JPWO2004061007A1 - 制菌或は浄化用抗菌性樹脂組成物及び制菌或は浄化方法 - Google Patents
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Abstract
流れ或は、滞留する液体中の細菌や黴などの微生物繁殖を抑制し或は殺菌することで、用途目的に適う或は器物に悪影響をもたらさない液体状態を保持することを、抗菌性ゼオライト或はシリカ系抗菌剤を含む、液体の制菌或は浄化用抗菌性樹脂組成物及びそれによる液体の制菌或は浄化方法により達成できる。これにより液体に存在する菌や黴を安全にかつ長期間にわたり効率的に制菌或は殺菌する事ができる。このような特徴を有する本発明の抗菌性樹脂組成物は、冷却塔(クーリングタワー)、風呂(家庭用、公共用)、給排水設備(高架水槽、貯湯タンク、雨水タンクなど)、家電製品(洗濯機、調理器具など)、浄化槽などの水の浄化、循環、貯水設備(器具)、切削機などに好適に使用できる。
Description
本発明は樹脂に無機粉末抗菌剤等を含有させ、液体と接触させることによって、液体の抗菌、防黴効果を発揮させる為の液体の制菌或は浄化用抗菌性樹脂組成物に関する。
近年、水資源の有効活用を目的として雨水用貯水タンクや地下に貯水施設を建設する事が行われている。これらは工業用水として活用されることが多いが、細菌や黴などの混入・繁殖により工業用水に適さない場合がある。
建築物、建築材料における飲料水の一時貯蔵槽、ポット、コーヒーメーカーや浄水機等の飲料水用電気機具、スチームアイロン、加湿器、洗濯機など水に常時触れたり水を貯める構造物や製品などにおいても、細菌や黴が混入・繁殖することで、飲料用水に適さない場合や細菌や黴などの汚染源になる場合がある。
また、水だけでなく、切削機等常時液体が貯蔵されている器材中に黴が繁殖することで、異臭の発生があったり異物が混入し器材本体そのものに重大な影響をもたらすこともある。
これらの問題に対し、例えば実用新案登録第3073117号公報の要約に記載されているが如く、従来は塩素系殺菌剤または過酸化物または有機系防黴剤などの薬剤を液体に投入したり、オゾンの曝気、濾過膜処理、抗菌成分含有活性炭等による改善方法などで対応されている。
しかし、これらの方法のうち塩素系殺菌剤または過酸化物または有機系防黴剤などの薬剤の使用は人体や関連設備に対し悪影響を及ぼしやすく、また、それらの効果は薬剤そのものの安定性や耐性菌の出現により短時間に薬効が消失してしまい、使用期間も非常に短くなる傾向にある。
オゾンの使用は環境への影響も懸念されると共にオゾン発生装置や濾過膜処理は装置自体が高価なものであったり設備が大きくなるなど設備費用、場所が嵩む場合がある。抗菌成分含有活性炭は抗菌処理能力が劣るなど個々に何らかの欠点がある。
抗菌性ゼオライトを含む液体浄化用抗菌性樹脂組成物そのものは従来から存在し、例えば平成11年(1999年)特許公開第246781号公報の要約及び「0012」段落には、アルカリ金属酸化物またはアルカリ土類金属酸化物を抗菌性ゼオライトに配合することで抗菌性樹脂の成形時に変色し難くなることが開示されている。
また、抗菌性シリカを含む樹脂組成物も従来から存在し、例えば2002年特許公開第179515号公報の特許請求の範囲の請求項4及び請求項5又は「0048」段落には、不定形抗菌性シリカを含む樹脂組成物について開示されている。
また、例えば平成7年(1995年)特許公開第178393号の要約及び「0019」段落には、抗菌性金属イオンを吸着した非晶質リン酸カルシウム粒子からなる多孔質な造粒成型体を保持する容器が上記造粒成型体を水と接触し得るように設けられていることを特徴とする抗菌性フロートについて開示されている。
しかしながら、無機担体として非晶質リン酸カルシウム粒子を用い、抗菌性を有する金属を担持させているのみである。
これら抗菌性ゼオライトや抗菌性シリカである抗菌性溶解性ガラスは、米国EPA、FDAのガイドラインに基づく毒性、環境に対する影響の試験で安全性が確認されており、飲料用水の抗菌、防黴用途に使用でき、工業用においても長期間にわたり使用可能である。また、塩素系殺菌剤または過酸化物または有機系防黴剤などの薬剤を繰り返し長期にわたり投入すると、これら薬剤に対する耐性をもった細菌が生まれる場合があり、再度その時に投入していた薬剤より効果の高い薬剤の投入が必要となってくる。最終的には環境への悪影響を来す可能性が高くなる。
これら予測される問題に対し米国EPA、FDAのガイドラインに基づき検討した結果、抗菌性ゼオライトや抗菌性溶解性ガラスは、耐性菌の発生が無い事より長期間にわたりより安全に使用することができる事を確認している。
これらの従来技術では、塩素系殺菌剤または過酸化物または有機系防黴剤などの薬剤を液体に投入したり、オゾンの曝気、濾過膜処理、抗菌成分含有活性炭等による改善方法等では、流れ或は滞留する液体中の細菌や黴などの微生物繁殖を、器物や人体へ影響することなく充分に抑制できなかった。また液体において、その様な微生物繁殖を抑制する状態を長期間にわたり保持できなかった。
この発明は、上述のような問題を取り除くことを目的とする。
建築物、建築材料における飲料水の一時貯蔵槽、ポット、コーヒーメーカーや浄水機等の飲料水用電気機具、スチームアイロン、加湿器、洗濯機など水に常時触れたり水を貯める構造物や製品などにおいても、細菌や黴が混入・繁殖することで、飲料用水に適さない場合や細菌や黴などの汚染源になる場合がある。
また、水だけでなく、切削機等常時液体が貯蔵されている器材中に黴が繁殖することで、異臭の発生があったり異物が混入し器材本体そのものに重大な影響をもたらすこともある。
これらの問題に対し、例えば実用新案登録第3073117号公報の要約に記載されているが如く、従来は塩素系殺菌剤または過酸化物または有機系防黴剤などの薬剤を液体に投入したり、オゾンの曝気、濾過膜処理、抗菌成分含有活性炭等による改善方法などで対応されている。
しかし、これらの方法のうち塩素系殺菌剤または過酸化物または有機系防黴剤などの薬剤の使用は人体や関連設備に対し悪影響を及ぼしやすく、また、それらの効果は薬剤そのものの安定性や耐性菌の出現により短時間に薬効が消失してしまい、使用期間も非常に短くなる傾向にある。
オゾンの使用は環境への影響も懸念されると共にオゾン発生装置や濾過膜処理は装置自体が高価なものであったり設備が大きくなるなど設備費用、場所が嵩む場合がある。抗菌成分含有活性炭は抗菌処理能力が劣るなど個々に何らかの欠点がある。
抗菌性ゼオライトを含む液体浄化用抗菌性樹脂組成物そのものは従来から存在し、例えば平成11年(1999年)特許公開第246781号公報の要約及び「0012」段落には、アルカリ金属酸化物またはアルカリ土類金属酸化物を抗菌性ゼオライトに配合することで抗菌性樹脂の成形時に変色し難くなることが開示されている。
また、抗菌性シリカを含む樹脂組成物も従来から存在し、例えば2002年特許公開第179515号公報の特許請求の範囲の請求項4及び請求項5又は「0048」段落には、不定形抗菌性シリカを含む樹脂組成物について開示されている。
また、例えば平成7年(1995年)特許公開第178393号の要約及び「0019」段落には、抗菌性金属イオンを吸着した非晶質リン酸カルシウム粒子からなる多孔質な造粒成型体を保持する容器が上記造粒成型体を水と接触し得るように設けられていることを特徴とする抗菌性フロートについて開示されている。
しかしながら、無機担体として非晶質リン酸カルシウム粒子を用い、抗菌性を有する金属を担持させているのみである。
これら抗菌性ゼオライトや抗菌性シリカである抗菌性溶解性ガラスは、米国EPA、FDAのガイドラインに基づく毒性、環境に対する影響の試験で安全性が確認されており、飲料用水の抗菌、防黴用途に使用でき、工業用においても長期間にわたり使用可能である。また、塩素系殺菌剤または過酸化物または有機系防黴剤などの薬剤を繰り返し長期にわたり投入すると、これら薬剤に対する耐性をもった細菌が生まれる場合があり、再度その時に投入していた薬剤より効果の高い薬剤の投入が必要となってくる。最終的には環境への悪影響を来す可能性が高くなる。
これら予測される問題に対し米国EPA、FDAのガイドラインに基づき検討した結果、抗菌性ゼオライトや抗菌性溶解性ガラスは、耐性菌の発生が無い事より長期間にわたりより安全に使用することができる事を確認している。
これらの従来技術では、塩素系殺菌剤または過酸化物または有機系防黴剤などの薬剤を液体に投入したり、オゾンの曝気、濾過膜処理、抗菌成分含有活性炭等による改善方法等では、流れ或は滞留する液体中の細菌や黴などの微生物繁殖を、器物や人体へ影響することなく充分に抑制できなかった。また液体において、その様な微生物繁殖を抑制する状態を長期間にわたり保持できなかった。
この発明は、上述のような問題を取り除くことを目的とする。
本発明は、流水、貯水部分の成形構造部品に使用する流水、滞水部品用液体浄化用抗菌性樹脂組成物に関するものであって、液体中に存在する菌や黴を安全にかつ長期間にわたり効率的に抗菌、防黴する事ができる。さらに、本発明の液体浄化用抗菌性樹脂組成物或いはその成形体により、流水、滞水部品表面のヌメリやスライムなどの発生を抑制する事ができる。
抗菌性ゼオライト又は抗菌性シリカを含む、液体の制菌或は浄化用抗菌性樹脂組成物により達成できる。さらに、それら液体浄化用抗菌性樹脂組成物を成形して成る液体の制菌或は浄化用抗菌性樹脂成型体によっても達成できる。それら成型体は、液体を輸送しうるパイプ状の形態や液体を保持しうる容器状の形態、液体に浮遊または浸漬させる調整ができる成型体を取ることによっても達成できる。
また、抗菌性ゼオライト又は抗菌性シリカを含む液体浄化用抗菌性樹脂組成物によって液体を制菌或は浄化する方法によっても達成できる。
抗菌性ゼオライト又は抗菌性シリカを含む、液体の制菌或は浄化用抗菌性樹脂組成物により達成できる。さらに、それら液体浄化用抗菌性樹脂組成物を成形して成る液体の制菌或は浄化用抗菌性樹脂成型体によっても達成できる。それら成型体は、液体を輸送しうるパイプ状の形態や液体を保持しうる容器状の形態、液体に浮遊または浸漬させる調整ができる成型体を取ることによっても達成できる。
また、抗菌性ゼオライト又は抗菌性シリカを含む液体浄化用抗菌性樹脂組成物によって液体を制菌或は浄化する方法によっても達成できる。
第1図は、この発明にかかる実施例7の抗菌ボールの斜視図である。粒状に記載された個々の部分が抗菌性ペレットであり、熱と圧力で押し固められて隣の樹脂と融着している。粒状の樹脂間には隙間があり、液体の出入りは自由である。縦に入った線は、第2図に示す半球を2つ接合した接合部である。
第2図は、この発明にかかる実施例7の抗菌ボールの半球同士を接合する前の状態をあらわす。中は空洞であり、適宜発泡スチロールを入れて浮力を持たせることができる。
第1図及び第2図に付された符号を以下に説明する。1:抗菌ボール、2:抗菌性ペレット、3:接合部、4:半球(中は空洞)及び5:発泡スチロールを表す。
第2図は、この発明にかかる実施例7の抗菌ボールの半球同士を接合する前の状態をあらわす。中は空洞であり、適宜発泡スチロールを入れて浮力を持たせることができる。
第1図及び第2図に付された符号を以下に説明する。1:抗菌ボール、2:抗菌性ペレット、3:接合部、4:半球(中は空洞)及び5:発泡スチロールを表す。
本願発明は、抗菌性ゼオライト又は抗菌性シリカを樹脂に含有させたにもかかわらず、抗菌性ゼオライト又は抗菌性シリカに含まれる抗菌性を有する金属イオンが液体に作用し、その抗菌性を発揮することを見出し、液体浄化用抗菌性樹脂組成物或いはその成形体としたものである。
本願発明の液体浄化用抗菌性樹脂組成物或いはその成形体は、抗菌性を有する金属イオンを放出するにも係わらず、その樹脂組成物の形状、撥水性、遮水性に変化はなく、例えば容器の形状とした成形体は液体を漏水することなく充分に保持しうるものである。
本発明の液体の制菌或は浄化用抗菌性樹脂組成物は、無機粉末抗菌剤と樹脂とからなる。
本発明に用いられる無機粉末抗菌剤は、抗菌性を有する金属イオン(抗菌性金属イオン)を含有する無機粉末抗菌剤であり、抗菌性金属イオンとして銀、銅、亜鉛、錫等の金属イオンを無機担体に担持した粉末を例示することができる。
無機担体としては結晶性アルミナケイ酸塩、(以下「ゼオライト」という)、無定形アルミナケイ酸塩、(以下「AAS」という)、シリカゲル、活性アルミナ、けいそう土、リン酸ジルコニウム、ヒドロキシアパタイト、酸化マグネシウム、溶解性ガラス、過塩素酸マグネシウムなどを挙げる事ができる。また、アルミナケイ酸塩(ゼオライト及びAAS)単体、溶解性ガラスもしくは非晶質リン酸カルシウム粒子を併用し使用することが出来る。
ゼオライトは、ゼオライト中の交換可能なイオンを抗菌性金属イオンで置換し、そのイオンを制限なく使用できる。そのイオン交換可能なイオンは、例えばナトリウムイオン、カルシウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、鉄イオン等であり、それらの一部または全部を抗菌性金属イオンに置換することができる。ここでゼオライトとしては、天然ゼオライト及び合成ゼオライトのいずれも用いる事ができる。
ゼオライトは一般に三次元骨格構造を有するアルミノシリケートであり一般式としてXM2/nO・Al2O3・YSiO2・ZH2O表示される。ここでMはイオン交換可能なイオンを表し通常は1または2価の金属のイオンである。nは(金属)イオンの原子価である。X及びYはそれぞれの金属酸化物、シリカ係数、Zは結晶水の数を表示している。ゼオライトの具体例としては例えばA−型ゼオライト、X−型ゼオライト、Y−型ゼオライト、T−型ゼオライト,高シリカゼオライト、ソーダライト、モルデナイト、アナルサイム、タリノプチロライト、チャバサイト、エリオナイトなどを挙げることができる。ただしこれらに限定されるものではない。
無機担体に付与する抗菌性を発揮する金属イオンは、銀、亜鉛、銅および錫からなる群から選択される少なくとも1種の金属イオンを無機担持体100重量部に対し0.01重量部以上、通常は0.1〜50重量部、より好ましくは10〜40重量部、さらにより好ましくは10〜30添加する事が抗菌性能の点から好ましい。水や有機溶液等の液体浄化用抗菌性樹脂組成物に用いる場合、無機粉末抗菌剤に含まれる抗菌性を発揮する金属イオンの溶出度合いにより抗菌、防黴効果が変わることから、その効果持続性を調整することもできる。
無機粉末抗菌剤の1つとして抗菌性ゼオライトが挙げられる。抗菌性ゼオライトは一般に三次元骨格構造を有するアルミノシリケートであり、ゼオライト中のイオン交換可能なイオンを抗菌性金属イオンで置換したものである。
無機粉末抗菌剤の他の例として抗菌性シリカが挙げられ、その中でも代表的な抗菌性溶解性ガラスが挙げられる。抗菌性溶解性ガラスとしては、例えば無機担体としてのガラス組成物がP2O5を40〜70mol%、Al2O3を5〜20mol%、Ag2Oを0.1〜20重量%等含む抗菌性溶解性ガラスを使用する事ができる。
この抗菌性溶解性ガラスをポリエステル繊維などに含有させた場合、繊維製品においてその製造工程や使用方法などにより水や洗剤、染色加工などから抗菌効果の持続性が保ちにくい。そのため抗菌性溶解性ガラスのガラス組成のモル比を任意に変えることにより金属イオンの溶出量を制御する事が可能である。
このことから、例えば抗菌性溶解性ガラス中のAl2O3成分を1mol%未満にするとこの抗菌性溶解性ガラスの溶解速度が速くなり抗菌、防黴性に即効性が得られるが、この抗菌性溶解性ガラスは金属イオンと共に溶解性ガラスを構成する組成物も一緒に溶出する事により抗菌、防黴効果を発揮する。
長期にわたり安定的に水の浄化をする無機粉末抗菌剤として、抗菌性ゼオライトや抗菌性溶解性ガラス等を単独で用いてもよいが、抗菌性ゼオライトと共に抗菌性溶解性ガラスを併用することもできる。
本発明の抗菌性樹脂組成物は、無機粉末抗菌剤例えば抗菌性ゼオライト又は抗菌性シリカを樹脂に含有させるその製造方法としては、スクリューが一軸或いは二軸あり、シリンダー口径が30mmφ〜120mmφの押出し機を使用してもよく、その他の製造機としてはロール機や加圧ニーダー、バンバリーミキサー機などを用いる。これら加工機の加工温度は170℃〜300℃に設定し予め各種樹脂と無機粉末抗菌剤と混合したものを投入し適当な時間溶融混合する。
溶融混合する温度は、樹脂の種類、投入量により適宜選択する必要があり一定温度でも昇温させてもよいその後、冷却槽などに通しカットする事によりペレット化にしたものである。
液体浄化用無機粉末抗菌剤を含有させる樹脂としては、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS樹脂、AS樹脂、ポリスチレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、PBT、飽和ポリエステル、ポリアセタール、ポリビニールアルコール、ポリカーボネート、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、フッソ樹脂、EVA樹脂、シリコーン樹脂、セロファン、セルロース変性物、ゼラチン、ポリビニールアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリアクリル酸ナトリウムなどの樹脂または天然ゴム、合成ゴムまたは脂肪族ポリエステル、ポリビニールアルコールなどの化学合成系生分解性樹脂やデンプン、セルロース、キトサンなどの多糖類の天然物利用系生分解性樹脂などまたはポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン、などの界面活性剤を挙げる事ができる。無機粉末抗菌剤を汎用的な加工機で高濃度に含有させるにはポリプロピレンやABS樹脂などを使用する事が好ましい。
本発明の液体浄化用液体浄化用抗菌性樹脂組成物は、上述の樹脂100重量部に対し無機粉末抗菌剤を0.1〜400重量部混合することにより得られる。
これら無機粉末抗菌剤を含有する液体浄化用抗菌性樹脂組成物の粒状のペレットの製造方法としてスクリューが一軸或いは二軸あり、シリンダー口径が30mmφ〜120mmφの押出し機を使用してもよく、その他の製造機としてはロール機や加圧ニーダー、バンバリーミキサー機などを用いる事ができる。
これら加工機の加工温度は170℃〜300℃に設定し予め各種樹脂と無機粉末抗菌剤と混合したものを投入し適当な時間溶融混合する。溶融混合する温度は、樹脂の種類、投入量により適宜選択する必要があり一定温度でも昇温させてもよい。その後、冷却槽などに通しカットする事によりペレット化する。その際、樹脂組成物の安定性や性状を付与する目的で安定剤、老化防止剤、分散剤、滑剤、難燃剤、帯電防止剤などを添加してもよい。
得られた液体浄化用抗菌性樹脂組成物を水に浸漬させると、抗菌性ゼオライト中の抗菌性金属イオンのみが水中に溶出する。その溶出量は樹脂に含有させた抗菌性ゼオライトの濃度に比例し多くなる。また、抗菌性ゼオライトを含有させた樹脂は、長期間水に浸漬させても抗菌性金属イオンの溶出量が均一である。
水に浸漬した液体浄化用抗菌性樹脂組成物から溶出する成分はその骨格であるアルミノシリケートが溶出することはなく金属イオンのみが樹脂から溶出することから、特にシートやフィルム、繊維、成形品等の樹脂成形品に液体浄化用抗菌性樹脂組成物を含有させた場合、その樹脂の機械的強度、耐水性、防水性、容器の場合の遮水性は充分に保たれる。
この液体浄化用抗菌性樹脂組成物は、無機粉末抗菌剤を含有することによりこの液体浄化用抗菌性樹脂組成物に直接接触しなくとも細菌や黴が存在する液体を制菌或いは浄化する事ができる。これは上述の通り液体浄化用抗菌性樹脂組成物に含有させた無機粉末抗菌剤から抗菌性金属イオンが水中に溶出する作用によるものであり、空気中に浮遊し混入してくる落下菌や黴の増殖をも防止する事ができる。
この時水中や水に接触する樹脂成形品表面の細菌や黴の増殖も同時に殺菌する事ができ、これらの効果により細菌や黴の温床となりやすいヌメリやスライムの発生も抑制する事ができる。
浄化用抗菌性樹脂成型体は、前記の液体浄化用抗菌性樹脂組成物を、射出成形機や押出し機などで成形し製造するものである。浄化用抗菌性樹脂成型体としては、例えば、繊維製品、シート、フィルム、容器或いはボール状の成形品、ペレット表面のみを溶融し接着させた焼結体などが挙げられる。さらには、液体の抗菌性を発揮させるために、液体を保持する形状でもよいし、液体に投入する形態でも良い。
例えば前者では、容器形状やタンク形状を有するものが挙げられ、後者ではボール状、板状のものでも良く、それらの浮力は自由に調整できるものであり、例えば、中に発泡スチロールの粒を適度に入れることによって、ボールの液体における浮力を調整できるものである。
浄化用抗菌性樹脂成型体は、前記の液体浄化用抗菌性樹脂組成物と同様、前述の直接接触しなくとも細菌や黴が存在する液体を制菌或いは浄化する作用等を有する。そして、その抗菌効果は流水中でも長期間持続する。
本願発明の液体浄化用抗菌性樹脂組成物或いはその成形体は、抗菌性を有する金属イオンを放出するにも係わらず、その樹脂組成物の形状、撥水性、遮水性に変化はなく、例えば容器の形状とした成形体は液体を漏水することなく充分に保持しうるものである。
本発明の液体の制菌或は浄化用抗菌性樹脂組成物は、無機粉末抗菌剤と樹脂とからなる。
本発明に用いられる無機粉末抗菌剤は、抗菌性を有する金属イオン(抗菌性金属イオン)を含有する無機粉末抗菌剤であり、抗菌性金属イオンとして銀、銅、亜鉛、錫等の金属イオンを無機担体に担持した粉末を例示することができる。
無機担体としては結晶性アルミナケイ酸塩、(以下「ゼオライト」という)、無定形アルミナケイ酸塩、(以下「AAS」という)、シリカゲル、活性アルミナ、けいそう土、リン酸ジルコニウム、ヒドロキシアパタイト、酸化マグネシウム、溶解性ガラス、過塩素酸マグネシウムなどを挙げる事ができる。また、アルミナケイ酸塩(ゼオライト及びAAS)単体、溶解性ガラスもしくは非晶質リン酸カルシウム粒子を併用し使用することが出来る。
ゼオライトは、ゼオライト中の交換可能なイオンを抗菌性金属イオンで置換し、そのイオンを制限なく使用できる。そのイオン交換可能なイオンは、例えばナトリウムイオン、カルシウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、鉄イオン等であり、それらの一部または全部を抗菌性金属イオンに置換することができる。ここでゼオライトとしては、天然ゼオライト及び合成ゼオライトのいずれも用いる事ができる。
ゼオライトは一般に三次元骨格構造を有するアルミノシリケートであり一般式としてXM2/nO・Al2O3・YSiO2・ZH2O表示される。ここでMはイオン交換可能なイオンを表し通常は1または2価の金属のイオンである。nは(金属)イオンの原子価である。X及びYはそれぞれの金属酸化物、シリカ係数、Zは結晶水の数を表示している。ゼオライトの具体例としては例えばA−型ゼオライト、X−型ゼオライト、Y−型ゼオライト、T−型ゼオライト,高シリカゼオライト、ソーダライト、モルデナイト、アナルサイム、タリノプチロライト、チャバサイト、エリオナイトなどを挙げることができる。ただしこれらに限定されるものではない。
無機担体に付与する抗菌性を発揮する金属イオンは、銀、亜鉛、銅および錫からなる群から選択される少なくとも1種の金属イオンを無機担持体100重量部に対し0.01重量部以上、通常は0.1〜50重量部、より好ましくは10〜40重量部、さらにより好ましくは10〜30添加する事が抗菌性能の点から好ましい。水や有機溶液等の液体浄化用抗菌性樹脂組成物に用いる場合、無機粉末抗菌剤に含まれる抗菌性を発揮する金属イオンの溶出度合いにより抗菌、防黴効果が変わることから、その効果持続性を調整することもできる。
無機粉末抗菌剤の1つとして抗菌性ゼオライトが挙げられる。抗菌性ゼオライトは一般に三次元骨格構造を有するアルミノシリケートであり、ゼオライト中のイオン交換可能なイオンを抗菌性金属イオンで置換したものである。
無機粉末抗菌剤の他の例として抗菌性シリカが挙げられ、その中でも代表的な抗菌性溶解性ガラスが挙げられる。抗菌性溶解性ガラスとしては、例えば無機担体としてのガラス組成物がP2O5を40〜70mol%、Al2O3を5〜20mol%、Ag2Oを0.1〜20重量%等含む抗菌性溶解性ガラスを使用する事ができる。
この抗菌性溶解性ガラスをポリエステル繊維などに含有させた場合、繊維製品においてその製造工程や使用方法などにより水や洗剤、染色加工などから抗菌効果の持続性が保ちにくい。そのため抗菌性溶解性ガラスのガラス組成のモル比を任意に変えることにより金属イオンの溶出量を制御する事が可能である。
このことから、例えば抗菌性溶解性ガラス中のAl2O3成分を1mol%未満にするとこの抗菌性溶解性ガラスの溶解速度が速くなり抗菌、防黴性に即効性が得られるが、この抗菌性溶解性ガラスは金属イオンと共に溶解性ガラスを構成する組成物も一緒に溶出する事により抗菌、防黴効果を発揮する。
長期にわたり安定的に水の浄化をする無機粉末抗菌剤として、抗菌性ゼオライトや抗菌性溶解性ガラス等を単独で用いてもよいが、抗菌性ゼオライトと共に抗菌性溶解性ガラスを併用することもできる。
本発明の抗菌性樹脂組成物は、無機粉末抗菌剤例えば抗菌性ゼオライト又は抗菌性シリカを樹脂に含有させるその製造方法としては、スクリューが一軸或いは二軸あり、シリンダー口径が30mmφ〜120mmφの押出し機を使用してもよく、その他の製造機としてはロール機や加圧ニーダー、バンバリーミキサー機などを用いる。これら加工機の加工温度は170℃〜300℃に設定し予め各種樹脂と無機粉末抗菌剤と混合したものを投入し適当な時間溶融混合する。
溶融混合する温度は、樹脂の種類、投入量により適宜選択する必要があり一定温度でも昇温させてもよいその後、冷却槽などに通しカットする事によりペレット化にしたものである。
液体浄化用無機粉末抗菌剤を含有させる樹脂としては、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS樹脂、AS樹脂、ポリスチレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、PBT、飽和ポリエステル、ポリアセタール、ポリビニールアルコール、ポリカーボネート、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、フッソ樹脂、EVA樹脂、シリコーン樹脂、セロファン、セルロース変性物、ゼラチン、ポリビニールアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリアクリル酸ナトリウムなどの樹脂または天然ゴム、合成ゴムまたは脂肪族ポリエステル、ポリビニールアルコールなどの化学合成系生分解性樹脂やデンプン、セルロース、キトサンなどの多糖類の天然物利用系生分解性樹脂などまたはポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン、などの界面活性剤を挙げる事ができる。無機粉末抗菌剤を汎用的な加工機で高濃度に含有させるにはポリプロピレンやABS樹脂などを使用する事が好ましい。
本発明の液体浄化用液体浄化用抗菌性樹脂組成物は、上述の樹脂100重量部に対し無機粉末抗菌剤を0.1〜400重量部混合することにより得られる。
これら無機粉末抗菌剤を含有する液体浄化用抗菌性樹脂組成物の粒状のペレットの製造方法としてスクリューが一軸或いは二軸あり、シリンダー口径が30mmφ〜120mmφの押出し機を使用してもよく、その他の製造機としてはロール機や加圧ニーダー、バンバリーミキサー機などを用いる事ができる。
これら加工機の加工温度は170℃〜300℃に設定し予め各種樹脂と無機粉末抗菌剤と混合したものを投入し適当な時間溶融混合する。溶融混合する温度は、樹脂の種類、投入量により適宜選択する必要があり一定温度でも昇温させてもよい。その後、冷却槽などに通しカットする事によりペレット化する。その際、樹脂組成物の安定性や性状を付与する目的で安定剤、老化防止剤、分散剤、滑剤、難燃剤、帯電防止剤などを添加してもよい。
得られた液体浄化用抗菌性樹脂組成物を水に浸漬させると、抗菌性ゼオライト中の抗菌性金属イオンのみが水中に溶出する。その溶出量は樹脂に含有させた抗菌性ゼオライトの濃度に比例し多くなる。また、抗菌性ゼオライトを含有させた樹脂は、長期間水に浸漬させても抗菌性金属イオンの溶出量が均一である。
水に浸漬した液体浄化用抗菌性樹脂組成物から溶出する成分はその骨格であるアルミノシリケートが溶出することはなく金属イオンのみが樹脂から溶出することから、特にシートやフィルム、繊維、成形品等の樹脂成形品に液体浄化用抗菌性樹脂組成物を含有させた場合、その樹脂の機械的強度、耐水性、防水性、容器の場合の遮水性は充分に保たれる。
この液体浄化用抗菌性樹脂組成物は、無機粉末抗菌剤を含有することによりこの液体浄化用抗菌性樹脂組成物に直接接触しなくとも細菌や黴が存在する液体を制菌或いは浄化する事ができる。これは上述の通り液体浄化用抗菌性樹脂組成物に含有させた無機粉末抗菌剤から抗菌性金属イオンが水中に溶出する作用によるものであり、空気中に浮遊し混入してくる落下菌や黴の増殖をも防止する事ができる。
この時水中や水に接触する樹脂成形品表面の細菌や黴の増殖も同時に殺菌する事ができ、これらの効果により細菌や黴の温床となりやすいヌメリやスライムの発生も抑制する事ができる。
浄化用抗菌性樹脂成型体は、前記の液体浄化用抗菌性樹脂組成物を、射出成形機や押出し機などで成形し製造するものである。浄化用抗菌性樹脂成型体としては、例えば、繊維製品、シート、フィルム、容器或いはボール状の成形品、ペレット表面のみを溶融し接着させた焼結体などが挙げられる。さらには、液体の抗菌性を発揮させるために、液体を保持する形状でもよいし、液体に投入する形態でも良い。
例えば前者では、容器形状やタンク形状を有するものが挙げられ、後者ではボール状、板状のものでも良く、それらの浮力は自由に調整できるものであり、例えば、中に発泡スチロールの粒を適度に入れることによって、ボールの液体における浮力を調整できるものである。
浄化用抗菌性樹脂成型体は、前記の液体浄化用抗菌性樹脂組成物と同様、前述の直接接触しなくとも細菌や黴が存在する液体を制菌或いは浄化する作用等を有する。そして、その抗菌効果は流水中でも長期間持続する。
(実施例1、2、3,4)
表1〜2に示した樹脂に抗菌性ゼオライトをそれぞれの配合比率(重量部)で配合し、二軸押出し機で混合後、加熱温度200℃にて押し出し、2〜5mmにカットして、液体浄化用抗菌性樹脂組成物の1つである抗菌性ペレットを得る。このペレットを射出成形機で成形プレート(20g)とする。
同様に、表1,3に示した樹脂に抗菌性溶解性ガラスをそれぞれの配合比率(重量部)で配合し、上述の抗菌性ゼオライトの成形プレートを作成した時と同様の方法にて成形プレートを作成した。
これらの成形プレート(20g)1枚を2000mlの蒸留水に投入する。この時、同時に黄色ブドウ球菌を蒸留水1ml当り100,000ケ、クロコウジ黴を蒸留水1ml当り100,000ケになるよう投入する。投入後、1週間、2週間、4週間保存時のその蒸留水中の菌、黴の生菌数を測定した。その結果を表2に示す。
細菌、黴数測定結果については、次のような評価を行った。
105:蒸留水1mlあたり100,000ケの菌または黴が存在した。
104:蒸留水1mlあたり10,000ケの菌または黴が存在した。
103:蒸留水1mlあたり1,000ケの菌または黴が存在した。
102:蒸留水1mlあたり100ケの菌または黴が存在した。
10:蒸留水1mlあたり10ケの菌または黴が存在した。
<10:蒸留水中に菌、黴は存在しない。
表1或は表2の如く、本願発明の成形プレートは、菌数、黴数両方とも4週間抑えたことから、長期にわたる液体の抗菌、防黴効果を示した。
この成形プレートは、水に対し沈むことから、例えば液体を保存する容器や浸漬物を想定するものである。
(比較例1、2、3、4、5、6)
表3に示したごとく、抗菌性ゼオライトのみを評価したものを比較例1とした。また、樹脂に抗菌性ゼオライトを配合しない以外実施例1,2と同様にして得た成形プレートを比較例3,4とした。
また、抗菌性溶解性ガラスのみ評価したものを比較例2とした。そして、樹脂に抗菌性溶解性ガラスを配合しない以外実施例3,4と同様にして得た成形プレートを比較例5,6とした。
結果を、表1〜3に示す。
実施例相当量作用させたとしても、抗菌性溶解性ガラスのみでは初期に抗菌性を発揮するものの持続性はなかった。抗菌性ゼオライトでは抗菌性の持続性を確認する事が出来た。しかし、これらの形態が粉体で有る事から、流水での使用は粉体そのものが流されてしまい、抗菌効果が得られなくなる。また、この様に処理された水を飲料にする場合、無害であるものの抗菌性ゼオライト等を嗜好上除去するほうがよいことから煩雑である。
そこで、これら抗菌剤を樹脂に練り込む必要が生じる。しかしながら、抗菌剤が樹脂に練り込まれることにより水との接触面が極端に減るにもかかわらず、表1に示した如く充分に水への抗菌効果が維持された。抗菌性ゼオライトを含有しない樹脂では、当然の事ながら抗菌性、制菌性はなかった。
(実施例5、6)
成形プレートの抗菌効果持続性を流水下で確認する為、実施例1に示した同様の方法で抗菌性ゼオライトを含有する成形プレート(20g)を作成した。この成形プレート(20g)各1枚を毎分10Lの水道水直下に設置し、のべ150L、300L、450L流水にさらした。
この実施の目的の1つは、抗菌プレートに存在する無機粉末抗菌剤中の金属イオン、特に抗菌、防黴効果を発揮する銀イオンが水道水中に溶出し続け、これら抗菌、防黴効果を発揮する金属イオンの量が無機粉末抗菌剤中から減少することによる抗菌、防黴効果の低減があるか否かの確認である。
さらに他の目的は、成形プレート(20g)に練り込まれた無機粉末抗菌剤が水道水中に含まれる塩素成分と長時間接触することにより、成形プレート(20g)に練り込まれた無機粉末抗菌剤中の銀イオンと塩素イオンが反応して塩化銀となり抗菌活性が低下しかねないことから、無機粉末抗菌剤中の金属イオンの安定性すなわち抗菌、防黴効果の減少の有無を確認するためである。
抗菌、防黴効果を測定するためこれら流水での各前処理を行った成形プレートを、2000mlの蒸留水に投入する。この時、同時に黄色ブドウ球菌を蒸留水1ml当り100,000ケに、クロコウジ黴を蒸留水1ml当り100,000ケになるよう投入し、1週間、2週間、4週間保存時のその蒸留水中の菌、黴の生菌数を測定した。
その結果を表4に示す。この結果、抗菌性ゼオライトを含む成形プレートは、流水での450Lの前処理にもかかわらず、菌数、黴数両方とも4週間抑えた。このことから本願発明の成形プレートは、長期にわたる流水の前処理にもかかわらず抗菌性ゼオライトの抗菌性金属イオンを保持し、かつ塩素の影響を受けることなく液体の抗菌、防黴効果を持続するものである。
(比較例7,8)
抗菌性ゼオライトを含有させない以外、実施例5と同様に成形プレートを作成し、同条件で処理後、抗菌活性を測定した。その結果を表4に示す。菌数、黴数両方とも抑えることは無かった。
表1〜2に示した樹脂に抗菌性ゼオライトをそれぞれの配合比率(重量部)で配合し、二軸押出し機で混合後、加熱温度200℃にて押し出し、2〜5mmにカットして、液体浄化用抗菌性樹脂組成物の1つである抗菌性ペレットを得る。このペレットを射出成形機で成形プレート(20g)とする。
同様に、表1,3に示した樹脂に抗菌性溶解性ガラスをそれぞれの配合比率(重量部)で配合し、上述の抗菌性ゼオライトの成形プレートを作成した時と同様の方法にて成形プレートを作成した。
これらの成形プレート(20g)1枚を2000mlの蒸留水に投入する。この時、同時に黄色ブドウ球菌を蒸留水1ml当り100,000ケ、クロコウジ黴を蒸留水1ml当り100,000ケになるよう投入する。投入後、1週間、2週間、4週間保存時のその蒸留水中の菌、黴の生菌数を測定した。その結果を表2に示す。
細菌、黴数測定結果については、次のような評価を行った。
105:蒸留水1mlあたり100,000ケの菌または黴が存在した。
104:蒸留水1mlあたり10,000ケの菌または黴が存在した。
103:蒸留水1mlあたり1,000ケの菌または黴が存在した。
102:蒸留水1mlあたり100ケの菌または黴が存在した。
10:蒸留水1mlあたり10ケの菌または黴が存在した。
<10:蒸留水中に菌、黴は存在しない。
表1或は表2の如く、本願発明の成形プレートは、菌数、黴数両方とも4週間抑えたことから、長期にわたる液体の抗菌、防黴効果を示した。
この成形プレートは、水に対し沈むことから、例えば液体を保存する容器や浸漬物を想定するものである。
(比較例1、2、3、4、5、6)
表3に示したごとく、抗菌性ゼオライトのみを評価したものを比較例1とした。また、樹脂に抗菌性ゼオライトを配合しない以外実施例1,2と同様にして得た成形プレートを比較例3,4とした。
また、抗菌性溶解性ガラスのみ評価したものを比較例2とした。そして、樹脂に抗菌性溶解性ガラスを配合しない以外実施例3,4と同様にして得た成形プレートを比較例5,6とした。
結果を、表1〜3に示す。
実施例相当量作用させたとしても、抗菌性溶解性ガラスのみでは初期に抗菌性を発揮するものの持続性はなかった。抗菌性ゼオライトでは抗菌性の持続性を確認する事が出来た。しかし、これらの形態が粉体で有る事から、流水での使用は粉体そのものが流されてしまい、抗菌効果が得られなくなる。また、この様に処理された水を飲料にする場合、無害であるものの抗菌性ゼオライト等を嗜好上除去するほうがよいことから煩雑である。
そこで、これら抗菌剤を樹脂に練り込む必要が生じる。しかしながら、抗菌剤が樹脂に練り込まれることにより水との接触面が極端に減るにもかかわらず、表1に示した如く充分に水への抗菌効果が維持された。抗菌性ゼオライトを含有しない樹脂では、当然の事ながら抗菌性、制菌性はなかった。
(実施例5、6)
成形プレートの抗菌効果持続性を流水下で確認する為、実施例1に示した同様の方法で抗菌性ゼオライトを含有する成形プレート(20g)を作成した。この成形プレート(20g)各1枚を毎分10Lの水道水直下に設置し、のべ150L、300L、450L流水にさらした。
この実施の目的の1つは、抗菌プレートに存在する無機粉末抗菌剤中の金属イオン、特に抗菌、防黴効果を発揮する銀イオンが水道水中に溶出し続け、これら抗菌、防黴効果を発揮する金属イオンの量が無機粉末抗菌剤中から減少することによる抗菌、防黴効果の低減があるか否かの確認である。
さらに他の目的は、成形プレート(20g)に練り込まれた無機粉末抗菌剤が水道水中に含まれる塩素成分と長時間接触することにより、成形プレート(20g)に練り込まれた無機粉末抗菌剤中の銀イオンと塩素イオンが反応して塩化銀となり抗菌活性が低下しかねないことから、無機粉末抗菌剤中の金属イオンの安定性すなわち抗菌、防黴効果の減少の有無を確認するためである。
抗菌、防黴効果を測定するためこれら流水での各前処理を行った成形プレートを、2000mlの蒸留水に投入する。この時、同時に黄色ブドウ球菌を蒸留水1ml当り100,000ケに、クロコウジ黴を蒸留水1ml当り100,000ケになるよう投入し、1週間、2週間、4週間保存時のその蒸留水中の菌、黴の生菌数を測定した。
その結果を表4に示す。この結果、抗菌性ゼオライトを含む成形プレートは、流水での450Lの前処理にもかかわらず、菌数、黴数両方とも4週間抑えた。このことから本願発明の成形プレートは、長期にわたる流水の前処理にもかかわらず抗菌性ゼオライトの抗菌性金属イオンを保持し、かつ塩素の影響を受けることなく液体の抗菌、防黴効果を持続するものである。
(比較例7,8)
抗菌性ゼオライトを含有させない以外、実施例5と同様に成形プレートを作成し、同条件で処理後、抗菌活性を測定した。その結果を表4に示す。菌数、黴数両方とも抑えることは無かった。
樹脂をポリエチレンとした以外、実施例1に示した方法及び材料で配合し、粒状の抗菌性ペレットを得た。このペレット50gを、隣のペレット同士が融着するよう熱と圧力で半球状に押し固め、それを2つ互いに合せて球状に成形した。そして、第1図に示すような表面がメッシュ状であり中に液体が進入しうるようなボール(抗菌ボール)を22ケ作成した。
この抗菌ボールは、中に発泡スチロールの粒を適度に入れることによって、ボールの液体における浮力を調整できるものである。
この抗菌ボール22ケをK氏宅に設置した2201の雨水タンク2台のうち1台に投入し、1週間、2週間、4週間保存時のタンク内に貯まった雨水中の菌、黴の生菌数を測定した。
その結果を表5に示す。本願発明の抗菌性ボールは、菌数、黴数両方とも4週間抑えたことから、長期にわたる液体の抗菌、防黴効果を示した。この抗菌性ボールは、水面すれすれに浮遊することから、水槽の底にある排水溝を詰まらせることはなかった。
(比較例9)
抗菌性ゼオライトを含有しない以外、実施例7と同様にボールを作成し、同様に抗菌性を調べた。その結果を表5に示す。抗菌性ゼオライトを含有しない樹脂では、当然の事ながら抗菌性、制菌性はなかった。
この抗菌ボールは、中に発泡スチロールの粒を適度に入れることによって、ボールの液体における浮力を調整できるものである。
この抗菌ボール22ケをK氏宅に設置した2201の雨水タンク2台のうち1台に投入し、1週間、2週間、4週間保存時のタンク内に貯まった雨水中の菌、黴の生菌数を測定した。
その結果を表5に示す。本願発明の抗菌性ボールは、菌数、黴数両方とも4週間抑えたことから、長期にわたる液体の抗菌、防黴効果を示した。この抗菌性ボールは、水面すれすれに浮遊することから、水槽の底にある排水溝を詰まらせることはなかった。
(比較例9)
抗菌性ゼオライトを含有しない以外、実施例7と同様にボールを作成し、同様に抗菌性を調べた。その結果を表5に示す。抗菌性ゼオライトを含有しない樹脂では、当然の事ながら抗菌性、制菌性はなかった。
発明の効果として、表1〜5に示す結果からも明らかなように、本発明の液体浄化用抗菌性樹脂組成物は水中に存在する菌や黴を安全にかつ長期間にわたり効率的に殺菌する事のできる優れたものである。このような特徴を有する本発明抗菌性樹脂組成物は、冷却塔(クーリングタワー)、風呂(家庭用、公共用)、給排水設備(高架水槽、貯湯タンク、雨水タンクなど)、家電製品(洗濯機、調理器具など)、浄化槽などの水の浄化、循環、貯水設備(器具)、切削機などに好適に使用できる。
Claims (5)
- 無機粉末抗菌剤を含む、液体の制菌或は浄化用抗菌性樹脂組成物。
- 請求の範囲第1項記載の液体浄化用抗菌性樹脂組成物を成形して成る液体の制菌或は浄化用抗菌性樹脂成型体。
- 抗菌性樹脂成型体が容器状である請求の範囲第2項記載の液体の制菌或は浄化用抗菌性樹脂成型体。
- 液体に対し浮遊または浸漬の調整ができる請求の範囲第2項記載の液体の制菌或は浄化用抗菌性樹脂成型体。
- 抗菌性ゼオライト又は抗菌性シリカを含む液体浄化用抗菌性樹脂組成物によって液体を制菌或は浄化する方法。
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