JP2002339116A - ワーキングウェア - Google Patents

ワーキングウェア

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JP2002339116A
JP2002339116A JP2001140019A JP2001140019A JP2002339116A JP 2002339116 A JP2002339116 A JP 2002339116A JP 2001140019 A JP2001140019 A JP 2001140019A JP 2001140019 A JP2001140019 A JP 2001140019A JP 2002339116 A JP2002339116 A JP 2002339116A
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weight
powder
fiber
working wear
fibrous structure
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JP2001140019A
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English (en)
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Hiroshige Yokoi
宏恵 横井
Naoaki Ito
直明 伊藤
Hirotoshi Goto
裕利 後藤
Koichi Saito
公一 齋藤
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、必要なときに、随時強力なマイナス
イオンを発生するワーキングウェアを提供せんとするも
のである。 【解決手段】本発明のワーキングウェアは、摩擦または
振動の少なくとも一つを伴う繰り返し応力が500Pa
以上の状況下において、繊維構造物の表面からの距離が
10cm内の空気中の負帯電分子の数が300個/cc
以上である繊維構造物で構成されていることを特徴とす
るものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワーキングウェア
に関するものである。ワーキングウェアとして着用する
ことによって常時強力なマイナスイオンを発生し、作業
時の疲労感やストレスを軽減するだけでなく、吸湿性、
防汚性、消臭性にも優れることを特徴とする。
【0002】
【従来の技術】近年、地球温暖化や酸性雨などの環境問
題が大きく取り上げられている。その中で特に、都会に
おける日常生活の中で排気ガスなどによる空気中のプラ
スイオンが増大し、マイナスイオンが少なくなり、我々
の身体や環境に悪影響を及ぼしていると言われている。
プラスイオンがマイナスイオンに比べ増大すると、酸化
腐敗、体内異常、老化が進むと言われ、今我々の身体や
環境、植物体系、水系までが弱酸性化している。そこ
で、不足しているマイナスイオンを作りだし、中世に還
元して行くのがマイナスイオン効果である。マイナスイ
オンは自然界で水分の多い森林や滝壺、海岸線などに多
く発生し、人々の心を安らげる癒し効果、身体の代謝活
性効果を発揮している。
【0003】このようなマイナスイオンを放出するもの
として、これまでトルマリン鉱石が見出されている。こ
のトルマリンは別名電気石と呼ばれ、永久自発電気分極
をしている物質であるが、外部からの応力でマイナスイ
オンを発生する。例えば、特公平6−104926号公
報には、微粒子化したトルマリンを有機繊維に固着もし
くは含有させたエレクトレット繊維が提案されている。
【0004】しかし、元来、静置した状態のトルマリン
自体が発するマイナスイオンは微弱であり、また、必要
なときに、随時強力なマイナスイオンを発生させるため
の素材は皆無であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の背景に鑑み、必要なときに、随時強力なマイナス
イオンを発生するワーキングウェアを提供せんとするも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、次のような手段を採用するものである。
【0007】すなわち、本発明のワーキングウェアは、
摩擦または振動の少なくとも一つを伴う繰り返し応力が
500Pa以上の状況下において、繊維構造物の表面か
らの距離が10cm内の空気中の負帯電分子の数が30
0個/cc以上である繊維構造物で構成されていること
を特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の負帯電分子とは、広義の
マイナスイオンを示すものである。狭義のマイナスイオ
ンは、マイナスに帯電した空気中の分子を指すものであ
るが、本発明では、摩擦や振動によって起きる静電気
が、揮発性高い分子に帯電し、その結果、空気中に放出
された場合なども、広義のマイナスイオンとしてとらえ
て、これらを含むものとする。
【0009】かかるマイナスイオンは、本発明では、次
の方法により測定したものを指すものと定義する。 <マイナスイオンの測定> 装置:AIR ION COUNTER(USA製) 測定条件:室温 摂氏20度±1、湿度50±3%、室
内広さ3×5×5m、測定時間 5分、 吸引量 60
L/分、サンプルサイズ 20×20cm 評価内容:測定時間5分間マイナスイオンおよびプラス
イオンの平均発生量を測定する。
【0010】測定手順として、 (1)20×20cmの評価対象布を3回重ね織りし、
2.5cm×2 0cmにする。
【0011】(2)(1)を経たサンプルの両端から7cmの
部分を両手で持ってAIRION COUNTERの測
定部から10cm以内の距離に移動する。
【0012】(3)両手使ってサンプルの中央を中心に足
が自転車のペダルを踏むが ごとくぐるぐ
ると回す。
【0013】(4)上記測定手順(1)〜(3)を3回繰り返
し、平均値を発生イオン量と する(単位
は個/CC)。
【0014】(5)(3)の条件下において、生地の表面荒さ
に起因するが、摩擦は動摩擦において500Pa以上で
あり、繰り返し応力は500Pa以上とする。
【0015】マイナスイオンが、人を癒す効果を有する
ことは、自然界で水分の多い森林や滝壺、海岸線など
で、人が癒されることから明らかである。そこで、本発
明は、かかる癒し効果を、通常の繊維構造物によって達
成できないかを鋭意検討したものである。
【0016】通常のマイナスイオンを発生する繊維製品
において静置状態では、マイナスイオンの発生が非常に
弱い。いかにしてマイナスイオンの発生を増大させるか
鋭意検討した結果、本発明者は、摩擦または振動の少な
くとも一つを伴う繰り返し応力が存在する用途にこそ、
常時強力なマイナスイオンの発生が得られることを見出
した。
【0017】この場合、より強い摩擦や振動を伴うこと
が望ましいが、実際の生活において起こりうる摩擦にお
ける条件は、製品の表面粗さにもよるが、動摩擦におい
て、500Pa以上の繰り返し応力を与えることが必須
である。また、摩擦の内容は特に限定されないが、例を
挙げると、皮膚と繊維構造物との摩擦も好ましいし、肌
着と上着の様に、繊維構造物と繊維構造物も好ましい。
また、一つの繊維構造物内における経緯の糸同志の摩擦
も好ましく、一つの糸内における単糸同志の摩擦も好ま
しい、とりわけ静摩擦係数を大きくするために表面粗さ
の大きな異形断面の単糸よりなる繊維構造物において、
該繊維構造物同志の摩擦がマイナスイオン発生には好ま
しい結果を与える。
【0018】さらに、振動については高周波数域と低周
波数域のどちらでも良いが、振幅が大きく振動数が大き
いことがマイナスイオン発生に良い結果を与えることか
ら、好ましくは振幅が0.1mm以上で、かつ、2Hz
以上、より好ましくは振幅が1mm以上で、かつ、振動
数3Hz以上、特に好ましくは振幅が2mm以上振動数
が5Hz以上であるのがよい。
【0019】また、本発明においては、十分な効果を発
揮するためには、繰り返し応力を与えることが必須であ
り、その値は500pa以上であることが重要である。
このような条件を満たす用途として、ワーキングウェア
が最も適していることを究明したものである。
【0020】つまり、ワーキングウェアは、肌、肌着、
内衣などの上に着用するものであり、常時、肌や肌着、
内衣などとの摩擦が生じ、また、作業時の身体の動きを
阻害しない繊維構造を有するものが多いため、糸と糸と
の摩擦においても、かかる応力を受けやすいものであ
る。
【0021】本発明におけるワーキングウェアとは、一
般に作業服やユニフォームと呼ばれる類のものであり、
たとえばオフィスユニフォーム、厨房衣、医療用白衣を
はじめ、エプロン・割烹着、つなぎ、土木作業用ニッカ
ズボンなど、また広義としては学生服などあらゆる場面
で用いられる作業服全般を指すものである。
【0022】かかるワーキングウェアは、身体に密接ま
たは近接するものであり、主に各種作業を行う時に着用
するものであることから、マイナスイオンの発生条件の
ひとつである、摩擦を伴う繰り返し応力が500Pa以
上である条件を実現する状態で使用される。例えば、立
ったり、座ったり、走ったり、手を動かしたり、しゃべ
ったりする際応力が加わるため、一般に言われるマイナ
スイオンによる効能、例えばリラックス効果などの癒し
効果が最も顕著に現れる。このようなことから、ワーキ
ングウェアを構成する繊維構造物がマイナスイオンを発
生することは、非常に好ましいものである。
【0023】また、本発明は、マイナスイオンの発生の
みならず、ワーキングウェアとしての要求特性である、
吸湿性、防汚性、消臭性を兼ね揃えていれば、着用する
ことにより、リラックス感と快適な着用感を有するワー
キングウェアを提供することができるものである。
【0024】本発明において、繊維構造物を構成する繊
維としては、合成繊維、好ましくは熱可塑性合成繊維が
使用されるが、かかる熱可塑性合成繊維としては、ポリ
エステル系、ポリアミド系、ポリアクリル系などを使用
することができる。中でもポリエステル系合成繊維が好
ましく使用され、特に繊維構造物としてはポリエステル
系合成繊維を好ましくは15重量%以上、より好ましく
は50重量%以上、特に好ましくは100重量%含有す
るものが使用される。
【0025】かかるポリエステル系合成繊維としては、
ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタ
レート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチ
レンテレフタレートなどが好ましく使用される。また、
かかるポリエステル系合成繊維を構成するポリエステル
としては、第3成分を共重合したものも使用することが
でき、かかる第3成分としては、イソフタル酸、5−ナ
トリウムスルホイソフタル酸、メトオキシポリオキシエ
チレングリコールなどを共重合させたものが好ましく使
用される。
【0026】本発明においては、ポリエステル系繊維の
他に、たとえばポリアミド、ポリアクリル等の合成繊
維、アセテート、レーヨン等の半合成繊維、羊毛、絹、
木綿、麻等の天然繊維が含まれていてもよい。
【0027】本発明において、繊維構造物は、単糸、糸
条、織編物および不織布を意味するものであるが、ワー
キングウェアとしては、経緯糸または単一糸からなる織
編物または不織布で構成されたものを意味するものであ
り、特に限定するものではないが、ワーキングウェアと
して、見た目のシルエットや破れなどに対する強度を重
視する用途においては、織物が好ましく使用され、快適
に動作を行うことを目的とする用途においては編物が好
ましく使用され、使い捨てなど低コストであることが望
まれる用途においては不織布が好ましく使用される。ま
た、これら織編物、不織布などを含む複合材料であって
もよい。さらに、これらの織編物や不織布は、単層とし
て構成されたものでもよいが、2層、3層などの多層構
造体にしたものであってもよい。
【0028】かかる多層構造体としては、少なくとも、
裏面に竹の乾燥粉末、桐の乾燥粉末、茶葉の乾燥粉末、
および、平均細孔半径20nm以上の細孔を有し、か
つ、比表面積20m2/g以上である無機の多孔物質粉
末の4種の粉末の少なくとも1種以上が固着されている
ことが好ましい。また、多層構造体の裏面を構成する繊
維が、かかる粉体の少なくとも1種が練り混まれた繊維
で構成されていることが好ましい。つまり、ワーキング
ウェアを着用した場合に、ワーキングウェアは着衣の最
も外側に着用するため、表面と外部の摩擦は少ないが、
裏面に接触する肌や肌着や内衣との摩擦は非常に大き
く、この応力によりマイナスイオンが強力に放出される
ものである。特に、衣服内に放出されるため、マイナス
イオンによるリラックス効果や癒し効果がより強力に身
体に作用するものである。また、衣服内に放出されたマ
イナスイオンは、着用された衣服の衿口部、袖口部、裾
部などの開口部より外部にも放出される。中でも特に、
衿口部から放出されたマイナスイオンを多量に含む空気
を呼吸によって体内に取り込むことにより、さらに積極
的な効果が得られる。
【0029】かかる条件から、該粉末は、該繊維構造物
の表面に、偏って存在すること、さらには、多層構造体
であれば、その裏面層に偏って存在することが、より好
ましい構造であるといえる。
【0030】本発明において、マイナスイオンを発生さ
せる粉末としては、竹の乾燥粉末、桐の乾燥粉末、茶葉
の乾燥粉末、トルマリン鉱石粉末、および、平均細孔半
径20nm以上の細孔を有し、かつ、比表面積20m2
/g以上である無機の多孔物質粉末の5種の粉末の少な
くとも1種以上を使用することができるが、これらは、
それぞれ単独にまたは複数種混ぜて使うこともできる。
複数種混ぜて使う場合には、無機系粉末の発するマイナ
スイオンと有機系粉末の発する芳香性のあるマイナスイ
オンおよび抗菌性の相乗効果が期待できるので好まし
い。
【0031】かかるマイナスイオンを発生させる粉末と
して、竹の乾燥粉末または桐の乾燥粉末が好ましく使用
される。これは、竹や桐に含まれる香り成分が非常にマ
イナスに分極しやすいことが判明したためである。これ
らが種々の加工により繊維に含有または付着され、摩擦
や振動や熱を加えることにより揮発し結果的にはマイナ
スイオンを放出することになる。また、竹や桐に限らず
木材は炭化させることでマイナスイオン発生することが
すでに数多く確認されているが、炭化させる前の木材
は、吸湿性、抗菌性、消臭性が非常に優れた天然機能性
物質であり、マイナスイオン発生を重視するために、こ
れら優れた機能を炭化のため減退消失してしまうことは
非常に問題である。そのため、優れた吸湿性、抗菌性、
消臭性を兼ね揃えつつ、マイナスイオンをも発生させる
天然機能性物質を得るためには、マイナスに分極しやす
い揮発性分を有する竹や木材、なかでも真竹や桐を凍結
乾燥後粉砕することで得られることが判明した。かかる
粉末において、微粒子化の際、微粒子の径は、繊維に練
り込みなどで含有させる場合には、10μm未満が好ま
しく、より好ましくは1μm以下が良い。繊維に付着さ
せる場合には、0.1μm以上100μm未満が好まし
い。
【0032】また、別のマイナスイオンを発生させる粉
末として、茶葉の乾燥粉末が好ましく使用される。これ
は、緑茶の香り成分が非常にマイナスに分極しやすい事
が判明した。これらが種々の加工により、繊維に含有ま
たは付着し、摩擦や振動や熱を加えることにより揮発
し、結果的には、マイナスイオンを放出することにな
る。ここで、マイナスに分極しやすい揮発成分を用いれ
ば、どんな物でも同様の効果が期待できるが、日本人が
古来より愛飲している緑茶の香りを用いることは、精神
的な効果をも期待できより好ましい。
【0033】また、さらに別のマイナスイオンを発生さ
せる粉末として、トルマリン粉末が好ましく使用され
る。これは、外部から応力が加わることにより、マイナ
スイオンを発生するものである。外部からの応力によ
り、無機の多孔物質等のマイナスイオン発生物質を含む
部材に歪みが生じ、結晶構造内での分極が生じマイナス
イオンが発生する。本発明においては、いわゆる電気石
と呼ばれるトルマリン鉱石が好ましく使用される。
【0034】かかるトルマリン鉱石粉末においては、繊
維への加工の場合は、微粒子の形態で、好ましくは粒径
が0.1μmから50μmのもの、さらには0.1μm
から1.0μmのものが、加工する際、概微粒子がバイ
ンダーを主成分とする液状の様態をとる場合に分散性の
点で好ましい。また、その構成成分としては、非常に多
くの元素から成り立つが、Mg、Fe、Li、Al、N
a、B、Si、K、Ca、Mn、O、Hが含まれている
ことが望ましい。
【0035】また、さらに別のマイナスイオンを発生さ
せる粉末として、平均細孔半径20nm以上の細孔を有
し、かつ、比表面積が20m2/g以上の無機の多孔質
物を好ましく用いることができる。細孔半径が大きくな
ると、それだけ空隙が増して一般的には比表面積も大き
くなる。細孔半径、比表面積が大きいことは、それだけ
気体(空気)または液体(水)との接触面積が増えるこ
とで活性が高まることを意味する。本発明においては、
その意味から、平均細孔半径20nm以上の細孔を有
し、かつ比表面積が20m2/g以上のものが好ましく
用いられる。平均細孔半径は、無機物中に入った空気な
どの気体や、水などの液体をスムーズに通過させ、マイ
ナスイオンの発生や、遠赤外線の放射や、臭い成分の吸
着などの活性を高めるためには大きい方がいいという点
から、好ましくは20nm以上であり、より好ましくは
30nm以上である。また、比表面積は、大きいほど空
隙があることになり、細孔半径と同様に気体や液体との
接触性が向上するという点から、20m2/g以上であ
り、好ましくは30m2/g以上である。ここで、平均
細孔半径は、カルロエルバ2200型の装置を用い水銀
圧入法細孔分布測定(PD)方法に従い測定する。ま
た、比表面積は、QUANTA CHROME社製QU
ANTA SORB OS−8の装置を用い比表面積測
定方法に従い測定する。
【0036】無機多孔質物の素材としては、無機物であ
ればよく、例えば、多孔質泥、粘土、ケイソウ土、竹
炭、木炭、ヤシガラ活性炭、石炭系活性炭、ゼオライ
ト、パーライト等が挙げられる。中でも、天然無機物の
多孔質泥が好ましく用いられ、主に数千年前に、海中や
湖中の各種ネクトン(殻、魚類)、プランクトン(微生
物)、藻類などが地殻変動で埋没、堆積したと推定され
る泥で、特定の地域に分布しているものが好ましく用い
られる。例えば福島県東白川郡棚倉町や滋賀県甲賀郡信
楽町の山中の断層に含まれている。これらの泥には、二
酸化ケイ素と酸化アルミニウムとが含まれていることが
多く、特に、二酸化ケイ素を40重量%以上、酸化アル
ミニウムを7重量%以上含む場合、天然物として多孔質
構造になりやすいので特に好ましい。また、天然多孔質
泥は、摂氏35度における遠赤外線の放射が認められ、
好ましく使用される。
【0037】かかる無機多孔質物が焼成してなるもの
も、本発明においては好ましく用いられる。焼成のとき
に多孔質物にガラス粉末と粘土質粉末を混練させて所定
形状に焼結成形させる方法がセラミック化に好ましい。
この時の焼成温度は微細多孔質になりやすい摂氏100
0〜1500度が好ましい。
【0038】また人工的に無機多孔質物を得ることも可
能である。この際、二酸化ケイ素を15重量%以上、酸
化亜鉛または酸化ジルコニウムまたはアナターゼ型の酸
化チタンの少なくとも1つ以上が85重量%以上の複合
酸化物が好ましく、左記の複合酸化物としては日本触媒
(株)のSX−T1が好適に用いることができる。
【0039】また、上記の天然および人工の多孔質物の
形態としては、特に限定はしないが、原糸練り込みの場
合は製糸性の安定のために粒子状が好ましく、後加工付
与の場合は繊維からなる乗物用内装品としての風合い
や、バインダーを介し付与するということ、また、分散
性にも優れる必要があることからも、やはり粒子状のも
のが好ましく用いられる。さらに、水等への分散性の点
で、その平均粒子径は0.01〜5μmであることが好
ましい。また、分散安定剤として無機分散剤または有機
分散剤を該多孔質物に対して0.05〜20重量%の割
合で使用することが好ましい。また、多孔質物を微粒子
化するためには、乾式粉砕器、湿式粉砕器等を使用する
ことができる。
【0040】本発明においてマイナスイオンを発する物
質を合成繊維単糸内に練り込む場合には製糸性やコスト
の観点から、繊維重量に対して、0.1重量%以上20
重量%未満が好ましいが0.1重量%以上10重量%未
満がより好ましい。
【0041】本発明において、該粉末を繊維構造体上に
固着させるためのバインダーは、アルキルシリケート系
樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、グリオキザー
ル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エチ
レン尿素系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂およ
びアミノプラスト系樹脂から選ばれた少なくとも1種の
樹脂を用いれば良い。詳しくは、粉末の水分散体とバイ
ンダー水溶液を混合し加工液とする。この加工液に繊維
構造体を含浸させた後、マングルロールなどで一定量に
絞り、ドライ−キュア行程を経るか、あるいは、この加
工液を適当な粘度に調整して、ナイフコーターやグラビ
アロールコーター、捺染などで塗布した後、摂氏200
度以下の温度で固着させる。この際、該粉末の繊維構造
体に対する付着量は、風合いの点から0.1重量%以上
30重量%未満が好ましい。
【0042】いずれにしても、かかる粉末は、該繊維構
造物および繊維の表面に、偏って存在すること、さらに
は、多層構造体であれば、その裏面層に偏って存在する
ことが、より好ましい効果を奏する構造であることは、
前記したとおりである。
【0043】本発明において、ワーキングウェアとして
の要求特性を追加付与し、より好適なものとすることが
好ましい。詳しくは、吸湿性、防汚性、消臭性、抗菌
性、制菌性などを組み合わせることが好ましい。
【0044】本発明において、吸湿性を付与する方法と
しては、該繊維構造体を構成する合成繊維を内部改質す
る方法や各種吸湿剤をバインダーを介して繊維表面に固
着させる方法があるが、中でも、該繊維構造体を構成す
る合成繊維を内部改質する方法としてはアクリル酸また
はメタクリル酸をグラフト重合することが好ましく、ま
た繊維表面に固着させる方法としては親水性モノマーを
繊維上で重合することが好ましい。アクリル酸やメタク
リル酸をグラフト重合させる方法においては、使用する
重合開始剤の性質上、染色工程の前にグラフト重合を行
う必要があるため工程管理などが難しいが、親水性モノ
マーを繊維上で重合する方法においては、最終工程で重
合を行うため汎用性がありより好ましい。アクリル酸や
メタクリル酸をグラフト重合した吸湿性合成繊維は、少
なくとも50重量%以上含有することが好ましく、さら
には100重量%含有することがより好ましい。親水性
モノマーとしては、N−メチロールアクリルアミド基を
有するビニル化合物などがあげられるが、ポリマーの合
成繊維に対する親和性、入手容易性などの観点から、N
−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリ
ルアミドが好ましい。該方法によって得られた吸湿性
は、ワーキングウェアを着用する上でムレ感がおきず、
快適に作業を行うことができるため好ましい。吸湿性の
程度としては、摂氏20度、湿度65%RH環境下にお
ける吸湿率と、摂氏30度、湿度90%RH環境下にお
ける吸湿率との差が2%以上10%以下であることが好
ましい。
【0045】本発明において、防汚性を付与する方法と
しては、該繊維構造体の繊維表面に親水性有機化合物ま
たはシリカ化合物を固着させる方法、あるいは、親水性
樹脂またはフッ素系撥水剤を固着させる方法が好まし
い。
【0046】前者は主に、黒ずみを防止することができ
るため、特に白衣などに有効である。前者において、親
水性有機化合物は、ポリアルキレングリコール、芳香族
ジカルボン酸、アルキレングリコールのブロック共重合
対などが好ましく用いられる。該親水性有機化合物を繊
維構造体上に固着させる方法としては、ノニオン系また
はアニオン系の界面活性剤を用いて水に分散させた後摂
氏100度〜摂氏210度で熱処理を行う。該親水性有
機化合物の繊維構造体に対する付着量としては、0.0
1重量%以上5.0重量%以下であることが好ましい。
また、シリカ化合物は、有機物によって変性されている
ものが好ましい。中でも、変性オルガノシリケートがよ
り好ましく用いられる。該シリカ化合物を繊維構造体上
に固着させる方法は特に制限はないが、水中あるいは溶
剤中に分散させた溶液に繊維構造物を浸漬し、目標とな
る付着量になるようにマングル等で絞り、摂氏100度
〜摂氏140度で熱処理する方法が好ましい。該シリカ
化合物の繊維構造体に対する付着量としては、0.1重
量%以上5.0重量%以下であることが好ましい。
【0047】後者は、主に油汚れを防止することができ
るため、特に厨房衣や機械油の付着しやすい場面に有効
である。後者において親水性樹脂は、たとえばポリエチ
レングリコールなどの親水基を有するものであり、フッ
素系撥水剤は、ポリフルオロアルキル基を側鎖に有する
もので、これらの樹脂の両方を有していている場合は、
撥水効果も兼ね揃えることができるため、より好まし
い。
【0048】本発明において、消臭性を付与する方法と
しては、物理吸着系、中和系、酸化分解系、マスキング
系のいずれの消臭機構をも採用することができる。ま
た、これらの機構を有する種々消臭剤をバインダーで固
着させる方法があるが、中でもチタンとケイ素からなる
複合酸化物が好ましい。該複合酸化物は、100〜30
0m2/gの比表面積を有し平均一次粒子径1〜20n
mであることがより好ましく、マイナスイオン発生の相
乗効果も有する。また、該複合酸化物の繊維構造物に対
する付着量としては、0.05重量%以上30重量%で
あることがより好ましい。
【0049】本発明において、抗菌性、制菌性を付与す
る方法としては、分子量200〜700、無機性/有機
性=0.3〜1.4かつ平均粒径が2μm以下であるピ
リジン系抗菌剤を含む液中に、繊維構造物を浸し、常圧
または加圧の下で、摂氏90度〜160度の条件で液中
処理する方法があげられる。また、該条件に当てはまる
ピリジン系抗菌剤を、パディング処理またはスプレー処
理によって繊維構造物に付与した後、摂氏160度〜2
00度の条件で乾熱または湿熱の過熱処理をする方法も
あげられる。こうして繊維構造物に付与されたピリジン
系抗菌剤は、合成繊維に対し強固に付着または吸尽、拡
散するので、レンタル用のワーキングウェアのように摂
氏60度〜80度の工業洗濯を多数回繰り返しても、抗
菌性、制菌性の低下がない。すなわち、医療用白衣など
に非常に効果的である。
【0050】
【実施例】以下に、実施例に基づき本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではない。なお、実施例中の「%」および「部」とは、
断らない限り重量基準である。また、実施例中での品質
評価は次の方法に従った。 <平均細孔半径の測定> 水銀圧入法細孔分布測定(PD) 装置:カルロエルバ2200型 SEMによる拡大写真撮影 <比表面積の測定> 装置:QUANTA CHROME社製 QUANTA
SORB OS−8 測定条件:DET−1点法、流通法、TDC検出 前処理:N2下 摂氏250度×15分 <遠赤外線の測定> 装置:フーリエ変換型赤外線分光光度計(FTIR)
機種JIR−E500 測定条件:分解能 1/16cm、積算回数 200
回、検知器 MCT 測定温度:摂氏35度 評価:黒体に対する平均放射率(%) <マイナスイオンの測定> 装置:AIR ION COUNTER(USA製) 測定条件:室温 摂氏20度±1、湿度50±3%、室
内広さ3×5×5m、測定時間 5分、 吸引量 60
L/分、サンプルサイズ 20×20cm 評価内容:測定時間5分間マイナスイオンおよびプラス
イオンの平均発生量を測定する。
【0051】測定手順として、 (1)20×20cmの評価対象布を3回重ね織りし、
2.5cm×2 0cmにする。
【0052】(2)(1)を経たサンプルの両端から7cmの
部分を両手で持ってAIRION COUNTERの測
定部から10cm以内の距離に移動する。
【0053】(3)両手使ってサンプルの中央を中心に足
が自転車のペダルを踏むが ごとくぐるぐ
ると回す。
【0054】(4)上記測定手順(1)〜(3)を3回繰り返
し、平均値を発生イオン量と する(単位
は個/CC)。
【0055】(5)(3)の条件下において、生地の表面荒さ
に起因するが、摩擦は動摩擦において500Pa以上で
あり、繰り返し応力は500Pa以上とする。 <皮膚表面温度の測定> 装置:サーモグラフィ AV10 TV−200 感度 摂氏0.01度、範囲 摂氏−20〜200度 サンプル:本発明の加工布、未加工布を用い各々肌着を
作成 測定室内条件:室温 摂氏21.5±0.5度、湿度
65±1%RH 測定方法:被験者を測定室内で上半身裸で1時間椅座安
静状態で室内環境に順化させる。その後、被験者の上半
身に肌着を着用させ30分間椅座安静後肌着を脱ぎ、さ
らに10分後の背中部5カ所の皮膚温をサーモグラフィ
で測定した。
【0056】被験者は5人で実施した。
【0057】評価:各々計測点5カ所の平均温度を計算
し、加工布、未加工布における着用前後における温度差
を出した。温度差は被験者5人の加工布−未加工布とし
た。 <吸湿性の測定>吸湿性は次式で得られるΔMRで表
す。
【0058】ΔMR(%)=MR2−MR1 MR1:摂氏105度の乾熱乾燥機内に2時間放置し絶
乾状態とした後、摂氏20度×湿度65%RH雰囲気下
に24時間放置したときの吸湿率(%)を言い、例えば
衣服であれば、洋服ダンスの中に入っている状態、
すなわち着用前の環境に相当する。
【0059】MR2:前述の絶乾状態から、摂氏30度
×湿度90%RH雰囲気下に24時間放置した時の吸湿
率(%)を言い、例えば衣服であれば、運動状態におけ
る衣服内の環境にほぼ相当する。
【0060】ΔMR:MR2からMR1の値を差し引い
た値で表されるものであり、たとえば衣服であれば、衣
服を着用してから運動したときに、衣服内のムレをどれ
だけ吸収するかに相当し、ΔMR値が高いほど快適とい
える。
【0061】一般に、ポリエステルのΔMRは0%、ナ
イロンで2%、木綿で4%、 ウールで6%程
度である。 <防汚性の測定(黒ずみ)> 手順1:ポリエチレン袋(20リットル)に摂氏100
度で2時間乾燥させた表1に示す組成の汚染物0.2g
と、タテ10cm、ヨコ16cmのサンプルとICIピ
リング用ゴム管を1本入れる。摂氏20度×65%RH
の空気で袋を膨らませ(約10リットルにする)輪ゴム
で止める。
【0062】
【表1】
【0063】手順2:手順1のポリエチレン袋をICI
試験器の箱の中に入れ、1時間回転させる。その後サン
プルを取り出す。
【0064】手順3:処理サンプルを標準洗濯条件で1
回洗濯する。手順1〜3をさらに2回繰り返す。
【0065】手順4:上記のとおり汚染剤付着・洗濯を
3回繰り返したサンプルと未処理のサンプルのL値を測
色計で測定し、その差であるΔL値を計算する。 <検知管による消臭率評価>500mlのポリエチレン
製容器に10cm×10cmの加工布を入れ、初期濃度
が200ppmになるようにアンモニアガスを入れて密
閉し、30分間放置後、ガス検知管で残留アンモニアガ
ス濃度を測定した。なお、消臭率は下記式で算出した。 消臭率(%)=([初期濃度]−[30分後の残留濃
度])/[初期濃度]×100 <防汚性の測定(油汚れ)> B重油除去法(SR性):試験布をガラス板上に広げ、
B重油(JIS K2205 2種)を0.1ミリリッ
トル滴下し、その上にガラス板を置き、さらに200g
の荷重を乗せ、60秒後に荷重とガラス板を取り外し、
余分のB重油を拭き取り、室温に24時間放置した後、
試験布とバラスト布で500gにし、市販の合成洗剤
(花王石鹸(株)製:商標アタック)50gとともに、浴
量25リットル(水道水使用)にして家庭用電気洗濯機
で、摂氏40度、5分間処理した後、すすぎ、風乾し
た。乾燥した試験布は、残存するシミの状態を判定標準
写真板と比較し、該当する判定級(表2)で表した。な
お、判定写真板は、エーエーティーシーシー テストメ
ソッド130−1970(AATCC Test Me
thod 130−1970)のものを使用した。
【0066】
【表2】
【0067】<実着評価>下記に示される実施例1〜1
0の加工布について、種々シーンのワーキングウェアを
して作業現場での実着用試験を実施した。着用期間は2
週間であり、各々5名のパネラーを用いた。5人中3名
以上が、作業中にイライラしなくなる、肩こりがなくな
る、長時間作業しても疲れないなど、何らかの通常に対
して良好な効果が得られた場合を◎で表し、2名または
1名が同様の効果を得られた場合は○で表し、1名も効
果が得られなかった場合は×で表している。 <抗菌性の測定>評価方法は、統一試験法を採用し、試
験菌体は黄色ブドウ状球菌臨床分離株を用いた。試験方
法は、滅菌試験布に上記試験菌を中加し、18時間培養
後の生菌数を計測し、殖菌数に対する菌数を求め、次の
基準に従った。
【0068】log(B/A)>1.5の条件下、lo
g(B/C)を静菌活性値とし、2.2以上を合格とし
た。ただし、Aは、無加工品の接種直後分散回収した菌
数、Bは、無加工品の18時間培養後分散回収した菌
数、Cは、加工品の18時間培養後分散回収した菌数を
表す。
【0069】実施例1 通常の工程を経た82デシテックス、36フィラメント
のポリエステル仮撚加工糸を用いて、タテ128本/i
nch、ヨコ112本/inchの平織物を製織し、通
常の方法により、精錬、乾燥、中間セット、染色を行っ
た後、10重量%のN−メチロールアクリルアミドと1
0重量%のメタクリル酸および0.3重量%の過硫酸ア
ンモニウムを含む水溶液に浸漬後、マングルで絞り率6
0%になるように絞り、次いで摂氏110度の高温スチ
ーマに3分間投入過熱し重合処理を行った。次に接し1
00度で20分間の湯洗浄の後、乾燥した。さらに亜硫
酸水素ナトリウム(20%owf)と硫酸アンモニウム
(5%owf)を添加した液流染色機で摂氏100度で
20分間吸湿発現処理(浴比1:40)を行った後、乾
燥した。次いでテンターで摂氏170度でセットし、試
験布Aとした。
【0070】次に、真竹を凍結後10μmに粉砕して粉
体とし、該粉体を濃度20%の水溶液とし、これを濃度
45%のアクリル系バインダー15g/lに対し50g
/l投入して加工液とした。試験布Aを加工液に浸漬
後、マングルで絞り(絞り率80%)、摂氏130度×
2分で乾燥後、ピンテンターで摂氏180度×30秒間
乾熱処理を行い、機能性付与加工布を得た。この時の真
竹粉末の付着量は繊維布帛に対して0.8重量%、アク
リル樹脂は0.5重量%であった。
【0071】こうして得られた織物を用いて婦人用ブラ
ウスを縫製し、オフィスユニフォームとして実着用評価
を行った結果を表3にまとめた。なお比較例1として、
真竹粉末を入れない以外はすべて実施例1と同様に加工
して得られた織物を用いて婦人用ブラウスを縫製したも
のを用意し、これを同様に実着用評価を行った。
【0072】表3から明らかなように、比較例1のブラ
ウスは、実着用時の被験者の自己申告より、作業時の疲
労感は通常と何ら変わりなく、非常に疲労を感じるもの
であったのに対し、実施例1のブラウスの着用では、作
業時の疲労感が軽減されることが明らかになった。
【0073】実施例2 実施例1において、凍結真竹の替わりに、孟宗竹を用い
た。孟宗竹のの生竹材を切断、分割、圧縮粉砕した後、
乾燥粉砕器により粉体にした。この粉体の平均粒径をレ
ーザー分析法により確認したところ、30μmであっ
た。かかる粉体30g/lと、KT−7014(高松油
脂(株)製、シリコーン樹脂)20g/lとで調整した水
分散処理液に試験布Aを浸漬し、マングルで絞り(ピッ
クアップ80%)、ピンテンターで摂氏130度×2分
乾燥し、次いで摂氏180度×1分の乾熱処理を行っ
た。
【0074】こうして得られた織物を用いて婦人用ブラ
ウスを縫製し、オフィスユニフォームとして実着用評価
を行った結果を表3にまとめた。なお比較例2として、
孟宗竹粉末を入れない以外はすべて実施例1と同様に加
工して得られた織物を用いて婦人用ブラウスを縫製した
ものを用意し、これを同様に実着用評価を行った。
【0075】表3から明らかなように、比較例2のブラ
ウスは、実着用時の被験者の自己申告より、作業時の疲
労感は通常と何ら変わりなく、非常に疲労を感じるもの
であったのに対し、実施例2のブラウスを着用した場合
は、作業時の疲労感が軽減されることが明らかになっ
た。
【0076】実施例3 孟宗竹の替わりに、10μmに粉砕した凍結桐材を用い
る以外は、実施例2と同様の処理を行ない、得られた織
物を用いて婦人用ブラウスを縫製し、オフィスユニフォ
ームとして実着用評価を行った結果を表3にまとめた。
なお比較例3として、桐粉末を入れない以外はすべて実
施例1と同様に加工して得られた織物を用いて婦人用ブ
ラウスを縫製し、同様に実着用評価を行った。
【0077】表3から明らかなように、比較例3のブラ
ウスは、実着用時の被験者の自己申告より、作業時の疲
労感は通常と何ら変わりなく、非常に疲労を感じるもの
であったのに対し、実施例3のブラウスを着用した場合
は、作業時の疲労感が軽減されることが明らかになっ
た。
【0078】実施例4 ポリエステル繊維において、繊維重量に対して3%のト
ルマリン鉱石粉末を練り込み、通常の工程を経て82デ
シテックス、36フィラメントのポリエステル仮撚加工
糸を成した。トルマリン鉱石としては、平均粒径が1.
2μmであり、(Na,Ca)(Li,Al,Mg,F
e,Mn)3 Al6 (BO3 3 Si618(OH)4
で示されるものを用いた。このポリエステル仮撚加工糸
を用いてタテ128本/inch、ヨコ112本/in
chの平織物を製織し、通常の方法により、精錬、乾
燥、中間セット、染色を行った後、10重量%のN−メ
チロールアクリルアミドと10重量%のメタクリル酸お
よび0.3重量%の過硫酸アンモニウムを含む水溶液に
浸漬後、マングルで絞り率60%になるように絞り、次
いで摂氏110度の高温スチーマに3分間投入過熱し重
合処理を行った。次に接し100度で20分間の湯洗浄
の後、乾燥した。さらに亜硫酸水素ナトリウム(20%
owf)と硫酸アンモニウム(5%owf)を添加した
液流染色機で摂氏100度で20分間吸湿発現処理(浴
比1:40)を行った後、乾燥した。次いでテンターで
摂氏170度でセットした。
【0079】こうして得られた織物を用いて婦人用ブラ
ウスを縫製し、オフィスユニフォームとして実着用評価
を行った結果を表3にまとめた。なお比較例4として、
トルマリン鉱石粉末を練り混まない以外はすべて実施例
4と同様に加工して得られた織物を用いて婦人用ブラウ
スを縫製し、同様に実着用評価を行った。
【0080】表3から明らかなように、比較例4のブラ
ウスは、実着用時の被験者の自己申告より、作業時の疲
労感は通常と何ら変わりなく、非常に疲労を感じるもの
であったのに対し、実施例4のブラウスを着用した場合
は、作業時の疲労感が軽減されることが明らかになっ
た。
【0081】実施例5 ポリエステル繊維において、繊維重量に対して3%のト
ルマリン鉱石粉末を練り込み、通常の工程を経て82デ
シテックス、36フィラメントのポリエステル仮撚加工
糸を成した。トルマリン鉱石としては、平均粒径が1.
2μmであり、(Na,Ca)(Li,Al,Mg,F
e,Mn)3 Al6 (BO3 3 Si618(OH)4
で示されるものを用いた。このポリエステル仮撚加工糸
を用いてタテ128本/inch、ヨコ112本/in
chの平織物を製織し、通常の方法により、精錬、乾
燥、中間セット、染色を行なった後、ポリアルキレング
リコール、芳香族ジカルボン酸およびアルキレングリコ
ールのブロック共重合体TO−SR−1(高松油脂株式
会社製、固形分10%)7%owfを含み酢酸でPH
4.5に調整した処理液に投入し、摂氏130度で15
分処理後、水洗、乾燥し、次いで、変性オルガノシリケ
ート(H−3669−2NI:高松油脂株式会社製)3
0g/リットル、メラミン樹脂(スミテックスレジンM
K:住友化学工業株式会社製)3g/リットル、触媒
(カタリストRC−W:株式会社京絹化成製)2g/リ
ットルから成る処理液に浸漬後、マングルで絞り(ピッ
クアップ60%)、摂氏120度×3分で乾熱処理後、
テンターで摂氏190度×1分乾熱処理を行なった。
【0082】こうして得られた織物を用いて婦人用ブラ
ウスを縫製し、オフィスユニフォームとして実着用評価
を行なった結果を表3にまとめた。なお比較例5とし
て、トルマリン鉱石粉末を練り混まない以外はすべて実
施例5と同様に加工して得られた織物を用いて婦人用ブ
ラウスを縫製し、同様に実着用評価を行った。
【0083】表3から明らかなように、比較例5のブラ
ウスは、実着用時の被験者の自己申告より、作業時の疲
労感は通常と何ら変わりなく、非常に疲労を感じるもの
であったのに対し、実施例5のブラウスを着用した場合
は、作業時の疲労感が軽減されることが明らかになっ
た。
【0084】実施例6 ポリエステル繊維において、繊維重量に対して3%のト
ルマリン鉱石粉末を練り込み、通常の工程を経て82デ
シテックス、36フィラメントのポリエステル仮撚加工
糸を成した。トルマリン鉱石としては、平均粒径が1.
2μmであり、(Na,Ca)(Li,Al,Mg,F
e,Mn)3 Al6 (BO3 3 Si618(OH)4
で示されるものを用いた。このポリエステル仮撚加工糸
を用いてタテ128本/inch、ヨコ112本/in
chの平織物を製織し、通常の方法により、精錬、乾
燥、中間セットを行った後、アクリル酸5%(対被処理
物重量%)、メタクリル酸15%(対被処理物重量
%)、過硫酸アンモニウム1%(対被処理物重量%)、
スルホキシル酸ナトリウムとホルマリンとの反応物3%
(対被処理物重量%)からなる、浴比1:20の水溶液
中に浸漬し、徐々に摂氏80度まで昇温して、その温度
で60分間処理し、グラフト重合した。このもののカル
ボキシル基の導入量は1.42×10-4グラム当量/グ
ラムファイバーであった。次に炭酸ナトリウム30%
(対被処理物重量%)からなる浴比1:20の水溶液中
に浸漬し、摂氏80度まで加熱昇温し、その温度で30
分間処理した。このもののアルカリ金属置換率は95%
であった。
【0085】さらに染色を行なった後、ポリアルキレン
グリコール、芳香族ジカルボン酸およびアルキレングリ
コールのブロック共重合体TO−SR−1(高松油脂株
式会社製、固形分10%)7%owfを含み酢酸でPH
4.5に調整した処理液に投入し、摂氏130度で15
分処理後、水洗、乾燥し、次いで、変性オルガノシリケ
ート(H−3669−2NI:高松油脂株式会社製)3
0g/リットル、メラミン樹脂(スミテックスレジンM
K:住友化学工業株式会社製)3g/リットル、触媒
(カタリストRC−W:株式会社京絹化成製)2g/リ
ットルから成る処理液に浸漬後、マングルで絞り(ピッ
クアップ60%)、摂氏120度×3分で乾熱処理後、
テンターで摂氏190度×1分乾熱処理を行なった。
【0086】こうして得られた織物を用いて婦人用ブラ
ウスを縫製し、オフィスユニフォームとして実着用評価
を行なった結果を表3にまとめた。なお比較例6とし
て、トルマリン鉱石粉末を練り混まない以外はすべて実
施例6と同様に加工して得られた織物を用いて婦人用ブ
ラウスを縫製し、同様に実着用評価を行った。
【0087】表3から明らかなように、比較例6のブラ
ウスは、実着用時の被験者の自己申告より、作業時の疲
労感は通常と何ら変わりなく、非常に疲労を感じるもの
であったのに対し、実施例6のブラウスを着用した場合
は、作業時の疲労感が軽減されることが明らかになっ
た。
【0088】実施例7 ポリエステル繊維において、繊維重量に対して3%の無
機の多孔物質を練り込み、通常の工程を経て167デシ
テックス、72フィラメントのポリエステル仮撚加工糸
を成した。無機の多孔物質として、福島県棚倉町の山中
の断層に含まれている古代海洋腐植質泥を用いた。この
泥の平均細孔半径は45nmで、比表面積は41.0m
2 /gであった。また、組成物について分析結果、主な
ものは二酸化ケイ素56.2%、酸化アルミニウム1
2.5%、酸化鉄4.3%、酸化カルシウム3.5%、
酸化マグネシウム1.6%、イオウ1.0%、水分8.
0%であった。遠赤外線を測定した結果、放射率は88
%であった。
【0089】このポリエステル仮撚加工糸を用いてタテ
138本/inch、ヨコ107本/inchの綾織物
を製織し、通常の方法により、精錬、乾燥、中間セッ
ト、染色を行った後、婦人用ブラウスを縫製し、オフィ
スユニフォームとして実着用評価を行った結果を表3に
まとめた。なお比較例7として、無機の多孔物質を練り
混まない以外はすべて実施例7と同様に加工して得られ
た織物を用いて婦人用ブラウスを縫製し、同様に実着用
評価を行った。
【0090】表3から明らかなように、比較例7のブラ
ウスは、実着用時の被験者の自己申告より、作業時の疲
労感は通常と何ら変わりなく、非常に疲労を感じ、腰痛
が激しかったのに対し、実施例7のブラウスを着用した
場合は、作業時の疲労感が軽減されるだけでなく、腰痛
が軽減することが明らかになった。
【0091】実施例8 通常の工程を経て得た167デシテックス、72フィラ
メントのポリエステル仮撚加工糸を用いて、タテ134
本/inch、ヨコ105本/inchの綾織物を製織
し、通常の方法により、精錬、乾燥、中間セット、染色
を行った後、第1工程として、スミテックスレジンM−
3(住友化学工業株式会社製)7.0重量%、過硫酸ア
ンモニウム0.3重量%、浸透剤CB−01(コスモ化
学株式会社製)0.2重量%の水溶液を処理液とし、ピ
ックアップ80%でパッドし、ただちにハンギング型ス
チーマで湿度100%RH、温度摂氏105度で3分間
蓄熱処理し、その後、ソーピング、水洗、乾燥してメラ
ミン系樹脂被膜を形成した。次に第2工程として、親水
性樹脂とフッ素系撥水剤の共重合物よりなる撥水・撥油
剤2.5重量%、スミテックスレジンM−3(住友化学
工業株式会社製)0.5重量%、スミテックスアクセレ
レーターACX(住友化学工業株式会社製)0.1重量
%の水溶液を処理液とし、ピックアップ65%でパッド
し、摂氏130度で3分間乾燥した後、テンターで摂氏
180度で1分熱処理した。さらに第3工程として、茶
葉を凍結後10μmに粉砕し粉末とし、この粉末を濃度
20%の水溶液としたもの50g/リットル、アクリル
系バインダー(濃度45%)15g/リットルの処理液
に浸漬後、マングルで絞り(絞り率80%)、摂氏13
0度×2分で乾燥後、テンターで摂氏180度×30秒
間乾熱処理を行った。この時の凍結茶葉の付着量は繊維
布帛に対して0.8重量%、アクリル系樹脂は0.5重
量%であった。
【0092】こうして得られた織物を用いて、厨房用の
白衣とエプロンを縫製し、食堂の厨房にて実着用評価を
行った結果を表3にまとめた。なお比較例8として、茶
葉粉末を入れない以外はすべて実施例8と同様に加工し
て得られた織物を用いて厨房用の白衣とエプロンを縫製
し、同様に実着用評価を行った。
【0093】表3から明らかなように、比較例8の白衣
とエプロンでは、実着用時の被験者の自己申告より、作
業時の疲労感は通常と何ら変わりなく、非常に疲労を感
じるものであったのに対し、実施例8の白衣とエプロン
を着用した場合は、防汚性が良いだけでなく、作業時の
疲労感が軽減されることが明らかになった。
【0094】実施例9 ポリエステル繊維において繊維重量に対して3%の複合
酸化物を練り込み、通常の工程を経て167デシテック
ス、72フィラメントのポリエステル仮撚加工糸を成し
た。複合酸化物として日本触媒(株)のSX−T1(商
品名)を用いた。この複合酸化物の平均一次粒子径は
0.3μmで、比表面積は150m2 /gであった。ま
た組成物について分析結果、主なものは二酸化ケイ素1
5%、酸化チタン85%であった。こうして得たポリエ
ステル仮撚加工糸を用いて、タテ134本/inch、
ヨコ105本/inchの綾織物を製織し、通常の方法
により、精錬、乾燥、中間セット、染色を行った後、ポ
リアルキレングリコール、芳香族ジカルボン酸およびア
ルキレングリコールのブロック共重合体TO−SR−1
(高松油脂株式会社製、固形分10%)7%owfを含
み酢酸でPH4.5に調整した処理液に投入し、摂氏1
30度で15分処理後、水洗、乾燥し、次いで、変性オ
ルガノシリケート(H−3669−2NI:高松油脂株
式会社製)30g/リットル、メラミン樹脂(スミテッ
クスレジンMK:住友化学工業株式会社製)3g/リッ
トル、触媒(カタリストRC−W:株式会社京絹化成
製)2g/リットルから成る処理液に浸漬後、マングル
で絞り(ピックアップ60%)、摂氏120度×3分で
乾熱処理後、テンターで摂氏190度×1分乾熱処理を
行なった。
【0095】こうして得られた織物を用いて看護婦用白
衣を縫製し、病院にて実着用評価を行なった結果を表3
にまとめた。なお比較例9として、複合酸化物を練り混
まない以外はすべて実施例9と同様に加工して得られた
織物を用いて看護婦用白衣を縫製し、同様に実着用評価
を行った。
【0096】表3から明らかなように、比較例9の看護
婦用白衣では、実着用時の被験者の自己申告より、作業
時の疲労感は通常と何ら変わりなく、非常に疲労を感じ
るものであり、患者に対して不安やイライラを感じるも
のであったたのに対し、実施例9の看護婦用白衣を着用
した場合は、作業時の疲労感が軽減されるだけでなく、
患者に対して穏やかな気分を持続できることが明らかに
なった。
【0097】実施例10 ポリエステル繊維において、繊維重量に対して3%のト
ルマリン鉱石粉末を練り込み、通常の工程を経て82デ
シテックス、36フィラメントのポリエステル仮撚加工
糸を成した。トルマリン鉱石としては、平均粒径が1.
2μmであり、(Na,Ca)(Li,Al,Mg,F
e,Mn)3 Al6 (BO3 3 Si618(OH)4
で示されるものを用いた。このポリエステル仮撚加工糸
を用いてタテ134本/inch、ヨコ105本/in
chの綾織物を製織し、通常の方法により、精錬、乾
燥、中間セットを行った後、高圧液流染色機を用い、浴
比1:15でコロイド化した抗菌剤2−ピリジルチオー
ル−1−オキシド亜鉛を1%owf、白色の分散染料を
0.5%owf、染色助剤を入れPH5に調整し、摂氏
130度で45分間染色加工の常法に従って処理した
後、水洗、乾燥した。さらに、10重量%のN−メチロ
ールアクリルアミドと10重量%のメタクリル酸および
0.3重量%の過硫酸アンモニウムを含む水溶液に浸漬
後、マングルで絞り率60%になるように絞り、次いで
摂氏110度の高温スチーマに3分間投入過熱し重合処
理を行った。次に接し100度で20分間の湯洗浄の
後、乾燥した。さらに亜硫酸水素ナトリウム(20%o
wf)と硫酸アンモニウム(5%owf)を添加した液
流染色機で摂氏100度で20分間吸湿発現処理(浴比
1:40)を行った後、乾燥した。次いでテンターで摂
氏170度でセットした。
【0098】こうして得られた織物を用いて看護婦用白
衣を縫製し、病院にて実着用評価を行なった結果を表3
にまとめた。なお比較例10として、トルマリン鉱石粉
末を練り混まない以外はすべて実施例10と同様に加工
して得られた織物を用いて看護婦用白衣を縫製し、同様
に実着用評価を行った。
【0099】表3から明らかなように、比較例10の看
護婦用白衣では、実着用時の被験者の自己申告より、作
業時の疲労感は通常と何ら変わりなく、非常に疲労を感
じるものであり、患者に対して不安やイライラを感じる
ものであったたのに対し、実施例10の看護婦用白衣を
着用した場合は、作業時の疲労感が軽減されるだけでな
く、患者に対して穏やかな気分を持続できることが明ら
かになった。
【0100】実施例11 ポリエステル繊維において、繊維重量に対して3%の無
機の多孔物質を練り込み、通常の工程を経て167デシ
テックス、72フィラメントのポリエステル仮撚加工糸
を成した。無機の多孔物質として、福島県棚倉町の山中
の断層に含まれている古代海洋腐植質泥を用いた。この
泥の平均細孔半径は45nmで、比表面積は41/0m
2 /gであった。また、組成物について分析結果、主な
ものは二酸化ケイ素56.2%、酸化アルミニウム1
2.5%、酸化鉄4.3%、酸化カルシウム3.5%、
酸化マグネシウム1.6%、イオウ1.0%、水分8.
0%であった。遠赤外線を測定した結果、放射率は88
%であった。こうして得たポリエステル仮撚加工糸を用
いて、タテ134本/inch、ヨコ105本/inc
hの綾織物を製織し、通常の方法により、精錬、乾燥、
中間セット、染色を行った後、第1工程として、スミテ
ックスレジンM−3(住友化学工業株式会社製)7.0
重量%、過硫酸アンモニウム0.3重量%、浸透剤CB
−01(コスモ化学株式会社製)0.2重量%の水溶液
を処理液とし、ピックアップ80%でパッドし、ただち
にハンギング型スチーマで湿度100%RH、温度摂氏
105度で3分間蓄熱処理し、その後、ソーピング、水
洗、乾燥してメラミン系樹脂被膜を形成した。次に第2
工程として、親水性樹脂とフッ素系撥水剤の共重合物よ
りなる撥水・撥油剤2.5重量%、スミテックスレジン
M−3(住友化学工業株式会社製)0.5重量%、スミ
テックスアクセレレーターACX(住友化学工業株式会
社製)0.1重量%の水溶液を処理液とし、ピックアッ
プ65%でパッドし、摂氏130度で3分間乾燥した
後、テンターで摂氏180度で1分熱処理した。
【0101】得られた織物を用いて作業用つなぎを縫製
し、看板塗装作業に使用して実着用評価を行った結果を
表3にまとめた。なお比較例11として、無機の多孔物
質を練り混まない以外はすべて実施例11と同様に加工
して得られた織物を用いて作業用つなぎを縫製し、同様
に実着用評価を行った。
【0102】表3から明らかなように、比較例11の作
業用つなぎでは、実着用時の被験者の自己申告より、看
板塗装作業時の疲労感は通常と何ら変わりなく、作業効
率も通常と何ら変わりなかったのに対し、実施例11の
作業用つなぎを着用した場合は、看板塗装作業時の疲労
感が軽減されるだけでなく、細かい作業において作業性
が向上することが明かになった。
【0103】実施例12 通常の工程を経て得た206デシテックス、96フィラ
メントのポリエステル複合仮撚加工糸を用いて、タテ1
05本/inch、ヨコ96本/inchの綾織物を製
織し、通常の方法により、精錬、乾燥、中間セット、染
色を行った後、第1工程として、スミテックスレジンM
−3(住友化学工業株式会社製)7.0重量%、過硫酸
アンモニウム0.3重量%、浸透剤CB−01(コスモ
化学株式会社製)0.2重量%の水溶液を処理液とし、
ピックアップ80%でパッドし、ただちにハンギング型
スチーマで湿度100%RH、温度摂氏105度で3分
間蓄熱処理し、その後、ソーピング、水洗、乾燥してメ
ラミン系樹脂被膜を形成した。次に第2工程として、親
水性樹脂とフッ素系撥水剤の共重合物よりなる撥水・撥
油剤2.5重量%、スミテックスレジンM−3(住友化
学工業株式会社製)0.5重量%、スミテックスアクセ
レレーターACX(住友化学工業株式会社製)0.1重
量%の水溶液を処理液とし、ピックアップ65%でパッ
ドし、摂氏130度で3分間乾燥した後、テンターで摂
氏180度で1分熱処理した。さらに第3工程として、
真竹を凍結後10μmに粉砕し、濃度20%の水溶液と
したもの50g/リットル、アクリル系バインダー(濃
度45%)15g/リットルの処理液に浸漬後、マング
ルで絞り(絞り率80%)、摂氏130度×2分で乾燥
後、テンターで摂氏180度×30秒間乾熱処理を行っ
た。この時の凍結真竹の付着量は繊維布帛に対して0.
8重量%、アクリル系樹脂は0.5重量%であった。
【0104】こうして得られた織物を用いて、学生服を
縫製し、中学生により実着用評価を行った結果を表3に
まとめた。なお比較例12として、真竹粉末を入れない
以外はすべて実施例12と同様に加工して得られた織物
を用いて学生服を縫製し、同様に実着用評価を行った。
【0105】表3から明らかなように、比較例12の学
生服では、実着用時の被験者の自己申告より、授業中の
集中力は通常と何ら変わりなかったのに対し、実施例1
2の学生服を着用した場合は、授業時の集中力が向上
し、通常のように気力が散漫になって先生に怒られるこ
ともなかった。
【0106】実施例13 ポリエステル繊維において、繊維重量に対して3%のト
ルマリン鉱石粉末を練り込み、通常の工程を経て82デ
シテックス、36フィラメントのポリエステル仮撚加工
糸を成した。トルマリン鉱石としては、平均粒径が1.
2μmであり、(Na,Ca)(Li,Al,Mg,F
e,Mn)3 Al6 (BO3 3 Si618(OH)4
で示されるものを用いた。このポリエステル仮撚加工糸
を用いてタテ128本/inch、ヨコ112本/in
chの平織物を製織し、通常の方法により、精錬、乾
燥、中間セットを行った後、アクリル酸5%(対被処理
物重量%)、メタクリル酸15%(対被処理物重量
%)、過硫酸アンモニウム1%(対被処理物重量%)、
スルホキシル酸ナトリウムとホルマリンとの反応物3%
(対被処理物重量%)からなる、浴比1:20の水溶液
中に浸漬し、徐々に摂氏80度まで昇温して、その温度
で60分間処理し、グラフト重合した。このもののカル
ボキシル基の導入量は1.42×10-4グラム当量/グ
ラムファイバーであった。次に炭酸ナトリウム30%
(対被処理物重量%)からなる浴比1:20の水溶液中
に浸漬し、摂氏80度まで加熱昇温し、その温度で30
分間処理した。このもののアルカリ金属置換率は95%
であった。次に、常法により染色を行なった後、ヒノキ
を凍結後10μmに粉砕し、濃度20%の水溶液とした
もの50g/リットル、アクリル系バインダー(濃度4
5%)15g/リットルの処理液に浸漬後、マングルで
絞り(絞り率80%)、摂氏130度×2分で乾燥後、
テンターで摂氏180度×30秒間乾熱処理を行った。
この時の凍結ヒノキの付着量は繊維布帛に対して0.8
重量%、アクリル系樹脂は0.5重量%であった。
【0107】こうして得られた織物を用いて、学生服を
縫製し、中学生により実着用評価を行った結果を表3に
まとめた。なお比較例13として、トルマリン鉱石粉末
を練り混まない以外はすべて実施例13と同様に加工し
て得られた織物を用いて学生服を縫製し、同様に実着用
評価を行った。
【0108】表3から明らかなように、比較例13の学
生服では、実着用時の被験者の自己申告より、授業中の
集中力は通常と何ら変わりなく、気力が散漫になって先
生の言うことが理解できないことがあったのに対し、実
施例13の学生服を着用した場合は、授業時の集中力が
向上することが明らかになった。
【0109】比較例14 実施例1で用いたブラウスを着用しない状態でのマイナ
スイオン効果を測定した結果を比較例14とした。
【0110】比較例15 実施例7において使用する無機の多孔物質を、比表面積
15.0m2 /gのものにする以外は、すべて実施例7
と同様に加工して得られた織物を用いて婦人用ブラウス
を縫製し、オフィスユニフォームとして実着用評価を行
った結果を表3にまとめた。
【0111】表3から明らかなように、実着用時の被験
者の自己申告より、作業時の疲労感は通常と何ら変わり
なく、非常に疲労を感じるものであった。
【0112】比較例16 実施例8において使用する凍結茶葉を、粒子径120μ
mのものにする以外は、すべて実施例8と同様に加工し
て得られた織物を用いて厨房用の白衣とエプロンを縫製
し、食堂の厨房にて実着用評価を行った結果を表3にま
とめた。
【0113】表3から明らかなように、実着用時の被験
者の自己申告より、作業時の疲労感は通常と何ら変わり
なく、非常に疲労を感じるものであった。
【0114】
【表3】
【0115】表3より明らかなように、実施例のもの
は、比較例のものに対して、種々の効果において有効で
あることが一目瞭然である。また、マイナスイオンの発
生効果が、着用することによって明確に現れることがわ
かる。
【0116】
【発明の効果】本発明によれば、作業時や授業時の疲労
感やストレスを軽減するだけでなく、癒しや集中力を生
み出す効果を併せ持つ優れたワーキングウェアを提供す
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A41D 31/00 502 A41D 31/00 502B 502F 502P 502Q 503 503B 503G 31/02 31/02 C D03D 15/00 D03D 15/00 E D06M 11/77 D06M 13/10 13/10 15/09 15/09 D01F 1/10 // D01F 1/10 6/92 301Q 6/92 301 D06M 11/00 G (72)発明者 齋藤 公一 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内 Fターム(参考) 3B011 AA01 AA04 AB01 AB06 AC07 4L031 AA18 BA19 BA24 DA08 DA19 4L033 AA07 AC04 AC07 BA07 BA99 CA05 CA70 4L035 BB31 EE05 EE12 EE20 GG03 4L048 AA21 AA22 AA46 AA56 CA07 DA01 DA03

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】摩擦または振動の少なくとも一つを伴う繰
    り返し応力が500Pa以上の状況下において、繊維構
    造物の表面からの距離が10cm内の空気中の負帯電分
    子の数が300個/cc以上である繊維構造物で構成さ
    れていることを特徴とするワーキングウェア。
  2. 【請求項2】該繊維構造物を構成する繊維が、竹の乾燥
    粉末、桐の乾燥粉末、茶葉の乾燥粉末、トルマリン鉱石
    粉末、および、平均細孔半径20nm以上の細孔を有し、
    かつ、比表面積20m2 /g以上である無機の多孔物質粉
    末の5種の粉末から選ばれた少なくとも1種以上を、該
    繊維重量に対して0.1重量%以上50重量%未満含む
    ものである請求項1に記載のワーキングウェア。
  3. 【請求項3】該繊維が、該粉末を、繊維重量に対し0.
    1重量%以上30重量%未満の割合で練り込んでなる繊
    維を含むものであることを特徴とする請求項2に記載の
    ワーキングウェア。
  4. 【請求項4】該繊維構造物が、該粉末を、繊維重量に対
    し0.1重量%以上30重量%未満の割合で、バインダ
    ーによって、その表面に固着してなるものであることを
    特徴とする請求項2または3に記載のワーキングウェ
    ア。
  5. 【請求項5】該粉末が、該繊維構造物の表面に、偏って
    含まれていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか
    に記載のワーキングウェア。
  6. 【請求項6】該繊維構造物が、多層構造体からなること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のワーキン
    グウェア。
  7. 【請求項7】該繊維構造物が、ポリエステル系合成繊維
    を少なくとも15重量%以上含むものである請求項1〜
    6のいずれかに記載のワーキングウェア。
  8. 【請求項8】該ワーキングウェアが、吸湿性、防汚性お
    よび消臭性から選ばれた少なくとも1種の性能を有する
    ものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに
    記載のワーキングウェア。
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