JPH10140472A - 抗菌性繊維類及び抗菌性フィルタ材並びにそれらの製造方法 - Google Patents

抗菌性繊維類及び抗菌性フィルタ材並びにそれらの製造方法

Info

Publication number
JPH10140472A
JPH10140472A JP19049097A JP19049097A JPH10140472A JP H10140472 A JPH10140472 A JP H10140472A JP 19049097 A JP19049097 A JP 19049097A JP 19049097 A JP19049097 A JP 19049097A JP H10140472 A JPH10140472 A JP H10140472A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydroxyapatite
antibacterial
film
fiber
metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP19049097A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3777387B2 (ja
Inventor
Terubumi Okada
光史 岡田
Masahiko Okuyama
雅彦 奥山
Yoshiyuki Yokogawa
善之 横川
Tetsuya Kameyama
哲也 亀山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Niterra Co Ltd
Original Assignee
Agency of Industrial Science and Technology
NGK Spark Plug Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Agency of Industrial Science and Technology, NGK Spark Plug Co Ltd filed Critical Agency of Industrial Science and Technology
Priority to JP19049097A priority Critical patent/JP3777387B2/ja
Publication of JPH10140472A publication Critical patent/JPH10140472A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3777387B2 publication Critical patent/JP3777387B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた抗菌性が長期に渡って維持される抗菌
性繊維類、抗菌性フィルタ材及びそれらの製造方法を提
供する。 【解決手段】 繊維類を構成する繊維の表面に所定厚さ
の水酸アパタイトからなる皮膜を形成した後、繊維類を
銀、銅、亜鉛及び錫等の抗菌性金属の硝酸塩、硫酸塩等
の水溶液に浸漬する。これによって水酸アパタイトに銀
等の金属のイオン又は金属若しくはその塩が担持された
抗菌性繊維類を得る。また、織布、不織布等の繊維類、
ポリスチレン、ポリウレタン等の合成樹脂からなる連泡
型発泡体及びポリエチレン、ポリプロピレン等からなる
多孔質フィルム、多孔質中空糸膜などを用い、上記のよ
うに処理することにより、抗菌性フィルタ材とすること
ができる。尚、上記の皮膜は、水酸アパタイトからなる
層と、この層に抗菌性金属等を担持させた層を、それぞ
れ複数層、積層させた構成とすることもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気体或いは液体中
の細菌、ウィルス、動植物細胞等を捕捉し、死滅させる
抗菌性繊維類及び抗菌性フィルタ材並びにそれらの製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】銀、銅、亜鉛等の金属が抗菌性を有する
ことは、従来より知られている。例えば、硝酸銀の水溶
液が消毒剤及び殺菌剤として広く使われてきた。しかし
ながら、このような溶液状では取り扱い上、不便な場合
があったため、これらの金属又はその化合物を紙、繊維
等に含有させて使われるようになった。ところが、この
ような方法では、金属と紙、繊維等とは物性の違いなど
によりなじみ難く、使用中に金属が脱落し易く、抗菌性
が徐々に低下するため長期の使用が難しいとの問題があ
る。また、金属の影響で紙、繊維等が変色し易いため、
その用途が制限されるという問題もある。
【0003】上記の方法の他、紙、繊維等にイオン交換
能或いは錯体形成能を有する官能基を導入し、この官能
基の作用によって抗菌性金属を固定する方法も提案され
ている。しかし、この方法では、金属と結合した官能基
と紙、繊維等との相互作用が無視できない。そのため、
紙、繊維等の物性の変化を避けるには、紙、繊維等の種
類及び官能基の種類と導入量が極めて限られるといった
問題がある。そこで、ゼオライトに銀、銅、亜鉛のイオ
ンを担持させ、これをポリオレフィン、ポリアミド、ポ
リエステル等のポリマーに含有させた組成物が提案され
ている(特公昭63−54013号公報)。しかしなが
ら、この方法では特定のゼオライトを必要とし、また担
持量にも制限があり、更にゼオライトを多量に配合する
と組成物の物性変化が大きい等の問題がある。
【0004】上記の公報に開示された方法では各種の問
題があるため、ゼオライトよりも多くの金属イオンを担
持させることができ、且つその担持量を任意に選択で
き、担持力が大きい水酸アパタイトを担体として利用す
る方法が提案されている(特開平3−137298号公
報、特開平4−163308号公報等)。しかしなが
ら、この方法では、水酸アパタイト粉末を硝酸銀等の水
溶液中に浸漬して銀イオン等を水酸アパタイト粉末に担
持させた後、これを紙及び繊維に含有させている。その
ため、紙及び繊維の内部に閉じ込められた水酸アパタイ
ト粉末は抗菌性に寄与せず、それらの表面に存在する粉
末のみが抗菌性に与かることになる。従って、抗菌性を
十分に向上させるためには多量の粉末を含有させる必要
があり、この場合、製紙、紡糸の成形過程及び得られる
紙及び繊維の物性等の低下が懸念され、また水酸アパタ
イト粉末が紙、繊維から脱落するといった問題もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題を
解決するものであり、繊維類を構成する繊維の表面に水
酸アパタイトからなる皮膜を形成し、この皮膜に抗菌性
金属、そのイオン又は塩(以下、「抗菌性金属等」とい
うこともある。)を担持させた抗菌性繊維類及びその製
造方法を提供することを目的とする。この繊維類は抗菌
性が高く、細菌等を吸着し易く、しかもその抗菌性が長
期に渡って維持される。また、本発明は、織布、不織
布、樹脂発泡体等の外表面及び繊維間又は細孔の内表面
などに、抗菌性金属、そのイオン又は塩を担持させた水
酸アパタイトからなる皮膜を設けてなる抗菌性フィルタ
材及びその製造方法を提供することを目的とする。この
抗菌性フィルタ材を用いて優れた抗菌性が長期に渡って
持続する各種用途のフィルタを得ることができる。更
に、本発明では、皮膜を、水酸アパタイトからなる層と
抗菌性金属等が担持された層とを2層以上有する多層構
造とすることもできる。このようにすれば表層が剥落し
ても優れた抗菌性が維持される。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1発明の抗菌性繊維類
は、繊維類と、該繊維類を構成する繊維の表面に形成さ
れた水酸アパタイトからなる皮膜とにより構成され、該
皮膜には抗菌性金属、該抗菌性金属のイオン及び該抗菌
性金属の塩のうちの少なくとも1種が担持されているこ
とを特徴とする。また、第2発明の抗菌性繊維類は、繊
維類と、該繊維類を構成する繊維の表面に導入されたリ
ン酸基と水酸化カルシウムとの反応によって生成する水
酸アパタイトの核を中心として形成される水酸アパタイ
トからなる皮膜とにより構成され、該皮膜には抗菌性金
属、該抗菌性金属のイオン及び該抗菌性金属の塩のうち
の少なくとも1種が担持されていることを特徴とする。
【0007】また、第5発明の抗菌性繊維類の製造方法
は、繊維類を構成する繊維の表面に水酸アパタイトの核
を形成し、その後、該繊維類を飽和乃至過飽和濃度の少
なくともカルシウムイオンとリン酸イオンとを含む水溶
液中に浸漬し、水酸アパタイトを成長させ、上記繊維の
表面に水酸アパタイトからなる皮膜が形成された水酸ア
パタイト皮膜付き繊維類を得、次いで、該水酸アパタイ
ト皮膜付き繊維類を抗菌性金属の塩が溶解した水溶液中
に浸漬し、該抗菌性金属、該抗菌性金属のイオン及び該
抗菌性金属の塩のうちの少なくとも1種を上記皮膜に担
持させることを特徴とする。
【0008】更に、第6発明の抗菌性繊維類の製造方法
は、繊維類を構成する繊維の表面に水酸アパタイトの核
を形成し、その後、該繊維類を、抗菌性金属の塩と、飽
和乃至過飽和濃度の少なくともカルシウムイオン及びリ
ン酸イオンと、を含む水溶液中に浸漬し、水酸アパタイ
トを成長させ、上記繊維の表面に水酸アパタイトからな
る皮膜を形成させるとともに、上記抗菌性金属、該抗菌
性金属のイオン及び該抗菌性金属の塩のうちの少なくと
も1種を上記皮膜に担持させることを特徴とする。
【0009】第1発明及び第2発明並びに第5発明及び
第6発明において、上記「繊維類」とは、この繊維類を
構成する上記「繊維」の外、布地、即ち、織布、不織
布、編物、フェルトをも意味するものとする。この繊維
は、各種の天然繊維及び合成繊維のいずれであってもよ
い。また、上記「水酸アパタイト」としては、人工的に
合成されるものに限らず、リン酸カルシウムを主成分と
する天然のものと同様のものも使用することができる。
更に、上記「抗菌性金属」としては、銀、銅、亜鉛及び
錫などが挙げられ、特に抗菌性に優れる銀が好ましい。
また、これらの抗菌性金属は1種のみを用いてもよい
し、2種以上を併用してもよい。
【0010】繊維の表面に形成される、水酸アパタイト
からなる上記「皮膜」は、第3発明のように、繊維を、
「飽和乃至過飽和濃度」の少なくとも「カルシウムイオ
ンとリン酸イオン」とを含む水溶液に浸漬することによ
り形成することができる。尚、上記の飽和濃度とは、水
酸アパタイトが溶解し得る最大平衡濃度をいい、過飽和
濃度とは、上記の飽和濃度を越えて更に濃度を高めたと
きに溶液中で均一に沈殿が生じ始める濃度をいう。ま
た、この皮膜は、第4発明のように、「抗菌性金属の
塩」と、飽和乃至過飽和濃度の少なくともカルシウムイ
オンとリン酸イオンと、を含む水溶液に浸漬することに
より形成することもできる。第3発明は、第5発明の製
造方法に対応するものであり、第4発明は、第6発明の
製造方法に対応するものである。
【0011】この皮膜の厚さは、1〜30μm、特に5
〜30μm、更には10〜20μmの範囲が好ましい。
皮膜の厚さが1μm未満では、細菌、ウイルス等を吸着
する性能が低下する。一方、30μmを越える場合は、
繊維表面から皮膜が剥離、脱落し易くなる。また、抗菌
性金属、そのイオン又は塩の担持量(塩の場合は金属元
素に換算した量とする。)は、水酸アパタイト100重
量%に対して0.01〜50重量%、特に0.5〜40
重量%、更には1〜30重量%の範囲が好ましい。この
担持量が0.01重量%未満では、皮膜の厚さを上限近
くに厚くしても、十分な抗菌性が得られない。一方、5
0重量%の担持量であれば、皮膜が薄くても十分な抗菌
性が得られ、50重量%を越えて担持させても、それ以
上の効果は得られず、却って黒色化してしまうことがあ
るため、50重量%以下が好ましい。
【0012】第5発明及び第6発明において、繊維類を
構成する繊維の表面に水酸アパタイトの上記「核」を形
成する方法としては、繊維を、酸化カルシウム−酸化
珪素系のガラスを含む擬似体液中に浸漬する、又は繊
維の表面にリン酸基を導入した後、飽和水酸化カルシウ
ム水溶液中で加水分解させる、等の方法が挙げられる。
このような方法によって、繊維の表面には微小な水酸ア
パタイトの核が形成される。
【0013】その後、この水酸アパタイトの核が形成さ
れた繊維により構成される繊維類を、水酸アパタイトの
形成には飽和乃至過飽和なカルシウムイオン及びリン酸
イオンを含む水溶液、例えば上記の擬似体液などに浸漬
する。そして、水酸アパタイトの核は溶液中のカルシウ
ムイオン及びリン酸イオンを次々と取り込んで成長し、
繊維の表面に核を中心とした水酸アパタイトからなる皮
膜が形成される。尚、水酸アパタイトは水溶液中の炭酸
イオンを取り込んでその一部が炭酸アパタイトとなるこ
ともあるが、本発明においては何ら問題とはならない。
【0014】第5発明では、上記のようにして得られた
水酸アパタイトからなる皮膜が形成された皮膜付き繊維
類を、抗菌性金属の塩、例えば硝酸塩、硫酸塩などの水
溶液に浸漬する。これによって、皮膜に抗菌性金属等が
担持された抗菌性繊維類を得ることができる。この第5
発明の製造方法では、皮膜は、繊維の表面に形成される
水酸アパタイトからなる層と、この層に連続して形成さ
れる水酸アパタイトに抗菌性金属等が担持された層と、
により構成される。一方、第6発明では、水溶液中に予
め抗菌性金属の塩が含まれているため、水酸アパタイト
からなる皮膜の形成とともに、水酸アパタイトに抗菌性
金属等が担持される。そのため、形成される皮膜は、水
酸アパタイトからなる層の全体に、抗菌性金属等が分散
され、担持されたものとなる。
【0015】抗菌性金属は、金属及びそのイオン又は塩
として皮膜中に存在させることができる。例えば硝酸銀
のような抗菌性金属の塩の水溶液に、水酸アパタイトか
らなる皮膜が形成された皮膜付き繊維類を浸漬し、銀イ
オンを水酸アパタイトのカルシウムイオンサイトとイオ
ン交換させて担持させることができる。また、抗菌性金
属若しくはその塩として皮膜中に物理的に担持させるこ
ともできる。
【0016】従来の抗菌性繊維では、抗菌性の金属など
が担持された水酸アパタイトの粉末とポリマーとを予め
混練した後、紡糸している。そのため、水酸アパタイト
粉末は繊維全体に分散されてしまい、繊維の単位体積あ
たりの水酸アパタイトの含有量、言い換えれば抗菌性の
金属などの含有量が少なく、その抗菌性は不十分であっ
た。また、抗菌性を向上させるため水酸アパタイトの配
合量を多くすれば、繊維が本来有する物性等が損なわれ
ることになる。
【0017】一方、本発明の抗菌性繊維類を構成する繊
維の表面には、水酸アパタイトからなる皮膜が形成さ
れ、また、皮膜は水酸アパタイトの非常に細かい結晶粒
からなるものである。そして、この微細な結晶粒に抗菌
性金属、そのイオン又は塩が均一に担持されているた
め、細菌等を吸着及び死滅させる効果が高い。本発明の
抗菌性繊維類は、上記のような構成であるため、抗菌性
金属のイオンなどが担持された水酸アパタイトを多量に
含有させる必要があった従来の抗菌性繊維とは違って、
担持される抗菌性金属、そのイオン又は塩のほとんどが
抗菌作用に与かる。従って、皮膜を非常に薄いものとす
ることができ、繊維が本来有する物性が損なわれること
もない。また、特に、第5発明の製造方法によれば、皮
膜全体ではなく、その表面側の一部に抗菌性物質が均質
に担持されているため、細菌等を吸着及び死滅させる効
果のより高い繊維類を得ることができる。
【0018】第7発明の抗菌性繊維類は、繊維類と、該
繊維類を構成する繊維の表面に形成される皮膜とにより
構成され、該皮膜は、水酸アパタイトからなる層と、水
酸アパタイトに抗菌性金属、該抗菌性金属のイオン及び
該抗菌性金属の塩のうちの少なくとも1種が担持されて
なる層とが、交互に積層されてなることを特徴とする。
【0019】また、第8発明の抗菌性繊維類の製造方法
は、繊維類を構成する繊維の表面に水酸アパタイトの核
を形成し、その後、該繊維類を飽和乃至過飽和濃度の少
なくともカルシウムイオンとリン酸イオンとを含む水溶
液中に浸漬し、水酸アパタイトを成長させ、上記繊維の
表面に水酸アパタイトからなる皮膜が形成された水酸ア
パタイト皮膜付き繊維類を得る第1工程と、該水酸アパ
タイト皮膜付き繊維類を、抗菌性金属の塩を溶解した水
溶液中に浸漬し、該抗菌性金属、該抗菌性金属のイオン
及び該抗菌性金属の塩のうちの少なくとも1種を上記皮
膜に担持させる第2工程と、を少なくとも2回繰り返す
ことを特徴とする。
【0020】この第7発明の抗菌性繊維類では、繊維の
表面に、水酸アパタイトからなる層と、水酸アパタイト
に抗菌性金属等が担持された層とが、交互に複数層、積
層され、皮膜が形成されている。そのため、表層が剥落
しても優れた抗菌性が保たれ、抗菌性繊維類としての抗
菌性が長期間維持される。これらの層はそれぞれ3〜1
0層、特に5〜7層、積層されることが好ましい。ま
た、皮膜の厚さは、第1発明及び第2発明と同様の理由
により1〜30μm、特に5〜30μm、更には10〜
20μmの範囲が好ましい。更に、抗菌性金属等の担持
量も、第1発明及び第2発明と同様の理由により、水酸
アパタイト100重量%に対して0.01〜50重量
%、特に0.5〜40重量%、更には1〜30重量%の
範囲が好ましい。尚、第8発明の抗菌性繊維類の製造方
法は、第5発明における水酸アパタイトからなる皮膜を
形成する工程と、抗菌性金属等を担持させる工程とを交
互に繰り返すものであり、第7発明の特定の構成の抗菌
性繊維類を容易に製造することができる。
【0021】第9発明の抗菌性フィルタ材は、透過孔を
有する基材と、該基材の外表面及び該透過孔の表面に形
成された水酸アパタイトからなる皮膜とにより構成さ
れ、該皮膜には抗菌性金属、該抗菌性金属のイオン及び
該抗菌性金属の塩のうちの少なくとも1種が担持されて
いることを特徴とする。
【0022】また、第13発明の抗菌性フィルタ材の製
造方法は、透過孔を有する基材の外表面及び該透過孔の
表面に水酸アパタイトの核を形成し、その後、該基材を
飽和乃至過飽和濃度の少なくともカルシウムイオンとリ
ン酸イオンとを含む水溶液中に浸漬し、水酸アパタイト
を成長させ、上記基材の外表面及び上記透過孔の表面に
水酸アパタイトからなる皮膜が形成された複合体を得、
次いで、該複合体を抗菌性金属の塩が溶解した水溶液中
に浸漬し、該抗菌性金属、該抗菌性金属のイオン及び該
抗菌性金属の塩のうちの少なくとも1種を上記皮膜に担
持させることを特徴とする。
【0023】更に、第14発明の抗菌性フィルタ材の製
造方法は、透過孔を有する基材の外表面及び該透過孔の
表面に水酸アパタイトの核を形成し、その後、該基材
を、抗菌性金属の塩と、飽和乃至過飽和濃度の少なくと
もカルシウムイオン及びリン酸イオンと、を含む水溶液
中に浸漬し、水酸アパタイトを成長させ、上記基材の外
表面及び上記透過孔の表面に水酸アパタイトからなる皮
膜を形成させるとともに、上記抗菌性金属、該抗菌性金
属のイオン及び該抗菌性金属の塩のうちの少なくとも1
種を上記皮膜に担持させることを特徴とする。
【0024】この抗菌性フィルタ材の場合も、水酸アパ
タイトからなる皮膜は、上記の抗菌性繊維類の場合と同
様にして水酸アパタイトの核を形成した後、第10発明
のように、核を形成した基材を飽和乃至過飽和濃度の少
なくともカルシウムイオンとリン酸イオンとを含む水溶
液中に浸漬することにより形成することができる。ま
た、この皮膜は、第11発明のように、抗菌性金属の塩
と飽和乃至過飽和濃度の少なくともカルシウムイオンと
リン酸イオンと、を含む水溶液に浸漬することにより形
成することもできる。第10発明は、第13発明の製造
方法に対応するものであり、第11発明は、第14発明
の製造方法に対応するものである。尚、第13発明の製
造方法では、第5発明の場合と同様に、繊維の表面に形
成される水酸アパタイトからなる層と、この層に連続し
て形成される水酸アパタイトに抗菌性金属等が担持され
た層とからなる皮膜が形成される。一方、第14発明で
は、第6発明の場合と同様に、皮膜は、水酸アパタイト
からなる層の全体に、抗菌性金属等が分散され、担持さ
れたものとなる。
【0025】第9発明の抗菌性フィルタ材における皮膜
の厚さも、抗菌性繊維類の場合と同様、1〜30μm、
特に5〜30μm、更には10〜20μmの範囲が好ま
しい。更に、抗菌性金属、そのイオン又は塩の担持量
(塩の場合は金属元素に換算した量とする。)も、抗菌
性繊維類の場合と同様、水酸アパタイト100重量%に
対して0.01〜50重量%、特に0.5〜40重量
%、更には1〜30重量%の範囲が好ましい。
【0026】上記「透過孔を有する基材」としては、第
12発明のように、織布、不織布、編物及びフェルト等
の布地が挙げられる。また、ポリオレフィン、ポリスチ
レン、ポリウレタン等の各種の樹脂からなる連泡型樹脂
発泡体を使用することもできる。更に、ポリエチレン、
ポリプロピレン等の樹脂からなる多孔質フィルム及び多
孔質中空糸膜を用いることもできる。また、これら基材
の種類及び透過孔の孔径などは、得られる抗菌性フィル
タ材の目的、用途等に応じて適宜のものを選んで使用す
ればよい。本発明の抗菌性フィルタ材を適宜加工するこ
とによって、空気清浄用フィルター、浄水用フィルタ
ー、マスク用フィルター等を作製することができる。
【0027】第15発明の抗菌性フィルタ材は、透過孔
を有する基材と、該基材の外表面及び該透過孔の表面に
形成される皮膜とからなり、該皮膜は、水酸アパタイト
からなる層と、水酸アパタイトに抗菌性金属、該抗菌性
金属のイオン及び該抗菌性金属の塩のうちの少なくとも
1種が担持されてなる層とが、交互に積層されてなるこ
とを特徴とする。
【0028】また、第16発明の抗菌性フィルタ材の製
造方法は、透過孔を有する基材の外表面及び該透過孔の
表面に水酸アパタイトの核を形成し、その後、該基材を
飽和乃至過飽和濃度の少なくともカルシウムイオンとリ
ン酸イオンとを含む水溶液中に浸漬し、水酸アパタイト
を成長させ、上記基材の外表面及び上記透過孔の表面に
水酸アパタイトからなる皮膜が形成された複合体を得る
第1工程と、該複合体を、抗菌性金属の塩を溶解した水
溶液中に浸漬し、該抗菌性金属、該抗菌性金属のイオン
及び該抗菌性金属の塩のうちの少なくとも1種を上記皮
膜に担持させる第2工程と、を少なくとも2回繰り返す
ことを特徴とする。
【0029】この第15発明の抗菌性フィルタ材では、
基材の外表面及び透過孔の表面に、水酸アパタイトから
なる層と、この層に抗菌性金属等が担持された層とが、
交互に複数層、積層され、皮膜が形成される。そのた
め、表層が剥落しても優れた抗菌性が保たれ、抗菌性繊
維類としての抗菌性が長期間維持される。これらの層は
それぞれ3〜10層、特に5〜7層、積層されることが
好ましい。また、皮膜の厚さは、第9発明と同様の理由
により1〜30μm、特に5〜30μm、更には10〜
20μmの範囲が好ましい。更に、抗菌性金属等の担持
量も、第9発明と同様の理由により、水酸アパタイト1
00重量%に対して0.01〜50重量%、特に0.5
〜40重量%、更には1〜30重量%の範囲が好まし
い。尚、第16発明の抗菌性フィルタ材の製造方法は、
第13発明における水酸アパタイトからなる皮膜を形成
する工程と、抗菌性金属等を担持させる工程とを交互に
繰り返すものであり、第15発明の特定の構成の抗菌性
フィルタ材を容易に製造することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例によって詳
しく説明する。 実施例1 セルロース繊維からなる織布にリン酸基を導入した後、
これを飽和水酸化カルシウム水溶液中に室温で8日間浸
漬して加水分解させ、セルロース繊維の表面に水酸アパ
タイトの核を形成した。その後、この織布の約1gを表
1に示す種類及び量のイオンを含む50mlの水溶液中
に浸漬し、36.5℃の恒温槽中に10日間静置して、
セルロース繊維の表面において水酸アパタイトを析出、
成長させた。尚、この溶液は毎日新しいものと取り替え
た。
【0031】10日間経過した後、水溶液中から取り出
した織布を電子顕微鏡により観察したところ、セルロー
ス繊維の表面には約25μmの厚さの水酸アパタイトか
らなる皮膜が形成されていた。次いで、この織布の約
1.5gを0.05モル%の硝酸銀水溶液100ml中
に室温で24時間浸漬した。その後、織布を水溶液中よ
り取り出して純水でよく洗浄し、これを真空中、80℃
で乾燥した。得られた織布のセルロース繊維の表面の皮
膜には、水酸アパタイト1gに対して0.1g(10重
量%)の銀が担持されていた。
【0032】 表1 水酸アパタイトからなる皮膜の形成に使用した水溶液中のイオンの組成 (ミリモル) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− Na+ + Ca2+ Mg2+ Cl- HCO3 - HPO4 2- SO4 2- −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 213 7.5 3.8 2.3 223 6.3 1.5 0.75 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0033】次に、上記のようにして作製された抗菌性
が付与された織布の抗菌性の評価を行った。この銀が吸
着された皮膜を有するセルロース繊維からなる織布1g
を、初期菌数1.0×105 の大腸菌を含む水中に浸漬
し、30℃で24時間保持した後の生存菌数を測定する
ことにより死滅率を算出した。その結果、ほぼ全ての大
腸菌が死滅しており、死滅率は略100%であることが
分かった。
【0034】実施例2 セルロース繊維からなる不織布に、実施例1と同様にリ
ン酸基を導入し、セルロース繊維の表面に水酸アパタイ
トの核を形成した。その後、この不織布の約1gを上記
の表1に示すイオン組成の水溶液50mlに浸漬し、3
6.5℃の恒温槽中に5日間静置し、セルロース繊維の
表面に水酸アパタイトを析出、成長させた。尚、この溶
液は毎日新しいものと取り替えた。
【0035】5日間経過した後、水溶液中から取り出し
た不織布を電子顕微鏡によって観察したところ、繊維の
表面には厚さ約10μmの水酸アパタイトからなる皮膜
が形成されていた。次いで、この不織布の1.5gを
0.01モル%の硝酸銀水溶液100ml中に浸漬した
後、水溶液中から取り出して純水でよく洗浄し、これを
真空中、80℃で乾燥した。得られた不織布のセルロー
ス繊維の表面の皮膜には水酸アパタイト1gに対して
0.05g(5重量%)の銀が担持されていた。この抗
菌性が付与された不織布について実施例1と同様にして
その抗菌性の評価を行った。その結果、大腸菌の死滅率
は99%であった。
【0036】実施例3 セルロース繊維からなる織布にリン酸基を導入した後、
これを飽和水酸化カルシウム水溶液中で加水分解させ、
セルロース繊維の表面に水酸アパタイトの核を形成し
た。その後、この織布の約0.1gを表2に示す種類及
び量のイオンを含む50mlの水溶液中に浸漬し、3
6.5℃の恒温槽中に5日間静置して、セルロース繊維
の表面において水酸アパタイトを析出、成長させた。
尚、この溶液は毎日新しいものと取り替えた。
【0037】5日間経過した後、水溶液中から取り出し
た織布を純水でよく洗浄し、これを真空中、60℃で乾
燥した。得られた織布のセルロース繊維の表面を電子顕
微鏡によって観察したところ、約10μmの厚さの皮膜
が形成されていた。また、この皮膜には、水酸アパタイ
ト1gに対して0.02g(2重量%)の銀が担持され
ていた。
【0038】 表2 水酸アパタイトからなる皮膜の形成に使用した水溶液中のイオンの組成 (ミリモル) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− Na+ K + Ca2+ Mg2+ Cl - HCO3 - HPO4 2- SO4 2- Ag + −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 213 7.5 3.8 2.3 223 6.3 1.5 0.75 0.91 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− この抗菌性が付与された織布について実施例1と同様に
してその抗菌性の評価を行った。その結果、大腸菌の死
滅率は略100%であることが分かった。
【0039】実施例4 実施例3において、イオンを含む水溶液を表3のものと
し、恒温槽中に静置する日数を5日間とした他は同様に
して抗菌性織布を調製した。得られた織布のセルロース
繊維の表面を電子顕微鏡によって観察したところ、約2
5μmの厚さの皮膜が形成されていた。また、この皮膜
には、水酸アパタイト1gに対して0.06g(6重量
%)の銀が担持されていた。
【0040】 表3 水酸アパタイトからなる皮膜の形成に使用した水溶液中のイオンの組成 (ミリモル) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− Na+ K + Ca2+ Mg2+ Cl - HCO3 - HPO4 2- SO4 2- Ag + −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 213 7.5 3.8 2.3 223 6.3 1.5 0.75 1.14 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− この抗菌性が付与された織布について実施例1と同様に
してその抗菌性の評価を行った。その結果、大腸菌の死
滅率は約95%であることが分かった。
【0041】実施例5 セルロース繊維からなる不織布にリン酸基を導入した
後、これを飽和水酸化カルシウム水溶液中に室温で8日
間浸漬して加水分解させ、セルロース繊維の表面に水酸
アパタイトの核を形成した。その後、この不織布の約
0.1gを前記の表1に示す種類及び量のイオンを含む
50mlの水溶液中に浸漬した状態で、36.5℃の恒
温槽中に1日間静置して、セルロース繊維の表面におい
て水酸アパタイトを析出、成長させる工程と、この不織
布を0.01モル%の硝酸銀水溶液100ml中に室温
で1日間浸漬した後、不織布を水溶液中より取り出して
純水でよく洗浄し、これを真空中、80℃で乾燥して銀
を担持させる工程と、を6回繰り返した。得られた織布
のセルロース繊維の表面を電子顕微鏡によって観察した
ところ、約30μmの厚さの皮膜が形成されていた。ま
た、この皮膜には、水酸アパタイト1gに対して0.0
3g(3重量%)の銀が担持されていた。
【0042】この抗菌性が付与された不織布について実
施例1と同様にしてその抗菌性の評価を行った。その結
果、大腸菌の死滅率は約95%であることが分かった。
また、意図的に繊維表面の水酸アパタイトを剥落させる
ために不織布を少し擦り合わせた。このものを電子顕微
鏡によって観察したところ、皮膜が剥落して厚さが10
μm程度に減少している部位が観察された。この不織布
について、再度、実施例1と同様にしてその抗菌性の評
価を行った。その結果、皮膜の厚さの減少にもかかわら
ず、大腸菌の死滅率は約90%であることが分かった。
【0043】比較例1 1リットルの蒸留水に水酸アパタイト粉末100gと硝
酸銀3.2gとを加えて攪拌し、予め水酸アパタイトに
銀を担持させた抗菌性水酸アパタイトを得た。銀の吸着
量は水酸アパタイト1gに対して約0.05g(約5重
量%)であった。その後、メチルアクリレート10重量
%、アクリル酸スルホン酸ソーダ1重量%及びアクリル
ニトリル89重量%からなるアクリル系コポリマーの2
5重量%ジメチルフォルムアミド溶液に、上記の銀が担
持された水酸アパタイトを上記コポリマー100重量%
に対して、5重量%添加し混合した。次いで、常法に従
い湿式で紡糸し、アクリル繊維を得た。その後、この繊
維を編んで織布とし、実施例1と同様の方法でその抗菌
性を評価した。その結果、死滅率は80%であり、本発
明の抗菌性繊維類に比べて抗菌性に劣るものであった。
【0044】尚、本発明においては、前記具体的実施例
に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範
囲内で種々変更した実施例とすることができる。例えば
黄色ブドウ球菌、緑膿菌等の大腸菌以外の細菌或いはカ
ンジダ、黒麹カビ等のカビなどに対しても有効である。
【0045】
【発明の効果】第1発明及び第2発明の抗菌性繊維類で
は、その表面に、水酸アパタイトからなる皮膜が形成さ
れ、この皮膜に抗菌性金属、そのイオン又は塩が担持さ
れている。そのため、これら金属、そのイオン又は塩の
ほとんどすべてが抗菌剤として有効に作用し、優れた抗
菌性が長期に渡って維持される。また、皮膜を薄いもの
とすることができるため、繊維が本来有する物性等が大
きく変化することもない。また、第7発明の抗菌性繊維
類では、皮膜は、水酸アパタイトからなる層と、抗菌性
金属等が担持された層とが積層された構成であり、表層
が剥落した場合にも優れた抗菌性がそのまま維持され
る。
【0046】更に、第9発明では、織布、不織布、編
物、フェルト、樹脂発泡体、多孔質フィルム、多孔質中
空糸膜等の透過孔の表面などに、第1発明と同様に水酸
アパタイトからなる皮膜を形成することにより、抗菌性
に優れたフィルタ材を得ることができる。この抗菌性フ
ィルタ材を所要形状に加工等することにより、特定の用
途の種々の抗菌性フィルタとすることができる。また、
第15発明では、水酸アパタイトからなる層と、抗菌性
金属等が担持された層とが積層された皮膜を有するフィ
ルタ材を得ることができ、表層が剥落した場合にも優れ
た抗菌性がそのまま維持される。更に、第5発明、第6
発明及び第8発明並びに第13発明、第14発明及び第
16発明によれば、簡易な操作によって、優れた抗菌性
を有する繊維類又はフィルタ材を容易に製造することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥山 雅彦 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内 (72)発明者 横川 善之 愛知県小牧市城山5丁目73番地1 (72)発明者 亀山 哲也 名古屋市守山区小幡北山2761番1394

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維類と、該繊維類を構成する繊維の表
    面に形成される水酸アパタイトからなる皮膜とにより構
    成され、該皮膜には抗菌性金属、該抗菌性金属のイオン
    及び該抗菌性金属の塩のうちの少なくとも1種が担持さ
    れていることを特徴とする抗菌性繊維類。
  2. 【請求項2】 繊維類と、該繊維類を構成する繊維の表
    面に導入されるリン酸基と水酸化カルシウムとの反応に
    よって生成する水酸アパタイトの核を中心として形成さ
    れる水酸アパタイトからなる皮膜とにより構成され、該
    皮膜には抗菌性金属、該抗菌性金属のイオン及び該抗菌
    性金属の塩のうちの少なくとも1種が担持されているこ
    とを特徴とする抗菌性繊維類。
  3. 【請求項3】 上記皮膜は、飽和乃至過飽和濃度の少な
    くともカルシウムイオンとリン酸イオンとを含む水溶液
    中で形成される請求項1又は2記載の抗菌性繊維類。
  4. 【請求項4】 上記皮膜は、抗菌性金属の塩と、飽和乃
    至過飽和濃度の少なくともカルシウムイオンとリン酸イ
    オンと、を含む水溶液中で形成される請求項1又は2記
    載の抗菌性繊維類。
  5. 【請求項5】 繊維類を構成する繊維の表面に水酸アパ
    タイトの核を形成し、その後、該繊維類を飽和乃至過飽
    和濃度の少なくともカルシウムイオンとリン酸イオンと
    を含む水溶液中に浸漬し、水酸アパタイトを成長させ、
    上記繊維の表面に水酸アパタイトからなる皮膜が形成さ
    れた水酸アパタイト皮膜付き繊維類を得、次いで、該水
    酸アパタイト皮膜付き繊維類を、抗菌性金属の塩を溶解
    した水溶液中に浸漬し、該抗菌性金属、該抗菌性金属の
    イオン及び該抗菌性金属の塩のうちの少なくとも1種を
    上記皮膜に担持させることを特徴とする抗菌性繊維類の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 繊維類を構成する繊維の表面に水酸アパ
    タイトの核を形成し、その後、該繊維類を、抗菌性金属
    の塩と、飽和乃至過飽和濃度の少なくともカルシウムイ
    オン及びリン酸イオンと、を含む水溶液中に浸漬し、水
    酸アパタイトを成長させ、上記繊維の表面に水酸アパタ
    イトからなる皮膜を形成させるとともに、上記抗菌性金
    属、該抗菌性金属のイオン及び該抗菌性金属の塩のうち
    の少なくとも1種を上記皮膜に担持させることを特徴と
    する抗菌性繊維類の製造方法。
  7. 【請求項7】 繊維類と、該繊維類を構成する繊維の表
    面に形成される皮膜とにより構成され、該皮膜は、水酸
    アパタイトからなる層と、水酸アパタイトに抗菌性金
    属、該抗菌性金属のイオン及び該抗菌性金属の塩のうち
    の少なくとも1種が担持されてなる層とが、交互に積層
    されてなることを特徴とする抗菌性繊維類。
  8. 【請求項8】 繊維類を構成する繊維の表面に水酸アパ
    タイトの核を形成し、その後、該繊維類を飽和乃至過飽
    和濃度の少なくともカルシウムイオンとリン酸イオンと
    を含む水溶液中に浸漬し、水酸アパタイトを成長させ、
    上記繊維の表面に水酸アパタイトからなる皮膜が形成さ
    れた水酸アパタイト皮膜付き繊維類を得る第1工程と、
    該水酸アパタイト皮膜付き繊維類を、抗菌性金属の塩を
    溶解した水溶液中に浸漬し、該抗菌性金属、該抗菌性金
    属のイオン及び該抗菌性金属の塩のうちの少なくとも1
    種を上記皮膜に担持させる第2工程と、を少なくとも2
    回繰り返すことを特徴とする抗菌性繊維類の製造方法。
  9. 【請求項9】 透過孔を有する基材と、該基材の外表面
    及び該透過孔の表面に形成される水酸アパタイトからな
    る皮膜とにより構成され、該皮膜には抗菌性金属、該抗
    菌性金属のイオン及び該抗菌性金属の塩のうちの少なく
    とも1種が担持されていることを特徴とする抗菌性フィ
    ルタ材。
  10. 【請求項10】 上記皮膜は、飽和乃至過飽和濃度の少
    なくともカルシウムイオンとリン酸イオンとを含む水溶
    液中で形成される請求項9記載の抗菌性フィルタ材。
  11. 【請求項11】 上記皮膜は、抗菌性金属の塩と、飽和
    乃至過飽和濃度の少なくともカルシウムイオンとリン酸
    イオンと、を含む水溶液中で形成される請求項9記載の
    抗菌性フィルタ材。
  12. 【請求項12】 上記基材が、織布、不織布、編物、フ
    ェルト、樹脂発泡体、多孔質フィルム又は多孔質中空糸
    膜である請求項9乃至11のいずれか1項に記載の抗菌
    性フィルタ材。
  13. 【請求項13】 透過孔を有する基材の外表面及び該透
    過孔の表面に水酸アパタイトの核を形成し、その後、該
    基材を飽和乃至過飽和濃度の少なくともカルシウムイオ
    ンとリン酸イオンとを含む水溶液中に浸漬し、水酸アパ
    タイトを成長させ、上記基材の外表面及び上記透過孔の
    表面に水酸アパタイトからなる皮膜が形成された複合体
    を得、次いで、該複合体を、抗菌性金属の塩を溶解した
    水溶液中に浸漬し、該抗菌性金属、該抗菌性金属のイオ
    ン及び該抗菌性金属の塩のうちの少なくとも1種を上記
    皮膜に担持させることを特徴とする抗菌性フィルタ材の
    製造方法。
  14. 【請求項14】 透過孔を有する基材の外表面及び該透
    過孔の表面に水酸アパタイトの核を形成し、その後、該
    基材を、抗菌性金属の塩と、飽和乃至過飽和濃度の少な
    くともカルシウムイオン及びリン酸イオンと、を含む水
    溶液中に浸漬し、水酸アパタイトを成長させ、上記基材
    の外表面及び上記透過孔の表面に水酸アパタイトからな
    る皮膜を形成させるとともに、上記抗菌性金属、該抗菌
    性金属のイオン及び該抗菌性金属の塩のうちの少なくと
    も1種を上記皮膜に担持させることを特徴とする抗菌性
    フィルタ材の製造方法。
  15. 【請求項15】 透過孔を有する基材と、該基材の外表
    面及び該透過孔の表面に形成される皮膜とからなり、該
    皮膜は、水酸アパタイトからなる層と、水酸アパタイト
    に抗菌性金属、該抗菌性金属のイオン及び該抗菌性金属
    の塩のうちの少なくとも1種が担持されてなる層と、が
    交互に積層されてなることを特徴とする抗菌性フィルタ
    材。
  16. 【請求項16】 透過孔を有する基材の外表面及び該透
    過孔の表面に水酸アパタイトの核を形成し、その後、該
    基材を飽和乃至過飽和濃度の少なくともカルシウムイオ
    ンとリン酸イオンとを含む水溶液中に浸漬し、水酸アパ
    タイトを成長させ、上記基材の外表面及び上記透過孔の
    表面に水酸アパタイトからなる皮膜が形成された複合体
    を得る第1工程と、該複合体を、抗菌性金属の塩を溶解
    した水溶液中に浸漬し、該抗菌性金属、該抗菌性金属の
    イオン及び該抗菌性金属の塩のうちの少なくとも1種を
    上記皮膜に担持させる第2工程と、を少なくとも2回繰
    り返すことを特徴とする抗菌性フィルタ材の製造方法。
JP19049097A 1996-09-13 1997-06-30 抗菌性繊維、抗菌性布地、及び抗菌性フィルタ材並びにそれらの製造方法 Expired - Lifetime JP3777387B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19049097A JP3777387B2 (ja) 1996-09-13 1997-06-30 抗菌性繊維、抗菌性布地、及び抗菌性フィルタ材並びにそれらの製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26519196 1996-09-13
JP8-265191 1996-09-13
JP19049097A JP3777387B2 (ja) 1996-09-13 1997-06-30 抗菌性繊維、抗菌性布地、及び抗菌性フィルタ材並びにそれらの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10140472A true JPH10140472A (ja) 1998-05-26
JP3777387B2 JP3777387B2 (ja) 2006-05-24

Family

ID=26506125

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19049097A Expired - Lifetime JP3777387B2 (ja) 1996-09-13 1997-06-30 抗菌性繊維、抗菌性布地、及び抗菌性フィルタ材並びにそれらの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3777387B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100741573B1 (ko) 2005-10-21 2007-07-20 렉슨코리아 (주) 다기능성코팅제가 도포된 다기능성 부직포필터
JP2007186815A (ja) * 2006-01-13 2007-07-26 Gunze Ltd 繊維製品の加工方法
WO2008123345A1 (ja) 2007-04-03 2008-10-16 Nisshinbo Industries, Inc. 抗菌性ナノファイバー
JP2009221145A (ja) * 2008-03-17 2009-10-01 Akechi Ceramics Co Ltd 農業用除菌フィルター
WO2014014789A1 (en) * 2012-07-14 2014-01-23 George Page Gravity multi-layer absorption filtration apparatuses, systems, & methods
CN108842444A (zh) * 2018-05-16 2018-11-20 芜湖市创源新材料有限公司 一种水处理用复合纤维毡的制备方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100741573B1 (ko) 2005-10-21 2007-07-20 렉슨코리아 (주) 다기능성코팅제가 도포된 다기능성 부직포필터
JP2007186815A (ja) * 2006-01-13 2007-07-26 Gunze Ltd 繊維製品の加工方法
WO2008123345A1 (ja) 2007-04-03 2008-10-16 Nisshinbo Industries, Inc. 抗菌性ナノファイバー
US9090995B2 (en) 2007-04-03 2015-07-28 Nisshinbo Holdings, Inc. Process of making an antibacterial nanofiber
JP2009221145A (ja) * 2008-03-17 2009-10-01 Akechi Ceramics Co Ltd 農業用除菌フィルター
WO2014014789A1 (en) * 2012-07-14 2014-01-23 George Page Gravity multi-layer absorption filtration apparatuses, systems, & methods
CN108842444A (zh) * 2018-05-16 2018-11-20 芜湖市创源新材料有限公司 一种水处理用复合纤维毡的制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3777387B2 (ja) 2006-05-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI738826B (zh) 包含無機/有機混成化合物之抗微生物、抗病毒及/或防藻材料以及其製造方法
EA012635B1 (ru) Способ изготовления слоя нановолокон
US20090130181A1 (en) Antibacterial Surface Treatments Based on Silver Cluster Deposition
CN1835840A (zh) 含银创伤护理装置、其组合物及制造方法
CN112426888B (zh) 一种联合抑制膜生物污染改性超滤膜及其制备方法和应用
JP3777388B2 (ja) 抗菌性繊維、抗菌性布地及び抗菌性フィルタ材並びにそれらの製造方法
CN1308231C (zh) 一种载银活性炭及其制备方法与应用
CN105498558A (zh) 负载银纳米颗粒的杂化膜及其制备方法和用途
WO1991011206A1 (en) Alginate materials
US20210002817A1 (en) Ceramic coated antibacterial fabric, and method for manufacturing the same
JPH10140472A (ja) 抗菌性繊維類及び抗菌性フィルタ材並びにそれらの製造方法
CN103131108B (zh) 抗菌复合材料、抗菌复合材料的制备方法,及抗菌液
JP3650696B2 (ja) 抗菌性繊維類の製造方法及び抗菌性フィルタ材の製造方法
KR20120095556A (ko) 아파타이트를 복합한 항균 나노섬유 웹의 제조방법
Qin et al. Preparation and characterization of silver containing chitosan fibers
EP1309516B1 (en) Method for manufacturing ceramic balls for water treatment
JP4457223B2 (ja) 複合材及びその製造方法
JP4576519B2 (ja) 抗菌性粉末及び抗菌性積層体並びにそれらの製造方法
JPH04231062A (ja) 抗菌性医療用品
KR100994760B1 (ko) 나노 카본볼을 구비한 항균 필터
JPS6033761B2 (ja) カチオン交換活性炭及びその製造法
CN115399333B (zh) 抗菌纳米复合材料的制备方法及其应用
KR100349611B1 (ko) 은이 담지된 정수제의 제조 방법
KR960011045B1 (ko) 항균성 한외여과막의 제조방법
CN106860904B (zh) 一种特大鳞片石墨制备的载银膨胀石墨及其制备和应用

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050401

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050426

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050624

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050712

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050902

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050920

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20051017

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20051018

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090310

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100310

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110310

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110310

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120310

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120310

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130310

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130310

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140310

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term