JP3905488B2 - 繊維製品処理剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れた蛍光増白効果を有し、洗濯時に衣類に直接付着させた場合でも、衣類にシミが発生することを防止できる繊維製品処理剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
蛍光増白剤は衣料用洗剤に通常用いられる洗浄助剤であり、以下に列挙するように、液体洗浄剤に応用する技術も開示されている。
【0003】
特許文献1には、トリアジン骨格を有する蛍光増白剤、及び特定の4級アンモニウム型界面活性剤と平均付加モル数2〜100のポリオキシアルキレン型非イオン界面活性剤とを併用する技術が開示されている。特許文献2には、蛍光増白剤を含有する液体洗浄剤が開示されており、非イオン界面活性剤やアミンオキシド化合物を洗浄成分として用いることも開示されている。特許文献3には、トリアジン骨格を有する蛍光増白剤を含有する洗剤組成物が開示されている。特許文献4には、蛍光増白剤で安定化されたポリアルキレングリコールを用いた洗浄剤組成物が開示され、洗浄剤組成物にはアミンオキシドを含有できることが記載されている。特許文献5には、蛍光増白剤を含有する衣料用洗浄剤が開示され、洗浄成分として非イオン界面活性剤及びアミンオキシドが例示されている。特許文献6、特許文献7には、蛍光増白剤を含有する柔軟剤組成物が開示され、平均付加モル数2〜100のオキシアルキレン基を有する非イオン界面活性剤を安定化剤として用いることが記載されている。特許文献8、特許文献9などには、蛍光増白剤の分散剤としてポリオキシアルキレン型非イオン界面活性剤を用いることが記載されている。特許文献10、特許文献11、特許文献12、特許文献13には、トリアジン骨格を有する特定の蛍光増白剤を含有する柔軟剤又は繊維製品処理剤が開示され、蛍光増白剤の分散剤としてオキシアルキレン基の平均付加モル数が1〜60の非イオン界面活性剤を用いることが記載されている。
【0004】
また、皮膚傷害や皮膚ガンの原因として知られる太陽光中の紫外線UV−Bを吸収する蛍光増白剤が紫外線吸収剤としても有用であることも知られており、このような化合物を含有する洗浄剤又は柔軟剤も知られている。例えば、非特許文献1及び非特許文献2には、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社より販売されているTinosorb FD,Tinosorb FRが、UV吸収剤として肌への使用や衣類への濯ぎの際に使用可能であることが記載されている。
【0005】
以上のとおり、蛍光増白剤と洗浄成分を併用する多数の技術が知られているが、繊維製品には、生成り衣料などの素地自体の色合いを大切にするものから、特徴的な色・柄を有するものまで多種多様の製品が多く見られ、これら繊維製品を洗濯するために、蛍光増白剤を配合しない洗剤も増えてきている。その一方で、ワイシャツ、肌着など蛍光増白剤による白さを強調する衣料などは、洗濯を重ねる毎に蛍光染料が除去されていき、白さを低下させるため、蛍光増白剤の使用も必要とされている。更に最近では、上記したように特定の蛍光増白剤が、UV吸収剤として使用できることも知られている。
【0006】
従って、このような繊維製品の種類により異なる要望を満たすためには、洗浄剤中に蛍光増白剤を配合したものを使用するのではなく、洗浄剤とは別に蛍光増白剤を使用することで、繊維製品の種類に応じて蛍光増白剤の使用を制限したり、付加的に使用することが考えられる。しかし、洗浄剤とは別途に蛍光増白剤を用いる場合、組成物中の界面活性剤濃度が低いため、蛍光増白剤が濃いまま、直接繊維製品に付着してしまうことがある。このような場合には、蛍光増白剤が繊維製品に局在して吸着するため、洗浄や濯ぎを行っても再分散せず、斑付きしてシミとして残るという問題が生じることがある。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−254100号公報
【特許文献2】
特開平8−157869号公報
【特許文献3】
特開平10−87638号公報
【特許文献4】
特開平11−323385号公報
【特許文献5】
特開平7−118696号公報
【特許文献6】
特開2002−161475号公報
【特許文献7】
特開2002−161476号公報
【特許文献8】
特開平5−321170号公報
【特許文献9】
特開平5 −214673公報
【特許文献10】
特開平7−216740号公報
【特許文献11】
特開平7−310283号公報
【特許文献12】
特開平8−92874号公報
【特許文献13】
特開平10−87638号公報
【非特許文献1】
Seifen-olele-waschse,vol.124,p.673-p.667(1998)及び、
【非特許文献2】
Seifen-olele-waschse,vol.125,p.10-p.15(1999)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、使用時において繊維製品への斑付きを抑制すると共に、洗浄後においても繊維製品にシミを付けることのない繊維製品処理剤を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、課題の解決手段として、(a)分子中にトリアジン骨格を1つ以上有する蛍光増白剤、(b)分子中に炭素数10〜18の炭化水素基と平均付加モル数18〜200のオキシアルキレン基(但し、オキシアルキレン基は、オキシエチレン基又はオキシエチレン基とオキシプロピレン基である。)を有する非イオン界面活性剤、(c)分子中に炭素数10〜18の炭化水素基を有するアミンオキシド型界面活性剤、及び(d)水を含有し、(a)成分/〔(b)成分+(c)成分〕が質量比で1/100〜1/2、(b)成分/(c)成分が質量比で5/1〜1/10、(a)成分、(b)成分及び(c)成分の合計が0.5〜15質量%である繊維製品処理剤を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】
〔(a)成分〕
本発明の(a)成分はトリアジン骨格を有する蛍光増白剤であり、スルホン化されたスチルベン骨格を有する化合物が好ましい。具体的には特開2001−192697号公報、特開2001−254100号公報、特開平8−119946号公報、特開平7−310094号公報、特開平7−310095号公報、特開平5−78699号公報、特開平5−239768号公報、特開2002−161475号公報、特開2002−161476号公報、特開2001−32171号公報、特開平10−87638号公報、特開平8−41003号公報、特開平8−92874号公報、特表平8−501291号公報に記載されたものの中から、トリアジン骨格を有する蛍光増白剤を選択することができる。
【0011】
本発明において好ましい蛍光増白剤としては、下記一般式(1)の化合物を挙げることができる。
【0012】
【化2】
【0013】
〔式中、R1a、R1b、R1c、R1dは−N(R1e)(R1f)で示される基であり、これらは同一又は異なっていてもよい。R1e、R1fは、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、もしくは置換基を有していてもよいアリル基であるか、又は−N(R1e)(R1f)で示される構造が、R1eとR1fがヘテロ原子を介在して連結した複素環構造であってもよい。Mは陽イオンであり、好ましくはH、Na、K、Li、NH4、HN(CH2CH2OH)2、H3N−CH2CH2OH、H2N(CH3)2又はH3N−CH3である。〕
一般式(1)で示されるより具体的な化合物として、以下の一般式(1−1)〜(1−5)の化合物を挙げることができる。
【0014】
【化3】
【0015】
(式中、Rは水素原子、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基である。Mは上記と同じ意味である。)
【0016】
【化4】
【0017】
(式中、Mは上記と同じ意味である。)
【0018】
【化5】
【0019】
(式中、R、R’は、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基であり、R、R’は同一又は異なっていてもよい。Mは上記と同じ意味である。)
【0020】
【化6】
【0021】
(式中、R、R’は、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基であり、R、R’は同一又は異なっていてもよい。)
【0022】
【化7】
【0023】
(式中、Rは水素原子、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、R''は炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基である。Mは上記と同じ意味である。)
一般式(1−1)〜(1−5)の化合物は、いずれも本発明の課題を解決する上で好適なものであるが、特にシミ発生抑制効果を高める目的からは一般式(1−3)の化合物及び一般式(1−5)の化合物が好ましく、特に蛍光増白効果を高める目的からは一般式(1−2)の化合物が好ましく、特にUV−Bの吸収効果を高める目的からは一般式(1−3)の化合物及び一般式(1−4)の化合物が好ましい。
【0024】
(a)成分としては、本発明の課題を解決する上で、一般式(1−2)、一般式(1−3)及び一般式(1−5)の化合物から選ばれる化合物が好適であり、特に一般式(1−3)の化合物が好ましい。
【0025】
〔(b)成分〕
本発明の(b)成分は、分子中に炭素数10〜18、好ましくは炭素数10〜14の炭化水素基(好ましくはアルキル基)と、平均付加モル数18〜200、好ましくは平均付加モル数18〜100、特に好ましくは平均付加モル数20〜50のオキシアルキレン基(但し、オキシアルキレン基は、オキシエチレン基又はオキシエチレン基とオキシプロピレン基である。)を有する非イオン界面活性剤である。
【0026】
オキシアルキレン基は、オキシエチレン基単独であるか、オキシエチレン基とオキシプロピレン基を有するものであり、オキシプロピレン基は疎水性を増加させる傾向があるため、オキシプロピレン基単独のものは含まれない。
【0027】
オキシアルキレン基は、オキシエチレン基とオキシプロピレン基の両方を有するものが好ましく、オキシエチレン基−オキシプロピレン基−オキシエチレン基のようなブロック体であることがより好ましい。
【0028】
オキシアルキレン基がオキシプロピレン基を含む場合は、オキシプロピレン基の平均付加モル数は最大でも5モルであることが好ましく、その場合のオキシエチレン基の平均付加モル数は20モル以上であることが好ましい。
【0029】
(b)成分は、水酸化カリウム又は水酸化ナトリウムを触媒として、水分量5質量%以下、好ましくは1質量%以下において、アルコールにエチレンオキシド又はエチレンオキシドとプロピレンオキシドを付加させて得られる。その他、アルキレンオキシドの付加モル数の分布幅が狭いものを得るため、特開平7−227540号公報に記載された触媒を用いる方法を適用してもよい。アルキレンオキシドの付加モル数は、1H−NMRにより測定された、アルコールのα位の水素の強度と、アルキレンオキシドの水素の強度の積分比から求められる。
【0030】
(b)成分の非イオン界面活性剤は、下記一般式(2)の非イオン界面活性剤を挙げることができる。
【0031】
R2a−A−[(R2bO)h−H]i (2)
〔式中、R2aは、炭素数10〜18、好ましくは炭素数10〜14のアルキル基又はアルケニル基であり、R2bは炭素数2又は3のアルキレン基であり、好ましくはエチレン基である。hは平均値で18〜200、好ましくは18〜100、特に好ましくは20〜50の数を示す。Aは−O−、−CON−又は−N−であり、Aが−O−の場合、iは1であり、Aが−CON−又は−N−の場合、iは2である。〕。
【0032】
一般式(2)の化合物の具体例として、以下の一般式(2−1)〜(2−4)で示される化合物を挙げることができる。
【0033】
R2a−O−(C2H4O)j−H (2−1)
〔式中、R2aは前記の意味を示す。jは平均値で18〜200、好ましくは18〜100の数である。〕
R2a−O−(C2H4O)k(C3H6O)m−H (2−2)
〔式中、R2aは前記の意味を示す。k及びmは平均値で、kは1〜5、mは20〜100、好ましくは20〜50の数であり、オキシエチレン基とオキシプロピレン基はランダム又はブロック付加体であってもよい。〕
【0034】
【化8】
【0035】
〔式中、R2aは前記の意味を示す。n及びpの合計は18〜200、好ましくは18〜100の数である。〕
(b)成分は、シミ発生抑制効果が優れているほか、組成物中に(a)成分を均一に溶解又は分散させることができ、組成物の貯蔵安定性を高めることもできるため、特に一般式(2−1)の化合物が好ましい。
【0036】
ところで本発明は、(b)成分以外に、後述する(e)成分として、一般式(2)で示されるが、オキシアルキレン基の平均付加モル数が18未満である非イオン界面活性剤を併用することができる。この(e)成分を併用する場合、(b)成分と(e)成分の混合物を組成物全体で見ると、非イオン界面活性剤の平均付加モル数が変化することになる。
【0037】
しかし、平均付加モル数が18未満の非イオン界面活性剤の併用による影響は殆どなく、本発明の効果を得ることができる。例えば、エマルゲン108(HLBが12.1のポリオキシエチレンラウリルエーテルであることから、オキシアルキレン基の平均付加モル数はグリフィン法より、約6.5と計算できる。)は、エマルゲン147(HLBが16.3のポリオキシエチレンラウリルエーテルであるから、平均付加モル数は約18.8である。)と併用しても、本発明の効果を大きく損なうことはない。これは、特定のオキシアルキレン基付加モル数以上の非イオン界面活性剤を配合することで、本発明の効果が得られるためである。
【0038】
以上より、本発明の(b)成分としては、オキシアルキレン基が30以上付加した非イオン界面活性剤が好ましく、特にオキシアルキレン基の炭素数が12〜14であり、オキシエチレン基が30〜200付加したポリオキシエチレンアルキルエーテルを含有することが好ましい。
【0039】
〔(c)成分〕
本発明の(c)成分は、分子中に炭素数10〜18、好ましくは炭素数10〜14の炭化水素基(好ましくはアルキル基)を有するアミンオキシド型界面活性剤であり、下記一般式(3)の化合物を挙げることができる。
【0040】
【化9】
【0041】
〔式中、R3aは炭素数8〜18のアルキル基又は炭素数8〜18のアルケニル基であり、R3bは炭素数1〜6のアルキレン基であり、Bは−COO−、−CONH−、−OCO−又は−NHCO−である。qは0又は1であり、R3c、R3dは炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基である。〕
R3aは、好ましくは炭素数10〜16、より好ましくは炭素数10〜14のアルキル基であり、特に好ましくはラウリル基(又はラウリン酸残基)及び/又はミリスチル基(又はミリスチン酸残基)である。
【0042】
Bは、好ましくは−COO−又は−CONH−であり、より好ましくは−CONH−である。
【0043】
R3bは、好ましくはエチレン基又はプロピレン基であり、R3c、R3dは、好ましくはメチル基である。
【0044】
本発明では、R3aは単独のアルキル(又はアルケニル)鎖長でもよく、異なるアルキル(又はアルケニル)鎖長を有する混合アルキル基(又はアルケニル基)であってもよい。後者の場合には、ヤシ油、パーム核油から選ばれる植物油から誘導される混合アルキル(又はアルケニル)鎖長を有するものが好適である。具体的にはラウリル基(又はラウリン酸残基)/ミリスチル基(又はミリスチン酸残基)のモル比が95/5〜20/80、好ましくは90/10〜30/70のものを用いることができる。
【0045】
本発明では、シミ発生抑制及び貯蔵安定性を高める点から、一般式(3)の化合物においてqが0の化合物(以下、「化合物(3−1)」という)、及びqが1の化合物(以下「化合物(3−2)」という)を併用することが好ましい。この場合においてBは−CONH−が好適である。
【0046】
化合物(3−1)と化合物(3−2)の配合比(質量比)は、化合物(3−1)/化合物(3−2)が好ましくは1/1〜50/1、より好ましくは1/1〜40/1、特に好ましくは3/1〜8/1である。
【0047】
〔その他の成分〕
本発明の組成物には、シミ発生抑制効果を損なわせない範囲で、(e)成分として、(b)成分及び(c)成分以外の炭素数8〜18の炭化水素基を有する界面活性剤を含有させることができる。
【0048】
(e)成分の界面活性剤は、分子中に炭素数10〜18の炭化水素基と平均付加モル数18未満のオキシアルキレン基を有する非イオン界面活性剤;炭素数10〜15のアルキルベンゼンスルホン酸塩、炭素数10〜16のアルキル硫酸エステル塩、炭素数10〜16のアルキル基と平均付加モル数1〜6のオキシエチレン基を有するポリオキシエチレンラウリル硫酸エステル塩、炭素数10〜15のα−オレフィンスルホン酸塩、炭素数10〜16のα−スルホ脂肪酸メチルエステル塩等の陰イオン界面活性剤;エステル基、アミド基で分断されていてもよい炭素数8〜20の炭化水素基を1つ又は2つと炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を2つ又は3つ有するテトラアルキルアンモニウム塩、エステル基、アミド基で分断されていてもよい炭素数8〜20の炭化水素基を1つ又は2つと炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を1つ又は2つ有する3級アミンの酸塩等の陽イオン界面活性剤を挙げることができる。
【0049】
(e)成分の界面活性剤を多量に含有させると本発明の効果が著しく減じられることがあるため、含有量を調整することが望ましいが、(e)成分を所定量だけ含有させた場合、本発明のシミ発生抑制効果を損なうことなく、(a)成分が布(繊維製品)に均一に付着する効果を高めることができるので好ましい。
【0050】
(e)成分の含有量は、繊維製品処理剤中、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは1質量%以下である。
【0051】
本発明で用いる(a)成分は水不溶性物質であるため、低温において白濁、沈澱を生じる場合がある。このため、本発明の組成物では、製品の外観を良好な状態にすると共に貯蔵安定性を高める目的から、(f)成分として有機溶剤を含有させることが好ましい。
【0052】
好ましい有機溶剤としては、エタノール、イソプロパノール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール及びポリオキシエチレンフェニルエーテルから選ばれる1種以上を挙げることができる。
【0053】
本発明では、特にエタノール及びプロピレングリコールを併用することが貯蔵安定性を高める点から好ましく、配合比(質量比)は、エタノール/プロピレングリコールが好ましくは1/10〜10/1、より好ましくは1/2〜2/1である。
【0054】
(f)成分の含有量は、貯蔵安定性などを改善する目的から、繊維製品処理剤中に好ましくは2〜30質量%、より好ましくは3〜15質量%、特に好ましくは3〜10質量%である。
【0055】
本発明の繊維製品処理剤には、一般に用いられる防腐剤、香料、染料、顔料を含有させることができる。
【0056】
〔繊維製品処理剤〕
本発明の繊維製品処理剤に含まれる各成分の含有量は次のとおりである。
【0057】
(a)成分の含有量は、好ましくは0.05〜3質量%、より好ましくは0.1〜1質量%、特に好ましくは0.2〜0.5質量%である。
【0058】
(b)成分の含有量は、好ましくは0.05〜5質量%、より好ましくは0.1〜2質量%、特に好ましくは0.3〜1質量%である。含有量が多すぎると布への染着性が低下する傾向を示すほか、蛍光増白剤によっては、1質量%含有すれば充分なものもある。また、本発明の繊維製品処理剤が(b)成分以外の非イオン界面活性剤を含有するとき、本発明のシミ発生抑制効果を得る上で、非イオン界面活性剤の総量中の(b)成分の含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20質量%以上である。
【0059】
(c)成分の含有量は、好ましくは0.5〜15質量%、より好ましくは1〜10質量%、特に好ましくは1〜5質量%である。
【0060】
(d)成分の含有量は、各成分の濃度を調整する量であるが、好ましくは50〜99.5質量%、より好ましくは70〜98質量%、特に好ましくは90〜98質量%である。
【0061】
(a)成分/〔(b)成分+(c)成分〕は、質量比で1/100〜1/2、好ましくは1/30〜1/2、特に好ましくは1/10〜1/3である。
【0062】
(b)成分/(c)成分は、質量比で5/1〜1/10、好ましくは1/1〜1/8、特に好ましくは1/3〜1/7である。
【0063】
(a)成分、(b)成分及び(c)成分の合計は、0.5〜15質量%、好ましくは2〜10質量%、特に好ましくは3〜5質量%である。
【0064】
本発明の繊維製品処理剤は、(a)成分〜(c)成分、更に必要に応じて含有させる他の成分を(d)成分である水に溶解又は分散させた水溶液又は水分散液の形態であり、(d)成分の水としては、マグネシウム、カルシウムやその他の金属成分を除去したイオン交換水や蒸留水、又は塩素により滅菌した滅菌水などを用いることができる。
【0065】
本発明の繊維製品処理剤は、(c)成分のアミンオキシド型界面活性剤がpHにより電荷が変化するため、pH(20℃)は中性付近であることが好ましく、好ましくは5〜9、より好ましくは6〜8である。
【0066】
〔繊維製品処理剤の使用方法〕
本発明の繊維製品処理剤は、一般家庭の洗濯で用いることができる。具体的には洗浄時において市販の弱アルカリ性洗剤と共に洗濯水に投入したり、濯ぎ時において投入したりすることができる。一般の蛍光増白剤を含有する洗浄剤や柔軟剤は、これら原液が直接衣料に付着するとその部分がシミとして残ることがあるが、本発明の繊維製品処理剤は、原液が衣料に直接付着してもシミとして残らず、この効果は洗浄水や濯ぎ水で希釈された洗浄剤と接触しても悪影響を受けることはない。
【0067】
本発明の繊維製品処理剤は、処理対象となる衣料1kgに対して、好ましくは10〜50ml、より好ましくは15〜40ml、特に好ましくは20〜30mlの割合で用いることが、衣料に蛍光増白効果を付与する目的から好適である。また、本発明の繊維性処理剤の洗浄水又はすすぎ水中の濃度は、好ましくは0.03〜0.15質量%、特に0.05〜0.1質量%が好ましい。処理後の衣料は、通常の濯ぎ、脱水工程を経た後、自然乾燥又は加熱乾燥装置により乾燥することができる。
【0068】
【実施例】
表1、表2に示す配合原料の内、エタノ−ル(f−1)と香料(g−2)以外の原料を混合し、1時間攪拌後、35℃まで冷却した。その後、エタノ−ル、香料を加え、繊維製品処理剤を得た。これらの繊維製品処理剤を用いて下記の各評価を行った。結果を表1、表2に示した。
【0069】
<配合原料>
(a)成分
【0070】
【化10】
【0071】
(b)成分
b−1;ポリオキシエチレンラウリルエーテル(オキシエチレン基平均付加モル数20モル)
b−2;ポリオキシエチレンラウリルエーテル(オキシエチレン基平均付加モル数100モル)
b−3;エマルゲン4085(オキシエチレン基平均付加モル数83モルのポリオキシエチレンミリスチルエーテル)
b−4;エマルゲン147(オキシエチレン基平均付加モル数18.8モルのポリオキシエチレンラウリルエーテル)
(c)成分
c−1;N−ラウリル−N,N−ジメチルアミンオキシド
c−2;N−ラウロイルアミノプロピル−N,N−ジメチルアミンオキシド
その他の成分
e−1;アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(アルキル基の炭素数10〜15)
e−2;ジエチレングリコ−ルモノラウリルエ−テル硫酸ナトリウム
e−3;エマルゲン108(オキシエチレン基平均付加モル数6.5モルのポリオキシエチレンラウリルエーテル)
f−1;エタノール
f−2;プロピレングリコール
g−1;抗菌剤(アビシア(株)製プロキセルBDN)
g−2;香料
<保存安定性評価>
繊維製品処理剤を−5℃、5℃、20℃、40℃、50℃の各温度でビン(規格ビンNo.6、50ml)に保存し、20日経過後の状態を目視で観察し、下記の基準で判定した。
○;液の分離、液の白濁、沈殿物がない
△;液の分離、液の白濁、沈殿物のいずれかが僅かに見られる
×;液の分離、液の白濁、沈殿物のいずれかが明らかにわかる
<衣料のシミつき防止評価>
下記の各種市販衣料(衣料1〜5)を8cm×8cmのサンプル片とし、白色の1枚の綿布に5枚の衣料サンプル片を縫い付けたものを4組用意した。表1、表2の各繊維製品処理剤をスポイトで5mlとり、衣料サンプル片中央部へゆっくりたらしながら付着させた。このとき、できる限り、中央部のみに処理剤が付着するようにした。
【0072】
付着後、下記の異なる4つの条件の処理をして、4組のサンプル1〜4を得た。水洗いの洗濯条件は、松下電器産業(株)製全自動洗濯機NA-F702P、かくはん標準コ−ス・洗い7分→濯ぎ2回→脱水4分である。平干し乾燥を行い、乾燥後、視覚にて次の基準で判定した。
【0073】
○;シミつき無し(試験衣料1〜5中で、繊維製品処理剤が付着した部分とその周囲の違いが目視にて全く判別できなかった場合)
×;シミつき有り(試験衣料1〜5中で、繊維製品処理剤が付着した部分とその周囲の違いが目視にて一つでも判別できた場合)
【0074】
【表1】
【0075】
【表2】
【0076】
<衣料の増白評価>
繊維製品処理剤の実際の増白性を評価するため、代表的な実施例4を用い、上記のシミつき防止評価試験と同様にして得た3組のサンプル3について、シミを付けた部分の蛍光強度(IF)と、原布の蛍光強度(IF)との差を、日本電色(株)製の側色色差計PF−10で測定した。原布よりも蛍光強度が有意に高くなっていれば、増白効果があることを示す。結果は3組の平均値である。結果を次に示す。
【0077】
【0078】
【発明の効果】
本発明の繊維製品処理剤は、蛍光増白効果が高く、更に衣類に直接付着させた場合でも衣類への斑付きが生じることがなく、洗濯乾燥後の衣類にシミ付きを生じさせることもない。
Claims (3)
- (a)分子中にトリアジン骨格を1つ以上有する蛍光増白剤、(b)分子中に炭素数10〜18の炭化水素基と平均付加モル数18〜200のオキシアルキレン基(但し、オキシアルキレン基は、オキシエチレン基又はオキシエチレン基とオキシプロピレン基である。)を有する非イオン界面活性剤、(c)分子中に炭素数10〜18の炭化水素基を有するアミンオキシド型界面活性剤、及び(d)水を含有し、(a)成分/〔(b)成分+(c)成分〕が質量比で1/100〜1/2、(b)成分/(c)成分が質量比で5/1〜1/10、(a)成分、(b)成分及び(c)成分の合計が0.5〜15質量%である繊維製品処理剤。
- 更に(e)成分として(b)成分及び(c)成分以外の炭素数8〜18の炭化水素基を有する界面活性剤を含有するとき、前記(e)成分の繊維製品処理剤中の含有量が5質量%以下である請求項1又は2記載の繊維製品処理剤。
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