JP4574337B2 - 新規シクロアルケニルカルボン酸、新規ビシクロアルケニルカルボン酸およびそれらの誘導体、それらからなる防汚塗料用配合剤、防汚塗料組成物、防汚塗膜、該防汚塗膜で被覆された船舶、水中構造物、漁具または漁網並びにこれらの防汚方法 - Google Patents
新規シクロアルケニルカルボン酸、新規ビシクロアルケニルカルボン酸およびそれらの誘導体、それらからなる防汚塗料用配合剤、防汚塗料組成物、防汚塗膜、該防汚塗膜で被覆された船舶、水中構造物、漁具または漁網並びにこれらの防汚方法 Download PDFInfo
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Description
ロジンは、アビエチン酸とその異性体を主成分とする天然化合物であるが、海水に対する微溶解性が知られており、防汚塗料用樹脂として広く使用されている。
またはロジン金属塩からなるロジン系化合物の1種または2種以上と、有機シリルエステル基含有重合体と、防汚剤とを必須成分として含有する塗料組成物が開示されている。また、該塗料組成物からなる塗膜は、長期浸漬後にも塗膜表面に残渣層の形成がなく、クラック、剥離などの欠陥を生じず、長期にわたって、海洋生物付着防止性能を発揮でき、リコート性および艤装期間対応海洋生物付着性能に優れることが記載されている。
まず第一には、近年、ますます環境汚染が進み、陸地付近の海水の汚染が激しくなっており、たとえば、荷物等の積み入れのための寄港時や、艤装期間(ドック内で船舶の外板を建造した後、洋上で船舶内装部を建造する期間)中には、このような汚損の激しい海域に長期間停泊せねばならないので、高汚損環境下でも、長期にわたる高い防汚性能を発揮し得る塗膜を形成可能な防汚塗料組成物が、従来にも増して求められている。
本発明者らは、このようなすべての要求を満たす塗料組成物の開発を目指し、鋭意研究を行っていたところ、特定の不飽和カルボン酸と共役ジエン化合物との付加反応により形成された特定の環式カルボン酸およびその金属塩が新規化合物であることを見出すと共に、これら新規環式カルボン酸およびその金属塩、環式カルボン酸誘導体の金属塩のうちの何れか1種以上(A)が、防汚塗膜の加水分解調整剤または防汚剤の溶出助剤等として作用する防汚塗料用配合剤として好適であり、この環式カルボン酸等の化合物(A)と、自己研磨型防汚塗料用共重合体(B)、特にシリルエステル共重合体と、を含む防汚塗料組成物が、長期保存安定性に優れ、しかも、該組成物を塗布、硬化して形成された塗膜は、加水分解速度が好適で、長期にわたる静的環境下、動的環境下での防汚性に優れ、しかもこれら特性がバランスよく優れることなどを見出し、本願発明を完成するに至ったものである。
また、本発明に係る新規ビシクロアルケニルカルボン酸は、下記式[VI]で表される。
−buten−4−yl基ともいう)または2−メチル−1−プロペニル基(2−methyl−2−propen−3−yl基)を示し、
R1が水素原子の場合には、R2は4−メチル−3−ペンテニル基(2−methyl−2−penten−5−yl基)を示し、R3、R4は水素原子を示し、
R1が3−メチル−2−ブテニル基(2−methyl−2−buten−4−yl基
)の場合には、R2はメチル基を示し、R3、R4は水素原子を示し、
R1が2−メチル−1−プロペニル基(2−methyl−2−propen−3−y
l基)の場合には、R2は水素原子を示し、R3、R4はメチル基を示す。
m、nは、それぞれ0または1の数を示し(但しm、nが同時に0であることはない。)、
R7、R8は、それぞれ水素原子または炭化水素基を示し、かつ、
前記mが0の場合、R7は水素原子であり、
mが1の場合、R7は水素原子または炭化水素基であり、
前記nが0の場合、R8は水素原子であり、
nが1の場合、R8は水素原子または炭化水素基である(但し、R7およびR8が同時に
炭化水素基であることはない。)。}
新規ビシクロアルケニルカルボン酸[VI]:
<A> R11がイソプロピル基の場合には、
R12、R13は水素原子を示し、
R14はメチル基を示し、
R15、R16は、それぞれ水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を示し、
m、nは、それぞれ0または1の数を示し(但しm、nが同時に0であることはない。)、好ましくは何れか一方が0で、他方が1であり、
R17、R18は、それぞれ水素原子または炭化水素基を示し、
k、lは0を示し、
R19、R20は水素原子を示し、
R21、R22は、それぞれ水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を示し、かつ、
前記mが0の場合、R17は水素原子であり、
mが1の場合、R17は水素原子、炭化水素基または金属原子であり、
前記nが0の場合、R18は水素原子であり、
nが1の場合、R18は水素原子または炭化水素基である(但し、R17およびR18が同時に炭化水素基であることはない。)。
<B> R16がイソプロピル基の場合には、
R11、R12は水素原子を示し、
R13はメチル基を示し、
R14は水素原子を示し、
R15は、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を示し、
m、nは0を示し、
R17、R18は水素原子を示し、
k、lは、それぞれ0または1の数を示し(但しk、lが同時に0であることはない。)、好ましくは何れか一方が0で、他方が1であり、
R19、R20は、それぞれ水素原子または炭化水素基を示し、
R21、R22はそれぞれ水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を示し、かつ、
前記kが0の場合、R19は水素原子であり、
kが1の場合、R19は水素原子または炭化水素基であり、
前記lが0の場合、R20は水素原子であり、
lが1の場合、R20は水素原子または炭化水素基である(但し、R19およびR20が同時に炭化水素基であることはない。)。}
本発明の好ましい態様においては、上記式[V]で表されるシクロアルケニルカルボン酸が下記式[Va]、[Vb]、[Vc]、[Vd]、[Ve]、[Vf]、[Vg]または[V
h]で表され、また、
上記式[VI]で表されるビシクロアルケニルカルボン酸が下記式[VIa]、[VIb
]、[VIc]または、[VId]で表されることが望ましい。(これらの式[Va]〜[
Vh]中、および式[VIa]〜[VId]中、炭素原子に結合している原子または基が水素原子(H)の場合は、省略して示す。以下同様。)
[J]アロオシメン、オシメン、ミルセン、α−テルピネンおよびα−フェランドレンからなる群から選ばれた少なくとも1種のテルペン系ジエン化合物(共役ジエン化合物)と、
[K]α,β−不飽和モノカルボン酸、α,β−不飽和ジカルボン酸のモノエステルからなる群から選ばれた少なくとも1種の不飽和カルボン酸と、
を付加反応させることを特徴としている。
M」(M:金属原子、x:金属原子の価数を示す。)で表される。
本発明に係る防汚塗料用配合剤(A)は、不飽和カルボン酸と共役ジエン化合物との付加反応により形成された環式カルボン酸、環式カルボン酸誘導体(金属塩を除く)、環式カルボン酸の金属塩、環式カルボン酸誘導体の金属塩のうちの何れか1種以上からなっている。
本発明の防汚塗料組成物は、さらに防汚剤(C)を含有していることが好ましく、上記防汚剤(C)としては、銅又は銅化合物(C1)を含有することが望ましい。
本発明においては、上記自己研磨型防汚塗料用共重合体(B)が、重合性不飽和カルボン酸ヒドロキシ金属塩系共重合体であることが好ましい。
式:R1−COO−M−OH・・・・・[I]
{式[I]中、R1は、CH2=C(CH3)−、CH2=CH−、HOOC−CH=CH−、
HOOC−CH=C(CH3)−の不飽和結合含有有機基を示し、−COOHは金属塩ま
たはエステルを形成していてもよい。Mは、金属原子を示す。}
で表される重合性不飽和カルボン酸ヒドロキシ金属化合物から誘導される成分単位、好ましくは(メタ)アクリル酸ヒドロキシ金属塩から誘導される成分単位、さらに好ましくはメタアクリル酸ヒドロキシ亜鉛塩または銅塩から誘導される成分単位を分子内に有する共重合体であることが望ましい。
{式[II]中、R1は、CH2=C(CH3)−、CH2=CH−、HOOC−CH=CH−、HOOC−CH=C(CH3)−の不飽和結合含有有機基を示し、−COOHは金属塩ま
たはエステルを形成していてもよい。Mは、金属原子を示し、Lは、有機酸残基「−OCOR2 」(R2は、アルキル基、シクロアルキル基、置換基を有していてもよい芳香族炭
化水素基、アラルキル基を示す。)を示し、nは金属Mの原子価数−1の数を示す。}
本発明においては、上記自己研磨型防汚塗料用共重合体(B)が、(メタ)アクリル酸亜鉛塩または銅塩単量体(イ)、この単量体(イ)と共重合可能な他の単量体(ロ)を共重合してなり、
上記(メタ)アクリル酸亜鉛塩または銅塩単量体(イ)から誘導される成分単位を2〜50重量%、共重合可能な他の単量体(ロ)から誘導される成分単位を50〜98重量%(成分単位(イ)+成分単位(ロ)=100重量%)の量で含んでいる重合性不飽和カルボン酸金属塩系共重合体であることが好ましい。
ボキシレート単量体およびこれと共重合可能な不飽和単量体からそれぞれ誘導される成分単位を分子内に有する共重合体、特に好ましくはシリル(メタ)アクリレートおよびこれと共重合可能な不飽和単量体を共重合した共重合体であることが好ましい。
{式[IIIA]中、R1は、CH2=C(CH3)−、CH2=CH−、HOOC−CH=CH
−、HOOC−CH=C(CH3)−の不飽和結合含有有機基を示し、−COOHは金属
塩またはエステルを形成していてもよい。L1、L2、L3は、互いに同一でも異なってい
てもよく、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、芳香族炭化水素基、アラルキル基、アルキルシリルオキシ基を示し、これらの基は置換基を有していてもよい。}
本発明に係る防汚塗膜は、上記何れかに記載の防汚塗料組成物から形成されている。
本発明に係る漁具および漁網は、上記の何れかに記載の防汚塗料組成物から形成される塗膜で被覆されていることを特徴としている。
およびそれらの誘導体、並びにそれらからなる防汚塗料用配合剤(A)>
(新規(ビ)シクロアルケニルカルボン酸およびそれらの誘導体)
本発明に係る新規シクロアルケニルカルボン酸、新規ビシクロアルケニルカルボン酸(シクロアルケニルカルボン酸とビシクロアルケニルカルボン酸の両方をまとめて、単に、「(ビ)シクロアルケニルカルボン酸」などともいう。)およびそれらの誘導体は、特定の共役ジエン化合物と不飽和カルボン酸との付加反応(ディールスアルダー付加反応)により形成された環式カルボン酸、環式カルボン酸誘導体(金属塩を除く)、環式カルボン酸の金属塩、環式カルボン酸誘導体の金属塩である。
、下記式[V]で表され、また、本発明に係る新規ビシクロアルケニルカルボン酸[VI]またはその塩 (これらをまとめてビシクロアルケニルカルボン酸系化合物[VI]と
もいう。)は、下記式[VI]で表される。
[K]:「α,β−不飽和モノカルボン酸、α,β−不飽和ジカルボン酸またはそのモノエステルからなる群から選ばれた少なくとも1種の不飽和カルボン酸」と
とを付加反応(デールスアルダー反応)させることにより得られる。
l−2−buten−4−yl基)または2−メチル−1−プロペニル基(2−methyl−2−propen−3−yl基)を示し、
R2は水素原子、メチル基、または4−メチル−3−ペンテニル基(2−methyl
−2−penten−5−yl基)を示し、
R3、R4は水素原子またはメチル基を示し、かつ、
R1が水素原子の場合には、R2は4−メチル−3−ペンテニル基(2−methyl−2−penten−5−yl基)を示し、R3、R4は水素原子を示し、
R1が3−メチル−2−ブテニル基(2−methyl−2−buten−4−yl基
)の場合には、R2はメチル基を示し、R3、R4は水素原子を示し、
R1が2−メチル−1−プロペニル基(2−methyl−2−propen−3−y
l基)の場合には、R2は水素原子を示し、R3、R4はメチル基を示す。
また、式[V]中、m、nは、それぞれ0または1の数を示し(但しm、nが同時に0
であることはない。)、
R7、R8は、それぞれ水素原子または炭化水素基を示し、かつ、
前記mが0の場合、R7は水素原子であり、
mが1の場合、R7は水素原子または炭化水素基であり、
前記nが0の場合、R8は水素原子であり、
nが1の場合、R8は水素原子または炭化水素基である(但し、R7およびR8が同時に
炭化水素基であることはない。)。}
以下詳説すれば、式[V]中、R1は、水素原子、3−メチル−2−ブテニル基(2−
methyl−2−buten−4−yl基)または2−メチル−1−プロペニル基(2−methyl−2−propen−3−yl基)を示す。
されるように、R2は4−メチル−3−ペンテニル基(2−methyl−2−pent
en−5−yl基)を示し、R3、R4は水素原子を示し、
R1が3−メチル−2−ブテニル基(2−methyl−2−buten−4−yl基
)の場合には、下記式[Vc](4a)または[Vd](4b)で示されるように、R2はメチル
基を示し、R3、R4は水素原子を示し、
R1が2−メチル−1−プロペニル基(2−methyl−2−propen−3−y
l基)の場合には、下記式[Va](3a)または[Vb](3b)で示されるように、R2は水
素原子を示し、R3、R4はメチル基を示す。
好ましくは炭素数1〜3のアルキル基を示す。
該アルキル基としては、分岐を有していてもよい鎖状のものや、上記アルキル基などの置換基を有していてもよい環状(C6以上)のものが挙げられ、中でも上記鎖状のものが製造容易、安価、防汚塗膜中に含まれていると加水分解速度の適正化、防汚剤の溶出速度の適正化などの点で好ましい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基等が挙げられ、上記要件を満たすものが好ましい。
すなわち、m、n=0の場合、「−(COO)m」、「−(COO)n」は何れも単結合「−」を示し、m、n=1の場合、「−(COO)m」、「−(COO)n」は何れもカル
ボニルオキシ基「−COO−」を示す。(後述するk、lの場合も同様である。)
R7、R8は、それぞれ水素原子または炭化水素基を示す。
しかも、本発明では、上記式[V]中の「−(COO)mR7」部位のmが0の場合、R7は
水素原子(H)を示し、mが1の場合、R7は水素原子または炭化水素基(例:炭素数1〜10のアルキル基、好ましくは炭素数1〜5のアルキル基)を示す。
「−H」を示し、また、m=1で、R7がH(水素原子)の場合は、カルボキシル基「−COOH」を示し、また、m=1で、R7が炭化水素基の場合は、「−COOR7」(エステル)を示す。
(COO)nR8」は、何れも「−H」となり、化合物[V]はカルボン酸、またはその誘導体(例:エステル、塩など)の何れでもなくなるが、このようなものは本発明の化合物[V]に包含されない。
=1で、R8が炭化水素基の場合は、「−COOR8」(エステル)を示す。
すなわち、シクロアルケニルカルボン酸系化合物[V]は、カルボン酸またはその誘導体であり、カルボン酸としては、式(3a)〜(5b)に示すようなモノカルボン酸、あるいは式(8a)〜(8b)に示すようなモノカルボン酸(ジカルボン酸のモノエステル)が挙げられる。上記カルボン酸誘導体としては、これらのカルボン酸の金属塩が挙げられる。
[Va]{1,5,6−トリメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)−4−シクロ
ヘキセン−1−イル−カルボン酸}、
[Vb]{1,4,5−トリメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)−3−シクロ
ヘキセン−1−イル−カルボン酸}、
[Vc]{1,4−ジメチル−3−(3−メチル−2−ブテニル)−3−シクロヘキセン
−1−イル−カルボン酸}、
[Vd]{1,3−ジメチル−2−(3−メチル−2−ブテニル)―3−シクロヘキセン
−1−イル−カルボン酸}、
[Ve]{1−メチル−4−(4−メチル−3−ペンテニル)−4−シクロヘキセン−1
−イル−カルボン酸}、
[Vf]{1−メチル−3−(4−メチル−3−ペンテニル)−3−シクロヘキセン−1
−イル−カルボン酸}、
[Vg]{2−メトキシカルボニル−3−(2−メチル−1−プロペニル)−5,6−ジ
メチル−4−シクロヘキセン−1−イル−カルボン酸}、
[Vh]{2−カルボキシ−3−(2−メチル−1−プロペニル)−5,6−ジメチル−
4−シクロヘキセン−1−イル−カルボン酸メチル}、
で表されるものが挙げられる。
相手部材との付着性に優れ、可塑性のある塗膜が得られるという利点を有する。
新規ビシクロアルケニルカルボン酸系化合物[VI]:
R15、R16は、それぞれ水素原子または炭素数1〜10のアルキル基(特にR16は、場合によりイソプロピル基)を示す。
R17、R18、R19、R20は、それぞれ水素原子または炭化水素基(好ましくはC1〜10、より好ましくはC1〜5、特に好ましくはC1〜3のアルキル基。炭化水素基については以下同様のものが好ましい。)を示し、
m、n、kまたはlが0の場合は、それぞれに対応してR17、R18、R19またはR20は水素原子を示し、
m、n、kまたはlが1の場合は、それぞれに対応してR17、R18、R19またはR20は、水素原子または炭化水素基(好ましいものは同上)を示し、かつ下記要件(i)、(ii)を充足するものとする。
R14はメチル基を示し、k=l=0であり、R19およびR20は水素原子(H)を示す。
また、
(ii)R16がイソプロピル基である場合は、R11、R12およびR14は水素原子(H)を示し、R13はメチル基を示し、m=n=0である。(但し、何れの態様においても、R17とR18とが同時に炭化水素基であることはなく、また、R19とR20とが同時に炭化水素基であることはない。また、mとnとkとlの全てが同時に0であることはない。)。
本発明の好ましい態様では、上記式[VI]中、R11またはR16の何れか一方は、イソプロピル基を示し、かつ、式[VI]中のR11〜R22(R11を除く)、m、n、k、lは、それぞれ下記の関係を満たすものが望ましい。
基である場合<B>とに分けて好ましい態様を詳述する。
<A> R 11 がイソプロピル基である場合:
R11がイソプロピル基の場合には、式[VI]中のR12〜R22、m、n、k、lは、それぞれ下記のものを示す。
R14はメチル基を示し、
R15、R16は、上記式[V]中のR5、R6と同様に、それぞれ水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を示し、R5、R6の場合と同様のものが好ましい。
R17、R18は、上記式[V]中のR7、R8と同様に、それぞれ水素原子または炭化水素基(好ましいものは同上)を示す。(但し、R17およびR18が同時に炭化水素基であることはない。)
また、上記式[VI]中、k、lは0を示し、R19、R20は水素原子を示す。
4個存在する態様は包含されない。
」とが「−H」であることを考慮すると、化合物[VI]はカルボン酸等でなくなるが、このようなものは本発明の化合物[VI]に包含されない。)
R21、R22は、上記式[V]中のR5、R6と同様に、それぞれ水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を示す。
同上)である。
と同様に、m=0で、R17がH(水素原子)の場合は、「−H」を示し、また、m=1で、R17がH(水素原子)の場合は、カルボキシル基「−COOH」を示し、また、m=1で、R17が炭化水素基の場合は、「−COOR17」(エステル)を示す。
あり、nが1の場合、R18は水素原子または炭化水素基(好ましいものは同上)である。
よって「−(COO)nR18」についてみれば、前記式[V]中の「−(COO)nR8」(ある
いは「−(COO)mR7」)の場合と同様に、「−H」、カルボキシル基「−COOH」または「
−COOR8」(エステル)を示す。
(但し、R17およびR18が同時に炭化水素基であることはない。)。
−(COO)kR19」および「−(COO)lR20」の4箇所のうちで、「−(COO)kR19」および「−(COO)lR20」は、上記の通り「−H」を示すから、ビシクロアルケニルカルボン酸系
化合物[VI]は、モノ−カルボン酸またはその誘導体(塩)となり得るが、ジ−、トリ−、テトラ−カルボン酸等とはならない。
<B> R 16 がイソプロピル基である場合:
R16がイソプロピル基の場合には、式[VI]中のR12〜R22(R16を除く)、m、n、k、lは、それぞれ下記のものを示す。
R13はメチル基を示し、
R14は水素原子を示し、
R15は、上記と同様に、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を示す。
また、k、lは、それぞれ0または1の数(但しk、lが同時に0であることはない。)、好ましくは何れか一方が0で、他方が1を示す。
(COOH)などの存在個数は1〜2個止まりであり、3〜4個存在する態様は包含されない。
R21、R22は、上記R11がイソプロピル基の場合におけるR15、R16(あるいは上記式[V]中のR5、R6)と同様に、それぞれ水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を示す。
は水素原子であり、
kが1の場合、R19は水素原子または同上の炭化水素基である。
と同様に、k=0で、R19がHの場合は、「−H」を示し、また、k=1で、R19がHの場合
は、カルボキシル基「−COOH」を示し、また、k=1で、R19が炭化水素基の場合は、「
−COOR19」(エステル)を示す。
り、lが1の場合、R20は水素原子または同上の炭化水素基である。
よって「−(COO)lR20」についてみれば、上記R11がイソプロピル基の場合における
式[VI]中の「−(COO)mR17」の場合と同様に、「−H」、カルボキシル基「−COOH」または「−COOR8」(エステル)を示す。
(但し上記R11がイソプロピル基の場合と同様に、上記R16がイソプロピル基の場合においても式[VI]中のR19およびR20が同時に炭化水素基であることはない。)。}
このように、R16がイソプロピル基である場合<B>においても、上記R11がイソプロピル基の場合<A>と同様に、上記式[VI]中のカルボニルオキシ基(COO)を有し得る4
箇所のうちで、「−(COO)kR19」および「−(COO)lR20」は、上記の通り「−H」を示すから、ビシクロアルケニルカルボン酸系化合物[VI]は、モノ−カルボン酸またはその誘導体(金属塩)となり得るが、ジ−、トリ−、テトラ−カルボン酸等とはならない。
[VIb](1−i−プロピル−4−メチル−ビシクロ[2,2,2]2−オクテン−6−イル−カルボン酸))、
[VIc](6−i−プロピル−3−メチル−ビシクロ[2,2,2]2−オクテン−8
−イル−カルボン酸)または、
[VId](6−i−プロピル−3−メチル−ビシクロ[2,2,2]2−オクテン−7
−イル−カルボン酸)で表されるものが挙げられる。
本発明に係る防汚塗料用配合剤(A)は、不飽和カルボン酸と共役ジエン化合物との付加反応(ディールスアルダー付加反応)により形成された環式カルボン酸、環式カルボン酸誘導体(例:環式カルボン酸のエステル、金属塩など)のうちの何れか1種以上からなっている。
<新規シクロアルケニルカルボン酸、新規ビシクロアルケニルカルボン酸を
含む環式カルボン酸、それらの誘導体の製造>
本発明に係る上記新規シクロアルケニルカルボン酸、新規ビシクロアルケニルカルボン酸(両者をまとめて環式カルボン酸ともいう)またはそれらの塩の製造方法を含めて、本発明に係る環式カルボン酸、それらのエステルまたはそれらの塩の製造方法では、
[J]アロオシメン、オシメン、ミルセン、α−テルピネンおよびα−フェランドレンからなる群から選ばれた少なくとも1種のテルペン系ジエン化合物(共役ジエン化合物)と、
[K]α,β−不飽和モノカルボン酸、α,β−不飽和ジカルボン酸またはそのモノエステルからなる群から選ばれた少なくとも1種の不飽和カルボン酸、それらのエステルまたはそれらの塩(不飽和カルボン酸系化合物)と、
を付加反応させている。
また、上記共役ジエン化合物は、分子量54〜600の共役ジエンであることが得られる塗膜の防汚性と適切な消耗性の点で好ましい。
マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノプロピル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸モノフェネチル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノプロピル、フマル酸モノブチル、フマル酸モノペンチル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノプロピル、イタコン酸モノブチル、イタコン酸モノペンチル、シトラコン酸モノメチル、シトラコン酸モノエチル、シトラコン酸モノブチルなどの不飽和ジカルボン酸のハーフエステルであるモノアルキルエステル(アルキル基炭素数:C1〜20);マレイン酸モノフェニル、フマル酸モノ−ペンタクロロフェニルなどの不飽和ジカルボン酸のハーフエステルであるモノアリールエステルなどが挙げられる。
その他のジエノフィルとしては、p−ベンゾキノン等が挙げられる。
なお、本発明で使用されるジエノフィルとしては、上記不飽和カルボン酸の他、不飽和結合に隣接して、カルボニル基(このような基を有する化合物としては、p−ベンゾキノンなどが対応)、ニトリル基、ニトロ基、ハロゲン基、アセトキシ基、フェニル基、スルホン基、オキシメチル基、アミノメチル基、シアノメチル基などの活性基を有するものであってもよい。
下記式(1)で示され、シクロペンタジエン(CPD)とアクリル酸(AA)との付加反応により生成するビシクロ[2,2,1]2−ヘプテン−6−イル−カルボン酸「化合物A−1」などの単環式カルボン酸(1モルの質量Mw:138)、
下記式(2)で示され、シクロペンタジエン(CPD)と メタクリル酸(MAA)と
の付加反応により生成する6−メチル−ビシクロ[2,2,1]2−ヘプテン−6−イル−カルボン酸「化合物A−2」(Mw:152)などの単環式カルボン酸、
下記式(3)で示され、アロオシメンとメタクリル酸(MAA)との付加反応により生ずる1,5,6−トリメチル−3(2−メチル−1−プロペニル)4−シクロヘキセン−1−イル−カルボン酸「化合物A−3a」(Mw:222)、1,4,5−トリメチル−2(2−メチル−1−プロペニル)3−シクロヘキセン−1−イル−カルボン酸「化合物A−3b」(Mw:222)などの単環式カルボン酸、
下記式(4)で示され、オシメンとメタクリル酸(MAA)との付加反応により生ずる1,4−ジメチル−3(3−メチル−2−ブテニル)4−シクロヘキセン−1−イル−カルボン酸「化合物A−4a」(Mw:222)、1,3−ジメチル−2(3−メチル−2−ブテニル)3−シクロヘキセン−1−イル−カルボン酸「化合物A−4b」(Mw:222)などの単環式カルボン酸、
下記式(5)で示され、ミルセンとメタクリル酸(MAA)との付加反応により生ずる1−メチル−4(4−メチル−3−ペンテニル)4−シクロヘキセン−1−イル−カルボン酸「化合物A−5a」(Mw:222)、1−メチル−3(4−メチル−3−ペンテニル)3−シクロヘキセン−1−イル−カルボン酸「化合物A−5b」(Mw:222)などの単環式カルボン酸、
下記式(6)で示され、α−テルピネンとアクリル酸(AA)との付加反応により生ずる1−i−プロピル−4−メチル−ビシクロ[2,2,2]2−オクテン−5−イル−カ
ルボン酸「化合物A−6a」(Mw:208)、1−i−プロピル−4−メチル−ビシク
ロ[2,2,2]2−オクテン−6−イル−カルボン酸「化合物A−6b」(Mw:208)などの2環式カルボン酸、
下記式(7)で示される、α−フェランドレンとアクリル酸(AA)との付加反応により生ずる6−i−プロピル−3−メチル−ビシクロ[2,2,2]2−オクテン−8−イル−カルボン酸「化合物A−7a」(Mw:208)、6−i−プロピル−3−メチル−ビシクロ[2,2,2]2−オクテン−7−イル−カルボン酸「化合物A−7b」(Mw:208)などの2環式カルボン酸等が挙げられる。
5,6−ジメチル−4−シクロヘキセン−1−イル−カルボン酸}「化合物8a」(Mw:266)、
[Vh]:{2−カルボキシ−3−(2−メチル−1−プロペニル)−5,6−ジメチル
−4−シクロヘキセン−1−イル−カルボン酸メチル}「化合物8b」(Mw:266)などの単環式カルボン酸、等が挙げられる。(Mw:mole weightの略称。)
これら化合物(環式カルボン酸)は、通常、種々の異性体を含む混合物として得られ、単離の困難性、また異性体混合物を防汚塗料用配合剤として用いた場合の優れた特性、例えば、塗料、塗膜内で結晶化が抑制され、付着性に優れ、可塑性のある塗膜が得られるなどの特性を考慮して、それらの混合物の形態(状態)で用いられることが多い。
ー反応により合成できる。共役ジエン化合物と不飽和カルボン酸を反応させる際には触媒を使用することが好ましく、触媒としては、例えば、活性白土、ヘテロポリ酸などの固体酸が挙げられる。上記反応に際しては、共役ジエン化合物と不飽和カルボン酸に、例えば、活性白土の如き触媒を、共役ジエン化合物に対して0.01〜2重量%、好ましくは0.05〜0.5重量%の量で加え、反応温度:60〜100℃、好ましくは70〜90℃の温度で、反応時間:6〜60時間、好ましくは12〜40時間で、圧力:0.8〜10
気圧、好ましくは0.9〜5気圧の条件下で反応させることにより、本発明に係る環式カルボン酸(通常、異性体混合物)が含まれた反応生成物を得ることができる。
これらの環式カルボン酸のうちで、付番(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)は新規物質である。
PD)への(メタ)アクリル酸の付加方向・位置により、またエンド体/エキソ体の生成
により、下記の4種の異性体がそれぞれ存在する。
また、上記カルボン酸製造用の原料としてアロオシメンを用いる場合、このアロオシメン自体が下記のような3種の異性体の混合物である。
リールエステル等の炭化水素エステルが挙げられる。
このような熱処理をすると、たとえば、環式カルボン酸の分子間で反応が起こり、不均化物が得られる場合もある。なお、このような不均化物も本発明の環式カルボン酸の誘導体として使用し得ることはいうまでもない。
環式カルボン酸のディールスアルダー付加物としては、環式カルボン酸の炭素炭素二重結合に、炭素数4〜50、好ましくは4〜20のジエン成分が付加して形成する化合物を挙げることができる。
示し、Mは金属原子、xは金属原子の価数を示す。)で表される。
環式カルボン酸の金属塩または環式カルボン酸誘導体の金属塩としては、環式カルボン酸または上記環式カルボン酸誘導体(金属塩を除く)と、亜鉛、カルシウム、銅、マグネシウム、ストロンチウム、マンガン、ニッケル等の金属またはこれらの金属原子が含まれた金属化合物との反応で形成される金属塩が挙げられる。このような中でも、特に、亜鉛
または銅の金属塩が、塗膜消耗性および防汚性の点から好ましい。
[複分解法]
複分解法は、これらのカルボン酸のナトリウム塩、カリウム塩などの(水)溶液中に金属塩(硫酸銅など)の水溶液を入れ、複分解してカルボン酸金属塩を生成させ、溶媒抽出などの方法で精製する方法である。
[熔融法]
熔融法は、金属の酸化物、酢酸塩、水酸化物などを金属担体のカルボン酸と加熱することにより、水あるいは酢酸を留去してカルボン酸金属塩を得る方法である。
[直接法]
直接法は、金属そのものと、カルボン酸とを直接反応させて、カルボン酸金属塩を得る方法である。
例えば、カルボン酸亜鉛塩は、亜鉛華(酸化亜鉛)とこれらのカルボン酸を混合することで容易に得ることができる。
この方法では、金属塩の生成速度を高めるために、水を添加してもよく、また反応により生成する水や添加した水分を除去するために適宜公知の脱水剤を使用してもよい。
本発明に係る防汚塗料組成物には、上記の防汚塗料用配合剤((A)または(AD)と記す。)と、自己研磨型防汚塗料用共重合体(B)とが含有されている。
この塗膜形成成分である自己研磨型防汚塗料用共重合体(B)としては、重合性不飽和カルボン酸ヒドロキシ金属塩系共重合体(B-a)および/または「金属原子に直接結合したヒドロキシル基(−OH)不含の重合性不飽和カルボン酸金属化合物から誘導される成分単位を含有する重合性不飽和カルボン酸金属化合物系共重合体」(B-b)が用いられる。
結合したヒドロキシル基(−OH)不含の重合性不飽和カルボン酸金属化合物から誘導される成分単位を含有する重合性不飽和カルボン酸金属化合物系共重合体」(B-b)としては、金属原子に結合したヒドロキシ基(ヒドロキシル基)不含の(メタ)アクリル酸金属塩系共重合体(ii)が好ましく用いられる。
−209005号公報、特開平9−286933号公報などに記載されているような樹脂:Rp−COOM−OH(式中、Rp:基体樹脂、M:2価金属原子である亜鉛原子、銅原子。)等を用いることができる。
0044]欄に記載の樹脂などを用いることができる。
式:R1−COOM−OH・・・・・[I]
{式[I]中、R1は、CH2=C(CH3)−、CH2=CH−、HOOC−CH=CH−、
HOOC−CH=C(CH3)−の不飽和結合を含有する有機基を示し、−COOHは金
属塩またはエステルを形成していてもよい。Mは、金属原子例えば、Zn、Cuを示す。}
で表される重合性不飽和カルボン酸ヒドロキシ金属塩から誘導される成分単位を分子内に有する共重合体であることが好ましい。
成分単位を含有する(メタ)アクリル酸ヒドロキシ金属塩系共重合体であることが望ましく、特に上記(メタ)アクリル酸ヒドロキシ金属塩系共重合体中の金属原子Mが亜鉛(Zn)、銅(Cu)であることが好ましく、さらにはMが亜鉛(Zn)である(メタ)アク
リル酸ヒドロキシ亜鉛塩から誘導される成分単位を含有する(メタ)アクリル酸ヒドロキシ亜鉛塩系共重合体であることが塗膜の物性の点で望ましい。
式:R1−COO−M−Ln・・・・・[II]
{式[II]中、R1は、CH2=C(CH3)−、CH2=CH−、HOOC−CH=CH−、HOOC−CH=C(CH3)−のうちの何れかの不飽和結合含有有機基を示し、−CO
OHは金属塩またはエステルを形成していてもよい。Mは、金属原子、好ましくはSi以外の金属原子を示し、
Lは、有機酸残基「−OCOR2 」(R2は、アルキル基好ましくはC1〜25のアル
キル基、シクロアルキル基、芳香族炭化水素基好ましくはフェニル基、アラルキル基を示し、これらの基は置換基を有していてもよい。またこの有機酸残基としては、有機酸の1種である本発明の新規シクロアルケニルカルボン酸系化合物[V]、新規ビシクロアルケニルカルボン酸系化合物[VI]由来の有機酸残基であってもよい。)を示し、このLは、R1と同一でも異なっていてもよい。
で表される重合性不飽和カルボン酸金属化合物から誘導される成分単位を分子内に有する共重合体が挙げられる。
イ))と共重合可能な「他の単量体」(ロ)を共重合してなり、(メタ)アクリル酸金属化
合物(イ)成分単位が通常0.01〜99.99重量%、好ましくは2〜50重量%の量で含まれ、この単量体(イ)と共重合可能な他の単量体(ロ)成分単位が残部量すなわち99.99〜0.01重量%好ましくは98〜50重量%(但し、(イ)+(ロ)の合計は100重量%)で含まれているものが挙げられる。
<重合性不飽和カルボン酸金属塩系共重合体(B1)>
上記式[II]中、例えば、MがCu、Zn、Mgなど、Si以外の金属原子である場合には、このような(メタ)アクリル酸金属化合物(モノマー)は、下記式(B-11)で表さ
れる。
[式(B-11)中、R1、M、L、nは、それぞれ式[II]の場合と基本的には同様である。特に、この式(B-11)では、R1は、上記式[II]の場合と同様の有機基を示し、MはCu、Zn、Mgなど、Si以外の上記金属を示し、LはR1と同一でも異なっていてもよ
い同上の有機基であり、好ましくは上記カルボン酸残基(−OCOR2)を示し、nは上
記に同じ。]
上記式(B-11)中、Lがカルボン酸残基(−OCOR2)である場合、このような基を誘導し得るカルボン酸(HOCOR2)としては、鎖状でも、脂環、芳香環などを有して
いてもよく、主に1価のカルボン酸であるプロピオン酸、吉草酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアリン酸、バーサチック酸、アビエチン酸(ロジン中に含有される酸)、ナフテン酸、(メタ)アクリル酸、安息香酸、本発明の前記新規シクロアルケニルカルボン酸系化合物[V]、新規ビシクロアルケニルカルボン酸系化合物[VI]などが挙げられる。
には、例えば、
メタクリル酸亜鉛:[(CH2=C(CH3)−COO−)2Zn]、アクリル酸亜鉛:
[(CH2=CH−COO−)2Zn]、メタクリル酸マグネシウム:[(CH2=C(C
H3)−COO−)2 Mg]、アクリル酸マグネシウム:[(CH2=CH−COO−)2
Mg]、メタクリル酸銅:[(CH2=C(CH3)−COO−)2Cu]、アクリル酸銅
:[(CH2=CH−COO−)2 Cu]、バーサチック酸亜鉛メタクリレート:[(C
H2=C(CH3)−COO−)(( C3H7)3C−COO−)Zn]、バーサチック酸亜鉛アクリレート:[(CH2=CH−COO−)(( C3H7)3C−COO−)Zn]、
ナフテン酸亜鉛メタクリレート:[(CH2=C(CH3)−COO−)(ナフテン酸残基)Zn]、ナフテン酸亜鉛アクリレート:[(CH2=CH−COO−)(ナフテン酸残
基)Zn]、安息香酸亜鉛メタクリレート:[(CH2=C(CH3)−COO−)((
C6H5)COO−)Zn]、安息香酸亜鉛アクリレート:[(CH2=CH−COO−)
(( C6H5)COO−)Zn]、安息香酸マグネシウムメタクリレート:[(CH2=C(CH3)−COO−)(C6H5COO−)Mg]、バーサチック酸マグネシウムアクリ
レート:[(CH2=CH−COO−)(( C3H7)3C−COO−)Mg]、バーサチ
ック酸銅メタクリレート:[(CH2=C(CH3)−COO−)((C3H7)3C−CO
O−)Cu]、安息香酸銅メタクリレート:[(CH2=C(CH3)−COO−)((
C6H5)COO−)Cu]、ナフテン酸銅メタクリレート:[(CH2=C(CH3)−COO−)(ナフテン酸残基)Cu]、ナフテン酸銅アクリレート:[(CH2=CH−C
OO−)(ナフテン酸残基)Cu]等あるいはそれらの水和物等を例示することができる。
)アクリレート、i-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、i-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート等の脂肪族系の単量体;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、等の脂環族系の単量体;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、等の芳香族系単量体;等が挙げられる。
ロキシエチル(メタ)アクリレートとエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、γ-
ブチルラクトン、ε-カプロラクトン等との付加物;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の2〜3量体;グリセロール(
メタ)アクリレート等の水酸基を複数個有する単量体;等が挙げられる。
チルスチレン、(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等が挙げられる。
ロ)は、それぞれ1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
このような単量体(イ)および(ロ)は、炭素−炭素不飽和結合部位で共重合して、(メタ)アクリル酸金属化合物系共重合体を形成している。該共重合体中において、これら単量体(イ)、(ロ)から誘導される成分単位(イ)、(ロ)は、ランダムあるいはブロックに配列していてもよく、通常ランダムに配列していることが多い。
の量で含まれていることが望ましい。この(メタ)アクリル酸金属化合物系共重合体が、このような範囲内で防汚塗料組成物中に含まれる場合、塗膜表面が長期にわたり安定した消耗性及び防汚性に優れる傾向にある。
ロ)を、t−ブチルパーオキシオクトエート、AIBN等のラジカル重合開始剤の存在下
に重合させて、上記不飽和二重結合含有カルボン酸(イ-1)由来のカルボキシル基を側鎖末端に有する共重合体を形成させる。
、側鎖末端にカルボン酸残基等の末端基(L)を導入可能なプロピオン酸、吉草酸、オレイン酸、リノール酸等のカルボン酸と、水(純水)とを反応器に入れ、60〜180℃の温度で、1〜10時間反応させた後、110〜120℃に昇温して副生する反応水などを分離除去することにより、側鎖に「−COO−M−Ln、M,Ln:同上」が導入された加水分解性の(メタ)アクリル酸金属化合物系共重合体が得られる。
次に、上記共重合体(B)が重合性不飽和カルボン酸シリルエステル系共重合体である場合について説明する。
R1−COO−Si−L3・・・・・(B-12)
[式(B-12)中、R1は、上記[II]の場合と同様の有機基を示し、Lは、互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ、炭素数1〜25、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜10で分岐を有していてもよい鎖状アルキル基;シクロアルキル基;芳香族炭化水素基、好ましくはフェニル基;同上のアルキル基のアルキルシリルオキシ基の何れかを示し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
で表される重合性不飽和カルボン酸シリルエステル(モノマー)となる。
すなわち、R1は、CH2=C(CH3)−、CH2=CH−、HOOC−CH=CH−、HOOC−CH=C(CH3)−で表される不飽和結合含有有機基を示し、−COOHは
金属塩またはエステルを形成していてもよい。
、水素原子;炭素数1〜25、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜10で分岐を有していてもよい鎖状アルキル基;シクロアルキル基;芳香族炭化水素基、好ましくはフェニル基;同上のアルキル基のアルキルシリルオキシ基の何れかを示し(これらの基は置換基を有していてもよい)、好ましくは、
これらL1、L2、L3は、互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ、炭素数1〜
25、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜18、さらに好ましくは1〜10、特に好ましくは1〜6で分岐を有していてもよい鎖状アルキル基;好ましくは炭素数3〜10、さらに好ましくは3〜8のシクロアルキル基;置換基を有していてもよいフェニル基;の何れかを示す。これらのLは、R1と同一でも異なっていてもよい。
シレート単量体およびこれと共重合可能な不飽和単量体からそれぞれ誘導される成分単位を分子内に有する共重合体である。
(式[IIIA]中のR1、L1、L2、L3は上記に同じ。なお、3個のL、すなわちL1、L2
、L3は、それぞれ下記式[III]中のR12、R13、R14と同様のものである。)
以下、この重合性不飽和カルボン酸シリルエステル(B-12)から誘導される成分単位
を含有する重合性不飽和カルボン酸シリルエステル系共重合体(B2)(シリルエステル共重合体とも言う。)について詳説する。
(a)重合性不飽和カルボン酸シリルエステルから誘導される成分単位
重合性不飽和カルボン酸シリルエステルとしては、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和モノカルボン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコ二塩基酸などα,β-不飽和ジカルボン酸などのシリルエステル、またα,β−不飽和ジカルボン酸のハーフエステルのシリルエステルが挙げられる。
このようなシリル(メタ)アクリレート(系)成分単位を誘導しうるシリル(メタ)アクリレート(類)は、下記式(III-a0)で表される。
ものであって、水素原子またはメチル基を示し、R12、R13、R14も上記式[III]中のR12、R13、R14と同様のものであって、互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ上
記と同様の水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、アルキルシリルオキシ基の何れかを示す。
(メタ)アクリル酸トリメチルシリルエステル、(メタ)アクリル酸トリエチルシリルエステル、(メタ)アクリル酸トリプロピルシリルエステル、(メタ)アクリル酸トリイソプロピルシリルエステル、(メタ)アクリル酸トリブチルシリルエステル、(メタ)アクリル酸トリsec-ブチルシリルエステル、(メタ)アクリル酸トリiso-ブチルシリルエステル等のようにR12、R13およびR14が同一のシリル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸ジsec−ブチル−メチルシリルエステル、(メタ)アクリル酸sec-ブチル−ジメチルシリルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルプロピルシリルエステル、(メタ)アクリル酸モノメチルジプロピルシリルエステル、(メタ)アクリル酸メチルエチルプロピルシリルエステル等のようにR12、R13およびR14のうちの1部または全部が互いに異なったシリル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
このようなシリル(メタ)アクリレートのうちでは、R12、R13およびR14が、それぞれ独立にメチル基、エチル基、n−、iso-プロピル基、sec-,tert-,iso-ブチル基等の
炭素数が1〜18程度のアルキル基であるものが好ましく、さらにはR12が分岐アルキル基またはシクロアルキルであるものが好ましい。R13およびR14は、R12と同一であっても異なっていてもよい。さらには、R12、R13およびR14の総炭素数が5〜21程度のものが好ましい。このようなシリル(メタ)アクリレートのうちでは、特にシリル(メタ)アクリレート共重合体合成の容易性、あるいはこのようなシリル(メタ)アクリレート共重合体を用いてなる防汚塗料組成物の造膜性、貯蔵安定性、研掃性の制御のしやすさなどを考慮すると、(メタ)アクリル酸トリiso-プロピルシリルエステル、(メタ)アクリル酸トリiso-ブチルシリルエステル、(メタ)アクリル酸ジsec-ブチル−メチルシリルエステル、(メタ)アクリル酸sec-ブチル−ジメチルシリルエステル、(メタ)アクリル酸トリsec-ブチルシリルエステルが最も好ましく用いられる。
本発明では、上記(a)重合性不飽和カルボン酸シリルエステルから誘導される成分単位
とともに、(b)極性基含有(メタ)アクリレートから誘導される成分単位を有しているこ
とが望ましい。なお。必ずしも(b)成分単位はシリルエステル共重合体中に含まれている
必要はない。
Zが酸素原子である場合には、R16は置換基を有していてもよいヒドロキシアルキル基、ヒドロキシシクロアルキル基または式:―(R18O)nHで表されるポリアルキレングリ
コール基(ただし、R18は、アルキレン基であり、nは2〜50の整数を示す)または式:−(RxO)nRyで表されるアルコキシポリアルキレングリコール基(ただし、Rxはアルキレン基であり、Ryはアルキル基でありnは1〜100の整数を示す)を示し、
Zが−NR17である場合には、R17は、ハロゲン、ヒドロキシル基、アミノ基、置換アミノ基、アシル基、アルコキシ基の何れかで置換されていてもよいアルキル基を示し、R16は水素原子を示す。]
上記式[IV]中のヒドロキシアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜18、さらに好ましくは2〜9であり、また上記ヒドロキシシクロアルキル基の炭素数は、好ましくは3〜10、さらに好ましくは3〜8であり、上記ポリアルキレングリコール基中のアルキレン基の炭素数は、好ましくは1〜8、さらに好ましくは2〜4である。アルコキシポリアルキレングリコール基中のアルキレン基の炭素数は、好ましくは1〜8、さらに好ましくは2〜4であり、アルキル基の炭素数は1〜8、さらに好ましくは2〜4でありアルキル基は環状構造を形成していてもよい。置換アミノ基としては、炭素数1〜6のモノまたはジアルキルアミノ基が挙げられ、アシル基としては炭素数1〜6のアルカノイル基、炭素数1〜6のアルコキシ基などが挙げられる。
される。
コール基(ただし、R18は、アルキレン基であり、nは2〜50の整数を示す)または式:−(RxO)nRyで表されるアルコキシポリアルキレングリコール基(ただし、Rxはアルキレン基であり、Ryはアルキル基でありnは1〜100の整数を示す)を示し、
Zが−NR17である場合には、R17は、ハロゲン、ヒドロキシル基、アミノ基、置換アミノ基、アシル基、アルコキシ基の何れかで置換されていてもよいアルキル基を示し、R16は水素原子を示す。]
このような不飽和単量体(IV-a)としては、式(IV-a)中、Zが酸素原子であるものの場合には、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、6−ヒドロキシヘキシルアクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート(n=2)、ポリエチレングリコールモノメタクリレート(n=4)、ポリエチレングリコールモノメタクリレート(n=5)、ポリエチレングリコールモノメタクリレート(n=8)、ポリエチレングリコールモノメタクリレート(n=10)、ポリエチレン
グリコールモノメタクリレート(n=15)、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(n=5)、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(n=9)、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(n=12)、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(n=45)等が挙げられる。
、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−エトキシメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等が挙げられる。
る。
これらの不飽和単量体(IV-a)のうちでは、ヒドロキシル基含有モノマーが好ましく、
ヒドロキシル基含有モノマーのうちでは2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレートなどを用いると、適度の溶出性を有する防汚塗膜が得られるため好ましい。
シリルエステル共重合体は、通常、上記成分単位(a)および上記成分単位(b)とともに不飽和単量体成分単位(c)を含有している。この不飽和単量体成分単位(c)は、上記成分単位(a)、(b)の何れとも異なる成分単位である。
スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のスチレン類;
酢酸ビニル、安息香酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;
クロトン酸エステル類、イタコン酸エステル類、フマル酸エステル類、マレイン酸エステル類等が挙げられ、これらのうちでは、(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン類、ビニルエステル類が適度の塗膜強度を有する防汚塗膜が得られるため好ましい。
本発明では、シリルエステル共重合体(B2)中に、上記重合性不飽和カルボン酸シリルエステル成分単位(a)は、20〜80重量%、好ましくは30〜70重量%の量で、極性基
含有(メタ)アクリレート成分単位(b)は0〜40重量%、好ましくは0.01〜20%
の量で、その他の不飽和単量体成分単位(c)は5〜80重量%、好ましくは10〜60重
量%((a)+(b)+(c)=100重量%)の量で含まれていることが、塗膜強度と消耗性の
点で望ましい。
このようなシリル(メタ)アクリレート共重合体(B2)を得るには、上記式(III-a0)で表されるシリル(メタ)アクリレート(a1)20〜80重量%と、上記式(IV-a)で表される
不飽和単量体(b1)0〜40重量%と、上記単量体(III-a0)および(IV-a)と共重合しうる他の不飽和単量体(c1)5〜80重量%(ただし(a1)+(b1)+(c1)=100重量%)をラジカル重合開始剤の存在下に、溶液重合、塊状重合、乳化重合、懸濁重合等の各種方法にてランダム重合させればよい。また、このような重合の際には、連鎖移動剤などを用いてもよい。
過酸化物としては、たとえば、過酸化ベンゾイル、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシオクテート、クメンハイドロパーオキサイド、tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、過硫酸塩(カリ塩、アンモニウム塩)等が挙げられる。
上記重合物を防汚塗料に用いる場合には、上記各種重合法のうちでは、有機溶剤中で重合が行われる溶液重合法や塊状重合法が好ましく、溶液重合の際用いられる有機溶剤としては、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素類;
ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;
酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;
イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール類;
ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル類;
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;
等が挙げられる。これらの溶剤は、1種または2種以上組み合わせて用いられる。
本発明では、シリルエステル共重合体(B2)として、
下記式(III-a)で表されるシリル(メタ)アクリレート成分単位(d):
下記式(III-b)で表されるシリル(メタ)アクリレート成分単位(e):
を含むシリル(メタ)アクリレート共重合体を使用することもできる。
、(e)、(f)について順次説明する。
シリル(メタ)アクリレート成分単位(d)
シリル(メタ)アクリレート成分単位(d)は、下記式(III-a)で表される。
、R20は、水素原子またはメチル基を示し、R21およびR22は、それぞれ独立に、炭素数が1〜10、好ましくは1〜8、さらに好ましくは1〜6の直鎖アルキル基または置換されていてもよいフェニル基またはトリメチルシリルオキシ基を示す。直鎖アルキル基としては、たとえば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基が挙げられる。
R23は、環構造または分岐を有していてもよい炭素数が1〜18、好ましくは1〜12、さらに好ましくは1〜9のアルキル基、炭素数が6〜10、好ましくは6〜8の置換されていてもよいフェニル基、またはトリメチルシリルオキシ基:「(CH3)3SiO−」である。
iso-プロピル基、iso-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、neo-ペンチル基等の
分岐状アルキル基;
シクロヘキシル基、エチリデンノルボニル基等の脂環構造(シクロヘキサン環、ノルボルナン環)を有する脂環式アルキル基;
等が挙げられる。
リレート(d1)は、下記式(III-a-1)で表される。
R0、R20、R21〜R23と同様のものである。
このようなシリル(メタ)アクリレート(III-a-1)としては、具体的には、たとえば、
(メタ)アクリル酸トリメチルシリルエステル、
(メタ)アクリル酸トリエチルシリルエステル、
(メタ)アクリル酸トリn−プロピルシリルエステル、
(メタ)アクリル酸トリn−ブチルシリルエステル、
(メタ)アクリル酸トリn−ペンチルシリルエステル、
(メタ)アクリル酸トリn−ヘキシルシリルエステル、
(メタ)アクリル酸トリn−ヘプチルシリルエステル、
(メタ)アクリル酸トリn−オクチルシリルエステル、
(メタ)アクリル酸トリn−ノニルシリルエステル、
(メタ)アクリル酸トリn−デシルシリルエステルのようにR21、R22、R23が同一の脂肪族系シリル(メタ)アクリレート類;
(メタ)アクリル酸トリフェニルシリルエステルの他、(メタ)アクリル酸トリス(トリメチルシリルオキシ)シリルエステル等のR21、R22、R23が同一の芳香族系あるいはシロキサン系シリル(メタ)アクリレート類;
(メタ)アクリル酸ジメチルn−プロピルシリルエステル、
(メタ)アクリル酸イソプロピルジメチルシリルエステル、
(メタ)アクリル酸ジn-ブチル-iso-ブチルシリルエステル、
(メタ)アクリル酸n-ヘキシル−ジメチルシリルエステル、
(メタ)アクリル酸sec-ブチル−ジメチルシリルエステル、
(メタ)アクリル酸モノメチルジn-プロピルシリルエステル、
(メタ)アクリル酸メチルエチルn-プロピルシリルエステル、
(メタ)アクリル酸エチリデンノルボルニル−ジメチルシリルエステル、
(メタ)アクリル酸トリメチルシリルオキシ−ジメチルシリルエステル(CH2=C(CH3)COOSi(CH3)2(OSi(CH3)3)、CH2=CHCOOSi(CH3)2(OSi(CH3)3)
)等のようにR21、R22およびR23のうちの一部または全部が互いに異なった脂肪族系のシリル(メタ)アクリレート類;
等が挙げられる。
み合わせて用いることができる。
(シリル(メタ)アクリレート成分単位(e))
シリル(メタ)アクリレート成分単位(e)は、下記式(III-b)で表される。
R26は、炭素数が1〜10、好ましくは1〜8、さらに好ましくは1〜6の直鎖アルキル基、炭素数が3〜10、好ましくは3〜9の分岐またはシクロアルキル基、または炭素数が6〜10、好ましくは6〜8の置換されていてもよいフェニル基、またはトリメチルシリルオキシ基を示す。
これらのうちでは、R24、R25、R26としては、互いに同一でも異なっていてもよいが、同一の場合には、iso-プロピル基、sec-ブチル基、iso-ブチル基が好ましく、特に、iso-プロピル基、sec-ブチル基が好ましい。
、イソプロピル基、n-ブチル基、iso-ブチル基、トリメチルシリルオキシ基が好ましい。
リレート(e1)は、下記式(III-b-1)で表される。
このようなシリル(メタ)アクリレート(III-b-1)としては、具体的には、たとえば、
(メタ)アクリル酸トリiso-プロピルシリルエステル、
(メタ)アクリル酸トリiso-ブチルシリルエステル、
(メタ)アクリル酸トリsec-ブチルシリルエステルのようにR24、R25およびR26が同一のシリル(メタ)アクリレート;
(メタ)アクリル酸ジiso-プロピル−シクロヘキシルシリルエステル、
(メタ)アクリル酸ジiso-プロピル−フェニルシリルエステル、
(メタ)アクリル酸ジiso-プロピル−トリメチルシロキシシリルエステル、
(メタ)アクリル酸ジsec-ブチル−メチルシリルエステル、
(メタ)アクリル酸ジsec-ブチル−エチルシリルエステル、
(メタ)アクリル酸ジsec-ブチル−トリメチルシリルオキシシリルエステル、
(メタ)アクリル酸iso-プロピル−sec-ブチル−メチルシリルエステルのようにR24、R25およびR26のうちの1部または全部が互いに異なったシリル(メタ)アクリレート;などが挙げられる。
2種以上組み合わせて用いることができる。
このようなシリル(メタ)アクリレートのうちでは、特にシリル(メタ)アクリレート共重合体合成の容易性、あるいはこのようなシリル(メタ)アクリレート共重合体を用いてなる防汚塗料組成物の造膜性、貯蔵安定性、研掃性の制御のしやすさなどを考慮すると、シリル(メタ)アクリレート(III-b-1)のうちの、
(メタ)アクリル酸トリメチルシリルエステル、
(メタ)アクリル酸トリエチルシリルエステル、
(メタ)アクリル酸トリn-プロピルシリルエステル、
(メタ)アクリル酸トリn-ブチルシリルエステル、
(メタ)アクリル酸n-ヘキシル−ジメチルシリルエステル、
(メタ)アクリル酸n-オクチル−ジメチルシリルエステル、
(メタ)アクリル酸iso-プロピル−ジメチルシリルエステル、
(メタ)アクリル酸エチリデンノルボルニル−ジメチルシリルエステル、
(メタ)アクリル酸トリメチルシリルオキシ−ジメチルシリルエステル、
(メタ)アクリル酸ビス(トリメチルシリルオキシ)−メチルシリルエステル、(メタ)アクリル酸トリス(トリメチルシリルオキシ)シリルエステルから選択される何れか1種または2種以上と、
シリル(メタ)アクリレート(III-b-1)のうちの、
(メタ)アクリル酸トリiso-プロピルシリルエステル、
(メタ)アクリル酸トリiso-ブチルシリルエステル、
(メタ)アクリル酸トリsec-ブチルシリルエステル、
(メタ)アクリル酸ジsec-ブチル−メチルシリルエステル、
(メタ)アクリル酸ジiso-プロピル−トリメチルシリルオキシシリルエステル、
(メタ)アクリル酸ジsec-ブチル−トリメチルシリルオキシシリルエステルから選択される何れか1種または2種以上と、
を組み合わせて用いることが好ましい。
シリル(メタ)アクリレート(III-b-1)のうちの、(メタ)アクリル酸トリn-ブチルシ
リルエステルと、
シリル(メタ)アクリレート(III-b-1)のうちの、(メタ)アクリル酸トリiso-プロピルシリルエステルとを組み合わせて用いることが好ましい。
(不飽和単量体成分単位(f))
不飽和単量体成分単位(f)は、上記成分単位(d)および上記成分単位(e)と共に本発明の
シリル(メタ)アクリレート共重合体を構成しており、しかも上記成分単位(d)、(e)の何れとも異なる成分単位であって、このような不飽和単量体成分単位(f)を誘導しうる不飽
和単量体(f1)としては、前記式(IV-a)で表される(b)極性基含有(メタ)アクリレートまたは前記不飽和単量体成分単位(c)を誘導しうる不飽和単量体(c-1)が挙げられる。
シル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の疎水性(メタ)アクリル酸エステル類;
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、アルコキシポリエチレングリコールモノ(
メタ)アクリレート、アルコキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の
親水性(メタ)アクリル酸エステル類;
スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のスチレン類;
酢酸ビニル、安息香酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類
;
イタコン酸エステル群、マレイン酸エステル群等の有機カルボン酸エステル類;
等が挙げられ、これらのうちでは、(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン類、有機カルボン酸ビニルエステル類が適度の塗膜強度を有する防汚塗膜が得られるため好ましい。
本発明においてはシリル(メタ)アクリレート共重合体には、上記シリル(メタ)アクリレート成分単位(d)は、0.5〜50重量%、好ましくは0.5〜25重量%の量で、
シリル(メタ)アクリレート成分単位(e)は10〜70重量%、好ましくは30〜65重
量%の量で、上記(d)及び(e)以外の不飽和単量体成分単位(f)は20〜70重量%、好ま
しくは30〜60重量%((d)+(e)+(f)=100重量%)の量で含まれていることが、
塗膜へのクラックの発生防止、塗膜の耐剥離性、塗膜強度、消耗性の点で望ましい。
このようなシリル(メタ)アクリレート共重合体(B2−1)を得るには、上記式(III-a-1)で表されるシリル(メタ)アクリレート(d1)0.5〜50重量%と、上記式(III-b-1)で表されるシリル(メタ)アクリレート(e1)10〜70重量%と、上記単量体(d1)および(e1)と共重合しうる他の不飽和単量体(f1)20〜70重量%(ただし(d1)+(e1)+(f1)=100重量%)をラジカル重合開始剤の存在下に、溶液重合、塊状重合、乳化重合、懸濁重合等の各種方法にてランダム重合させればよい。また、このような重合の際には、前述したような連鎖移動剤などを用いてもよい。
トリル、2,2'-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロ
ニトリル)等が挙げられ、
過酸化物としては、たとえば、過酸化ベンゾイル、tert-ブチルパーオキシアセテート
、tert-ブチルパーオキシオクテート、クメンハイドロパーオキサイド、tert-ブチルパーオキサイド、tert-ブチルパーオキシベンゾエート、tert-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、tert-ブチルハイドロパーオキサイド、過硫酸塩(カリ塩、アンモニウム
塩)等が挙げられる。
ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;
酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;
イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール類;
ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル類;
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;
等が挙げられる。これらの溶剤は、1種または2種以上組み合わせて用いられる。
すなわち、本発明に係る防汚塗料組成物は、上記防汚塗料用配合剤(A)、上記自己研磨型防汚塗料用共重合体(B)を必須成分として含有しているが、この(A)成分および(B)成分以外に、防汚剤(C)(特に、(C1)銅および/または銅化合物、(C2)有機防汚剤)、酸化亜鉛(亜鉛華)(D)、脱水剤(E)、タレ止め・沈降防止剤、ロジン等の溶出促進成分(F)、着色顔料、体質顔料などの各種顔料、アクリル樹脂、ポリアルキルビニルエーテル(ビニルエーテル系(共)重合体)(G)などの各種樹脂、塩素化パラフィン等の可塑剤(H)、消泡剤、色別れ防止剤、レベリング剤、溶剤などの各種添加剤などのような成分を含有していてもよい。
[防汚剤(C)]
防汚剤(C)としては、無機系、有機系の何れであってもよく、従来より公知のものを広く用いることができるが、本発明においては、特に、銅および/または銅化合物(C1)、有機防汚剤(C2)が好ましい。
本発明で用いられる銅化合物(C1)としては、無機系の銅化合物であれば何れであってもよく、このうち無機系の銅化合物としては、たとえば、亜酸化銅、チオシアン酸銅(チオシアン酸第一銅、ロダン銅)、塩基性硫酸銅、塩化銅、酸化銅等が挙げられ、好ましくは亜酸化銅、チオシアン化銅(ロダン銅)が用いられる。
このような銅および/または銅化合物(C1)は、本発明の防汚塗料組成物100重量%中に、合計で通常、1〜70重量%、好ましくは3〜65重量%の割合で含まれていることが望ましい。また防汚塗料組成物中に含まれる自己研磨型防汚塗料用共重合体(B)(不揮発分)好ましくはシリルエステル系共重合体(B)(不揮発分)100重量部に対して、該銅および/または銅化合物(C1)は、合計で通常、3〜1400重量部、好ましくは10〜1300重量部の量で含まれていることが望ましい。
本発明においては、防汚剤として、上記銅および/または銅化合物(C1)とともに、あるいは上記銅および/または銅化合物(C1)に代えて、有機防汚剤(C2)を用いることができる。有機防汚剤(C2)としては、たとえば、金属ピリチオン類、有機銅化合物などを用いることができるが、特に金属ピリチオン類が好ましい。
テトラメチルチウラムジサルファイド、カーバメート系の化合物(例:ジンクジメチルジチオカーバメート、マンガン-2-エチレンビスジチオカーバメート)、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル、N,N−ジメチルジクロロフェニル尿素、2−メチルチオ−4−tert−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ-s-トリアジン、4,
5−ジクロロ-2-n-オクチル-4−イソチアゾリン−3−オン、2,4,6−トリクロロ
フェニルマレイミド、ピリジン-トリフェニルボラン、アミン−トリフェニルボラン等を
挙げることができる。
、被膜形成性共重合体などの種類あるいはこのような防汚塗料組成物が塗布形成される船舶等の種類(船舶では、外航−内航用、各種海水域用、木造−鋼鉄船用等)などにもより一概に決定されないが、上記自己研磨型防汚塗料用共重合体(B)(不揮発分)好ましくはシリルエステル系共重合体(B)(不揮発分)100重量部に対して、防汚剤総量として通常10〜1400重量部の量で、好ましくは20〜1300重量部の量で含有されていることが望ましい。
たとえば、防汚塗料組成物の防汚剤として銅ピリチオンと亜酸化銅(Cu2O)とを組
み合わせて用いる場合、銅ピリチオンは、自己研磨型防汚塗料用共重合体(B)(不揮発物)好ましくはシリルエステル共重合体(B)(不揮発分)100重量部に対して2〜200重量部の量で、また、この亜酸化銅は、同様の共重合体(B)(不揮発分)100重量部に対して通常10〜1300重量部程度の量で防汚塗料組成物中に含有されていることが望ましい。
本発明に係る防汚塗料組成物には、酸化亜鉛(亜鉛華)(D)が含有されていてもよい。このように酸化亜鉛が配合された防汚塗料組成物では、得られる塗膜強度が向上し、塗膜の研掃性を効果的に制御できる。
されていることが望ましい。
本発明に係る防汚塗料組成物には、無機系あるいは有機系の脱水剤、好ましくは無機系の脱水剤(無機脱水剤(E))が配合されていてもよい。このように脱水剤が配合された防汚塗料組成物では、貯蔵安定性を一層向上させることができる。
吸着剤(商品名:モレキュラーシーブ等)、オルソギ酸メチル、オルソ酢酸メチル等のオルソエステル類、オルソほう酸エステル、シリケート類やイソシアネート類(商品名:アディティブT1)等が挙げられ、特に無機系脱水剤(D)としては、無水石膏、モレキュラーシーブが好ましく用いられる。このような無機脱水剤は、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明に係る防汚塗料組成物には、溶出促進成分(F)(ただし、上記(B)成分は、溶出促進成分(F)には含めない。)が含まれていてもよく、たとえば、ロジン、ロジン誘導体、有機カルボン酸および有機カルボン酸金属塩などが挙げられる。
属塩(ロジンの銅塩、亜鉛塩、マグネシウム塩など)、ロジンアミン等が挙げられる。これらのロジンおよびその誘導体は、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
防汚塗料組成物がこれらの溶出促進成分を含有する場合には、防汚塗料組成物100重量部中に、0.1〜30重量%、好ましくは、0.1〜20重量%、さらに好ましくは0.5〜15重量%の量で含有されていることが望ましい。溶出促進成分の配合割合は、塗膜の防汚性能および耐水性能の観点からこの範囲にあることが望ましい。
[ビニルエーテル系(共)重合体(G)]
ビニルエーテル系(共)重合体は、ビニルエーテル成分単位を有し、得られる塗膜の耐クラック性、耐剥離性、溶出速度安定性等の向上に寄与し、塗膜形成成分としても機能する。
また、ビニルエーテル系(共)重合体に代えて、あるいはビニルエーテル系(共)重合体とともに、各種の親水性基含有重合体を使用することができる。このような親水性基含有重合体としては、(メトキシ)ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート(共)重合体のような各種(アルコキシ)ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート(共)重合体などが挙げられ、これらの使用によって、ビニルエーテル系(共)重合体と同様の効果を得ることが可能である。
可塑剤としては、正リン酸エステル、塩素化パラフィン、フタル酸エステル、アジピン酸エステル等、通常、塗料用に用いられる可塑剤が使用される。これらの可塑剤は、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
このような可塑剤を配合する場合には、可塑剤は、この防汚塗料組成物中に、たとえば、0.1〜10重量%の量で配合される。
は、このような塩素含有率、炭素数などの異なる2種以上の塩素化パラフィンを適宜組み合わせて用いることができる。
<その他の成分>
本発明に係る防汚塗料組成物は、上記成分以外に、タレ止め・沈降防止剤、着色顔料、体質顔料などの各種顔料、上記ビニルエーテル系(共)重合体を除くアクリル樹脂などの各種樹脂、消泡剤、色別れ防止剤、レベリング剤などの各種添加剤など、下記のような成分を含有していてもよい。
タレ止め・沈降防止剤としては、従来より公知のものが任意量で配合されていてもよい。このようなタレ止め・沈降防止剤としては、Al、Ca、Znのステアレート塩、レシチン塩、アルキルスルホン酸塩などの塩類、ポリエチレンワックス、水添ヒマシ油ワックス系、ポリアマイドワックス系および両者の混合物、合成微粉シリカ、酸化ポリエチレン系ワックス等が挙げられ、好ましくは水添ヒマシ油ワックス、ポリアマイドワックス、合成微粉シリカ、酸化ポリエチレン系ワックスが用いられる。このようなタレ止め・沈降防止剤としては、楠本化成(株)製の「ディスパロンA-603-20X」、「ディスパロン4200-20」等の商品名で上市されているものが挙げられる。
顔料としては、従来公知の有機系、無機系の各種顔料(例:チタン白、ベンガラ、有機赤色顔料、タルクなど)を用いることができる。なお、染料等の各種着色剤も含まれていてもよい。
溶剤としては、たとえば、脂肪族系、芳香族系(例:キシレン、トルエン等)、ケトン系、エステル系、エーテル系など通常、防汚塗料に配合されるような各種溶剤が用いられる。また、本発明に係る防汚塗料組成物中に含まれる溶剤には、上記重合性不飽和カルボン酸金属化合物系共重合体を調製する際に使用した溶媒が含まれていてもよい。
各種樹脂としては、その他の樹脂分であるアクリル酸(共)重合体、アクリル酸エステル(共)重合体、メタアクリル酸(共)重合体、メタアクリル酸エステル(共)重合体、2−ヒドロキシエチルアクリレート(共)重合体などのアクリル樹脂が挙げられる。さらに、たとえば、特開平4-264170号公報、特開平4-264169号公報、特開平4-264168号公報、特開平2-196869号公報、特表昭60-500452号、特
開昭63−215780号公報、特表昭60-500452号(特公平5−32433号
公報)、特開平7-18216号公報に記載されてシリルエステル系(共)重合体が、本
発明に係る防汚塗料組成物に含まれていてもよい。
本発明に係る防汚塗料組成物は、従来より公知の方法を適宜利用することにより製造することができ、たとえば、防汚塗料用配合剤(A)、自己研磨型防汚塗料用共重合体(B)、必要に応じて、防汚剤(C)(特に、(C1)銅および/または銅化合物、(C2)有機防汚剤など)、(D)酸化亜鉛、(E)脱水剤(例:無水石膏、モレキュラーシーブ)、(F)溶出促進成分、(G)ビニルエーテル系(共)重合体、(H)可塑剤、タレ止め・沈降防止剤、顔料、および、溶剤などを一度にあるいは任意の順序で加えて撹拌・混合・分散等すればよい。
上記のような防汚塗料組成物を水中・水上構造物すなわち海洋構造物(例:原子力発電所の給排水口)、湾岸道路、海底トンネル、港湾設備、運河・水路等のような各種海洋土木工事の汚泥拡散防止膜、船舶、漁具(例:ロープ、漁網)などの各種成形体(基材)の表面に常法に従って1回〜複数回塗布・硬化させれば、耐クラック性、防汚性に優れた防汚塗膜被覆船舶または海洋構造物などが得られる。なお、この防汚塗料組成物は、直接上記船舶または海洋構造物等の表面に塗布してもよく、また予め防錆剤、プライマーなどの
下地材が塗布された船舶または海洋構造物等の表面に塗布してもよい。さらには、既に従来の防汚塗料による塗装が行われ、あるいは本発明の防汚塗料組成物による塗装が行われている船舶、海洋構造物等の表面に、補修用として本発明の防汚塗料組成物を上塗りしてもよい。このようにして船舶、海洋構造物等の表面に形成された防汚塗膜の厚さは特に限定されないが、たとえば、30〜150μm/回程度である。
本発明によれば、塗膜の加水分解速度が良好に制御され、防汚性能(防汚活性)、特に高汚損海域や静置環境下における防汚性や長期防汚性に優れ、塗膜にクラックが発生しにくく適度な硬度を有し、しかもこれら特性がバランスよく優れた防汚塗膜が形成でき、貯蔵安定性が高い防汚塗料組成物が得られる。
また本発明によれば、このような防汚塗料組成物を用いた、環境汚染のおそれの極めて少ない防汚方法が提供される。
[実施例]
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はかかる実施例により何ら制限されるものではない。
IR,MSの測定条件は以下の通り。
<IR測定条件>
パーキンエルマー社製、「FT−IR」Spectrum One。
<MS測定条件>
Agilent社製、「5973MSD」。
<ジシクロペンタジエンの熱分解によるシクロペンタジエンの製造>
攪拌機、脱水器及びコンデンサー、加熱、冷却ジャケットを備えた反応容器にジシクロペンタジエン600部を仕込み、160〜170℃で8時間加熱攪拌し、シクロペンタジエン400部を得た。
<防汚塗料用配合剤(AD−1)の製造>
攪拌機、コンデンサー及び加熱、冷却ジャケットを備えた反応容器にアクリル酸(AA)720部を仕込み、25℃〜35℃で攪拌しながらシクロペンタジエン(CPD)660部を2時間かけて滴下した。滴下後、室温で2時間攪拌しGC(ガスクロマトグラフィー)純度93%の防汚塗料用配合剤(AD−1)を得た。
この防汚塗料用配合剤(AD−1)は、前記式(1)で表される環式カルボン酸「化合物A-1」:
<防汚塗料用配合剤(AD−2)の製造>
攪拌機、コンデンサー及び加熱、冷却ジャケットを備えた反応容器に防汚塗料用配合剤[AD−1:
防汚塗料用配合剤(AD−2)のIRスペクトルを図2に示す。
攪拌機、コンデンサー及び加熱、冷却ジャケットを備えた反応容器にメタクリル酸(MAA)860部、シクロペンタジエン792部を仕込み、40℃で24時間加熱攪拌し、GC(ガスクロマトグラフィー)純度80%の防汚塗料用配合剤[AD−3(A−2):
防汚塗料用配合剤(AD−3)のIRスペクトルを図3に示し、またそのMSスペクトルを図4に示す。
攪拌機、コンデンサー及び加熱、冷却ジャケットを備えた反応容器にアロオシメン960部、メタクリル酸525部、及びハイドロキノンモノメチルエーテル0.5部を仕込み40℃で24時間加熱攪拌した。その後減圧で未反応原料を留去し、褐色の粘調液体状の防汚塗料用配合剤(AD−4) 220部を得た。
この防汚塗料用配合剤(AD−4)は、前記式(3)(すなわち下記式(3))で表される環式カルボン酸「化合物A-3」:
<防汚塗料用配合剤(AD−5)の製造>
攪拌機、コンデンサー及び加熱、冷却ジャケットを備えた反応容器にアロオシメン1016部、メタクリル酸540部、活性白土0.9部及びハイドロキノンモノメチルエーテル1.0部を仕込み、90℃で24時間加熱攪拌し、反応を終了した。その後減圧蒸留により目的物を精製(160〜170℃/2mmHg)し、黄色透明の液体状の防汚塗料用
配合剤(AD−5) 1055gを得た。
結晶化した防汚塗料用配合剤(AD−5)の融点をDSCにより測定したところ、58℃であった。
この防汚塗料用配合剤(AD−5)は、前記式(3)で表される環式カルボン酸「化合物A−3」に相当し、前述した異性体混合物である。
攪拌機、コンデンサー及び加熱、冷却ジャケットを備えた反応容器にミルセン1030部、メタクリル酸470部及びハイドロキノンモノメチルエーテル0.5部を仕込み、90℃で8時間加熱攪拌し、反応を終了した。その後減圧で未反応原料を留去し、褐色粘調液体状の防汚塗料用配合剤(AD−6) 890部を得た。
この防汚塗料用配合剤(AD−6)は、前記式(5)(すなわち下記式(5))で表される環式カルボン酸「化合物A−5」:
<防汚塗料用配合剤(AD−7)の製造>
攪拌機、コンデンサー及び加熱、冷却ジャケットを備えた反応容器にミルセン1070部、メタクリル酸506部、活性白土0.9部及びハイドロキノンモノメチルエーテル1.0部を仕込み、90℃で16時間加熱攪拌し、反応を終了した。その後減圧蒸留により目的物を精製(160〜170℃/2mmHg)し、黄色透明の液体状の防汚塗料用配合剤(AD−7) 861部を得た。
この防汚塗料用配合剤(AD−7)は、前記式(5)で表される環式カルボン酸「化合物A−5」に相当し、前述した異性体混合物である。
<防汚塗料用配合剤(AD−8)の製造>
攪拌機、コンデンサー及び加熱、冷却ジャケットを備えた反応容器にアロオシメン953部、モノメチルマレイン酸867部、及びハイドロキノンモノメチルエーテル1.0部を仕込み、40℃で24時間加熱攪拌し、反応を終了した。その後減圧蒸留により未反応原料を留去し、黄色透明で粘調液体状の防汚塗料用配合剤(AD−8) 1450部を得た。
この防汚塗料用配合剤(AD−8)は、下記式(8)で表される環式カルボン酸に相当し、前述した異性体混合物である。
<共重合体(S−1)の製造>
攪拌機、コンデンサー、温度計、滴下装置、窒素導入管、加熱、冷却ジャケットを備えた反応容器にキシレン100部を仕込み窒素気流下で85℃の温度条件に加熱攪拌を行った。同温度を保持しつつ滴下装置より上記反応器内にトリイソプロピルシリルアクリレート50部、メチルメタクリレート50部及び重合開始剤の2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1部の混合物を2時間かけて滴下した。その後同温度で4時間攪拌を行った後2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4部を加え、更に同温度で4時間攪拌を行い、無色透明の共重合体(S−1)溶液を得た。
[GPC測定条件]
装置:東ソー社製 HLC−8120GPC。
カラム:東ソー社製 Super H2000+H4000。
溶離液:THF(テトラヒドロフラン)。
流速:0.500ml/min。
検出器:RI。
カラム恒温槽温度:40℃。
上記共重合体(S−1)を製造する際に、滴下する共重合用モノマー配合成分を表1に示すように変えた以外は、上記と同様にして共重合体(S−2)〜共重合体(S−8)を重合し、前記と同様にこれらの共重合体(溶液)の物性値を測定した。
<共重合体(S−9)の製造>
(モノマー(K−1)の製造工程)
攪拌機、コンデンサー、温度計、滴下装置、加熱、冷却ジャケットを備えた反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテル(溶剤)85.4部及び酸化亜鉛40.7部を仕込み、攪拌しながら75℃に昇温した。その後同温度で滴下装置よりメタクリル酸43.1部、アクリル酸36.1部、水5.0部からなる混合物を3時間かけて滴下した。更に2時間同温度で攪拌した後プロピレングリコールモノメチルエーテル36.0部を加えて反応を終了し、モノマー溶液(K−1)を得た。
攪拌機、コンデンサー、温度計、滴下装置、窒素導入管、加熱、冷却ジャケットを備えた反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテル15.0部、キシレン57.0部及びエチルアクリレート4部を仕込み窒素気流下で100℃の温度条件に加熱攪拌を行った。同温度を保持しつつ滴下装置より上記反応器内にメチルメタクリレート1.0部、エチルアクリレート66.2部、2−メトキシエチルアクリレート5.4部、上記製造例で得たモノマー溶液(K−1) 52部、キシレン10部、α−メチルスチレンダイマー1.0部及び重合開始剤の2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2.5部、2,2’−アゾビスメチルブチロニトリル7.0部の混合物を6時間かけて滴下した。その後t−ブチルパーオクトエート0.5部とキシレン7.0部の混合物を30分かけて滴下し、更に1時間30分同温度で加熱攪拌した後キシレン4.4部を添加して淡黄色透明の共重合体(S−9)溶液を得た。
[防汚塗料組成物の調製例]
(実施例1〜24、比較例1〜7)
表2〜表4に示す配合組成の配合成分を、ガラスビーズをメディア(混合分散媒体)としたペイントシェーカーに仕込み、2時間振とうした後、100メッシュのフィルターにて濾過して所望の防汚塗料組成物を得た。
評価結果を表2〜表4に併せて示す。
(貯蔵安定性)
貯蔵安定性の評価は、塗料(防汚塗料組成物)試作直後と常温2ヶ月間貯蔵後の粘度(ストーマー粘度計により測定した25℃におけるKu値)を測定し、それらを比較し、その増加度により以下の基準で評価した。
(評価基準)
5:粘度の増加が10未満。
4:粘度の増加が10以上20未満。
3:粘度の増加が20以上30未満。
2:粘度の増加が30以上。
1:流動性が無くKu値の測定が不可。
結果を表2〜表4に併せて示す。
(静置防汚試験)
寸法が100mm×300mm×2mm(厚)のサンドブラスト鋼板にエポキシ系ジンクリッチプライマーを乾燥膜厚で20μmとなるように塗装した翌日に、変性エポキシ系防食塗料を乾燥膜厚で200μmとなるように塗装した後、さらにその翌日に上記表2〜表4に示す供試防汚塗料組成物をその乾燥膜厚が100μmとなるように塗装し、試験板を得た。
(評価基準)
5:付着なし。
4:5%未満の付着。
3:5%以上15%未満の付着。
2:15%以上40%未満の付着。
1:40%以上の付着。
(塗膜の消耗度、塗膜状態の評価)
(イ)塗膜の消耗度の評価
直径300mm、厚さ3mmの円盤状サンドブラスト鋼板にエポキシ系ジンクリッチプライマーを乾燥膜厚で20μmとなるように塗装した翌日に、変性エポキシ系防食塗料を乾燥膜厚で200μmとなるように塗装した後、7日間室内で乾燥した。
モーターにこの試験板を取り付け、25℃の海水を入れた恒温槽中で、周速15ノットで2ヶ月間連続して回転し、円周付近の消耗度(膜厚減少)を測定した。
(評価基準)
5:塗膜に異常を認めない。
4:部分的に微細なワレを認める。
3:全体的に微細なワレを認める。
2:部分的に顕著なワレを認める。
1:全体的に顕著なワレを認める。
(1)「WWロジン」:中国産WWロジン、
(2)トール油ロジン:商品名「ハートールR−X」(ハリマ化成(株)製)、
(3)ロダン銅:日本化学産業(株)製、
(4)「無水石膏D−1」:(株)ノリタケカンパニーリミテッド製、IIICaSO4、白
色粉末、平均粒径15μm、
(5)「ディスパロン4200−20」:酸化ポリエチレンワックス、楠本化成(株)製、20%キシレンペースト、
(6) 「ディスパロンA630−20X」:脂肪族アマイドワックス、楠本化成(株)製
、20%キシレンペースト。
Claims (25)
- 下記式[V]で表される新規シクロアルケニルカルボン酸またはその金属塩のうちの何れか1種以上からなる防汚塗料用配合剤:
R1が水素原子の場合には、R2は4−メチル−3−ペンテニル基を示し、R3、R4は水素原子を示し、
R1が3−メチル−2−ブテニル基の場合には、R2はメチル基を示し、R3、R4は水素原子を示し、
R1が2−メチル−1−プロペニル基の場合には、R2は水素原子を示し、R3、R4はメチル基を示す。
R5、R6は、それぞれ水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を示す。
m、nは、それぞれ0または1の数を示し(但しm、nが同時に0であることはない。)、
R7、R8は、それぞれ水素原子または炭化水素基を示し、かつ、
前記mが0の場合、R7は水素原子であり、
mが1の場合、R7は水素原子または炭化水素基であり、
前記nが0の場合、R8は水素原子であり、
nが1の場合、R8は水素原子または炭化水素基である(但し、R7およびR8が同時に炭化水素基であることはなく、m=1かつn=0の場合はR7は水素原子であり、m=0かつn=1の場合はR8は水素原子である。)。} - 上記式[V]において、
R7、R8は、それぞれ水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を示し、かつ、
前記mが0の場合、R7は水素原子であり、
mが1の場合、R7は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基であり、
前記nが0の場合、R8は水素原子であり、
nが1の場合、R8は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基である(但し、R7およびR8が同時に炭素数1〜10のアルキル基であることはなく、m=1かつn=0の場合はR7は水素原子であり、m=0かつn=1の場合はR8は水素原子である。)
ことを特徴とする請求項1に記載の防汚塗料用配合剤。 - 前記金属塩が、亜鉛、カルシウム、銅、マグネシウム、ストロンチウム、マンガンおよびニッケルから選択される金属の塩であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の防汚塗料用配合剤。
- (A)請求項1〜4の何れかに記載の防汚塗料用配合剤と、
(B)自己研磨型防汚塗料用共重合体と、
を含有することを特徴とする防汚塗料組成物。 - さらに防汚剤(C)を含有する請求項5に記載の防汚塗料組成物。
- 上記防汚剤(C)として、銅又は銅化合物(C1)を含有する請求項6に記載の防汚塗料組成物。
- 上記防汚剤(C)として、有機防汚剤(C2)(但し、銅又は銅化合物(C1)を除く。)を含有する請求項6〜7の何れかに記載の防汚塗料組成物。
- 上記自己研磨型防汚塗料用共重合体(B)が、重合性不飽和カルボン酸ヒドロキシ金属塩系共重合体である請求項5〜8の何れかに記載の防汚塗料組成物。
- 上記自己研磨型防汚塗料用共重合体(B)が、
式:R1−COO−M−OH・・・・・[I]
{式[I]中、R1は、CH2=C(CH3)−、CH2=CH−、HOOC−CH=CH−、HOOC−CH=C(CH3)−の不飽和結合含有有機基を示し、−COOHは金属塩またはエステルを形成していてもよい。Mは、金属原子を示す。}で表される重合性不飽和カルボン酸ヒドロキシ金属化合物から誘導される成分単位を分子内に有する共重合体であることを特徴とする請求項5〜9の何れかに記載の防汚塗料組成物。 - 上記自己研磨型防汚塗料用共重合体(B)が、(メタ)アクリル酸ヒドロキシ金属塩から誘導される成分単位を分子内に有する共重合体であることを特徴とする請求項5〜10の何れかに記載の防汚塗料組成物。
- 上記自己研磨型防汚塗料用共重合体(B)が、(メタ)アクリル酸ヒドロキシ亜鉛塩または銅塩から誘導される成分単位を分子内に有する共重合体であることを特徴とする請求項5〜11の何れかに記載の防汚塗料組成物。
- 上記自己研磨型防汚塗料用共重合体(B)が、金属原子に結合したヒドロキシル基不含の重合性不飽和カルボン酸金属化合物から誘導される成分単位を含有する重合性不飽和カルボン酸金属化合物系共重合体である請求項5〜12の何れかに記載の防汚塗料組成物。
- 上記自己研磨型防汚塗料用共重合体(B)が、
式:R1−COO−M−Ln・・・・・[II]
{式[II]中、R1は、CH2=C(CH3)−、CH2=CH−、HOOC−CH=CH−、
HOOC−CH=C(CH3)−の不飽和結合含有有機基を示し、−COOHは金属塩またはエステルを形成していてもよい。Mは、金属原子を示し、Lは、有機酸残基「−OCOR2」(R2は、アルキル基、シクロアルキル基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、アラルキル基を示す。)を示し、nは金属Mの原子価数−1の数を示す。}
で表される重合性不飽和カルボン酸金属化合物から誘導される成分単位を分子内に有する共重合体であることを特徴とする請求項5〜13の何れかに記載の防汚塗料組成物。 - 上記自己研磨型防汚塗料用共重合体(B)が、金属原子に結合したヒドロキシル基不含の(メタ)アクリル酸金属化合物から誘導される成分単位を含有する共重合体である請求項5〜14の何れかに記載の防汚塗料組成物。
- 上記自己研磨型防汚塗料用共重合体(B)が、亜鉛または銅原子に結合したヒドロキシル基不含の(メタ)アクリル酸亜鉛塩または銅塩から誘導される成分単位を含有する共重合体である請求項5〜15の何れかに記載の防汚塗料組成物。
- 上記自己研磨型防汚塗料用共重合体(B)が、(メタ)アクリル酸亜鉛塩または銅塩単量体(イ)、この単量体(イ)と共重合可能な他の単量体(ロ)を共重合してなり、
上記(メタ)アクリル酸亜鉛塩または銅塩単量体(イ)から誘導される成分単位を2〜50重量%、共重合可能な他の単量体(ロ)から誘導される成分単位を50〜98重量%(成分単位(イ)+成分単位(ロ)=100重量%)の量で含んでいる重合性不飽和カルボン酸金属塩系共重合体である請求項5〜16の何れかに記載の防汚塗料組成物。 - 上記自己研磨型防汚塗料用共重合体(B)が、重合性不飽和カルボン酸シリルエステル系共重合体である請求項5〜17の何れかに記載の防汚塗料組成物。
- 上記自己研磨型防汚塗料用共重合体(B)が、
式:R1−COO−Si(L1L2L3)・・・・・[IIIA]
{式[IIIA]中、R1は、CH2=C(CH3)−、CH2=CH−、HOOC−CH=CH
−、HOOC−CH=C(CH3)−の不飽和結合含有有機基を示し、−COOHは金属塩またはエステルを形成していてもよい。L1、L2、L3は、互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、芳香族炭化水素基、アラルキル基、アルキルシリルオキシ基を示し、これらの基は置換基を有していてもよい。}
で表されるシリル不飽和カルボキシレート単量体およびこれと共重合可能な不飽和単量体からそれぞれ誘導される成分単位を分子内に有する共重合体であることを特徴とする請求項18に記載の防汚塗料組成物。 - 上記自己研磨型防汚塗料用共重合体(B)が、シリル(メタ)アクリレートおよびこれと共重合可能な不飽和単量体を共重合した共重合体である請求項18〜19の何れかに記載の防汚塗料組成物。
- 請求項5〜20の何れかに記載の防汚塗料組成物から形成されている防汚塗膜。
- 請求項5〜20の何れかに記載の防汚塗料組成物から形成される塗膜で被覆されていることを特徴とする船舶または水中構造物。
- 請求項5〜20の何れかに記載の防汚塗料組成物から形成される塗膜で被覆されていることを特徴とする漁具または漁網。
- 請求項5〜20の何れかに記載の防汚塗料組成物からなる塗膜にて船舶または水中構造物の表面を被覆することを特徴とする船舶または水中構造物の防汚方法。
- 請求項5〜20の何れかに記載の防汚塗料組成物からなる塗膜にて漁具または漁網の表面を被覆することを特徴とする漁具または漁網の防汚方法。
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