JPH06309988A - 硬質キートップ押釦スイッチ用カバー部材 - Google Patents

硬質キートップ押釦スイッチ用カバー部材

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JPH06309988A
JPH06309988A JP9280593A JP9280593A JPH06309988A JP H06309988 A JPH06309988 A JP H06309988A JP 9280593 A JP9280593 A JP 9280593A JP 9280593 A JP9280593 A JP 9280593A JP H06309988 A JPH06309988 A JP H06309988A
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禎夫 中野
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Shinano Polymer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 キートップ部が硬質指触感をもっていて加熱
しても黄変せず、作業も安全に行なうことができる硬質
キートップ押釦スイッチ用カバー部材の提供。 【構成】 硬質キートップ押釦スイッチ用カバー部材
は、キートップ部がショアD硬度40以上の高硬度シリコ
ーン樹脂で作製され、薄肉可動部、ベース部が弾性を有
するシリコーンゴムで作製されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は硬質キートップ押釦スイ
ッチ用カバー部材、特にはキートップ部が高硬度樹脂で
構成されていることから、卓上電子計算機、リモコン、
電話機、OA機器、家電品などに有用とされる硬質キー
トップ押釦スイッチ用カバー部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】硬質指触感がよくて操作性が優れてお
り、押圧時のスプリング特性もよい硬質押釦スイッチ用
カバー部材については、スカート部、ベース部、接点部
をシリコーンゴムで作製し、キートップ部をアクリルや
不飽和ポリエステル、メタクリルなどのオリゴマーもし
くはモノマー単体もしくはそれらを化合させたものに硬
化剤、着色剤などを添加した液状体を加熱硬化させたも
のからなるものとしたものが検討されている。これらは
硬質指触感をもっているし、エステルなどの油脂分がキ
ートップ部から浸透して導電接点を汚染することがな
く、薄型製品やキーの大きな製品にも対応できるという
利点がある。
【0003】しかして、この種の硬質押釦スイッチ用カ
バー部材の製造は、高硬度樹脂の液状体と未硬化のシリ
コーンゴムを熱硬化する温度に加熱されている金型のキ
ートップ部形成用の掘り込み部に注入装置などで充填
し、その液状体が半硬化し、粘着性は保っているが流動
性を失ったところで、未硬化のシリコーンゴムを薄肉可
動部、ベース部形成用掘り込み部に充填し、先に充填し
たキートップ部と一体化して完全硬化させ、金型から取
り出すという方法で行なわれるが、これらの作業および
高硬度樹脂の液状体の配合作業は加工性の面からそのす
べてを装置のみによる加工とすることができず、一部は
手作業で行なわれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この従来法に
よる硬質押釦スイッチ用カバー部材の製造方法ではこの
硬質押釦スイッチ用カバー部材31の縦断面図を示した図
3に示したように、キートップ部成形用の掘り込み部32
に充填された高硬度樹脂33が掘り込み部32での加熱硬化
成形過程で収縮する傾向があるために、薄肉可動部34、
ベース部35を形成すべく充填されたシリコーンゴム36が
本来高硬度樹脂33で構成されるべきキートップ部の一部
37まで回りこんでしまうし、キートップ部自体の寸法精
度も悪いものになるという不利がある。また、この高硬
度樹脂33の液状体をキートップ部形成用の掘り込み部32
に充填すると、この掘り込み部32付近の縦断面図を示し
た図4に示したように、ここに充填される高硬度樹脂33
が液面レベリング性の悪いものであるために、高硬度樹
脂33とシリコーンゴム36との境目に凹凸が発生するとい
う不利もある。
【0005】また、この従来使用されている高硬度樹脂
で作製されたキートップ部は加熱により黄変する傾向が
あるために、後工程で加熱を余儀なくされるアフターキ
ュアーにおいては十分な熱量で処理できず、シリコーン
ゴムに含まれている低分子シロキサンを除去できないた
めに、導通接点部に低抵抗が要求される硬質押釦スイッ
チ用カバー部材にこれを採用することができないし、キ
ートップ天面に文字などを印刷した後のインキの乾燥、
硬化も十分にできないのでインキの接着強度が弱くなる
という不利がある。なお、このキートップ部を形成する
従来の高硬度樹脂は熱硬化が完了していないと、このも
のは若干とはいえ皮膚刺激性の強いものもあり、熱硬化
のときに発生する刺激臭にも若干の問題がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような不
利、問題点を解決した硬質キートップ押釦スイッチ用カ
バー部材に関するものであり、これはキートップ部をシ
ョアD硬度40以上の高硬度シリコーン樹脂で作製し、薄
肉可動部、ベース部を弾性を有するシリコーンゴムで作
製してなることを特徴とするものである。
【0007】すなわち、本発明者らは上記したような従
来公知のものの不利、欠点を解決した硬質キートップ押
釦スイッチ用カバー部材用を開発すべく種々検討した結
果、これについてはキートップ部を高硬度シリコーン樹
脂で作成すれば、この高硬度シリコーン樹脂は硬化後に
ショアD硬度40以上の硬度をもつ硬化物となるし、この
ものは液状体であっても皮膚刺激性も小さく、また高分
子であっても低粘度化された液状体とすることができ、
ガスをそれほど発生することなく固体化することがで
き、このものは硬化時に収縮することもないので、これ
によれば注型で寸法精度のよいキートップ部を得ること
ができることを見出し、この薄肉可動部、ベース部につ
いては従来公知のシリコーンゴムで形成すれば、これが
高硬度シリコーンゴム成形品ともよく接着するので目的
とする硬質キートップ押釦スイッチ用カバー部材を容易
に、かつ有利に得ることができることを確認して本発明
を完成させた。以下にこれをさらに詳述する。
【0008】
【作用】本発明は硬質キートップ押釦スイッチ用カバー
部材に関するものであり、これは前記したようにキート
ップ部が高硬度シリコーン樹脂で作製され、薄肉可動
部、ベース部が弾性を有するシリコーンゴムで作製され
てなることを特徴とするものであるが、このものはキー
トップ部がショアD硬度40以上の高硬度シリコーン樹脂
で構成されているのですぐれた硬質指触感をもつものと
なるし、このものは油脂分の浸透性を防ぐ効果もあり、
加熱時に収縮することがないので寸法精度もよく、キー
トップ部にシリコーンゴムがかぶさることもないし、こ
れは加熱時に黄変することがないという有利性をもつも
のとなる。さらに、製造時に皮膜刺激や刺激臭を伴なう
というおそれもない。
【0009】本発明の硬質キートップ押釦スイッチ用カ
バー部材におけるキートップ部は高硬度シリコーン樹脂
で作られたものとされる。この高硬度シリコーン樹脂は
化学構造的には主鎖がSi骨格を有するシリコーンオイ
ル、シリコーンワニス、シリコーンレジンなどからなる
ものとされるが、これには架橋密度が高く、三次元架橋
構造を取り易く、ブロック共重合体も得やすいシリコー
ンレジンとすることがよい。
【0010】この高硬度シリコーン樹脂としてはメチル
シリコーンレジン、フェニルシリコーンレジン、ジメチ
ルジフェニルシリコーンレジン、メチルフェニルシリコ
ーンレジン、シリコーンポリエステルレジン、シリコー
ンアクリルレジン、シリコーンエポキシレジンもしくは
これらの変性樹脂などが例示され、これらはシリコーン
ゴムでは実現不可能なショアD硬度40以上の高い硬度の
成形品を与える。また、この高硬度シリコーン樹脂は高
分子でも低粘度化された液状体とすることができるし、
熱硬化時の収縮も小さいので寸法精度がよく、したがっ
てキートップ部形成用の掘り込み部内で硬化してもここ
にシリコーンゴムがまざることはないし、この液状体は
表面凝集エネルギーが低く、 100℃以上に加熱されると
粘度低下が加速される傾向があるので型に滴下、充填す
ると型中で容易にレベリングするので、その後にここに
充填されるシリコーンゴムとの境目が凹凸をもつものに
もならない。
【0011】また、この高硬度シリコーン樹脂は主鎖が
シリコーンであるために皮膚刺激性が小さく、長時間使
用しても湿疹やかぶれなどを起すおそれがないし、これ
から作られたキートップ部は加熱されても黄変すること
がないので十分な熱処理が可能で、キートップ天面に印
刷された文字、記号などとの接着力も強固になるという
有利性をもっているし、この高硬度シリコーン樹脂で作
られたキートップ部は耐熱性、耐寒性、耐オゾン性、耐
薬品性にもすぐれていることから、これを用いた硬質押
釦スイッチ用カバー部材は硬質指触感をもち、油脂分の
浸透防止性をもつので環境特性のすぐれたものになると
いう利点がある。
【0012】この高硬度シリコーン樹脂液状体の粘度は
どのようなものであってもよいが、型中への充填のため
には 500ポイズ以下とすることがよく、これによれば公
知の各種吐出装置、例えばプランジャー式ポンプディス
ペンサー、ローラー式チューブポンプディスペンサー、
ピアノタッチ式チューブポンプディスペンサー、エアー
ディスペンサーなどでの滴下充填ができる。なお、この
キートップ部を形成する高硬度シリコーン樹脂の硬化機
構は付加反応、ラジカル反応、付加反応とラジカル反応
との共反応のいづれかを採用すればよい。
【0013】このようにして作られたキートップ部には
その天面に文字、数字、記号などの符号が印刷、または
塗装されることもあるが、この場合はキートップ部が上
記した高硬度シリコーン樹脂で作られていることから、
ここに使用するインキ、塗料は高硬度シリコーン樹脂と
同一もしくは類似の成分に着色剤、架橋剤、希釈剤など
を配合したものとすることがよく、例えばキートップ部
がメチルシリコーンレジンで作られた場合はインキまた
は塗料もメチルシリコーンレジン系のものとし、これが
フェニルシリコーン樹脂で作られた場合にはインキ、塗
料もフェニルシリコーンレジン系のものとすることがよ
い。
【0014】他方、本発明の押釦スイッチ用カバー部材
における薄肉可動部、ベース部などは弾性を有するシリ
コーンゴムから作成されるが、このシリコーンゴムは従
来からこの押釦スイッチ用カバー部材の製造に使用され
ているものとすればよく、特には加熱硬化型の平均単位
式がRaSiO4-a/2で示され、Rがメチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基などのアルキル基、ビニル基、アリ
ル基などのアルケニル基、フェニル基、トリル基などの
アリール基、またはこれらの基の炭素原子に結合する水
素原子の一部または全部をハロゲン原子、シアノ基など
で置換したクロロメチル基、トリフルオロプロピル基、
シアノエチル基などから選択される同一または異種の非
置換または置換の1価炭化水素基、aが1.90〜2.05であ
るものとすることができるが、このものはそのRの80モ
ル%以上がメチル基で、 0.1〜 0.5モル%がビニル基で
あるものとするのがよく、また25℃における粘度が 100
cs以上、好ましくは 1,000cs以上であるオルガノポリシ
ロキサンをベースとするものとすることが好ましいが、
これは自己接着性のものとすることもできる。
【0015】このシリコーンゴムにはシリカ系充填剤を
配合するのが一般的であり、この充填剤としては煙霧質
シリカ、湿式シリカ、石英粉末、けいそう土などが代表
的なものとして例示されるが、これらは粒径が50μm以
下のものとすることが好ましく、この添加量はオルガノ
ポリシロキサン 100重量部に対して20〜 200重量部の範
囲とするのが好ましい。なお、この組成物は分散剤とし
てアルコキシ基、シラノール基などを含有するシランを
含んだものとしてもよく、さらには着色のための無機
質、有機質の顔料などを含んだものとしてもよい。
【0016】また、このシリコーンゴム組成物はこれを
硬化させる架橋剤を含むものとされるが、これには1分
半減期が 120°〜 180℃以下のものとすることが好まし
いことから、ベンゾイルパーオキサイド、ジクロロベン
ゾイルパーオキサイド、ブチルパーオキシ−2−オクチ
ルヘキサネート、 2,5−ジメチル− 2,5−ジベンゾイル
パーオキシヘキサン、ブチルパーオキシラウレート、シ
クロヘキサンパーオキサイド、ブチルパーオキシイソプ
ロピルカーボネート、ブチルパーオキシアリルカーボネ
ートなどが例示される。なお、このシリコーンゴム組成
物はこのオルガノポリシロキサンをアルケニル基などの
脂肪族不飽和基を含有するものとし、これに分子中にけ
い素原子に結合した水素原子を少なくとも2個含有する
オルガノハイドロジエンポリシロキサンと塩化白金酸ま
たは白金系錯体、塩化白金酸とアルコール、アルデヒ
ド、オレフィン、ビニルシロキサンとの錯塩などからな
る白金触媒とからなる付加反応ラジカル反応型のものと
してもよい。
【0017】本発明の硬質キートップ押釦スイッチ用カ
バー部材は前記したようにキートップ部が高硬度シリコ
ーン樹脂で、この薄肉可動部、ベース部が弾性を有する
シリコーンゴムで作られたものであるが、この製造方法
は未硬化の高硬度シリコーン樹脂に必要に応じ架橋剤、
硬化剤、着色剤、安定剤などを加えた液状体をこの液状
体と未硬化のシリコーンゴムの両者を熱硬化できる温度
に加熱されている金型のキートップ部形成用の掘り込み
部に、吐出装置などを用いて滴下充填し、この液状体が
半硬化し、粘着性は保っているが流動性を失ったところ
で、未硬化のシリコーンゴムを薄肉可動部、ベース部形
成用掘り込み部に充填して、さきに充填しているキート
ップ部と一体化し、完全硬化させればよい。なお、これ
らの成形作業および高硬度シリコーン樹脂の液状体の配
合工程の一部は手作業に頼ることもあるが、この液状体
は皮膚刺激性も少なく、熱硬化時に発生するガスも刺激
性が少ないので、この作業は安全に行なうことができ
る。
【0018】このようにして作られた本発明の硬質キー
トップ押釦スイッチ用カバー部材はその縦断面図を示す
図1に示されたものとなるが、この硬質キートップ押釦
スイッチ用カバー部材はキートップ部2が高硬質シリ
コーン樹脂3で作られており、この薄肉可動部4、ベー
ス部5が弾性を有するシリコーンゴム6で作られたもの
とされているが、この高硬度シリコーン樹脂3が表面凝
集エネルギーの低いもので、レベリング性のよいもので
あることから、図2に示したようにこの高硬度シリコー
ン樹脂23はキートップ部形成用の掘り込み部22の中で容
易にレベリングされ、したがってここに充填されるシリ
コーンゴムとの境目に凹凸の発生することがないという
有利性が与えられる。
【0019】
【実施例】つぎに本発明の実施例、比較例をあげる。 実施例1 高硬度シリコーン樹脂としてのジメチルジフェニルシリ
コーンレジン・X321195[信越化学工業(株)製商品
名] 100重量部に架橋剤・CX−1195[信越化学工業
(株)製商品名]10重量部、硬化触媒・X−93−555
[信越化学工業(株)製商品名] 0.4重量部を配合した
ものをベース材料とし、これに着色剤・STVX683
[大日精化工業(株)製商品名]を1重量部添加してな
る配合物をエアディスペンサー・AD 3,000VH[岩下
エンジニアリング(株)製商品名]を使用して、 150℃
に加熱されているキートップ部形成用掘り込み部に滴下
充填した。
【0020】ついで、この滴下した液状体が半硬化し、
流動性が失われた30秒後に、シリコーンゴムコンパウン
ド・KE−9510U[信越化学工業(株)製商品名] 100
重量部に架橋剤・パーヘキサ25B[日本油脂(株)製商
品名]1重量部を配合してなる配合物を薄肉可動部とベ
ース部を形成する金型の掘り込み部に充填し、成形圧力
100kg/cm2、成形時間10分の条件で加熱圧縮成形したと
ころ、キートップ部、薄肉可動部、ベース部からなる押
釦スイッチ用カバー部材が得られる。
【0021】つぎに押釦スイッチ用カバー部材のキート
ップ部天面に、上記したジメチルジフェニルシリコーン
レジン 100重量部に酸化チタン・A−220 [石原産業
(株)製商品名]20重量部を添加混練し、希釈剤として
トルエンで 300ポイズの粘度とした白色ペースト状イン
キをスクリーン印刷し、乾燥炉中において 200℃で60分
間乾燥した。このものはキートップ部が高硬度シリコー
ン樹脂で作られているのでショアD硬度40以上であるこ
とからすぐれた硬質指触感をもつもので、外観もよく、
加熱して黄変しないし、異臭もなく、さらにはキートッ
プ部とベース部、キートップ部とインキとの接着も強固
で信頼性のすぐれたものであった。
【0022】実施例2 実施例1の硬質キートップ押釦スイッチ用カバー部材を
100枚成形し、キートップ部へのシリコーンゴムの回り
込みの有無、キートップ部の黄変の有無、キートップ部
間のピッチ(キーピッチ)の寸法精度の良否を判定した
ところ、後記する表1に示したようにシリコーンゴムの
回り込みとキーピッチの寸法精度の悪いものが5枚と少
なかったし、黄変は全く発生しなかった。
【0023】比較例1 実施例1と同じ金型でキートップ部のみアクリル樹脂で
成形した従来公知の硬質キートップ押釦スイッチ用カバ
ー部材を 100枚成形し、キートップ部へのシリコーンゴ
ムの回り込みの有無、キートップ部の黄変の有無、キー
トップ部間のピッチ(キーピッチ)の寸法精度の良否を
判定したところ、つぎの表1に示すとうりシリコーンゴ
ムの回り込みとキーピッチの寸法精度の悪いものが85枚
と多く、すべて黄変していた。
【0024】
【表1】
【0025】実施例3 実施例1で得られた本発明の硬質キートップ押釦スイッ
チ用カバー部材を表2に示したように 150°〜 200℃、
15分〜60分という乾燥炉条件でアフターキュアーし、キ
ートップ部の黄変発生状況、重合度10以下の低分子シロ
キサン含有量のガスクロマトグラフィー法による測定、
インキの密着強度確認のための爪による印刷文字のひっ
かき試験を行なったところ、後記する表2に示すとうり
キートップ部の黄変はいずれの条件でも発生せず、 200
℃で15分以上乾燥炉に入れることができればインキの密
着強度もほぼ良好で低分子シロキサン含有量も1,000PPM
以下にできた。
【0026】比較例2 比較例1で得られたキートップ部をアクリル樹脂で成形
した従来公知の硬質キートップ押釦スイッチ用カバー部
材を実施例3と同様に表2に示したように 150〜 200
℃、15分〜60分という乾燥条件でアフターキュアーし、
キートップ部の黄変発生状況、重合度10以下の低分子シ
ロキサン含有量のガスクロマトグラフィー法による測定
およびインキの密着強度の確認のため爪によるひっかき
試験によるインキの密着強度をしらべたところ、表2に
示したとおりの結果が得られ、完全な密着強度を得るた
めの乾燥条件ではキートップ部が黄変してしまうし、逆
に黄変しない温度では不十分な密着強度しか得られなか
った。
【0027】
【表2】
【0028】実施例4 本発明の硬質キートップ押釦スイッチ用カバー部材の作
製時の刺激臭について7人のモニターにこれを調べたと
ころ表3に示すとうり全員が刺激臭を感じなかった。
【0029】比較例3 比較例2で使用した従来公知の方法で作製された硬質キ
ーボート押釦スイッチ用カバー部材の作製時における熱
硬化時に発生する蒸気の異臭について7人のモニターに
これをしらべたところ、つぎの表3に示したとおりの結
果が得られた。
【0030】
【表3】
【0031】
【発明の効果】本発明は硬質キートップ押釦スイッチ用
カバー部材に関するものであるが、これは前記したよう
にキートップ部が高硬度シリコーン樹脂で作製され、薄
肉可動部、ベース部が弾性を有するシリコーンゴムで作
製されてなることを特徴とするものであるが、このもの
はキートップ部が高硬化シリコーン樹脂で作られたもの
でショアD硬度40以上の硬質指触感をもつもので加熱し
ても黄変せず、このシリコーン樹脂は寸法精度に優れて
いるのでシリコーンゴムと一体成形したときにキートッ
プ部にシリコーンゴムがかぶさることはなく、キートッ
プ部とシリコーンゴムとの境目に凹凸の生ずることもな
いし、このものはまた高硬度シリコーン樹脂が皮膚刺
激、刺激臭を持たないので安全に作業ができ、キートッ
プ天面に設けられる文字、記号などの印刷、塗装面との
接着性もよいという有利性をもつものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の硬質キートップ押釦スイッチ用カバー
部材の縦断面図を示したものである。
【図2】本発明の硬質キートップ押釦スイッチ用カバー
部材の製造時における、キートップ部形成用掘り込み部
での高硬度シリコーン樹脂のレベリング性を示す縦断面
図である。
【図3】従来公知の硬質キートップ押釦スイッチ用カバ
ー部材の縦断面図を示したものである。
【図4】従来公知の硬質キートップ押釦スイッチ用カバ
ー部材の製造時における、キートップ部形成用掘り込み
部での高硬度樹脂液状体のレベリング性を示す縦断面図
である。
【符号の説明】31…押釦スイッチ用カバー部材、 2,32…キー
トップ部、3,23…高硬度シリコーン樹脂、
4,34…薄肉可動部、5,35…ベース部、
6,36…シリコーンゴム、22…キートップ部形
成用の掘り込み部、 33…高硬度シリコーン樹脂、37…
キートップ部の一部に廻りこんだシリコーンゴム。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】キートップ部がショアD硬度40以上の高硬
    度シリコーン樹脂で作製され、薄肉可動部、ベース部が
    弾性を有するシリコーンゴムで作製されてなることを特
    徴とする硬質キートップ部押釦スイッチ用カバー部材。
  2. 【請求項2】硬化前の高硬度シリコーン樹脂が粘度 500
    ポイズ以下のものである請求項1に記載した硬質キート
    ップ押釦スイッチ用カバー部材。
  3. 【請求項3】キートップ部を形成する高硬度シリコーン
    樹脂が付加反応、ラジカル反応または付加反応とラジカ
    ル反応とからなる共反応のいずれの反応機能により硬化
    されたものである請求項1に記載した硬質キートップ押
    釦スイッチ用カバー部材。
  4. 【請求項4】弾性を有するシリコーンゴムが付加反応ま
    たはラジカル反応のいずれかの反応機構により硬化され
    るものである請求項1に記載した硬質キートップ押釦ス
    イッチ用カバー部材。
  5. 【請求項5】キートップ部天面の文字、記号などの符号
    部の印刷用インキが付加反応、縮合反応、ラジカル反
    応、付加反応とラジカル反応とからなる共反応のいずれ
    かの反応機構で硬化されたものである請求項1に記載し
    た硬質キートップ押釦スイッチ用カバー部材。
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