がるよう
にブラケツト７２，７２を固定し、このブラケツ
ト７２，７２の対向面には逆溝状の一対の支承部
７３，７３をそれぞれ有する。

支持フレーム７，７には、相対する面の反対側
に水平な一対の載架バー７４，７４が張出され、
この両側の各載架バー７４，７４をメツキ槽１の
上縁に設けた各支承片１１にそれぞれ支承してい
る。

バレル５の一方の端板５２は第２図のようにギ
ヤになつており、メツキ槽１の近傍に設けた駆動
ギヤ１ａにより、支持フレーム７，７へ前記載架
バー７４と同レベルに軸承した伝動軸１ｂの端部
の伝動ギヤ１ｃ、伝動軸１ｂに固定した他の伝動
ギヤ１ｄ、一方の支持フレーム７に回転自在に取
付けた伝動ギヤ１ｅを介して、バレル５を回転さ
せ又は所定角度正逆に反転させる。

走行ベース６は、レール４，４の側部に平行す
る一対の側枠６１，６１、側枠６１相互の前端部
を連結するバー６２、各側枠６１の外側面へ一定
の間隔で固定したブラケツト６３，６３，６３，
６３、及び、レール４の上下の車輪溝４１に案内
される状態で各ブラケツト６３の上下部分に取付
けたそれぞれのローラー６０，６０とから構成さ
れ、各ローラー６０によりレール４に沿つて走行
する。各ローラー６０がベヤリングで構成され、
転がりすぎる場合は、いずれかのローラー６０に
適当な手段で制動を加える。

走行ベース６の先端部分の両側下方には、垂下
状の各取付板６４を介して側方へ水平に棒状の支
持具８，８が平行に取付けられ、昇降ベース３が
第１図実線の状態から上昇すると、それに伴なつ
て各支持具８が支持フレーム７のそれぞれの支承
部７３を下方より支え、支持フレーム７，７を介
してバレル５を上昇させる。

前記取出装置は以下のとおり作動する。

バレル５の開口部５３を開けて材料を投入し、
開口部５３を閉めて図示しない制御部のタイマー
を所定時間にセットして、バレル５をメツキ槽１
内で所定時間回転させる。所定時間経過するとタ
イマーが作動し、駆動機構９が作動して昇降ベー
ス３がガイド支柱２に沿つて上昇し、図示しない
リミツトスイツチにより第１図二点鎖線の位置で
停止する。この時、バレル５は走行体６に支持さ
れて同時に上昇する。

この状態で走行ベース６をレール４，４の先端
方向へ押して走行させ、バレル５をメツキ槽１の
側方に設置してある受けホツパー等の受け器１０
の上方に到達させる。

次に、バレル５の開口部を開け、バレル５をそ
の開口部が下方に向くまで回転させてメツキ済み
材料を受け器１０に全部排出し、バレル５を上向
きにして新たな材料を投入して開口部を閉め、走
行ベース６をメツキ槽１の上方に走行させる。

走行ベース６を走行させて、バレル５がメツキ
槽１の中央部上方に達すると、図示しないリミツ
トスイツチが作動して昇降ベース３が駆動機構９
により下降し、各載架バー７４がそれぞれ対応す
る支承片１１に支持された後、図示しないリミツ
トスイツチが作動して昇降ベース３が第１図実線
の位置で停止する。その後再度タイマーをセツト
してバレル５を回転させる。

本考案に係る装置において、昇降ベース３は巻
上げ機からなる駆動機構９で昇降させるようにし
ているが、ガイド支柱２を例えばラツク状に構成
し、ローラー３０をピニオンに代えて該ピニオン
をモーター等で回転させるようにしても実施する
ことができる。

また、走行ベース６は前述のローラー６０に代
えて、摺動によりレール４に沿つて走行するよう
に構成しても実施することができる。

「考案の効果」 本考案に係るバレルの取出装置は、実用新案登
録請求の範囲に記載した構成により、メツキ槽上
に上昇させたバレルを、メツキ槽の側方へ取り出
す場合大きな腕力を要せず、簡単に取り出すこと
ができ、しかもバレルのメツキ液が作業員の衣服
などに付着することが極めて少なく、内部のメツ
キ材料の取り換えを手軽に行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る装置の一例を示す側断面
図、第２図は第１図の矢印Ａ−Ａにおける一部省
略拡大断面図、第３図は第２図の矢印Ｂ−Ｂにお
ける一部省略拡大断面図である。 図中主要符号の説明、１はメツキ槽、２はガイ
ド支柱、３は昇降ベース、３０はローラー、３１
は昇降ベースの基板、４はレール、５はバレル、
５１はバレルの回転軸、５２はバレルの端板、６
は走行ベース、６０はローラー、６１は側枠、６
２はバー、６３はブラケツト、６４は取付板、７
は支持フレーム、７２はブラケツト、７３は支承
部、７４は載架バー、８は支持具、１ａは駆動ギ
ヤ、１ｂは伝動軸、１ｃ，１ｄ，１ｅは伝動ギ
ヤ、１１は支承片である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) メツキ槽の一側方に立設したガイド支柱に沿
   つて昇降する昇降ベースを設け、該昇降ベース
   に、前記メツキ槽内の上方においてバレルの回
   転軸心と交差して該メツキ槽の他の側方へ伸び
   る一対のレールを水平に固定し、このレールに
   沿つて走行する走行ベースを設け、前記バレル
   に該バレルをメツキ槽の内底面より浮上した状
   態で支持する支持フレームを設け、前記走行ベ
   ースへ前記昇降ベースの昇降時に前記支持フレ
   ームを支える支持具を設けたことを特徴とす
   る、メツキ槽におけるバレルの取出装置。 (2) 昇降ベースを昇降させる駆動機構が巻上げ機
   である、実用新案登録請求の範囲第１項に記載
   のメツキ槽におけるバレルの取出装置。 (3) 一対のレールが相互に固定され、巻上げ機
   が、昇降ベースと一対のレールとに先端を連結
   したそれぞれのチエーンと、各チエーンを巻上
   げ駆動させる同サイズのチエーンホイールから
   なり、各チエーンの後端に重量バランスを取付
   けた、実用新案登録請求の範囲第２項に記載の
   メツキ槽におけるバレルの取出装置。