JP2007186815A - 繊維製品の加工方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】グリオキザール系樹脂、触媒、無機系又は有機系消臭剤、及び、バインダー樹脂を含有する第1処理液に、生地を浸漬した後、生地を絞り、乾燥させる第1処理工程、第4級アンモニウム塩又は銀系抗菌剤を含有する第2処理液に、前記第1処理工程を行った生地を浸漬した後、生地を絞り、乾燥させる第2処理工程を有する繊維製品の加工方法。
【選択図】なし
Description
更に、介護現場では、白衣や介護服等のように繰り返し洗濯して使用されるものも多いことから、洗濯後のシワや縮みを防止するため、形態安定性を有するものが必要とされていた。
しかしながら、このような方法では、抗菌性と形態安定性とを両立させた縫製品は得られるものの、更に消臭性を付与することを目的として、形態安定剤等を添加すると、各薬剤が相互に作用して、所望の性能が得られなくなったり、加工後の繊維製品の洗濯耐久性が著しく低下したりする等の不具合が生じていた。
また、特許文献2には、抗菌性及び消臭性を付与することを目的として、銀の超微粉を含有するナイロン糸使用した編地を用いる方法が開示されている。
しかしながら、銀等の貴金属類を使用した場合、コスト的に不利となるという問題があった。
以下に本発明を詳述する。
上記グリオキザール系樹脂は、後述する触媒と併用することで、架橋反応させることができることから、繊維製品に形態安定性を付与することが可能となる。また、上記グリオキザール系樹脂は、ノンホルマリン系の樹脂であることから、得られる繊維製品は、肌や環境に優しいものとなる。
上記触媒としては、上記グリオキザール系樹脂の架橋反応を促進させることが可能なものであれば、特に限定されず、例えば、塩化マグネシウム、硝酸亜鉛、塩化亜鉛等の無機塩、アンモニウム塩、有機アミン塩等が挙げられる。
上記有機系消臭剤としては、例えば、フタロシアニン系、アミン系、ヒドラジド系、カルボン酸系、カルボニル系、エステル系等の消臭剤、活性炭等が挙げられる。
上記天然有機系消臭剤としては、例えば、フラボノイド系、糖質系、トロポロン系、エステル系、カルボン酸系等の消臭剤が挙げられる。
これらのなかでは、リン酸ジルコニウム等のリン酸金属塩が好ましい。
上記シリコーン系バインダー樹脂は、硬化によりゴム状被膜を形成し、上述した成分を繊維製品に強固に固着することができることから、加工後の繊維製品は、洗濯耐久性が高く、形態安定性、消臭性及び抗菌性を長期間維持することができる。また、ホルマリン系樹脂と比較して、皮膚への刺激を大幅に低減することができ、シャツや肌着等の用途にも好適に使用することができる。なお、上記シリコーン系バインダー樹脂は、溶液タイプであってもよく、エマルジョンタイプであってもよい。
また、上記第1処理工程において、熱処理工程を行う場合、加熱温度の好ましい下限は140℃、好ましい上限は160℃である。
また、本発明では、カチオン性を有する第4級アンモニウム塩を含有する第2処理液による第2処理工程を行った場合、アニオン性を有する薬剤とイオン的に結合することを効果的に防止することができる。なお、本明細書において、抗菌とは、菌の増殖を抑制する効果のことをいう。
上記衣料用品としては、外出着衣料、スポーツウェア、ホームウェア、リラックスウェア、パジャマ、寝間着、肌着のほか、オフィスウェア、作業服、食品白衣、看護白衣、患者衣、介護衣、学生服、厨房衣等が挙げられる。上記介護用品としては、サポーター、コルセット、リハビリ用靴や、肌着、おむつカバー、小物等が挙げられる。上記雑貨用品としては、エプロン、タオル、手袋、マフラー、靴下、帽子、靴、サンダル、かばん、傘等が挙げられる。上記インテリア用品としては、カーテン、じゅうたん、マット、こたつカバー、ソファーカバー、クッションカバー、ソファー用側地、便座カバー、便座マット、テーブルクロス等が挙げられる。上記寝具用品としては、布団用側地、布団用詰めわた、毛布、毛布用側地、枕の充填材、シーツ、防水シーツ、布団カバー、枕カバー等が挙げられる。
上記合成繊維としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン6,6等のポリアミド、ポリアクリル、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコールが好ましい。
また、上記半合成繊維としては、例えば、アセテート、レーヨン等が好ましく、上記天然繊維としては、例えば、羊毛、絹、木綿、麻等が好ましい。
(第1処理工程)
グリオキザール系樹脂としてアルコフィックスNZF(クラリアント社製)12%owf、触媒としてキャタリストTK(クラリアント社製)2.4%owf、浴中柔軟剤としてユニコンEC(ユニオン化学社製)1.2%owf、リン酸ジルコニウムとしてノネノンIDL−N(大和化学社製)5%owf及びシリコーン系バインダー樹脂としてバインダーGK(北広ケミカル社製)0.5%owfを添加した第1次処理液に、綿100%メリヤス漂白後生地を0.5秒間接触させた直後に、パッダ−を用いて絞り率100%で絞った。その後、145℃で5分間乾燥することにより、第1次処理工程を行った。
次いで、4級アンモニウム塩としてニッカノンRB300(日華化学社製)2.0%owfを添加した第2次処理液に、綿100%生地を0.5秒間接触させた直後に、パッダ−を用いて絞り率100%で絞った。その後、145℃で5分間乾燥することにより、第2次処理を行い、加工済生地を得た。
第1処理工程、第2処理工程を行わない未加工の綿100%メリヤス漂白後生地を用いた。
実施例1及び比較例1で製造した生地について、以下の方法により評価を行った。
結果を表1〜3に示した。
実施例1及び比較例1で得られた生地について、JIS L 0217(1976)103法に準拠して洗濯を30回行い、洗濯後の生地をタンブラー(日立製作所社製、DE−N3F(W))を用いて乾燥し、縦方向及び横方向の生地収縮率を測定した。結果を表1に示した。
実施例1及び比較例1で得られた生地について、JIS L 1902(2002)の定量的抗菌性試験方法に準拠して、黄色ブドウ球菌、肺炎桿菌、大腸菌、緑膿菌に対する殺菌活性値を測定した。試験は、洗濯を行わない場合と、JIS L 0217(1976)103法に準拠して洗濯を10回行った場合とについて実施した。結果を表1に示した。なお、一般用途の場合は、殺菌活性値が0以上の場合に制菌性を有しているということができる。
(3−1)消臭率
社団法人繊維評価技術協議会の定める消臭性能試験方法(機器分析試験)に従い、臭気成分として、アンモニア、酢酸、インドール、硫化水素、メチルメルカプタンを用いた場合の消臭率(臭気成分減少率)を測定した。
なお、アンモニア、酢酸、硫化水素、メチルメルカプタンについては、テドラーバッグ中に10cm×10cmの生地と、所定濃度の臭気成分を入れ、一定時間経過後の臭気成分減少率を検知管(ガステック社製)を用いて測定した。
また、インドールについては、500mLフラスコに、6cm×8cmの生地と所定濃度の臭気成分を入れ、一定時間経過後の臭気成分減少率をガスクロマトグラフィー(GC17A、島津製作所社製)を用いて測定した。結果を表1に示した。
実施例1の生地を用いて作製された介護肌着を試験区とし、抗菌消臭加工が施された介護肌着(グンゼ社製、愛情らくらく、HW9038)を対照区1、消臭加工が施された介護肌着(イトーヨーカドー社製、着替え上手)を対照区2、抗菌防臭加工が施された介護肌着(片倉工業社製、親切安心着)を対照区3として、20名の被験者(うち6名はオムツ着用者)に交互に着用させ、着用後の肌着を5Lのテドラーバッグに入れて密閉し、一定時間放置した。その後、ポータブル臭いセンサー(新コスモス電機社製、XP−329S)を用いて臭気強度を測定し、その平均を算出した。結果を表2に示した。
試験区と対照区1〜3とを20名の被験者(うち6名はオムツ着用者)に交互に着用させ、着用した本人及び介護者が、何れの介護肌着を着用した場合に臭気が強くなるかを判定し、その割合を算出した。結果を表3に示した。
Claims (1)
- グリオキザール系樹脂、触媒、無機系又は有機系消臭剤、及び、バインダー樹脂を含有する第1処理液に、生地を浸漬した後、生地を絞り、乾燥させる第1処理工程、
第4級アンモニウム塩又は銀系抗菌剤を含有する第2処理液に、前記第1処理工程を行った生地を浸漬した後、生地を絞り、乾燥させる第2処理工程を有する
ことを特徴とする繊維製品の加工方法。
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