JP4706650B2 - 粒状殺菌剤、その製造方法および水処理方法 - Google Patents

粒状殺菌剤、その製造方法および水処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4706650B2
JP4706650B2 JP2007059068A JP2007059068A JP4706650B2 JP 4706650 B2 JP4706650 B2 JP 4706650B2 JP 2007059068 A JP2007059068 A JP 2007059068A JP 2007059068 A JP2007059068 A JP 2007059068A JP 4706650 B2 JP4706650 B2 JP 4706650B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
granular
parts
water
metal powder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007059068A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008222564A (ja
Inventor
巌 菱田
Original Assignee
巌 菱田
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 巌 菱田 filed Critical 巌 菱田
Priority to JP2007059068A priority Critical patent/JP4706650B2/ja
Publication of JP2008222564A publication Critical patent/JP2008222564A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4706650B2 publication Critical patent/JP4706650B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、粒状殺菌剤、その製造方法および水処理方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、水タンク、温泉、風呂、プールなどにおける有害菌や雑菌の増殖を長期間にわたって抑制し得る粒状殺菌剤、その製造方法および前記粒状殺菌剤を用いる水処理方法に関する。
現在、水タンク、温泉、風呂、プールで、レジオネラ属菌や食中毒菌などが大量に発生していることは、大きな社会問題となっており、新聞やテレビで度々報じられている通りである。
その対策として、現在公的機関で水中投与用の殺菌剤として認定されているものは塩素のみであり、次亜塩素酸塩などの塩素系処理剤の投入の義務付けが進められている。塩素系処理剤としては、いくつか知られている(特許文献1)。このような塩素系処理剤を用いる場合、公衆浴場法では、塩素量を0.4ppmに維持するよう指導し、具体的には2時間毎にチェックして、不足分を追加投入することとしている(非特許文献1)。
しかしながら、塩素は、継続使用した場合、毒性のトリハロメタンの発生、塩素臭、肌や髪を傷めるなど、人にとって有害な問題を有することは公知である。
また、塩素系処理剤は水中で汚染物と反応したり、紫外線で分解したりして、常に消費される。したがって、上記の濃度を維持するためには、高濃度とならないように注意しながら、塩素を一定時間おきに投入しつづけなければならないという煩雑さがある。
登録実用新案第3040613号公報 改正平成5年11月25日衛指第222号
上記の事情に鑑みて、本発明者は、塩素に替わるもので人体に無害であり、環境にも安全な殺菌剤の開発に努力した結果、非塩素系の本発明を完成した。
即ち、本発明は、水中において、公衆衛生的に有害とされるレジオネラ属菌、大腸菌、黄色ブドウ球菌などの菌を長期間にわたって殺菌することができる粒状殺菌剤、その製造方法および前記粒状殺菌剤を用いる水処理方法を提供することを目的とする。
本発明の要旨は、
〔1〕 銅、真鍮、銀および酸化チタンからなる群より選ばれる1種以上である金属粉末と粉末状の酸である酸性物質とからなる殺菌組成物であって金属粉末100重量部に対して酸性物質10〜500重量部が混合されてなる殺菌組成物が、核粒子の表面上に接着されてなる粒状殺菌剤、
〔2〕 銅、真鍮、銀および酸化チタンからなる群より選ばれる1種以上である金属粉末と粉末状の酸である酸性物質とを金属粉末100重量部に対して酸性物質10〜500重量部の割合で混合して殺菌組成物を調製する工程、および前記殺菌組成物を核粒子の表面に接着させて粒状化する工程を有することを特徴とする粒状殺菌剤の製造方法、
〔3〕 前記〔1〕記載の粒状殺菌剤を水タンク、温泉、風呂またはプールに充填された温水または冷水に接触させることを含む水処理方法
に関する。
本発明の粒状殺菌剤を用いることで、飲料水用などの水タンク内の水中、温泉、風呂などの温水中、プールなどの水中において、レジオネラ属菌、大腸菌、黄色ブドウ球菌などを含む雑菌の混入があってもその増殖を長期間にわたって抑制できるという優れた効果が奏される。
また、本発明の粒状殺菌剤は、粒状で比較的小さなものであるため、取り扱い易く、本発明の粒状殺菌剤は、無毒、無臭であるため、安全に取り扱うことができ、上記のように殺菌効果が長期間にわたって持続するため、経済性にも優れる。
本発明の粒状殺菌剤は、金属粉末と酸性物質とからなる殺菌組成物を含むものである。
本発明において、金属粉末とは、殺菌作用のある金属粉末をいい、例えば、銅、真鍮、銀および酸化チタンからなる群より選ばれる1種以上の金属粉末が挙げられる。
前記銅、真鍮および銀には、殺菌成分を放出可能な化合物も含まれる。
また、前記銀としては、ゼオライト、水溶性ガラスなどの無機担体へ担持させた硝酸銀由来の銀化合物、ステアリン酸銀などが挙げられる。
前記金属粉末の平均粒径としては、粒状殺菌剤として殺菌効果が長く持続し易い、取り扱いが便利であるなどの観点から、米粒、小豆、大豆程度の大きさのもの、より小さなものであることが好ましく、0.5〜50μmのものがより好ましい。
また、金属粉末の形状としては、鱗片状、粉末状などが挙げられるが、特に限定はない。
例えば、金属粉末として銅、真鍮を用いる場合、これらの固形物を薄く圧延した箔状、板状物を粉砕したものが挙げられる。
また、金属粉末として銀を用いる場合、無機物、ゼオライトなどの微粉末の表面に硝酸銀を担持したもので、粉末状のものが挙げられる。
金属粉末として、酸化チタンを用いる場合、酸化チタンの固形物を微粉砕したものが挙げられる。
また、本発明でいう酸性物質としては、粉末状の酸が挙げられる。粉末状の酸としては、例えば、桂皮酸、ソルビン酸、フマル酸、コハク酸、クエン酸、L−酒石酸などの常温で固体の有機酸、無機酸が挙げられる。これらの酸性物質は、単独でまたは2種以上を混合して用いてもよい。
前記酸性物質の平均粒径としては、粒状殺菌剤として作用効果が長く持続し易い、取り扱いが容易で入手し易いなどの観点から、米粒、小豆、大豆程度の大きさのもの、より小さなものであることが好ましく、0.5〜50μmのものがより好ましい。
前記酸性物質の形状としては、粉末状などが挙げられるが、特に限定はない。
前記殺菌組成物は、前記金属粉末100重量部に対して前記酸性物質を好ましくは10〜500重量部、より好ましくは50〜200重量部混合することで得られる。なお、酸性物質の重量は酸の重量を示す。
また、前記殺菌組成物は、殺菌効果がより向上するという観点から、金属石鹸、界面活性剤、高分子量樹脂ワックスなどの分散剤を混合してもよい。
前記分散剤の含有量は、前記酸性物質100重量部中に5〜20重量部が好ましい。
本発明では、前記殺菌組成物を粒状化して粒状殺菌剤にする。
前記粒状化方法としては、(1)前記殺菌組成物を、水溶性樹脂類を混合した熱可塑性樹脂中に練りこんで粒状化する方法、および(2)前記殺菌組成物を核粒子の表面上に接着させて粒状化する方法などが挙げられる。
前記(1)の方法としては、例えば、水溶性樹脂類を混合した熱可塑性樹脂100重量部を加熱溶融し、これに前記殺菌組成物0.5〜10重量部(好ましくは2〜5重量部)を練りこみ粒状化する方法が挙げられる。
前記熱可塑性樹脂としては、処理対象である温水や冷水に対して粒状殺菌剤の親和性が実質的になく、かつ殺菌成分である金属イオンの溶出速度を抑える観点から、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS樹脂)、アクリル樹脂などが挙げられ、中でも、PE、PPおよびEVAが好ましい。
前記水溶性樹脂類としては、セルロース系樹脂、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリビニル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアリルアミン系樹脂、ポリアクリル酸ポリアクリル酸ソーダ部分中和物、エチレンオキサイドプロピレンオキサイド共重合体などが挙げられる。本発明においては、前記のように、水溶性樹脂類を前記熱可塑性樹脂に混合することで、得られる樹脂組成物と水との親和性が向上し、該樹脂組成物中に含まれる殺菌成分である金属イオンの溶出の徐放を可能する。中でも、前記水溶性樹脂類としては、セルロース系樹脂、PVA、およびPEOが好ましい。
前記水溶性樹脂類と熱可塑性樹脂とは、例えば、混合一体化して溶融する。
前記熱可塑性樹脂と水溶性樹脂類との混合割合としては、金属イオンの放出が良好で、かつ長期間放出を持続できる観点から、熱可塑性樹脂100重量部に対して、水溶性樹脂類0.5〜20重量部が好ましく、5〜10重量部がより好ましい。
本発明において、前記水溶性樹脂類と熱可塑性樹脂とからなる樹脂成分の溶融混合物中に前記殺菌組成物が混合される。
混合方法としては、溶融した樹脂成分中に殺菌組成物が混合できる方法であれば、特に限定はない。例えば、樹脂成分どうしを混合・混練する工程と、殺菌組成物を混合する工程を同一のまたは別々の混練装置で行うことができる。また、混練装置には押出成形装置などを接続させて樹脂と殺菌組成物との混練物の粒状化を連続的に行ってもよい。
前記混練装置としては、例えば、オープンローラ、ニーダ、インテンシブミキサ、コンティニュアスミキサ、ディスクパック、単軸スクリュ押出機、二軸スクリュ押出機などが挙げられるが、樹脂成分の混合、溶融、混練、粒状化などの処理を一度に行え、処理条件の設定も簡便という観点から、エクストルーダーなどの二軸スクリュ押出機が好ましい。
なお、前記水溶性樹脂類と熱可塑性樹脂と殺菌組成物を混練装置へ投入する順序については、特に限定はなく、同時に前記3成分を混練装置に投入して溶融混合を行ってもよく、水溶性樹脂類、熱可塑性樹脂などの樹脂成分を予め溶融させてから殺菌組成物を添加して混合してもよい。
また、前記水溶性樹脂類と熱可塑性樹脂とからなる樹脂成分中には、発泡剤を添加してもよい。発泡剤としては、アゾジカーボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、酒石酸水素カリウム、重曹などが挙げられる。
前記発泡剤の含有量としては、前記樹脂成分100重量部に対して通常0.5〜1重量部が好ましい。
前記樹脂成分を溶融混合する際の温度としては、樹脂成分が溶融する温度であればよく、特に限定はない。また、前記殺菌組成物を混合する際の温度は、殺菌組成物が樹脂成分と十分に混合可能であれば、特に限定はない。また、粒状化する(混練する)際の温度としては、使用する混練装置において樹脂成分の種類にあわせて適当な温度範囲を選択すればよく、特に限定はない。
前記(1)の方法により、前記殺菌組成物に含まれる金属粉末、酸性物質、必要であれば分散剤が、水溶性樹脂類を混合した熱可塑性樹脂中に練りこまれた粒状殺菌剤が得られる。
また、前記(2)の方法としては、例えば、前記殺菌組成物0.5〜10重量部(好ましくは1〜2重量部)、核粒子100重量部および接着剤2〜5重量部(好ましくは3〜5重量部)を混合して粒状化する方法が挙げられる。
前記核粒子は、粒状化殺菌剤の核または種となる粒子である。核粒子の平均粒径としては、米粒から小豆程度の大きさであればよいが、特に限定はない。前記核粒子としては、非水溶性樹脂粒状物、無機質粒状物などが挙げられる。
前記非水溶性樹脂粒状物の材質としては、ポリオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカルボキシレート、ナイロン樹脂などの高分子系樹脂、アイホノマー、ワックス、ゴム系樹脂などが挙げられる。
前記無機質粒状物の材質としては、セラミック、石膏、シリカ、ガラスビーズなどが挙げられる。
また、前記核粒子として、ゴム系天然物、木材、竹材、その他の植物本体を粒状に加工したもの、硬化性樹脂粒状物などを併用してもよい。
前記接着剤としては、水、温水に接触しても人体に有害な成分を放出しないものであればよく、例えば、アクリルゴム、RBゴム、EVA、クマロン樹脂、PVA、セルロース系、ニカワなど、ウレタン系、エポキシ系またはポリエステル系の硬化性樹脂接着材などが挙げられる。
また、接着剤は、取り扱い易い観点から、予めトルエン、キシレン、アルコール類などの溶媒に完全に溶解させて用いてもよい。前記接着剤としては、例えば、20%程度の接着剤溶液を用いることができる。
また、前記接着剤は、接着コート材として用いることができる。例えば、前記殺菌組成物と接着剤とを混合し、塗料化したものを前記核粒子表面にコートしてもよい。
前記(2)の方法を用いることで、前記非水溶性樹脂粒状物または無機系粒状物を核として、その表面上に前記殺菌剤組成物が接着された粒状物が得られる。
また、前記(1)、(2)で使用する金属粉末および/または酸性物質は、その表面を非水溶性物質でコートすることで、より長期間の抗菌作用を持続的に放出することが可能にすることができる。非水溶性物質としては、ポリオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカルボキシレート、ナイロン樹脂などの高分子系樹脂、アイホノマー、パラフィン、ワックス、ゴム系樹脂などが挙げられる。この非水溶性物質を前記金属粉末および/または酸性物質の表面に塗布、噴霧、浸漬などの手段を用いてコートすればよい。非水溶性物質の使用量としては、前記金属粉末、酸性物質の表面をコートできる量であれば特に限定はないが、例えば、金属粉末または酸性物質100重量部に対して、非水溶性物質10〜15重量部が好ましい。
前記のようにして得られる本発明の粒状殺菌剤の形状としては、球状、楕円形状、タブレット状、ペレット状などが挙げられるが、特に限定はない。また、粒状殺菌剤の平均粒径としては、米粒、小豆、大豆程度のものが好ましいが、特に限定はない。
本発明の粒状殺菌剤は、例えば、温泉、風呂、プールまたは飲料水タンク内に充填された温水または水と接触させることで、これらの水中において、公衆衛生的に有害とされるレジオネラ属菌、大腸菌、黄色ブドウ球菌などの雑菌を長期間にわたって殺菌することができ、その結果として、清浄な水環境を長期間にわたって維持することが可能となる。
したがって、本発明は、前記粒状殺菌剤を水タンク、温泉、風呂またはプールに充填された温水または冷水に接触させることを含む水処理方法に関する。
なお、前記水タンク、温泉、風呂、プールの規模や形態、その水温についても特に限定はない。
また、本発明の粒状殺菌剤は、前記水タンク、温泉、風呂、プール内で水と接触した場合に、粒状殺菌剤が拡散して散逸しないように、袋や容器に入れ、この袋や容器を水に浸漬することが好ましい。袋や容器の材質、大きさなどについては特に限定はない。
(実施例1)
各種の金属粉末3重量部とフマル酸分散処理品(フマル酸:ステアリン酸亜鉛=85:15(重量比))2重量部とからなる殺菌組成物を含む粒状殺菌剤を得た。具体的には、EVA樹脂(サンテック社製、「EVA Q0392」})80重量%、PVA樹脂(日本合成化学製、「GL5」)20重量%からなる混合樹脂95重量部と前記殺菌組成物5重量部を、エクストルーダーにおいて、約160〜180℃で加熱混練し、ペレット状殺菌剤を得た(粒度約5mm)。得られたペレット状殺菌剤は刺激臭が無いものであった。
実施例1で用いた金属粉末としては、以下のものを用いた。
・金属銅粉末:福田金属箔粉工業株式会社製、商品名「ゴールド3L」、300メッシュ(平均粒径50μm)
・金属真鍮粉末:福田金属箔粉工業株式会社製、商品名「ゴールド7L」、300メッシュ(平均粒径50μm)
・銀粉末:ゼオライト担持銀、シナネンゼオミック製、商品名「ゼオミックス」、平均粒径0.6〜2.5μm
・酸化チタン粉末:サカイケミカル株式会社製、商品名「SSP−25」、平均粒径9μm
(実施例2)
樹脂成分として、ABS樹脂80重量%、ポリビニルエーテル20重量%からなる混合樹脂を約200℃で加熱混練した以外は、実施例1と同様にエクストルーダーでペレット状殺菌剤(粒度約5mm)を作製した。得られたペレット状殺菌剤は刺激臭が無いものであった。
(実施例3)
PP樹脂ペレット(出光興産社製、「出光ポリプロT700G」)97重量部と、殺菌組成物3重量部とを混合機(スーパーミキサ式)を用いて混合し、これに、接着剤(RBゴム20重量%、トルエン80重量%の混合溶液)4重量部を添加して10分間混合して、PP樹脂ペレットを核粒子とし、その表面に殺菌組成物が接着した粒状殺菌剤を得た(粒度約3mm)。得られた粒状殺菌剤は刺激臭が無いものであった。
(比較例1)
PP樹脂100重量部に、実施例1で用いたのと同じ金属粉末3重量部を混合機(スーパーミキサ式)を用いて混合し、エクストルーダーを用いて、約200℃で加熱混練し、粒状殺菌剤を作製した(粒度約5mm)。
(比較例2)
PVA樹脂10部、EVA樹脂90部の混合樹脂へ各金属粉末3部を混合し、エクストルーダーで混練(約160〜180℃)し、粒状殺菌剤を得た。
(実験例1)
実施例1、2、比較例1、2で得られた粒状殺菌剤について、前記水タンク、温泉、風呂、プールに発生する有害な雑菌として代表的な微生物に対する抗菌性を以下の手順に基づいて調べた。
(試験対象菌)
大腸菌(Escherichia Coli)(臨床分離株)
黄色ブドウ球菌(スタフィロコッカス オウレウス(Staphylococcus aureus))(臨床分離株)
レジオネラ菌(レジオネラ ニューモフィラ(Legionella pneumophila))(環境分離株)
(使用培地)
大腸菌とスタフィロコッカス オウレウスに関しては、標準寒天培地(日水製薬社製)を使用した。またレジオネラ ニューモフィラに関しては、WYO−α寒天培地(栄研化学社製)を用いた。
(試験方法)
40℃の精製水(200mL、pH7.5)に粒状殺菌剤と試験対象菌を同時に投入する。水中の粒状殺菌剤と試験対照菌の初期濃度は、表1〜7に示すとおりに調整した。
40℃を保ちながら、得られた混合液を軽くかき混ぜた後、静置し、3時間後、6時間後、12時間後に、上記の混合液をサンプリングして前記の培地を用いた平板塗抹培養法で菌数をカウントし、菌の生死を判定する。
また、ブランク(対照)テストとして、粒状殺菌剤を用いない以外は上記と同じ試験方法で試験対象菌の生死を判定した。
実施例1についての結果は表1〜4、実施例2についての結果は表5に示す。なお、表2は大腸菌、表3は黄色ブドウ球菌、表4はレジオネラ菌に対する結果である。
また、比較例1で得られた粒状殺菌剤を用いた大腸菌およびレジオネラ菌に対する殺菌効果の結果を表6、比較例2の結果を表7にそれぞれ示す。
表1〜5の結果より、実施例1〜3で得られた粒状殺菌剤では、対照と比べて、生菌数が顕著に低減でき、0.5wt/v%程度の量であれば、12時間後には3種類の菌をすべて殺菌できることがわかる。
これに対して、表6、7の結果より、比較例1、2で得られた粒状殺菌剤は、対照と比べても生菌数が低減の程度が同程度か低減しても顕著とはいえず、12時間後でも完全な殺菌は不可能であった。
Figure 0004706650
Figure 0004706650
Figure 0004706650
Figure 0004706650
Figure 0004706650
Figure 0004706650
Figure 0004706650
(実施例4)
真鍮2重量部とソルビン酸1重量部(ST Zn15重量%処理)合計3重量部を混合し、さらに接着剤(RB液)4重量部を投入して混合した後、乾燥して、粒状殺菌剤(A)を得た。また、前記酸性物質としてソルビン酸1重量部のかわりにクエン酸(ST Zn15重量%処理)1重量部を用いた粒状殺菌剤(B)、またはソルビン酸1重量部のかわりにコハク酸(ST Zn15重量%処理)1重量部を用いた粒状殺菌剤(C)を別途調製した。これらの粒状殺菌剤A、B、Cを所定の濃度にした以外は実験例1と同様に殺菌力を測定した。その結果を表8に示す。
また、真鍮2重量部のかわりに、銀1重量部または酸化チタン1重量部を用いた以外は前記真鍮の場合と同様にして、各粒状殺菌剤を得て、それぞれの殺菌力を測定した。その表8にまとめて示す。
Figure 0004706650
表8の結果より、いずれも優れた殺菌力を奏していることがわかる。
(実施例5)
本発明の粒状殺菌剤が有する殺菌効果の持続性について、以下のようにして調べた。
PP樹脂ペレット(平均粒径3mm)100重量部に銅粉末2重量部、フマル酸1重量部の混合物をスーパーミキサーで10分混合した後、接着剤液(RBゴム20重量%、トルエン80重量%の混合溶液)4重量部をさらに投入して3分間攪拌した。その後、内容物を取り出して、乾燥し、粒状殺菌剤を得た。得られた粒状殺菌剤の殺菌効果を実験例1と同様にして測定したところ、いずれの菌に対しても優れた殺菌力を示した。これらの結果を表9に示す。
Figure 0004706650
(実験例2)
実施例5で得られた粒状殺菌剤を、適当な容量の容器中に入れた水道水に0.2重量%となるよう添加し、1日に1回、前記容器中の全ての水を新しい水に取り替えることを90日間続けた。
90日後、水中から粒状殺菌剤を取り出し、これを試料とし、対象菌としてレジオネラ菌を使用した以外は、実験例1と同様にして、殺菌効果を測定した。なお、測定時間は、開始時、6時間後、16時間後とした。
(実験例3〜5)
試験試料の濃度を0.5重量%とした以外は、実験例1と同様にして殺菌効果を測定した(実験例3)。
また、実施例5で得られた粒状殺菌剤を使用し、また、水道水の代わりにpHが9となるように0.001%炭酸ナトリウム溶液で調整した水道水を用いた以外は、上記実験例2、3と同様にしたものをそれぞれ実験例4、5とした。
これらの実験例2〜5の結果を表10に示す。
Figure 0004706650
表10の結果より、優れた殺菌効果を有する粒状殺菌剤は、90日間水中に置いた後でも、顕著な殺菌効果を維持していることがわかる。中でも、pHが9のように酸性物質が溶出のし難い高いアルカリ性下にあっても殺菌効果が持続していることから、本発明の粒状殺菌剤は、3ヶ月以上の長期間にわたっても殺菌力が保持されることがわかる。
本発明の粒状殺菌剤は、飲料水タンク、温泉、風呂、プールなどにおける有害菌や雑菌の殺菌剤として、好適に使用しうる。

Claims (5)

  1. 銅、真鍮、銀および酸化チタンからなる群より選ばれる1種以上である金属粉末と粉末状の酸である酸性物質とからなる殺菌組成物であって金属粉末100重量部に対して酸性物質10〜500重量部が混合されてなる殺菌組成物が、核粒子の表面上に接着されてなる粒状殺菌剤。
  2. 金属粉末の平均粒径が0.5〜50μmである請求項1記載の粒状殺菌剤。
  3. 銅、真鍮、銀および酸化チタンからなる群より選ばれる1種以上である金属粉末と粉末状の酸である酸性物質とを金属粉末100重量部に対して酸性物質10〜500重量部の割合で混合して殺菌組成物を調製する工程、および前記殺菌組成物を核粒子の表面に接着させて粒状化する工程を有することを特徴とする粒状殺菌剤の製造方法。
  4. 前記殺菌組成物0.5〜10重量部、核粒子100重量部および接着剤2〜5重量部を混合して粒状化する請求項3記載の粒状殺菌剤の製造方法。
  5. 請求項1または2に記載の粒状殺菌剤を水タンク、温泉、風呂またはプールに充填された温水または冷水に接触させることを含む水処理方法。
JP2007059068A 2007-03-08 2007-03-08 粒状殺菌剤、その製造方法および水処理方法 Active JP4706650B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007059068A JP4706650B2 (ja) 2007-03-08 2007-03-08 粒状殺菌剤、その製造方法および水処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007059068A JP4706650B2 (ja) 2007-03-08 2007-03-08 粒状殺菌剤、その製造方法および水処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008222564A JP2008222564A (ja) 2008-09-25
JP4706650B2 true JP4706650B2 (ja) 2011-06-22

Family

ID=39841598

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007059068A Active JP4706650B2 (ja) 2007-03-08 2007-03-08 粒状殺菌剤、その製造方法および水処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4706650B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20140199358A1 (en) 2013-01-14 2014-07-17 Dmr International, Inc. Antimicrobial polymer systems using multifunctional organometallic additives for thermoset hosts
WO2015159206A1 (en) * 2014-04-14 2015-10-22 Tracextec (Pty) Ltd. Copper alloy microparticles for use in the treatment of an external skin lesion

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06279202A (ja) * 1993-03-25 1994-10-04 Taihei Kagaku Sangyo Kk 切り花鮮度保持剤
JPH0748744A (ja) * 1993-08-05 1995-02-21 Nippon Chemitec Kk 防汚性複合ヤーン及びこの防汚性複合ヤーンを用いた防汚材
JPH08164393A (ja) * 1994-12-09 1996-06-25 Kanebo Ltd 抗水中微生物用樹脂組成物
JPH1121378A (ja) * 1997-07-04 1999-01-26 Otsuka Chem Co Ltd 抗菌もしくは抗黴性樹脂組成物及びその用途
JPH1142484A (ja) * 1997-07-25 1999-02-16 Nippon Gijutsu Kaihatsu Center:Kk 抗菌水の生成方法
JP2000169316A (ja) * 1998-12-02 2000-06-20 Tsumoru Shimada 脱臭加工砂、抗菌加工砂、脱臭・抗菌加工砂、脱臭材、抗菌材、脱臭・抗菌材とその製造方法
JP2001224672A (ja) * 2000-02-18 2001-08-21 Kaisei Tokushu Kogyo:Kk 産業廃棄物を利用した抗菌・脱臭加工材とその製造方法。抗菌・脱臭加工材を用いた舗装方法。
JP2007084493A (ja) * 2005-09-22 2007-04-05 Iwao Hishida 銅イオン発生組成物

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6416537A (en) * 1987-07-10 1989-01-20 Akio Sawashita Material for pisciculture

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06279202A (ja) * 1993-03-25 1994-10-04 Taihei Kagaku Sangyo Kk 切り花鮮度保持剤
JPH0748744A (ja) * 1993-08-05 1995-02-21 Nippon Chemitec Kk 防汚性複合ヤーン及びこの防汚性複合ヤーンを用いた防汚材
JPH08164393A (ja) * 1994-12-09 1996-06-25 Kanebo Ltd 抗水中微生物用樹脂組成物
JPH1121378A (ja) * 1997-07-04 1999-01-26 Otsuka Chem Co Ltd 抗菌もしくは抗黴性樹脂組成物及びその用途
JPH1142484A (ja) * 1997-07-25 1999-02-16 Nippon Gijutsu Kaihatsu Center:Kk 抗菌水の生成方法
JP2000169316A (ja) * 1998-12-02 2000-06-20 Tsumoru Shimada 脱臭加工砂、抗菌加工砂、脱臭・抗菌加工砂、脱臭材、抗菌材、脱臭・抗菌材とその製造方法
JP2001224672A (ja) * 2000-02-18 2001-08-21 Kaisei Tokushu Kogyo:Kk 産業廃棄物を利用した抗菌・脱臭加工材とその製造方法。抗菌・脱臭加工材を用いた舗装方法。
JP2007084493A (ja) * 2005-09-22 2007-04-05 Iwao Hishida 銅イオン発生組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008222564A (ja) 2008-09-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4561558B2 (ja) 銅イオン発生組成物を含む粒状組成物およびそれを用いて水中の有害菌や雑菌の増殖を抑制する方法
JP5216177B2 (ja) 水性系における微生物の抑制方法
US11154063B2 (en) Method for producing a bacteriostatic and fungistatic additive in masterbatch for application in plastics
CA1223172A (en) Encapsulated solid microbiocidal article
JPH0566198B2 (ja)
CN101151967A (zh) 以贝壳粉为载体的纳米抗菌粉体及其制备方法
US7943158B2 (en) Absorbent systems providing antimicrobial activity
WO2011078899A1 (en) A tablet composition for the in-situ generation of chlorine dioxide for use in antimicrobial applications
JP4706650B2 (ja) 粒状殺菌剤、その製造方法および水処理方法
WO2015114651A2 (en) Fertilizer products
KR101629888B1 (ko) 원적외선 및 항균성을 갖는 폴리에틸렌이 표면 코팅된 수도용 강관 및 이의 제조방법
JP3534203B2 (ja) 抗水中微生物用樹脂組成物
CN103271026B (zh) 高锰酸钾复方颗粒剂及其生产方法
WO2016005928A1 (en) A water purification composition
Jacukowicz-Sobala et al. Antimicrobial activity of anion exchangers containing cupric compounds against Enterococcus faecalis
JP2003024424A (ja) 脱臭剤組成物
TW200927200A (en) An anti-bacterial layer of nano titanium dioxide carried silver
JP2007302586A (ja) 殺菌・消臭剤
JPS63294859A (ja) 抗菌性多孔体およびその製造法
JP2978098B2 (ja) 抗菌性材料
KR20000067510A (ko) 은과 숯 및 합성수지를 이용한 무기항균수지칩 및 그 제조방법
JP2007203134A (ja) 殺菌プラスチックペレット
CN113287609A (zh) 一种适用于泳池的药剂制作方法
JP3087863B2 (ja) 抗菌性粒体
JP2000072927A (ja) 抗菌防カビ樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100527

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100608

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100723

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100817

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101008

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20101116

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101124

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20110117

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110215

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110228

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4706650

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250