JPH0630598B2 - ▲l▼―β―ヒドロキシパラコン酸の製造法 - Google Patents
▲l▼―β―ヒドロキシパラコン酸の製造法Info
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- JPH0630598B2 JPH0630598B2 JP1171063A JP17106389A JPH0630598B2 JP H0630598 B2 JPH0630598 B2 JP H0630598B2 JP 1171063 A JP1171063 A JP 1171063A JP 17106389 A JP17106389 A JP 17106389A JP H0630598 B2 JPH0630598 B2 JP H0630598B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は発酵法によるl−β−ヒドロキシパラコン酸
(以下β−ヒドロキシパラコン酸と略す。)の製造法に
係る。本発明の方法により製造されるβ−ヒドロキシパ
ラコン酸は光学活性を有するため、即ち、l体であるた
め、いわゆるキラル・シントンとして各種の光学活性化
合物を合成する際の原料として重要なものである。なお
β−ヒドロキシパラコン酸は水溶液中ではラクトン環が
開いてイタ酒石酸に一部変化し、平衡状態を形成するこ
とが公知であり、以下本明細書では特に断らない限り、
両物質を総称してβ−ヒドロキシパラコン酸と称する。
(以下β−ヒドロキシパラコン酸と略す。)の製造法に
係る。本発明の方法により製造されるβ−ヒドロキシパ
ラコン酸は光学活性を有するため、即ち、l体であるた
め、いわゆるキラル・シントンとして各種の光学活性化
合物を合成する際の原料として重要なものである。なお
β−ヒドロキシパラコン酸は水溶液中ではラクトン環が
開いてイタ酒石酸に一部変化し、平衡状態を形成するこ
とが公知であり、以下本明細書では特に断らない限り、
両物質を総称してβ−ヒドロキシパラコン酸と称する。
[従来の技術] 従来、β−ヒドロキシパラコン酸の製造に関してはStol
odaらの報告[J.Biol chem.,161,739(1945)],小林らの
報告[農化誌35,541(1961)],Jakubowskaらの報告[Chem.
Abstr.,74,136821(1917)]が知られている。このうちSto
lodaらの方法とJakubowskaらの方法はアスペルギルス
テレウス(Aspergillus terreus)に属する菌株を用いる
ものであり、小林らの方法はアスペルギルスイタコニク
ス(Aspergillus itaconicus)を用いるものである。
odaらの報告[J.Biol chem.,161,739(1945)],小林らの
報告[農化誌35,541(1961)],Jakubowskaらの報告[Chem.
Abstr.,74,136821(1917)]が知られている。このうちSto
lodaらの方法とJakubowskaらの方法はアスペルギルス
テレウス(Aspergillus terreus)に属する菌株を用いる
ものであり、小林らの方法はアスペルギルスイタコニク
ス(Aspergillus itaconicus)を用いるものである。
しかしながら、前二者の方法では生成蓄積される当該酸
の量は発酵液中1%以下と少なく、また、小林らの方法
では2.5%と更に多量ではあるが、培養期間が20日と長
期である。また各方法とも、主生成物のイタコン酸が圧
倒的多量に生成蓄積されており、精製が極めて困難であ
ることも含め、いずれも必ずしも工業的に有利な方法で
はなかった。
の量は発酵液中1%以下と少なく、また、小林らの方法
では2.5%と更に多量ではあるが、培養期間が20日と長
期である。また各方法とも、主生成物のイタコン酸が圧
倒的多量に生成蓄積されており、精製が極めて困難であ
ることも含め、いずれも必ずしも工業的に有利な方法で
はなかった。
[発明が解決しようとする課題] したがって本発明の目的は、β−ヒドロキシパラコン酸
の蓄積濃度、併産されるイタコン酸濃度、培養期間など
従来法がかかえていた問題点を解決した、工業的規模で
十分に実施可能な程度に生産性に優れたβ−ヒドロキシ
パラコン酸の製造方法を提供することにある。
の蓄積濃度、併産されるイタコン酸濃度、培養期間など
従来法がかかえていた問題点を解決した、工業的規模で
十分に実施可能な程度に生産性に優れたβ−ヒドロキシ
パラコン酸の製造方法を提供することにある。
[問題を解決するための手段] 上記の如き目的のもとに本発明者らは、工業的に有利な
β−ヒドロキシパラコン酸の製造法を開発すべく鋭意研
究を進めた。殊に使用菌株について重点的に検討を加え
たところ、驚くべきことにウスティラゴ属(Genus Ustil
ago)に属する各種の菌株が培地中に著量の当該酸を生成
蓄積し、培養期間、イタコン酸との生成比率においても
従来法に較べ格段に優れていることを知り本発明を完成
するに至った。
β−ヒドロキシパラコン酸の製造法を開発すべく鋭意研
究を進めた。殊に使用菌株について重点的に検討を加え
たところ、驚くべきことにウスティラゴ属(Genus Ustil
ago)に属する各種の菌株が培地中に著量の当該酸を生成
蓄積し、培養期間、イタコン酸との生成比率においても
従来法に較べ格段に優れていることを知り本発明を完成
するに至った。
[発明の構成] 本発明で用いられるウスティラゴ属の微生物はウスティ
ラゴ シノドンティス(U.cynodontis),ウスティラゴ
ラベンホルスティナ(U.rabenho-rstina),ウスティラゴ
マイディス(U.maydis)などであり、これらに属する菌
株としては例えばウスティラゴ シノドンティス(U.cyn
odontis)IFO 9727,IFO 7530,IFO 9758,ウスティラゴ
ラベンホルスティナ(U.rabenhorstina)IFO 8995,ウステ
ィラゴ マイディス(U.maydis)IFO 5346,IFO 6907など
を挙げることができる。なおIFOは財団法人発酵研究所
の保存株であることを示す。
ラゴ シノドンティス(U.cynodontis),ウスティラゴ
ラベンホルスティナ(U.rabenho-rstina),ウスティラゴ
マイディス(U.maydis)などであり、これらに属する菌
株としては例えばウスティラゴ シノドンティス(U.cyn
odontis)IFO 9727,IFO 7530,IFO 9758,ウスティラゴ
ラベンホルスティナ(U.rabenhorstina)IFO 8995,ウステ
ィラゴ マイディス(U.maydis)IFO 5346,IFO 6907など
を挙げることができる。なおIFOは財団法人発酵研究所
の保存株であることを示す。
次に本発明で使用する培地としては特に限定されず、こ
の分野で微生物の培養に用いられるもので、微生物が同
化できる炭素源、窒素源および無機塩、有機性の微量栄
養素、発育促進物質などを含んだものが使用される。
の分野で微生物の培養に用いられるもので、微生物が同
化できる炭素源、窒素源および無機塩、有機性の微量栄
養素、発育促進物質などを含んだものが使用される。
すなわち、炭素源としてはグルコース、シュークロー
ス、ラクトース、デンプン、糖密、ホエー、グリセリ
ン、ソルビットなどが用いられまた、窒素源としてはア
ンモニウム塩、硝酸塩などの無機塩や尿素が用いられさ
らに、β−ヒドロキシパラコン酸の生成を促進するため
に酵母エキス、肉エキス、ペプトン、大豆粉、コーン・
スティープ・リカー、カゼイン水解物などの有機窒素源
を加えることもある。また生成した酸を中和し、pH低下
による障害を緩和する目的で炭酸カルシウム、炭酸ソー
ダ、アルカリ液を加えることもある。
ス、ラクトース、デンプン、糖密、ホエー、グリセリ
ン、ソルビットなどが用いられまた、窒素源としてはア
ンモニウム塩、硝酸塩などの無機塩や尿素が用いられさ
らに、β−ヒドロキシパラコン酸の生成を促進するため
に酵母エキス、肉エキス、ペプトン、大豆粉、コーン・
スティープ・リカー、カゼイン水解物などの有機窒素源
を加えることもある。また生成した酸を中和し、pH低下
による障害を緩和する目的で炭酸カルシウム、炭酸ソー
ダ、アルカリ液を加えることもある。
本発明に用いられる微生物を培養する方法としては通
常、深部通気攪拌培養の方法が用いられ、培地の液性は
中性ないし微酸性が好ましく、また培養の温度は23℃〜
35℃、とりわけ25℃〜30℃に保つのが望ましい。通常こ
のような条件下で5日〜10日間培養を行なえばβ−ヒド
ロキシパラコン酸は培地中に著量産生成蓄積される。
常、深部通気攪拌培養の方法が用いられ、培地の液性は
中性ないし微酸性が好ましく、また培養の温度は23℃〜
35℃、とりわけ25℃〜30℃に保つのが望ましい。通常こ
のような条件下で5日〜10日間培養を行なえばβ−ヒド
ロキシパラコン酸は培地中に著量産生成蓄積される。
発酵液からβ−ヒドロキシパラコン酸を採取する方法と
しては、有機酸を微生物の培養物中から採取するのに通
常用いられる分離採取の手段が適宜組合せて使用され
る。たとえば遠心分離または過などの方法により発酵
液から菌体を除き、得られた上清液を濃縮後、硫酸や塩
酸や加えてpHを2前後まで下げ、ジエチルエーテル、酢
酸エチル、メチルエチルケトン、n-ブタノールなどの溶
媒で当該酸を抽出し、抽出液を濃縮し、再結晶を行な
う。また、菌体を除去した上清液をそのままもしくはイ
オン交換樹脂でカチオンを除いた後、濃縮を行ない乾固
し、酢酸エチル、イソプロピルアルコール、メチルエチ
ルケトンルなどの溶媒で当該酸の抽出を行なった後に濃
縮し、再結晶を行なっても良好な結果を得ることが出来
る。
しては、有機酸を微生物の培養物中から採取するのに通
常用いられる分離採取の手段が適宜組合せて使用され
る。たとえば遠心分離または過などの方法により発酵
液から菌体を除き、得られた上清液を濃縮後、硫酸や塩
酸や加えてpHを2前後まで下げ、ジエチルエーテル、酢
酸エチル、メチルエチルケトン、n-ブタノールなどの溶
媒で当該酸を抽出し、抽出液を濃縮し、再結晶を行な
う。また、菌体を除去した上清液をそのままもしくはイ
オン交換樹脂でカチオンを除いた後、濃縮を行ない乾固
し、酢酸エチル、イソプロピルアルコール、メチルエチ
ルケトンルなどの溶媒で当該酸の抽出を行なった後に濃
縮し、再結晶を行なっても良好な結果を得ることが出来
る。
[作用] 本発明の方法によればβ−ヒドロキシパラコン酸が短期
間の培養で著量培地中に生成蓄積されるために、当該酸
の分離精製が容易で、したがって高純度の製品が充分量
容易に入手できる。すなわち工業的に有利な方法であ
る。
間の培養で著量培地中に生成蓄積されるために、当該酸
の分離精製が容易で、したがって高純度の製品が充分量
容易に入手できる。すなわち工業的に有利な方法であ
る。
[実施例] 以下に実施例をあげて本発明の内容をさらに詳細に説明
するが、本例は本発明の実施態様の一部にすぎないこと
はいうもでもない。
するが、本例は本発明の実施態様の一部にすぎないこと
はいうもでもない。
実施例1 グルコース120g,NH4Cl,1.6g,KH2PO40.5g,MgSO4・7H2O 0.
2g,FeSO4・7H2O 0.01g,酵母エキス1gを水道水に溶かし
1とし、その30mづつ300m容三角フラスコに分
注し、120℃で10分間殺菌を行ない、冷却後別に殺菌し
たCaCO3を1g添加し培地とした。次いで、予めポテト
デキストローズ アガー斜面培地で25℃,3〜7日間
培養したウスティラゴ シノドンティス(Ustilago cyno
dontis)IFO 9727の菌体1白金耳分を培地に接種し、ロ
ータリー シェーカー上、回転数毎分220回転、培養温
度25℃で7日間培養を行なった。培養終了後、塩酸を加
えて残っているCaCO3を溶かし、遠心分離を行なって菌
体を除き、得られた上清液について下記の条件で高速液
体クロマトグラフィーを行ない、生成物の分析を行なっ
た。
2g,FeSO4・7H2O 0.01g,酵母エキス1gを水道水に溶かし
1とし、その30mづつ300m容三角フラスコに分
注し、120℃で10分間殺菌を行ない、冷却後別に殺菌し
たCaCO3を1g添加し培地とした。次いで、予めポテト
デキストローズ アガー斜面培地で25℃,3〜7日間
培養したウスティラゴ シノドンティス(Ustilago cyno
dontis)IFO 9727の菌体1白金耳分を培地に接種し、ロ
ータリー シェーカー上、回転数毎分220回転、培養温
度25℃で7日間培養を行なった。培養終了後、塩酸を加
えて残っているCaCO3を溶かし、遠心分離を行なって菌
体を除き、得られた上清液について下記の条件で高速液
体クロマトグラフィーを行ない、生成物の分析を行なっ
た。
高速液体クロマトグラフィーの条件 カラム:HPX -87H, カラム温度:30℃ 移動相:0.01N硫酸,移動相の流量:0.5m/min 検出器:UVおよびRI 内部標準に0.25%アジピン酸を使用 その結果、β−ヒドロキシパラコン酸が22.5mg/mの
濃度で生成蓄積されており、その他の生産物としてはイ
タコン酸26.8mg/mの存在が認められた。リンゴ酸、
コハク酸などの有機酸は検出されなかった。
濃度で生成蓄積されており、その他の生産物としてはイ
タコン酸26.8mg/mの存在が認められた。リンゴ酸、
コハク酸などの有機酸は検出されなかった。
実施例2 実施例1におけるウスティラゴ シノドンティスIFO 97
27の代りにウスティラゴ シノドンティスIFO 7530を用
いた以外は同例と同様に培養を行ない、生成物の分析も
同様に行なったところ、β−ヒドロキシパラコン酸18.2
mg/mが発酵液中に生成蓄積されており他に、イタコ
ン酸31.0mg/mが認められ、リンゴ酸やコハク酸など
その他の有機酸の生成は見られなかった。
27の代りにウスティラゴ シノドンティスIFO 7530を用
いた以外は同例と同様に培養を行ない、生成物の分析も
同様に行なったところ、β−ヒドロキシパラコン酸18.2
mg/mが発酵液中に生成蓄積されており他に、イタコ
ン酸31.0mg/mが認められ、リンゴ酸やコハク酸など
その他の有機酸の生成は見られなかった。
実施例3 実施例1におけるウスティラゴ シノドンティスIFO 97
27の代りにウスティラゴ シノドンティスIFO 9758を用
いた以外は同例と同様に実施し、β−ヒドロキシパラコ
ン酸24.6mg/m、イタコン酸20.3mg/mが発酵液中に
蓄積されており、その他の有機酸は分析限界以下であっ
た。
27の代りにウスティラゴ シノドンティスIFO 9758を用
いた以外は同例と同様に実施し、β−ヒドロキシパラコ
ン酸24.6mg/m、イタコン酸20.3mg/mが発酵液中に
蓄積されており、その他の有機酸は分析限界以下であっ
た。
実施例4 実施例1におけるウスティラゴ シノドンティスIFO 97
27の代りにウスティラゴ ラベンホルスティナ(U.raben
horstina)IFO 8995を用いた以外は同例と同様に実施し
分析を行なった結果、β−ヒドロキシパラコン酸15.0mg
/m、イタコン酸16.1mg/mが発酵液中に蓄積されて
おり、その他の有機酸は分析限界以下であった。
27の代りにウスティラゴ ラベンホルスティナ(U.raben
horstina)IFO 8995を用いた以外は同例と同様に実施し
分析を行なった結果、β−ヒドロキシパラコン酸15.0mg
/m、イタコン酸16.1mg/mが発酵液中に蓄積されて
おり、その他の有機酸は分析限界以下であった。
実施例5 実施例1におけるウスティラゴ シノドンティスIFO 97
27の代りにウスティラゴ マイディス(U.maydis)IFO 53
46を用いた他は同例と同様に実施し、β−ヒドロキシパ
ラコン酸10.7mg/m、イタコン酸25.7mg/m、リンゴ
酸8.6mg/mが発酵液中に蓄積されていることがわかっ
た。なおその他の有機酸は検出出来なかった。
27の代りにウスティラゴ マイディス(U.maydis)IFO 53
46を用いた他は同例と同様に実施し、β−ヒドロキシパ
ラコン酸10.7mg/m、イタコン酸25.7mg/m、リンゴ
酸8.6mg/mが発酵液中に蓄積されていることがわかっ
た。なおその他の有機酸は検出出来なかった。
実施例6 実施例1におけるウスティラゴ シノドンティスIFO 97
27の代りにウスティラゴ マイディスIFO 6907を用いた
他は同例と同様に実施し、β−ヒドロキシパラコン酸8.
6mg/m、イタコン酸10.7mg/m、リンゴ酸19.3mg/m
が蓄積されており、その他の有機酸は検出出来なかっ
た。
27の代りにウスティラゴ マイディスIFO 6907を用いた
他は同例と同様に実施し、β−ヒドロキシパラコン酸8.
6mg/m、イタコン酸10.7mg/m、リンゴ酸19.3mg/m
が蓄積されており、その他の有機酸は検出出来なかっ
た。
実施例7 グルコース12.0%,NaNO3 0.21%,KH2PO40.05%,MgSO4・7H2O
0.02g,FeSO4・7H2O 0.001%,酵母エキス0.1%からなる培
地2700mを5容のジャーファーメンターに張込み、
殺菌冷却後、ウスティラゴ シノドンティスIFO 9758の
種母培養液300mを植菌し通気量1/min,攪拌機の
回転数毎分600回転,培養温度25゜℃で10日間培養を行な
った。発酵液の高速液体クロマトグラフィー分析ではβ
−ヒドロキシパラコン酸23.2mg/m、イタ酒石酸7.4mg
/mが蓄積されており他に、エリスリトール4.8mg/m
も検出された。発酵液1を毎分9,000回転で15分間
遠心分離を行ない菌体を除き得られた上清液をロータリ
ーエバポレーター用いて減圧下に30mまで濃縮し、ジ
エチルエーテルで連続的に抽出し、エーテルを留去し、
生じたシロップを五酸化リン上減圧下に乾燥し、得られ
た固形物10.5gについて、酢酸エチル−シクロヘキサン
の系で再結晶を行ない、β−ヒドロキシパラコン酸5.2
gをプリズム状の結晶として得た。
0.02g,FeSO4・7H2O 0.001%,酵母エキス0.1%からなる培
地2700mを5容のジャーファーメンターに張込み、
殺菌冷却後、ウスティラゴ シノドンティスIFO 9758の
種母培養液300mを植菌し通気量1/min,攪拌機の
回転数毎分600回転,培養温度25゜℃で10日間培養を行な
った。発酵液の高速液体クロマトグラフィー分析ではβ
−ヒドロキシパラコン酸23.2mg/m、イタ酒石酸7.4mg
/mが蓄積されており他に、エリスリトール4.8mg/m
も検出された。発酵液1を毎分9,000回転で15分間
遠心分離を行ない菌体を除き得られた上清液をロータリ
ーエバポレーター用いて減圧下に30mまで濃縮し、ジ
エチルエーテルで連続的に抽出し、エーテルを留去し、
生じたシロップを五酸化リン上減圧下に乾燥し、得られ
た固形物10.5gについて、酢酸エチル−シクロヘキサン
の系で再結晶を行ない、β−ヒドロキシパラコン酸5.2
gをプリズム状の結晶として得た。
その分析値は次の如くであった。
融点 84〜87℃ 元素分析 実測値C:41.26%,H:4.37% 計算値(C5H6O5として) C:41.10%,H:4.14% [α]15 D −44.9(c=2.0,H2O) −51.7(c=2.0,アセトン) [発明の効果] 本発明によればβ−ヒドロキシパラコン酸がウスティラ
ゴ属の微生物の培養物中に短期間に著量生成蓄積され、
併産されるイタコン酸等の濃度は従来法に較べて顕著に
低下しており、したがって容量かつ経済的に当該酸を充
分量採取することが出来、産業上の利用価値は極めて高
いものである。
ゴ属の微生物の培養物中に短期間に著量生成蓄積され、
併産されるイタコン酸等の濃度は従来法に較べて顕著に
低下しており、したがって容量かつ経済的に当該酸を充
分量採取することが出来、産業上の利用価値は極めて高
いものである。
Claims (1)
- 【請求項1】ウスティラゴ属(Genus Ustilago)に属する
l−β−ヒドロキシパラコン酸生産菌を培地に培養し、
培養物中にl−β−ヒドロキシパラコン酸を生成蓄積せ
しめ、これを採取することを特徴とするl−β−ヒドロ
キシパラコン酸の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1171063A JPH0630598B2 (ja) | 1989-07-04 | 1989-07-04 | ▲l▼―β―ヒドロキシパラコン酸の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1171063A JPH0630598B2 (ja) | 1989-07-04 | 1989-07-04 | ▲l▼―β―ヒドロキシパラコン酸の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0335786A JPH0335786A (ja) | 1991-02-15 |
JPH0630598B2 true JPH0630598B2 (ja) | 1994-04-27 |
Family
ID=15916369
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1171063A Expired - Lifetime JPH0630598B2 (ja) | 1989-07-04 | 1989-07-04 | ▲l▼―β―ヒドロキシパラコン酸の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0630598B2 (ja) |
-
1989
- 1989-07-04 JP JP1171063A patent/JPH0630598B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0335786A (ja) | 1991-02-15 |
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