JPH06307485A - 振動数に選択的に作用するダンパ - Google Patents

振動数に選択的に作用するダンパ

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JPH06307485A
JPH06307485A JP6092847A JP9284794A JPH06307485A JP H06307485 A JPH06307485 A JP H06307485A JP 6092847 A JP6092847 A JP 6092847A JP 9284794 A JP9284794 A JP 9284794A JP H06307485 A JPH06307485 A JP H06307485A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両に著しい振動数範囲に減衰を申し分なく
適合する。 【構成】 ピストンロッド９に固定され絞り弁７を有す
るピストン８によって２つの作業室に区分されている減
衰液体で充たされた作業シリンダ３から成る、振動数に
選択的に作用するダンパにおいて、前記作業シリンダ３
に、少なくとも２つの液圧式のキャパシタンスＣｈが配
設されており、これらのキャパシタンスのうち１つが、
液圧式のインダクタンスＲｈを介して下方の作業室１ａ
と接続されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、ピストンロッドに固定
され絞り弁を有するピストンによって２つの作業室に区
分されている減衰液体で充たされた作業シリンダから成
る、振動数に選択的に作用するダンパに関する。
【０００２】
【従来の技術】振動数に関連して作用するダンパは既に
公知であり（例えば、ドイツ連邦共和国特許出願公開第
４０２９５９６号明細書）、このダンパによって、機械
的な方法で車体及び車輪の特有の両固有振動数を著しく
減衰することができる。このことを達成するために、中
空のピストンロッドにおいても、ダンパの外側シリンダ
に対して並行に配置されたバイパス導管においても、所
謂、単物質揺動体が設けられている。この単物質揺動体
は、それぞれ１つの軸方向で移動可能な慣性体と、これ
に固定されたばね弾性的な結合部材とから成る。この場
合、慣性体は、その静止位置で、並びに小さな変向時
に、上方の作業室から下方の作業室への流体通過を可能
にし、かつ慣性体が共振して振動すると直ぐにこの流体
通過を遮断する。慣性体機構の共振振動数は、車両の固
有振動数に規定されている。
【０００３】さらに、運動経過を減衰するための装置が
公知であり（例えば、ドイツ連邦共和国特許出願公開第
４０２４９６６号明細書）、この装置において、動的な
車輪負荷は、この動的な車輪負荷を減少方向で変化する
ために、ばね部材の受動的なばねの振動数に関連する増
加によって減衰部材に関係することによって減少され
る。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、車両
に著しい振動数範囲で振動が申し分なく適合されて減衰
され、かつ別の振動数の車両振動が、エレクトロニク
ス、センサ学などのような付加的な費用を消費する必要
なしに明らかに小さく減衰されるように、車両のための
簡単かつ安価なダンパを実現することにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに講じた本発明の手段は、作業シリンダに、少なくと
も２つの液圧式のキャパシタンスが配設されており、こ
れらのキャパシタンスのうち１つが、液圧式のインダク
タンスを介して下方の作業室と接続されていることにあ
る。
【０００６】このような構成の利点は、受動的な液圧式
の構成要素によって、車輪振動数範囲及び車体振動数範
囲における車両振動が申し分なく減衰されることであ
る。別の振動数の車両振動は極めて小さく減衰される。
走行安全性を維持しつつ明らかな走行快適さが達成され
るために、例えば電子的な減衰力調節を有する機構にお
けるように、センサ学、エレクトロニクス、論理回路、
プラウシビリティ、安全監視装置に費用をかけずに運転
されるという利点を有している。
【０００７】別の構成により、少なくとも１つのキャパ
シタンスが下方の作業室と接続されるようになってい
る。 有利には、例えば管部材のような、運動エネルギ
の担体としての受動的な液圧式の構成要素（液圧式のイ
ンダクタンス）と、電位のエネルギの担体としての流体
蓄圧器（液圧式のキャパシタンス）と、エネルギ消費器
としての液圧式の抵抗とが、複合の液圧式ネットワーク
の形状で、集合作用として振動数に選択的な減衰が調節
されるように構成かつ接続される。
【０００８】主な特徴により、作業シリンダに３つの液
圧式のキャパシタンスが配設されているようになってい
る。この場合、有利には、上方の作業室が液圧式の１つ
のキャパシタンスを、下方の作業室が２つの液圧式のキ
ャパシタンスを備えている。
【０００９】本発明の構成において、液圧式のキャパシ
タンスとして、圧力ガスによってプレロードをかけられ
た流体蓄圧器が設けられている。別の構成では、上方の
作業室のキャパシタンスが、ガス圧によってプレロード
をかけられかつ仕切りピストンを介して上方の作業室か
ら仕切られた補償室として軸方向に形成されている。こ
の場合、有利には、モノチューブ型−ガス圧ダンパに設
けられた補償室を特に使用することができる。
【００１０】本発明の構成により、複数のキャパシタン
スのうち１つが、機械的なキャパシタンスとして構成さ
れている。この場合、有利には、機械的なキャパシタン
スとして、弾性的なゴム部材が設けられている。
【００１１】有利な構成により、液圧式のインダクタン
スとして、流れ接続部が設けられている。この場合、有
利な形式で、流れ接続部は、導管及び／又はチューブと
して構成されている。
【００１２】別の構成では、補償室が半径方向で配置さ
れている。有利には、仕切りピストンが、リング仕切り
ピストンとして構成されている。
【００１３】さらに有利な構成により、少なくとも１つ
のキャパシタンスが、作業シリンダを同軸的に取り囲ん
でいる。この場合、キャパシタンスの仕切り壁の少なく
とも一部分が弾性的に構成されていると有利である。
【００１４】
【実施例】本発明の有利な実施例を図面において概略的
に示す。図１、図２及び図３には、ダンパの原理的な構
成が示されており、このダンパにおいて、作業室１は、
ピストンロッド９に固定されたピストン８によって２つ
の作業室１ａ及び１ｂに分割される。ダンパは、基礎液
圧式にモノチューブ型−ガス圧ダンパ機構として構成さ
れており、このガス圧ダンパ機構において作業シリンダ
３の上側部分内にガスを充填された補償室２が設けられ
ており、この補償室は仕切りピストン１０を介して上方
の作業室１ｂに対して仕切られている。ピストン８は、
伸び減衰もしくは縮み減衰を生ぜしめるための物質抵抗
７を備えている。 下方の作業室１ａは、一面では流体
蓄圧器６と、かつ他面では流れ接続部４を介して流体蓄
圧器５と接続されている。
【００１５】このため、液圧式の系全体は、キャパシタ
ンスＣｈ１（流体蓄圧器５）と、キャパシタンスＣｈ２
（流体蓄圧器６）と、キャパシタンスＣｈ３（流体蓄圧
器２）と、インダクタンスＬｈ（流れ接続部４）と、ピ
ストン８に一体成形された液圧式の抵抗ＲｈZ 及びＲｈ
D （絞り弁７）とから成っており、かつ電子専門用語に
よれば液圧式のネットワークを形成する。
【００１６】このようなダンパは、以下の作用原理によ
り作業する。外方へ与えられる合計力Ｆは、常に、圧力
差（ｐ２−ｐ１）とその都度存在する圧力ｐ１とから生
じる。伸び段階では、圧力ｐ２は圧力ｐ１より大きく、
縮み段階では、圧力ｐ２は圧力ｐ１より小さい。この圧
力差は、ピストンロッド９が作業シリンダ３に対して相
対運動する際に液圧式のネットワークの機能形式によっ
て強要されるキャパシタンス流から生じる。減衰力は、
伸び段階もしくは縮み段階において絞り弁７を通って流
れる釣り合ったキャパシタンス流によって規定される。
車両に著しい特有の共振振動数もしくは振動数帯（車輪
固有振動数範囲及び車体固有振動数範囲）において例え
ば高い減衰を生じるために、この振動数において相応す
る多くのキャパシタンス流が絞り弁７を通って到達する
ように配慮されていなければならない。別の振動数で
は、相応する少ないキャパシタンス流が絞り弁７を通ら
なければならない。
【００１７】前記の作用原理は、適当な液圧式の切換え
機構−以下にネットワークと言う−と関係する受動的な
液圧式構成要素によって実現される。
【００１８】図４は作用接続図を、図５はそれから生じ
る水力学図を示す。ネットワークは２つの特有の共振個
所を有している。絶縁を考慮して、キャパシタンスＣｈ
１及び導管減衰Ｒｈ１を有する管インダクタンスＬｈ１
は、振動数に関連するインピーダンスＺ１（第１の共振
器）を有する液圧式の直列タンク回路を形成する。
【００１９】キャパシタンスＣｈ２は、抵抗Ｒｈ２を有
して直列インピーダンスＺ２を形成する。インピーダン
スＺ１及びＺ２は、並行に接続されていて、並列タンク
回路（第２の共振器）を形成する。減衰抵抗ＲｈZ 及び
ＲｈD は、同様にインピーダンスＺ１及びＺ２に対して
並行に接続されている。
【００２０】インピーダンスＺ１では、直列接続によっ
て制限された共振個所において最小インピーダンスが存
在し、従って、この個所では（第１の共振個所）できる
だけ多くのキャパシタンス流が流れる。並列タンク回路
では、共振時に最大インピーダンスが存在し、従って、
ここでは（第２の共振個所）できるだけ少ないキャパシ
タンス流が生じる。図１により、構成要素は、第１の共
振個所が自動車の特有の両共振振動数の間に正確に位置
するように構成されている。ここでは、インピーダンス
Ｚ１が最小であるので、ピストン８から最大のキャパシ
タンス流が取り去られ、このことは小さな減衰を意味す
る。
【００２１】第２の共振個所は、車輪固有振動数の範囲
に位置する。ここでは、並列共振によって制限されてイ
ンピーダンスは最大であり、これによってできるだけ多
くのキャパシタンス流がピストン８に使用され、このこ
とにより最大の減衰を招く。上昇する振動数によって、
誘導のリアクタンスＸＬｈはＺ１−部材におけるキャパ
シタンス流をますます妨害し、これに対して同時にキャ
パシタンス的なリアクタンスＸＣｈ２を連続的に減少す
る。これによって、ピストン８から常に多いキャパシタ
ンス流が取り去られ、かつ減衰力は増大する振動数を有
する車輪固有振動数の上側の範囲で再び小さくなる。
【００２２】図６のａ及びｂは、適当な液圧脈動で測定
される原型の測定列の測定結果を示す。減衰力は、０．
５２ｍ／ｓの一定の検査速度の場合に、振動数にわたっ
て直線的に示されている。特有の両固有振動数範囲にお
ける達成された最大減衰、両固有振動数範囲の間の最小
減衰、並びに車輪固有振動数にわたる増大する振動数を
有する低下された減衰が明らかに判る。
【００２３】
【発明の効果】以上のごとく、本発明により、ピストン
ロッドに固定され絞り弁を有するピストンによって２つ
の作業室に区分されている減衰液体で充たされた作業シ
リンダに、少なくとも２つの液圧式のキャパシタンスが
配設されており、これらのキャパシタンスのうち１つ
が、液圧式のインダクタンスを介して下方の作業室と接
続されていることにより、車両に著しい振動数範囲で振
動が申し分なく適合されて減衰され、かつ別の振動数の
車両振動が、エレクトロニクス、センサ学などのような
付加的な費用を消費する必要なしに明らかに小さく減衰
されるように、車両のための簡単かつ安価なダンパを提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】振動数に選択的に作用するダンパの原理図であ
る。
【図２】ダンパの変化実施例を示す断面図である。
【図３】ダンパの変化実施例を示す断面図である。
【図４】図１に示されたダンパの作用接続図である。
【図５】図４から生ぜしめられる水力学図である。
【図６】図６のａは図１に示されたダンパの測定結果を
示すグラフである。図６のｂはその測定値である。
【符号の説明】
１，１ａ，１ｂ 作業室 ２ 補償室 ３ 作業シリンダ ４ 流れ接続部 ５，６ 流体蓄圧器 ７ 絞り弁 ８ ピストン ９ ピストンロッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ハインツ・クネヒト ドイツ連邦共和国 エイトロフ、ホムバッ ヒャー・シュトラーセ 28 (72)発明者 ヨアシム・リンゼ ドイツ連邦共和国 ヘンエフ、ヴァートシ ュトラーセ ７

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 ピストンロッドに固定され絞り弁を有す
    るピストンによって２つの作業室に区分されている減衰
    液体で充たされた作業シリンダから成る、振動数に選択
    的に作用するダンパにおいて、前記作業シリンダ（３）
    に、少なくとも２つの液圧式のキャパシタンス（Ｃｈ）
    が配設されており、これらのキャパシタンスのうち１つ
    が、液圧式のインダクタンス（Ｒｈ）を介して下方の作
    業室（１ａ）と接続されていることを特徴とする振動数
    に選択的に作用するダンパ。
  2. 【請求項２】 少なくとも１つのキャパシタンス（Ｃ
    ｈ）が、液圧式のインダクタンス（Ｒｈ）を介して下方
    の作業室（１ａ）と接続されていることを特徴とする請
    求項１に記載のダンパ。
  3. 【請求項３】 作業シリンダ（３）に、３つの液圧式の
    キャパシタンス（Ｃｈ１，Ｃｈ２，Ｃｈ３）が配設され
    ていることを特徴とする請求項１に記載のダンパ。
  4. 【請求項４】 上方の作業室（１ｂ）が液圧式のキャパ
    シタンス（Ｃｈ３）を、下方の作業室（１ａ）が２つの
    液圧式のキャパシタンス（Ｃｈ１，Ｃｈ２）を備えてい
    ることを特徴とする請求項２に記載のダンパ。
  5. 【請求項５】 液圧式のキャパシタンス（Ｃｈ）とし
    て、圧力ガスによってプレロードをかけられた流体蓄圧
    器（５，６）が設けられていることを特徴とする請求項
    １に記載のダンパ。
  6. 【請求項６】 上方の作業室（１ｂ）のキャパシタンス
    （Ｃｈ）が、ガス圧によってプレロードをかけられかつ
    仕切りピストン（１０）を介して上方の作業室（１ｂ）
    から仕切られた補償室（２）として軸方向に形成されて
    いることを特徴とする請求項３に記載のダンパ。
  7. 【請求項７】 複数のキャパシタンス（Ｃｈ）のうち１
    つが、機械的なキャパシタンスとして構成されているこ
    とを特徴とする請求項１に記載のダンパ。
  8. 【請求項８】 機械的なキャパシタンスとして、弾性的
    なゴム部材が設けられていることを特徴とする請求項６
    に記載のダンパ。
  9. 【請求項９】 液圧式のインダクタンス（Ｌｈ）とし
    て、流れ接続部（４）が設けられていることを特徴とす
    る請求項１に記載のダンパ。
  10. 【請求項１０】 流れ接続部（４）として、導管及び／
    又はチューブが設けられていることを特徴とする請求項
    ８に記載のダンパ。
  11. 【請求項１１】 補償室（２）が半径方向で配置されて
    いることを特徴とする請求項５に記載のダンパ。
  12. 【請求項１２】 仕切りピストン（１０）が、リング仕
    切りピストンとして構成されていることを特徴とする請
    求項１０に記載のダンパ。
  13. 【請求項１３】 少なくとも１つのキャパシタンス（Ｃ
    ｈ）が、作業シリンダ（３）を同軸的に取り囲んでいる
    ことを特徴とする請求項１に記載のダンパ。
  14. 【請求項１４】 キャパシタンス（Ｃｈ）の仕切り壁の
    少なくとも一部分が弾性的に構成されていることを特徴
    とする請求項１３に記載のダンパ。
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