JP2002339253A - 形態安定加工された衣料およびそれからなるシャツ - Google Patents

形態安定加工された衣料およびそれからなるシャツ

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JP2002339253A
JP2002339253A JP2001145998A JP2001145998A JP2002339253A JP 2002339253 A JP2002339253 A JP 2002339253A JP 2001145998 A JP2001145998 A JP 2001145998A JP 2001145998 A JP2001145998 A JP 2001145998A JP 2002339253 A JP2002339253 A JP 2002339253A
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fiber
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fibrous structure
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JP2001145998A
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Masaki Ishii
正樹 石井
Naoaki Ito
直明 伊藤
Koichi Saito
公一 齋藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、必要な時に随時強力なマイナスイオ
ンを発生する形態安定加工された衣料およびそれからな
るシャツを提供せんとするものである。 【解決手段】本発明の形態安定加工された衣料は、形態
安定加工された繊維構造物であって、かつ、摩擦または
振動の少なくとも一つを伴う繰り返し応力が500Pa
以上の状況下において、該繊維構造物の表面からの距離
が10cm内において、空気中の負帯電分子の数が30
0個/cc以上であることを特徴とするものであり、ま
た、本発明のシャツは、かかる形態安定加工された衣料
で構成されていることを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイナスイオンを
発生し、各種機能性を有する快適性に優れた形態安定加
工された衣料およびそれからなるシャツに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、地球温暖化や酸性雨などの環境問
題が大きく取り上げられている。その中で特に、都会に
おける日常生活の中で排気ガスなどによる空気中のプラ
スイオンが増大し、マイナスイオンが少なくなり、我々
の体や環境に悪影響を及ぼしていると言われている。プ
ラスイオンがマイナスイオンに比べ増大すると、酸化腐
敗、体内異常、老化が進むといわれ、いま我々の体や環
境、植物、水までが弱酸性化している。そこで、不足し
ているマイナスイオンを作り出し、中性に還元していく
のがマイナスイオン効果である。マイナスイオンは自然
界で水分の多い森林や滝壺、海岸線などに多く発生し、
人々の心を安らげる癒し効果を発揮している。
【0003】このようなマイナスイオンを放出するもの
として、これまでトルマリン鉱石が見出されている。こ
のトルマリンは別名電気石と呼ばれ、永久自発電気分極
をしている物質であるが、外部からの応力でマイナスイ
オンを発生する。例えば特公平6−104926号公報
には、微粒子化したトルマリンを有機繊維に固着若しく
は含有させたエレクトレット繊維が提案されている。
【0004】しかし、元来、静置した状態のトルマリン
自体が発するマイナスイオンは微弱であり、また、常時
強力なマイナスイオンを発生させるための素材は皆無で
あった。さらにマイナスイオンは繊維が乾燥状態では発
生しにくく、より多くマイナスイオンを発生させるため
には、繊維が適度に水分を含有する必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の背景に鑑み、必要な時に随時強力なマイナスイオ
ンを発生する形態安定加工された衣料およびそれからな
るシャツを提供せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、つぎのような手段を採用する。すなわ
ち、本発の態安定加工された衣料は、形態安定加工され
た繊維構造物であって、かつ、摩擦または振動の少なく
とも一つを伴う繰り返し応力が500Pa以上の状況下
において、該繊維構造物の表面からの距離が10cm内
において、空気中の負帯電分子の数が300個/cc以
上であることを特徴とするものであり、また、本発明の
シャツは、かかる形態安定加工された衣料で構成されて
いることを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】マイナスイオンが、人を癒す効果
を有することは、自然界で水分の多い森林や滝壺、海岸
線などで、人が癒されることから明らかである。そこ
で、本発明は、かかる癒し効果を、通常の繊維構造物に
よって達成できないかを鋭意検討したものである。
【0008】通常のマイナスイオンを発生する繊維製品
において静置状態では、マイナスイオンの発生が非常に
弱い。いかにしてマイナスイオンの発生を増大させるか
鋭意検討した結果、本発明者は、摩擦または振動の少な
くとも一つを伴う繰り返し応力が存在する用途にこそ、
常時強力なマイナスイオンの発生が得られることを見出
した。
【0009】この場合、より強い摩擦や振動を伴うこと
が望ましいが、実際の生活において起こりうる摩擦にお
ける必要条件は、製品の表面荒さにもよるが、動摩擦に
おいて、300Pa以上が好ましく、より好ましくは5
00Pa以上である。また、摩擦の内容は特に限定され
ないが、例を挙げると、皮膚と繊維構造物との摩擦も好
ましいし、下着と上着の様に、繊維構造物と繊維構造物
も好ましい。また、一つの繊維構造物内における経緯の
糸同志の摩擦も好ましく、一つの糸内における単糸同志
の摩擦も好ましい、とりわけ静摩擦係数を大きくするた
めに表面荒さの大きな異形断面の単糸よりなる繊維構造
物において、該繊維構造物同志の摩擦がマイナスイオン
発生には好ましい結果を与える。
【0010】さらに、振動については高周波数域と低周
波数域のどちらでも良いが、振幅が大きく振動数が大き
いことがマイナスイオン発生に良い結果を与えることか
ら、振幅が0.1mm以上でかつ2Hz以上が好まし
く、振幅が1mm以上でかつ振動数3Hz以上さらには
振幅が2mm以上振動数が5Hz以上がより好ましい。
【0011】また、本発明は十分な効果を発揮するため
には繰り返し応力が必須であり、その値は300Pa以
上が好ましく、さらには500pa以上であることがよ
り好ましい。
【0012】本発明は、このような条件を満たす用途と
して、形態安定加工された衣料およびそれからなるシャ
ツ、つまりワイシャツやカッターシャツなどのドレスシ
ャツ、ポロシャツなどに代表される特定な衣料があるこ
とを究明したものである。
【0013】また、本発明は、マイナスイオン発生のみ
ならず形態安定加工された衣料およびシャツとしての要
求特性である、吸湿性、抗菌性、消臭性効果を兼ね揃え
ているため、機能面においても、使用する人間に対し
て、満足感および安らぎのある空間を提供することがで
きるものである。
【0014】形態安定性を有するシャツは、一般的に広
く知られているが、洗濯後の防しわ性や寸法安定性を有
するだけで、それだけでは使用する人間に対して、満足
感や安らぎを与えるまでにはいたらなかった。そこで、
形態安定性を有するシャツに対して、本発明によるマイ
ナスイオンを発生する物質を付着させることにより、着
用時の振動でマイナスイオンを発生させ、より人間に対
して満足感、安らぎを与えるものである。
【0015】一般的にシャツの素材構成として、ポリエ
ステルなどの合成繊維と木綿などセルロース系繊維との
混合素材が多く用いられる。ポリエステル100%など
では、すでに良好な形態安定性を有するが、セルロース
系繊維混の場合、編物では洗濯後の収縮が大きく、織物
ではシワになりやすいという問題がある。そこで本発明
では、セルロース系繊維を架橋剤を用いて、架橋改質さ
せることによって、形態安定性を付与する。本発明でい
う架橋剤とは、セルロース系繊維を構成しているセルロ
ース分子中の水酸基、とりわけ洗濯時のしわ、収縮の原
因となる非晶領域にある水酸基と反応し、シャツとして
快適な形態安定性を付与するのものである。具体的には
ホルムアルデヒドや、ジメチロールエチレン尿素、ジメ
チロールトリアゾン、ジメチロールウロン、ジメチロー
ルグリオキザールモノウレイン、ジメチロールプロピレ
ン尿素、これらのメチロール基の一部または全部をメト
キシ化、エトキシ化したもの、等の繊維素反応型樹脂、
ポリカルボン酸類、イソシアネート類、等があげられ
る。これらの架橋剤の中でも、セルロース系繊維の架橋
改質をより効率的、効果的に行うためには、ホルムアル
デヒドまたは下記一般式1で示された化合物が好ましく
用いられる。
【0016】
【化2】
【0017】ここで、R1、R2は−H、炭素数1〜4の
アルキル基、又は−CH2OR7 のいずれかである同種
又は異種の基、R3、R4、R5、R6は、−Hまたは−O
R8のいずれかである同種又は異種の基、R7、R8は−
H、又は炭素数1〜4のアルキル基 のいずれかである
同種又は異種の基を示す。
【0018】本発明でいうセルロース系繊維とは、綿、
麻、パルプなどの天然セルロース繊維、ビスコースレー
ヨンなどの再生セルロース繊維のことである。
【0019】また、セルロース系繊維が架橋改質される
前に、120〜200℃、0.1MpaG〜1.5Mp
aGである高圧飽和蒸気で処理されることによってさら
に、良好な防シワ性が得られる。
【0020】本発明の負帯電分子とは、広義のマイナス
イオンを示すものである。狭義のマイナスイオンは、マ
イナスに帯電した空気中の分子を指すものであるが、本
発明では、摩擦や振動によって起きる静電気が、揮発性
高い分子に帯電し、その結果、空気中に放出された場合
なども、広義のマイナスイオンとしてとらえて、これら
を含むものとする。
【0021】かかるマイナスイオンは、本発明では、次
の方法により測定したものを指すものと定義する。 <マイナスイオンの測定> 装置:AIR ION COUNTER(USA製) 測定条件:室温 20±1℃、湿度 50±3%、室内広さ 3×5×5m 測定時間 5分、 吸引量 60L/分 サンプルサイズ 20×20cm 評価内容:測定時間5分間 マイナスイオンおよびプラスイオンの平均発生量を測定する。
【0022】測定手順として、 (1) 20×20cmの評価対象布を3回重ね織りし、
2.5cm×20cmにする。
【0023】(2) (1)を経たサンプルの両端から7cm
の部分を両手で持ってAIRIONCOUNTERの測
定部から10cm以内の距離に移動する。
【0024】(3) 両手使ってサンプルの中央を中心に
足が自転車のペダルを踏むがごとくぐるぐると回す。
【0025】(4) 上記測定手順(1)〜(3)を3回繰り返
し、平均値を発生イオン量とする。単位は個/CC。
【0026】(5) (3)の条件下において、生地の表面荒
さに起因するが摩擦は動摩擦において500Pa以上で
あり、繰り返し応力は500Pa以上となる。
【0027】かかるマイナスイオンを発生させるものと
して、竹の乾燥粉末またはヒノキの乾燥粉末または桐の
乾燥粉末が挙げあられる。これは竹やヒノキに含まれる
香り成分が非常にマイナスに分極しやすい事が判明した
ためである。これらが種々の加工により繊維に含有また
は付着され、摩擦や振動や熱を加えることにより揮発し
結果的にはマイナスイオンを放出することになる。ま
た、竹やヒノキや桐に限らず木材は炭化させることでマ
イナスイオン発生することがすでに数多く確認されてい
るが、炭化させる前の木材は吸湿性、抗菌性、消臭性が
非常に優れた天然機能性物質であり、マイナスイオン発
生を重視するために、これら優れた機能を炭化のため減
退消失してしまうことは非常に問題である。そのため、
優れた吸湿性、抗菌性、消臭性を兼ね揃えつつ、マイナ
スイオンをも発生させる天然機能性物質を得るために
は、マイナスに分極しやすい揮発性分を有する竹や木
材、なかでもとりわけ真竹やヒノキや桐を凍結乾燥後粉
砕することで得られることが判明した。微粒子化の際、
微粒子の径は繊維に練り込みなどで含有させる場合には
10μm未満が好ましく、より好ましくは、1μm以下
が好ましい。繊維に付着させる場合には0.1μm以上
100μm未満が好ましい。
【0028】また、本発明で用いられる緑茶葉の乾燥粉
末においては緑茶の香り成分が非常にマイナスに分極し
やすい事が判明した。これらが種々の加工により繊維に
含有または付着し、摩擦や振動や熱を加えることにより
揮発し結果的にはマイナスイオンを放出することにな
る。ここで、マイナスに分極しやすい揮発成分を用いれ
ばどんな物でも同様の効果が期待できるが、日本人が古
来より愛飲している緑茶の香りを用いることは精神的な
効果をも期待できより好ましい。
【0029】また、本発明で用いられるトルマリン粉末
は外部から応力が加わることにより、マイナスイオンを
発生するものである。外部からの応力により、無機の多
孔物質等のマイナスイオン発生物質を含む部材に歪みが
生じ、結晶構造内での分極が生じマイナスイオンが発生
する。
【0030】本発明においては、トルマリン鉱石とし
て、いわゆる電気石と呼ばれる鉱石が好ましく使用され
る。また、微粒子の形態を有し、粒径が0.1μmから
50μmのもの、さらには0.1μmから1.0μmの
ものが、加工する際、概微粒子がバインダーを主成分と
する液状の様態をとる場合に分散性の点で好ましい。ま
た、その構成成分としては非常に多くの元素から成り立
つが、Mg、Fe、Li、Al、Na、B、Si、K、
Ca、Mn、O、Hが含まれていることが望ましい。
【0031】本発明においては、平均細孔半径20nm
以上の細孔を有し、かつ比表面積が20m2/g以上の
無機の多孔質物を好ましく用いることができる。細孔半
径が大きくなると、それだけ空隙が増して一般的には比
表面積も大きくなる。細孔半径、比表面積が大きいこと
は、それだけ気体(空気)または液体(水)との接触面
積が増えることで活性が高まることを意味する。本発明
においては、その意味から、平均細孔半径20nm以上
の細孔を有し、かつ比表面積が20m2/g以上のもの
が好ましく用いられる。平均細孔半径は、無機物中に入
った空気などの気体や、水などの液体をスムーズに通過
させ、マイナスイオンの発生や、遠赤外線の放射や、臭
い成分の吸着などの活性を高めるためには大きい方がい
いという点から、好ましくは20nm以上であり、より
好ましくは30nm以上である。また、比表面積は、大
きいほど空隙があることになり、細孔半径と同様に気体
や液体との接触性が向上するという点から、20m2
g以上であり、好ましくは30m2/g以上である。こ
こで、平均細孔半径は、カルロエルバ2200型の装置
を用い水銀圧入法細孔分布測定(PD)方法に従い測定
する。また、比表面積は、QUANTA CHROME
社製 QUANTA SORB OS−8の装置を用い
比表面積測定方法に従い測定する。
【0032】無機多孔質物の素材としては、無機物であ
ればよく、例えば、多孔質泥、粘土、ケイソウ土、竹
炭、木炭、ヤシガラ活性炭、石炭系活性炭、ゼオライ
ト、パーライト等が挙げられる。中でも、天然無機物の
多孔質泥が好ましく用いられ、主に数千年前に、海中や
湖中の各種ネクトン(殻、魚類)、プランクトン(微生
物)、藻類などが地殻変動で埋没、堆積したと推定され
る泥で、特定の地域に分布しているものが好ましく用い
られる。例えば福島県東白川郡棚倉町や滋賀県甲賀郡信
楽町の山中の断層に含まれている。これらの泥には、二
酸化ケイ素と酸化アルミニウムとが含まれていることが
多く、特に、二酸化ケイ素を40重量%以上、酸化アル
ミニウムを7重量%以上含む場合、天然物として多孔質
構造になりやすいので特に好ましい。また、天然多孔質
泥は、35℃における遠赤外線の放射が認められ、好ま
しい。
【0033】上記の無機多孔質物が焼成してなるものも
本発明においては好ましく用いられる。焼成のときに多
孔質物にガラス粉末と粘土質粉末を混練させて所定形状
に焼結成形させる方法がセラミック化に好ましい。この
時の焼成温度は微細多孔質になりやすい1000〜15
00℃が好ましい。
【0034】また人工的に無機多孔質物を得ることも可
能である。この際、二酸化ケイ素を15重量%以上、酸
化亜鉛または酸化ジルコニウムまたはアナターゼ型の酸
化チタンの少なくとも1つ以上が85重量%以上の複合
酸化物が好ましく、左記の複合酸化物としては日本触媒
(株)のSX−T1が好適に用いることができる。
【0035】また、上記の天然および人工の多孔質物の
形態としては、特に限定はしないが、原糸錬り込みの場
合は製糸性の安定のために粒子状が好ましく、後加工付
与の場合は自動車の繊維製内装品としての風合いや、バ
インダーを介し付与するということ、また、分散性にも
優れる必要があることからも、やはり粒子状のものが好
ましく用いられる。さらに、水等への分散性の点で、そ
の平均粒子径は0.01〜5μmであることが好まし
い。また、分散安定剤として無機分散剤または有機分散
剤を該多孔質物に対して0.05〜20重量%の割合で
使用することが好ましい。また、多孔質物を微粒子化す
るためには、乾式粉砕器、湿式粉砕器等を使用すること
ができる。
【0036】本発明において、竹の乾燥粉末またはヒノ
キの乾燥粉末または桐の乾燥粉末または緑茶葉の乾燥粉
末またはトルマリン鉱石粉末または平均細孔半径20nm
以上の細孔を有し、かつ比表面積20m2/g以上である
無機の多孔物質粉末などのマイナスイオンを発する物質
はそれぞれ単独に用いることも出来るが、複数種混ぜて
使うこともできる。複数種混ぜて使う場合には、無機系
粉末の発するマイナスイオンと有機系粉末の発する芳香
性のあるマイナスイオンおよび抗菌性の相乗効果が期待
出来るので好ましい。
【0037】マイナスイオンをより効果的に発生させる
ためには、マイナスイオンが発生する物質周辺の水分を
多くする必要がある。そのためにはポリエステルやナイ
ロン繊維などの合繊繊維よりも高い吸湿性を有するセル
ロース系繊維を用いることによって、繊維布帛上でより
多くのマイナスイオンを発生させることができる。この
場合布帛中にしめるセルロース系繊維の含有率は10%
以上であることが好ましい。
【0038】本発明においてマイナスイオンを発する物
質を合成繊維単糸内に練り込む場合には製糸性やコスト
の観点から0.1%以上20%未満が好ましいが0.1
%以上10%未満がより好ましい。
【0039】本発明において、マイナスイオンを繊維上
に固着させるためのバインダーとは、特に限定はしない
が風合いや、洗濯耐久性などからして、アクリル系、ポ
リウレタン系、シリコーン系、フッ素系、メラミン系、
グリオキザール系樹脂などを用いればよい。詳しくはマ
イナスイオンを発する物質の水分散液とバインダー水溶
液を混合し加工液とする。この加工液に繊維布帛を含浸
させた後、マングルロールなどで一定量に絞り、ドライ
ーキュア工程を経るか、あるいは、この加工液を適当な
粘度に調整して、ナイフコータやグラビアロールコー
タ、捺染などで塗布した後、200℃以下の温度で固着
させる。
【0040】上記の示した後加工の場合、マイナスイオ
ンを発する物質の繊維重量に対する付着量は風合いの点
から、0.1%以上30%未満が好ましい。
【0041】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。なお、実施例中の%および部とは、断らない限
り重量基準である。また、実施例中での品質評価は次の
方法に従った。 <平均細孔半径の測定> 水銀圧入法細孔分布測定(PD) 装置:カルロエルバ2200型 SEMによる拡大写真撮影 <比表面積の測定> 装置:QUANTA CHROME社製 QUANTA
SORB OS−8 測定条件:DET−1点法、流通法、TDC検出 前処理:N2 下 250℃×15分 [イオン発生量] 測定装置:AIR ION COUNTER(USA
製) 測定条件:室温20±1℃、湿度50±3%、室内広さ
3m×5m×5m、測定時間5分、吸引量60L/分、
サンプル振動周期1秒、 サンプルサイズ20cm×20cm 評価結果:測定時間5分間のイオン平均発生量(個/c
c) マイナスイオンが発生する場合は負の値、プラスイオン
が発生する場合は正の値で示される。 [吸湿性(ΔMR)] ΔMR(%)=MR2−MR1 ここで、MR1とは絶乾状態から20℃×65%RH雰
囲気下に24時間放置した時の吸湿率(%)を指し、洋
服ダンスの中に入っている状態、すなわち着用前の環境
に相当する。また、MR2とは絶乾状態から30℃×9
0%RH雰囲気下に24時間放置した時の吸湿率(%)
を指し、運動状態における衣服内の環境にほぼ相当す
る。
【0042】ΔMRは、MR2からMR1の値を差し引い
た値で表されるものであり、衣服を着用してから運動し
た時に、衣服内のムレをどれだけ吸収するかに相当し、
ΔMR値が高いほど快適であると言える。一般に、ポリ
エステルのΔMRは0%、ナイロンで2%、木綿で4
%、ウールで6%と言われている。 [抗菌性]評価方法は、統一試験法を採用し、試験菌体
は黄色ブドウ状球菌臨床分離株を用いた。試験方法は、
滅菌試験布に上記試験菌を注加し、18時間培養後の生
菌数を計測し、殖菌数に対する菌数を求め、次の基準に
従った。
【0043】log(B/A)>1.5の条件下、lo
g(B/C)を静菌活性値とし、2.2以上を合格とし
た。ただし、Aは無加工品の接種直後分散回収した菌
数、Bは無加工品の18時間培養後分散回収した菌数、
Cは加工品の18時間培養後分散回収した菌数を表す。 [消臭性]500mlのポリエチレン製容器に10cm
×10cmの加工布を入れ、初期濃度が200ppmに
なるようにアンモニアガスを入れて密閉し、30分間放
置後、ガス検知管で残留アンモニアガス濃度を測定し
た。なお、消臭率は下記式で算出した。
【0044】消臭率(%)={(初期濃度−30分後の
残留濃度)/初期濃度}×100 [防しわ性]AATCC−124−1984 5段階レ
プリカ法に基づいて判定を行った。
【0045】5 級 ( 良 好 ) 〜 1 級
( 不 良 ) [供試布]単糸の平均繊度が3.3デシテックスのポリ
エステル45%と木綿55%からなる紡績糸を用いた目
付100g/m2の織物を、通常の加工条件により精
練、乾燥、中間セット、染色を行ったものを供試布とし
た。
【0046】(実施例1)孟宗竹の生竹材を、切断、分
割、圧縮粉砕した後、乾燥粉砕機により粉体にした。平
均粒径をレーザー分析法により確認したところ、30μ
mであった。該粉体30g/l、架橋剤としてジメチロ
ールジヒドロキシエチレン尿素樹脂水溶液(固形分20
%)を70g/l、および触媒として塩化マグネシウム
10g/lを含む加工液に供試布を浸漬させ、絞り率8
0%でパディング後、100℃×2分予備乾燥、ついで
170℃×1分間の乾熱処理を行った。この時の孟宗竹
の付着量は、20重量%であった。
【0047】得られた加工布の評価結果を表1に示す。
【0048】該加工布のマイナスイオン発生量、吸湿
性、抗菌性、消臭性、防シワ性は非常に優れたものであ
った。
【0049】(実施例2)供試布を、あらかじめ、温度
180℃、圧力0.981MpaGの条件下で10分間
高温飽和蒸気処理を行い、後は実施例1と同じ処理を行
った。
【0050】得られた加工布の評価結果を表1に示す。
【0051】該加工布のマイナスイオン発生量、吸湿
性、抗菌性、消臭性、防シワ性は非常に優れたものであ
った (実施例3)孟宗竹の替わりに桐材を用いる以外は、実
施例1と同様に処理を行った。
【0052】得られた加工布の評価結果を表1に示す。
【0053】該加工布のマイナスイオン発生量、吸湿
性、抗菌性、消臭性、防シワ性は非常に優れたものであ
った。
【0054】(実施例4)トルマリン鉱石として、平均
粒径が5μmであり、(Na,Ca)(Li,Al,M
g,Fe,Mn)3Al6(BO33Si618(OH)4
で示される構造のものを使用し、ヘキサメタ燐酸ナト
リウムを分散剤として、湿式分散機にかけて微粒化し分
散した。この分散液の平均粒子径は0.5μ(島津製作
所製レーザー回折式 粘度分布計 SALD−2000
Jにて測定)であった。この分散液のヘキサメタ燐酸ナ
トリウム(分散剤)の添加量は5重量%で、トルマリン
鉱石の添加量は20重量%であった。この処理液に、架
橋剤であるジメチロールジヒドロキシエチレン尿素樹脂
水溶液(固形分20%)を70g/l、および触媒とし
て塩化マグネシウム10g/lを加え実施例と同じく供
試布を処理した。この時のトルマリンの付着量は、30
重量%であった。
【0055】得られた加工布の評価結果を表1に示す。
【0056】該加工布のマイナスイオン発生量、吸湿
性、抗菌性、消臭性、防シワ性は非常に優れたものであ
った。
【0057】(実施例5)無機の多孔質物として、福島
県棚倉町の山中の断層に含まれている古代海洋腐植質泥
を用いた。この泥の平均細孔半径は45nmで、比表面
積は41.0m2/gであった。また組成物について分
析結果、主なものは二酸化ケイ素56.2%、酸化アル
ミニウム12.5%、酸化鉄4.3%、酸化カルシウム
3.5%、酸化マグネシウム1.6%、イオウ1.0
%、水分8.0%であった。この多孔質物質を、ヘキサ
メタ燐酸ナトリウムを分散剤として、実施例4と同様に
処理液を作成し、同じく架橋剤による処理を行った。こ
の時の古代海洋腐植質泥の付着量は、25%重量であっ
た。
【0058】得られた加工布の評価結果を表1に示す。
【0059】該加工布のマイナスイオン発生量、吸湿
性、抗菌性、消臭性、防シワ性は非常に優れたものであ
った。
【0060】(比較例1)供試布の未処理品について評
価を行った。
【0061】該未処理品の評価結果を表1に示す。
【0062】該未処理品のマイナスイオン発生量、吸湿
性、抗菌性、消臭性の効果は、どれも満足できるもので
はなかった。
【0063】(比較例2)孟宗竹を添加しない以外は、
実施例2と同様に処理を行った。
【0064】得られた加工布の評価結果を表1に示す。
【0065】該加工布のマイナスイオン発生量、吸湿
性、抗菌性、消臭性の効果は、どれも満足できるもので
はなかった。
【0066】
【表1】
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、常時強力なマイナスイ
オンを発生する快適性形態安定加工された衣料およびシ
ャツを提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A41D 31/00 A41D 31/00 501Z 502 502A 502Q D06B 19/00 D06B 19/00 Z D06M 11/77 D06M 15/423 15/423 101:04 // D06M 101:04 11/12 Fターム(参考) 3B028 FB08 3B031 AA02 AE01 AE02 AE13 3B154 AA02 AA07 AA12 AA18 AB31 BA16 BB02 BB12 BE02 BF01 BF02 DA18 4L031 AA02 AB01 AB32 AB33 BA19 DA12 DA13 4L033 AA02 AB01 AB05 AB06 AC01 AC10 AC15 CA00 CA36

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】形態安定加工された繊維構造物であって、
    かつ、摩擦または振動の少なくとも一つを伴う繰り返し
    応力が500Pa以上の状況下において、該繊維構造物
    の表面からの距離が10cm内において、空気中の負帯
    電分子の数が300個/cc以上であることを特徴とす
    る形態安定加工された衣料。
  2. 【請求項2】該繊維構造物が、竹の乾燥粉末、桐の乾燥
    粉末、茶葉の乾燥粉末、トルマリン鉱石粉末、および、
    平均細孔半径20nm以上の細孔を有し、かつ、比表面積
    20m2/g以上である無機の多孔物質粉末の5種の粉末
    の少なくとも1種以上を、該繊維重量に対して0.1重
    量%以上50重量%未満含むものである請求項1に記載
    の形態安定加工された衣料。
  3. 【請求項3】該粉末が、該衣料に使用される合成繊維の
    単糸内に繊維重量に対し0.1重量%以上10重量%未
    満の割合で練り込まれていることを特徴とする請求項2
    記載の形態安定加工された衣料。
  4. 【請求項4】該粉末が、該繊維構造物上にバインダーに
    よって、繊維重量に対し0.1重量%以上30重量%未
    満の割合で固定されていることを特徴とする請求項2記
    載の形態安定加工された衣料。
  5. 【請求項5】該繊維構造物が、架橋剤によってその一部
    が架橋改質されたセルロース系繊維を含有することを特
    徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の形態安定加工
    された衣料。
  6. 【請求項6】該架橋剤が、下記一般式1で示された化合
    物を用いて架橋改質されたものであることを特徴とする
    請求項5記載の形態安定加工された衣料。 【化1】 ここで、R1、R2は−H、炭素数1〜4のアルキル基、
    又は−CH2OR7 のいずれかである同種又は異種の
    基、R3、R4、R5、R6は、−Hまたは−OR8のいず
    れかである同種又は異種の基、R7、R8は−H、又は炭
    素数1〜4のアルキル基 のいずれかである同種又は異
    種の基を示す。ここで R1、R2は−H、炭素数1〜4
    のアルキル基、又は−CH2OR7 の
  7. 【請求項7】該繊維構造物が、架橋改質される前に、1
    20〜200℃、0.1MpaG〜1.5MpaGであ
    る高圧飽和蒸気によって処理されたものである請求項5
    または6に記載の形態安定加工された衣料。
  8. 【請求項8】形態安定加工された繊維構造物であって、
    かつ、摩擦または振動の少なくとも一つを伴う繰り返し
    応力が500Pa以上の状況下において、該繊維構造物
    の表面からの距離が10cm内において、空気中の負帯
    電分子の数が300個/cc以上である形態安定加工さ
    れた衣料で構成されていることを特徴とするシャツ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100479720B1 (ko) * 2002-11-11 2005-03-31 양원동 때 안타는 바이오 코팅 칼라와 커프스
JP2006327977A (ja) * 2005-05-25 2006-12-07 Kurabo Ind Ltd 竹粉を含有するプリント層を有する布製品
JP2007186815A (ja) * 2006-01-13 2007-07-26 Gunze Ltd 繊維製品の加工方法

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