JPH08303520A - 減衰力自動可変式ショックアブソーバ - Google Patents

減衰力自動可変式ショックアブソーバ

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Publication number
JPH08303520A
JPH08303520A JP13854795A JP13854795A JPH08303520A JP H08303520 A JPH08303520 A JP H08303520A JP 13854795 A JP13854795 A JP 13854795A JP 13854795 A JP13854795 A JP 13854795A JP H08303520 A JPH08303520 A JP H08303520A
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JP
Japan
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chamber
damping force
piston
cylinder
working fluid
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Application number
JP13854795A
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English (en)
Inventor
Masahiro Murata
正博 村田
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 車輪に高周波振動が入力される際の中立位置
近傍の減衰力及び車輪が急激にバウンドする際の減衰力
を比較的簡便な構造にて自動的に低下させる。 【構成】 ピストン30及びシリンダ10と、減衰力発
生弁46、48と、上室38及び下室40を接続するバ
イパス通路82、84、70、76、72と、ピストン
のロッド部32のシリンダ孔52に嵌合して中間室68
を郭定し通常時にはバイパス通路を遮断するスプール5
6と、一端にてシリンダに固定されスプールの中空孔5
6Aに嵌合してポンプ室62を郭定するコントロールピ
ストン54と、下室40とポンプ室とを接続する接続通
路とを有する。スプールは中間室の容積減少方向に所定
量以上変位することによりバイパス通路の連通を許し、
接続通路の下室方向への流通抵抗は逆方向の流通抵抗よ
りも高く設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ショックアブソーバに
係り、更に詳細には減衰力自動可変式のショックアブソ
ーバに係る。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車輌のショックアブソーバの
一つとして、例えば本願出願人の出願に係る特開平4−
351337号公報に記載されている如く、両側に第一
及び第二の室(24、26)を郭定するピストンの如き
隔壁(28)に設けられたシリンダ孔(62b)と、第
一及び第二の室(24、26)をシリンダ孔と接続する
第一及び第二の通路(64b、66b)と、シリンダ孔
に往復動可能に嵌合し両端にて第一及び第二の室に露呈
された差圧検出ピストン(68b)と、シリンダ孔に往
復動可能に嵌合し両側に第一及び第二の弁室(70b、
72b)を郭定しこれらの弁室を接続する絞り通路(8
4b)を有するスプール(74b)とを有し、スプール
は第一の室へ向けて変位するにつれて第一及び第二の通
路の相互の連通度合を漸次増大するよう構成された周波
数感応式のショックアブソーバが従来より知られてい
る。
【0003】かかる周波数感応式のショックアブソーバ
によれば、ピストンが中立位置にあるときには、第一及
び第二の通路の他端の相互の連通度合が最も小さい状態
にあり、従ってシリンダに対するピストンの相対変位の
開始当初より十分な減衰力が発生され、車輌の良路走行
時の如く振動入力の周波数が低い場合には第一及び第二
の通路の他端の相互の連通度合がそれほど大きくならず
高い減衰力が発生するので、車体のフワフワ振動を効果
的に減衰することができ、しかも車輌の悪路走行時の如
く振動入力の周波数が高い場合には第一及び第二の通路
の他端の相互の連通度合が大きくなり発生する減衰力は
低くなるので、車輌の良好な乗り心地性を確保すること
ができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし上述の先の提案
にかかる従来のショックアブソーバに於ては、伸び行程
用及び縮み行程用の両方の差圧検出ピストンやスプール
等がピストンの如き隔壁に組込まれなければならず、そ
のためショックアブソーバの構造が複雑になり易いとい
う問題がある。
【0005】また従来の一般的な減衰力可変式のショッ
クアブソーバに於ては、車輌の良好な操縦安定性を確保
しつつ悪路走行時等に於ける車輌の乗り心地性を向上さ
せるためには、車輌の走行状態を検出する種々のセンサ
やその検出結果に基づき減衰力切換用のアクチュエータ
を駆動する制御装置が必要であり、車輌の走行状態に応
じて減衰力を自動的に増減させることができないという
問題がある。
【0006】本発明は、従来の減衰力可変式のショック
アブソーバに於ける上述の如き問題に鑑みてなされたも
のであり、本発明の主要な課題は、ショックアブソーバ
の伸縮により駆動される弁構造によって二つの作動流体
室の連通状態を制御することにより、路面より車輪へ高
周波の振動が入力される際の中立位置近傍の減衰力及び
車輪が急激にバウンドする際の減衰力を自動的に低下さ
せることができるよう改良された比較的簡便な構造のシ
ョックアブソーバを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の主要な課題は、本
発明によれば、請求項1の構成、即ち相対的に往復動可
能に互いに嵌合し互いに共働して二つの作動流体室を郭
定するピストン及びシリンダと、前記ピストン若しくは
前記シリンダに設けられた減衰力発生機構と、前記ピス
トンのロッド部に設けられ前記二つの作動流体室を連通
接続するバイパス通路と、前記ロッド部に設けられたシ
リンダ孔に往復動可能に嵌合し前記ロッド部と共働して
中間室を郭定し通常時には前記バイパス通路の連通を遮
断するコントロールスプールと、一端にて前記シリンダ
に固定され前記コントロールスプールに設けられた中空
孔に往復動可能に嵌合し前記コントロールスプールと共
働してポンプ室を郭定するコントロールピストンと、一
方の前記作動流体室と前記ポンプ室とを連通接続する接
続通路とを有し、前記コントロールスプールは前記中間
室の容積が減少する方向に所定量以上前記コントロール
ピストンに対し相対変位することにより前記バイパス通
路の連通を許すよう構成され、作動流体が前記ポンプ室
より前記一方の作動流体室へ向かう方向の前記接続通路
の流通抵抗は逆方向の流通抵抗よりも高く設定されてい
ることを特徴とする減衰力自動可変式ショックアブソー
バによって達成される。
【0008】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、請求項1の構成に於て、前記接続
通路の前記二つの流通抵抗の少くとも一方を変化させる
手段を有するよう構成される(請求項2の構成)。
【0009】
【作用】上述の請求項1の構成によれば、コントロール
スプールは中間室の容積が減少する方向に所定量以上コ
ントロールピストンに対し相対変位することによりバイ
パス通路の連通を許すよう構成され、作動流体がポンプ
室より一方の作動流体室へ向かう方向の接続通路の流通
抵抗は逆方向の流通抵抗よりも高く設定されているの
で、ショックアブソーバが比較的速い速度にて繰返し伸
縮するとポンプの容積が漸次増大する。
【0010】従って悪路走行時の如く路面より車輪へ高
周波の振動が連続的に入力されるような状況に於ては、
コントロールスプールが中間室の容積が減少する方向へ
所定量以上コントロールピストンに対し相対変位し、こ
れによりバイパス通路によって二つの作動流体室が連通
接続され、作動流体の一部がバイパス通路を経て流れる
ことにより減衰力発生機構を迂回して二つの作動流体室
の間に流通し、これにより減衰力が自動的に低下され
る。
【0011】また請求項1の構成によれば、車輪が路面
の突起等を乗り越える場合の如く車輪が急激にバウンド
する場合には、ポンプ室内の圧力が瞬間的に上昇し、ポ
ンプ室内の作動流体が接続通路を経て一方の作動流体室
へ流出する時間的余裕が与えられないので、コントロー
ルスプールはコントロールピストンと共に中間室の容積
が減少する方向へ所定量以上急激に変位し、これにより
減衰力が自動的に瞬間的に低下される。
【0012】特に請求項2の構成によれば、接続通路の
二つの流通抵抗の少くとも一方を変化させる手段を有し
ているので、少くとも一方の流通抵抗を変化させること
により、ショックアブソーバが比較的速い速度にて繰返
し伸縮する場合に於けるポンプ室の容積の増大速度や、
車輪が急激にバウンドする場合に於けるポンプ室内の圧
力の上昇速度を変化させることができ、これにより減衰
力の自動低下の感度(タイミング)を変化させることが
可能になる。また二つの流通抵抗の少なくとも一方を変
化させる手段が作動流体の温度に応じて作動するよう構
成することにより、作動流体の温度変化に伴う粘性の変
化に起因する減衰力の自動低下の感度の変化を補償する
ことが可能になる。
【0013】
【実施例】以下に添付の図を参照しつつ、本発明を実施
例について詳細に説明する。
【0014】図1は本発明による減衰力自動可変式ショ
ックアブソーバの第一の実施例を示す縦断面図であり、
図2は第一の実施例の要部を示す拡大部分縦断面図であ
る。尚図1に於て、左半分は高減衰力の状態を示し、右
半分は低減衰力の状態を示している。
【0015】これらの図に於て、10はシリンダを示し
ており、シリンダ10は軸線12に沿って互いに同心に
延在するインナシリンダ14及びアウタシリンダ16を
含んでいる。インナシリンダ14及びアウタシリンダ1
6の上端はエンドキャップ18により閉ざされており、
アウタシリンダ16の下端はそれと一体のエンドキャッ
プ16Aにより閉ざされている。インナシリンダ14の
下端はアウタシリンダ16の下端部に固定されたベース
部材20により支持されている。インナシリンダ14及
びアウタシリンダ16はエンドキャップ18と共働して
環状のリザーバ室22を郭定しており、リザーバ室22
には高圧のガス24及び作動流体としてのオイル26が
封入されている。ベース部材20はエンドキャップ16
Aと共働してリザーバ室22と連通するベースバルブ室
28を郭定している。
【0016】インナシリンダ14内には軸線12に沿っ
て往復動可能にピストン30が配置されている。ピスト
ン30は軸線12に沿って延在するピストンロッド32
と、ロックナット34によりピストンロッドの下端部に
固定されたピストン本体36とよりなっている。ピスト
ン本体36はその上下に作動流体室としての上室38及
び下室40を郭定しており、上室38及び下室40を連
通接続する連通孔42及び44を有している。またピス
トン本体36にはそれぞれ連通孔42及び44と共働す
るそれ自身周知の伸び行程用の減衰力発生弁46及び縮
み行程用の減衰力発生弁48が固定されている。ピスト
ンロッド32はエンドキャップ18を貫通して延在し、
ピストンロッドには上室38内にてリバウンドストッパ
50が固定されている。
【0017】ピストンロッド32は軸線12に沿って延
在するシリンダ孔52を有し、シリンダ孔52内には軸
線12に沿って延在するコントロールピストン54及び
コントロールスプール56が配置されている。コントロ
ールピストン54はロックナット34を遊嵌状態にて貫
通して延在し下端にてベース部材20に固定されてい
る。コントロールピストン54とベース部材20との間
にはベース部材に設けられベースバルブ室28と下室4
0とを連通接続する連通孔58と共働するベースバルブ
60が固定されている。
【0018】コントロールスプール56は中空孔56A
を有し、該中空孔にてコントロールピストン54に対し
相対的に軸線12に沿って往復動可能に実質的に密に嵌
合しており、コントロールピストンと共働してポンプ室
62を郭定している。またコントロールスプール56は
上下方向に互いに隔置されたランド部64及び66を有
し、これらのランド部にてピストンロッド32に対し相
対的に軸線12に沿って往復動可能にシリンダ孔52に
実質的に密に嵌合している。コントロールピストン54
とコントロールスプール56との間にてランド部64の
上方、ランド部64とランド部66との間、ランド部6
6の下方にはそれぞれ上部中間室68、中間中間室7
0、下部中間室72が郭定されている。中間室68及び
70はランド部64に設けられた連通孔74により互い
に連通接続されており、中間室70及び72はランド部
66に設けられた連通孔76により互いに連通接続され
ている。
【0019】コントロールスプール56の上端とピスト
ンロッド32の端壁との間には圧縮コイルばね78が弾
装され、コントロールスプールの下端とロックナット3
4との間には圧縮コイルばね80が弾装され、コントロ
ールスプールはこれらの圧縮コイルばねにより図1の左
半分に示された標準位置に位置するよう上下方向に支持
されている。ピストンロッド32にはピストン本体36
の上方に二つの連通孔82及び84が設けられており、
連通孔82は連通孔84よりも僅かに図にて下方に位置
している。これらの連通孔82及び84はコントロール
スプールが標準位置にあるときにはそれぞれランド部6
4及びランド部66によって中間室より遮断されるよう
になっている。
【0020】図2に詳細に示されている如く、コントロ
ールスプール56の上端の端壁56Bにはポンプ室62
と上部中間室68とを連通接続する連通孔86及び88
が設けられている。また端壁56Bにはボルト90及び
ナット92により逆止弁94及び96が固定されてい
る。逆止弁94は上部中間室68より連通孔86を経て
ポンプ室62へ向かうオイルの流れのみを許し、逆止弁
96はポンプ室62より連通孔88を経て上部中間室6
8へ向かうオイルの流れのみを許す。特に逆止弁96の
弁要素の剛性は逆止弁94の弁要素の剛性よりも高く、
これによりオイルがポンプ室より上部中間室へ向かう方
向の流通抵抗は逆方向の流通抵抗よりも高く設定されて
いる。
【0021】以上の説明より解る如く、連通孔82及び
84、中間室70及び72、連通孔76は上室38と下
室40とを連通接続するバイパス通路を郭定しており、
このバイパス通路は図1に於て左半分に示されている如
くコントロールスプール56が標準位置にあるときに
は、そのランド部64によって遮断された状態に維持さ
れる。また中間室68〜72、連通孔74及び76、連
通孔86及び88、逆止弁94及び96は互いに共働し
て下室40とポンプ室62とを連通接続する接続通路を
郭定している。
【0022】尚図には示されていないが、ショックアブ
ソーバはピストンロッド32の上端にてゴムブッシュ装
置を介して車体に連結され、エンドキャップ16Aにて
ゴムブッシュ装置を介してサスペンションアームの如き
サスペンション部材に連結されるようになっている。
【0023】上述の如く構成された第一の実施例に於
て、図には示されていない車輪のリバウンドによりピス
トン30及びシリンダ10が伸び行程の相対運動をする
と、上室38の容積が減少し下室40の容積が増大する
ことにより、上室内のオイルが連通孔42を経て下室へ
移動し、減衰力発生弁46により伸び行程の減衰力が発
生される。同様に車輪のバウンドによりピストン30及
びシリンダ10が縮み行程の相対運動をすると、上室3
8の容積が増大し下室40の容積が減少することによ
り、下室内のオイルが連通孔44を経て上室へ移動し、
減衰力発生弁48により縮み行程の減衰力が発生され
る。
【0024】またショックアブソーバの伸び行程に於て
は、ポンプ室62の容積が増大して該ポンプ室内の圧力
が低下することにより、下室40より接続通路(逆止弁
94)を経てポンプ室62へオイルが吸入され、これに
よりポンピングの吸入行程が行われ、逆にショックアブ
ソーバの縮み行程に於ては、ポンプ室62の容積が減少
して該ポンプ室内の圧力が上昇することにより、ポンプ
室62より接続通路(逆止弁96)を経て下室40へオ
イルが吐出供給され、これによりポンピングの吐出行程
が行われる。
【0025】特に良路走行時の如く車輪のバウンド、リ
バウンドが急激ではない場合には、伸び行程に於てポン
プ室62へ吸入されたオイルと実質的に同量のオイルが
吐出行程に於て上部中間室68へ吐出されるので、コン
トロールスプール56は実質的に図1の左半分に示され
た標準位置に維持される。従ってこの場合には連通孔8
2及び84がランド部64によって遮断された状態に維
持されるので、図3に於て実線にて示されている如くピ
ストン速度Vp に応じて比較的高い減衰力が発生され、
これにより車輌の良好な操縦安定性が確保される。
【0026】これに対し悪路走行時の如く車輪のバウン
ド、リバウンドが急激である場合には、吐出行程に於て
上部中間室68へ吐出されるオイルの量は伸び行程に於
てポンプ室62へ吸入されるオイルの量よりも少なくな
るので、ポンプ室の容積が漸次増大し、これによりコン
トロールスプール56は図1の右半分に示されている如
く圧縮コイルばね78のばね力に抗してピストンロッド
32に対し相対的に図にて上方へ漸次変位する。従って
連通孔82及び84が開放され、上室38と下室40と
がバイパス通路によって連通接続されるので、図3に於
て破線にて示されている如く減衰力が低減され、これに
より車輌の良好な乗り心地性が確保される。
【0027】また車輪が路面の突起を乗り越える場合の
如く車輪が急激にバウンドする場合には、ショックアブ
ソーバが急激に縮むことによりポンプ室62内の圧力が
瞬間的に上昇し、従ってこの場合にはコントロールスプ
ール56はピストンロッド32に対し相対的に図にて上
方へ急激に変位し、減衰力が瞬間的に低減され、これに
より突起乗り越え時の衝撃が確実に緩和される。
【0028】更に連通孔82及び84は軸線方向にオフ
セットされた状態にて設けられているので、ピストンロ
ッド32に対するコントロールスプール56の上方への
相対変位の増大につれてバイパス通路による上室38と
下室40との連通度合が増大する。従って悪路走行時に
於けるバウンド、バウンドのストロークや繰返し数が大
きいほど、また突起乗り越え時のバウンドのストローク
や速度が大きいほど減衰力の低下度合が大きくなるの
で、悪路や突起の状況に応じて減衰力が適宜に低下され
る。
【0029】図4及び図5はそれぞれ本発明による減衰
力自動可変式ショックアブソーバの第二及び第三の実施
例を示す縦断面図である。尚これらの図に於ても、左半
分は高減衰力の状態を示し、右半分は低減衰力の状態を
示している。また図4及び図5に於て、図1及び図2に
示された部分に対応する部分にはこれらの図に於て付さ
れた符号と同一の符号が付されている。
【0030】図4に示された第二の実施例に於ては、ピ
ストンロッド32にはリバウンドストッパ50の下方に
連通孔98が設けられており、この連通孔はコントロー
ルスプール56がピストンロッドに対し最大限図にて上
方へ相対変位しても上室38と上部中間室68とを連通
接続する状態を維持するようになっている。またランド
部64には第一の実施例に於ける連通孔74は設けられ
ておらず、従ってこのランド部は上部中間室68と中間
中間室70とを分離している。
【0031】かくしてこの第二の実施例に於ては、連通
孔98、上部中間室68、連通孔86及び88、逆止弁
94及び96により上室38とポンプ室62とを連通接
続する接続通路が郭定されており、連通孔82及び8
4、中間室70及び72、連通孔76によりバイパス通
路が郭定されており、接続通路及びバイパス通路は相互
に完全に独立している。
【0032】また図5に示された第三の実施例に於て
は、コントロールスプール56の端壁56Bには上部中
間室68よりポンプ室62へ向かうオイル流れのみを許
す連通孔86及び逆止弁94のみが設けられている。ま
たコントロールピストン54には軸線方向通路100及
びその下端と下室40とを連通接続する半径方向通路1
02とが設けられており、コントロールピストンの上端
にはポンプ室62より軸線方向通路100へ向かうオイ
ルの流れのみを許す連通孔88及び逆止弁96が設けら
れている。
【0033】かくしてこの第三の実施例に於ては、下室
40とポンプ室62とを連通接続する接続通路は、連通
孔74及び76、中間室68〜72、連通孔86及び逆
止弁94により郭定された吸入用の接続通路と、連通孔
88、逆止弁96、軸線方向通路100、半径方向通路
102により郭定された吐出用の接続通路とよりなって
いる。
【0034】尚第二及び第三の実施例の他の点は上述の
第一の実施例と同様に構成されており、従ってこれらの
実施例に於ても良路走行時に於ける車輌の良好な操縦安
定性を確保しつつ悪路走行時や突起乗り越え時に於ける
減衰力を自動的に低下して車輌の乗り心地性を向上させ
ることができ、また悪路や突起の状況に応じて減衰力を
適宜に低下させることができる。
【0035】図6及び図7はそれぞれ第三の実施例の修
正例として構成された本発明による減衰力自動可変式シ
ョックアブソーバの第四及び第五の実施例の要部を示す
拡大部分縦断面図である。図6及び図7に於て、図1又
は図5に示された部分に対応する部分には図1又は図5
に於て付された符号と同一の符号が付されている。
【0036】図6に示された第四の実施例に於ては、ベ
ース部材20に固定され軸線12に沿って半径方向通路
102の位置まで上方へ延在するオリフィスコントロー
ルロッド104が設けられており、このロッドは上端に
て円錘形をなし、軸線方向通路100と共働して吐出用
の接続通路の連通度合制御するオリフィス106を郭定
している。またオリフィスコントロールロッド104は
樹脂やジュラコン(商品名)の如きエンジニアリングプ
ラスチックなどの線膨張係数の大きい材料にて形成され
ており、これによりオイルの温度上昇につれてオリフィ
ス106の絞り度合が漸次高くなるようになっている。
尚この実施例の他の点は上述の第三の実施例と同様に構
成されている。
【0037】一般に作動流体としてのオイルの粘性は温
度の上昇につれて低下するので、温度の上昇につれて逆
止弁94及び96を通過する際の流通抵抗の差が小さく
なり、その結果ショックアブソーバの伸縮に伴うポンプ
室62の容積の増大速度が低下し、そのため減衰力の低
下タイミングが遅れ方向に変化する。
【0038】図示の第四の実施例によれば、オイルの温
度が上昇するとそれに伴ってコントロールロッド104
が膨張し、オリフィス106の絞り度合が大きくなり、
逆止弁96による流通抵抗の低下が補償されるので、オ
イルの温度変化に起因して減衰力の低下タイミングが変
化することを補償し、これによりオイルの温度変化に拘
らず減衰力の低下タイミングを実質的に一定に維持する
ことができる。
【0039】また図7に示された第五の実施例に於て
も、軸線12に沿って延在し上端にて軸線方向通路10
0と共働してオリフィス106を郭定するオリフィスコ
ントロールロッド104が設けられているが、この実施
例に於けるオリフィスコントロールロッドは金属の如き
一般的な材料にて形成されており、エンドキャップ16
A及びコントロールピストン54により軸線12に沿っ
て往復動可能に支持されている。またコントロールロッ
ド104はその下端にてエンドキャップ16Aに固定さ
れたリニアアクチュエータ108に連結されており、こ
れによりアクチュエータ108によって軸線12に沿っ
て駆動され位置決めされるようになっている。尚この実
施例も他の点も上述の第三の実施例と同様に構成されて
いる。
【0040】この実施例によれば、アクチュエータ10
8によってオリフィスコントロールロッド104を駆動
することによりオリフィス106の実効通路断面積を変
化させることができ、これにより吐出用の接続通路の流
通抵抗を変化させることができる。例えばオリフィスコ
ントロールロッドが図にて上方へ移動されると、吐出用
の接続通路の流通抵抗が上昇し、ショックアブソーバの
伸縮に伴うポンプ室62の容積の増大速度が高くなり、
これにより減衰力切替え特性を減衰力が早めに低下され
る乗り心地性重視の切替え特性とすることができ、逆に
オリフィスコントロールロッドが図にて下方へ移動され
ると、吐出用の接続通路の流通抵抗が小さくなり、ポン
プ室の容積増大速度が小さくなるので、減衰力の低下タ
イミングが遅くなり、これにより減衰力切替え特性を操
縦安定性重視の特性にすることができる。
【0041】尚上述の各実施例については、バイパス通
路の一部を郭定する連通孔82及び84は軸線12に沿
って互いにオフセットされた状態にて二つ設けられてい
るが、これらの連通孔は軸線12に沿って延在する一つ
の長孔に置き換えられてもよく、またバイパス通路の一
部を構成する連通孔は一つであってもよい。
【0042】また上述の第二の実施例に於ては、バイパ
ス通路は接続通路と完全に独立しているので、中間室7
0が常時上室38と連通し、コントロールピストン54
がロックナット34と実質的に密に嵌合し、ピストン本
体36の下方にてピストンロッド32に下部中間室72
と下室40とを連通接続する連通孔が設けられ、この連
通孔がランド66により開閉されるよう構成されてもよ
い。
【0043】更に上述の第四及び第五の実施例に於て、
逆止弁94及び96が図5の方向とは逆方向の逆止機能
を果たすよう構成され、これによりオリフィスコントロ
ールロッド104が連通孔88、逆止弁96、軸線方向
通路100、半径方向通路102により郭定される吸入
行程用の接続通路の流通抵抗を増減するよう構成されて
もよい。
【0044】以上に於ては本発明を特定の実施例につい
て詳細に説明したが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施
例が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
【0045】例えば上述の各実施例に於ては、所謂複筒
型のショックアブソーバとして構成されているが、本発
明のショックアブソーバは所謂単筒型のショックアブソ
ーバとして構成されてもよい。
【0046】
【発明の効果】以上の説明より明らかである如く、上述
の請求項1の構成によれば、悪路走行時の如く路面より
車輪へ高周波の振動が連続的に入力されるような状況に
於ては、コントロールスプールが中間室の容積が減少す
る方向に所定量以上コントロールピストンに対し相対変
位し、これによりバイパス通路によって二つの作動流体
室が連接続され、作動流体の一部がバイパス通路を経て
流れることにより減衰力発生機構を迂回して二つの作動
流体室の間に流通するので、高価な種々のセンサ、制御
装置、アクチュエータ等を要することなく減衰力を自動
的に低下させ、これにより悪路走行時等に於ける車輌の
乗り心地性を自動的に向上させることができる。
【0047】また請求項1の構成によれば、車輪が路面
の突起等を乗り越える場合の如く車輪が急激にバウンド
する場合には、ポンプ室内の圧力が瞬間的に上昇し、ポ
ンプ室内の作動流体が接続通路を経て一方の作動流体室
へ流出する時間的余裕が与えられず、コントロールスプ
ールはコントロールピストンと共に中間室の容積が減少
する方向へ所定量以上急激に変位するので、高価な種々
のセンサ、制御装置、アクチュエータ等を要することな
く減衰力を自動的に瞬間的に低下させ、これにより車輪
が路面の突起等を乗り越える場合に於ける車輌の乗り心
地性を自動的に向上させることができる。
【0048】特に請求項2の構成によれば、接続通路の
二つの流通抵抗の少くとも一方を変化させる手段を有し
ているので、少くとも一方の流通抵抗を変化させること
により、ショックアブソーバが比較的速い速度にて繰返
し伸縮する場合に於けるポンプ室の容積の増大速度や、
車輪が急激にバウンドする場合に於けるポンプ室内の圧
力の上昇速度を変化させることができ、これにより減衰
力の自動低下の感度(タイミング)を変化させることが
できる。また二つの流通抵抗の少なくとも一方を変化さ
せる手段が作動流体の温度に応じて作動するよう構成す
ることにより、作動流体の温度変化に伴う粘性の変化に
起因する減衰力の自動低下の感度の変化を補償し、これ
により作動流体の温度変化に拘らず減衰力の低下感度を
実質的に一定に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による減衰力自動可変式ショックアブソ
ーバの第一の実施例を高減衰力の状態(左半分)、低減
衰力の状態(右半分)について示す縦断面図である。
【図2】第一の実施例の要部を示す拡大部分縦断面図で
ある。
【図3】第一の実施例の減衰力特性を示すグラフであ
る。
【図4】本発明による減衰力自動可変式ショックアブソ
ーバの第二の実施例を高減衰力の状態(左半分)、低減
衰力の状態(右半分)について示す縦断面図である。
【図5】本発明による減衰力自動可変式ショックアブソ
ーバの第三の実施例を高減衰力の状態(左半分)、低減
衰力の状態(右半分)について示す縦断面図である。
【図6】第三の実施例の修正例として構成された本発明
による減衰力自動可変式ショックアブソーバの第四の実
施例の要部を示す拡大部分縦断面図である。
【図7】第三の実施例の修正例として構成された本発明
による減衰力自動可変式ショックアブソーバの第五の実
施例の要部を示す拡大部分縦断面図である。
【符号の説明】
10…シリンダ 22…リザーバ室 30…ピストン 32…ピストンロッド 36…ピストン本体 38…上室 40…下室 46、48…減衰力発生弁 54…コントロールピストン 56…コントロールスプール 62…ポンプ室 68、70、72…中間室 82、84…連通孔 94、96…逆止弁 104…オリフィスコントロールロッド 108…アクチュエータ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】相対的に往復動可能に互いに嵌合し互いに
    共働して二つの作動流体室を郭定するピストン及びシリ
    ンダと、前記ピストン若しくは前記シリンダに設けられ
    た減衰力発生機構と、前記ピストンのロッド部に設けら
    れ前記二つの作動流体室を連通接続するバイパス通路
    と、前記ロッド部に設けられたシリンダ孔に往復動可能
    に嵌合し前記ロッド部と共働して中間室を郭定し通常時
    には前記バイパス通路の連通を遮断するコントロールス
    プールと、一端にて前記シリンダに固定され前記コント
    ロールスプールに設けられた中空孔に往復動可能に嵌合
    し前記コントロールスプールと共働してポンプ室を郭定
    するコントロールピストンと、一方の前記作動流体室と
    前記ポンプ室とを連通接続する接続通路とを有し、前記
    コントロールスプールは前記中間室の容積が減少する方
    向に所定量以上前記コントロールピストンに対し相対変
    位することにより前記バイパス通路の連通を許すよう構
    成され、作動流体が前記ポンプ室より前記一方の作動流
    体室へ向かう方向の前記接続通路の流通抵抗は逆方向の
    流通抵抗よりも高く設定されていることを特徴とする減
    衰力自動可変式ショックアブソーバ。
  2. 【請求項2】請求項1の減衰力自動可変式ショックアブ
    ソーバに於て、前記接続通路の前記二つの流通抵抗の少
    くとも一方を変化させる手段を有していることを特徴と
    する減衰力自動可変式ショックアブソーバ。
JP13854795A 1995-05-12 1995-05-12 減衰力自動可変式ショックアブソーバ Pending JPH08303520A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102493969A (zh) * 2011-12-19 2012-06-13 宁波千普机械制造有限公司 双活塞杆液压缸
WO2022122329A3 (de) * 2020-12-09 2022-08-04 Hydac Mobilhydraulik Gmbh Federungszylinder

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CN102493969A (zh) * 2011-12-19 2012-06-13 宁波千普机械制造有限公司 双活塞杆液压缸
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