JPH11335970A - 抗菌性ポリエステル繊維布帛およびその製造方法 - Google Patents
抗菌性ポリエステル繊維布帛およびその製造方法Info
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- JPH11335970A JPH11335970A JP14098798A JP14098798A JPH11335970A JP H11335970 A JPH11335970 A JP H11335970A JP 14098798 A JP14098798 A JP 14098798A JP 14098798 A JP14098798 A JP 14098798A JP H11335970 A JPH11335970 A JP H11335970A
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- Japan
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- fiber fabric
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Abstract
(57)【要約】
【目的】風合改良の目的で減量加工するべく強アルカリ
液中で長時間処理しても変色することのないような、銀
系抗菌剤を含有するアルカリ減量加工用ポリエステル繊
維布帛を提供することとその製造方法を提供する。 【構成】布帛の表面に0.01〜1%のイミド水素を有
する環状化合物が吸着された銀系抗菌剤を含有するアル
カリ減量加工用ポリエステル繊維布帛である。
液中で長時間処理しても変色することのないような、銀
系抗菌剤を含有するアルカリ減量加工用ポリエステル繊
維布帛を提供することとその製造方法を提供する。 【構成】布帛の表面に0.01〜1%のイミド水素を有
する環状化合物が吸着された銀系抗菌剤を含有するアル
カリ減量加工用ポリエステル繊維布帛である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、風合改良の目的で
減量加工するべく強アルカリ液中で長時間処理しても変
色することのないような、銀系抗菌剤を含有するアルカ
リ減量加工用ポリエステル繊維布帛を提供することとそ
の製造方法を提供することに関するものである。
減量加工するべく強アルカリ液中で長時間処理しても変
色することのないような、銀系抗菌剤を含有するアルカ
リ減量加工用ポリエステル繊維布帛を提供することとそ
の製造方法を提供することに関するものである。
【0002】
【従来の技術】銀系抗菌剤を担持させた抗菌剤を含有す
るポリエステル繊維布帛の風合い改良する際には、通常
のポリエステル繊維布の場合と同様にカセイソーダ等の
強アルカリ液を使用し長時間処理するのが通常の方法で
ある。ところが、銀系抗菌剤を含有するポリエステル繊
維布帛は、高温下での強アルカリ液によりポリエステル
表面が徐々に溶解する際、それに伴って銀イオンの溶出
傾向が強くなり、酸化銀生成等による黄色〜黄褐色への
変色が発生するために商品価値が大幅に低下する。この
黄色〜黄褐色の色調変化を改善するために、過酸化水素
漂白を行うこともあるが、一旦着色した色調を取り除く
のは容易でなく、しかも抗菌性が大幅に低下する場合も
ある。
るポリエステル繊維布帛の風合い改良する際には、通常
のポリエステル繊維布の場合と同様にカセイソーダ等の
強アルカリ液を使用し長時間処理するのが通常の方法で
ある。ところが、銀系抗菌剤を含有するポリエステル繊
維布帛は、高温下での強アルカリ液によりポリエステル
表面が徐々に溶解する際、それに伴って銀イオンの溶出
傾向が強くなり、酸化銀生成等による黄色〜黄褐色への
変色が発生するために商品価値が大幅に低下する。この
黄色〜黄褐色の色調変化を改善するために、過酸化水素
漂白を行うこともあるが、一旦着色した色調を取り除く
のは容易でなく、しかも抗菌性が大幅に低下する場合も
ある。
【0003】熱や光に安定で金属イオン非溶出型といわ
れる、銀担持リン酸ジルコニウム系の抗菌剤(特開平3
−83905号)や、銀系抗菌剤を含有する樹脂に耐変
色性を付与するべく、ベンゾトリアゾール系化合物(但
し、イミド水素基は未保有)等種々の安定剤を樹脂中に
添加して抗菌剤と共存させる提案(特開昭63−265
958号)等もなされているが、いずれの場合も、強ア
ルカリ環境下での銀溶出抑制効果が十分でなく、前記の
アルカリ減量加工工程を経過すると、銀系抗菌剤を含有
するポリエステル繊維布帛が黄色〜黄褐色に変色してし
まうという課題は依然として解決していない。
れる、銀担持リン酸ジルコニウム系の抗菌剤(特開平3
−83905号)や、銀系抗菌剤を含有する樹脂に耐変
色性を付与するべく、ベンゾトリアゾール系化合物(但
し、イミド水素基は未保有)等種々の安定剤を樹脂中に
添加して抗菌剤と共存させる提案(特開昭63−265
958号)等もなされているが、いずれの場合も、強ア
ルカリ環境下での銀溶出抑制効果が十分でなく、前記の
アルカリ減量加工工程を経過すると、銀系抗菌剤を含有
するポリエステル繊維布帛が黄色〜黄褐色に変色してし
まうという課題は依然として解決していない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、風合い改良
の目的で減量加工する際、従来通りの、銀系抗菌剤を含
有するポリエステル繊維布帛及びその製造方法を提供す
ることにある。
の目的で減量加工する際、従来通りの、銀系抗菌剤を含
有するポリエステル繊維布帛及びその製造方法を提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題を解決するために鋭意検討した結果、ポリエステル繊
維布帛表面に、0.01〜1%のイミド水素を有する環
状化合物が吸着された抗菌性ポリエステル繊維布帛とそ
の製造方法を見出し、本発明を完成させるに至った。
題を解決するために鋭意検討した結果、ポリエステル繊
維布帛表面に、0.01〜1%のイミド水素を有する環
状化合物が吸着された抗菌性ポリエステル繊維布帛とそ
の製造方法を見出し、本発明を完成させるに至った。
【0006】本発明の抗菌性ポリエステル繊維布帛が、
強アルカリ液条件下で処理しても銀溶出に伴う色調変化
がない理由は定かではないが、イミド水素を有する環状
化合物がポリエステル繊維布帛より溶出してきた銀イオ
ンと無色の配位化合物を形成し、銀イオンが酸化銀等有
色の化合物になるのを防ぐためではないかと考えられ
る。
強アルカリ液条件下で処理しても銀溶出に伴う色調変化
がない理由は定かではないが、イミド水素を有する環状
化合物がポリエステル繊維布帛より溶出してきた銀イオ
ンと無色の配位化合物を形成し、銀イオンが酸化銀等有
色の化合物になるのを防ぐためではないかと考えられ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明における抗菌性ポリエステ
ル繊維布帛としては、抗菌性ポリエステル長繊維あるい
は短繊維(撚糸)より構成される各種の織物及び編物が
該当するが、抗菌性のない通常のポリエステル繊維が経
糸あるいは緯糸等の形で部分的に混合されていても良
い。
ル繊維布帛としては、抗菌性ポリエステル長繊維あるい
は短繊維(撚糸)より構成される各種の織物及び編物が
該当するが、抗菌性のない通常のポリエステル繊維が経
糸あるいは緯糸等の形で部分的に混合されていても良
い。
【0008】本発明におけるポリエステル繊維に練り込
まれる抗菌剤としては、銀、銅、亜鉛、ビスマス、コバ
ルト、ニッケル等の抗菌性金属を担持させた種々の無機
化合物で、担体としての無機化合物としては例えば、ゼ
オライト、りん酸ジルコニウム、ヒドロキシアパタイ
ト、りん酸チタン、チタン酸カリウム、含水酸化ビスマ
ス、含水酸化アンチモン、含水酸化ジルコニウム、ハイ
ドロタルサイト等無機イオン交換体の他、活性炭、活性
アルミナ、あるいはシリカゲル等の無機吸着体が挙げら
れる。
まれる抗菌剤としては、銀、銅、亜鉛、ビスマス、コバ
ルト、ニッケル等の抗菌性金属を担持させた種々の無機
化合物で、担体としての無機化合物としては例えば、ゼ
オライト、りん酸ジルコニウム、ヒドロキシアパタイ
ト、りん酸チタン、チタン酸カリウム、含水酸化ビスマ
ス、含水酸化アンチモン、含水酸化ジルコニウム、ハイ
ドロタルサイト等無機イオン交換体の他、活性炭、活性
アルミナ、あるいはシリカゲル等の無機吸着体が挙げら
れる。
【0009】本発明におけるイミド水素を有する環状化
合物としては、トリアゾール環、ベンゾトリアゾール
環、イミダゾール環あるいはベンズイミダゾール環等を
有する化合物及びそれぞれの各種置換体が該当する。具
体的には、1H−1,2,4−トリアゾール、1H−
1,2,3−ベンゾトリアゾール、5−メチルベンゾト
リアゾール、4−メチルベンゾトリアゾール、カルボキ
シベンゾトリアゾール、イミダゾール、2−メチルイミ
ダゾール、ベンズイミダゾール、カルボキシベンズイミ
ダゾール、あるいはチアゾリル−1H−ベンズイミダゾ
ール等が好例として挙げられる。
合物としては、トリアゾール環、ベンゾトリアゾール
環、イミダゾール環あるいはベンズイミダゾール環等を
有する化合物及びそれぞれの各種置換体が該当する。具
体的には、1H−1,2,4−トリアゾール、1H−
1,2,3−ベンゾトリアゾール、5−メチルベンゾト
リアゾール、4−メチルベンゾトリアゾール、カルボキ
シベンゾトリアゾール、イミダゾール、2−メチルイミ
ダゾール、ベンズイミダゾール、カルボキシベンズイミ
ダゾール、あるいはチアゾリル−1H−ベンズイミダゾ
ール等が好例として挙げられる。
【0010】上記イミド水素を有する環状化合物の抗菌
性ポリエステル繊維布帛への吸着量としては、0.01
〜1%が適しており、0.01%以下では変色抑制効果
が乏しく、1%以上の場合は十分な抗菌性が得られな
い。変色抑制効果と抗菌性のバランスから、0.1〜
0.5%が特に好ましい。
性ポリエステル繊維布帛への吸着量としては、0.01
〜1%が適しており、0.01%以下では変色抑制効果
が乏しく、1%以上の場合は十分な抗菌性が得られな
い。変色抑制効果と抗菌性のバランスから、0.1〜
0.5%が特に好ましい。
【0011】抗菌性ポリエステル繊維布帛へ上記イミド
水素を有する環状化合物を吸着させるタイミングとして
は、イミド水素を有する環状化合物を効率良く使用出来
る面でもアルカリ減量工程の前段階で行うのが好まし
い。即ち、ピックアップされたイミド水素を有する環状
化合物の分量を補給すれば、処理液の再使用が可能とな
る。上記イミド水素を有する環状化合物を強アルカリ液
中に添加し、アルカリ減量工程段階で並行して行うこと
も可能ではあるが、アルカリ減量工程後は残存したイミ
ド水素を有する環状化合物をアルカリ液と共に捨てるこ
とになりロス量が大きくなるだけでなく、抗菌性ポリエ
ステル系繊維布帛が、イミド水素を有する環状化合物に
吸着される前に強アルカリ液の影響(銀イオン溶出に基
づく変色)を受け、斑点等の部分的変色があらわれたり
することもあるので好ましくない。
水素を有する環状化合物を吸着させるタイミングとして
は、イミド水素を有する環状化合物を効率良く使用出来
る面でもアルカリ減量工程の前段階で行うのが好まし
い。即ち、ピックアップされたイミド水素を有する環状
化合物の分量を補給すれば、処理液の再使用が可能とな
る。上記イミド水素を有する環状化合物を強アルカリ液
中に添加し、アルカリ減量工程段階で並行して行うこと
も可能ではあるが、アルカリ減量工程後は残存したイミ
ド水素を有する環状化合物をアルカリ液と共に捨てるこ
とになりロス量が大きくなるだけでなく、抗菌性ポリエ
ステル系繊維布帛が、イミド水素を有する環状化合物に
吸着される前に強アルカリ液の影響(銀イオン溶出に基
づく変色)を受け、斑点等の部分的変色があらわれたり
することもあるので好ましくない。
【0012】上記イミド水素を有する環状化合物の抗菌
性ポリエステル繊維布帛への吸着方法としては、前述の
如くアルカリ減量加工工程の前段階に行い、イミド水素
を有する環状化合物を溶解させた60℃以上の温水ある
いは溶剤の中に浸漬処理させることにより行う方法が適
しているが、「イミド水素を有する環状化合物を1〜2
0g/l含む水混合液を、イミド水素を有する環状化合
物が均一溶解可能な80〜100℃に保温し、その水溶
液中に浴比1/10〜1/50の上記抗菌性ポリエステ
ル系繊維布帛を10分間程度浸漬後乾燥する方法」が適
例として挙げられるが、ジッカー、キヤー、ウインス等
の非連続式装置、パッドロールのような半連続装置及び
J−Box、L−Box、ベンチラー、パーブルレン
ジ、高圧スチーマ等の連続式装置のいずれの装置を使用
しても可能である。また、エタノール等の溶剤系での吸
着する方法も可能であり、この場合は溶剤処理機を使用
する。
性ポリエステル繊維布帛への吸着方法としては、前述の
如くアルカリ減量加工工程の前段階に行い、イミド水素
を有する環状化合物を溶解させた60℃以上の温水ある
いは溶剤の中に浸漬処理させることにより行う方法が適
しているが、「イミド水素を有する環状化合物を1〜2
0g/l含む水混合液を、イミド水素を有する環状化合
物が均一溶解可能な80〜100℃に保温し、その水溶
液中に浴比1/10〜1/50の上記抗菌性ポリエステ
ル系繊維布帛を10分間程度浸漬後乾燥する方法」が適
例として挙げられるが、ジッカー、キヤー、ウインス等
の非連続式装置、パッドロールのような半連続装置及び
J−Box、L−Box、ベンチラー、パーブルレン
ジ、高圧スチーマ等の連続式装置のいずれの装置を使用
しても可能である。また、エタノール等の溶剤系での吸
着する方法も可能であり、この場合は溶剤処理機を使用
する。
【0013】抗菌性ポリエステル繊維布帛に柔軟な風合
いを与えるため、カセイソ−ダ浴による高温処理(アル
カリ減量加工)を行うが、その風合いの程度により10
〜25%の表面溶解を行うが、溶解速度は処理条件や攪
拌方法により異なる。連続方式はアルカリ浴パッドスチ
ーム法や、アルカリ浴パッド熱シリンダー焼き付け法あ
るいはコールドバッチ長時間処理法等が可能であるが、
アルカリ浴パッドスチーム法の場合は、25〜30%の
カセイソーダ液を使用し、処理温度としては110℃、
処理時間は3〜10分間程度行うのが適例として挙げら
れる。なおこの際、アルカリ減量浸透剤を併用するのが
通常である。その他、放流式、ビーム染色機、ジッカ
ー、つり槽あるいはウインス等の装置も使用出来るが、
放流式の場合、4%程度のカセイソーダ液を使用し、処
理温度としては98℃、処理時間としては30〜50分
間程度行うのが適例として挙げられる。アルカリ処理後
はいずれの場合も十分な洗浄中和の後処理が必要であ
る。
いを与えるため、カセイソ−ダ浴による高温処理(アル
カリ減量加工)を行うが、その風合いの程度により10
〜25%の表面溶解を行うが、溶解速度は処理条件や攪
拌方法により異なる。連続方式はアルカリ浴パッドスチ
ーム法や、アルカリ浴パッド熱シリンダー焼き付け法あ
るいはコールドバッチ長時間処理法等が可能であるが、
アルカリ浴パッドスチーム法の場合は、25〜30%の
カセイソーダ液を使用し、処理温度としては110℃、
処理時間は3〜10分間程度行うのが適例として挙げら
れる。なおこの際、アルカリ減量浸透剤を併用するのが
通常である。その他、放流式、ビーム染色機、ジッカ
ー、つり槽あるいはウインス等の装置も使用出来るが、
放流式の場合、4%程度のカセイソーダ液を使用し、処
理温度としては98℃、処理時間としては30〜50分
間程度行うのが適例として挙げられる。アルカリ処理後
はいずれの場合も十分な洗浄中和の後処理が必要であ
る。
【0014】
【実施例】(参考例1:抗菌性ポリエステル繊維布帛の
準備)経糸に75d/72fのポリエステルフィラメン
ト、緯糸に150d/46fの銀系抗菌剤(東亜合成
(株)製 ノバロンAG300)を1.5%練り込んだ
ポリエステルフィラメントを織り込んだ抗菌性ポリエス
テル織物(品名:1/2ツイル、設計品番TJC224
8)をカネボウ合繊(株)より入手した。
準備)経糸に75d/72fのポリエステルフィラメン
ト、緯糸に150d/46fの銀系抗菌剤(東亜合成
(株)製 ノバロンAG300)を1.5%練り込んだ
ポリエステルフィラメントを織り込んだ抗菌性ポリエス
テル織物(品名:1/2ツイル、設計品番TJC224
8)をカネボウ合繊(株)より入手した。
【0015】(実施例1:イミド水素を有する環状化合
物を吸着した抗菌性ポリエステル繊維布帛の調製1)各
種イミド水素を有する環状化合物と水を表1に記した割
合で配合した混合液を調製した後、90℃に昇温してイ
ミド水素を有する環状化合物を均一溶解させてから、浴
比1:50の条件で参考例1の抗菌性ポリエステル繊維
布帛を投入し、10分間浸漬させた。その後絞ってから
乾燥させた。各種イミド水素を有する環状化合物の抗菌
性ポリエステル繊維布帛への吸着量はエタノール抽出
後、液体クロマトグラフィー測定より検量した。なお、
各イミド水素を有する環状化合物は、カルボキシベンゾ
トリアゾール(城北化学社製)を除き、市販試薬を使用
した。
物を吸着した抗菌性ポリエステル繊維布帛の調製1)各
種イミド水素を有する環状化合物と水を表1に記した割
合で配合した混合液を調製した後、90℃に昇温してイ
ミド水素を有する環状化合物を均一溶解させてから、浴
比1:50の条件で参考例1の抗菌性ポリエステル繊維
布帛を投入し、10分間浸漬させた。その後絞ってから
乾燥させた。各種イミド水素を有する環状化合物の抗菌
性ポリエステル繊維布帛への吸着量はエタノール抽出
後、液体クロマトグラフィー測定より検量した。なお、
各イミド水素を有する環状化合物は、カルボキシベンゾ
トリアゾール(城北化学社製)を除き、市販試薬を使用
した。
【0016】
【表1】
【0017】(実施例2:イミド水素を有する環状化合
物を吸着した抗菌性ポリエステル繊維布帛の調製2)エ
タノールを表2に記した割合で配合したエタノール溶液
を30℃に保温してから、浴比1:50の条件で参考例
1の抗菌性ポリエステル繊維布帛を投入し、10分間浸
漬させた。その後絞って乾燥した。各種イミド水素を有
する環状化合物の抗菌性ポリエステル織物への吸着量は
実施例1と同様の方法にて検量した。
物を吸着した抗菌性ポリエステル繊維布帛の調製2)エ
タノールを表2に記した割合で配合したエタノール溶液
を30℃に保温してから、浴比1:50の条件で参考例
1の抗菌性ポリエステル繊維布帛を投入し、10分間浸
漬させた。その後絞って乾燥した。各種イミド水素を有
する環状化合物の抗菌性ポリエステル織物への吸着量は
実施例1と同様の方法にて検量した。
【0018】
【表2】
【0019】(試験例1:アルカリ減量テスト)4%カ
セイソーダ水溶液を調製後、減量促進剤ネオレートNA
30(日華化学(株)製)を10cc/l添加した後、
98℃に保温しつつ、浴比1:50の条件で実施例1及
び実施例2の各種イミド水素を有する環状化合物を吸着
した抗菌性ポリエステル繊維布帛を投入し、40分間浸
漬させた。その後ノニオン界面活性剤 NS−201
(日本油脂製)にてリンス・水洗及び風乾後アイロン仕
上げした。
セイソーダ水溶液を調製後、減量促進剤ネオレートNA
30(日華化学(株)製)を10cc/l添加した後、
98℃に保温しつつ、浴比1:50の条件で実施例1及
び実施例2の各種イミド水素を有する環状化合物を吸着
した抗菌性ポリエステル繊維布帛を投入し、40分間浸
漬させた。その後ノニオン界面活性剤 NS−201
(日本油脂製)にてリンス・水洗及び風乾後アイロン仕
上げした。
【0020】(試験例2:アルカリ減量後の各布帛の色
調評価)アルカリ減量後の各布帛の色調評価は、裸眼観
察の他、アルカリ減量加工未処理の参考例1の抗菌性ポ
リエステル繊維布帛との色差(ΔE値)を、ミノルタ製
分光光度計CM202にて測色することにより行った。
これらの結果は表3の通りであるが、抗菌ポリエステル
繊維布帛を通常のアルカリ減量加工(減量率は約20
%)すると黄褐色に変色するのに比して、本発明の0.
01〜1%のイミド水素を有する環状化合物の吸着した
抗菌ポリエステル繊維布帛の場合には殆ど変色しなかっ
た。しかし、イミド水素を有する環状化合物が50pp
mと低吸着量の場合には、黄変化が認められた。
調評価)アルカリ減量後の各布帛の色調評価は、裸眼観
察の他、アルカリ減量加工未処理の参考例1の抗菌性ポ
リエステル繊維布帛との色差(ΔE値)を、ミノルタ製
分光光度計CM202にて測色することにより行った。
これらの結果は表3の通りであるが、抗菌ポリエステル
繊維布帛を通常のアルカリ減量加工(減量率は約20
%)すると黄褐色に変色するのに比して、本発明の0.
01〜1%のイミド水素を有する環状化合物の吸着した
抗菌ポリエステル繊維布帛の場合には殆ど変色しなかっ
た。しかし、イミド水素を有する環状化合物が50pp
mと低吸着量の場合には、黄変化が認められた。
【0021】
【表3】
【0022】(試験例3:アルカリ減量後の各布帛の抗
菌性試験)菌種としては肺炎肝菌を選び、シェークフラ
スコ法に基づいて、抗菌性試験を実施した。具体的に
は、試験布帛の1cm角に切断した試料0.75gを2
00mlの三角フラスコに入れ、リン酸緩衝液75ml
を加え(試験菌懸濁液を調整)、リストアクションシェ
ーカーで1時間後の生菌数を測定し(なお、振とう前の
菌数は1.5×104 )、滅菌率を算出した。その結果
を表4に記したが、本発明の0.01〜1%のイミド水
素を有する環状化合物の吸着した抗菌ポリエステル布帛
をアルカリ減量した場合も滅菌率は90%を超えてお
り、抗菌性ポリエステル繊維原布やそれをアルカリ減量
した布帛と同様、十分な抗菌性を維持していることが認
められる。一方、イミド水素を有する環状化合物の吸着
量が1.2%と高い吸着量の場合は、滅菌率が約33%
と十分な抗菌性が得られないことが分かった。
菌性試験)菌種としては肺炎肝菌を選び、シェークフラ
スコ法に基づいて、抗菌性試験を実施した。具体的に
は、試験布帛の1cm角に切断した試料0.75gを2
00mlの三角フラスコに入れ、リン酸緩衝液75ml
を加え(試験菌懸濁液を調整)、リストアクションシェ
ーカーで1時間後の生菌数を測定し(なお、振とう前の
菌数は1.5×104 )、滅菌率を算出した。その結果
を表4に記したが、本発明の0.01〜1%のイミド水
素を有する環状化合物の吸着した抗菌ポリエステル布帛
をアルカリ減量した場合も滅菌率は90%を超えてお
り、抗菌性ポリエステル繊維原布やそれをアルカリ減量
した布帛と同様、十分な抗菌性を維持していることが認
められる。一方、イミド水素を有する環状化合物の吸着
量が1.2%と高い吸着量の場合は、滅菌率が約33%
と十分な抗菌性が得られないことが分かった。
【0023】
【表4】
【0024】
【発明の効果】表面に0.01〜1%のイミド水素を有
する環状化合物が吸着された銀系抗菌剤を含有する本発
明のポリエステル繊維布帛においては、(風合い改良の
目的で)従来通りの強アルカリ液条件下で減量加工処理
しても、銀溶出に伴う色調変化がなくしかも十分な抗菌
性が維持されることが確認された。
する環状化合物が吸着された銀系抗菌剤を含有する本発
明のポリエステル繊維布帛においては、(風合い改良の
目的で)従来通りの強アルカリ液条件下で減量加工処理
しても、銀溶出に伴う色調変化がなくしかも十分な抗菌
性が維持されることが確認された。
Claims (2)
- 【請求項1】 表面に0.01〜1%のイミド水素を有
する環状化合物が吸着された銀系抗菌剤を含有するアル
カリ減量加工用ポリエステル繊維布帛。 - 【請求項2】 アルカリ減量加工をする前に、イミド水
素を有する環状化合物を溶解させた60℃以上の温水あ
るいは溶剤の中に浸漬処理させることを特徴とする、請
求項1記載の銀系抗菌剤を含有したアルカリ減量加工用
ポリエステル繊維布帛の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14098798A JPH11335970A (ja) | 1998-05-22 | 1998-05-22 | 抗菌性ポリエステル繊維布帛およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14098798A JPH11335970A (ja) | 1998-05-22 | 1998-05-22 | 抗菌性ポリエステル繊維布帛およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11335970A true JPH11335970A (ja) | 1999-12-07 |
Family
ID=15281513
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14098798A Pending JPH11335970A (ja) | 1998-05-22 | 1998-05-22 | 抗菌性ポリエステル繊維布帛およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11335970A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007186815A (ja) * | 2006-01-13 | 2007-07-26 | Gunze Ltd | 繊維製品の加工方法 |
CN113026341A (zh) * | 2021-02-26 | 2021-06-25 | 石家庄学院 | 一种基于高效前处理工艺的铜、钛偶联长效抗菌聚酯纤维的制备方法 |
US11408105B2 (en) | 2017-03-31 | 2022-08-09 | Nike, Inc. | Knitting feeder with a cutting device |
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1998
- 1998-05-22 JP JP14098798A patent/JPH11335970A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007186815A (ja) * | 2006-01-13 | 2007-07-26 | Gunze Ltd | 繊維製品の加工方法 |
US11408105B2 (en) | 2017-03-31 | 2022-08-09 | Nike, Inc. | Knitting feeder with a cutting device |
CN113026341A (zh) * | 2021-02-26 | 2021-06-25 | 石家庄学院 | 一种基于高效前处理工艺的铜、钛偶联长效抗菌聚酯纤维的制备方法 |
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