JPH06313017A - 抗菌性樹脂および抗菌性樹脂組成物 - Google Patents

抗菌性樹脂および抗菌性樹脂組成物

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JPH06313017A
JPH06313017A JP5124825A JP12482593A JPH06313017A JP H06313017 A JPH06313017 A JP H06313017A JP 5124825 A JP5124825 A JP 5124825A JP 12482593 A JP12482593 A JP 12482593A JP H06313017 A JPH06313017 A JP H06313017A
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JP
Japan
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antibacterial
weight
copolymer
polymerization
vinyl aromatic
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JP5124825A
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English (en)
Inventor
Wataru Kakuno
渉 加耒野
Shinobu Fukumura
忍 福村
Nobuo Kawahashi
信夫 川橋
Yoichi Kamoshita
洋一 鴨志田
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JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 抗菌性、成形外観に優れ、広範囲の用途に使
用し得る抗菌性樹脂、あるいは抗菌性樹脂組成物を提供
する。 【構成】 ゴム状重合体(A)と抗菌剤(B)の存在下
に、ビニル芳香族化合物(C)もしくはビニル芳香族化
合物(C)と他の単量体(D)を重合して得られるグラ
フト共重合体(I)、または該グラフト共重合体(I)
とビニル芳香族化合物(C)もしくはビニル芳香族化合
物(C)と他の単量体(D)を重合して得られる共重合
体(II) を含み、かつゴム状重合体(A)の含有量が5
〜70重量%、抗菌剤(B)の含有量が0.03〜20
重量%である抗菌性樹脂、あるいは該抗菌性樹脂100
重量部に対し、銀系抗菌剤(G)0.01〜30重量部
を配合してなる抗菌性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗菌性および成形外観
に優れた抗菌性樹脂および抗菌性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ABS樹脂などのスチレン系樹脂は、成
形品表面外観、成形加工性や物理的性質、機械的性質に
優れることから、電気・電子分野、OA・家電分野、自
動車分野、便座・台所・風呂場廻りなどのサニタリー分
野、雑貨などの幅広い分野に使用されている。近年、こ
れらに使われている製品において、細菌が発生したり、
例えばエアコン内部に細菌が発生したりして、人体に悪
影響を及ぼすことが問題となっている。細菌などの発生
する商品にも、多くのスチレン系樹脂が使用されてお
り、スチレン系樹脂に抗菌・防カビ性を付与することが
望まれている。このスチレン系樹脂に抗菌性を付与する
方法として、市販の抗菌・防カビ剤を練り込む方法があ
るが、スチレン系樹脂の場合、抗菌性が発現し難いとう
欠点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の課題を背景になされたもので、抗菌性、成形外観に
優れ、広範囲の用途に使用し得る抗菌性樹脂および抗菌
性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、ゴム状重合体
(A)と抗菌剤(B)の存在下に、ビニル芳香族化合物
(C)もしくはビニル芳香族化合物(C)と他の単量体
(D)〔以下、(C)成分、あるいは(C)成分と
(D)成分を、単に「単量体成分」と略記することがあ
る)を重合して得られるグラフト共重合体(I)、また
は該グラフト共重合体(I)とビニル芳香族化合物
(C)もしくはビニル芳香族化合物(C)と他の単量体
(D)を重合して得られる共重合体(II) を含み、かつ
ゴム状重合体(A)の含有量が5〜70重量%、抗菌剤
(B)の含有量が0.03〜20重量%であることを特
徴とする抗菌性樹脂、ならびに上記抗菌性樹脂100重
量部に対し、銀系抗菌剤(G)0.01〜30重量部を
配合したことを特徴とする抗菌性樹脂組成物を提供する
ものである。
【0005】一般に、樹脂に抗菌性を付与する方法とし
て、前述したように、種々の抗菌剤を各種押し出し機を
使用し、混練りする方法がある。しかしながら、この方
法を使用すると、抗菌性に対して速効性はあるが、数回
水洗することにより、抗菌性が小さくなることが知られ
ている。これに対し、本願発明のように、ゴム状重合体
(A)にあらかじめ抗菌剤(B)を膨潤させて単量体成
分を重合することにより、抗菌性の速効性とその効果の
持続を付与することができる。
【0006】本発明のグラフト共重合体(I)に使用さ
れるゴム状重合体(A)としては、例えばポリブタジエ
ン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体
(スチレン含量5〜60重量%が好ましい)、スチレン
−イソプレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン
共重合体、エチレン−α−オレフィン系共重合体、エチ
レン−α−オレフィン−ポリエン共重合体、アクリルゴ
ム、ブタジエン−(メタ)アクリル酸エステル共重合
体、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエンブロック共
重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、水素
化スチレン−ブタジエンブロック共重合体、水素化ブタ
ジエン系重合体、エチレン系アイオノマーなどが挙げら
れる。また、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、
スチレン−イソプレンブロック共重合体には、AB型、
ABA型、テーパー型、ラジアルテレブロック型の構造
を有するものなどが含まれる。さらに、水素化ブタジエ
ン系重合体は、上記ブロック共重合体の水素化物のほか
に、スチレンブロックとスチレン−ブタジエンランダム
共重合体のブロック体の水素化物、ポリブタジエン中の
1,2−ビニル結合含量が20重量%以下のブロック
と、1,2−ビニル結合含量が20重量%を超えるポリ
ブタジエンブロックからなる重合体の水素化物などが含
まれる。これらのゴム状重合体(A)は、1種単独でま
たは2種以上で使用される。
【0007】また、グラフト共重合体(I)に使用され
る抗菌剤(B)としては、アルキレンビスチオシアネー
ト、3−イソチアゾロン系化合物、3−イソチアゾロン
系化合物と金属塩とのコンプレックスおよびチアジアジ
ン系化合物の群から選ばれた少なくとも1種の有機チッ
素イオウ系抗菌剤、有機ブロモニトロ系化合物、有機ブ
ロモシアノ系化合物、有機ブロモ酢酸エステル系化合物
および有機ブロモスルホン系化合物の群から選ばれた少
なくとも1種の有機ブロモ系抗菌剤、S−トリアジン系
化合物、ハロゲン化オキシム系化合物およびアミノアル
コール系化合物の群から選ばれた少なくとも1種の有機
チッ素系抗菌剤、またはグルタルジアルデヒド、などの
有機系抗菌剤が好ましく用いられる。
【0008】上記有機チッ素イオウ系抗菌剤の具体例と
しては、メチレンビスチオシアネート、エチレンビスチ
オシアネートなどのアルキレンビスチオシアネート;5
−クロル−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オ
ン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,
5−ジクロロ−2−n−オクチル−イソチアゾリン−3
−オン、2−n−オクチル−イソチアゾリン−3−オ
ン、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンなどの3
−イソチアゾロン系化合物;クロラミンT、N,N−ジ
メチル−N′−(フルオロジクロルメチルチオ)−N′
−フェニルスルファミドなどのスルホンアミド系化合
物;2−(4−チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾー
ル、2−メルカプトベンゾチアゾールナトリウムなどの
チアゾール系化合物;N−(フルオロジクロロメチルチ
オ)−フタルイミド、3,5−ジメチル−1,3,5−
2H−テトラヒドロチアジアジン−2−チオンおよびジ
チオ−2,2′−ビス(ベンズメチルアミド)などが挙
げられる。これらの化合物のなかで、アルキレンビスチ
オシアネートとしてはメチレンビスチオシアネートを、
3−イソチアゾロン系化合物または3−イソチアゾロン
系化合物と金属塩とのコンプレックスとしては5−クロ
ル−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,
5−ジクロロ−2−n−オクチル−イソチアゾリン−3
−オンまたはこれらの塩化マグネシウムおよび塩化カル
シウムとのコンプレックスを用いるのが顕著な効果が発
揮されるため、好ましい。
【0009】有機ブロム系化合物としては、2−ブロモ
−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、1,1−ジ
ブロモ−1−ニトロ−2−プロパノール、2,2−ジブ
ロモ−2−ニトロ−1−エタノール、1,1−ジブロモ
−1−ニトロ−2−アセトキシエタン、1,1−ジブロ
モ−1−ニトロ−2−アセトキシプロパン、2−ブロモ
−2−ニトロ−1,3−ジアセトキシ−プロパン、トリ
ブロモニトロメタン、β−ブロモ−β−ニトロスチレ
ン、5−ブロモ−5−ニトロ−1,3−ジオキサン、5
−ブロモ−2−メチル−5−ニトロ−1,3−ジオキサ
ンなどの有機ブロモニトロ系化合物;2,2−ジブロモ
−3−ニトリロプロピオンアミド、2−ブロモ−2−ブ
ロモメチル−グルクロニトリルなどの有機ブロモシアノ
系化合物;1,2−ビス−(ブロモアセトキシ)−エタ
ン、1,2−ビス−(ブロモアセトキシ)−プロパン、
1,4−ビス(ブロモアセトキシ)−2−ブテン、1,
2,3−トリスブロモアセトキシプロパン、メチレンビ
スブロモアセテート、ベンジルブロモアセテート、N−
ブロモアセトアミド、2−ブロモアセトアミドなどの有
機ブロモ酢酸エステルまたはアミド類;有機ブロモスル
ホン系化合物としてビストリブロモメチルスルホン;2
−ブロモ−4′−ヒドロキシアセトフェノン、2,5−
ジクロル−4−ブロモフェノール、2,4,6−トリブ
ロモフェノール、α−ブロモシンナムアルデヒドおよび
2−ヒドロキシエチレン−2,3−ジブロモプロピオネ
ートなどが挙げられる。これらの化合物のなかで、有機
ブロモニトリル系化合物として2,2−ジブロモ−2−
ニトロ−1−エタノール、2−ブロモ−2−ニトロ−
1,3−ジアセトキシ−プロパン、β−ブロモ−β−ニ
トロスチレン、有機ブロモシアノ系化合物として2,2
−ジブロモ−3−ニトリロ−プロピオンアミド、有機ブ
ロモ酢酸エステル系化合物として1,4−ビス−(ブロ
モアセトキシ)−2−ブテン、有機ブロモスルホン系化
合物としてビストリブロモメチルスルホンを用いるのが
顕著な効果が発揮されるため好ましい。
【0010】有機系チッ素化合物としては、ヘキサヒド
ロ−1,3,5−トリス−(2−エチレン)−S−トリ
アジン、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリス−(2−ヒ
ドロキシエチル)−S−トリアジンなどのS−トリアジ
ン系化合物、N,4−ジヒドロキシ−α−オキソベンゼ
ンエタンイミドイルクロライド、α−クロロ−o−アセ
トキシベンズアルドキシム、α,4−ジクロロベンズア
ルドキシムなどのハロゲン化オキシム系化合物;ジクロ
ロイソシアネート、ジクロロイソシアヌール酸ナトリウ
ム、トリクロロイソシアヌール酸などの塩素化イソシア
ヌール酸系化合物;塩化デカリニウム、臭化アルキルイ
ソキノリウム、塩化ベンザルコニウムなどの第4級アン
モニウム化合物;2−ベンツイミダゾリルカルバミン酸
メチル、3−ヨード−2−プロパルギルブチルカルバミ
ン酸などのカルバミン酸またはそのエステル;1−〔2
−(2,4−ジクロロフェニル)〕−2′−〔2,4−
ジクロロフェニル)メトキシ〕エチル−3−(2−フェ
ニルエチル)−1H−イミダゾリウムクロライド、1−
〔2−(2,4−ジクロロフェニル)−2−(2−プロ
ペニルオキシ)エチル〕−1H−イミダゾールなどのイ
ミダゾール系化合物;2−(2−フリル)−3−(5−
ニトロ−2−フリル)−アクリル酸アミド、2−クロル
アセトアミドなどのアミド系化合物;N−(2−ヒドロ
キシプロピル)−アミノメタノール、2−(ヒドロキシ
メチルアミノ)エタノールなどのアミノアルコール系化
合物;2−ピリジンチオールナトリウムオキシド、2,
4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル、5−ク
ロロ−2,4,6−トリフルオロイソフタロニトリル、
5−クロロ−2,4−ジフルオロ−6−メトキシイソフ
タロニトリル、N−(2−メチル−1−ナフチル)マレ
イミドおよびポリ〔オキシエチレン(ジメチルイミノ)
エチレン(ジメチルイミノ)エチレンジクロライド〕な
ど挙げられる。
【0011】これらの化合物のなかで、S−トリアジン
系化合物としてヘキサヒドロ−1,3,5−トリス−
(2−ヒドロキシエチル)−S−トリアジン、ハロゲン
化オキシム系化合物としてN,4−ジヒドロキシ−α−
オキソベンゼンエタンイミドイルクロライド、アミノア
ルコール系化合物として2−(ヒドロキシメチルアミ
ノ)エタノールを用いるのが、顕著な効果が発揮される
ので好ましい。
【0012】有機イオウ系化合物としては、3,3,
4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1
−ジオキシド、ジチオ−2,2′−ビス−1−ベンズメ
チルアミド、2−ヒドロキシプロピルメタンチオスルホ
ネートおよびエチレンチウラムモノスルフィド、1,2
−ベンツイソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル
−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−
4−イソチアゾリン−3−オン、2−(4−チオシアノ
メチルチオ)ベンツチアゾール、5−クロロ−2−メチ
ル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ
−2−(n−オクチル)−4−イソチアゾリン−3−オ
ン、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メチル−イ
ソチアゾリン−3−オン・塩化マグネシウム、2−メル
カプトベンゾチアゾールナトリウム、2−メチル−4−
イソチアゾリン−3−オンなどのチアゾール化合物など
が挙げられる。
【0013】なお、抗菌剤(B)としては、上記の有機
系抗菌剤のほかに、後記する銀系抗菌剤(G)を使用す
ることができる。これらの抗菌剤(B)は、1種単独で
あるいは2種以上を併用することができる。
【0014】グラフト共重合体(I)に使用されるビニ
ル芳香族化合物(C)としては、スチレン、t−ブチル
スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、
ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチレン、N,
N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ジ
エチル−p−アミノエチルスチレン、ビニルピリジン、
ビニルキシレン、モノクロルスチレン、ジクロルスチレ
ン、モノブロムスチレン、フルオロスチレン、エチルス
チレン、ビニルナフタレンなどが挙げられ、特にスチレ
ン、α−メチルスチレンが好ましい。これらのビニル芳
香族化合物は、1種単独であるいは2種以上混合して用
いられる。
【0015】また、グラフト共重合体(I)に使用され
る他の単量体(D)としては、アクリロニトリル、メタ
クリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物;メチルア
クリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレー
ト、ブチルアクリレート、アミルアクリレート、ヘキシ
ルアクリレート、オクチルアクリレート、2−エチルヘ
キシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ド
デシルアクリレート、オクタデシルアクリレート、フェ
ニルアクリレート、ベンジルアクリレート、メチルメタ
クリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリ
レート、ブチルメタクリレート、アミルメタクリレー
ト、ヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレー
ト、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシ
ルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、オクタデ
シルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジ
ルメタクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステル;無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラ
コン酸などの不飽和酸無水物;アクリル酸、メタクリル
酸などの不飽和酸;マレイミド、N−メチルマレイミ
ド、N−ブチルマレイミド、N−(p−メチルフェニ
ル)マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロ
ヘキシルマレイミドなどのα−またはβ−不飽和ジカル
ボン酸のイミド化合物;グリシジルメタクリレート、ア
リルグリシジルエーテルなどのエポキシ化合物;アクリ
ルアミド、メタクリルアミドなどの不飽和カルボン酸ア
ミド;アクリルアミン、メタクリル酸アミノメチル、メ
タクリル酸アミノエチル、メタクリル酸アミノプロピ
ル、アミノスチレンなどのアミノ基含有不飽和化合物;
3−ヒドロキシ−1−プロペン、4−ヒドロキシ−1−
ブテン、シス−4−ヒドロキシ−2−ブテン、トランス
−4−ヒドロキシ−2−ブテン、3−ヒドロキシ−2−
メチル−1−プロペン、2−ヒドロキシエチルアクリレ
ート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートなどの水酸
基含有不飽和化合物;ビニルオキサゾリンなどのオキサ
ゾリン基含有不飽和化合物などが挙げられる。他の単量
体(D)としては、好ましくはメチルメタクリレート、
アクリロニトリルである。これらの他の単量体は、1種
単独であるいは2種以上併用することができる。
【0016】なお、ビニル芳香族化合物(C)と他の単
量体(D)の使用割合は、(C)成分が好ましくは10
0〜2重量%、さらに好ましくは90〜20重量%、特
に好ましくは70〜40重量%、(D)成分が好ましく
は0〜98重量%、さらに好ましくは10〜80重量
%、特に好ましくは30〜60重量%である。(C)成
分と(D)成分の使用割合が、上記の範囲にあると、耐
衝撃性、剛性のバランスがさらによいものとなる。
【0017】また、グラフト共重合体(I)の製造時に
用いられるゴム状重合体(A)と、(C)成分または
(C)成分と(D)成分からなる単量体成分との使用割
合は、(A)成分が5〜80重量%、好ましくは10〜
75重量%、単量体成分が95〜20重量%、好ましく
は90〜25重量%である。
【0018】本発明のグラフト共重合体(I)の製造方
法としては、例えば懸濁重合、乳化重合などが挙げられ
るが、乳化重合が好ましい。乳化重合の処方としては、
ゴム状重合体(A)のラテックスの存在下に、抗菌剤
(B)を添加し、例えば40〜70℃で1〜2時間攪拌
する方法などで、該ゴム状重合体(A)にしみ込ませた
状態で、一括または連続的に重合開始剤、連鎖移動剤
(分子量調節剤)、乳化剤、水を添加することができ
る。なお、抗菌剤(B)の添加方法は、原体のまま、あ
るいは好ましくは原体を例えばトルエン、n−ヘキサ
ン、カルビトールなどの溶剤で溶解した状態で添加する
のがよい。また、ビニル芳香族化合物(C)、またはビ
ニル芳香族化合物(C)と他の単量体(D)は、反応系
に一括あるいは連続的に添加することができる。
【0019】重合開始剤としては、クメンヒドロパーオ
キサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサ
イド、パラメンタンハイドロパーオキサイドなどで代表
される有機ハイドロパーオキサイド類と含糖ピロリン酸
処方、スルホキシレート処方で代表される還元剤との組
み合わせによるレドックス系、あるいは過硫酸塩、アゾ
ビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイドな
どの過酸化物が使用される。好ましくは、油溶性開始剤
であり、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピ
ルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイ
ドロパーオキサイドと含糖ピロリン酸処方、スルホキシ
レート処方などで代表される還元剤との組み合わせによ
るレドックス系がよい。組み合わせる場合の水溶性開始
剤の開始剤の添加比率は、全添加量の好ましくは50重
量%以下、さらに好ましくは25重量%以下である。さ
らに、重合開始剤は、重合系に一括または連続的に添加
することができる。重合開始剤の使用量は、ビニル芳香
族化合物(C)またはビニル芳香族化合物(C)と他の
単量体(D)に対し、通常、0.05〜2.0重量%、
好ましくは0.2〜0.7重量%である。
【0020】また、連鎖移動剤としては、オクチルメル
カプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメ
ルカプタン、n−ヘキサデシルメルカプタン、n−テト
ラデシルメルカプタン、t−テトラデシルメルカプタン
などのメルカプタン類、テトラエチルチウラムスルフィ
ド、四塩化炭素、臭化エチレンおよびペンタフェニルエ
タンなどの炭化水素類、またはアクロレイン、メタクロ
レイン、アリルアルコール、2−エチルヘキシルチオグ
リコレート、α−メチルスチレンのダイマーなどが挙げ
られる。これらの連鎖移動剤は、単独でまたは2種以上
組み合わせて使用することができる。連鎖移動剤の使用
方法は、一括添加、分割添加、または連続添加のいずれ
かの方法で差し支えない。連鎖移動剤の使用量は、
(C)成分または(C)成分および(D)成分からなる
単量体成分に対し、通常、0.02〜3.0重量%であ
る。
【0021】乳化剤としては、アニオン性界面活性剤、
ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられ
る。このうち、アニオン性界面活性剤としては、例えば
高級アルコールの硫酸エステル、アルキルベンゼンスル
ホン酸塩、脂肪酸スルホン酸塩、リン酸系などが挙げら
れる。また、ノニオン性界面活性剤としては、通常のポ
リエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキル
エーテル型、アルキルフェニルエーテル型などが用いら
れる。乳化剤の使用量は、単量体成分に対し、0.3〜
5.0重量%程度である。
【0022】本発明におけるグラフト共重合体(I)
は、(A)+(B)+(C)成分、あるいは(A)+
(B)+(C)+(D)成分100重量部に対し、80
〜200重量部の重合水、および重合温度5〜90℃の
条件下で重合することによって得られる。重合水が80
重量部未満では、重合安定性が著しく劣り、一方200
重量部を超えると、生産性が低下する。また、重合温度
が5℃未満では、重合速度が遅く、生産性が悪く、一方
90℃を超えると、重合安定性が悪い。上記重合条件の
範囲であれば、好ましいグラフト共重合体(I)を得る
ことができる。重合後のグラフト共重合体(I)は、凝
固、洗浄、脱溶などの回収工程を経て乾燥後、粉体また
は粒体とする。
【0023】なお、 本発明のグラフト共重合体(I)
中のメチルエチルケトン可溶分の固有粘度(メチルエチ
ルケトンを溶媒として30℃で測定)は、0.1〜0.
8dl/gが好ましい。この固有粘度が0.1dl/g
未満では耐衝撃性が劣り、一方0.8dl/gを超える
と剛性が劣る。この固有粘度は、連鎖移動剤、重合時
間、重合温度などによって制御することができる。
【0024】また、グラフト共重合体(I)のグラフト
率は、通常、5〜180重量%であり、5重量%未満、
または180重量%を超えると、耐衝撃性が低くなる傾
向にあり好ましくない。ここで、グラフト率とは、グラ
フト共重合体のゴム量に対し、ゴム状重合体に直接グラ
フト結合している共重合体成分の割合をいう。このグラ
フト率は、重合開始剤量、重合温度などによって制御す
ることができる。このグラフト率の具体的な求め方は、
まず本発明のグラフト共重合体(I)2gを室温のメチ
ルエチルケトンに投入し、充分攪拌し、不溶解分(w)
を求める。一方、不溶解分(w)中のゴム状重合体量
は、重合処方をもとに算出することができる。この算出
されたゴム状重合体量をRとし、次式よりグラフト率を
求める。 グラフト率(重量%)=〔(w−R)/R〕×100
【0025】次に、共重合体(II) は、ビニル芳香族化
合物(C)またはビニル芳香族化合物(C)と他の単量
体(D)を重合することによって得られる共重合体であ
り、好ましくはビニル芳香族化合物(C)と(メタ)ア
クリル酸アルキルエステル(E)および/またはビニル
シアン化合物(F)を重合することによって得られるも
のである。共重合体(II) としては、例えばポリスチレ
ン、ポリクロルスチレン、ポリα−メチルスチレン、ス
チレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−メタク
リル酸メチル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重
合体、スチレン−α−メチルスチレン共重合体、スチレ
ン−α−メチルスチレン−メタクリル酸メチル共重合
体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリロニトリル
−メタクリル酸メチル共重合体など、およびこれらのゴ
ム変性物が挙げられる。
【0026】共重合体(II) において、ビニル芳香族化
合物(C)の使用量は、該共重合体中に98〜5重量
%、好ましくは、70〜40重量%であり、この範囲で
あれば、耐衝撃性、剛性のバランスがさらに優れたもの
となる。また、(メタ)アクリル酸アルキルエステル
(E)の使用量は、共重合体(II) 中に、1〜50重量
%、好ましくは10〜20重量%であり、この範囲であ
れば、耐衝撃性と剛性のバランスがさらによい。さら
に、ビニルシアン化合物(F)の使用量は、共重合体
(II) 中に1〜45重量%、好ましくは10〜40重量
%であり、この範囲にあれば、耐衝撃性と剛性のバラン
スがさらによい。
【0027】共重合体(II) の製造方法は、通常、よく
知られた重合方法でよい。すなわち、乳化重合、溶液重
合、懸濁重合、バルク重合が用いられ、好ましくは乳化
重合、溶液重合、さらに好ましくは乳化重合である。共
重合体(II) を得るための具体的な重合方法は、ゴム状
重合体(A)を用いない以外は、上記グラフト共重合体
(I)の製造に準じて行えばよい。また、共重合体(I
I) は、グラフト共重合体(I)の製造の際に、ゴム状
重合体(A)にグラフトされていない、マトリックス成
分である(C)成分あるいは(C)成分と(D)成分か
らなる共重合体も包含される。重合後の共重合体(II)
は、凝固、洗浄、脱溶などの回収工程を経て乾燥後、粉
体または粒体とする。
【0028】なお、本発明の共重合体(II) の固有粘度
(メチルエチルケトンを溶媒として30℃で測定)は、
0.2〜1.5dl/gが好ましい。この固有粘度が
0.2dl/g未満では耐衝撃性が劣り、一方1・5d
l/gを超えると加工性が劣る。この固有粘度は、連鎖
移動剤、重合時間、重合温度などによって制御すること
ができる。
【0029】本発明の抗菌性樹脂は、上記グラフト共重
合体(I)、または該グラフト共重合体(I)と共重合
体(II) を含み、該抗菌性樹脂中に含まれるゴム状重合
体(A)の含有量は、5〜70重量%、好ましくは5〜
50重量%、さらに好ましくは5〜40重量%である。
5重量%未満では耐衝撃性が劣り、一方70重量%を超
えると、剛性が劣る。
【0030】また、本発明の抗菌性樹脂中に含まれる抗
菌剤(B)の含有量は、0.03〜20重量%、好まし
くは0.03〜10重量%、さらに好ましくは0.3〜
8重量%である。抗菌剤(B)が0.03重量%未満で
は、抗菌性の効果に乏しく、一方20重量%を超える
と、耐衝撃性、成形外観が劣り好ましくない。
【0031】本発明においては、上記抗菌性樹脂に、銀
系抗菌剤(G)を配合し、抗菌性樹脂組成物となせば、
さらに抗菌効果を付与することができる。ここで、使用
される銀系抗菌剤(G)としては、有機系もしくは無機
系の銀化合物、多孔性構造を持った物質(多孔性構造
体)に銀化合物および/または銀錯塩を担持させたも
の、あるいは多孔性構造体に銀をイオン交換で担持させ
たものなどが挙げられる。ここで使用される銀化合物
は、硝酸銀、硫酸銀、乳酸銀、塩素酸銀、フッ化銀、ピ
クリン酸銀、プロティン銀、コロイダル銀、カルボン酸
の銀塩、リン酸もしくは亜リン酸のアルキルエステル、
フェニルエステルもしくはアルキルフェニルエステルの
銀塩などが挙げられる。以上の銀系抗菌剤(G)には、
さらに公知の抗菌剤、例えばベンズイミダゾール系化合
物、有機ヨード系化合物、エーテル系化合物、ハロアル
キル系化合物、ニトリル系化合物、スルホン系化合物な
どを併用することもできる。
【0032】銀系抗菌剤(G)の含有量は、上記抗菌性
樹脂100重量部に対して、0.01〜30重量部、好
ましくは0.1〜20重量部であり、この範囲にある
と、抗菌性、耐衝撃性、剛性のバランスがよい組成物が
得られる。
【0033】なお、本発明の抗菌性樹脂あるいは抗菌性
樹脂組成物には、酸化亜鉛などの亜鉛化合物を、該抗菌
性樹脂あるいは組成物100重量部に対し、好ましくは
0.01〜30重量部、さらに好ましくは0.05〜2
0重量部の範囲で配合すると、抗菌性に加えて防カビ性
を付与することができる。この際、使用する酸化亜鉛な
どの亜鉛化合物は、粒子径の小さいものほどその効果が
大きい。
【0034】なお、本発明の抗菌性樹脂あるいは抗菌性
樹脂組成物には、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、ガ
ラスビーズ、ワラストナイト、ロックフィラー、炭酸カ
ルシウム、タルク、マイカ、ガラスフレーク、カオリ
ン、硫酸バリウム、黒鉛、二硫化モリブデン、酸化マグ
ネシウム、酸化亜鉛ウィスカー、チタン酸カリウムウィ
スカーなどの充填材を1種単独であるいは併用すること
ができる。これらの充填材のうち、ガラス繊維、炭素繊
維の形状としては、6〜60μmの繊維径と30μm以
上の繊維長を有するものが好ましい。これらの充填材
は、本発明の抗菌性樹脂あるいは抗菌性樹脂組成物10
0重量部に対して、通常、5〜150重量部の範囲で用
いられる。
【0035】また、本発明の抗菌性樹脂あるいは抗菌性
樹脂組成物には、公知の難燃剤、酸化防止剤、可塑剤、
着色剤、滑剤、帯電防止剤などの添加物を配合すること
ができる。さらに、本発明の抗菌性樹脂あるいは抗菌性
樹脂組成物には、要求される性能に応じて、他の重合
体、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミ
ド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、
ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、液
晶ポリマー、ポリフッ化ビニリデン、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、ポリアミドエラストマー、ポリエステル
エラストマーなどを適宜配合することができる。
【0036】本発明の抗菌性樹脂および抗菌性樹脂組成
物は、各種押し出し機、バンバリーミキサー、ニーダ
ー、ロールなどを用い、各成分を混練りすることによっ
て得られる。好ましい製造方法は、二軸押し出し機を用
いる方法である。また、各成分を混練りするに際して、
各成分を一括して混練りしてもよく、多段添加方式で混
練りしてもよい。このようにして得られる本発明の抗菌
性樹脂、あるいは抗菌性樹脂組成物は、射出成形、シー
ト押し出し、真空成形、異形成形、発泡成形などによっ
て各種成形品に成形することができる。射出成形で得る
場合、射出速度を高くした方が、抗菌性はよい方向にあ
る。上記成形法によって得られる各種成形品は、その優
れた性質を利用して、便座、加湿器、浄水器、エアコ
ン、雑貨などの各種家電製品、電話機などの各パーツ、
ハウジングなどに使用することができる。
【0037】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。なお、実施例中、部および%は、特に断ら
ない限り重量基準である。また、実施例中の各種評価
は、次のようにして測定した値である。
【0038】耐衝撃性 ASTM D256に従い、厚み1/8″、ノッチ付き
23℃でアイゾット衝撃強度を測定した。剛性 ASTM D790に従い、曲げ弾性率を測定した。成形外観 シリンダー設定温度230℃で平板を成形し、成形品表
面を下記の評価基準で目視評価した。 ○;外観が平滑で良好 △;評価○と評価×の中間 ×;外観に凹凸があり不良抗菌性 細菌として大腸菌を使用し、大腸菌液を5×5cm2
成形体表面に噴霧し、大腸菌に対する抗菌力を測定し
た。
【0039】参考例ゴム状重合体(A)−1〜(A)−3の調製 本発明に用いるゴム状重合体(A)として、表1に示す
ものを用いた。なお、(A)−1〜(A)−2は乳化重
合で、また(A)−3は溶液重合により重合したのち、
再度乳化し、ラテックスを得た。
【0040】
【表1】
【0041】抗菌剤(B)−1〜(B)−3の調製 本発明に用いる抗菌剤(B)として、表2に示すものを
用いた。なお、これらの抗菌剤(B)は、n−ヘキサン
で20%溶液として用いた。
【0042】
【表2】
【0043】銀系抗菌剤(G)の調製 松下アムテック(株)製、アムテクリーンZを原体で使
用した。 実施例1グラフト共重合体(I)の調製 ゴム状重合体(A)−1(固形分換算) 50部 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 3部 脱イオン水 110部 クメンハイドロパーオキサイド 0.05部 ピロリン酸ナトリウム 0.2部 デキストローズ 0.25部 硫酸第1鉄 0.002部 抗菌剤(B)−1(有効成分量) 5部
【0044】以上の成分をフラスコに仕込み、チッ素気
流下で攪拌しながら、50℃に保ち、下記の単量体混合
物を10時間かけて連続的に添加し、さらに50℃で2
時間反応させ重合を終了させた。 スチレン 25部 アクリロニトリル 15部 メチルメタクリレート 5部 n−ドデシルメルカプタン 1.0部 クメンハイドロパーオキサイド 0.2部 得られた共重合体ラテックスの最終重合転化率は、90
%であった。この共重合体ラテックスを、硫酸マグネシ
ウム水溶液で凝固させ、次いで水洗、乾燥して粉末のグ
ラフト共重合体を得た。
【0045】共重合体(II) の調製 スチレン 60部 アクリロニトリル 30部 メチルメタクリレート 10部 トルエン 50部 n−ドデシルメルカプタン 0.3部 以上の成分を、ステンレス製反応器に仕込み、チッ素雰
囲気下で攪拌しつつ、140℃に昇温し、重合反応を行
った。重合後の重合転化率は、80%であった。得られ
た共重合体を、ストリッピング、粉砕、乾燥を行い、共
重合体粉末を得た。
【0046】抗菌性樹脂組成物の製造 上記グラフト共重合体(I) 30部 上記共重合体(II) 70部 上記抗菌剤(G) 5部 以上の成分を、二軸押し出し機を用いて溶融混練りし、
ゴム状重合体(A)15%、抗菌剤(B)1.5%、抗
菌性樹脂に対し銀系抗菌剤(G)5%を含有する抗菌性
樹脂組成物を得た。この抗菌性樹脂組成物の物性を、表
3に示す。
【0047】実施例2〜12、比較例1〜7 ゴム状重合体、抗菌剤、単量体成分、脱イオン水、銀系
抗菌剤などを変更した以外は、実施例1と同様にして、
グラフト共重合体(I)、共重合体(II) 、抗菌性樹
脂、および抗菌性樹脂組成物を得た。結果を表3〜表4
に示す。
【0048】
【表3】
【0049】
【表4】
【0050】表3から明らかなように、実施例1〜12
は、本発明の範囲内であり、耐衝撃性、剛性の物性バラ
ンスが優れ、また抗菌性、成形外観が良好である。
【0051】これに対し、表4から明らかなように、比
較例1は、抗菌性樹脂中の抗菌剤(B)の含有量が本発
明より多すぎる場合であり、耐衝撃性、成形外観が劣
る。比較例2は、抗菌性樹脂中の抗菌剤(B)の含有量
が本発明よりも少なすぎる場合であり、抗菌性が劣る。
比較例3は、抗菌性樹脂中のゴム状重合体(A)の含有
量が本発明より少なすぎる場合であり、耐衝撃性が劣
る。比較例4は、抗菌性樹脂中のゴム状重合体(A)の
含有量が本発明より多すぎる場合であり、剛性が劣る。
比較例5は、抗菌性樹脂組成物中の銀系抗菌剤(G)が
本発明より多すぎる場合であり、成形外観、耐衝撃性が
劣る。比較例6は、実施例4で重合時に使用している抗
菌剤(B)を重合時に使用せずに重合し、重合終了後に
添加したものである。抗菌剤(B)を重合時に使用しな
いため、抗菌性、成形外観、耐衝撃性に劣る。比較例7
は、抗菌剤(B)を重合時に使用せずに重合し、重合終
了後に銀系抗菌剤(G)を添加したものであり、抗菌性
に劣る。
【0052】
【発明の効果】本発明の抗菌性樹脂あるいは抗菌性樹脂
組成物は、抗菌性、耐衝撃性、剛性、成形品表面外観に
優れ、広範囲の用途、例えば便座、加湿器、浄水器、エ
アコンなどに有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 51/04 LKX 7308−4J LKY 7308−4J 55/02 LMC 7308−4J LME 7308−4J (72)発明者 鴨志田 洋一 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム状重合体(A)と抗菌剤(B)の存
    在下に、ビニル芳香族化合物(C)もしくはビニル芳香
    族化合物(C)と他の単量体(D)を重合して得られる
    グラフト共重合体(I)、または該グラフト共重合体
    (I)とビニル芳香族化合物(C)もしくはビニル芳香
    族化合物(C)と他の単量体(D)を重合して得られる
    共重合体(II) を含み、かつゴム状重合体(A)の含有
    量が5〜70重量%、抗菌剤(B)の含有量が0.03
    〜20重量%であることを特徴とする抗菌性樹脂。
  2. 【請求項2】 他の単量体(D)が(メタ)アクリル酸
    アルキルエステル(E)および/またはビニルシアン化
    合物(F)であり、共重合体(II) がビニル芳香族化合
    物(C)と(メタ)アクリル酸アルキルエステル(E)
    および/またはビニルシアン化合物(F)からなる請求
    項1記載の抗菌性樹脂。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の抗菌性樹脂100重量部
    に対し、銀系抗菌剤(G)0.01〜30重量部を配合
    したことを特徴とする抗菌性樹脂組成物。
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