JPH06313011A - 共重合体、その製造方法および該共重合体を含有してなる水中生物付着防止塗料 - Google Patents
共重合体、その製造方法および該共重合体を含有してなる水中生物付着防止塗料Info
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Abstract
単位を有する共重合体を含有してなる水中生物付着防止
塗料。 【構成】 水中生物付着防止塗料を塗布した被塗物は水
中生物の付着を長時間防止できる。本発明の共重合体を
含有する水中生物付着防止塗料は水中への薬剤の流出が
ないため環境への影響もない。
Description
有する新規な共重合体、その製造方法および該共重合体
を含有してなる水中生物付着防止塗料に関する。
所の冷却水路などの常時水と接触する部分には、フジツ
ボ、カキ、ムラサキガイ、ヒドロムシなどの生物が付着
繁殖する。これらの付着生物は流体抵抗の増加を引き起
こし、設備機能を低下させるなどの問題がある。そのた
め、こうした水中生物の付着繁殖を防止するため水中生
物付着防止塗料が使用されている。
しては、薬剤型の水中生物付着防止塗料が主に使用され
てきた。たとえば、その代表例として有機スズ化合物を
含有したものがあげられる。しかし、有機スズ化合物
は、海中への蓄積、魚への残留等の問題があり環境面か
らその使用は好ましくない。
や天然物の誘導体であるロジンアミン等の薬剤を水中生
物付着防止塗料として使用することが提案されている。
これら化合物は有機スズ化合物に比べれば環境面への影
響は少ないが、水中へ薬剤が溶出することに変りはな
く、環境面への影響が全くないとはいえない。
料は有効成分である薬剤を、水中へ溶出することにより
防汚効果を発揮するため、経時的に防汚塗料中の有効成
分が減少してしまい、水中生物付着防止塗料としての効
果を長時間維持することは困難であった。
影響が少なく、かつ水中生物の付着繁殖の防止効果を長
時間維持できる水中生物付着防止塗料を提供することを
目的とする。
解決すべく鋭意検討を重ねた結果、水中生物の付着防止
作用を有するロジンアミンをポリマー中に組み込んだ、
一般式(1)で表される構成単位を有する新規な共重合
体によれば、前記課題を解決しうることを見出した。本
発明はかかる新しい知見に基づき完成されたものであ
る。
表される構成単位、および一般式(2):−A−(Aは
無水マレイン酸と共重合可能なエチレン性不飽和単量体
単位、または無水マレイン酸および無水マレイン酸と共
重合可能なエチレン性不飽和単量体の単位を示す。)で
表される構成単位を有する共重合体、および、無水マレ
イン酸および無水マレイン酸と共重合可能なエチレン性
不飽和単量体から得られる無水マレイン酸系共重合体
に、ロジンアミンを反応させ該共重合体中の無水環をイ
ミド化することを前記共重合体の製造方法、ならびに、
前記共重合体を含有してなる水中生物付着防止塗料に関
する。
れる構成単位を有していれば特に制限はない。すなわ
ち、該共重合体が水中生物付着防止塗料として船底等の
被塗物に固着化される結果、共重合体中に組み込まれた
一般式(1)で表されるロジン骨格を有する構成単位も
被塗物に固着化され、水中生物の付着防止塗料としての
機能を長時間にわたり発揮、維持できるからである。
下の方法により製造できる。
水マレイン酸と共重合可能なエチレン性不飽和単量体か
ら得られる無水マレイン酸系共重合体に、ロジンアミン
を反応させて、該共重合体中の無水環をイミド化する方
法があげられる。
不飽和単量体としては、無水マレイン酸とラジカル重合
性を有するエチレン性不飽和単量体であれば特に限定さ
れない。たとえば、スチレン、α−メチルスチレン、ビ
ニルトルエン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸エステ
ル、アクリロニトリル、イソプレン、アルキルビニルエ
ーテル等があげられる。その他、得られる共重合体がゲ
ル化しない範囲内でジビニルベンゼン等の架橋性単量体
を使用可能である。
重合可能なエチレン性不飽和単量体の使用割合は、特に
制限されないが、通常、無水マレイン酸20〜50モル
部程度、好ましくは30〜50モル部に対し、無水マレ
イン酸と共重合可能なエチレン性不飽和単量体50〜7
0モル部程度、好ましくは50〜80モル部となる範囲
であるのがよい。無水マレイン酸が20モル部未満で
は、得られる本発明の共重合体中に導入されるロジン骨
格が少なくなり水中生物付着防止塗料として十分な効果
が得られない場合がある。また、無水マレイン酸の使用
量の上限はないが通常、50モル部が上限とされる。
法は特に制限されず、公知の溶液重合等により製造でき
る。こうした無水マレイン酸系共重合体は市販されてい
るものを、そのまま使用してもよい。
ロジン、ウッドロジン、トール油ロジン等の天然ロジン
またはこれらを不均化して得られる不均化ロジンを原料
として、ニトリル化反応および水素化反応を順次に行う
ことにより製造されるものであり、主として18−アミ
ノアビエタ−8,11,13−トリエンを含有するジテ
ルペン系化合物をいう。なお、ロジンアミンの製法は米
国特許第2486183号、米国特許第2417792
号、米国特許第2534297号に記載されている。ロ
ジンアミンの具体例としては米国ハーキュレス社製「ア
ミンD」等があげられる。
ジンアミンとをイミド化する反応は、溶媒の存在下また
は不存在下に両者を撹拌混合しながら加熱することによ
り行う。溶媒を使用する場合は該共重合体とロジンアミ
ンを溶解し、かつこれらに不活性である溶媒を使用する
のがよい。たとえば、溶媒としてはトルエン、キシレ
ン、ベンゼン、ジオキサン等があげられる。反応温度
は、通常、80〜130℃程度、反応時間は30分〜4
時間程度とするのがよい。
系共重合体中の無水環に対して当量以上使用するのがよ
い。ただし、あまりに過剰量になると無駄が多くなり好
ましくない。好ましくは、無水環の1当量に対して1〜
1.5当量程度とするのがよい。
I)予め無水マレイン酸とロジンアミンからマレイミド
を製造した後に、該マレイミドと前記例示のエチレン性
不飽和単量体を共重合することによっても製造できる。
重合方法は公知の溶液重合等を採用すればよい。
子中に有する新規な共重合体の数平均分子量は、通常1
000〜100000程度である。
止塗料として使用するに際しては、本発明の新規な共重
合体を溶剤に溶解した溶液をそのまま使用することがで
きる。また、本発明の新規な共重合体に溶剤、顔料、添
加剤等を添加して、各種の塗料を調製して使用してもよ
い。こうした本発明の水中生物付着防止塗料が適用され
る対象としては、船底、漁網、海洋構造物の没水部、発
電所の冷却水路などの常時水と接触する全ての部分があ
げられる。
な共重合体およびその製造方法を提供できる。 (2)また、本発明の新規な共重合体は水中生物付着防
止塗料として有用であり、本発明の水中生物付着防止塗
料を塗布した被塗物は水中生物の付着を長時間防止でき
る。また、本発明の新規な共重合体を含有する水中生物
付着防止塗料は水中への薬剤の流出がないため環境への
影響もない。
更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定
されるものではない。なお、各例中の部は重量部を表
す。
を備えた1000ml容量のセパラブルフラスコにロジ
ンアミン(ハーキュレス社製,「アミンD」)120部
およびキシレン200部を仕込み溶解した後、窒素を吹
き込みながら系内を充分に置換し50℃に昇温した。次
いで、スチレン−無水マレイン酸共重合体(重合モル比
=1/1,数平均分子量1600,酸価480)100
部をキシレン200部に溶解した溶液を反応系内に滴下
した。反応により生成する水を留出しながら120℃に
昇温し1時間反応を行った。さらに徐々に昇温しキシレ
ンを減圧(100mmHg,200℃)除去し、淡黄色
の樹脂(数平均分子量4400,酸価25)200部を
得た。酸価から無水環の95モル%がイミド化されてい
ることを確認した。
として、重合モル比=2/1、数平均分子量1700、
酸価350のものを90部使用した他は、実施例1と同
様に行い淡黄色の樹脂(数平均分子量4600,酸価1
4)175部を得た。酸価から無水環の96モル%がイ
ミド化されていることを確認した。
として、重合モル比=3/1、数平均分子量1900、
酸価275のものを70部使用した他は、実施例1と同
様に行い淡黄色の樹脂(数平均分子量5300,酸価2
0)160部を得た。酸価から無水環の93モル%がイ
ミド化されていることを確認した。
の代わりに酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体(重合
モル比=1/1,数平均分子量10000,酸価48
3)100部使用し、溶媒としてキシレンの代わりにジ
オキサン使用した他は、実施例1と同様に行い淡黄色の
樹脂(数平均分子量3200,酸価30)190部を得
た。酸価から無水環の94モル%がイミド化されている
ことを確認した。
体の代わりにイソプレン−無水マレイン酸共重合体(重
合モル比=1/1,数平均分子量15000,酸価48
0)100部使用した他は、実施例1と同様に行い淡黄
色の樹脂(数平均分子量3200,酸価30)200部
を得た。酸価から無水環の94モル%がイミド化されて
いることを確認した。
フラン70部を室温で30分間撹拌し塗料を調製し、以
下の試験に供した。 (試験方法)10cm×30cmの試験板(鋼板製)に
調製した溶液5gを塗布して1日乾燥後、海中1.5m
のところに浸漬した。浸漬後の試験板の状態を以下の基
準で評価した。結果を表1に示す。 ○−−何も付着していない。 △−−少し付着している。 ×−−多数付着している。
部を室温で30分間撹拌し塗料を調製した。調製した塗
料を実施例4と同様の試験に供した。結果を表1に示
す。
−無水マレイン酸共重合体を使用した他は実施例4と同
様にして塗料を調製した。調製した塗料を実施例4と同
様の試験に供した。結果を表1に示す。
試験板をそのまま海中1.5mのところに浸漬した。結
果を表1に示す。
の代わりに酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体(重合
モル比=1/1,数平均分子量10000,酸価48
3)100部使用し、溶媒としてキシレンの代わりにジ
オキサン使用した他は、実施例1と同様に行い淡黄色の
樹脂(数平均分子量32000,酸価30)190部を
得た。酸価から無水環の94モル%がイミド化されてい
ることを確認した。
体の代わりにイソプレン−無水マレイン酸共重合体(重
合モル比=1/1,数平均分子量15000,酸価48
0)100部使用した他は、実施例1と同様に行い淡黄
色の樹脂(数平均分子量32000,酸価30)200
部を得た。酸価から無水環の94モル%がイミド化され
ていることを確認した。
Claims (4)
- 【請求項1】 一般式(1): 【化1】 (式中、Rはロジン骨格残基を示す。)で表される構成
単位、および一般式(2):−A−(Aは無水マレイン
酸と共重合可能なエチレン性不飽和単量体単位、または
無水マレイン酸および無水マレイン酸と共重合可能なエ
チレン性不飽和単量体の単位を示す。)で表される構成
単位を有する共重合体。 - 【請求項2】 共重合体の全構成単位の20〜50モル
%が一般式(1)で表される構成単位である請求項1記
載の共重合体。 - 【請求項3】 無水マレイン酸および無水マレイン酸と
共重合可能なエチレン性不飽和単量体から得られる無水
マレイン酸系共重合体に、ロジンアミンを反応させ該共
重合体中の無水環をイミド化することを特徴とする請求
項1記載の共重合体の製造方法。 - 【請求項4】 請求項1または2記載の共重合体を含有
してなる水中生物付着防止塗料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12789693A JP3368618B2 (ja) | 1993-04-30 | 1993-04-30 | 共重合体、その製造方法および該共重合体を含有してなる水中生物付着防止塗料 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP12789693A JP3368618B2 (ja) | 1993-04-30 | 1993-04-30 | 共重合体、その製造方法および該共重合体を含有してなる水中生物付着防止塗料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06313011A true JPH06313011A (ja) | 1994-11-08 |
JP3368618B2 JP3368618B2 (ja) | 2003-01-20 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3368618B2 (ja) |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04233957A (ja) * | 1990-08-27 | 1992-08-21 | Goodyear Tire & Rubber Co:The | ロジンモノマレイミドを含んで成るゴム組成物およびその製造法 |
-
1993
- 1993-04-30 JP JP12789693A patent/JP3368618B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH04233957A (ja) * | 1990-08-27 | 1992-08-21 | Goodyear Tire & Rubber Co:The | ロジンモノマレイミドを含んで成るゴム組成物およびその製造法 |
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