JPH11114581A - 入浴水改質器 - Google Patents
入浴水改質器Info
- Publication number
- JPH11114581A JPH11114581A JP29784497A JP29784497A JPH11114581A JP H11114581 A JPH11114581 A JP H11114581A JP 29784497 A JP29784497 A JP 29784497A JP 29784497 A JP29784497 A JP 29784497A JP H11114581 A JPH11114581 A JP H11114581A
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- JP
- Japan
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- zeolite
- bathwater
- water
- antibacterial
- bag
- Prior art date
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 銀イオン等の金属イオンの抗菌能によって入
浴水の改質を促すと共に、その際惹起される金属イオン
の無用な消耗をもたらす垢成分の問題の解消と、金属イ
オンの溶出不良に関する問題を解決する。 【解決手段】 本発明入浴水改質器は、抗菌性を有する
金属イオンを担持させたゼオライト及び/又シリコンを
含む合成樹脂の粒子3を主成分とし、該粒子3の近傍に
垢成分を吸着可能な油吸着性部材4を配設すると共に、
金属イオンの溶出を促すカチオン含有鉱物3を介設して
成る。
浴水の改質を促すと共に、その際惹起される金属イオン
の無用な消耗をもたらす垢成分の問題の解消と、金属イ
オンの溶出不良に関する問題を解決する。 【解決手段】 本発明入浴水改質器は、抗菌性を有する
金属イオンを担持させたゼオライト及び/又シリコンを
含む合成樹脂の粒子3を主成分とし、該粒子3の近傍に
垢成分を吸着可能な油吸着性部材4を配設すると共に、
金属イオンの溶出を促すカチオン含有鉱物3を介設して
成る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に家庭、銭湯等
で用いる入浴水の改質器に関し、更に詳細には、銀イオ
ン等の金属イオンを担持させたゼオライト及びシリコン
の抗菌機能に着目し、これを入浴水の改質に利用する共
にその効果を一層優れたものとすべく改良を加えたもの
である。
で用いる入浴水の改質器に関し、更に詳細には、銀イオ
ン等の金属イオンを担持させたゼオライト及びシリコン
の抗菌機能に着目し、これを入浴水の改質に利用する共
にその効果を一層優れたものとすべく改良を加えたもの
である。
【0002】
【従来の技術】銀イオン、亜鉛イオン等の金属イオンを
担持させたゼオライト及びシリコンが抗菌性を発揮し、
抗菌性靴下等の繊維、マナ板、外壁材等に利用されてい
ることは公知である。
担持させたゼオライト及びシリコンが抗菌性を発揮し、
抗菌性靴下等の繊維、マナ板、外壁材等に利用されてい
ることは公知である。
【0003】一方、風呂水等の入浴水は、35〜42℃
の温度と、充分な水分という環境が揃う為、水の交換な
しで数時間を経ると微生物の繁殖にとって格好の環境と
なり、ヌメリ、腐臭等を発生する原因となっている。
の温度と、充分な水分という環境が揃う為、水の交換な
しで数時間を経ると微生物の繁殖にとって格好の環境と
なり、ヌメリ、腐臭等を発生する原因となっている。
【0004】そこで、本発明者らは、当該微生物の繁殖
に伴う入浴水の汚れを改質せんとして上記抗菌性ゼオラ
イト及びシリコンの活用に着目したが、そのままでは下
記の如き問題が惹起された。
に伴う入浴水の汚れを改質せんとして上記抗菌性ゼオラ
イト及びシリコンの活用に着目したが、そのままでは下
記の如き問題が惹起された。
【0005】銀イオン等の金属イオン抗菌性能の原因に
ついては、(a)抗菌性金属イオンにもとづく抗菌作用
と、(b)活性酸素にもとづく抗菌作用の二つの説があ
るが、いずれの説にあっても、入浴水の表面には洗浄に
伴い垢成分が多数浮遊することとなり、その垢成分に
は、活力を失った皮膚の表皮や汗が混在するので、金属
イオン担持ゼオライトの周囲に垢成分が存在すると、そ
の皮膚細胞を狙って金属イオンが攻撃を行い、つまり、
駆除すべき微生物と共に垢成分をも攻撃してしまい、有
効な金属イオンが無駄に消耗されてしまう。
ついては、(a)抗菌性金属イオンにもとづく抗菌作用
と、(b)活性酸素にもとづく抗菌作用の二つの説があ
るが、いずれの説にあっても、入浴水の表面には洗浄に
伴い垢成分が多数浮遊することとなり、その垢成分に
は、活力を失った皮膚の表皮や汗が混在するので、金属
イオン担持ゼオライトの周囲に垢成分が存在すると、そ
の皮膚細胞を狙って金属イオンが攻撃を行い、つまり、
駆除すべき微生物と共に垢成分をも攻撃してしまい、有
効な金属イオンが無駄に消耗されてしまう。
【0006】又、抗菌性ゼオライト及びシリコンからの
金属イオンの溶出速度は、初期段階においては極めて緩
慢であり、抗菌性ゼオライトを投与した当初にあって
は、金属イオンの溶出が不足し抗菌機能が充分には発揮
されない嫌いがある。又、金属イオンを担持したゼオラ
イト及びシリコンは、1〜3μm程度の微粒子であるた
め、これを用いる場合には一般に、ポリプロピレン、ポ
リエチレン等の合成樹脂の中に該ゼオライトの粒子を混
練させる等して粒子を取り扱い可能な大きな粒子として
いるが、そのままでは相当割合のゼオライトが樹脂中に
封滅されてしまい、金属イオンの入浴水中への溶出が充
分でないという問題が惹起される。
金属イオンの溶出速度は、初期段階においては極めて緩
慢であり、抗菌性ゼオライトを投与した当初にあって
は、金属イオンの溶出が不足し抗菌機能が充分には発揮
されない嫌いがある。又、金属イオンを担持したゼオラ
イト及びシリコンは、1〜3μm程度の微粒子であるた
め、これを用いる場合には一般に、ポリプロピレン、ポ
リエチレン等の合成樹脂の中に該ゼオライトの粒子を混
練させる等して粒子を取り扱い可能な大きな粒子として
いるが、そのままでは相当割合のゼオライトが樹脂中に
封滅されてしまい、金属イオンの入浴水中への溶出が充
分でないという問題が惹起される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決しようとしてなされたもので、銀イオン等の金属
イオンの抗菌能によって入浴水の改質を促すと共に、そ
の際惹起される金属イオンの無用な消耗をもたらす垢成
分の問題の解消と、金属イオンの溶出不良に関する問題
を解決しようとするものである。
を解決しようとしてなされたもので、銀イオン等の金属
イオンの抗菌能によって入浴水の改質を促すと共に、そ
の際惹起される金属イオンの無用な消耗をもたらす垢成
分の問題の解消と、金属イオンの溶出不良に関する問題
を解決しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、銀イオン、亜
鉛イオン等の抗菌性を有する金属イオンを担持させたゼ
オライトを主成分とし、例えば、合成ゼオライト又は天
然ゼオライトにイオン交換法により銀イオンを担持させ
て調製する。シリコンの場合もゼオライトとまったく同
様である。この場合、担持体を、ゼオライト又はシリコ
ンいずれかの単体とするか、或いは、両者の混合とする
かは必要に応じて選択する。
鉛イオン等の抗菌性を有する金属イオンを担持させたゼ
オライトを主成分とし、例えば、合成ゼオライト又は天
然ゼオライトにイオン交換法により銀イオンを担持させ
て調製する。シリコンの場合もゼオライトとまったく同
様である。この場合、担持体を、ゼオライト又はシリコ
ンいずれかの単体とするか、或いは、両者の混合とする
かは必要に応じて選択する。
【0009】次いで、ポリエチレン、ポリプロピレン等
のオレフィン系樹脂、ポリスチレン、ABS等のスチレ
ン系樹脂、ポリカーボネイト、PET等のエンプラ系樹
脂、PVC系樹脂、ポリウレタン系樹脂を対象とし、該
合成樹脂に上記抗菌性ゼオライト及びシリコンを含むも
のとする。該合成樹脂とゼオライト及びシリコンとの関
係は、該合成樹脂中にゼオライト及びシリコンを練り込
むか、或いは、該合成樹脂表面にゼオライト又はシリコ
ン粉粒体を固定させるかのいずれであっても良い。該合
成樹脂への練り込み又は表面固定は、上記ゼオライト
が、粒径が3μm以下の微粒子となる為、そのままでは
水中に浮遊、拡散してしまい、取扱いが困難となるので
樹脂によって粒径を大きくする為で、粒径を3〜10m
m程度とする。該合成樹脂とゼオライト粉末との混合割
合は、練り込みの場合は、樹脂100に対してゼオライ
ト粉末を10〜40部程度とし、表面固定の場合は樹脂
100に対して5〜10部程度とする。
のオレフィン系樹脂、ポリスチレン、ABS等のスチレ
ン系樹脂、ポリカーボネイト、PET等のエンプラ系樹
脂、PVC系樹脂、ポリウレタン系樹脂を対象とし、該
合成樹脂に上記抗菌性ゼオライト及びシリコンを含むも
のとする。該合成樹脂とゼオライト及びシリコンとの関
係は、該合成樹脂中にゼオライト及びシリコンを練り込
むか、或いは、該合成樹脂表面にゼオライト又はシリコ
ン粉粒体を固定させるかのいずれであっても良い。該合
成樹脂への練り込み又は表面固定は、上記ゼオライト
が、粒径が3μm以下の微粒子となる為、そのままでは
水中に浮遊、拡散してしまい、取扱いが困難となるので
樹脂によって粒径を大きくする為で、粒径を3〜10m
m程度とする。該合成樹脂とゼオライト粉末との混合割
合は、練り込みの場合は、樹脂100に対してゼオライ
ト粉末を10〜40部程度とし、表面固定の場合は樹脂
100に対して5〜10部程度とする。
【0010】次に、後述の理由によって上記金属イオン
担持ゼオライトの周囲に垢成分を近づけない為、該垢成
分には汗等の油類を含むことを利用して、油吸着性部材
を配設する。該油吸着性部材には、例えば、ポリプロピ
レンを原料とし、疎水性、親油性で、長繊維が立体的に
絡み合った三次元構造の不織布で、繊維中に水が混在し
ても、水と油を置き換えて水分を殆ど吸わないものを用
いる。
担持ゼオライトの周囲に垢成分を近づけない為、該垢成
分には汗等の油類を含むことを利用して、油吸着性部材
を配設する。該油吸着性部材には、例えば、ポリプロピ
レンを原料とし、疎水性、親油性で、長繊維が立体的に
絡み合った三次元構造の不織布で、繊維中に水が混在し
ても、水と油を置き換えて水分を殆ど吸わないものを用
いる。
【0011】該油吸着性部材内又はその周囲には、吸着
した油を固定する目的で油凝固剤を配設させるのが望ま
しく、該油凝固剤には、高級脂肪酸、脂肪酸エステル、
金属セッケン等のケン化剤を用いることができる。
した油を固定する目的で油凝固剤を配設させるのが望ま
しく、該油凝固剤には、高級脂肪酸、脂肪酸エステル、
金属セッケン等のケン化剤を用いることができる。
【0012】更に、上記ゼオライト及びシリコンに担持
された金属イオンの溶出を促す意味で、該樹脂粒子の近
傍に、カルシウム、ナトリウム、カリウム、マンガン等
のカチオンを水中で溶出し得る物質を存在させる。この
中で、上記カチオンを溶出し得る鉱物として、ドロマイ
ト、ベントナイト、大谷石の3種類の鉱物を取り上げ、
下記の如き溶出試験を行った。その結果、ドロマイトが
全体的にバランス良く、銀イオン及び亜鉛イオンの溶出
を促すことを確認した。 (試験方法)上水道中に3種類の抗菌剤と3種類のカチ
オンを溶出し得る鉱物を投与し、銀イオン溶出量を経時
的に測定し、ブランクデータと比較した。抗菌剤濃度は
すべて水道水量に対し1%とし、鉱物はドロマイト、ベ
ントナイト、大谷石の3種類を水道水で攪拌洗浄後、各
々水道水量に対し、0.1%、1%とした。尚、測定器
は、(原子吸光分光光度計 シマズ AA−670/G
V−5)を使用した。 (抗菌材の種類) 102AZ:ポリエチレン100に対し銀イオン及び亜
鉛イオンを担持させたゼオライトを20部を混練させて
径4mmとした粒子。 103A:ポリエチレン100に対し銀イオン単独を担
持させたゼオライトを20部を混練させて径4mmとし
た粒子。 BD−AZ:ポリエチレン100に対し銀イオン及び亜
鉛イオンを担持させたゼオライト5部を表面に固定させ
て径4mmとした粒子。 (試験結果)
された金属イオンの溶出を促す意味で、該樹脂粒子の近
傍に、カルシウム、ナトリウム、カリウム、マンガン等
のカチオンを水中で溶出し得る物質を存在させる。この
中で、上記カチオンを溶出し得る鉱物として、ドロマイ
ト、ベントナイト、大谷石の3種類の鉱物を取り上げ、
下記の如き溶出試験を行った。その結果、ドロマイトが
全体的にバランス良く、銀イオン及び亜鉛イオンの溶出
を促すことを確認した。 (試験方法)上水道中に3種類の抗菌剤と3種類のカチ
オンを溶出し得る鉱物を投与し、銀イオン溶出量を経時
的に測定し、ブランクデータと比較した。抗菌剤濃度は
すべて水道水量に対し1%とし、鉱物はドロマイト、ベ
ントナイト、大谷石の3種類を水道水で攪拌洗浄後、各
々水道水量に対し、0.1%、1%とした。尚、測定器
は、(原子吸光分光光度計 シマズ AA−670/G
V−5)を使用した。 (抗菌材の種類) 102AZ:ポリエチレン100に対し銀イオン及び亜
鉛イオンを担持させたゼオライトを20部を混練させて
径4mmとした粒子。 103A:ポリエチレン100に対し銀イオン単独を担
持させたゼオライトを20部を混練させて径4mmとし
た粒子。 BD−AZ:ポリエチレン100に対し銀イオン及び亜
鉛イオンを担持させたゼオライト5部を表面に固定させ
て径4mmとした粒子。 (試験結果)
【表1】
【0013】次に、本発明の作用を説明する。本発明入
浴水改質器を、図1に示す如く、水分の充分に通過可能
なメッシュの網体1で袋を形成し、その中にゼオライト
を含んだ合成樹脂の粒子2と、ドロマイト粒子3を混合
させ、その周囲に油吸着部材4を配設する。すると、合
成樹脂が、例えばポリエチレンで、油吸着性繊維をポリ
プロピレンとした場合、全体的な比重は0.95程度と
なるので、そのままで水中に浮遊させることができ、必
要に応じて発泡スチロールの粒を浮きとして混在させ
る。そして、入浴中及び入浴後において、これを風呂水
の中に投与し、表面に浮遊する状態に置く。すると、風
呂水内は、上述の如く、35〜42℃の温度と水分、そ
して適当な栄養が与えられるので、微生物の繁殖するに
適した環境が揃い、経時と共にヌメリや臭い、濁り等が
発生する恐れがある。しかし、ゼオライト中から銀イオ
ン、及び亜鉛イオンが溶出すると、微生物に対し抗菌性
が発揮され、繁殖が抑制され、風呂水を清澄な状態に保
つことができる。
浴水改質器を、図1に示す如く、水分の充分に通過可能
なメッシュの網体1で袋を形成し、その中にゼオライト
を含んだ合成樹脂の粒子2と、ドロマイト粒子3を混合
させ、その周囲に油吸着部材4を配設する。すると、合
成樹脂が、例えばポリエチレンで、油吸着性繊維をポリ
プロピレンとした場合、全体的な比重は0.95程度と
なるので、そのままで水中に浮遊させることができ、必
要に応じて発泡スチロールの粒を浮きとして混在させ
る。そして、入浴中及び入浴後において、これを風呂水
の中に投与し、表面に浮遊する状態に置く。すると、風
呂水内は、上述の如く、35〜42℃の温度と水分、そ
して適当な栄養が与えられるので、微生物の繁殖するに
適した環境が揃い、経時と共にヌメリや臭い、濁り等が
発生する恐れがある。しかし、ゼオライト中から銀イオ
ン、及び亜鉛イオンが溶出すると、微生物に対し抗菌性
が発揮され、繁殖が抑制され、風呂水を清澄な状態に保
つことができる。
【0014】その抗菌性が発揮される原因については、
未だ確定したメカニズムは定められていないが、次の二
つの作用が考えられている。 (a)金属イオンが微生物へ拡散していき、細胞膜の蛋
白質中に存在するシスチン結合に攻撃し、これによりシ
スチン結合が切れ、その部分に抗菌性金属イオンが結合
し、細胞膜が壊れ、微生物の繁殖を抑制するとする説。 (b)水中に存在する酸素が、抗菌性金属イオンの触媒
作用により、部分的に活性酸素に転換され、この活性酸
素が微生物の細胞に拡散してゆき、細胞膜などの蛋白質
に吸着され、微生物のエネルギー代謝を不能にするとす
る説。 そして、このいずれの説にあっても、風呂水の表面に、
洗浄に伴い垢成分が多数浮遊すると、上述の如く、垢成
分には活力を失った皮膚の表皮が含まれるので、表皮細
胞に対し金属イオンの拡散と攻撃が行なわれ、その結
果、微生物に対して抗菌作用を発揮すべき金属イオンが
無駄に消耗されてしまい、抗菌機能の寿命を著しく縮め
てしまうことになる。しかし、本発明改質器では、疎水
性、親油性の吸油性繊維が、立体的に絡み合った三次元
構造の長繊維中に油成分を吸着し、繊維中に水が混在し
ても、水と油を置き換えて水分を殆ど吸わないので、優
れた油吸着性を発揮し、上記抗菌性金属イオンの無駄な
消耗を防止し、製品寿命を永らえる。
未だ確定したメカニズムは定められていないが、次の二
つの作用が考えられている。 (a)金属イオンが微生物へ拡散していき、細胞膜の蛋
白質中に存在するシスチン結合に攻撃し、これによりシ
スチン結合が切れ、その部分に抗菌性金属イオンが結合
し、細胞膜が壊れ、微生物の繁殖を抑制するとする説。 (b)水中に存在する酸素が、抗菌性金属イオンの触媒
作用により、部分的に活性酸素に転換され、この活性酸
素が微生物の細胞に拡散してゆき、細胞膜などの蛋白質
に吸着され、微生物のエネルギー代謝を不能にするとす
る説。 そして、このいずれの説にあっても、風呂水の表面に、
洗浄に伴い垢成分が多数浮遊すると、上述の如く、垢成
分には活力を失った皮膚の表皮が含まれるので、表皮細
胞に対し金属イオンの拡散と攻撃が行なわれ、その結
果、微生物に対して抗菌作用を発揮すべき金属イオンが
無駄に消耗されてしまい、抗菌機能の寿命を著しく縮め
てしまうことになる。しかし、本発明改質器では、疎水
性、親油性の吸油性繊維が、立体的に絡み合った三次元
構造の長繊維中に油成分を吸着し、繊維中に水が混在し
ても、水と油を置き換えて水分を殆ど吸わないので、優
れた油吸着性を発揮し、上記抗菌性金属イオンの無駄な
消耗を防止し、製品寿命を永らえる。
【0015】更に、該繊維内又は繊維の周囲に、高級脂
肪酸、脂肪酸エステル、金属セッケン等の油凝固剤を配
すると、上記吸着した油成分を凝固させることができ、
垢成分及び汗等の風呂水表面に浮遊する油成分を固定さ
せることができる。
肪酸、脂肪酸エステル、金属セッケン等の油凝固剤を配
すると、上記吸着した油成分を凝固させることができ、
垢成分及び汗等の風呂水表面に浮遊する油成分を固定さ
せることができる。
【0016】次に、ゼオライト又はシリコンに担持され
た金属イオンの溶出速度は、初期段階では極めて緩やか
であって、当初は浴槽内に抗菌性ゼオライトを投入して
も、金属イオンの溶出量が不足して抗菌機能が充分には
発揮されない嫌いがある。更に、ポリプロピレン、ポリ
エチレン等の合成樹脂の中にゼオライトの粒子を混練さ
せた場合には、金属イオンを担持したゼオライトが樹脂
内に封滅されてしまい、金属イオンの入浴水中への溶出
が大幅に減じられてしまう恐れがある。しかし、カチオ
ンを溶出し得る鉱物を樹脂の周囲に存在させると、カル
シウム等のカチオンが金属イオンの溶出を導き、初期の
溶出不良の問題を補完すると共に、樹脂内からも金属イ
オンの溶出が図られ、樹脂内封滅で減じられた溶出量の
増大が促される。そして、上記表1の溶出試験の結果か
ら明らかな通り、1時間経過後、1日経過後、3日経過
後、10日経過後の何れの時間経過後にあってもドロマ
イトはブランクと比較すると、30〜45%程度の銀イ
オンの溶出量の増大をみており、最もバランス良く溶出
量の改善が図られている。
た金属イオンの溶出速度は、初期段階では極めて緩やか
であって、当初は浴槽内に抗菌性ゼオライトを投入して
も、金属イオンの溶出量が不足して抗菌機能が充分には
発揮されない嫌いがある。更に、ポリプロピレン、ポリ
エチレン等の合成樹脂の中にゼオライトの粒子を混練さ
せた場合には、金属イオンを担持したゼオライトが樹脂
内に封滅されてしまい、金属イオンの入浴水中への溶出
が大幅に減じられてしまう恐れがある。しかし、カチオ
ンを溶出し得る鉱物を樹脂の周囲に存在させると、カル
シウム等のカチオンが金属イオンの溶出を導き、初期の
溶出不良の問題を補完すると共に、樹脂内からも金属イ
オンの溶出が図られ、樹脂内封滅で減じられた溶出量の
増大が促される。そして、上記表1の溶出試験の結果か
ら明らかな通り、1時間経過後、1日経過後、3日経過
後、10日経過後の何れの時間経過後にあってもドロマ
イトはブランクと比較すると、30〜45%程度の銀イ
オンの溶出量の増大をみており、最もバランス良く溶出
量の改善が図られている。
【0017】
【実施例1】ポリエチレン100に対し銀イオン及び亜
鉛イオンを担持させたゼオライトを20部を混練させた
抗菌材102Aと、ポリエチレン100に対し銀イオン
及び亜鉛イオンを担持させたゼオライト5部を表面に固
定させた抗菌材BD−AZとを1:1の割合で混合さ
せ、油吸着繊維として三井石油化学工業(株)製の(タ
フネル)(商品名)を用い、ドロマイトとして駒形石灰
工業(株)製の粒径2〜3mmのものを用い、この抗菌
材100g、ドロマイト1gに油吸着繊維を配設して、
入浴水改質器を作製した。
鉛イオンを担持させたゼオライトを20部を混練させた
抗菌材102Aと、ポリエチレン100に対し銀イオン
及び亜鉛イオンを担持させたゼオライト5部を表面に固
定させた抗菌材BD−AZとを1:1の割合で混合さ
せ、油吸着繊維として三井石油化学工業(株)製の(タ
フネル)(商品名)を用い、ドロマイトとして駒形石灰
工業(株)製の粒径2〜3mmのものを用い、この抗菌
材100g、ドロマイト1gに油吸着繊維を配設して、
入浴水改質器を作製した。
【0018】上記入浴水改質器を、適温に沸した浴槽内
に投入し、翌日の朝、そのまま水を入替えずに翌日
に沸したもの、そのまま水を入替えずに翌々日に沸し
たもの、各日における風呂水の状態を観察したところ表
2の通りであった。
に投入し、翌日の朝、そのまま水を入替えずに翌日
に沸したもの、そのまま水を入替えずに翌々日に沸し
たもの、各日における風呂水の状態を観察したところ表
2の通りであった。
【表2】
【0019】
【発明の効果】以上の構成及び作用に基づく本発明は、
微生物の繁殖抑制による抗菌機能で、入浴水のヌメリや
細菌の感染を防止し、防腐、防カビ及び防臭効果を発揮
し、更に入浴水の交換時間の延長と節水効果をもたらす
と共に24時間風呂の雑菌繁殖抑制にも貢献し、家庭用
風呂はもちろん、銭湯やプール等にも用いることができ
る。その際、垢成分の浮遊による金属イオンの無駄な消
耗を無くして商品寿命を永らえることができる。更に、
初期に溶出が不足し又抗菌性ゼオライト及びシリコンが
樹脂内に封滅された場合でも、カチオンを溶出する鉱物
の存在により溶出量を増大させ、溶出不良に対して補完
する効果を奏する等極めて有利な発明である。
微生物の繁殖抑制による抗菌機能で、入浴水のヌメリや
細菌の感染を防止し、防腐、防カビ及び防臭効果を発揮
し、更に入浴水の交換時間の延長と節水効果をもたらす
と共に24時間風呂の雑菌繁殖抑制にも貢献し、家庭用
風呂はもちろん、銭湯やプール等にも用いることができ
る。その際、垢成分の浮遊による金属イオンの無駄な消
耗を無くして商品寿命を永らえることができる。更に、
初期に溶出が不足し又抗菌性ゼオライト及びシリコンが
樹脂内に封滅された場合でも、カチオンを溶出する鉱物
の存在により溶出量を増大させ、溶出不良に対して補完
する効果を奏する等極めて有利な発明である。
【図1】 本発明改質器を示す模式的一部切欠正面図
1 網体 2 粒子 3 ドロマイト 4 油吸着部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C02F 1/50 560 C02F 1/50 560B 1/28 1/28 N E 1/40 1/40 E (72)発明者 添野 豊 栃木県今市市小百973−1 株式会社東京 アオキ内 (72)発明者 横塚 朝夫 栃木県安蘇郡葛生町大字葛生四二O番地 駒形石灰工業株式会社内 (72)発明者 塚田 政好 栃木県鹿沼市御成橋町1−2257−5 有限 会社ツカダ内 (72)発明者 並木 清 栃木県宇都宮市横田新町22−8 株式会社 ワタナベプレス内
Claims (3)
- 【請求項1】 抗菌性を有する金属イオンを担持させた
ゼオライト及び/又はリシコンを含む合成樹脂の粒子を
主成分とし、該粒子の近傍に垢成分を吸着可能な油吸着
性部材を配設したことを特徴とする入浴水改質器。 - 【請求項2】 抗菌性を有する金属イオンを担持させた
ゼオライト及び/又シリコンを含む合成樹脂の粒子を主
成分とし、該粒子の近傍に垢成分を吸着可能な油吸着性
部材を配設すると共に、金属イオンの溶出を促すカチオ
ン含有鉱物を介設したことを特徴とする入浴水改質器。 - 【請求項3】 カチオン含有鉱物がドロマイトである請
求項2記載の入浴水改質器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29784497A JPH11114581A (ja) | 1997-10-15 | 1997-10-15 | 入浴水改質器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29784497A JPH11114581A (ja) | 1997-10-15 | 1997-10-15 | 入浴水改質器 |
Publications (1)
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JPH11114581A true JPH11114581A (ja) | 1999-04-27 |
Family
ID=17851891
Family Applications (1)
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JP29784497A Pending JPH11114581A (ja) | 1997-10-15 | 1997-10-15 | 入浴水改質器 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH11114581A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004061007A1 (ja) * | 2002-12-27 | 2004-07-22 | Fuji Chemical Indudtries, Ltd. | 制菌或は浄化用抗菌性樹脂組成物及び制菌或は浄化方法 |
JP2008043889A (ja) * | 2006-08-17 | 2008-02-28 | Mitsubishi Electric Corp | 水除菌装置およびこれを有する気化加湿機、除湿器並びにハンドドライヤー |
JP2011507683A (ja) * | 2007-12-21 | 2011-03-10 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | 流体濾過システム |
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1997
- 1997-10-15 JP JP29784497A patent/JPH11114581A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004061007A1 (ja) * | 2002-12-27 | 2004-07-22 | Fuji Chemical Indudtries, Ltd. | 制菌或は浄化用抗菌性樹脂組成物及び制菌或は浄化方法 |
JPWO2004061007A1 (ja) * | 2002-12-27 | 2006-05-11 | 富士ケミカル株式会社 | 制菌或は浄化用抗菌性樹脂組成物及び制菌或は浄化方法 |
JP2008043889A (ja) * | 2006-08-17 | 2008-02-28 | Mitsubishi Electric Corp | 水除菌装置およびこれを有する気化加湿機、除湿器並びにハンドドライヤー |
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