JP2901640B2 - 変位感応型液圧緩衝器 - Google Patents

変位感応型液圧緩衝器

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JP2901640B2 JP10411289A JP10411289A JP2901640B2 JP 2901640 B2 JP2901640 B2 JP 2901640B2 JP 10411289 A JP10411289 A JP 10411289A JP 10411289 A JP10411289 A JP 10411289A JP 2901640 B2 JP2901640 B2 JP 2901640B2
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、シリンダに対するピストンの摺動位置に応
じて発生減衰力を変化させるよにした変位感応型液圧緩
衝器に関する。
従来の技術 この種従来の変位感応型液圧緩衝器としては、例えば
特開昭63−203939号公報等に記載されているものが知ら
れている。
概略を説明すれば、この変位感応型液圧緩衝器は、内
部に作動液が充填されたシリンダの上端部から内部へ挿
入したピストンロッドと、該ピストンロッドの端部に固
着されて前記シリンダ内部を上部液室と下部液室とに隔
成しつつ摺動するピストンとを備えている。このピスト
ンは、ピストンボディの内部軸方向に伸側流路と圧側流
路が貫通形成されていると共に、ピストンボディの上下
面に、ピストンの伸側あるいは圧側移動に伴って前記伸
側,圧側流路内を通過する作動液に流動抵抗を付与して
減衰力を発生させるバルブプレートが夫々設けられてい
る。また、シリンダの下部液室には、一端部がシリンダ
の底部に止着され、かつ他端部がスプリングガイドを介
して前記伸側バルブプレートに常時弾接するコイルスプ
リングが配置されている。
そして、ピストンロッドが圧側方向に移動するとコイ
ルスプリングも縮んで伸側バルブプレートを強いばね力
で押圧する。したがって、ピストンロッドが前記圧側行
程から伸側行程に変わった際に、伸側流路内を通過する
作動液に対してバルブプレートのばね力の他にコイルス
プリングのばね力が作用するため、初期の伸び行程の減
衰力が高くなる。これによって、ピストンロッドの縮み
状態における伸側減衰力を大きくし、伸び状態における
伸側減衰力を小さくすることができ、これによって車両
の操安性を確保するようになっている。
発明が解決しようとする課題 然し乍ら、前記従来の変位感応型液圧緩衝器にあって
は、コイルスプリングが伸側バルブプレートに常時弾接
しているため、ピストンがシリンダ内におけるストロー
ク中心位置(1G位置)に存する場合でも、悪路走行時な
どの急激な路面入力変化が即座にコイルスプリングに伝
達されてしまう。したがって、例えば車両の僅かな傾動
姿勢から戻り初期時点では、減衰力の変化率が非線形な
急激な高減衰特性となると共に、ばね反力も常にサスペ
ンションスプリングとコイルスプリングの両方のばね反
力を加えた特性となり、ばね定数が大巾に増加する。こ
の結果、車両の乗心地が著しく悪化する。
課題を解決するための手段 本発明は、前記従来の問題点に鑑みて案出されたもの
で、シリンダ内部を2つの液室に隔成しつつ摺動するピ
ストンと、 該ピストンのボディの上下両端面に内外二重に突出形
成された環状シート部と、 前記ピストンボディ内に上下方向へ貫通形成された圧
側,伸側流路と、 前記ピストンボディの前記内外両環状シート部に当接
配置された伸側,圧側のバルブプレートと、 これら伸側,圧側バルブプレートの前記内側環状シー
ト部に対応した位置に当接して設けられた第1スプリン
グシートと、 該各第1スプリングシートを介して前記各バルブプレ
ートの内側環状シート部に対応する位置を押圧付勢する
バルブスプリングと、 前記バルブスプリングの第1スプリングシートと反対
側に設けられて、外周端部がバルブプレートの外側環状
シート部に対応した位置に配置された第2スプリングシ
ートと、 前記各液室内に収納配置され、かつ前記ピストンの摺
動位置に応じて前記バルブプレートの内側環状シート部
と外側環状シート部に対応したそれぞれの位置に前記第
1,第2スプリングシートを介してばね荷重を段階的に付
与するばね機構とを備え、 前記ピストンのシリンダ内におけるストローク中心付
近の摺動位置で前記第2スプリングシートに対し前記ば
ね機構のばね荷重の入力を回避する第1間隙部を形成す
ると共に、前記第2スプリングシートとバルブプレート
との間に、前記ピストンが第1間隙部を越えた時点から
所定のストローク区間で第2スプリングシートの外周端
部とバルブプレートとの当接を回避する第2間隙部を形
成し、 前記ばね機構は、ピストンのストロークか前記第1間
隙部を越えた時点からバルブプレートの内側環状シート
部に対応した内端部を押圧すると共に、第2間隙部を越
えた時点からバルブプレートの外側環状シート部に対応
した外端部を段階的に押圧するように構成したことを特
徴としている。
作用 前記構成を採用することにより、車両の初期傾動時、
つまりピストンがシリンダ内のストローク中心位置であ
るIG位置からばね機構とバルブプレートとの所定の第1
間隙部の領域内を摺動している場合は、バルブプレート
に対してばね機構のばね荷重が全く作用しないため、流
路を通過する作動液にはほぼバルブスプリングのばね力
に抗した流動抵抗のみが付与されて減衰力を低く抑える
ことができる。また、ばね反力もサスペンションスプリ
ングのみとなり、ばね定数を低く抑えることができる。
また、ピストンが第1間隙部とさらに第2間隙部の領
域を越して1G位置から十分に離れた位置に移動するとき
であっても、この離間する行程では前記1G位置近傍と同
様にばね機構が作用しないために低減衰特性になる。
次に、第1間隙部域を越えた位置から1G位置に戻る行
程になると、ばね機構により第2スプリングシート及び
バルブスプリング,第1スプリングシートを介してバル
ブプレートの内側環状シート部に対応する位置に対する
押圧力が増大しているために、該バルブプレートによる
高速域の減衰力特性が高められることによって、振動を
効果的に減衰することができる。
さらに、ピストンがストロークして第2間隙部域を越
えると、第2スプリングシートがばね機構のばね力によ
ってさらに押圧されて第2スプリングシートの外周端部
とバルブプレートの外周部が圧接する。
したがって、バルブプレートは、内周部が第1スプリ
ングシートを介してバルブスプリングのばね力を受けて
高速域の減衰力が高められると共に、外周部が第2スプ
リングシートを介してばね機構のばね力を受けているた
めに、低速域の減衰力も高められる。
要するに、本願発明は、バルブスプリングやばね機構
のばね力をスプリングシートを介してバルブプレートを
押圧して内側環状シート部側に圧接させるようにしたた
め、減衰力特性を例えば路面や積載荷重の状態に応じて
変化させることができると共に、第1,第2の間隙部を利
用して減衰力を段階的に変化させることができるため、
低減衰力から高減衰力までの段階的な制御が可能にな
る。
実施例 以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。
第1図A,B,Cは、本発明に係る変位感応型液圧緩衝器
をツィンチューブ型に適用した第1実施例を示し、1は
内部に作動液が充填され、かつ外側にリザーバチューブ
2が配置されたシリンダであって、このシリンダ1は第
1図Bに示すように上部に、後述のピストンロッド3の
外周に有するリバウンドストッパ4が衝接するリバウン
ドバンパー5が略環状のバンパーリテーナ6を介して固
定されている一方、底部には第1図Cに示すようにベー
スバルブ7が設けられている。このベースバルブ7は、
シリンダ1内部と、リザーバチューブ2とシリンダ1間
のリザーバ室8とを画成しており、このリザーバ室8内
には、封入気体による圧力下に所望量の作動液が充填さ
れている。
また、前記ピストンロッド3は、一端部3aがシリンダ
1内にオイルシール9を介して液密的に挿入し、その端
縁にシリンダ1内部を上部液室1aと下部液室1bとに隔成
しつつ摺動するピストン10が取付ボルト11を介して取り
付けられている。
すなわち、このピストン10は、第1図Aに示すように
取付ボルト11の軸部中央に装着されたピストンボディ12
と、該ピストンボディ12の上下端部に配置された圧側バ
ルブプレート13と伸側バルブプレート14とを備えてい
る。
前記ピストンボディ12は、中心軸方向に大径な取付用
孔12aが穿設されていると共に、その外側には前記上下
液室1a,1bを連通する外端側の圧側流路15と内端側の伸
側流路16が軸方向に垂直に穿設されている。また、ピス
トンボディ12の上面に、前記圧側バルブプレート13が離
着座する内外2重の環状シート部17a,17bが形成されて
いる一方、下面に前記伸側バルブプレート14が離着座す
る内外2重の環状シート部18a,18bが形成されている。
また、前記シート部17a,17bとの間には、圧側流路15の
下流端が開口する環状開口溝19が、前記内側環状シート
部18aの内方には、前記伸側流路16の下流端が開口する
環状開口溝20が夫々形成されている。更に、各内外環状
シート部18a,18bの間には、環状溝21が形成されてい
る。更にまた、内側環状シート部18aの上端に、前記開
口溝20と環状溝21とを連通する複数のコンスタントオリ
フィス22…が形成されている。
前記圧側バルブプレート13は、上面に有する小径なデ
ィスクバルブ23上面に当接した第1スプリングシート24
と、段差状の筒状リテーナ25のフランジ下面に有する第
2スプリングシート26との間に弾装された圧側バルブス
プリング27によって圧側流路15の開口溝19を閉塞する方
向に付勢されている。一方、伸側バルブプレート14も、
下面に有する小径なディスクバルブ28下面に当接した第
1スプリングシート29と、取付ボルト11頭部のフランジ
上面に有する第2スプリングシート30との間に弾装され
た伸側バルブスプリング31によって伸側流路16の開口溝
20を閉塞する方向に付勢されている。また、前記圧側第
2スプリングシート26は、筒状リテーナ25の大径部に軸
方向に摺動自在に支持されており、伸側第2スプリング
シート30も、取付ボルト11の大径付根部11aに摺動自在
に支持されている。
更に、前記各バルブプレート13,14は、その外周部が
外側環状シート部17b,18bに当接するように延設され、
また各流路15,16を通過する所定の液圧により上側,下
側に撓み開弁可能なばね力に設定されている。前記各デ
ィスクバルブ23,28は、その外周端が内側環状シート部1
7a,18a上面付近まで延設されている。
前記各第2スプリングシート26,30は、略円錐状を呈
し、圧側第2スプリングシート26のクランク状に折曲さ
れた大径外周端部26aは、その先端部の外径が圧側バル
ブプレート13の外周部と略同径に設定されている一方、
伸側第2スプリングシート30の略コ字形に折曲された大
径外周端部30aは、その折曲部の外径が伸側バルブプレ
ート14の外周部と略同径に設定されている。
更に、各バルブプレート13,14と、各第2スプリング
シート26,30の外周端部26a,30aとの間には、第2間隙部
X3,X4が形成されている。
尚、図中32は伸側第1スプリングシート29を支持する
円筒状のリテーナである。
そして、シリンダ1の上部液室1a内には第1ばね機構
33が、下部液室1b内には第2ばね機構34が夫々収納され
ている。第1、第2ばね機構33,34は、夫々第1,第2コ
イルスプリング35,36と、該第1,第2コイルスプリング3
5,36の対向する先端に設けられた短尺な略筒状の第1,第
2押圧部37,38とを備えている。前記第1,第2コイルス
プリング35,36は、各外端部35a,36aが第1図B,Cに示す
ように夫々拡径状に形成されてシリンダ1の内周面に圧
着し、その端縁がバンパーリテーナ6あるいはベースバ
ルブボディ7aに夫々係止している。
また、第1,第2押圧部37,38は、基部の外周面に有す
る環状凸部37a,38aを介して夫々各コイルスプリング35,
36の対向内端部35b,36bに固着されていると共に、基部
の内端外周に有するフランジ部37b,38bがシリンダ1の
内周面に摺接して安定した摺動が得られるようになって
いる。また、この各フランジ部37b,38bは、内径が前記
各第2スプリングシート26,30の外周端部26a,30aと略同
径に設定されて互いに当接可能に形成されていると共
に、外端部には通路溝39,40が軸方向に形成されてい
る。
更に、第1,第2コイルスプリング35,36の長さは、ピ
ストン10が1G位置に存する場合において、各押圧部37,3
8の対向面と各第2スプリングシート26,30の外周端部26
a,30aとの間に夫々等間隔の第1間隙部X1,X2を形成す
るように設定されている。
以下、本実施例の作用について説明する。まず、車両
走行中における路面状態によりピストン10がシリンダ1
内を1G位置付近で各第1間隙部X1,X2内を摺動している
場合は、第1,第2ばね機構33,34の各押圧部37,38が第2
スプリングシート26,30の各外周端部26a,30aに当接せず
に各コイルスプリング35,36のばね荷重がバルブスプリ
ング27,31に作用しない。
したがって、圧側,伸側流路15,16を通過する作動液
は、各バルブプレート13,14及びバルブスプリング27,31
のみのばね力によって流動抵抗が付与される。すなわ
ち、例えばピストンロッド3の伸側行程においてピスト
ン10速度が遅いときは、シリンダ1内を摺動した場合、
上部液室1aから通路溝39を経て伸側流路16を通った作動
液は、開口溝20からコンスタントオリフィス22を通過し
た後に、液圧により伸側バルブプレート14の内端部を撓
ませ、それによって該伸側バルブプレート14と内外シー
ト部18a,18bとの間に形成されたオリフィスを通過して
下部液室1bに流出する。この際、コンスタントオリフィ
ス22にあっては、発生圧力がピストン10がストロークす
る速度の2乗に比例し、また伸側バルブプレート14の外
周部と外側環状シート部18bとの間のオリフィスで発生
する圧力は、ピストン10がストロークする速度の2/3乗
に比例することから、これを直列に加えた減衰力つまり
第3図1G点付近の伸側減衰力は、第4図Bに示すように
ピストン速度に対し略1次比例の直線的な比較的低い減
衰特性となる。
このような、1次比例の直線的な特性は、コンスタン
トオリフィス22のみによる速度2乗比例特性に比べて流
量の変化に対する減衰力の変化率は小さいもので、各部
の漏れによるバルブ通過流量のバラツキに対して減衰特
性のバラツキが非常に低減されるという特徴を有する。
尚、前記の説明ではピストンロッド3の伸側行程のみ
を説明したが、圧側行程の場合でも略同様である。但
し、圧側行程では、ピストンボディ12上面に上述のよう
なコンスタントオリフィス22がないため、伸側行程時よ
りも僅かに高い減衰特性となる。
一方、液圧緩衝器のばね反力は、第3図Aの破線で示
すようにサスペンションスプリングのみとなり、全体の
ばね定数を低く抑えることができる。
また、悪路走行中などの場合において、ピストン10が
1G位置から例えばバウンド方向(圧側行程)へ大きく移
動して第2図A,Bに示すように第1間隙部X2及び第2間
隙部X4を越した場合は、圧側流路15を通流する作動液は
圧側バルブスプリング27と圧側バルブプレート13のばね
力で比較的小さな流動抵抗を受けつつ上部液室1a内に流
入する。依って、この時点つまり第3図に示すa点及び
b点での圧側減衰力は、第4図C,Dに示すように前記1G
点付近と略同様な略1次比例の直線的な比較的低い減衰
特性となる。
一方、この圧側行程中における液圧緩衝器の圧側ばね
反力は、まずピストン10が前述のように1G位置からバウ
ンド方向(圧側行程)へ大きく移動して第1間隙部X2
を越えると、第2スプリングシート30が第2図Aに示す
ように第2押圧部38を介して第2コイルスプリング36の
ばね力により押圧される。したがって、第3図Aの実線
Yに示すようにサスペンションスプリングのみの場合
(破線)よりも若干上昇する。しかも、第2コイルスプ
リング36のばね力によって得られる高減衰特性は、該第
2コイルスプリング36のばね力が第2スプリングシート
30及びバルブスプリング31,第1スプリングシート29を
介してバルブプレート14の内端部付近、つまり環状シー
ト部の内側環状シート部18aに対応した位置に入力され
て、外側環状シート部18bに対応した位置には入力され
ないため、バルブプレート14の外端部側が比較的柔らか
な状態になっているので、初期の上昇率が若干なだらか
な直線的特性となる。さらにピストン10が下降して第2
間隙部X4域をも越えると、第2スプリングシート30が第
2図Bに示すように第2コイルスプリング36のばね力で
さらに押圧されて、該第2スプリングシート30の外周端
部30aと伸側バルブプレート14の外周部が圧接する。し
たがって、伸側バルブプレート14は、内周部が第1スプ
リングシート29及びディスクバルブ28を介して伸側バル
ブスプリング31のばね力を受け、外周部が第2スプリン
グシート30を介して第2コイルスプリング36のばね力を
受け、この合成された強いばね荷重が作用する。ここ
で、第2スプリングシート30は、コイルスプリング36の
ばね力で伸側バルブスプリング31のばね力に抗して上方
に若干移動する。依って、ばね反力は、第3図Aの実線
Zに示すようにサスペンションスプリングのばね荷重と
前記のばね荷重を加えた大きなものとなり、段階的な上
昇特性となる。
そして、この時点では前述のように伸側バルブプレー
ト14の開弁圧が極めて高くなっており、したがって、ピ
ストン10が、このb点から1G位置に近づく方向(伸長方
向)に移動すると、上部液室1a内の作動液は伸側通路16
を通過する際に、伸側バルブスプリング31と第2コイル
スプリング36の合成された強いばね力に抗して伸側バル
ブスプリング14を押し開きながら下部液室1bに流入す
る。すなわち、伸側バルブプレート14に第2コイルスプ
リング36及びバルブスプリング31の両方のばね荷重が作
用するb点付近の伸側減衰力は、第4図Dに示すように
特にピストン10の戻り初期には1G位置付近移動の場合
(破線)に比較して急激な立上り特性を示し、そのまま
高減衰特性を維持する。更に、伸側バルブプレート14か
ら第2スプリングシート30が離れて第2コイルスプリン
グ36のばね荷重が作用しなくなりつつあるb点からa点
付近の伸側減衰力は、第4図Cに示すようにb点付近の
場合よりは小さくなるが、IG位置付近よりも十分に高い
減衰特性となる。
尚、斯かるピストン10の戻り時における伸側減衰力の
変化率は、ピストン10の移動速度によって異なり、第3
図Bに示すように第2コイルスプリング36のばね荷重が
作用する時点からa点までは、移動速度の高低に拘わら
ず同一の上昇変化率を示しているが、a点からb点まで
は低速度域(実線)の方が高速度域(2点鎖線)よりも
急激な上昇変化率を示している。
一方、ピストン10が1G位置からリバウンド方向(伸側
行程)へ大きく移動し、第1,第2間隙部X1,X3域を越え
た場合は、前述の圧側行程とは逆の作用となる。すなわ
ち、伸側減衰力は第4図A,Bに示すように1G位置付近の
移動時と同様に略1次比例の直線的な比較的低い減衰特
性となる。また、液圧緩衝器の伸側ばね反力は、第3図
Aに示すように前記圧側ばね反力と同様に第2スプリン
グシート26に対する第1コイルスプリング35の作用など
によってピストン10の1G位置からc点位置、更にc点位
置からd点位置に至るまでに段階的に上昇する。
したがって、バルブプレート13の開弁圧も段階的に高
くなり、ピストン10がd点位置から1G位置に近づく方向
(圧側方向)に移動した場合、すなわち圧側バルブプレ
ート13に第1コイルスプリング35及びバルブスプリング
27の両方のばね荷重が作用するd点付近の圧側減衰力
は、第4図Aに示すように特に戻り初期には、急激な立
上り特性を示し、そのまま高減衰特性を維持する。更
に、d点からc点付近での圧側減衰力は、第4図Bに示
すようにd点付近の場合よりは小さくなるが1G位置付近
よりも十分に高い減衰特性が得られる。
尚、斯かる圧側減衰力の変化率は、第3図Cに示すよ
うに前述の伸側減衰力の変化率と同様にピストン10の低
速度域(実線)の方が高速度域(2点鎖線)よりも急激
な上昇変化率となる。
このように、ピストン10が1G位置付近を移動している
際には、低減衰力及び低ばね定数が得られるため、車両
の低速時の乗心地が良好になる。また、1G位置からバウ
ンドあるいはリバウンド方向へ大きく離間移動する際に
は、低減衰力が維持されると共に、全体のばね定数が増
加するため、車体のピッチングやローリングが抑制され
て特に高速運転中の走行安定性が向上する。更に、この
大きく離間した位置から1G位置に近づく方向に移動する
際には、各コイルスプリング35,36のばね力で減衰力が
高くなるため、車体の傾斜姿勢から元の姿勢へ戻る際の
戻り速度が緩慢となる。このため、特に車両の制振性が
向上し乗心地が良好になる。したがって、全体として車
両の乗心地と操安性の両方を満足させることができる。
とりわけ、各バルブプレート13,14は、その内周部に
各ディスクバルブ23,28を介して各バルブスプリング27,
31のばね力が入力され、その外周部に第2スプリングシ
ート26,30を介して第1,第2コイルスプリング35,36のば
ね力が入力されるため、極めて高い減衰特性が得られ
る。
しかも、ピストン10の伸側あるいは圧側移動には、全
体のばね反力が急激に上昇するのではなく3段階に漸次
上昇するため、車両の制振性が向上し乗心地が一層良好
になる。また、車両の傾き姿勢から戻り移動時における
高減衰特性から低減衰力特性変化も段階的に行なわれる
ため、操安性も一層良好になる。
更に、本実施例では、シリンダ1内に第1,第2の2つ
のコイルスプリング35,36を収納配置し、各バルブプレ
ート13,14に対して夫々大きなばね荷重を付与するよう
にしたため、ピストンロッド3の伸側行程,圧側行程の
いずれの場合にも前述のような高減衰特性が得られ、特
に操安性を一層向上させることができる。
尚、ピストン10のバルブプレート13,14の板厚や枚数
を変えることにより、ピストン速度作動域での特性をチ
ューニングすることができる。
発明の効果 以上の説明で明らかなように、本発明に係る変位感応
型液圧緩衝器によれば、ピストンの1G位置付近の移動時
には、低減衰特性及び低ばね反力特性が得られ、1G位置
から伸側あるいは圧側へ大きく移動した際には、低減衰
特性,高ばね反力特性が得られ、さらに大きく移動した
位置から1G位置に戻る際には、高減衰特性が得られるた
め、車両の良好な乗心地と操安性の両方を満足させるこ
とができる。
また、第1間隙部を越えると、ばね機構のばね力がバ
ルブプレートの内側環状シート部に対応する位置を押圧
して、該内側環状シート部に圧接させ、バルブプレート
の外端部側には入力させないようにしたため、この後の
減衰力上昇率が若干滑らかな直線的な特性となる。
特に、本発明は、ピストンの1G位置から伸側あるいは
圧側への移動時におけるばね反力の段階的に上昇させる
ことができ、また、さらに大きく移動した位置から1G位
置に戻る際における減衰特性を高減衰力から低減衰力へ
段階的に移行させることができるため、サスペンション
特性の高精度な制御が可能となった。この結果、乗心地
と操安性が一層向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図Aは本発明の一実施例を示す液圧緩衝器の中央部
を示す拡大断面図、同図Bは同液圧緩衝器の上部を示す
拡大断面図、同図Cは同液圧緩衝器の下部を示す拡大断
面図、第2図Aは本実施例におけるピストンの圧縮移動
中期の作動を示す要部断面図、同図Bは同ピストンの圧
縮移動後期の作動を示す要部断面図、第3図Aは本実施
例のばね反力特性図、同図Bは伸側減衰力変化率を示す
特性図、同図Cは圧側減衰力変化率を示す特性図、第4
図はA,B,C,Dは夫々ピストンの所定位置における減衰特
性図である。 1…シリンダ、1a…上部液室、1b…下部液室、10…ピス
トン、12…ピストンボディ、13,14…圧側,伸側バルブ
プレート、15,16…圧側,伸側流路、26…圧側第2スプ
リングシート、27…圧側バルブスプリング、30…伸側差
2スプリングシート、31…伸側バルブスプリング、33,3
4…ばね機構、X1,X2…第1間隙部、X3,X4…第2間隙
部。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダ内部を2つの液室に隔成しつつ摺
    動するピストンと、 該ピストンのボディの上下両端面に内外二重に突出形成
    された環状シート部と、 前記ピストンボディ内に上下方向へ貫通形成された圧
    側,伸側流路と、 前記ピストンボディの前記内外両環状シート部に当接配
    置された伸側,圧側のバルブプレートと、 これら伸側,圧側バルブプレートの前記内側環状シート
    部に対応した位置に当接して設けられた第1スプリング
    シートと、 該各第1スプリングシートを介して前記各バルブプレー
    トの内側環状シート部に対応する位置を押圧付勢するバ
    ルブスプリングと、 前記バルブスプリングの第1スプリングシートと反対側
    に設けられて、外周端部がバルブプレートの外側環状シ
    ート部に対応した位置に配置された第2スプリングシー
    トと、 前記各液室内に収納配置され、かつ前記ピストンの摺動
    位置に応じて前記バルブプレートの内側環状シート部と
    外側環状シート部に対応したそれぞれの位置に前記第1,
    第2スプリングシートを介してばね荷重を段階的に付与
    するばね機構とを備え、 前記ピストンのシリンダ内におけるストローク中心付近
    の摺動位置で前記第2スプリングシートに対し前記ばね
    機構のばね荷重の入力を回避する第1間隙部を形成する
    と共に、前記第2スプリングシートとバルブプレートと
    の間に、前記ピストンが第1間隙部を越えた時点から所
    定のストローク区間で第2スプリングシートの外周端部
    とバルブプレートとの当接を回避する第2間隙部を形成
    し、 前記ばね機構は、ピストンのストロークが前記第1間隙
    部を越えた時点からバルブプレートの内側環状シート部
    に対応した内端部を押圧すると共に、第2間隙部を越え
    た時点からバルブプレートの外側環状シート部に対応し
    た外端部を段階的に押圧するように構成したことを特徴
    とする変位感応型液圧緩衝器。
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