JP2010090278A - 衣類用液体洗浄剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】非イオン性界面活性剤(A)と、SO3基又はSO4基を有する陰イオン性界面活性剤(B)と、下記一般式(II)で示される第4級アンモニウム化合物(C)と、水不溶性シリコーン化合物(D)とを含有する。
[化1]
[一般式(II)中、R3は直鎖状又は分岐鎖状であってもよく、飽和であっても不飽和であってもよい炭素数7〜23の炭化水素基であり、R4は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基である。R5、R6、R7はそれぞれ独立して、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のヒドロキシアルキル基である。Yは、ハロゲン原子又は炭素数1〜3のアルキル基を有するモノアルキル硫酸基である。]
【選択図】なし
Description
第3級アミン化合物を布に吸着させるには、洗浄成分として非イオン性界面活性剤を用いる必要がある。しかしながら、非イオン性界面活性剤を洗浄成分とし、カチオン成分である第3級アミン化合物を配合すると、洗濯の際、被洗物の繊維からいったん離脱して洗濯液に分散した汚れの一部が、再び繊維に沈着する、いわゆる再汚染が起きやすい傾向が見られる。
これを解決するために、最近では、カチオン成分である第3級アミン化合物に、洗浄成分として、非イオン性界面活性剤と陰イオン性界面活性剤とが配合された液体洗浄剤がある(特許文献3、特許文献4参照)。
特に、特許文献3や特許文献4に開示されているような陰イオン性界面活性剤を配合させた液体洗浄剤を用いると、衣類に静電気が生じ易い傾向が見られた。
本発明の衣類用液体洗浄剤組成物は、水不溶性シリコーン化合物(D)が下記一般式(III)で示されるポリエーテル変性シリコーンであることが好ましい。
本発明の衣類用液体洗浄剤組成物は、非イオン性界面活性剤(A)(以下、「(A)成分」という。)と、陰イオン性界面活性剤(B)(以下、「(B)成分」という。)と、第4級アンモニウム化合物(C)(以下、「(C)成分」という。)と、水不溶性シリコーン化合物(D)(以下、「(D)成分」という。)とを含有するものである。
本発明において、(A)成分は非イオン性界面活性剤(A)である。
(A)成分は、下記一般式(I−1)で表される第1の非イオン性界面活性剤(A1)と、下記一般式(I−2)で表される第2の非イオン性界面活性剤(A2)からなる。
尚、第1の非イオン性界面活性剤(A1)は、下記一般式(I−1)で示される単一種類の非イオン性界面活性剤が単独で用いられてもよく、下記一般式(I−1)で示される複数種類の非イオン性界面活性剤が組み合わせて用いられてもよい。
また、第2の非イオン性界面活性剤(A2)は、下記一般式(I−2)で示される単一種類の非イオン性界面活性剤が単独で用いられてもよく、下記一般式(I−2)で示される複数種類の非イオン性界面活性剤が組み合わせて用いられてもよい。
前記一般式(I−1)中、R1は炭素数8〜22、好ましくは10〜18の直鎖状のアルキル基又はアルケニル基である。尚、アルキル基又はアルケニル基の炭素数が前記範囲内であれば、洗浄力が良好である。
前記一般式(I−1)中、R2は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基である。尚、アルキル基の炭素数が前記範囲内であれば、液安定性が良好である。
尚、−X−が−O−のとき、第1の非イオン性界面活性剤(A1)はアルコールアルコキシレートである。この場合、R1の直鎖状のアルキル基又はアルケニル基の炭素数は洗浄力の観点から、好ましくは10〜22、より好ましくは10〜20、更に好ましくは10〜18である。また、R1は不飽和結合を有していてもよい。更にこの場合、R2は液安定性の観点から、好ましくは水素原子である。
一方、−X−が−COO−のとき、第1の非イオン性界面活性剤(A1)は脂肪酸エステル型非イオン性界面活性剤である。この場合、R1の直鎖状のアルキル基又はアルケニル基の炭素数は洗浄力の観点から、好ましくは9〜21、より好ましくは11〜21である。また、R1は不飽和結合を有していてもよい。更にこの場合、R2は液安定性の観点から、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基である。
エチレンオキサイド基及びプロピレンオキサイド基は、それぞれ単独で又は混合して付加されていてもよい。エチレンオキサイド基及びプロピレンオキサイド基は、ブロックとして付加されていてもよい。エチレンオキサイド基及びプロピレンオキサイド基の付加順序は、前記一般式(I−1)の通りであってもよいし、逆であってもよい。
エチレンオキサイド基とプロピレンオキサイド基とを混合付加する場合には、エチレンオキサイド基の総質量が、エチレンオキサイド基とプロピレンオキサイド基との総質量中、質量比で60質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好まく、最大100質量%とすることも可能である。60質量%以上であれば洗浄力と液安定性が向上する傾向が見られる。
プロピレンオキサイド基の平均付加モル数nは0〜6、好ましくは0〜3である。nが6以下であると衣類用液体洗浄剤組成物の高温下での液安定性の低下を抑制することができる。
前記一般式(I−2)中、R1は炭素数8〜22、好ましくは10〜18の分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基である。尚、アルキル基又はアルケニル基の炭素数が前記範囲内であれば、洗浄力及び液安定性が良好である。
前記一般式(I−2)中、−X−、R2、EO、PO、m及びnはそれぞれ前記一般式(I−1)で示されるものと同様のものを示す。
これは、第2の非イオン性界面活性剤(A2)成分を配合することにより、低温において衣類用液体洗浄剤組成物の液安定性が向上するのは、第2の非イオン性界面活性剤(A2)における疎水基R1が分岐鎖状であることにより、ミセル内の疎水部分の構造がルーズになるためであると予測される。
尚、ポリオキシアルキレン型の非イオン性界面活性剤全量中、前記一般式(I−2)で表されるポリオキシアルキレン型の第2の非イオン性界面活性剤(A2)が、液安定性や汚れに対する可溶化能の観点から10〜60質量%含有されることが好ましい。
更に、ポリオキシアルキレン型の非イオン性界面活性剤においては、洗浄力及び液安定性の観点からエチレンオキサイド基の平均付加モル数mは5〜15であることが好ましく、プロピレンオキサイド基の平均付加モル数nは0であることが好ましい。
(i)P&G社製:商品名CO−1214やCO−1270等の天然アルコールに12及び、15モル相当の酸化エチレンを付加したもの(前記一般式(I−1)において、R1中炭素数=12、14、X=0、m=12、15相当、n=0)。
(ii)新日本理化社製:商品名Conol等の天然アルコールに、9モル相当の酸化エチレンを付加したもの(前記一般式(I−1)において、R1中炭素中=12、14、X=0、m=9、n=0)。
(iii)ブテンを3量化して得られるC12アルケンをオキソ法に供して得られるC13アルコール1モルに対して、7モル若しくは10モル相当の酸化エチレンを付加したもの(例えば、BASF社製:商品名Lutensol TO7や、BASF社製:商品名Lutensol TO10)(前記一般式(I−2)において、R1中炭素数=13、X=0、m=7、10、n=0)。
(iv)ヘキサノールをガーベット反応に供して得られるC12アルコール1モルに対して、10モル相当の酸化エチレンを付加したもの(例えば、CONDEA社製:商品名ISOFOL12−10EO)(前記一般式(I−2)において、R1中炭素数=12、X=0、m=10、n=0)。
前記(A)成分(i)〜(iv)の中では、洗浄力に優れる点では(i)がより好ましい。また、本発明の衣類用液体洗浄剤組成物の低温下での液安定性に優れる点では(iii)がより好ましい。
前記(A)成分(i)〜(iv)の内、(i)及び(ii)は、前記一般式(I−1)で表される第1の非イオン性界面活性剤(A1)である。一方、(iii)及び(iv)は、前記一般式(I−2)で表される第2の非イオン性界面活性剤(A2)である。
本発明において、(B)成分は陰イオン性界面活性剤(B)である。(B)成分としては、SO3基又は、SO4基を有する陰イオン性界面活性剤あれば、いずれの陰イオン性界面活性剤も用いることができる。
(B)成分の具体例として、SO3基を有する陰イオン性界面活性剤としては、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸またはその塩;α−オレフィンスルホン酸塩;アルキル基を有するアルカンスルホン酸塩;α−スルホ脂肪酸エステル塩などが挙げられる。
また、SO4基を有する陰イオン性界面活性剤としては、直鎖状または分岐鎖状のアルキル硫酸エステル塩;アルキルエーテル硫酸エステル塩またはアルケニルエーテル硫酸エステル塩等が挙げられる。
また、これらの塩としては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩、マグネシウムなどのアルカリ土類金属塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどのアルカノールアミン塩などが挙げられる。
(i)直鎖アルキル基の炭素数が好ましくは8〜16、より好ましくは炭素数10〜14である、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩。
(ii)炭素数が好ましくは10〜20であるα−オレフィンスルホン酸塩。
(iii)炭素数が好ましくは10〜20である、アルキル硫酸エステル塩。
(iv)炭素数が好ましくは10〜20である直鎖状または分岐鎖状のアルキル基若しくはアルケニル基を有し、好ましくは平均1〜10モルのエチレンオキサイドを付加した、アルキルエーテル硫酸エステル塩又はアルケニルエーテル硫酸エステル塩(すなわち、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩又はポリオキシエチレンアルケニルエーテル硫酸エステル塩)。
(v)炭素数が好ましくは10〜20、より好ましくは14〜17であるアルカンスルホン酸塩であり、特に第2級アルカンスルホン酸塩。
(vi)炭素数が好ましくは10〜20であるα−スルホ脂肪酸エステル塩。
また、これらの具体例の中では、再汚染を防止と液安定性の観点から、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、アルカンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、及びα−オレフィンスルホン酸塩が用いられることがより好ましく、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩が用いられることが特に好ましい。
なお、これら(B)成分は1種が単独で用いられてもよいし、2種以上を組み合わせたものが用いられてもよい。
これは、(B)成分が、カチオン性である柔軟性付与成分((C)成分)を布から脱離させたり、洗浄時にカチオンと複合体を形成するなどして、再汚染の一因となるカチオン成分に作用するためと予測される。尚、(B)成分が多過ぎると、皮脂洗浄力が低下する傾向がみられる。
本発明において、(C)成分は第4級アンモニウム化合物(C)である。(C)成分としては、下記一般式(II)で示される第4級アンモニウム化合物が用いられる。
尚、(C)成分として、下記一般式(II)で示される単一種類の第4級アンモニウム化合物が単独で用いられてもよく、下記一般式(II)で示される複数種類の第4級アンモニウム化合物が組み合わせて用いられてもよい。
前記一般式(II)中、R4は、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基である。
前記一般式(II)中、R5、R6、R7はそれぞれ独立して、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基、又は炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のヒドロキシアルキル基である。アルキル基の炭素数、ヒドロキシアルキル基の炭素数が前記範囲内であれば衣類用液体洗浄剤組成物に安定配合が可能である。
前記一般式(II)中、Yは、ハロゲン原子、又は炭素数1〜3のアルキル基を有するモノアルキル硫酸基である。
まず、1Lの四つ口フラスコに脂肪酸を仕込み、加熱溶解後、窒素置換(減圧3.33kPa〜常圧)を行い、150〜170℃に加熱後、フラスコ内に窒素を微量流通させながら、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン(以下「DMAPA」という:対脂肪酸1.3倍モル)を滴下する。DMAPA滴下時は、2段コンデンサーによりDMAPAを分縮して反応系内に戻しながら、副生した水だけを反応系外に留去する。DMAPA滴下終了後、さらに、160〜180℃で熟成を行い、未反応脂肪酸分1.0%以下を反応終点とし、アミドアミンを得る。
次に、得られたアミドアミンを塩化メチルで4級化する場合、アミドアミンを加熱溶解し、エタノール、イオン交換水下で、ガラスオートクレーブに仕込み、70℃で、窒素置換(0.3MPa〜常圧)を行う。窒素置換後、攪拌しながら、70〜80℃で塩化メチル(対アミン1.05倍モル)を約30分かけて仕込み、85℃、3時間熟成して、遊離アミンが0.5%以下になったことを確認して反応を終了し、脱圧を行う。この方法によれば、室温(25℃)で透明液状の(C)成分50質量%エタノール溶液が得られる。
また、得られたアミドアミンを硫酸ジメチルで4級化する場合、加熱溶解したアミドアミン、エタノールを温度計、滴下ロート及び冷却管を備えた四つ口フラスコに仕込み、攪拌しながら、60〜90℃で硫酸ジメチルを滴下する。滴下後、80〜90℃に保ち1時間攪拌、遊離アミンが2%以下になっていることを確認して反応終了とする。得られたアミド第四級塩((C)成分)は、室温(25℃)でペースト状〜柔らかな固体となる。
(D)水不溶性シリコーン化合物
本発明において、(D)成分は水不溶性シリコーン化合物(D)である。
尚、(D)成分における「水不溶性」とは、25℃の条件で、水1Lに対して溶解する限度が10g以下であることをいう。
(D)成分としては、水不溶性であれば、変性、未変性いずれのシリコーンも用いることができる。具体的には、未変性ジメチルシリコーン、アミノ変性シリコーン、アミノ・ポリエーテル変性シリコーン、アミド変性シリコーン、アミド・ポリエーテル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルキル・ポリエーテル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーンなどが挙げられる。これらは1種が単独で用いられても、2種以上の混合物として用いられてもよい。
このなかでも特に好ましい(D)成分として、洗浄後の衣類に対する静電気防止性能付与効果また、柔軟性・すべり性の付与効果、更に、衣類用液体洗浄剤組成物の外観が透明になる等の観点から、下記一般式(III)で示されるポリエーテル変性シリコーンが挙げられる。
尚、ここで「透明」とは、測定セルの光路長10mmのガラスセルを使用し、対照セルにイオン交換水を入れた場合に、700nmに波長の光透過率が98%以上であることを意味する。
前記一般式(III)中、R9は、直鎖状又は分岐鎖状であってもよく、飽和であっても不飽和であってもよい炭素数1〜4の2価の炭化水素基である。
Zは、ポリオキシアルキレン基である。
p、qが付された各構成単位の順序は異なっていてもよく、pは100〜1000の整数、qは1〜100の整数である。p及びqの整数が前記範囲内であれば、静電気防止効果が良好である。
なお、比重は、日本薬局方一般試験法の比重測定法に従い、25℃で比重瓶を用いて測定した値とする。
例えば、東レ・ダウコーニング株式会社から、商品名SF8417、SF8418、SH3772、SH3773、SH3775、DC2501、DC2502、DC2503、DC580、AMS−C30、SF8417、BY16−837、BY16−878で販売されているもの、日本ユニカー株式会社から、商品名ABN SILWET FZ−F1−009−54、ABN SILWET FZ−2222で販売されているもの、信越化学株式会社から、商品名KF−6011、KF−6012、F−6013、KF−6015販売されているものなどが挙げられる。
中でも、ポリエーテル変性シリコーンである、東レ・ダウコーニング株式会社製のSH3772M(比重:1.03)、SH3773M(比重:1.04)、SH3775M(比重:1.01)、信越化学株式会社製のKF−6011(比重:1.06)、KF−6012(比重:1.03)、F−6013(比重:1.03)、KF−6015(比重1.00)などが用いられることがより好ましい。
なお、これらは1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が併用して用いられてもよい。
(D)成分の配合量は、衣類用液体洗浄剤組成物の総質量に対して、0.1〜5質量%であり、好ましくは0.1〜3質量%である。
0.1質量%以上とすることによって、前記(D)成分の配合効果が充分に発現する。一方、(D)成分の配合量が5質量%以下であれば、配合量に見合った効果が得られ、経済的に有利であり、更に液安定性に優れる。
ここで、これらの(A)成分〜(D)成分の配合比を工夫することで、よりよい効果が得られる傾向にあった。
(B)成分と(C)成分の質量比は、(B)成分/(C)成分=4/6〜7/3が好ましく、5/5〜7/3であることがより好ましい。
質量比が4/6以上であれば、再汚染防止性能により優れた衣類用液体洗浄剤組成物が得られる。一方、7/3以下であれば、(C)成分に対する(B)成分の量が好ましく、(C)成分の布への吸着が阻害されにくく、静電気防止性能を充分に発現できる傾向にある。
また、(C)成分と(D)成分は、前記したように共に用いることで、ポリエステル等の化繊素材の衣類に対してより優れた静電気防止性能を発現するという相乗効果を示す。この相乗効果が特に得られやすい、(C)成分と(D)成分の質量比としては、(C)成分/(D)成分=1/2〜20/1が好ましく、1/1〜10/1が特に好ましい。質量比が20/1以下であれば、相乗効果が発現しやすく、充分な静電気防止与性能が発現される傾向にある。一方、1/2以上であれば、(D)成分の布への効率的な吸着が行われ易く、相乗効果を得やすい傾向にある。更に、液安定性もよい傾向にある。
更に、(B)成分、(C)成分、(D)成分の、衣類用液体洗浄剤組成物における合計含有量は、組成物の安定性に問題のないレベルで、優れた効果を発現するために(B)+(C)+(D)=5〜30質量%であることが好ましく、5〜20質量%であることがより好ましい。(B)成分、(C)成分、(D)成分の合計含有量が5質量%以上であれば、再汚染防止性能や静電気防止性能に優れる傾向にある。一方、30質量%以下であれば、衣類用液体洗浄剤組成物の液安定性が得やすい傾向にある。
本発明の衣類用液体洗浄剤組成物には更に、前記(A)成分〜(D)成分に加えて、衣類用液体洗浄剤組成物に通常用いられている以下に挙げるような成分を、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて含有させることができる。また、以下に示すその他成分の種類の選択及び配合量は、本発明の目的を妨げない限度において、任意に選択することが可能である。
本発明の衣類用液体洗浄剤組成物には、更に(A)成分以外の非イオン性界面活性剤、(B)成分以外の陰イオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤が用途に応じて配合されてもよい。
(A)成分を除く非イオン性界面活性剤の例としては、アルキルフェノール、高級脂肪酸又は高級アミン等のアルキレンオキサイド付加体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、脂肪酸アルカノールアミン、脂肪酸アルカノールアミド、多価アルコール脂肪酸エステル又はそのアルキレンオキサイド付加体、多価アルコール脂肪酸エーテル、アルキル(又はアルケニル)アミンオキサイド、硬化ヒマシ油のアルキレンオキサイド付加体、糖脂肪酸エステル、N−アルキルポリヒドロキシ脂肪酸アミド、アルキルグリコシド等が挙げられる。
(B)成分を除く陰イオン性界面活性剤の例としては、高級脂肪酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシアルキレンエーテルカルボン酸塩、アルキル(又はアルケニル)アミドエーテルカルボン酸塩、アシルアミノカルボン酸塩等のカルボン酸型、アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルリン酸エステル塩、グリセリン脂肪酸エステルモノリン酸エステル塩等のリン酸エステル型アニオン性界面活性剤等が挙げられる。
両性界面活性剤の例としては、アルキルベタイン型、アルキルアミドベタイン型、イミダゾリン型、アルキルアミノスルホン型、アルキルアミノカルボン酸型、アルキルアミドカルボン酸型、アミドアミノ酸型、リン酸型両性界面活性剤等が挙げられる。
本発明の衣類用液体洗浄剤組成物には、水混和性有機溶媒が用途に応じて配合されてもよい。
水混和性有機溶媒としては、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノールなどのアルコール類、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコールなどのグリコール類、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、平均分子量約200のポリエチレングリコール、平均分子量約400のポリエチレングリコール、平均分子量約1000のポリエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどのポリグリコール類、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのアルキルエーテル類、等が挙げられる。これら水混和性有機溶剤は、衣類用液体洗浄剤組成物の均一溶解性や液安定性の確保を目的として、例えば、0.1〜15質量%配合させることができる。
パラトルエンスルホン酸、安息香酸塩(防腐剤としての効果もある)、並びに尿素等の減粘剤及び可溶化剤を、例えば0.01〜30質量%配合させることができる。
マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、ジグリコール酸、酒石酸、クエン酸等の金属イオン疎捕捉剤を、例えば0.1〜20質量%配合させることができる。
ブチルヒドロキシトルエン、ジスチレン化クレゾール、亜硫酸ナトリウム及び亜硫酸水素ナトリウム等の酸化防止剤を、例えば0.01〜2質量%配合させることができる。
ローム・アンド・ハウス社製ケーソンCG(商品名)等の防腐剤を、例えば0.001〜1質量%配合させることができる。
更に、洗浄力の向上や液安定性の向上等を目的として、酵素(プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ等)、風合い向上剤、アルカノールアミン等のアルカリビルダー、pH調整剤、ハイドロトロープ剤、蛍光剤、移染防止剤、再汚染防止剤、パール剤、ソイルリリース剤等を配合させることができる。
着香剤としては、代表的な例として、特開2002−146399号公報の表11〜18に記載の香料組成物A、香料組成物B、香料組成物C、香料組成物Dや、特願2007−283650号の表1に記載の香料組成物a、香料組成物b、香料組成物c、香料組成物dが挙げられる。これらの好ましい配合量は、0.1〜1質量%である。
着色剤としては、アシッドレッド138、Polar Red RLS、アシッドイエロー203、アシッドブルー9、青色1号、青色205号、緑色3号、ターコイズP−GR(いずれも商品名)等の汎用の色素や顔料を、例えば0.00005〜0.005質量%程度配合させることができる。
乳濁化剤としては、ポリスチレンエマルション、ポリ酢酸ビニルエマルジョン等が挙げられ、通常、固形分30〜50質量%のエマルションが好適に用いられる。具体例としては、ポリスチレンエマルション(サイデン化学社製、商品名:サイビノールRPX−196 PE−3、固形分40質量%)等を、0.01〜0.5質量%配合させることができる。
天然物などのエキスとしては、イヌエンジュ、ウワウルシ、エキナセア、コガネバナ、キハダ、オウレン、オールスパイス、オレガノ、エンジュ、カミツレ、スイカズラ、クララ、ケイガイ、ケイ、ゲッケイジュ、ホオノキ、ゴボウ、コンフリー、ジャショウ、ワレモコウ、シャクヤク、ショウガ、セイタカアワダチソウ、セイヨウニワトコ、セージ、ヤドリギ、ホソバオケラ、タイム、ハナスゲ、チョウジ、ウンシュウミカン、ティーツリー、バーベリー、ドクダミ、ナンテン、ニュウコウ、ヨロイグサ、シロガヤ、ボウフウ、オランダヒユ、ホップ、ホンシタン、マウンテングレープ、ムラサキタガヤサン、セイヨウヤマハッカ、ヒオウギ、ヤマジソ、ユーカリ、ラベンダー、ローズ、ローズマリー、バラン、スギ、ギレアドバルサムノキ、ハクセン、ホウキギ、ミチヤナギ、ジンギョウ、フウ、ツリガネニンジン、ヤマビシ、ヤブガラシ、カンゾウ、セイヨウオトギリソウなどの植物が挙げられ、これらを例えば、0〜0.5質量%程度配合させることができる。
また、本発明の衣類用液体洗浄剤組成物の粘度(25℃)は5〜500mPa・sであることが好ましく、10〜300mPa・sであることがより好ましい。粘度が5mPa・s以上であれば、キャップによる計量が容易である。一方、粘度が500mPa・s以下であれば、衣類用液体洗浄剤組成物の使用性(ボトル残り、被洗物への塗布性、キャップによる計量の容易性等)が良好になる。尚、ここで粘度は、300mlトールビーカーを用い、25℃にてBL型粘度計、No.1ローターにて測定した値である。
使用方法は、通常の使用方法、すなわち本発明の衣類用液体洗浄剤組成物(本発明品)を、洗濯時に被洗物と一緒に水に投入する方法、被洗物における泥汚れや皮脂汚れ部位に本発明品を直接塗布する方法、本発明品を予め水に溶かして被洗物を浸漬する方法等が挙げられる。また、本発明品を被洗物に塗布後、適宜放置し、その後、通常の洗濯液を用いて通常の洗濯を行う方法も好ましい。
また、本発明の衣類用液体洗浄剤組成物で洗濯する対象となる被洗物は衣類である。衣類の中では、静電気の発生を抑制することができる点でポリエステル衣類(ポリエステル繊維を含む衣類)が好ましい。ポリエステル衣類は、ポリエステル繊維100%の衣類でもよいし、ポリエステル繊維と他の繊維とからなる混紡衣類であってもよい。
尚、本発明の衣類用液体洗浄剤組成物は、ポリエステル衣類以外の衣類(他の衣類)に対しても優れた洗浄力を有するので、ポリエステル衣類と他の衣類との同時洗浄や、他の衣類のみの洗浄にも用いることができる。
また、本発明の衣類用液体洗浄剤組成物は、透明にすることが可能である。
更に、本発明の衣類用液体洗浄剤組成物は、綿等の洗濯後の衣類への柔軟性能と、ポリエステルなどの化繊に対するすべり性を付与することも可能である。
表1の実施例1〜16、表2の実施例17〜38、表3の比較例1〜8に示す配合組成に従って、以下に示す方法により、各例の衣類用液体洗浄剤組成物をそれぞれ調製した。
(1)300mLビーカーに下記共通成分(W)中のエタノールに(D)成分を入れ、マグネットスターラー(MITAMURA KOGYO INC.)で充分に攪拌した。
(2)(1)で得た溶液に、(A)成分、(B)成分、及び共通成分(W)中の脂肪酸を加えて、充分に攪拌した後、40℃にした共通成分(W)中の水を入れ、更にその後、予めエタノールに溶解させた(C)成分を入れて充分に溶解させた。
(3)(2)で得た溶液に、更に残りの共通成分(W)を入れて充分に攪拌し、微量の水酸化ナトリウム水溶液(濃度:48質量%)でpHを7に調製して、衣類用液体洗浄剤組成物とした。
以下に、表1〜表3に示した成分について説明する。
<(A)成分>
(A)成分としては下記化合物を用いた。
(第1の非イオン性界面活性剤(A1))
(a−1):P&G社製のC12及びC14の天然アルコール(商品名:CO−1214)に対して12モル相当の酸化エチレンを付加したもの(下記一般式(I−1)におけるR1=C12H25/C14H29、R2=H、X=O、m=12、n=0)。これは以下の方法で合成した。
P&G社製天然アルコール(商品名:CO−1214)224.4g、30質量%NaOH水溶液2.0gを耐圧型反応容器中に採取し、容器内を窒素置換した。次に温度100℃、圧力2.0kPa以下で30分間脱水してから、温度を160℃まで昇温した。更に、アルコールを攪拌しながら、エチレンオキシド(ガス状)610.7gを吹き込み管を使って、反応温度が180℃を超えないように添加速度を調整しながらアルコールの液中に徐々に加えた。
エチレンオキシドの添加終了後、温度180℃、圧力0.3MPa以下で30分間熟成した後、温度180℃、圧力6.0kPa以下で10分間未反応のエチレンオキシドを留去した。
次に温度を100℃まで冷却した後、反応物の1%水溶液のpHが約7(25℃)になるように、70質量%p−トルエンスルホン酸を加えて中和し、(a―1)を得た。
(a−3):P&G社製のC12及びC14の天然アルコール(商品名:CO−1214)に対して15モル相当の酸化エチレンを付加したもの(下記一般式(I−1)においてR1=C12H25/C14H29、R2=H、X=O、m=15、n=0)。
(a−4):P&G社製のC12及びC14の天然アルコール(商品名:CO−1270)に対して15モル相当の酸化エチレンを付加したもの(下記一般式(I−1)においてR1=C12H25/C14H29、R2=H、X=O、m=15、n=0)。
(a−5):BASF社製 商品名:Lutenzol TO7(ブテンを3量化して得られるC12アルケンをオキソ法に供して得られるC13アルコール1モルに対して、7モル相当の酸化エチレンを付加したもの(下記一般式(I−2)においてR1=C13H27、R2=H、X=O、m=7、n=0)。)
(a−6):BASF社製 商品名:Lutenzol XL70(C10ガーベットアルコールのエチレンオキサイド基7モル(下記一般式(I−2)においてR1=C10H21/(ガーベット型)、R2=H、X=O、m=7、n=0)。)
(a−7):BASF社製 商品名:Lutenzol XA60(C10ガーベットアルコールのエチレンオキサイド基6モル付加品(下記一般式(I−2)においてR1=C10H21/(ガーベット型)、R2=H、X=O、m=6、n=0)。)
(B)成分としては下記化合物を用いた。
(b−1)LAS:直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ライオン社製、アルキル基炭素鎖長10〜14)
(b−2)SAS:セカンダリーアルカンスルホン酸ナトリウム(クラリアント・ジャパン社製、商品名:HOSTAPUR SAS30A)
(b−3)AES:C12−C13アルキルエトキシ硫酸エステルナトリウム[平均エチレンオキサイド鎖長2モル、原料アルコール:サフォール23(サソール製、C12/C13=55質量%/45質量%、直鎖率50質量%)]
(b−4)AOS:C14−C18アルファ−オレフィンスルホン酸ナトリウム(ライオン社製、リポランLB−840)
(C)成分としては下記化合物を用いた。
(c−1):C17H35CONH(CH2)3N+(CH3)3・CH2SO4 −、ステアリン酸アミドプロピルトリメチルアンモニウム塩。これは以下の方法で合成した。
1Lの四つ口フラスコにステアリン酸(関東化学、特級試薬、分子量284.48)を450.0g仕込み、加熱溶解後、窒素置換(減圧3.33kPa〜常圧)を3回行った。
更に、150〜170℃に加熱後、フラスコ内に窒素を微量流通させながら、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン(DMAPA、関東化学、特級試薬、分子量102.18)210.1gを3時間で滴下した。尚、DMAPA滴下時は、2段コンデンサーによりDMAPAを分縮して反応系内に戻しながら、副生した水だけを反応系外に留去した。
DMAPA滴下終了後、さらに、160〜180℃で11時間熟成を行い、未反応脂肪酸分1.0%以下を反応終点とした。得られたアミドアミンを次の4級化反応に供した。
(4級化反応)
加熱溶解したアミドアミン381.5g、エタノール90.0gを温度計、滴下ロート及び冷却管を備えた四つ口フラスコに仕込み、攪拌しながら、60〜90℃で硫酸ジメチル(128.5g)を滴下した。滴下後、80〜90℃に保ち、1時間攪拌し、遊離アミンが2%以下になっていることを確認して反応を終了した。
得られたアミド第4級塩(ステアリン酸アミドプロピルトリメチルアンモニウム塩)は室温でペースト〜柔らかな固体であった。
1Lの四つ口フラスコにパルミチン酸(関東化学、特級試薬、分子量256.42)を450.0g仕込み、加熱溶解後、窒素置換(減圧3.33kPa〜常圧)を3回行った。
更に、150〜170℃に加熱後、フラスコ内に窒素を微量流通させながら、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン(DMAPA、関東化学、特級試薬、分子量102.18)233.1gを3時間で滴下した。尚、DMAPA滴下時は、2段コンデンサーによりDMAPAを分縮して反応系内に戻しながら、副生した水だけを反応系外に留去した。
DMAPA滴下終了後、更に、160〜180℃で11時間熟成を行い、未反応脂肪酸分1.0%以下を反応終点とした。得られたアミドアミンを次の4級化反応に供した。
(4級化反応)
加熱溶解したアミドアミン373.7g、エタノール90.0gを温度計、滴下ロート及び冷却管を備えた四つ口フラスコに仕込み、攪拌しながら、60〜90℃で硫酸ジメチル(136.3g)を滴下した。滴下後、80〜90℃に保ち、1時間攪拌、遊離アミンが2%以下になっていることを確認して反応を終了した。
得られたアミド第4級塩(パルミチン酸アミドプロピルトリメチルアンモニウム塩)は室温でペースト〜柔らかな固体であった。
(c−3):C16−C18アミドアミン、長鎖脂肪酸ジメチルアミノプロピルアミド(ステアリン酸(C18)/パルミチン酸(C16)の質量比=7/3)、商品名:カチナールMPAS−R(東邦化学社製)
(c−4):塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、商品名 アーカードT−800(ライオンアクゾ社製)
(D)成分としては下記化合物を用いた。
(d−1):ポリエーテル変性シリコーン、下記一般式(III)記載、p=210、q=9、R9=C3H6、Z=−(OC2H4)11−、R8=CH3であるシリコーン化合物(水不溶性、比重1.01)。これは以下の方法で合成した。
攪拌装置、凝縮機、温度計及び窒素挿入口を備えた1Lの4つ口フラスコに、下記一般式(IV)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン(α=210、β=9)100g、イソプロピルアルコール50g、下記一般式(V)で表されるポリオキシアルキレン化合物(γ=11、G=CH3)31g、付加反応用触媒0.2g、2質量%酢酸ナトリウムのイソプロピルアルコール溶液0.3gを投入し、これらを窒素雰囲気下、90℃で3時間反応させた。反応終了後、溶媒を減圧留去することにより(d−1)を得た。
上記一般式(V)で表されるポリオキシアルキレン化合物(γ=11、G=CH3)31gの代わりに、同式で表されるポリオキシアルキレン化合物(γ=9、G=H)26gを用いた以外は、(d−1)と同様の反応条件で合成し、(d−2)を得た。
上記一般式(V)で表されるポリオキシアルキレン化合物(γ=11、G=CH3)31gの代わりに、同式で表されるポリオキシアルキレン化合物(γ=10、G=CH3)29gを用いた以外は、(d−1)と同様の反応条件で合成し、(d−4)を得た。
(d−6):ポリエーテル変性シリコーン、信越シリコーン株式会社製 商品名:X−20−8010B(水不溶性、比重1.01)。
(d−7):ポリエーテル変性シリコーン、東レ・ダウコーニング株式会社製 商品名:SH3749(水溶性シリコーン化合物、比重1.04)(比較品)。
共通成分(W)は以下の組成を示す(衣類用液体洗浄剤組成物100質量部あたり)。
ラウリン酸 0.7質量%
ミリスチン酸 0.3質量%
安息香酸ナトリウム 0.5質量%
クエン酸 0.2質量%
95質量%エタノール 6.0質量%(C成分を溶解させるために使用する分も含めて)
パラトルエンスルホン酸 2.0質量%
ポリエチレングリコール 3.0質量%
イソチアゾロン液 0.01質量%
香料 0.5質量%
水 バランス(衣類用液体洗浄剤組成物全体の量を100質量%とするための量)
ラウリン酸 :日本油脂(株)製 商品名NAA−122
ミリスチン酸 :日本油脂(株)製 商品名NAA−142
安息香酸ナトリウム :東亜合成製 商品名安息香酸ナトリウム
クエン酸3ナトリウム :マイルス社(米国)製 商品名クエン酸ソーダ
95質量%エタノール :日本アルコール販売(株)製 商品名特定アルコール95度合成
パラトルエンスルホン酸 :協和発酵工業(株)製 商品名PTS酸
ポリエチレングリコール :ライオン(株)製 商品名PEG#1000
イソチアゾロン液 :ローム・アンド・ハウス社製 商品名ケーソンCG(5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン/2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン/マグネシウム塩/水混合液)
香料 :特願2007−283650号公報記載の香料組成物a
<不水溶性>
(D)成分における不水溶性又は水溶性は以下の基準で判断した。
各(D)成分を、25℃の条件で、水1Lに対して10g添加し、攪拌した後、水溶液内を目視で観察し以下の基準で判定した。
水不溶性:透明に溶解しているもの。
水溶性:一部溶解し解け残りが見られるもの、または、全く溶解しないもの。
東亜ディーケーケー株式会社製のpHメーター(HM−30S)を用いて衣類用液体洗浄剤組成物(25℃)のpHを測定した。
(D)成分の比重は、日本薬局方一般試験法の比重測定法に従い、25℃で比重瓶を用いて測定した。
(1)静電気防止性能
I)評価布の調整(前処理)
二槽式洗濯機(製品名:CW−C30A1−H、三菱電機製;以下同様)を用いて、ポリエステルサテン(ポリエステル100質量%、谷頭商店)1kgを、非イオン性界面活性剤(ラウリルアルコール1モル当たり平均15モルの酸化エチレンを付加させたアルコールエトキシレート;商品名:LMAO、ライオンケミカル製)の20質量%水溶液にて、40〜50℃の水道水で15分、2回繰り返し洗濯を行った後、常温の水道水で充分すすぎ、室温で乾燥して評価布を調製した。
なお、前記の前処理は、二槽式洗濯機における浴比(洗濯水/被洗布総質量)30倍で行った。
II)静電気防止性能評価
ミニ洗濯機(メーカー:National、商品名:MiniMni Washer、型番:NA−35)に、20cm×20cmに裁断した前記調整済みのポリエステルサテン20枚に対し、二槽式洗濯機使用における浴比が30倍になるように3L、15℃水道水を入れ、表1〜3の実施例及び比較例で得られた衣類用液体洗浄剤組成物2.5gを添加し、10分間洗浄、3分すすぎを2回繰り返した後、脱水1分(二槽式洗濯機使用)にて洗浄操作を行った。
洗濯終了後、取り出したポリエステルサテンを20℃、湿度40%RHの恒温恒湿室に放置して、これを試験布としてJIS−L−1094A法記載の半減期測定法にて10kV30秒間帯電した帯電圧が1/2に減衰するまでの時間を測定し、静電気防止性能を評価した。
[評価基準]
帯電圧が1/2に減衰するまでの時間が30秒未満のものを合格とした。
I)評価布の調製(前処理)
二槽式洗濯機を用いて、B.V.D肌シャツ(株式会社フジボウアパレル)1kgを、非イオン性界面活性剤(ラウリルアルコール1モル当たり平均15モルの酸化エチレンを付加させたアルコールエトキシレート;商品名:LMAO、ライオンケミカル社製)の20質量%水溶液にて、40〜50℃の水道水で2回繰り返し洗濯を行った後、常温の水道水で充分すすぎ、室温で乾燥して評価布を調製した。なお、上記の前処理は、二槽式洗濯機を、二槽式洗濯機における浴比30倍にて、洗濯条件は洗濯10分間→注水すすぎ10分間を2回繰り返した。
[使用試験の方法]
表1〜3の実施例及び比較例で得られた衣類用液体洗浄剤組成物を容器(容量1000mLのポリエチレン容器)に収容した評価用の洗剤と、前記評価布とを、各家庭に渡し、通常の洗濯の際に評価布を一緒に洗濯してもらい、当該評価布を20回繰り返して洗濯した時点で回収する使用試験を行った。
かかる使用試験は、評価用の洗剤1サンプルにつき20の家庭(たとえば洗剤4サンプルならば80の家庭)で行った。
また、洗濯の際、洗濯機のタイプとしてドラム式洗濯機を用いること、柔軟剤製品(その種類は限定せず)を用いること、を条件とした。
[再汚染度ΔZの測定]
再汚染度ΔZの測定は、以下のようにして行った。
各家庭における使用試験の開始前の評価布をブランク(対照)とした。
このブランクの評価布と使用試験で回収した評価布について、測色色差計(日本電色工業株式会社製、製品名:1001−DP;レンズ30φ)を用いてZ値(反射率)を測定した。この際、蛍光剤の影響を遮断するフィルターを、必ずつけるものとした。
Z値の測定は、評価布(肌シャツ)の前身ごろ4隅と、後見ごろ中央1箇所との合計5箇所を測定部位とし、それらの平均値を各評価布のZ値とした。
これらのZ値から、下記一般式(VI)よりΔZを求めた。
ΔZ=(ブランクの評価布のZ値)−(使用試験後の評価布のZ値)・・・(VI)
評価用の洗剤1サンプルにつき20の家庭から回収された評価布におけるΔZ値のうち、最大値と最小値を除いた、残り18個のデータの平均値をその評価布の再汚染度ΔZとし、下記の評価基準に基づいて、再汚染防止性能を評価した。
尚、評価基準:◎、○であるものを合格とした。
[評価基準]
◎:再汚染度ΔZが6未満、家庭で再汚染に気がつかないレベル。
○:再汚染度ΔZが6以上9未満、再汚染に気がつくものの、許容範囲のレベル。
△:再汚染度ΔZが9以上12未満、再汚染に気がついて気になるレベル。
×:再汚染度ΔZが12以上、黒ずんでいることがはっきり分かるレベル。
表1〜3に示される、各実施例及び比較例で得られた衣類用液体洗浄剤組成物を、容量100mlのねじ口瓶に入れ、−5℃の恒温槽に放置し、1週間後に組成物の外観を目視観察し、下記の基準に従って評価して、低温下での液安定性を評価した。
なお、評価基準:◎、○であるものを合格とした。
[評価基準]
◎:均一透明液体相であり、液安定性に優れる。
○:やや微濁はしているが、5℃で透明液体相に戻る。
×:分離又は析出が認められる。
特に、(A)成分と(B)成分の比率が4/6〜9/1であり、(B)成分と(C)成分の比率が4/6〜7/3であり、(C)成分と(D)成分の比率が1/2〜20/1であり、更に(B)成分と(C)成分と(D)成分の合計が衣類用液体洗浄剤組成物全量に対して5〜30質量%である実施例1〜34では、静電気防止性能、再汚染防止性能及び液安定性がより優れている傾向が見られた。
Claims (3)
- 非イオン性界面活性剤(A)10〜50質量%と、SO3基又はSO4基を有する陰イオン性界面活性剤(B)1〜20質量%と、下記一般式(II)で示される第4級アンモニウム化合物(C)0.5〜10質量%と、水不溶性シリコーン化合物(D)0.1〜5質量%とを含有し、
非イオン性界面活性剤(A)が、下記一般式(I−1)で表される第1の非イオン性界面活性剤(A1)と、下記一般式(I−2)で表される第2の非イオン性界面活性剤(A2)からなり、第2の非イオン性界面活性剤(A2)が、非イオン性界面活性剤(A)全量に対して10〜60質量%含有される衣類用液体洗浄剤組成物。
- 非イオン性界面活性剤(A)と陰イオン性界面活性剤(B)との質量比((A)/(B))が4/6〜9/1であり、
陰イオン性界面活性剤(B)と第4級アンモニウム化合物(C)と水不溶性シリコーン化合物(D)との合計が5〜30質量%であり、
陰イオン性界面活性剤(B)と第4級アンモニウム化合物(C)の質量比((B)/(C))が4/6〜7/3であり、
第4級アンモニウム化合物(C)と水不溶性シリコーン化合物(D)の質量比((C)/(D))が1/2〜20/1である請求項1に記載の衣類用液体洗浄剤組成物。
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