JPH06306675A - いぶし調装飾部品及びその加工方法 - Google Patents

いぶし調装飾部品及びその加工方法

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JPH06306675A
JPH06306675A JP11516393A JP11516393A JPH06306675A JP H06306675 A JPH06306675 A JP H06306675A JP 11516393 A JP11516393 A JP 11516393A JP 11516393 A JP11516393 A JP 11516393A JP H06306675 A JPH06306675 A JP H06306675A
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誠二 三橋
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 二種以上の色調の表面がいぶし調に仕上げら
れた装飾部品を得るものである。 【構成】 装飾部品は白色色調と黒色色調とからなるい
ぶし調部分と、金色色調と黒色色調とからなるいぶし調
部分とを表面に有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、時計ケース,ライタ
ー,メガネ,ブレスレット等の装飾部品の表面をいぶし
調に加工する方法及びその方法により製造された部品に
関する。
【0002】
【従来の技術】時計ケース、ライター、メガネのフレー
ム等の装飾部品の表面をくすんだ古風な調子にするため
の種々の方法が知られている。例えば特公平3−689
60号公報には、素材表面に貴金属メッキ層を施し、そ
の上に黒クロムのメッキ層を形成し、ガラスビーズによ
るホーニング研磨を行って黒クロムメッキ層を部分的に
除去していぶし調にする方法が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来技術
では、単色のメッキ層がくすんだ調子になるもので、二
色以上、即ち、ツートーン、スリートーンの表面のいぶ
し調を作ることはできなかった。
【0004】本発明は、二色以上のメッキ層にいぶし処
理を施した装飾部品及びそのいぶし処理のできる加工方
法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の構成は下記の通
りである。装飾部品は、白色色調と黒色色調とからなる
いぶし調の部分と、金色色調と黒色色調とからなるいぶ
し調の部分とを表面に有するものである。また、白色色
調、黒色色調、金色色調のうち少なくとも1つの色調
と、白色色調と黒色色調とからなるいぶし調部分または
/および金色色調と黒色色調とからなるいぶし調部分と
を表面に有するものとしても良い。
【0006】また、本発明による第一の方法は、白色色
調を有する装飾部品の表面に金色色調を有するメッキ層
を施す工程と、該金色色調メッキ層表面の一部にマスク
を施す工程と、該マスク部分を除く金色色調メッキ層を
剥離する工程と、前記マスクを剥離する工程と、前記装
飾部品の表面に黒色色調を有するメッキ層を施す工程
と、該黒色色調メッキ層をホーニング研磨、バフ研磨、
バレル研磨等の手段により部分的に除去していぶし調に
仕上げる工程とよりなることを特徴とする。
【0007】本発明の第二の方法は、白色色調を有する
装飾部品の表面に金色色調を有するメッキ層を施す工程
と、該金色色調メッキ層表面の一部にマスクを施す工程
と、該マスク部分を除く金色色調メッキ層を剥離する工
程と、前記マスクを剥離する工程と、前記装飾部品の表
面に黒色色調を有するメッキ層を施す工程と、該黒色色
調メッキ層をホーニング研磨、バフ研磨、バレル研磨等
の手段により部分的に除去していぶし調に仕上げる工程
と、該いぶし調仕上げ面の一部にマスクを施す工程と、
該マスクを施した装飾部品の表面に、白色色調メッキ
層、黒色色調メッキ層、金色色調メッキ層のうち少なく
とも1つの色調を有するメッキ層を施す工程と、前記マ
スクと該マスク上に形成されたメッキ層とを剥離する工
程とよりなることを特徴とする。
【0008】
【実施例】本発明による第一の装飾部品は、白色色調表
面に施されたいぶし調部分と、金色色調表面に施された
いぶし調部分の二色のいぶし調表面を有する。本発明の
第二の装飾部品は、白色色調、黒色色調、金色色調のう
ち少なくとも1つの色調の部分と、白色色調表面に施し
たいぶし調部分または/および金色色調表面に施された
いぶし調部分の表面を有する。
【0009】実施例1 ステンレス鋼板の表面に厚さ3乃至5μの金メッキ層を
形成し、その上に部分的に印刷又はフォトレジストでマ
スクを施す。次に、マスクが施されていない部分の金メ
ッキ層をシアン系の剥離液で剥離し、更に、有機溶剤で
マスクを剥離する。これによりステンレスの素材表面の
白色部分と、マスクの下にあった金メッキ層の金色の二
色の部分ができる。更にその二色の部品表面に黒クロム
のメッキ層を形成し、その上にホーニング、バフ研磨又
はバレル研磨等適宜な研磨加工を施し、黒クロムのメッ
キ層を部分的に除去して白と金の二色のいぶし調表面に
仕上げる。
【0010】ガラスビーズを用いたホーニング研磨の条
件としては、ガラスビーズの粒度は100番乃至300
番、圧力は1乃至1.5kg/cm2 が適当である。以上の
処理により第一の装飾部品ができる。
【0011】尚この実施例において、素材の表面にメッ
キにより白色層を形成し、その上に金メッキを施すよう
にしてもよい。白色層のメッキ材料としては、パラジウ
ム又はロジウムが適当である。
【0012】実施例2 銅合金製の時計ケースの表面に下地処理としてニッケル
のメッキ層3乃至5μを施した後、厚さ5〜10μのパ
ラジュームメッキ層を施して白色層を形成し、更にその
上に厚さ3〜5μの金メッキ層を形成する。次に部分的
にマスクを施した後、実施例1と同様の方法で金のメッ
キ層を剥離し、更にマスクを剥離する。これにより白色
と金色の二色の部分ができる。次に実施例1と同様に黒
クロムメッキ層の形成及び研磨加工を行って白と金の2
色のいぶし調表面ができる。
【0013】本発明の第二の装飾部品を作るには、上記
実施例と同様に、黒クロムによるいぶし調加工を行い、
その上に部分的にマスクを施し、更に全表面上に白色色
調、黒色色調、金色色調のうち少なくとも1つの色調の
メッキを施す。次にマスクをその上のメッキ層とともに
剥離すればよい。
【0014】実施例3 ステンレス鋼板の表面に、金に銅5%〜15%含有する
ピンク色の金合金メッキ層を2μm乃至4μmの厚さに
施し、その上に部分的にマスクを施す。次に上記実施例
と同様の方法で金合金メッキ層の剥離を行った後、マス
クを剥離する。次に黒ロジウムのメッキ層を形成した
後、研磨によりいぶし調表面に仕上げる。次にいぶし調
表面に部分的にマスクを施し、更に白色色調、黒色色
調、金色色調のうち少なくとも1つの色調のメッキ層を
形成する。次に有機溶剤でマスクを剥離すると共に、マ
スク上のメッキ層も剥離(マスク上のメッキ層のみ)す
る。この結果、白とピンク系の金の2色のいぶし調表面
と、白色色調、黒色色調、金色色調のうち少なくとも1
つの色調のメッキ層とからなる表面仕上げとなる。
【0015】上記の実施例3においては、2色のいぶし
調表面と、白色色調、黒色色調、金色色調のうち少なく
とも1つの色調のメッキ層とからなる表面仕上げとした
が、白又は金のいぶし調表面と、白色色調、黒色色調、
金色色調のうち少なくとも1つの色調のメッキ層とから
なる表面仕上げとしても良いことは言うまでもない。
【0016】以上の実施例では、白と金又は白とピンク
系の金の二色の組み合わせであるが他の色との組み合わ
せ、更に三色以上の組み合わせも可能である。また、黒
色色調のメッキ材料としては黒クロム、黒ロジウムの他
に黒ニッケルでもよい。
【0017】
【発明の効果】以上で明らかなように、本発明により作
られた装飾部品は、いままでにないいぶし調表面を有
し、質感のことなったデザイン表現ができるようになっ
た。また二色以上のいぶし調表面ができるので、例えば
時計ケースをモザイク、アラベスク、幾何学模様、抽象
等種々の模様に仕上げ、美術的効果を上げることもでき
る。また、装飾部品の中に、文字、絵、模様等をことな
るいぶし調で表現することもでき、デザインバリエ−シ
ョンの拡大が図れる様になった。更に、いぶし調表面
と、白色色調、黒色色調、金色色調のうち少なくとも1
つの色調のメッキ層とかなる表面仕上げとの組合せによ
り、派手さの中に落ち着いた雰囲気のデザイン表現もす
ることができるようになった。
【0018】また、本発明のいぶし調装飾部品の加工方
法によれば、従来の技術ではできなかった二色以上のい
ぶし調表面を有する装飾部品を比較的容易に作ることが
できるようになった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G04B 45/00 V 8201−2F

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 白色色調と黒色色調とからなるいぶし調
    の部分と、金色色調と黒色色調とからなるいぶし調の部
    分とを表面に有することを特徴とするいぶし調装飾部
    品。
  2. 【請求項2】 白色色調、黒色色調、金色色調のうち少
    なくとも1つの色調と、白色色調と黒色色調とからなる
    いぶし調部分または/および金色色調と黒色色調とから
    なるいぶし調部分とを表面に有することを特徴とするい
    ぶし調装飾部品。
  3. 【請求項3】 白色色調を有する装飾部品の表面に金色
    色調を有するメッキ層を施す工程と、該金色色調メッキ
    層表面の一部にマスクを施す工程と、該マスク部分を除
    く金色色調メッキ層を剥離する工程と、前記マスクを剥
    離する工程と、前記装飾部品の表面に黒色色調を有する
    メッキ層を施す工程と、該黒色色調メッキ層をホーニン
    グ研磨、バフ研磨、バレル研磨等の手段により部分的に
    除去していぶし調に仕上げる工程とよりなることを特徴
    とするいぶし調装飾部品の加工方法。
  4. 【請求項4】 白色色調を有する装飾部品の表面に金色
    色調を有するメッキ層を施す工程と、該金色色調メッキ
    層表面の一部にマスクを施す工程と、該マスク部分を除
    く金色色調メッキ層を剥離する工程と、前記マスクを剥
    離する工程と、前記装飾部品の表面に黒色色調を有する
    メッキ層を施す工程と、該黒色色調メッキ層をホーニン
    グ研磨、バフ研磨、バレル研磨等の手段により部分的に
    除去していぶし調に仕上げる工程と、該いぶし調仕上げ
    面の一部にマスクを施す工程と、該マスクを施した装飾
    部品の表面に、白色色調メッキ層、黒色色調メッキ層、
    金色色調メッキ層のうち少なくとも1つの色調を有する
    メッキ層を施す工程と、前記マスクと該マスク上に形成
    されたメッキ層とを剥離する工程とよりなることを特徴
    とするいぶし調装飾部品の加工方法。
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