JPH0631355U - 直流電動機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 軸受２を介してブラケット３に回転自在に支
承した回転軸１と、前記軸受２のかたわらにおいて回転
軸１に固定された整流子４と、前記ブラケット３に刷子
ホルダ６を介して摺動可能に取付けられ、前記整流子４
に接触する刷子５と、前記軸受２と整流子４間において
前記ブラケット３の内周面に細隙を介して対向するよう
に前記回転軸１に嵌合固定された保護円板７とからなる
直流電動機において、前記保護円板７に放射状の羽根１
２を設けたもの。 【効果】 軸受内に摩耗粉が侵入することを防ぐことが
でき、軸受の寿命をのばすことができる。また、摩耗粉
を電動機内部にほぼ均一に分散させることができるの
で、刷子とブラケットとの電気的な絶縁を良好に保つこ
とができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、刷子を有し、かつ刷子の摩耗粉が軸受に侵入しないようにした直流 電動機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、直流電動機は図３に示すようになっている。 図において、１は回転軸で、軸受２を介してブラケット３に回転自在に支承さ れている。４は整流子で、前記軸受２のかたわらにおいて前記回転軸１に固定さ れている。５は刷子で、前記ブラケット３に刷子ホルダ６を介して摺動自在に取 付けられ、前記整流子４に接触している。７は保護円板で、前記軸受２と整流子 ４の間において前記回転軸１に嵌合固定されており、外周部が前記ブラケット３ の内周面に細隙を介して対向している。８が回転子鉄心で、巻線９を装着すると ともに、前記回転軸１に嵌合固定している。１０はフレームで、前記ブラケット ３に嵌合固定するとともに、内周面に永久磁石１１を取り付けている。 電動機の駆動により、回転する整流子４と接触する刷子５からは摩耗粉が発生 する。この摩耗粉が軸受２の中に侵入すると、軸受２が損傷する。そのため、ブ ラケット３の内周面と細隙を介して対向している保護円板７を回転軸１とともに 回転させて摩耗粉が軸受２の方へ行かないようにしている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが従来技術では、つぎのような問題があった。 （１）保護円板７は回転するのみであるため、保護円板７に接触した摩耗粉には ね飛ばすことができるが、保護円板７に接触しない摩耗粉ははね飛ばすことはで きず、したがって矢印で示すように、摩耗粉が保護円板７とブラケット３との細 隙から軸受２の方へ侵入し、軸受の寿命に悪影響を与える。 （２）摩耗粉が一定の場所に留まるため、刷子ホルダ６とブラケット３との間に 留まった場合には、刷子とブラケット間の電気的絶縁が不良になりやすい。 そこで本考案は、摩耗粉の軸受への侵入を防ぐことができ、かつ刷子とブラケ ット間の電気的な絶縁を良好に保つことができる直流電動機を提供することを目 的とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するため、本考案は軸受を介してブラケットに回転自在に支承 した回転軸と、前記軸受のかたわらにおいて回転軸に固定された整流子と、前記 ブラケットに刷子ホルダを介して摺動可能に取付けられ、前記整流子に接触する 刷子と、前記軸受と整流子間において前記ブラケットの内周面に細隙を介して対 向するように前記回転軸に嵌合固定された保護円板とからなる刷子摩耗侵入防止 装置において、前記保護円板に放射状の羽根を設けるようにしたものである。

【０００５】

【作用】

上記手段により、回転する保護円板が羽根によって空気流を発生するので、摩 耗粉がブラケットの内周面と保護円板との間の細隙間に入ろうとしても吹きとば されて入ることができない。また、摩耗粉はこの空気流により、電動機の内部に ほぼ均一に分散させられるので一定の場所に留まりにくくなる。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案の第１の実施例を図１に基づいて説明する。 図１は、本考案の要部である保護円板を示す側断面図で、図２は図１における Ａ−Ａ線に沿う断面図である。 直流電動機の全体構成は、図３の従来例とほぼ同様であるが、保護円板７に放 射状の羽根１２を設けている。羽根１２はたとえば保護円板７の反軸受側の面お よび外周面に設けている。 このような構成において、直流電動機の駆動により羽根１２有する保護円板７ が回転し、これにより直流電動機の内部には空気流が発生する。 この空気流により、刷子５と整流４との摩擦により発生した摩耗粉は、ブラケ ット３と保護円板７との間の細隙内に入ろうとしても吹きとばされてしまうので 入ることができない。 また摩耗粉は、空気流により固定子鉄心８側の空気内にも運ばれ、電動機内部 にほぼ均一に分散させられるので一定場所に留まることがない。したがって、ブ ラケット３とブラシホルダ６との間に多量に留まって刷子５とブラケット３との 電気的絶縁が不良になることはない。 なお、空気流はブラケット３と整流子４に接触するので、これらから熱をうば い温度の低い部材たとえばフレーム１０等に熱を伝達し、モータ外部に熱放散さ せるようにする。これによりブラケット３と整流子４の冷却を助長することがで きる。

【０００７】

【考案の効果】

以上述べたように、本考案によれば保護円板７に設けた羽根１２で電動機内部 に空気流を起こすことができるので、つぎのような効果がある。 （１）軸受２内に摩耗粉が侵入することを防ぐことができ、軸受２の寿命をのば すことができる。 （２）摩耗粉を電動機内部にほぼ均一に分散させることができるので、刷子５と ブラケット３との電気的な絶縁を良好に保つことができる。 （３）ブラケット３と整流子４の熱を温度の低い部分に熱伝達するので両者の冷 却を助長することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す保護円板まわりの側断面
図である。

【図２】図１におけるＡ−Ａ線に沿う断面図である。

【図３】従来の直流電動機の要部を示す側断面図であ
る。

【符号の説明】

１ 回転軸 ２ 軸受 ３ ブラケット ４ 整流子 ５ 刷子 ６ 刷子ホルダ ７ 保護円板 ８ 回転子鉄心 ９ 巻線 １０ フレーム １１ 永久磁石 １２ 羽根

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 軸受を介してブラケットに回転自在に支
   承した回転軸と、前記軸受のかたわらにおいて回転軸に
   固定された整流子と、前記ブラケットに刷子ホルダを介
   して摺動可能に取付けられ、前記整流子に接触する刷子
   と、前記軸受と整流子間において前記ブラケットの内周
   面に細隙を介して対向するように前記回転軸に嵌合固定
   された保護円板とからなる直流電動機において、前記保
   護円板に放射状の羽根を設けたことを特徴とする直流電
   動機。