JP6774832B2 - 織編物及びその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、アセトアルデヒド臭を消臭しつつも黄変し難い織編物を提供することを目的とする。
前記ポリビニルアミン化合物は、CHO基及びCH3CO基からなる群から選択される少なくとも1つの基で置換されたアミノ基並びにアニオン性界面活性剤由来のアニオン基で置換されたアミノ基を有し、且つ
前記セルロース系織編物は、ケイ素元素を15.0mg/g以下の量で含む、前記セルロース系織編物。
(2) 酸化亜鉛、シリカからなる群から選択される少なくとも1種と、及びポリオキシエチレンアルキルエーテル、エチレングリコールから選択される少なくとも1種とを更に含む、(1)に記載のセルロース系織編物。
(3) アクリル樹脂バインダーを更に含む、(2)に記載のセルロース系織編物。
(4) 無機多孔質酸化物及び/又は無機金属化合物を更に含む、(1)〜(3)のいずれかに記載のセルロース系織編物。
(5) 前記ケイ素元素は、溶解性ケイ素化合物由来のケイ素元素を含み、且つ前記セルロース系織編物は、溶解性ケイ素化合物由来のケイ素元素を2.2mg/g以下の量で含む、(1)〜(4)のいずれかに記載のセルロース系織編物。
(6) 衣服用である、(1)〜(5)のいずれかに記載のセルロース系織編物。
(7) (a)セルロース系織編物を精練・漂白処理する工程、
(b)精練・漂白処理後のセルロース系織編物を0.5〜5g/Lの水酸化ナトリウム水溶液に浸漬する再精練工程、
(c)再精練後のセルロース系織編物に、ポリビニルアミン化合物を付着させる工程、ここで、前記ポリビニルアミン化合物はCHO基及びCH3CO基の少なくとも1つの基で置換されたアミノ基を有する、及び
(d)前記(c)工程後のセルロース系織編物を、アニオン性界面活性剤を0.1〜5質量%含む水溶液に浸漬する工程
を有する、(1)〜(6)のいずれかに記載のセルロース系織編物の製造方法。
(8) 前記再精練工程は、80〜100℃の水酸化ナトリウム水溶液中で行われる、(7)に記載の製造方法。
(9) セルロース系織編物に、酸化亜鉛、シリカからなる群から選択される少なくとも1種と、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、エチレングリコールから選択される少なくとも1種とを、アクリル樹脂バインダーを用いて付着させる工程を更に有する、(7)又は(8)に記載の製造方法。
<セルロース系織編物>
本発明のセルロース系織編物は、ポリビニルアミン化合物を含むセルロース系織編物であって、前記ポリビニルアミン化合物は、CHO基及びCH3CO基からなる群から選択される少なくとも1つの基で置換されたアミノ基並びにアニオン性界面活性剤由来のアニオン基で置換されたアミノ基を有し、且つ前記セルロース系織編物は、ケイ素元素を15.0mg/g以下の量で含む、前記セルロース系織編物である。
本発明のセルロース系織編物はポリビニルアミン化合物を含む。ポリビニルアミン化合物は、CHO基及びCH3CO基からなる群から選択される少なくとも1つの基で置換されたアミノ基並びにアニオン性界面活性剤由来のアニオン基で置換されたアミノ基を有する。当該ポリビニルアミン化合物を含むことにより、アセトアルデヒドの消臭作用を発揮することができる。また、織編物の黄変を抑制することができる。さらに、ピリジンの消臭作用を発揮することができる。
本明細書において、CHO基及びはCH3CO基から成る群から選択される少なくとも1つの基で置換されたアミノ基並びにアニオン性界面活性剤由来のアニオン基で置換されたアミノ基を有するポリビニルアミン化合物を、A成分と呼ぶことがある。
上記A成分は、例えば、リケンレヂンEB−3(三木理研工業株式会社製)中に含まれるポリビニルアミン化合物(アミノ基の一部がCHO基及び/又はCH3CO基で置換されている。)をアニオン界面活性剤と反応させて、CHO基及びCH3CO基からなる群から選択される少なくとも1つの基で置換されていないアミノ基の一部をアニオン界面活性剤由来のアニオン基(アニオン部)で置換することにより製造することができる。
R2は、アニオン性界面活性剤由来のアニオン基(アニオン部)である。
これらの繰り返し単位は、上記化合物中にランダムに存在してもよく(ランダムコポリマー)、互いに交互に存在していてもよく、或いは、それぞれの繰り返し単位がブロック状に存在していてもよい(ブロックコポリマー)。lとmとnの比率は任意である。例えば、1とmとnの和に対するlの比率は、0〜50%であってもよく、5〜30%であってもよく、10〜20%であってもよい。lとmとnの和に対するmの比率は、40〜90%であってもよく、50〜80%であってもよく、60〜80%であってもよい。lとmとnの和に対するnの比率は、0〜30%であってもよく、5〜30%であってもよく、10〜20%であってもよい。
R2は、アニオン性界面活性剤由来のアニオン基であり、これらの中でもカルボン酸型(R−COO-)、スルホン酸型(R−SO3 -)、硫酸エステル型(R−O−SO3 -)、リン酸型(R−O−PO(OH)O-)が好ましく、リン酸型(R−O−PO(OH)O-)がより好ましい。ここで、Rは炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル又はアルケニルであり、炭素数3〜20の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル又はアルケニルが好ましい。
上記ポリビニルアミン化合物の数平均分子量に特に制限はないが、200〜2000が好ましく、400〜1000がより好ましい。
本明細書及び特許請求の範囲において、ケイ素元素とは、金属ケイ素及びケイ素化合物を構成するケイ素元素(ケイ素イオン)のいずれをも含む概念である。
本明細書及び特許請求の範囲において、単に「ケイ素元素」という場合、溶解性のケイ素化合物由来のケイ素元素と不溶性のケイ素化合物由来のケイ素元素の両方を含むものとする。
本発明のセルロース系織編物は、洗濯前(未洗時)のセルロース系織編物に含まれるケイ素元素量が15.0mg/g以下である。洗濯前(未洗時)のセルロース系織編物に含まれるケイ素元素量は、14.5mg/g以下であることが好ましく、14.2mg/g以下であることがより好ましく、14.0mg/g以下であることがさらにより好ましい。下限値に特に制限はなく、0mg/gであってもよく、0.1mg/gであってもよく、0.5mg/gであってもよい。ケイ素元素量が上記範囲内であると、黄変抑制作用を向上させることが出来る。
また、洗濯に用いられる洗濯水は、水道水、工業用水又はそれらの混合物を用いることができる。但し、洗濯水中に含まれる二酸化ケイ素量は7〜12mg/Lの範囲内であり且つpHは7〜7.5の範囲内であることを条件とする。
上記洗濯方法に用いられる洗剤は、非イオン系界面活性剤のJAFET標準配合洗剤を使用することができる。JAFET標準配合洗剤は、一般社団法人繊維評価技術協議会で入手することができる。なお、JAFET標準配合洗剤は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル及びアルファオレフィンスルホン酸ナトリウムを含む。
本発明の洗濯方法は、具体的には以下の通りである。
JIS L0217:1995の付表1、洗い方103に規定される遠心式脱水装置付き家庭用電気洗濯機(JIS C 9606)を使用し、洗濯水槽の一番上の水位線まで液温40℃の水(二酸化ケイ素量:7〜12mg/L、pH:7〜7.5)を入れ、これに水30Lに対して40mLの割合でJAFET標準配合洗剤を添加して溶解し、洗濯液とする。この洗濯液に浴比が,1対30になるように試料(被洗濯物)及び必要に応じて負荷布(JIS L 0803の3号)を投入して運転を開始する。5分間処理した後、運転を止め、試料及び負荷布を脱水機で脱水し、次に洗濯液を常温の新しい水(二酸化ケイ素量:7〜12mg/L、pH:7〜7.5)に替えて、同一の浴比で2分間すすぎ洗いを行う。2分間のすすぎ洗いを行った後、運転を止め、試料と負荷布を脱水し、再び2分間すすぎ洗いを行い、脱水し、直接日光の影響を受けない状態でつり干し又は平干しをする。この洗濯方法を10回繰返し行う。
ケイ素元素は、溶解性ケイ素化合物由来のケイ素元素と不溶性ケイ素化合物由来のケイ素元素とを含む。
溶解性ケイ素化合物は、洗濯水に可溶なケイ素化合物である。溶解性ケイ素化合物としては、オルトケイ酸ナトリウム(Na4Si04)、メタケイ酸ナトリウム(Na2Si03)、オルトケイ酸カリウム(K4Si04)、メタケイ酸カリウム(K2Si03)などが挙げられる。
本発明のセルロース系織編物は、(未洗時の)セルロース系織編物に含まれる溶解性ケイ素化合物由来のケイ素元素量が2.2mg/g以下であることが好ましく、2.1mg/g以下であることがより好ましい。下限値に特に制限はなく、0mg/gであってもよく、0.1mg/gであってもよく、0.5mg/gであってもよい。
また、上記洗濯方法で10回洗濯した後のセルロース系織編物に含まれる溶解性ケイ素化合物由来のケイ素元素量が2.2mg/g以下であることが好ましく、2.1mg/g以下であることがより好ましい。下限値に特に制限はなく、0mg/gであってもよく、0.1mg/gであってもよく、0.5mg/gであってもよい。
不溶性ケイ素化合物は、洗濯水にほとんど或いは全く溶解しないケイ素化合物(即ち、不溶又は難溶なケイ素化合物)である。不溶性ケイ素化合物としては、オルトケイ酸(H4SiO4)、メタケイ酸(H2SiO3)、メタ二ケイ酸(H2Si2O5)、コロイダルシリカ又は超微粒子状シリカ(Si02)などが挙げられる。
本発明のセルロース系織編物は、(未洗時の)セルロース系織編物に含まれる不溶性ケイ素化合物由来のケイ素元素量が12.8mg/g以下であることが好ましく、12.5mg/g以下であることがより好ましく、12.0mg/g以下であることがさらにより好ましい。下限値に特に制限はなく、0mg/gであってもよく、0.5mg/gであってもよく、1.0mg/gであってもよい。
また、上記洗濯方法で10回洗濯した後のセルロース系織編物に含まれる不溶性ケイ素化合物由来のケイ素元素量が4.1mg/g未満であることが好ましく、4.0mg/g以下であることがより好ましく、3.9mg/g以下であることがさらにより好ましい。下限値に特に制限はなく、0mg/gであってもよく、0.5mg/gであってもよく、1.0mg/gであってもよい。
本発明のセルロース系織編物は、無機多孔質酸化物及び/又は無機金属化合物を含んでいてもよい。無機多孔質酸化物及び/又は無機金属化合物を含むことにより、無機多孔質物質は酸性からアルカリ性の幅広い悪臭を吸着させ、金属は酸性臭を、酸素は塩基臭をイオン的に吸着させ、消臭機能を得られる。
無機多孔質酸化物としては、無機多孔質物質のシリカ、酸化チタン、酸化亜鉛が挙げられる。
無機金属化合物としては、炭酸ニッケルなどが挙げられる。
無機多孔質酸化物及び/又は無機金属化合物としては、例えば、リケンレヂンEB−3(三木理研工業株式会社製)中に含まれる無機多孔質酸化物及び/又は無機金属化合物を用いることができる。
無機多孔質酸化物及び/又は無機金属化合物の含有量に特に制限はないが、セルロース系織編物1kgあたり30〜100g含まれることが好ましく、50〜80g含まれることがより好ましく、60〜70g含まれることがさらにより好ましい。
また、無機多孔質酸化物及び/又は無機金属化合物は、前記A成分100質量部に対して0〜150質量部含まれることが好ましく、0.1〜100質量部含まれることがより好ましく、10〜80質量部含まれることがさらにより好ましく、30〜70質量部含まれることが特に好ましい。
本発明のセルロース系織編物は、酸化亜鉛、シリカからなる群から選択される少なくとも1種と、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、エチレングリコールからなる群から選択される少なくとも1種(以下、B成分と呼ぶことがある)を含むことが好ましい。これらの成分を含むことにより、アンモニア、硫化水素、酢酸に対して優れた消臭作用を発揮することができる。
B成分の含有量に特に制限はないが、セルロース系織編物1kgあたり30〜90g含まれることが好ましく、50〜80g含まれることがより好ましく、60〜70g含まれることがさらにより好ましい。
本発明のセルロース系織編物は、酸化亜鉛、シリカのうち1種のみを含んでいてもよいが、2種以上を組み合わせて含むことが好ましい 酸化亜鉛を含む場合、酸化亜鉛の含有量に特に制限はないが、セルロース系織編物1kgあたり0〜60g含まれることが好ましく、10〜40g含まれることがより好ましく、20〜30g含まれることがさらにより好ましい。酸化亜鉛は、酢酸、硫化水素などの酸性臭の消臭に特に効果を発揮する。
シリカを含む場合、シリカの含有量に特に制限はないが、セルロース系織編物1kgあたり20〜60g含まれることが好ましく、30〜50g含まれることがより好ましく、35〜40g含まれることがさらにより好ましい。シリカは、塩基臭のアンモニアの消臭に特に効果を発揮する。
本発明のセルロース系織編物は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、エチレングリコールのうち1種のみを含んでいてもよいが、2種以上を組み合わせて含むことが好ましい。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルを含む場合、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの含有量に特に制限はないが、セルロース系織編物1kgあたり0.5〜3g含まれることが好ましく、0.8〜2.5g含まれることがより好ましく、1〜2g含まれることがさらにより好ましい。ポリオキシエチレンアルキルエーテルは分散剤や界面活性剤として特に効果を発揮する。
エチレングリコールを含む場合、エチレングリコールの含有量に特に制限はないが、セルロース系織編物1kgあたり5〜20g含まれることが好ましく、10〜15g含まれることがより好ましく、12〜15g含まれることがさらにより好ましい。エチレングリコールは吸湿剤として特に効果を発揮する。
B成分としては、例えば、ザオバタックNANO63S(大和化学工業株式会社製))に含まれる酸化亜鉛、シリカ、エチレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテルを用いることができる。
本発明のセルロース系織編物は、アクリル樹脂バインダーを含んでいてもよい。アクリル樹脂バインダーを含むことにより、B成分をセルロース系織編物に容易に付着させることができる。
アクリル樹脂バインダーとしては、アクリル酸エステル樹脂、アクリル酸エステル樹脂エステル共重合樹脂、が挙げられる。
アクリル樹脂バインダーの含有量に特に制限はないが、セルロース系織編物1kgあたり10〜60g含まれることが好ましく、20〜40g含まれることがより好ましく、20〜30g含まれることがさらにより好ましい。
アクリル樹脂バインダーとしては、ライトエポックT25(北広ケミカル株式会社製)を用いることができる。
また、これらの織編物を構成する繊維は、セルロース系繊維のみからなっていてもよいが、本発明の効果を害さない範囲内でその他の繊維を含んでいてもよい。セルロース系繊維としては、綿、麻等の天然セルロース系繊維が好ましく、綿が特に好ましい。その他の繊維としては、ポリエステル、ナイロン、アクリル等の合成繊維が挙げられる。混用される合成繊維の割合は、50質量%未満であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることがさらにより好ましく、10%以下であることがさらにより好ましい。合成繊維の割合が0質量%であることが最も好ましい。
本件明細書において、式差ΔEとは、織編物の黄変の程度を数値化した値であり、式差ΔEの値が小さいほど黄変が少ないことを意味する。
本発明のセルロース系織編物は、未洗時の色差ΔEが2.0未満であることが好ましく、1.8以下であることがより好ましく、1.6以下であることがさらにより好ましい。
また、本発明のセルロース系織編物は、10回洗濯後の色差ΔEが2.0未満であることが好ましく、1.8以下であることがより好ましく、1.6以下であることがさらにより好ましい。
本発明のセルロース系織編物は、肌着、外衣、作業着などの衣服に用いることができ、なかでも肌着に好適に用いることができる。また、本発明のセルロース系織編物は黄変抑制効果を有するため、白色系の衣服に好適に用いることができ、白色系の肌着に特に好適に用いることができる。なお、白色系とは、白色、オフホワイト、アイボリーなどを含む概念である。
本件明細書において、消臭率とは、織編物の消臭性能を数値化した値であり、消臭率の値が大きいほど消臭性能が優れていることを意味する。
本発明のセルロース系織編物は、SEK(一般社団法人繊維評価技術協議会)基準により未洗時及び10回洗濯後の消臭率が次の基準を満たすことが好ましい。
本発明のセルロース系織編物の製造方法は、
(a)セルロース系織編物を精練・漂白処理する工程、
(b)精練・漂白処理後のセルロース系織編物を0.5〜5g/Lの水酸化ナトリウム水溶液に浸漬する再精練工程、
(c)再精練後のセルロース系織編物に、ポリビニルアミン化合物を付着させる工程、ここで、前記ポリビニルアミン化合物はCHO基及びCH3CO基の少なくとも1つの基で置換されたアミノ基を有する、及び
(d)前記(c)工程後のセルロース系織編物を、アニオン性界面活性剤を0.1〜5質量%含む水溶液に浸漬する工程を有する。
以下、本発明の製造方法における各工程について説明する。
精練・漂白工程は、精練・漂白処理前のセルロース系織編物(生機)を、精練及び漂白するものである。精練・漂白することにより、織編物(生機)の不純物を除去し、色素を漂白する。精練工程と漂白工程はそれぞれ別個に行ってもよく、1浴で同時に行ってもよい。また、精練・漂白工程は、1回のみ行ってもよく、2回以上行ってもよい。
精練・漂白処理は、例えば、液流染色機を使用し、精練処理に用いる水酸化ナトリウムと漂白処理に用いる過酸化水素とを含む水溶液中に、精練・漂白処理前のセルロース系織編物を80〜100℃、好ましくは90〜100℃で20〜60分間浸漬・加熱処理することにより行うことが出来る。
精練処理と漂白処理をそれぞれ別個に行う場合は、セルロース系織編物を水酸化ナトリウムを含む水溶液中に80〜100℃で20〜60分間浸漬・加熱して精練処理した後、セルロース系織編物を過酸化水素を含む水溶液中に80〜100℃で20〜60分間浸漬・加熱して漂白処理してもよい。
精練・漂白処理に用いられる水溶液中の水酸化ナトリウム濃度は、0.2〜2g/Lであることが好ましく、0.5〜1.5g/Lであることがより好ましい。また、水溶液中の過酸化水素濃度は、0.5〜10g/Lであることが好ましく、1〜8g/Lであることがより好ましく、1〜5g/Lであることがさらにより好ましい。
また、水溶液中には、安定剤や浸透剤、金属イオン封鎖剤などが含まれていてもよい。
安定剤としては、非ケイ素化合物系などが挙げられる。安定剤として、例えば、コタニ化学工業(株)製のクインライトHS(商品名)、日華化学(株)製のネオレートPH−950などを用いることができる。水溶液中の安定剤濃度は1〜4g/Lであることが好ましい。
浸透剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどの非イオン(ノニオン)性界面活性剤などが挙げられる。浸透剤として、例えば、北広ケミカル(株)製のスコアロールTS1169(商品名)、第一工業製薬(株)製のダイサーフTW20(商品名)などを用いることができる。水溶液中の浸透剤濃度は0.2〜4g/Lであることが好ましい。
金属イオン封鎖剤としては、トリポリリン酸ソーダなどのポリリン酸塩、エチレンジアミン四酢酸塩、ニトリロ三酢酸塩、ジエチレントリアミン五酢酸塩などのアミノ酢酸塩、蓚酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩、オキシカルボン酸塩、アミノトリメチレンホスホン酸塩、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸塩、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸塩、アクリル酸系重合体、マレイン酸系重合体などが挙げられる。金属イオン封鎖剤として、例えば、花王(株)製のセレッシュ200(商品名)、日華化学(株)製のネオクリスタル80(商品名)などを用いることができる。水溶液中の金属イオン封鎖剤の濃度は0.1〜1g/Lであることが好ましい。
精練・漂白処理後、硫酸、塩酸等の無機酸、又は酢酸、蟻酸等の有機酸で中和する中和処理工程及び/又は水洗工程を設けてもよい。
本発明の製造方法は、精練・漂白処理後のセルロース系織編物を0.5〜5g/Lの水酸化ナトリウム水溶液に浸漬する再精練工程を有する。水酸化ナトリウム水溶液中の水酸化ナトリウム濃度は、0.6〜4g/Lであることが好ましく、0.7〜3g/Lであることがより好ましく、0.8〜1.5g/Lであることがさらにより好ましい。再精練工程を有することにより、繊維に付着したケイ素元素の量を低減することができ、黄変し難い織編物を得ることができる。
再精練処理は、精練・漂白処理後のセルロース系織編物を、0.5〜5g/Lの水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬することにより行われる。また、再精練処理後、漂白処理は行われない。
再精練処理で用いられる水溶液には、水酸化ナトリウム及び水以外に浸透剤を含んでいてもよい。浸透剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどの非イオン(ノニオン)性界面活性剤などが挙げられる。浸透剤として、例えば、北広ケミカル(株)製のスコアロールTS1169(商品名)、第一工業製薬(株)製のダイサーフTW20(商品名)などを用いることができる。浸透剤を用いる場合、水溶液中の浸透剤濃度は0.1〜2g/Lであることが好ましく、0.2〜1g/Lであることがより好ましい。
本発明の製造方法は、再精練工程後に、必要に応じて染料を用いてセルロース系織編物を染色する工程を有していてもよく、染色する工程を有していなくてもよい。
染色する工程を有する場合、使用する染料としては、セルロース系織編物を染色することが出来る限り特に制限はなく、蛍光染料、反応染料などを挙げることができる。
蛍光染料染色は、例えば、液流染色機を使用し、セルロース系織編物を、蛍光染料0.01〜0.5%o.w.f.(好ましくは0.1〜0.5%o.w.f.)を処方した水溶液に浸漬し、液温を50〜100℃に昇温し、20〜60分間加熱することにより染色処理を行うことができる。
反応染料染色は、例えば、液流染色機を使用し、セルロース系織編物を、反応染料0.1〜15%o.w.f.(好ましくは0.1〜10%o.w.f.)、炭酸ナトリウム5〜10g/L、芒硝10〜80g/Lを処方した水溶液に浸漬し、液温を50〜80℃に昇温し、45〜90分間加熱することにより染色処理を行うことができる。
染色処理後に、染色液排液工程、硫酸、塩酸等の無機酸、又は酢酸、蟻酸等の有機酸による中和処理工程及び/又は水洗浄工程を設けてもよい。
%o.w.f.とは、染色前の織編物に対する染料の質量割合である。
本発明の製造方法は、再精練処理後、又は染色工程後のセルロース系織編物に、ポリビニルアミン化合物を付着させる。ここで、前記ポリビニルアミン化合物は、CHO基及びCH3CO基の少なくとも1つの基で置換されたアミノ基を有する。以下、CHO基及びCH3CO基からなる群から選択される少なくとも1つの基で置換されたアミノ基を有するポリビニルアミン化合物をA’成分と呼ぶことがある。
当該ポリビニルアミン化合物は、以下の繰り返し単位を含むことが好ましい。
これらの繰り返し単位は、上記化合物中にランダムに存在してもよく(ランダムコポリマー)、互いに交互に存在していてもよく、或いは、それぞれの繰り返し単位がブロック状に存在していてもよい(ブロックコポリマー)。1とm’の和に対するlの比率は、0〜50%であってもよく、0〜30%であってもよく、10〜20%であってもよい。lとm’の和に対するm’の比率は、50〜100%であってもよく、70〜100%であってもよく、80〜90%であってもよい。
上記A’成分の数平均分子量に特に制限はないが、200〜2000が好ましく、400〜1000がより好ましい。
A’成分をセルロース系織編物に付着させる方法としては、例えば、前記A’成分を1〜8質量%含む水溶液中に織編物を浸漬し、マングルで絞り(絞り率90%)、100〜120℃(好ましくは110〜120℃)で2〜10分間(好ましくは2〜5分間)加熱乾燥することにより行うことができる。
A’成分としては、例えば、リケンレヂンEB−3(三木理研工業株式会社製)中に含まれるポリビニルアミン化合物(アミノ基の一部がCHO基及び/又はCH3CO基で置換されている。)を用いることができる。
本発明の製造方法は、A’成分の付着処理とともに又はA’成分の付着処理とは別に、無機多孔質酸化物及び/又は無機金属化合物をセルロース系織編物に付着させる工程を有していてもよい。これらの中でも、無機多孔質酸化物及び/又は無機金属化合物は、A’成分の付着処理と一緒に行うことが好ましい。無機多孔質酸化物及び/又は無機金属化合物の付着をA’成分の付着と一緒に行う場合、A’成分と0.1〜3質量%の無機多孔質酸化物及び/又は無機金属化合物とを含む水溶液中に織編物を浸漬し、マングルで絞り(絞り率90%)、100〜120℃(好ましくは110〜120℃)で2〜10分間(好ましくは2〜5分間)加熱乾燥することにより、無機多孔質酸化物及び/又は無機金属化合物をセルロース系織編物に付着させることが出来る。
無機多孔質酸化物及び/又は無機金属化合物としては、上記のものが挙げられる。
本発明の製造方法は、再精練処理後、又は染色工程後、セルロース系織編物に、酸化亜鉛、シリカからなる群から選択される少なくとも1種と、エチレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種(B成分)を付着させることが好ましい。
B成分のセルロース系織編物への付着は、例えば、B成分5〜8質量%とアクリル樹脂バインダー2〜4質量%とを含む水溶液中にセルロース系織編物を浸漬し、マングルで絞り(絞り率90%)、100〜120℃(好ましくは110〜120℃)で2〜10分間(好ましくは2〜5分間)加熱乾燥することにより行うことができる。アクリル樹脂バインダーとしては、上記のものを用いることができる。
更に加熱乾燥後、130〜150℃(好ましくは140〜150℃)で2〜5分間(好ましくは2〜3分間)加熱して、アクリル樹脂バインダーをキュアリング(硬化)してもよい。キュアリングすることによりB成分が繊維に固着する。
本発明の製造方法は、染色処理後に、必要に応じて仕上げ剤を用いて、セルロース系織編物に仕上げ処理を施してもよい。
仕上げ剤としては、柔軟剤、フィックス剤(染料固着剤)等が挙げられる。これらの中でも、仕上げ剤は、黄変し難く、風合いが硬くなり難いノニオン性界面活性剤又は弱カチオン性界面活性剤を含む柔軟剤が好ましく、ノニオン性界面活性剤を含む柔軟剤がより好ましい。ノニオン性界面活性剤としては、ポリアミド誘導体、脂肪酸アミド誘導体、アルキルアミド誘導体、アミノ変性シリコン誘導体、ポリアミン誘導体等が挙げられる。柔軟剤として、例えば、コニタ化学工業(株)製のクインセットPSO−5500(商品名)などを用いることができる。フィックス剤(染料固着剤)としては、ポリアミン系、第4級アンモニウム塩系、ポリアミド系、ジシアンジアミド系等が挙げられる。フィックス剤として、例えば、日華化学(株)製のネオフィックスRP−70(商品名)などを用いることができる。仕上げ処理は、例えば、乾絨機を使用し、柔軟剤10〜80g/L、フィックス剤0〜30g/Lを処方した溶液に浸漬後、マングルで絞り、100〜120℃(好ましくは110〜120℃)で2〜10分間(好ましくは2〜5分間)加熱乾燥することにより行うことができる。
本発明の製造方法は、A’成分が付着したセルロース系織編物を、アニオン性界面活性剤を0.1〜5質量%含む水溶液に浸漬する工程を有する。当該工程は、A成分の付着処理後であれば、B成分の付着処理後に行ってもよく、仕上げ工程後に行ってもよい。
本工程の処理は、一般にアニオン返し処理と呼ばれる。アニオン返し処理を行うことにより、A’成分のポリビニルアミン化合物のアミノ基(NH2)の一部がアニオン性界面活性剤により封鎖され(即ち、アミノ基の一部がアニオン性界面活性剤由来のアニオン基で置換され)、上記A成分となる。
アニオン返し処理に用いる水溶液(好ましくは水)中に含まれるアニオン性界面活性剤の割合は0.1〜5質量%であることが好ましく、0.2〜3質量%であることがより好ましく、0.5〜2質量%であることがさらにより好ましく、1質量%であることが特に好ましい。アニオン性界面活性剤の割合が上記範囲内であると、黄変が改善され、消臭性能も高い消臭率を維持することができる。
アニオン返し処理は、例えば、アニオン性界面活性剤0.1〜5質量%の水溶液中にセルロース系織編物を浸漬した後、マングルで絞り(絞り率90%)、100〜120℃(好ましくは110〜120℃)で2〜10分間(好ましくは2〜5分間)加熱乾燥することにより行うことができる。
<精練・漂白×2回+再精練>
綿100%の綿番手40/1フライス編物で、1反(幅1m、長さ50m)、10kgの生機を液流染色機に投入した。
精練・漂白は、工業用水150Lを機台に給水後、工業用水中に、35%過酸化水素水溶液4g/L(工業用水中の過酸化水素濃度1.4g/L)、48%水酸化ナトリウム水溶液2g/L(工業用水中の水酸化ナトリウム濃度0.96g/L)、過酸化水素の安定剤(商品名:ハイパーN(大東薬品(株)製))2g/L、非イオン系浸透剤(商品名:スコアロールTS1169(北広ケミカル(株)製))2g/L、金属イオン封鎖剤(商品名:セレッシュ200(花王(株)製))0.5g/Lとなるように各成分を工業用水に添加した。編物の質量(kg):調製した工業用水の体積(L)の比が1:15となるように工業用水中に編物を浸し、液温を95℃に昇温し30分間精練漂白処理した。続いて、該編物を、76%蟻酸水溶液0.5g/Lを含む中和液150L中に入れ、常温で20分間処理し、水洗2回、脱水、乾燥した。この精練・漂白を繰り返し2回行った。
次に再精練処理として工業用水150Lを機台に給水後、48%水酸化ナトリウム水溶液2g/L(工業用水中の水酸化ナトリウム濃度0.96g/L)、非イオン系浸透剤(商品名:スコアロールTS1169(北広ケミカル(株)製))0.5g/Lとなるように各成分を工業用水に添加した。編物の質量(g):調製した工業用水の体積(mL)の比が1:15となるように前記工業用水中に精練・漂白処理後の編物を浸し、液温を95℃に昇温し20分間再精練処理した。続いて、該編物を湯洗し、76%蟻酸水溶液0.2g/L含む中和液150L中に入れ常温で20分間処理し、水洗2回した。
次に、該一般式で示されるポリビニルアミン化合物を有するカチオンポリマー塩15〜25%と、無機多孔質酸化物のシリカ5〜15%と、無機金属化合物の炭酸ニッケル0.5%とを有するカチオン系消臭剤A(商品名:リケンレヂンEB−3(三木理研工業株式会社製))7質量%の水溶液(水道水930g+消臭剤溶液70g)中に編物を浸漬し、マングルで絞り(絞り率90%)、110℃で5分間加熱乾燥した。
次に、酸化亜鉛3〜5%及びシリカ10〜14%の平均粒径約500nmの超微粒子無機金属酸化物と、ポリオキシエチレンアルキルエーテル3〜5%及びエチレングリコール0.6%以下のシリコーン乳化物とを有する弱アニオン系消臭剤B(商品名:ザオバタックNANO63S(大和化学工業株式会社製))6質量%に、アクリル樹脂バインダー(商品名:ライトエポックT25(北広ケミカル株式会社製))3質量%とを混合した水溶液(水道水910g+消臭剤溶液60g+樹脂バインダー30g)中に編物を浸漬し、マングルで絞り(絞り率90%)、110℃で5分間加熱乾燥した。更に加熱乾燥後、140℃で2分間加熱することによりキュアリングを行った。
次に、仕上げ処理として乾絨機にて、浸漬・絞り・乾燥法により、ノニオン系柔軟剤(商品名:クインセットPSO−5500(コタニ化学工業株式会社製)2質量%の水溶液(水道水970g+柔軟剤30g)110℃で5分間加熱乾燥した。
最後に、アニオン返し処理として乾絨機にて、浸漬・絞り・乾燥法により、アニオン活性剤(商品名:ビクセンAG−25(日華化学株式会社製)1質量%の水溶液中に乾絨機で浸漬後、マングルで絞り(絞り率90%)、110℃で5分間加熱乾燥した。
実施例1と同様の生機を用い、実施例1と同様の方法で精練・漂白処理を1回行った後、再精練処理は行わず、実施例1と同様の方法でカチオン系消臭剤A加工、アニオン系消臭剤B+アクリル樹脂バインダー加工及び仕上げ処理を行った。アニオン返し処理は行わなかった。
実施例1と同様の生機を用い、実施例1と同様の方法で精練・漂白処理を2回行ない、再精処理を行った後、実施例1と同様の方法でカチオン系消臭剤A加工、アニオン系消臭剤B+アクリル樹脂バインダー加工及び仕上げ処理を行った。アニオン返し処理は行わなかった。
実施例1と同様の生機を用い、実施例1と同様の方法で精練・漂白処理を1回行った後、再精練処理は行わず、実施例1と同様の方法でカチオン系消臭剤A加工、アニオン系消臭剤B+アクリル樹脂バインダー加工及び仕上げ処理を行い、最後にアニオン返し処理を行った。
実施例1と同様の生機を用い、実施例1と同様の方法で精練・漂白処理を1回行った。再精練処理、カチオン系消臭剤A加工、アニオン系消臭剤B+アクリル樹脂バインダー加工及び仕上げ処理は行わなかった。
洗濯水中に含まれる二酸化ケイ素量の違いによる影響を考慮し、二酸化ケイ素量の異なる以下の2種類の洗濯水を用いて、それぞれ実験を行った。
洗濯水A:二酸化珪素7.5mg/L、pH7.5
洗濯水B:二酸化珪素9.5mg/L、pH7.3
(洗剤)
「JAFET標準配合洗剤」(ポリオキシエチレンアルキルエーテル及びアルファオレフィンスルホン酸ナトリウムを配合)を使用した。
「SEKマーク繊維製品の洗濯方法」に準じて、以下の条件で10回の洗濯を行った。具体的には以下の通りである。
(1)洗濯水槽の一番上の水位線まで液温40℃の洗濯水A又はBを入れ、これに水30Lに対して40mLの割合で「JAFET標準配合洗剤」を添加して洗濯液とした。
(2)この洗濯液に浴比が1:30になるよう試料(被洗濯物)1kgを投入して運転を開始する。
(3)5分間処理した後、運転を止め、試料および負荷布を脱水機で脱水し、次に洗濯液を常温の新しい洗濯水A又はBに替えて、同一の浴比で2分間すすぎを行った。
(4)2分間のすすぎを行った後、運転を止め試料と負荷布を脱水し、再び2分間すすぎを行い、脱水した。
(5)前記(1)〜(4)の洗濯方法を繰返し、計10回洗濯を行った。
JIS K 0101:1998に準拠し、試料に炭酸ナトリウムを加えて蒸発乾固し、融解し、二酸化ケイ素をイオン状とした後、モリブデン黄吸光光度法又はモリブデン青吸光光度法により光電分光光度計で測定した。
詳しくは、採取した試料(検水)50mLを四フッ化エチレン樹脂製ビーカーにとり、炭酸ナトリウム0.2gを加え、加熱蒸発して約5mLに濃縮した後、内容物を少量の水で白金るつぼに移し、再び蒸発乾固し、灰化し、融解する。水を加えて加熱溶解した後、塩酸溶液を加えてpH調整して精製水で定容し溶液を得た。溶液をモリブデン黄吸光光度法によりモリブデン酸アンモニウム(モリブデン酸試薬)と反応させテロポリ化合物を生成させモリブデン黄を発色させ、又はモリブデン青吸光光度法により生成したヘテロポリ化合物をL(+)―アスコルビン酸で還元させ、モリブデン青を発色させ、これを検液とし、検液の一部を吸収セルに採り、セントラル科学(株)製光電光度計マルチダイレクトを用いてモリブデン黄吸光光度法の場合は波長410−450nm付近、モリブデン青吸光光度法の場合は波長815nm付近における吸光度を測定し、ケイ酸標準液の吸光度の検量線に照らして試料中の二酸化ケイ素の含有量を求めた。その結果を表3に示す。
上記洗濯条件に基づいて10回洗濯を行い、洗濯前(未洗時)及び10回洗濯後の実施例1、比較例1〜3の各編物試料に残存するケイ素量を下記測定方法に従って求めた。
モリブデン黄吸光光度法及び/又はモリブデン青吸光光度法により、光電分光光度計で測定した。詳しくは、得られた編物からなる試料片約1gを四フッ化エチレン樹脂製ビーカーにとり、精製水50mLを加えて、ホットプレートで100℃で1時間加熱した後、内容物をろ過し、ろ過した溶液にモリブデン酸アンモニウム2mL及び塩酸1mLを加えて混和後、シュウ酸溶液1.5mLを加え、(モリブデン青吸光光度法の場合は更に硫酸−モリブデン酸アンモニウム混合液2mLを加え混合後、硫酸25mL、アスコルビン酸溶液1mLを加え)、これを検液とし、検液の一部を吸収セルに採り、セントラル科学(株)製光電光度計マルチダイレクトを用いてモリブデン黄吸光光度法の場合は波長410−450nm付近、モリブデン青吸光光度法の場合は波長815nm付近における吸光度を測定し、ケイ酸標準液の吸光度の検量線に照らして試料中の溶解性二酸化ケイ素を求めた後、試料中の溶解性ケイ素元素の含有量を求めた。その結果を表3に示す。
モリブデン黄吸光光度法及び/又はモリブデン青吸光光度法により、光電分光光度計で測定した。詳しくは、得られた編物からなる試料片約1gを四フッ化エチレン樹脂製ビーカーにとり、炭酸ナトリウム4g/Lの水溶液50mLを加え、ホットプレートで100℃で4時間加熱した後、内容物をろ過し、ろ過した溶液にモリブデン酸アンモニウム2mL及び塩酸1mLを加えて混和後、シュウ酸溶液1.5mLを加え、(モリブデン青吸光光度法の場合は更に硫酸−モリブデン酸アンモニウム混合液2mLを加え混合後、硫酸25mL、アスコルビン酸溶液1mLを加え)、これを検液とし、検液の一部を吸収セルに採り、セントラル科学(株)製光電光度計マルチダイレクトを用いてモリブデン黄吸光光度法の場合は波長410−450nm付近、モリブデン青吸光光度法の場合は波長815nm付近における吸光度を測定し、ケイ酸標準液の吸光度の検量線に照らして試料中の全二酸化ケイ素を求めた後、試料中の全ケイ素元素の含有量を求めた。その結果を表3に示す。
不溶性ケイ素の含有量は以下により算出した。
不溶性ケイ素元素量=全ケイ素元素量−溶解性ケイ素元素量
その結果を表3に示す。
実施例1〜2、比較例1〜6で得られた試料を消臭性能及び黄変度を、以下の方法で測定し、評価した。その結果を表3に示す。
初期および洗濯10回後のアセトアルデヒド、アンモニア、硫化水素、酢酸、ピリジンの消臭性は、一般社団法人繊維評価技術協議会SEKマーク繊維製品認証基準、機器分析試験法(検知管法)に基づいて行った。
テドラーバッグ(フッ化ビニル樹脂フィルム製)に試料10cm×10cmを入れて密封し、アセトアルデヒドを14ppmの濃度になるように封入し、2時間放置した後、ガス検知管を使用してアセトアルデヒド濃度を測定した。濃度の減少率から、アセトアルデヒドの消臭率を算出した。
テドラーバッグ(フッ化ビニル樹脂フィルム製)に試料10cm×10cmを入れて密封し、アンモニアを100ppmの濃度になるように封入し、2時間放置した後、ガス検知管を使用してアンモニア濃度を測定した。濃度の減少率から、アンモニアの消臭率を算出した。
テドラーバッグ(フッ化ビニル樹脂フィルム製)に試料10cm×10cmを入れて密封し、硫化水素を4ppmの濃度になるように封入し、2時間放置した後、ガス検知管を使用して硫化水素濃度を測定した。濃度の減少率から、硫化水素の消臭率を算出した。
テドラーバッグ(フッ化ビニル樹脂フィルム製)に試料10cm×10cmを入れて密封し、酢酸を30ppmの濃度になるように封入し、2時間放置した後、ガス検知管を使用して酢酸濃度を測定した。濃度の減少率から、酢酸の消臭率を算出した。
テドラーバッグ(フッ化ビニル樹脂フィルム製)に試料10cm×10cmを入れて密封し、ピリジンを12ppmの濃度になるように封入し、2時間放置した後、ガス検知管を使用してピリジン濃度を測定した。濃度の減少率から、ピリジンの消臭率を算出した。
CCM(コンピュータ・カラー・マッチング)による色差ΔEを求めることにより、洗濯前(未洗時)の編物試料及び10回洗濯後の編物試料各々の黄変度を測定した。
色差ΔEは、CIE1976LAB、光源D65、10°視野にて求めたものであり、測色機としては倉敷紡績株式会社製COLOR−7Xを使用した。基準試料として参考例の未洗濯の試料を使用した。
ΔEは、下式で算出した。
ΔE=(ΔL2+Δa2+Δb2)1/2
ΔL:基準試料と測定試料のL値の差
Δa:基準試料と測定試料のa値の差
Δb:基準試料と測定試料のb値の差
色差ΔEの値が大きいほど、黄変度が大きいことを意味する。
その結果を、表4に示す。
表4から判るように、比較例1の織編物は再精練処理もアニオン返し処理も行わなかったため、ΔE値が2.5と非常に高く、編物試料の黄変が生じていた。また、比較例2の織編物は、再精練処理を行ったもののアニオン返しを行わなかったため、ポリビニルアミン化合物のNH2基が封鎖されず、編物試料の黄変が生じていた。比較例3の織編物は、アニオン返しを行ったものの再精練処理を行わなかったため、織編物に含まれるケイ素元素量が多く、編物試料の黄変が生じていた。結論として、比較例1〜3のいずれの織編物も、黄変を十分に抑制できなかった。
一方、実施例1の織編物は、再精練処理及びアニオン返し処理を行ったため、織編物に含まれるケイ素元素量が少なく、ΔEの値が1.5と極めて低かった。従って、実施例の織編物は、黄変を顕著に抑制出来ていることが判った。また、表3の結果から明らかなように、実施例1の織編物は、アセトアルデヒド臭についても十分消臭できていた。さらには、アンモニア、硫化水素、酢酸、ピリジンの消臭率も良好であった。
Claims (9)
- ポリビニルアミン化合物を含むセルロース系織編物であって、
前記ポリビニルアミン化合物は、CHO基及びCH3CO基からなる群から選択される少なくとも1つの基で置換されたアミノ基並びにアニオン性界面活性剤由来のアニオン基で置換されたアミノ基を有し、且つ
前記セルロース系織編物は、ケイ素元素を15.0mg/g以下の量で含む、前記セルロース系織編物。 - 酸化亜鉛、シリカからなる群から選択される少なくとも1種と、及びポリオキシエチレンアルキルエーテル、エチレングリコールから選択される少なくとも1種とを更に含む、請求項1に記載のセルロース系織編物。
- アクリル樹脂バインダーを更に含む、請求項2に記載のセルロース系織編物。
- 無機多孔質酸化物及び/又は無機金属化合物を更に含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のセルロース系織編物。
- 前記ケイ素元素は、溶解性ケイ素化合物由来のケイ素元素を含み、且つ前記セルロース系織編物は、溶解性ケイ素化合物由来のケイ素元素を2.2mg/g以下の量で含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のセルロース系織編物。
- 衣服用である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のセルロース系織編物。
- (a)セルロース系織編物を精練・漂白処理する工程、
(b)精練・漂白処理後のセルロース系織編物を0.5〜5g/Lの水酸化ナトリウム水溶液に浸漬する再精練工程、
(c)再精練後のセルロース系織編物に、ポリビニルアミン化合物を付着させる工程、ここで、前記ポリビニルアミン化合物はCHO基及びCH3CO基の少なくとも1つの基で置換されたアミノ基を有する、及び
(d)前記(c)工程後のセルロース系織編物を、アニオン性界面活性剤を0.1〜5質量%含む水溶液に浸漬する工程
を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載のセルロース系織編物の製造方法。 - 前記再精練工程は、80〜100℃の水酸化ナトリウム水溶液中で行われる、請求項7に記載の製造方法。
- セルロース系織編物に、酸化亜鉛、シリカからなる群から選択される少なくとも1種と、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、エチレングリコールから選択される少なくとも1種とを、アクリル樹脂バインダーを用いて付着させる工程を更に有する、請求項7又は8に記載の製造方法。
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